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サスペンス

2220 のレビュー
  • 教室に巣食う悪魔たち
    教室に巣食う悪魔たち
    印象的なタイトルとメイン画像に惹かれ、配信にてプレイさせていただいたきました。 @ネタバレ開始 読み進めていくほど、事件が起こった後の学校という空間における人間関係の苦しさを痛いほど感じました。同時に、少しずつ見え始める事件の真相や主人公の視点に違和感を覚えて先が気になり、一気に読み進めたい気持ちもどんどん高まっていきました。 配信ではストーリー部分のみを体験しましたが、配信後にLINEのやりとりもすべて拝見して、主人公の人間性や久住さんが主人公の誘いを交わす様子、事件前後の登場人物たちのやりとりなどがわかり、そこもまた面白かったです。 フィクションとわかっていつつも、実際に自分の周りでも起こり得そうなリアルなシナリオは没入感も恐怖感もひとしおでした。題材は重いものですが、事件の真相や主人公のことなど、いろいろと考察しながら読み進めていくのがとても楽しく、また、ラストに畳みかけてくる真相や演出も素晴らしかったです! @ネタバレ終了 素晴らしいゲームを本当にありがとうございました!
  • モノクローム・モノローグ
    モノクローム・モノローグ
    感想が大変遅くなりましたが配信にてプレイさせていただきました。 AとB、2つの視点から情報を得ながら脱出を目指すというこれだけで面白そうと思える仕組み。 テレビ企画でも見る逃走ゲームをやってみたら、本物の鬼というべきか暴漢が出てきて命が危ないという状況。 実にスリル満点な状況ですね。 @ネタバレ開始 ◇A まずはAの視点から。 どうやら頭を負傷しており、表面的な出血こそないが腫れから内出血は起こしていそうな状態。 行けるなら早く病院へ…と思うも、そうもいかない状況という事が語られていく。 『ホテル到着直後は、大金を手にした自分を思い描いて胸を高鳴らせていた。それがどうしてこんなことになったんだ!』 この発言からゲーム参加者側だろうと思い込んでいましたが、視点が切り替わるまでの間にも後から考えれば充分おかしいと思える情報はありましたね。 何故、自分を殴った人物の顔をしっかりと見ていたのか。 B視点における情報と矛盾をしていたのに気づくのがかなり遅れたなぁとなりました。 改めて、今回の舞台の説明とばかりにされる振り返り。 ネットで参加者を集うアングラなイベント、知り合い同士の者もいるかもしれないがAの人物は一人で参加していた事。 場所は廃業した廃ホテルであり、ルール上腕時計やスマホは所持が禁止されている事。 隣の部屋からの物音に、誰かがいるのが判明し…勇気を出して壁を叩く場面で視点は切り替わり。 ◇B 一人称からこちらは女性のようですね。 暴漢…殺人鬼がいるのでみんな散り散りに逃げておりそれぞれの部屋に籠城をしていた。 先程Aの視点でもどこかの部屋に隠れていたという事からそこは事実なのだろうと把握。 Aの時には語れていないこのゲームの詳細な部分の説明も入ります。 参加者は一人10万円を持ち寄って、最後まで逃げた人がその賞金を手にできる。 Bをこのゲームに誘った人物からすれば、自分が上手く逃げ切れるかで大金を掴める確率を上げられる分宝くじより良いという見解をしていたようで。 これも今思えば命があってこその前提だったでしょう。 バスルームから出て、ベッドのある部屋に戻れば内装は先程A視点で見たのと似た内容。 部屋がどこかはさておき、ホテルの一室な以上そうなのだろうなとは思いましたが… ここ、気になって感想を書くに辺りセーブ&ロードで再確認をしましたがAとBでは似た一室かつ極めてモノクロに近いながらもBには僅かに色がついていたんですね。 