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ティラノゲームフェス2020参加作品

10005 のレビュー
  • てんがいちかく
    てんがいちかく
    Twitterでスクショを拝見してプレイしました!短時間で緩急ついてて話が良くできている、すごい!というのが一番の印象です。 @ネタバレ開始 ユリくんがあの見た目で主人公に敬語なのがとても萌えました。 @ネタバレ終了 全体的な導線も良くできててすごいなぁと思います。素敵なゲームをありがとうございました!
  • 嘘の手紙
    嘘の手紙
    加工された背景がとてもゲーム内容に合っていて良かったです。 過去からの手紙。 遺書。 1つだけ嘘。 という凄く興味深い内容で最後まで楽しむことができました。 1週目は理由も分からずという感じでしたがヒントをもらっての2週目からはこういうゲームなんだと分かりさらに楽しめました。 話も暗いながら~というただ嫌な気分になるだけではない内容なのが良かったです。 プレイされる方はぜひ最後のエンディングまで見て欲しいです。
  • 誰が殺した小夜啼鳥を
    誰が殺した小夜啼鳥を
    尾猫シリーズを制覇するぞ!とワクワクしつつ実況動画としてプレイさせていただきました。 ―誰がコマドリを殺したか?それは私よスズメがそう言った。 概要にある通り、殺したのは誰?という部分を想像しつつ楽しませていただきました。 @ネタバレ開始 先に一言置いておくと、確かにこれは葦島さん激怒案件待ったなし…!! 始まりの話→ハートフル→悪意と殺意、という温度差で風邪を引きそうになる位、毎作彼の違った面を知る事ができるという意味で良かったです。 根幹の部分はそのままで、一作目を思い返して思わず「それ言っちゃうかぁ~!?」となる場面も多々。 ここまでくると、プレイ目的もすっかり葦島さんの行動を観察して楽しんでいる部分が大きくなってきましたね。 あとがきでも作者様が彼を気に入っているので今後も出番があると記載がありましたが、需要はここにもあると声を大にして言いたいです。 では、話を本作本編の方に戻しまして。 後から再度物語を読み返すと、この時点であった!となるあちこちにあった伏線。 そして、意味を理解したからこそ何を示していたのかわかってしまった白黒で描かれる断片的な情報。 基本は顔のわからない形式で人物が表示されるからこそ、顔がはっきりとわかる場面が引き立っていく。 それは愛らしい表情だったり、隠しきれていない敵意だったりと…。 タイトルから、最初は小夜ちゃんは女の子かと思っていましたがいざプレイを始めると男の子?となり、最後にはやっぱ女の子だった!!と完全に作者様の掌の上で転がされました。 気付いたら知らない場所で知らない大人の男に声をかけられる小夜ちゃん。 案内をしてくれるという申し出を無視し歩き出した後、肩に触れられた際に思わず出た拒絶の反応は初見だとただの知らない大人を警戒する物として見えましたが真相を知ると違う意味になってしまうのが良いですね。 『其の後に起こる事を予測して、震える肩』というのもてっきり手を弾いたから腹を立てた相手に何かをされると思っただけだろうと思っていた…頃がまだ幸せでした。 実際は、大人の男(先生)にされた行いからの警戒が無意識に出ていた…のでしょうね。 そして、その対応に対し『小夜ちゃんは触れられるのが怖いから』と思って納得する葦島さん。 この辺りは変に人を疑わないというか、純粋ないつものだなぁと思いましたがその後に自分にも怖い物があると『階段』というワードが出た時には 君が言うとほんっとにシャレにならないもんな!? と、ブラックユーモアすぎて笑うしかねぇ!となってしまいました。 確かに死因だからなぁとはなりますが、彼自身が今も手摺がないとどうにも駄目という辺りそういう点でも笑い事じゃないのは根深いですね…。 今思うと、葦島さんが小夜ちゃんへ学校についての話題を振ったのはただの興味本位な偶然かある程度目星を絞る為の質問だったのか? ここは不明ですが、産まれてもいない彼にとっては学校へ行くという生きていれば当たり前にできたであろう事も憧れる事なのだろうな…というのが何ともやるせなさを感じます。 それはそれとして首が180度捻じれている様にすら見える(彼の体質的にできないとも思ってないので比喩ではないかもしれない)勢いなのは突っ込みを入れながら。 まだ葦島さんの服装が一作目の時と同じだったので、多分時系列としては二作目冒頭よりは昔?程度で捉えていましたがそこはまさか彼の正体が…と思いつかない事を想定すると勘違いをしてもおかしくなさそうですね。 (実際、時代的な話としては彼が産まれるはずだった頃ならそういう事も本当にありえたのでしょうが) 唐突に挟まれる回想。 どうやら先生の視点らしく、さっきまで名前がわかっていた小夜ちゃんの名前が不明になっており『篠上』と呼ばれている? 田舎の学校という事で、2学年ごとに1教室にしている事もあり6年生の彼女は色々あって他の生徒から浮いた存在だった。 先生としては彼女の事を気に入っており、彼女も何だかんだ先生の事は気に入っている様子。 片親の家だと何かと大変というのは理解ができたので、気に掛ける気持ちはわかるかなぁとこの時点では微笑ましく見ていられました。 学校であった事を語る小夜ちゃんに対し、学校に関する知識が乏しいのか将棋も勉強の一種なのか質問をする葦島さん。 この辺だと、センセイやショウギという単語がカナ表記なのが音は知っているけど意味までしっかりわかっていない感じなのもあってまだ知識を学んでいる幼さを感じさせます。 本来ならすぐにわかりそうな、将棋をする自分は他の子とは違う!という自尊心も素でわかっていない辺りもある意味素直というべきなのか。 「頼れる人が一人しか居ないのは……危ないよ」 軽い会話のドッジボールから出てきた本気であろう心配。 本来、子供でなくても頼れる先が多いに越した事はありませんしそれが子供ならば猶更多い方がいいのはその通りでしょう。 