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8354 のレビュー
  • 積層のAestivum
    積層のAestivum
    雪が降り積もる森の中で遭難しかけた少年少女が出会う話。 ゲーム全体を通して伝わってくる冬の静寂に満ちた空気感が非常に綺麗で、もう少し冬に近付いてからプレイしていたら一層この空気感が深く味わえたかもと思ったのですが、それでもなかなか悪くない時期に読むことが出来てよかったなあ、とも思いました。 ノベコレではプレイ時間15分以内のカテゴリに登録されているようですが、プレイした限りでは途中エンドなども見当たらなかったので、普通に進めていけばプレイ時間は1時間以上となるボリュームの作品です。 シナリオは勿論のことゲームの雰囲気にあったイラストがまた大ボリュームな上に見せ場の作り方も上手くて、ほう、と感嘆の際に自分でも吐いた息が白くなりそうな錯覚を得ながらプレイしていました。 歩き続けることの厳しさを描きながら、それでも歩き続けてほしいと願わずにはいられない。 もし厳しさを積もる雪と例えるなら優しさは降る雪と例えてみたいな。いつか美しさに見上げた降雪が、やがて積雪となって前に進むことを困難にさせたとしても、とても当然のこととして「積もった雪」より「降った雪」の方が本当は多くて、それに頑張れば雪掻きで道は作れるし季節が巡れば溶ける日も来る。 そんな印象を受けるような目一杯の優しさと厳しさが詰め込まれた素敵な物語でした。
  • 「願いの果てのその先で」
    「願いの果てのその先で」
    特殊な力を持っているのに退屈な日々を送る主人公が、ある一人の女の子との出会いによって変わっていく青春学園ストーリー。 人付き合いが超苦手な霜森ちゃん、朗らかに我が道を行く水島ちゃんに、無口でほぼ自己主張しない音無ちゃん。そして優等生だけどどこか熱い心を持つ滝沢くん。 この他にもたくさんの個性豊かなキャラが物語を大いに盛り上げてくれます。 笑いあり、涙あり、若物の葛藤が渦巻く困難の果てに…主人公は何を想うのか? 個人的にはちょこちょこ入っているギャグが好きで、読みながら何度も笑わせてもらいました。土偶だねー。 しかしどうやらまだ完結しておらず、本作品は体験版のご様子。 「ここで終わるんですか!?」と結末が気になります…。 CGもキャラの立ち絵もシナリオもとってもボリューミーでした! 雪子さんに毎朝起こされてぇ~!
  • 時絆ぎの境界
    時絆ぎの境界
    俺はゲームで遊んでいると思ったら出雲を観光してた。 序盤の観光展開がゆったりと丁寧で、いくつか道中疑問は浮上しながらも、平和な時間の中で少しずつ二人の距離が縮まる様子にほのぼのとしました。出雲そば、覚えた。 中盤以降は神話的内容が軸になりつつも確かな友情が根本にある物語で、そこはかとなくマイペースだけど通すべき意思は強い優希那のおかげで、はらはらするような展開もどこか安心して見守ることが出来たように思います。 ところで画面外で退場していった……あの……いっそ哀れが過ぎて笑った……。
  • 白雪舞う夏の日々
    白雪舞う夏の日々
    まず最初に、タイトル画面で小雪ちゃんをクリックすると、反応を返してしてくれるサプライズに にんやりしました。(笑) こういう遊び心って、ちょっと得した気分になれて嬉しいんですよね。 可愛らしい小動物系なキャライラストからは想像出来ない、結構な毒吐きまくりに驚かされました。 さらに少し偏った趣味のせいか、今は相当な部分を兄に依存してしまっている小雪ちゃんですが、 やがてレディへ成長した彼女と、それを見守り続けた兄のアフターストーリーも見てみたいな、と。 続編を期待してもよろしいでよね?