全てを知ると、Aの視点ではモノクロの視野なのに納得はいきましたがB側でも僅かに茶系?が入っているか程度なので初見では違いに気づかなかったのも納得しました。 仕掛けを後で明かすという点でも、ここはかなり丁寧かつ巧い仕組みですね。 Bのモノローグに戻り。 その殺人鬼が参加者と捕獲者どちら側か?すらも不明だったと思えば、どうやら捕獲者側に紛れ込んでいると判明。 某テレビ企画のように、捕獲者の姿は黒ずくめでサングラスに皮手袋と一発で鬼なのがわかるもの。 しかし、この殺人鬼が紛れ込んでいる状況ではそれが全て裏目に出ている…犯行に向いているのが何とも皮肉な所。 Aの時には各自参加者には番号はあるとだけ判明していましたが、Bは「7」というのが確定。 そして、Aの視点と連動するかのように壁を叩く音が聞こえてくる。 壁の向こうから聞こえてきたのは男の声。 だけど、殺人鬼も体格からして男な以上今回は相手が男というだけで犯人の可能性が切れない状況。 とにかく、ここからやり取りを…と相手の番号を聞けば「5」という申告が。 互いの名前を知らない以上ここは番号で識別や自己紹介をするのが筋でしょうが…記憶を辿っても誰が何番なのかは思い出せない。 犯人かどうか?というド直球の質問をすれば状況が進展し、事件があった当時の記憶が回想される。 個人規模のゲームという事で、捕獲者は相手を捕まえた証拠としてカラーボールを相手にぶつける必要がある事。 一度に携帯できるのは1人1個なので、なくなったら補給所まで取りに戻るというルールがあった事。 当初、7番は自分を誘った8番と一緒に隠れていたところ3人の男性参加者と合流し会話をしている中で捕獲者に遭遇した。 前方2人、間に7番が1人、最後尾に2人という並びで逃げる中後ろにいた男性にボールが当たる音がし脱落が決定。 全力疾走に疲れたものの、これがゲームであり捕獲者がボールを補給に行く分余裕もある状況からか健闘をたたえる拍手が自然と起きていた。 本来ならここから捕獲者が一時撤退をするはずなのに、捕まる=命はないとばかりに殴られた蛍光色付きの男性。 凶器を構えた捕獲者を視認し、一斉に逃げ出す流れへ…。 その途中、8番の彼女は捕まってしまい7番はそれを見捨てて逃げるしかなかった。 これに関しては相手が凶器を持った男性という時点で危険しかないですし、仕方ないとはいえなかなかにショッキングでしょう。 回想が終わり、5番が今思えば…という事やその後得た情報を共有してくれる。 どうやら捕獲者全員が殺人鬼ではなく、あの凶器を持った人物の単独犯であろう事。 情報はありがたいものの、結局この自称5番が本当に犯人ではないという確信はない。 番号だって適当に名乗ればいいだけで、それこそ女性が持っている7と8以外なら成立してしまう。 何よりAの視点では番号が配れていたという情報のみで、彼の番号が何だったかは明かされていない。 状況的に、今壁の向こうにいるのはA視点の人物だと思えましたがそれだとせっかく2視点で語られる物語なのに捻りがない…。 確かに状況として類似している部分はあれど、100%と言い切るには無理がある。 物語としてAとBはずっと別行動をしており、部分的に確定情報を与えない事で犯人と合流し騙されるミスリードを狙っている? 真っ先に浮かんだのはこのルートでした。 だけど、誘導尋問は難しい。 となれば姿を確認するのが確実? 記憶によれば、犯人は180センチ以上はあるという日本人にしては珍しい長身である事。 それに途中で遭遇した3人の男性はそんなに長身ではなかった事。 とにかく、明らかに180センチある人物でないなら犯人でない事はほぼ信じられるでしょう。 そこで、相手にこちらのベランダに来てもらい窓越しに確認をする手段を取る事に。 「でも少し時間をください。少し頭がふらついていて……。慎重に行動したいので」 どうやら、自称5番は逃げる時に頭を殴られたらしくまだそのせいで体調がすぐれない様子。 