ここは結果論と無意識もあるのかな?という推測ですが 「……先生以上に、先生みたいな事、言うんだな」 この返しが自身の立場を悪用し自分に依存させ洗脳させる事で言う事を聞かせようとした教育者崩れの行動と、真に子供の未来を案じるべき人の言葉として出るはずの物。 その対比から出たのではないかと2周目では感じました。 そして、先生は放課後も勉強を教えたりするから大変だという説明から再び始まる回想。 そこでは帰りが遅くなっても父親の帰りが遅いので心配される事がないと語る小夜ちゃんに勉強を見てあげる先生が。 会話だけ見ていると多少の違和感?若干すれ違いのような物がある印象。 そのままでも、自分を気にかけてくれている好きな先生に照れている生徒という解釈はできますが… 後の回想も合わせると恐らくここは小夜ちゃんの台詞はそのままだと思えますが他に捏造なり改変があったもおかしくない気はしますね…。 特に気になったのが 「……うん。分かってる。分かってるよ。先生」 ここの部分でしょうか。 その後の、段々と様子がおかしくなっていったという部分は真実を知った後から見れば恐らく嘘を広めようとした辺り付近と考えた方が自然。 ならばこの帰りが遅くなる事や、何かに対して分かってると返す部分は本来の会話では違った意味っぽいなと。 なので、先生側の都合の良い回想という前提を踏まえると…ここで本来あったはずの先生の台詞は不純なそういう事をしてる際の、と予想します。 初見だと、何故そこから小夜ちゃんがおかしくなってしまったのか。 大人の男が怖い?というのも唐突ながら疑問でしたが、家庭内暴力を振るわれているのかと素直に解釈しました。 それなら早く助けないといけないし、とりあえず児童相談所は!?と思うも何故か先生は何もできないという考え方。 暴力の証拠として痣を確認するなら、それこそ保健室で保健の先生にも証人になってもらう&相談相手として妥当と思えるのに…。 何故、他の先生に相談するのは論外で 逆にこの先生の頭がおかしい奴扱いされると思ったのか? いくら回想の中では都合よく捏造しても、本当はそれをしたらおしまいなのがわかっていたから。 言ってしまえばそれが全てだったんでしょうね…。 その上で、学校にいる間位は~の部分を見ると眉間に皺が寄るのを感じます。 そして場面は戻り、嫌な事は思い出したくないという一般論を言う葦島さん。 嫌な事程自己保身の為に記憶を封じ込めようとする人もいれば、忘れられないでいる人もいるのでここはタイプによるなぁとも思いつつ。 ただ、二作目を思い出すとちょっと意外性はあったというのが本音ではあります。 父親への恨みというか、自分が産まれる事ができなかった原因でもあり情すらなかったのでそりゃ今の彼の在り方が成立する根幹に関わるし忘れはできないでしょう。 それでも、なるべくあの女性の事を覚えておこうとしていた葦島さんとはすぐには結びつきませんでした。 今作を通しての印象ですが、彼がある意味純粋でこの成り立ちに関する部分だからこそ接点を持った人の人間性でどちらの面を見せる…ある意味母体にいた頃まだ顔がなかったまま死んだからこそ鏡のような物なのかもなと。 そしていよいよ核心へ迫る一言。 「アンタが、自分の知ってる大人の男とは、全然違うって事がだよ」 最初に小夜ちゃんが怯えた様子だったのは大人の男という存在に対して示した物。 だったらそれは誰か? …考えてみれば、親子関係はさておき自分の父親を『大人の男』という括りで表現するのっておかしかったよなぁと後から、真面目に推理したらわかったかもという悔しさも。 文字通り、今の彼女は死んでも死にきれなかったせいで彼岸と此岸の中間にいる。 本来なら子供が来る場所じゃないというのも、産まれる事なく死んでしまった葦島さんだからこそ身をもって知っている悔しさ等があったでしょう。 だからこそ、その原因が判明すれば力を貸すのも予想はできた結末でして…。 次の回想は、すでに手遅れになってしまった後の事。 父親に殺されてしまったという部分だけ聞けば虐待の結果とうとう…と何でもっと早く止めにいかなかった!?という感情に溢れましたが…。 初見でも、何故そうなったかの経緯予想がぐちゃぐちゃしているというか…明らかにおかしな事は言っているのだけわかるけど、という印象でした。 そして繋がる世界。 今まで彼方側(正確には境位の場所?)にいた葦島さんと先生のご対面。 ここで今までと違い、葦島さんの姿が完全に目に見える状態へ。 本能の訴えというのも、葦島さんが100%生物のカテゴリとして人間と言えないからかな?程度に思いましたがこれも自分が制裁を受ける事への察知だったのか。 それでも、後ろ暗い事がなければ名乗るだけならそこまで問題でもないはず…。 からの、剥がされる爪1枚目。 やけに暴力的な手段できたな?と思いましたが、再度問いかける葦島さんの言葉はさらに詳細が足されており。 篠上小夜さんを苦しめた、という部分が付け足されている。 それに対し取り乱す先生。後々から考えるとこの時点で駄目な部分が露呈してる方向性の言い訳をしていたなぁ?と爪が剥がされる様子を眺め。 そして、やっぱ少女で良かったじゃん!?となる事実の確定と先生の罪が明らかに。 これは地獄行待ったしという事実の露呈、もはや問答でなく拷問と化した爪を剥がす作業。 「でもね、余りにも貴方の生き様が、私が知る人間に似ていたものですから、つい」 ここで見せた、今までに見た事のない憎悪に満ちた葦島さんの表情。 自分の父親の時も殺す程度ではあれここまでの顔はしてなかったのに…と思うも、彼の言っていた嫌な事程忘れられないというのを思い返し。 こんな表情になる位という時点でそりゃ、そうだよなぁ…としか言えなくなりました。 全てが明るみになり、目の前に死んだはずの小夜ちゃんがいたにも関わらずクズ思考全開の言葉しか出ないならここからの流れも全て納得でしょう。 教師が見た中で一番晴々とした笑顔。 そう表現される笑みと共に襲い掛かる衝撃。 ここでBGMがショパンの別れの曲というのが最高ですね(復讐をしてあの世へおさらばする為という点でも) 葦島さんとしても、父親のようなクズ男相手なので容赦もなし。 