  • ANGEL REAPER
    ANGEL REAPER
    妹とクラスメイトを中心とした日常が決定的に狂う日の話。 中盤までは大人しい妹と騒がしいクラスメイトとの賑やかな遣り取りがメインとなっています。ぼっち気質の主人公ですが、もう授業中の事件をきっかけに俗な雰囲気を出していけば多少は溶け込めるようにな……、だめか。まるで何も学習していない馬鹿さに笑いました。 ある出来事を機に空気が一変してからはヒエッと。あの後どうするんだろうなあ。 プレイ後のタイトル画面が可愛いけど怖かったです。
  • 小山内家の掟~引っ越し編
    小山内家の掟~引っ越し編
    やたら家庭内の掟がある家族の話。 何となくタイトルから古い掟に縛られる感じの重苦しい話なのかと勝手に想像していたのですが、きっと多くの家庭にある「掟」がそうであるように、家族を守り物事を円滑に進める為に作られた掟でほっとしました。 色々と熾烈で癖のある登場人物が目立ちますが、特に母親が凄まじく。どういう経緯でこのような人になったのだろう……。ひええ。 選択肢に引っ掛かって辿り着くのに大分時間が掛かりましたが、ミチルエンドで描かれる「家族」の絆が好きでした。ほんの少しだけしんみり。
  • 君の心臓は誰のもの
    君の心臓は誰のもの
    似ていない姉弟の呪いで刻み付けられた心臓の話。 わあ性格がわる~い!(直球) と表面をなぞって一言で表すのは簡単ですが、環境、性格、そういった自分達の構成要素の全てを一種の自業自得と共に拗れに拗れさせた感情の末路の物語でした。 最初の告白の時に「理解」されなかった所で、これはそういうものなのだと、ひとつの諦めと共に拗らせちゃったんですかね……。 そういえば宗教の中では自殺者は地獄に堕ちるとも言うので、彼が言う所の「地獄」とは正しく自分の死そのものを指してもいるのかな、とぼんやり。君の為に地獄に行く俺を覚えていてね。
  • 彼の止まった時間と過ぎ行く彼の季節
    彼の止まった時間と過ぎ行く彼の季節
    もうどこにもいない幼馴染との夏の思い出を懐古する話。 小中学生時代の友人と高校大学と進むに従って自然と距離が離れてしまうのは割とよくあることで。 止まることもなく過ぎて行った時間の流れは時に非情なれど、そこにノスタルジイを感じられるのは良き思い出であったからこそなのでしょう。 二番目のルートでは予想していなかった展開に驚きました。どちらを先にプレイしても問題ないとは思いますが、確かに選択肢は上から回収した方が後味が良いかもしれませんね。 肌を焼く夏の日に当てられ汗で滲んだ視界の中で変わり移る世界に物悲しさを抱きながら、一握りの後悔と共に過ぎ去った日々と、きっとこれからを愛おしく思わせるような物語でした。 (すみませんコメント箇所を間違えたので再投稿失礼します)
  • 記憶の丘01
    記憶の丘01
    記憶を失った少年が殺し屋として育てられる話。 物語としては序章的な意味合いを持ちそうな、シンの過去や依頼の理由など、いくつか気になる要素が散りばめられた前日談という感じかな。 なおテーマがテーマなだけに容赦のない暴力表現が結構多いですが、いずれ殺し屋になる、ただの少年と呼ぶには空虚すぎた少年を、まずは「人間」に戻す為には必要なことだったのかなあ、などと。 タガヤの行動に関しても、それが無慈悲故なのか慈悲故なのか、いずれにせよ行き付く最後の結末が気になる物語でした。
  • 博士の子 -eternal recurrence-
    博士の子 -eternal recurrence-
    水彩画のような透明感のあるイラストと、空想を広げる柔らかな言葉の物語。ストーリーの構造については中盤辺りで察しがついてしまう部分もあるが、虚ろな優しさの先にある結末を見届けたくて最後まで読んでしまう作品でした
  • 白雪舞う夏の日々
    白雪舞う夏の日々
    兄妹の日常物。兄はとても真面目らしく、ADVらしい(?)ふざけた選択肢はなかったが、その分家族としての兄妹の絆は強く感じられたように思う。なかなか気難しい妹ちゃんとのほのぼの会話を楽しむ作品でした
  • 春の姫
    春の姫
    いいお話でした。最後の方もうにやにやしまくりでしたw いいなー!潮見さんかわいかったです。潮見さんだけでなく、雪夜君もその周囲の登場人物もみんな温かくて、それぞれの生活や事情がありつつも心配な時にはちゃんと配慮する感じが、本当にいいなーと。癒されました。また日常の描写と進行スピードのバランスが良く、ラストまで気を削がれることなくプレイできました。ラストは雪夜君に頷きまくりでした。潮見さんかわいかった!