これもA視点であった情報と一致するので、やはりAなのか?と首は傾げ。 ◇A 少し時を巻き戻し、隣にいる誰かへコンタクトを取る場面へ。 どうやらAは5番であるようで、あの番号がまさかこんな時に使う事になるとは…という心境のよう。 そして、やはりベランダ越しに来るように言われ自分の姿を確認したいという流れへ。 まだ頭がクラクラしている…という発言から、やはり先程のB視点であった会話とも一致しているよな?と思いましたが。 なかなか無茶をいう、から始まるモノローグの一番後ろ。 この重い身体を引きずっていけっていうのか。という部分は後の展開を踏まえると…? 少し時間を、からの『僕は重い身体をひきずり始める』 跳躍する事の比喩だろうと思っていた発言ながらも『身体を放り投げる』という部分も… これは、意味が分かると怖い話…!! 嘘はついてない。嘘はないけど真相がわかった途端にぞわっとするのがまさしく意味怖のそれ!! 今回A視点の人物は信用できない語り手である以上、確かに全てを公平に情報として出す必要はなく。 Bとリンクすると思える部分を出しながら、重複する部分はくどくならないよう省略されているのだろうと勝手に脳内補完をしていた事。 …よく見れば、この時点で何故夜景はモノクロだったのか? そこに当初は何の疑問もありませんでしたね。 ◇B 白い影、シルエットから相手の身長が180もない事は確実。 そして合流したのはあの3人のうちの1人だった。 犯人でないと思えただけでも安堵はありますが、顔を知っている味方というのは何とも頼もしいですね! そして会話から、どうやら7番は少しでもカモフラージュができるようにと黒い服に着替えていたようです。 結果的に、犯人が複数犯でない以上無駄だったかもしれないと思っているようですが…この緊急事態の中でなかなか知恵が回っている印象ですね。 武器になる物はないか?という会話から超近距離限定ながら使えるボールペン。 折り畳みの日傘というゾンビサバイバルでも実は使える武器として一部では定評のある物があると判明。 そして、中身が凍ったペットボトルをエコバッグに入れる事で振り回せる鈍器もできあがり。 いざ廊下に出るも、どうやら5番はかなり心身共に良くない状態の様子。 目もなんだか霞んでいるというと、それは情報を視覚から得にくいという点で結構危ないのでは? (恐らく、モノクロの夜景についてもこういう部分から無意識に納得を重ねたのかもしれません) そんな相手に隣のベランダまでジャンプさせるとか結構鬼畜な要望を出したな…? 下へ向かう手段として、エレベーターは動かす事で犯人に情報を与えかねない。 体調に不安のある5番はいても、非常階段を使った方がいいでしょう。 何より、エレベーターがこの階に到着したら中から犯人が出てきたとか笑えませんので。 そして、階段を利用してどんどん下の階へ。 その途中、7番は5番の事を犯人ではなくとも自分を利用しているのではないか?と疑い始め…。 共闘しようなんて嘘で、ただあたしを囮に逃げ延びようと思っているだけ。 いや、正直この状況で緊急手段としてそうなったとしても責められないのではないか? 仲間がいる方が有利というのは7番だって思っていたはず、何より自分が女であり体格の良い犯人相手には勝てないのだから。 実は自分こそが内心ではそう思っている事の裏返しではないのか? 状況が状況だけに、保身も含め疑心暗鬼になる事は仕方がない。 でも、すでに5番は言っているんですよね。 「犯人は、捕獲者だ。逃げても追いつかれる可能性が高い。それこそ誰かが犠牲にならなければ逃げきれないでしょう。さっきのように」 鬼の役をする時点で、ある程度身体能力の高い人物が選ばれている可能性は高い。 その上で、誰かが犠牲になる必要性はすでに階段へ行く前から述べている。 