小夜ちゃんとしても、こいつに復讐しないと成仏できないのでやはり容赦なし。 からのコンビネーションというか、同郷の友の様に笑い合う微笑ましさ(※ただし周囲に血糊はあるとする) てっきり、少女の力では殴っても火力がでないから武器が必要だったのかな?程度に考えていましたが台詞からするに 「もう身体の一部とかに触りたくない」 だから触れなくてもいい凶器で痛めつけるのを選んだのか、と納得もしました。 これなら子供でも扱える範囲だし、直接触れないって意味でも結構合理的だなぁ? そして、再び流れ出すショパンの別れの曲を背景に肉塊ができあがり。 この、そこでこの曲を選ぶのか~と知っていればニヤリとしちゃうセンスがすっごく好きです。 目的が完了し、二人は反対の方向へと歩き出しそれぞれの行先へ。 てっきり肉塊にされた時点でもう死んでいるとばかり思っていましたが…。 肉塊にしても死なないで苦しみ続けるようにする為に、あえてあの場所で復讐はされたのだなという部分に抜かりないなぁと感心をし。 現世の様子を見ればやはり他にもターゲットにされていたであろう女生徒がいた事が示唆され…。 確かに、クズばかりが好かれるというのは嫌になりますねぇ。 と、葦島さんの出自を思えば尚の事深く頷くしかなく。 それでも今回に関しては、最後は某ゲームから好きな台詞を引用させていただきまして。 やっぱり復讐はこうじゃないとね。 @ネタバレ終了 予想は外しましたが、内容としてはしっかり楽しませていただきました。 一作目からここまで一日で連続でプレイ&感想を書かせていただきましたが、一旦本日はここで区切らせていただきまして。 また後日、残る作品も堪能させていただきたいと思います。 それでは素敵な作品をありがとうございました。
  • 名指しの女学園
    名指しの女学園
    記憶力を鍛えるゲームがやりたい!と思っていたところでこちらの作品を見つけました!! 難易度は程々といったところで、自信のなかった私でもサクサククリアできました! ストーリーもとってもおもしろかったです!!! @ネタバレ開始 みんなの顔色の悪さは気になっていたのですが… まさか夢を叶える前にお亡くなりだったのですね… ゲームパートに集中していた所に明かされる衝撃の事実、ストレートに食らってしまい本当に驚きでした!! 生徒の名前や出席番号を覚えるのは教師の役割を体験しているようで楽しめましたし、油断させるという意味でストーリー的にもいい役割を果たしていてとっても良かったです!! @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございましたm(* _ _)m
  • Mermaid princess ~人魚姫と2人の王子様~
    Mermaid princess ~人魚姫と2人の王子様~
    なんと美しいサムネ…!と絵柄に惹かれてプレイしました。 泡になって消えてしまう人魚姫じゃなくて、純粋でまっすぐなアデルちゃんのハッピーエンドがみれてよかったー! アデルちゃん、左下でコロコロ表情が変わって困った顔や真剣な表情もかわいかったです。 王子様どちらもタイプの違う素敵な男性でアデルちゃんとの掛け合いにくすっとしたりキュンとしたり楽しめました。 @ネタバレ開始 王妃様、主人公サイドからみるとひどい人なんですが自分がその立場だったら同じようにしてしまうかも…と考えたら憎めなくて。 国中が前王妃のほうを慕って忘れ形見である第一王子も優秀で。王様には放置され…大事な息子にはこんな辛い想いをしてほしくないと思うのは当然の親心だと思うのです。 王様が諸悪の根源だーっ ウィルバート様ルートでアデルちゃんが嘘をついたことでむしろ信じたというシーン、いいなぁ~って思いました。相手の機微に気付けるほど親しさと信頼を築けているってことですし、もちろんそこには好意もあるわけで。少ない文章ですけど彼らの関係性の奥行きを感じて七色鳥さんの表現力に脱帽です! @ネタバレ終了 変身シーン、とっても綺麗で見とれてしまいました~! 素敵な作品をありがとうございました。
  • タイトル無し
    タイトル無し
    真っ黒な画面のインパクトに惹かれてプレイしました!! 途中まで「……ん?何コレ?」と思っていたのが、まさか最後で「ああ……そういうこと……」と思わさせられました。 @ネタバレ開始 最後の、一気にすべてが削除されていくシーンで、明確に「主人公は死んだ」とは明言されていないものの、全てを察させられる感じ……いろいろと考えさせられました。 もし死後の世界がこんな感じだったら、絶対死にたくないです。 自らを殺す人は、こんな5億年ボタンよりもタチの悪い世界に行きたいんじゃないから。 幸せになれなくてもいい、その代わりに不幸に苛まれなくてよい世界に行きたいから。 (ちなみに私は、死後の世界というものは、姿どころか意識を持つこともない世界だと思っています。幸はないが不幸もないという世界です。幸せな人は絶対行きたくないでしょうが、不幸に曝されすぎた人間は行きたくなってしまうのでしょう。) ………以上、私の謎の駄文でした。それでは。 @ネタバレ終了
  • 蚕の箱庭
    蚕の箱庭
    気になりプレイさせていただきました。 @ネタバレ開始 作品のテーマ的に色々ダークなのですが、 あんまり深堀りした感想を書くと色々アウトになりそうなので手加減して… ふたりの依存関係がなんともかわいらしいですね。 結果、もしかしたら破滅してしまうだけの生活なのだとしても… まあ、そういう契約なのだから致し方なし、なのかな? @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございました。
  • 嘘の手紙
    嘘の手紙