  • 彼の止まった時間と過ぎ行く彼の季節
    彼の止まった時間と過ぎ行く彼の季節
    なんだかとても懐かしいような、自分のお話でもあるような、何とも言えない不思議な気分になりました。 因みに、坂を登ってから階段を登りましたが、この順番で見て良かったです。逆だとちょっと辛かったかも。 心にしみるお話をありがとうございました。
  • 白夜想
    白夜想
    UIがめっちゃ可愛いです~~~。 あとがきやパズル、仮絵バージョンなど、おまけ要素も豊富で楽しかったです。 とあるルールに縛られた会話のはずなのに、違和感が無くて凄いなぁ~と思いました。
  • 罰のある村
    罰のある村
    子供に対して行われた「罰」という村の風習に関する話。 久し振りの帰郷に際して、嘗て主人公が子供時代に体験してきた「罰」について思い出す話がメインとなっています。いくつかの短いエピソードを淡々と語っていく形式で、決して内容は明るくはないですが、どこか他人事のように、あくまで思い出として語られる距離感もあって暗く沈むほどではなく短編として読みやすかったです。 あまり深く彼等の心情を想像してしまうと可哀想で仕方ありませんが。しんどそう。 そうして大人となり「罰」を与える側になった主人公が、その裏側を初めて知る訳なのですが、いやあ、まあそうだろうなあという予感はしつつもそんななあ……。やたら良い笑顔で最後の台詞が言われる姿を想像して何とも言えない気分になりました。いっそ笑うべきか。
  • 「ステッチ・ガール」
    「ステッチ・ガール」
    心の傷を塞ぐ為に自身の身体を縫い続けてきた少女の話。 全編イラストで構成された画面に手書き文字のようなフォントがよく合っていて、また、ただ台詞部分をボイスとして起こしただけじゃないボイスの入れ方にまで凝られていたのが良かったです。 あまり痛々しい話は得意ではないので今回のようなフェスがなければ説明文で避けてしまっただろうなあと思ったのですが、辛い環境に翻弄され悪循環に陥りながら傷付き続けてきた少女による、けれど優しいお話でした。 あまり本編中では恋人について語られなかったので後日談の方を読むとまた少し印象が変わりますね。初見時のプレイ印象では単に風変わりな人なのかとばかり。 あとクリア後のタイトル画面がまた良いなあ……。
  • ある母子の亡命
    ある母子の亡命
    ステキなビジュアルノベルでした。シナリオと演出が重く重くのしかかって… :(´;ω;`):キャラクター紹介のところもとても好きです。
  • 紅乙女
    紅乙女
    すごく美しいグラフィックと世界観にすっかり飲まれてお話に夢中になりました。
  • ある母子の亡命
    ある母子の亡命
    短い中で凝縮されて描かれる、時代に翻弄される一つの家族、その時代を作り動かし動かされた人々の物語が、とても手ごたえのある重さをもって伝わってきました。皆が皆強くて聡明なわけではない、それでも生きようとする、その弱さと強さが響きます。イラストの量が本当に多くてすごいのですが、文章がそれに依存しているわけではなくて、文章とあわせた上での演出が見事でした。世界と人物が余韻を残しながらも描ききられているのがもうすごいなあと思います。すごかったです。
  • 冴子さんとホワイトデー
    冴子さんとホワイトデー
    幼馴染であるクール系美人の如月冴子との話。 分かりにくいけど決して冷たい訳ではない気安さもあって本当に美人な冴子さんが可愛かったです。 ところで製作中本編の方だと主人公は長月君ではないんですね……! 本編登場の人達も皆キャラデザがとても良くて気になるので、また時間のある時に体験版の方もプレイさせていただきたく思いました。