この犠牲というのが、5番と7番のどちらになるのか…はその時にならねばわからないとしても。 何より、事実として彼彼女らは5人で逃走した際に蛍光色の男性を共通で見捨てて逃げた。 7番だって親しかったはずの8番を見捨てて生き延びている。 我が身が可愛いのなんて、今更なのになぁと…。 それでもようやくホール上の階段まで移動は成功。 もうここまでくれば囮も何もない、一気に走り出せば途中で身体に走る衝撃と痛み。 どうやら走った事で結果的に頭を狙われていたけど腹を殴られる結果になった様子。 内臓へのダメージも怖いですが、頭なら一発で気絶か最悪即死なだけマズイながらマシな方を引き当てたというべきか…。 そんなピンチの中、5番がペットボトル鈍器で助けてくれた事により形勢逆転。 これまでの理不尽への怒りと言わんばかりに日傘を使って殴る!殴る! しかし、それでもまだ死んでもなければ気絶もしていない犯人は5番の方へ行き彼を人質としてエレベーターへ…。 5番の事は心配ながらも、まずは外に出て通報しなければならないとここで視点終了。 ◇A ベランダでシルエットの確認をしてから鍵を開けてもらう場面へ。 また随分と巻き戻ったな?と思うも、先程までのB視点がかなり長かった以上仕方ないのかと思えば… 良かった。これでようやく。ようやく仲間を―― ――仕留められる。 ちょっと待って、私の知ってる流れと違う!? 5番は確かにいた。5番はA視点の人物の前に立たされており、手足を縛られ猿ぐつわをされている。 隣の部屋の人間はシルエットからそれを判断材料としたのでどんな状態なのかまで見ずに鍵を開けてしまった。 そして、隣の部屋にいたのは6番…? あいつじゃなければ恐怖はない、という言葉も謎でしたがこれは完全に騙されたというしかない。 最後にニュース画面が映され、どうやら犯人は逮捕されたもののかなりの犠牲者が出た事が判明。 まだ謎が残るものの、それは真相がわかる視点から全て語られるようで…。 ◇B(ビフォー) ここからは犯人視点という事で、明確に今までぼかされていた部分も語れるようですね。 今までの情報通り、犯人は捕獲者としてこのゲームに関わっていた事。 本来なら逃走者として参加をしたかった位に金に困っている状況だった。 が、Bの視点で語れているように賞金は各自で10万ずつ持ち寄り×人数に応じてとなる以上最低でもその金額を出せなければならない。 さらに実は別途事前のエントリー料まで必要という、参加するにはかなりの金額が必要だったという事実が判明。 B視点では友人の紹介という形だったので参加をできただけで、本来なら紹介者がいない場合はまず参加すら困難な倍率だった事。 そして現実の鬼ごっこもですが、やはり鬼の役は人気もなくほぼボランティアのような状態だった分こちらでなら参加は簡単なようで。 「賞金を盗む」そのプランを思いついた事でこの犯人は本来なら断ろうと思った捕獲者としてエントリーをする事に。 やはり、鬼として必要な身体能力はあるようでその条件はクリアしていたようです。 個人のアングラな企画なせいか、大金が絡む割には結構ずさんな管理体制。 犯罪というリスクを取る以上できるだけ身元に繋がる情報は残したくないと思うもこちらへ話しかけてくる他の捕獲者。 前回では10人中8人を捕まえたという武勇伝も合わせ彼にとっては、承認欲求半分の小遣い稼ぎ半分であろう事には同意します。 というか、こういうアングラなゲームを道楽として楽しめている時点で色々察する部分はあり。 まずは隠しておいた武器を手にし、ゲームマスターへと接近を。 嘘の理由から賞金の置いてある13階の一室へ入り、金属バットを振り下ろす。 足がつかないようにする為には、どのみち顔を知っているゲームマスターを口封じする選択しかなかったようですね。 そのまま、冷静に考えれば部屋の鍵をかけておくのが良かったでしょうがそんな余裕もないまま賞金を手に入れる事に成功。 