    配信にてプレイさせていただきました。 ある夜に届いた、10年前に書かれた友人の遺書。 友人である山中君のいつもの行動である、一部分にだけつかれた「嘘」が何なのかを求める記憶を辿りながら友人と向き合う物語。 本編における独特なグラフィックの世界観もですが、プレイヤーをその世界に引き込む不思議な魅力があると思いました。 @ネタバレ開始 何故10年が経過した今になって友人の遺書が届くのか。 当時高校生だった主人公には辛い内容でしたので、という記載から大人になった今なら受け止められると思い遺族から送られたのか? 少なくとも、向こうからすれば遺書という『最期の言葉』を送ってくる程度には親しそうな距離感の友人だったにも関わらず、思い出そうとしても頭の中に霧がかかったように感じてしまう主人公。 深く考えようとした結果、疲れもあり眠ってしまった事から夢の中で手紙の中にある「嘘」を探すという展開はなかなか面白い導入と思いました。 夢の中で目覚めた主人公が持っているのは、寝る前まで手にしていた手紙であり夢の中の主人公は高校生の自分として真相へ迫っていく。 そして重要なのが、山中君がいつも一部分だけ「嘘」をつくというところ。 このどうみても遺書でしかない物のどこに嘘があるのか? 探索が開始可能になった所で右下にある手紙を調べてみれば、各行に色の違う「嘘」の文字。 僕は死にます。 君のせいじゃない。 こんな身体はもういやだ。 この三行の、どれが嘘なのか?本当は何を隠しているのか。 素直に考えれば 死にます→死なない(これが一番平和) 君のせいじゃない→君のせいです(という指摘) こんな身体はもういやだ→こんな『?』はもういやだ(何かが嫌なのは確定) になるのかと最初に目星をつけて。 一番嫌なパターンは、君(主人公)のせいで何かしら身体に消えない後遺症が残ったので死ぬというケースですが…とにかく進めるしかない。 モノクロな世界、現在地や移動先が文字として可視化された特徴のある表現方法。 そして、夢の中であり10年前の事なので顔の思い出せない夢の中の登場人物達。 どこか朧気で、淡い雰囲気は過去の風景や夢の中というのを表現する上でも雰囲気が出ています。 だからこそ情報を集める事で付与され、大きさの変わる手紙に浮き上がった「嘘」の文字の色がより印象的になるのもありますね…。 とりあえず目に付いた相手に話しかけるとその情報に応じた「嘘」の文字が出たり大きさが変わっていく。 どの色がどの行に対応しているかは手紙の内容を見ればすぐにわかるのと、内容として「赤い文字の嘘」が大きくなる度にそうであって欲しくないという気持ちにさせられていきました。 情報は人物だけでなく、物を調べた際にも得られ反映されていくので初見では全て調べたいと思いながらもその結果どの色が増えるのか探り探りになるのが楽しかったです。 初回は出会った人やそこで調べられる物は見ても、真っすぐ進みすぐに屋上へ行ってしまった為エンド3へ。 もしや一度行った場所でも変化があるのでは?と再調査をすれば以前とは違う人物がいたり教室にあったノートが取得可能になったりと進展があった際は手応えを感じる喜びがありました。 それでも2連続でエンド3へ行ってしまったので、これは特定の色に関する情報を一定以上集めないと強制的にエンド3(どれにも該当しない共通エンド)に行くと予想できたので過去2周でどの色が増えたか? そしてまだ話しかけていない人物からはどんな情報が得られるのかを試してエンド1を達成。 (※感想文を書く為、検証した結果で黄色が最多の場合は「嘘」が身体→自分という内容でありエンド3に到達すると後に気づきました) 屋上に行く前、手紙を再度確認すると青の文字のみが残りそこには「死にません」という意味だろうという訂正があった事。 ようやく屋上に誰かいる!となった際には喜びもありましたが、何故か手紙は手元からなくなっており主人公も屋上から帰る流れへ。 山中君が隠し持っている手紙が恐らくあの手紙だろうなという事と。 「じゃあまた明日ね」 という声を最後に、そこから彼と会う事はなかったという事からうやむやになったのだけは把握し。 …これは、明日なんてないという真相を隠した「嘘」が最後の言葉になったのでしょうね。 エンド3を回収した際は特に変化はありませんでしたが、エンド1を回収するとタイトルの画面が『変な夕方だった』とされた際の空模様へ。 今探索している世界は、主人公の記憶から構成された夢である事。 だから情報も主人公の知っている事から成り立つ主観が基本であり、印象的だっただろう事が出ているのだろうとは思いましたが…。 体育館に行った際に発生する、山中君が転校をしたという知らせ。 それに対し、主人公はやたら否定的であり。 病気の関係による引っ越しという言葉にも、いじめや鬱が関係あると思っている。 学校は何かを隠している、そう強く思うだけの理由があったであろう事。 いじめがあったであろう事は テストの結果表を見た際に、山中君は成績がいいという内容から始まり何故か後半は教師もいじめの相談に乗ってくれるはず。 という謎の続き方をしていた際に違和感はありましたが、他の生徒の発言から彼をよく思ってない男子生徒がいた事。 下駄箱を調べてた際に、『死にたい』という恐らく山中君が書いた?文面に後に登場した女子生徒が『死んじゃえ!』と書き足したであろう事。 体育館にいる教師に話しかけた際、山中君がいじめを受けている事についての話題が出る事。 ここから推測され、てっきり手紙にある黄色の嘘は『身体でなく鬱病の事』が本音ではないか?と推理していきました。 そして、ここから回収していないエンドへ行くとなると嫌な予感しかしないけれど赤が確実であろう事。 2つは回収できたのでここからはヒントモードに頼る事にしました。 ヒントモードとして、各人物からどの色が手に入るか? 手紙の画面でも現在のポイントが確認できるのでエンド回収をする上でも仕様として助かりました。 赤に関する情報をひたすら回収し、ポイントも溜まっただろうという段階で階段へ向かうと体育館から屋上へ続く血痕が…。 恐る恐る手紙を確認すれば「君のせいだ」と訂正されただろう内容になっており…この行に嘘があるならそうだとはわかっていても、エンドを確認するのは勇気がいりました。 赤すぎる空。 フェンスへ続いているだろう血痕はまるでそこまで誰かが進み、飛び降りでもしたかのような印象を受け…。 