100万円は僕にとって大金だったが「意外に薄い」と感じた。本当に、この薄さに人生を変える力があるんだろうか? ここの一文がなかなか印象的と言えます。 一般的に100万円は大金という認識で良いと思いますし、一部の裕福層でなければ当然の感性でしょう。 しかし、いざ厚みとして認識するとそれを薄いと感じた事。 100万円そのものは大金であっても、正直殺人というリスクを犯してまで人生を変えるだけの力があるかと言えばNOでしょうから。 これが3億円とかなら、まだわかるものの…。 その薄さの為に人生を狂わせる価値は本当にあるのか? そして、やはりというべきか鍵以前にドアが開けっぱなしだったせいで見つかってしまう犯人。 気が焦っていたにしてもあまりに迂闊…! 本来ならスマホという個人情報の塊も証拠になる以上回収しておきたかったと思いながら二人目の犠牲者を出した犯人は逃走へ。 まだ事件の事を知る人物が限られる以上、一旦冷静にゲームにおける振る舞いを演じていれば問題はないはず。 10階を移動していると誰かの話し声が聞こえ、耳をすましてみると…。 …これは完全に、犯人にとっては地雷でしょうね。 というより、大半の貧困及び庶民層を敵に回したな?という感性というべきか。 「賞金ったってたかだ100万だし」 その100万円の為に殺人までした犯人にとってはなかなかキツイ発言でしょう。 そもそも、100万円をたかがと言えるなんて時点でこの金額ははした金と言えるという意味でもあり。 実際に犯人がそうだったように、100万円を喜ぶような貧乏人はそもそもこのゲームに参加しないという事。 だって、エントリー料に自腹である賞金の一部となる10万円を出せる事が前提なのだから。 それができないから仕方なく捕獲者として窃盗をするという事を選択したのに…。 思わず背後の金属バットにのびる手、その為に自分は手を汚したのに世の中にはこのゲームを紳士淑女のゲームだと笑っている奴らがいる。 自分のような貧困層を嘲笑っている奴らへの怒り。 まだこのゲームが安全な物だと思っている逃走者を追いかけ、まずは立ち止まらせる手段としてカラーボールを投げつける。 Bの視点ではこの時に起きた拍手はある種の一体感から生まれた、ゲームを楽しむ物としての事だったのでしょう。 しかし犯人からすればそこに漂うのは生温い空気、今そこにある殺意に気づかない者達へ向けられた感情。 そして8番の女性は襲われどんどんと減っていく逃走者達。 廊下を曲がろうとした際に出会った、同じく捕獲者として雇われた人物に凶器を手にした姿を見つかり仕留めようとするも逃げられる。 それからバットを手に走り続ければ見つけたのは先程の捕獲者でなくバラバラに逃げたのであろう逃走者だった。 逃走者を捕まえもせずに先に逃げるなんてな もうこの時点で鬼から逃げるというゲームは現実となり、そして逆に犯人にとってはゲームとなってしまった事を示唆する文面として秀逸でしょう。 その後、逃走者に殴りかかるも反撃として突き飛ばされポケットから落ちる紙幣。 本来の目的は金を、100万円を手に入れる事。 それを達成したにも関わらず、この場から逃走をせずに、通報をされるかもしれないというリスクを背負いながら感情のままに追いかけている状況。 非常階段から一階を目指すも事情を知らない逃走者10番に二階への扉へ鍵をかけられた事で犯人はエレベーターへ向かう事となる。 後になってみるとB視点でエレベーターが反応をしなかったのもこの時点と交差していたのかもしれませんね。 そしてB視点で謎だった、何故殺人を犯した犯人の方が瞳を濡らしていたのか。 それは7番の形相が彼の母親に酷似していたからだった。 彼のずっといっていた『あいつ』は母親を連想させる7番の事だった事が判明した際、線が一本に繋がる感覚がありました。 やがて物語冒頭のAの視点に続くように事は進み… ◇A(アフター) 物語は5番と呼ばれた男の視点へ。 その正体はフリーライターであり、今回も記事のネタとして潜入取材をしていたという事。 ありもしない「安心安全保証付き」のスリルとサスペンスを求めた結果が現状を生んでしまったという事。 今思うと、そんなゲームに参加する人間の本音を引き出す為に彼は虎の尾を踏む事になってしまったのでしょう。 まだ彼はあちら側の人間でないとわかる描写として、犯人を殴った際に正当防衛とはいえ自分が人の命を奪う可能性にぞっとした事は気に留めておきたい点。 そして事前に語られていたA視点の空白を埋めるように5番の視界を通じて伝えられる状況。 よりにもよって自分と共に貧困層を嘲笑していた6番が自室に戻ってきてしまった。 そしてその物音は犯人の耳にもしっかり届いており、物語の輪郭から内部を埋めていくように語られていく流れ。 ここで犯人は5番を騙り隣のベランダへと移っていく所までありありと想像ができてしまいました。 「窓の下だ。何色が見える?」 そしてこの発言でようやく犯人には色がわからないという事が判明し、タイトルにあるモノクローム(単色)という部分が回収されましたね。 後日談として語られる犯人の素性。 やはり彼は母親から虐待を受けており、7番を怖がっていたのもそれが全てだった。 凶器のチョイスで趣味の野球と誤魔化すつもりだったのもかつて野球部で活躍をしていたから出た発想だったのか。 そうして、殺意とは伝染するのか。 あの時の恐怖を知らない編集長は他人事として今回の潜入調査がいいネタになったと笑っているけれど5番にとってみればそれはあまりにも無神経すぎる言葉だった。 このままではこの場所でも殺人事件が起きてしまうのか?そう思えば開かれたカーテンから見えたのはヘチマの花だった。 もしも犯人の目にも、また色が射していたのなら? それは何かを変える事ができたのかはわからないとしても、色を希望等他の物の比喩とするのなら。 救いはあって欲しかったと思ってしまいますね。 @ネタバレ終了 物語の仕掛けにまんまとやられた事、サスペンスと言える状況の中で語られる現代でも起こるだろう問題。 色々と考えさせられるものがある作品でした。 それでは面白い作品をありがとうございました。
  • 灰骸の街
    灰骸の街
    キャラデザイン、スチルに惹かれてプレイしました。 @ネタバレ開始 ダークな世界観をベースに描かれる一抹の希望と裏切りにグッと引き込まれ、いずれのエンディングもビターな後味を残すところが凄く好みでした。個人的にはEND2.堕天使が最も好みで、自分を守ろうとしてくれたミカエルさんを喪ってアザミさんが生き延びてしまうのが、皮肉で良かったです。人体実験によって生み出されたミカエルさんの「飛べる」という宣言が現実的には裏切られてしまうところに悲哀があり、胸が締め付けられる感覚がありました。 @ネタバレ終了 総じて、凄く好みにストレートに響く作品でした。 素敵な作品をありがとうございました。
  • ドロップシャドウ
    ドロップシャドウ
    主人公、すごいやつだな…と。思い切りがよくてスッとする…
  • ドロップシャドウ
    ドロップシャドウ
    決して明るい話ではないけれど、苦しくならずに読めるテンポ感。 彼らはこの後どうするんだろう。
  • 悪人悪華~アクニンアッカ~
    悪人悪華~アクニンアッカ~
    悪人悪華は人生を豊かにしてくれます。 嘘だと思ってますね?騙されたと思ってプレイしてみてください!きっと貴方の日常を彩ってくれる事でしょう!! 私は実際このゲームをプレイする事で脳の一部を著しく破壊されたことによって新しい自分に生まれ変われました!(※感じ方には個人差があります) カスの尋問であなたも新しい自分になってみては?大変良作なゲームとなっております是非プレイしてみてください!