恐怖しながら自分の視界を両手で覆う主人公。 そこで明かされたのは、主人公が山中君がいじめられていると知りながら助けなかった事。 昇降口の男子生徒との会話で、友人のはずなのにまるで実は仲が良くないかのような返しをしていたので実は不仲だった可能性を疑いましたがあれも自分が標的にされない為の自衛でしかなかった事。 体育館における教師との会話でもお前は知っていながら助けなかったのか?という旨の指摘をされた事。 いじめに関する情報はありましたが、それと主人公が明確にどう関わっていたのか。 ようやく判明する流れという事でそれまでの疑問は解決しました。 「だから持病といじめを苦に死んだんだ」 という部分で、持病という部分に首を傾げましたが…鬱も発症すれば完治を認めるのが難しいから持病と言えば持病なのか?と持ち前の思い込み推理力を発揮しつつ。 どうあれ、学校がいじめを放置した挙句に自殺を認めず転校したという扱いにしたのならかなり悪質でしょう。 山中君が生きている間に何もできなかった事への報いからか、主人公はいじめに加担した人間へ復讐をする流れへ。 もし本当に山中君が死んでいるなら、いくら夢の中で戦い続けても意味はないのに。 それを示唆するであろうエンド名でしたね。と、エンド2を回収。 タイトルに戻れば、夕焼けの色でもここまで赤くならないよ!? という真っ赤な空をした様に変化しており…。 まるで血に染まったような…復讐の空を示しているようでした。 最後のエンドを回収しにもう一度夢の中へ。 すると、教室の様子がこれまでと違いノートはなく登場人物も女生徒から別の誰かへ。 会話内容も全く初見の物であり、手紙には青の「嘘」が浮かび上がる。 廊下に出た際も、突然始まったモノローグからさらに大きくなる青の「嘘」 10年前の手紙が今になって届いた事、それは素直に考えるなら山中君が亡くなったから遺族が届けたという事か? 調べられる掲示物もなくなっており、廊下には誰もおらずやはり流れが今までとは違うのを感じます。 昇降口に到達し、一体この手紙にある嘘はどれなのか? 何か言いたい事があったはずなんだと悩む主人公。 そして、今まで言葉をずっと否定し続けていた体育館のイベントで大きな違いがありました。 それまで、主人公がこのイベントで教師からの知らせに対し反応する際は教師と同じく『』で表示されていた台詞が「」になっていて。 恐らく、これまでの認めないという否定的な内容は過去の主人公がその時実際に思ったなり言った事だったのでしょう。 だけどここで「」となっているのは、記憶でなく今現在の主人公が持つ思いを語っているからであり…。 転校した事実を認めながら、何故自分に言ってくれなかったのか。 病気の関係というのも、持病があったのならありえた話だけど…それでもいつもの嘘まじりで良いから伝えて欲しかった事。 ようやく、今見ているのは過去の記憶から構成された夢でありいくら山中君を探して何かをしようとしてもとっくに何も変わらないという事。 エンド2のように夢の中でずっと復讐をしたって何の解決にもならない事も認めた上で。 それでも10年前、急に消えたお前に会えるんだったら! 再び大きくなる、青い「嘘」の文字。 行ける場所も一本道のようで、階段に向かうのみ。 そこで手紙の内容を確認すれば、今までのようなはっきりした表記ではなく掠れた弱弱しさを持ちながらも書かれた本音だろう言葉。 『僕は生きたい』 『死にます』の対になる嘘は何も『死にません』だけではない。 死にたいんじゃない、生きたいというのが本音だったのだと気づかされた際には彼がどんな気持ちで当初はこの手紙を主人公に渡すつもりだったのか…。 何とも表現が難しいですが、胸の奥が締め付けられるような…言えなかった本音を知った事から汲み取った思いに目頭も熱くなる感覚がありました。 屋上に広がるのは綺麗な青空。 そこで待っていた山中君。 「…お前、死にたくなかったんだろ?」 「死にます は嘘で、本当は生きたかったんだろ? …病気、治そうとしてたんだろ!?」 山中君は最初から生きたいと思っていた。 だから、その為に転校や引っ越しをして治療に専念できる環境へ行ってしまった。 「……死んだことにもできなかったよ。結局原田くんに手紙を渡せたのは10年後だ」 そして、彼がいつも嘘まじりであったとしたなら今回届いた手紙の差出人は… まるで遺族が遺書を届けたようにしているけれど本当に送ったのは当人だったのではないか? この手紙を投函したその時まで、そこまでは彼は生きていたはずじゃないのか? しかし、現状わかる事はこれだけであり。 10年後…つまり、今手紙が届いてからも山中君が生きているかは主人公の夢の中にいる、主人公の知りうる情報から構成された山中君にはわからないのでしょう。 だけど彼は、これから大きな手術がある事を伝え、そこで足元は崩れ出し夢の世界は崩壊を始めた。 それでもかすかに、遠くから聞こえた山中君の声は「頑張るから」 と伝え、彼に手を伸ばす形のまま夢は終わりを迎えた。 長い夢から目覚め、今までの事を思い出し手紙をよく調べてみれば「清浜病院」という名称が書かれてあり。 スマホを手にコール音が響く中エンド4へ。 「真」という封書のされた手紙を調べれば、ここからは何があったのか山中君の視点から真相が明らかに。 持病と表現されていた彼の病は難病であった事。 治療の為に転居する事への不満はなくとも、心残りはあり思い付きから遺書を書いた事。 これを受け取った主人公がどんな反応をするのか、そう思いながらも結局渡せなかった手紙。 最後の登校日、その空はまるでエンド1の時に見た夕方の風景でそこでも主人公は何か言いたそうにしながらも引き返してしまったのでしょう。 それから10年が経過し、再び病気が一部悪化した山中君は重要な手術をする事が決定した。 そして思い出す10年前の記憶。 何も伝えずに転校した結果、主人公は転校の原因を勘違いしていた。 病気の為というのは建て前で、本当は自殺をしており学校はその事を隠しているんだと思い込んでいた。 その結果の行動は、恐らくエンド2で取った流れなのでしょう。 