  • メモリーガール【12/12更新】
    メモリーガール【12/12更新】
    最初は少し怖かったのですが…… 切なくて綺麗なお話でした! @ネタバレ開始 ゲーム的なエフェクトや背景でワクワク感が凄かったです! 怪談を集める時にフルボイスになるのも、没入感が凄くてドキドキしました。 素敵な作品をありがとうございました
  • アレジエ
    アレジエ
    大まかな流れは変わらないのに、主人公によって全然違うお話になるのが興味深かったです。 淡いタッチの絵柄が、ストーリーの雰囲気をより演出していてスチルも可愛いと綺麗のいいとこどりでした。 @ネタバレ開始 ユーリ♀ちゃんの手癖の悪さと度胸に何度も驚かされました。違うゲームだったら序盤で殺されてしまいそうなのに…! 二人とも危ういものを抱えてはいますが、憎み切れない部分もあり読み終えるころには、頑張って生きて!と応援したくなりました。 どちらが国王になっても、この国ちょっと心配ですけど。 片方の性別を選ぶと、相手のルートでその人物が存在しなくなってしまうので、心の支えになる彼らに双子ちゃんが同時に出会えていたらもっと違うお話になるのかなと妄想が膨らみました。 @ネタバレ終了 素敵なお話ありがとうございました
  • 悪人悪華~アクニンアッカ~
    悪人悪華~アクニンアッカ~
    悪人ばっかの大混戦取り調べゲーム! 個性豊かな犯罪者達<カス>のオンパレード!ジャンルは取り調べ系サスペンスだけどオモロい犯罪者達がわんさかいるから怖すぎない!でも、考察し甲斐は◎! キャラゲーとしてもノベルゲーもしても面白いのでおすすめです! カス相手に毎回指差してキレるか、指差して大笑いしてます!お前ら絶対許さないからな〜〜〜!!!!!!!
  • 8月32日
    8月32日
    どストレートなホラー展開かと思いきや、深いストーリーで、決して”良い”結果とは言えないものの、良い話だなと、こういう展開もありと言うか、個人的にはベタな感じに終わらなかったのが好みですごくよかったです! まだ全エンドは見ていませんが、またプレイして回収するつもりです。 ありがとうございました!
  • RトR
    RトR
    @ネタバレ開始 ……これで終わりかあ。 正直ループ脱出するか否かまで選べると思ってた アリスの名前を出したことに対して、茉莉先輩が無反応なのは気になったかな。
  • 真昼の暗黒
    真昼の暗黒
    あぁ、、すごい、、まじですごい、、!僕自身ノベルゲームをコレクションを300時間以上遊んでいるものなのですが、ここまで世界観に引き込まれたノベルゲームは初めてです、作者様の文章構成能力がケタ違いに高くて、この作品の世界観を一気に引き立たせてくれます。そしてその肝心な世界観は、ほんっっっっっとうに生々しいです、人間の欲望が気持ち悪いほどに表現されていて、感情がぐちゃぐちゃになります、主人公ミサの心情が、まさに年齢相応といった感じで、さらに物語の完成度を引き立たせてくれます。多分こういうのが苦手な人遠慮したほうがいいかも、、?でもその分刺さる人にはとことん刺さると思います、自分の刺さりました。ゲームシステムも素晴らしく、一章ごとに区切られていました、自分は時間がなく、あまり長いものをプレイしにくいのですが、しっかりと自分のペースで読み進めれました。ですが、おすすめとしてはこの世界観のどっぷり浸かってほしいので、時間があるときに遊ぶことをお勧めします 最後に、まじでとんでもなく面白い作品でした、最高の作品をありがとうございます
  • 薔薇園に骸を埋める
    薔薇園に骸を埋める
    雰囲気がとても好きです。非常におしゃれで、繊細で、少し病的な不穏さも感じるこういうテイスト大好きです。 @ネタバレ開始 テイストだけで大満足で幸せなくらいなのですが、自分でデザイン、イラストなど統一して制作できる方だと各所が組み合わさってより雰囲気を強めていて……まさに素敵な箱庭を覗き見るようで楽しい時間でした! 音楽のもやんとした感じ、死体の正体など先が気になる謎、全部そろってじっくり味わっていられる作品でした。ありがとうございました! @ネタバレ終了
  • 飯テロサスペンス劇場
    飯テロサスペンス劇場
    面白い作品でした! 個性的な仲間と豪華な旅館が見事に組み合わされている内容でした。ありがとうございました!