母親からはクラスメイトが主人公に怖い事を言われたとだけ伝えられましたが、実際はどこまで行動を起こしていたかは濁されたまま。 この話を聞いて、笑みが顔に出るのを隠そうと山中君が眺めた窓の外はやけに赤い空で、どこかであの夢と繋がっているのを示唆しているようでした。 そしてそんな事をしたから10年も経ってからバチが当たったのだと、今度こそあの遺書を主人公へ送ろうとする山中君。 しかし、いつものように含まれる嘘として彼はある物を付け足した。 それが、まるで遺族が10年経過した今だからこそ渡せた手紙であると言ったようなあの文面。 そのメモと一緒に同封される、あの日渡せなかった手紙。 また嘘をついた、そう言いながらも本当は嘘なんてついていない。 青空の屋上を背景に語られる山中君の心中。 僕は死にます。 君のせいじゃない。 こんな身体はもういやだ。 この表に出ているたった三行だけの情報だけでは読み取れない、行間の真意。 『僕は死にます』 病気が悪化したら、手術が上手くいかなかったら。 確かにその時は死んでしまうのでしょう。 『君のせいじゃない』 いじめは主人公のせいじゃない。 だけど、自分が突然消えたせいで勘違いをさせてしまった。 『こんな身体はもういやだ』 身体も自分も、変わりたいと思っている。 だから手術も受けるし、今度こそ手紙を送るのだと。 エンド4の際、全てを冷静な視点から読み取った際に浮き上がった『僕は生きたい』 そうして全てはここに繋がっていると知った時はただ、生きて欲しいしそれは当然の望みだと思えました。 この10年経った今、もしこの手紙が主人公と再び会えるきっかけとなるなら。 山中君もまた、生きてもう一度主人公に会いたいと思っていた事。 それはきっと二人の見ていた夢が偶然交差した奇跡だったのか。 崩れ出す世界、全てが遠ざかっていく中でかすかに聞こえた主人公の声は『頑張れ!』と言っており、こちらに向かい伸ばされた手が…。 そして、場面は病院に電話がかかってくるところへ。 それは主人公が山中君に会いに行く為にかけた、エンド4の続きであり…手術後なので短時間ながらも二人は再会が約束された。 最後は綺麗な青空を背景に表示される「嘘の手紙」というタイトル名で締められて。 ◆感想総括 まず、あの日の嘘を探すというテーマが物珍しかった事はありますがその探索方法が記憶から構成された夢というのが秀逸でした。 主人公が本来知らない情報が出る事はなく、真相が別にあっても強い思い込みがあるならばそちらが先に表に出てしまう事。 あくまで主人公目線で知りうる事から構成された主観という点。 そして、その上で各エンドを見ていけば きっと転校前日にもしたのであろう、死ぬという事が嘘だと判断した結果過去と同じ行動を辿ったエンド1 転校というのは嘘であり、本当はいじめによる自殺を隠蔽する為だと思って現実でも10年前で復讐に走ったエンド2 そう思い込んでいるからこそ、3行目に嘘があると思った際には真相にたどり着けず誰もいない…何もない景色に到達したエンド3 今は夢の中にいて、もう10年前にあった事は変えられないと知りながらも真相に向き合おうとした結果先へ繋がったエンド4 最初は主観や記憶、当時の思い込みから始まるもやがて現状は夢であると気づき大人になった今だからこそ向き合えたのか。 ようやく見抜く事ができた「嘘」の内容に到達するという流れはとても美しかったです。 そして、回収したエンドに応じて変わっていく空の色。 この様々な色に変わる空を山中君の方でも何かしらの形で見ていて…二人が遠くにいても同じ空の下にいると知った時、何故このゲームのバッジ名が空に関する物だったのか? その理由を理解できました。 到達したエンドに応じて変化があるだけでも演出としては素晴らしいのですが、山中君視点で実は同じ物を見ていたという流れに組み込まれている点を踏まえると確かにこれは空が適していると言えます。 後日談は語られないまま、しかし二人がまた会えるという希望を持たせる形での終わりなのでどんな会話をするか等プレイヤー側に想像の余地を与える終わりも好きです。 当初の目的であった、10年前であるあの日の「嘘」は判明した。 だからこの物語(作品)で語られるのはここまで。 この先は今後二人によりまた紡がれていく未来なのだと。 @ネタバレ終了 エイプリルフールという事もあり遊ばせていただきましたが、最終的には心が温かくなる。 そんな素敵な作品をありがとうございました。
  • 嘘の手紙
    嘘の手紙
    4月1日はエイプリルフールということで、以前から「嘘」がテーマの本作が気になっていたので、あの日の”嘘”を探すために朧げな世界を彷徨いながら探索させていただきました。 @ネタバレ開始 作中のモノクロのデザインが非現実的な夢の世界を視覚的に表現しており、とても洗練されているなと思いました。 背景の文字や人物の靄がかかった演出もゲームの雰囲気と上手くマッチしていて、作者様のセンスを感じます。 また、システムはヒントモードを利用して各エンディングに到達できるよう配慮されており、非常に親切だと思いました。 初見で何とかノーヒントで全てのエンディングにたどりつけましたが(すみません...嘘です... ヒントモードにすごく助けられました...)各エンディングを迎えるごとに物語の真相に近づいていく感じが、続きが気になるような展開で周回プレイを楽しむことができました。 そしてEND4を迎え2人の心が邂逅するシーンはグッと来るものがあり、特に手の演出は私の中ですごく印象に残りました...(泣) エピローグの山中君サイドの視点の演出も素敵で、現実での二人の今後が色々と想像できるようなラストになっているのも良かったです! クリア後に作者様のサイトで開発後記を読み、改めて細部にまでこだわった設定を知ることができました。 その中で最後に「原田と山中を繋いだのは貴方」という言葉がプレイした後の心に沁みました...(泣) @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございました!