  • 家出少年ほころくん
    家出少年ほころくん
    ホラー感が良い感じで楽しかったです。
  • 飯テロサスペンス劇場
    飯テロサスペンス劇場
    実況配信させていただきました~ 男子大学生5人で卒業前旅行とくれば、テンションあげあげヒャッホイ旅行♪ 雰囲気もサービスも良い感じの旅館で美味しい料理の数々! 指をくわえお腹が鳴りそうになりながら進めていたら…急な殺人事件!!! そう、その時我は思い出した…これはサスペンス劇場だったことを それまでのワイワイ系とは違いちゃんとしたサスペンス ガッツリと推理させていただきました。 @ネタバレ開始 やっぱり食べ物の恨みはすごいものですね~ でも、それよりも五島くんの運の強さに震えましたwww @ネタバレ終了 ジェットコースターなみの緩急で、すっごく楽しませてもらいました~ 素敵な作品をありがとうございましたぁ~
  • LivingDead*Magic
    LivingDead*Magic
    こちら、実況をさせていただきました! ゾンビものと聞いて前からプレイしてみたかったので今とても満足しています。 @ネタバレ開始 にんにく缶、ぜったい何かあるだろー??と思ったら案の定でぞわっとしました。 戦争は価値観を塗り替えていく恐ろしいものだと知っているので、動く屍というものの恐ろしさが背筋を這い上がるのを感じながら読み進めていました。 上官はいいやつだったのか、悪いやつだったのか、私には計りようもありません。 ユリネがこんな極限状態で逆に安定していられるのが不気味で仕方なかったのですが、この不気味さの正体が分かってしまった時に涙が止まらなくなり、そのまま泣きながら結末まで見届けました。 エンドによっては例の薔薇の紳士がやってきたので思わず立ち上がりました。 彼、やってることは最悪なんだけど…気遣いとしてはまさに紳士なんすよねぇ…。惚れます。 最後に罪を背負って生きていく決断を見届けた時、リィニャと同じ髪型だったしヘアピンをふたつ付けていたのに感動しました。 あっ、収録後にひっそりと150日目も見させていただきました。最高です。 @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございました。
  • きっとだれかの、
    きっとだれかの、
    隙間時間を埋めようとプレイ時間が短いゲームを探していて、綺麗な青い瞳に辿り着きました。 説明通りに「かぞくごっこ」から始め、悲しかったりそれはそれで優しかったりする物悲しいお話達から離れられず。 もしやもしやと思いながら時間を忘れて全てプレイさせて頂いてしまいました。 そして最新がこちら……ああ、そうか、そうなのか……と、 何というか断片的なのに芯のある一本の小説や映画を観ていた様な気分になりました。 @ネタバレ開始 END3も好きですが、優くんの身体が余りに華奢過ぎて……。 とはいえおとうさんの方も痩せ衰えていそうな印象なので、想像すると痛々しいです。 END1が一番両人ともに幸せなのかも知れませんね。 @ネタバレ終了 とにかく、全編辛く物悲しくも儚くて、狂気に満ちているのに何処か美しいお話を有難うございました。 おとうさんの事ももう少し知れたら嬉しいなと親父スキーの独り言を残してゆきます。
  • 窓辺の天使 ORGIN STORY 『自殺志願者の約束の地 ~SUICIDE APPLANT'S CANAAN~』
    窓辺の天使 ORGIN STORY 『自殺志願者の約束の地 ~SUICIDE APPLANT'S CANAAN~』
    全部アニメ調のシーンが入っていて、とても見やすかった。 前作もアニメを見ているようだったが、それ以上のクオリティ! 進化速度やばい! @ネタバレ開始 新作かと思っていたけれど、前作との関連がある気がする。
  • きっとだれかの、
    きっとだれかの、
    END3の解放条件が分かりません;;