  • 嘘の手紙
    嘘の手紙
    気になったのでプレイさせていただきました。 @ネタバレ開始 誘われた夢の先でよくわからないまま情報を集めてそのままエンドに向かってしまいましたが 最初は誰もいないエンドでした。 (あとからプレイし直して規則性があることに気付きましたが) 答えが分からないまま彷徨って、答えにたどり着きました。 再会をあえて語らず、読者に予想させる手法が好きです。 @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございました!
  • 透明人間(仮)
    透明人間(仮)
    気になったのでプレイさせていただきました。 最初、透明人間になった?状態から導かれていくわけですが… @ネタバレ開始 明らかにヨシコの質問は人の善悪をはかる目的で問いかけられていましたね。 後悔しても、何も帰ってはこない。 ならば邪悪の芽を今ここで摘むべきか? 反省の余地があるなら生かすか? 復讐者側からみてもやるせない問であるように思いました。 せめて安らかに眠れますように… @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございました。
  • 透明人間(仮)
    透明人間(仮)
    配信にてプレイさせていただきました。 ある日突然透明人間になってしまった主人公が人間に戻る為、5つの質問に答えていく…。 これは、哲学ができそうというか選択肢で人間性が試されるタイプだな?と直感で察知した為遊ばないという選択肢がありませんでした。 @ネタバレ開始 先に結論から置きますと、初見で満点であろう贖エンドに行きました。 概要欄から、ここからエンドコンプを目指すと結果としては意図的に選びにくいと思った方を選択してどんどん人でなしになる必要があるというのに心の白目をむく事となりました。 それでも、0なら逆に真実が見えるかもしれません。という部分はとても気になりますし純粋に他のエンドでどうなるかも見たかったので最終的にはエンドコンプは達成しました。 この手の選択を迫られるゲームは、誰にとっての正解を選ぶか? (自分ならありえないと思う事が実は主人公にとっての思考としては正解のケースもある為) そこで攻略法としてだいぶ悩む部分はありますが、初見ではそういった事がわからない以上選択肢は全て私の思う最善もしくはそれに近い方を選びました。 という事で、ここからはゲーム本編の感想につきまして。 話が始まったと思えば、いきなり主人公が透明人間になっているという話の速さ。 自分でも自分の体が見えないのに、何故か赤い着物を着たこちらを認識できる少女との出会い。 主人公は、赤い着物の妖怪という事でその少女が座敷童だと思ったようですが…座敷童が赤い着物(もしくは赤い帯)を着ているというのは不吉の象徴なんだよなぁと目を細め。 それまでいた家を出る時期が近くなると格好が赤い着物になると言いますし。 とすれば、この推定座敷童はどこかの家を出てきたばかりなのか? 「座敷童じゃないわ。『ヨシコ』って名前があるからそっちで呼んで」 確かに人間だって、種族名で「おい人間!」なんて呼ばれるのは嫌ですもんね。 個体名というか、個人名があるならそれで呼んで欲しいのは当然でしょう。 こちらをみて、にんまりと…これでもかと口角をあげながら笑うヨシコちゃん。 どうやら主人公を助けてくれるらしいですが、何やら条件があるもよう。 それはヨシコちゃんについていき、ヨシコちゃんの質問に答える事。 どこに行き、何を答えるのかはわかりませんがそれで元に戻れるなら行くしかない。 そして、何やら不吉な流れを予感させるモノローグが入りますがこうなった以上進むしかなく。 ◆病 暗いトンネルの中を進んでいくと、誰かの部屋の中へ到着。 すぐ目に付いたのは左側にある仏壇でした。 無断で他人の部屋に入る事に問題がないのか?を確認すれば、人間にこちらの姿は見えないようなので大丈夫らしいです。 そして、ヨシコちゃんが指さした先を見れば何やら変な様子のおばさん?が。 そのおばさんをばばあ呼びする主人公に「なんだこいつ」という感覚がありましたが、そこはヨシコちゃんが代わりにたしなめてくれたようで。 まだ若いながらも出産経験があるので、お姉さんと言える年齢ながらもおばさんと呼んでもいいのかもしれない。 どっちで表現すべきか悩むところですが、重要なのはこの女性に出産経験があるという部分でしょう。 「そうよ。小さい子どものお母さん。でも、その子どもは死んじゃったんだけどね」 原因はインフルエンザにかかった事であり、病院に連れて行くのが遅れたから。 主人公は母親=いつも家にいると考えているようですが、現代では共働きも珍しくはないですしシングルマザーという可能性だってあります。 ヨシコちゃんからの説明で主人公も共働きの家だってある事を思い出したようで、後から見れば『お友達にもいるでしょ、共働きの親のいる子』という発言から主人公の年齢を大まかに絞れたなと気づきました。 この女性は、病気の子を一人にしておきたくはなかった。 けれど、上司はそれを許さずにすぐ帰る事もできなかった。 仕事を休むにも気が弱く、自分が頑張れば丸く収まると思った結果子どもを病院に連れて行けずこんな結末を迎えてしまった。 父親はそもそもいない可能性もあると思っていましたが、どうやら元より協力するつもりがないらしく。 共働きにも関わらず、家の事は母親が全てするべきと言って子どもを病院に連れていこうともしなかった。 それどころか、子どもが死んだ後には妻を放置して外食三味…だと…? 思わず、よしちょっとその夫の居場所を教えてくれ。説教しに行かなきゃ…となりましたが冷静になり。 共働きをしないと駄目な稼ぎの時点で…というか、妻が簡単に休ませてもらえないような労働環境にいなければならないのに家事を押し付けるなんてありえませんね。 特に子どもの事なんて、家事とは別で夫婦で協力すべきと思うと。 ・質問文 周囲に協力を求めずに子供を死なせてしまった母親は、どうすればよかった? これで上を選べる奴いるのか…!?と思う程選ぶなら下一択でした。 少なくとも、共働きが必須の経済状況で家事を丸投げされ子育てもワンオペ。 周囲を頼ろうにも頼れる人はおらず、いざ子供が亡くなっても周囲の反応に人の心があるとは全く思えない。 なのに、この人がもっと頑張ればよかったなんて口が裂けても言えないというのが率直な感想でした。 ただ、誰かが助けてあげればよかった。これも正確には少し違うというか…。 それは当然ですが、実際は誰も助けてくれなかったからこうなっており。 なら、現実な解決法は頼れる相手を探すなり利用できる制度を探すなりとそっちの方を頑張る事で子供を安全に育てられる環境を整える。 頑張ってはいたけど、努力の方向性が違っていたのはあるのかな…と。 どのみち、助けもしなかった周囲に彼女を責める権利はない。と下を選択。 すると、ヨシコちゃんからこの人を治そうと思ったら専門の知識が必要と言われ…。 確かに現在の女性は我が子を失い周囲に味方もおらず心が擦り減っているでしょう。 だからちゃんとメンタルケアに関する専門家に頼る事と、心の休養に専念する事。 それと、悪い事は言わないからそんな夫とは夫婦の共同財産を減らされる前にさっさと縁を切りましょう。と心の中で付け足しながら。 ◆過 次に向かうのは貧乏な人の所との事。 貧乏と言ってもどの程度か?によりそうですが…到着してみれば、そこにはセーラー服をきた少女が涙を流しており。 またしても、しかもどうみても中学から高校生の年齢相手にばばあ呼びをするこの主人公はどうなっているんだと困惑。 本題に入れば、どうやら父親を亡くしたせいで貧乏になってしまったからヨシコちゃんは貧乏な人と表現したらしい。 しかも、煽り運転をされて道端に車を止めていたらトラックが突っ込んできたという…こちらに何も落ち度がないのに!? というどうしてこうなったと言わざるを得ないコンボが決まっているようで…。 そりゃあ、大事な家族をそんな形で亡くしたら「殺してやる」とも言いたくなるでしょう。 「でも、復讐以外にも、この子はやることがあるわ」 確かにそれはそうです。 生きているという事は父親を亡くしても自分の周囲の時間は進んでおり生きる為には何かしなければならない。 「この子は、これからどうしたらいいのかしら」 ・質問文 父親の復讐を誓う娘はどうやって過ごせば将来のためになるか? ためになる、という観点で言えば上の選択肢にある勉強をする事というのは間違いではありません。 しかし、言い方というのか…「復讐を忘れて勉強しろよ」というのはできるなら良いけど、少女が負っている心の痛みを無視した第三者の無責任な物言いでしょう。 選択肢としては、今回は文面としても私の意見と一致したので下の「復讐したいと思っていてもいいんじゃねえか」ですね。 復讐したいという気持ちを持つ事、それと同時に生きる為に勉強等の活動もする事。 これは両立できると思っています。 まず、誰にも少女の気持ちを否定する権利はないし実際に復讐して犯罪を起こさなければ思う分には自由でしょう。 だけど、忘れてはいけないのは少女はまだ生きている人間である事。 父親がいなくなったのは悲しい事ですが、これからは母親と力を合わせて生きていかなければなりません。 だから、いつか自分の中で気持ちの整理がつくまではその感情と共存してもいい。 時間が解決するのか、それとも何かきっかけに巡り合うのか? それは未来の事なのでわかりませんが、少しずつでもいつか前を向いて動けるようになればいいなと思います。 ◆被 何故、ここの章タイトルが≪被≫かぶる、なのか? これは主人公も言ってましたが、内容として大事な人を奪われた…実質殺人事件の被害者系が連続しているという点からでしょうか。 正直、そんな話ばかりでそろそろ感情が湧いてこない。 この発言に「何で!?」とかなり驚かされたというか…少なくとも、殺人被害はまだ2件目だぞ? 最初は味方がいない故の悲劇と言った方が分類としては正しいでしょうし。 確かにまぁ、あまり共感性が高いと自分の精神が擦り減って病む原因になるので程々無関心でいるのは対策として使えるのですが。 さすがに…早くね…?というのが正直な気持ちでした。 そして、トンネルの中でヨシコちゃんが腕を振ると事件当時の映像が流れだしたのか…あまりに痛ましい光景がそこに。 拾える情報から察するに、所謂たくさんの人を対象とした無差別殺人事件であり犯人は最後に笑いながら炎の中で死んでいったという物でしょう。 今回焦点のあてられる男性は、恋人を殺させてしまいその体を抱えながら泣き叫んでいる。 だけど、犯人はすでに勝ち逃げしたというのか…きっと背後の炎の中で燃えているのでしょう。 「怒りのやり場がないのよ。復讐しようにも、相手は死んだ」 せめて犯人が生きていれば、自分で復讐しないにしろ法の裁きにかける事もできたでしょう。 これだけ殺しているなら死刑でもおかしくないでしょうし…。 でも、その怒りをぶつける対象がいなくなった時に人はどうなるのか? ・質問文 目の前で恋人と殺人犯が死んだ。男はどうすればいい? 現実でも、復讐相手がいなくなるとそれまでの張り合いや生きがいがなくなり生きる目標を失って弱っていく人というのも存在はします。 なのに、ここで上の選択肢は人の心ォ!!と叫ばずにはいられない。 もう何でもいいからってのはさすがに投げやりがすぎるでしょう。 これに関しては、残る選択肢が「わからない」のみなのでそちらを選びましたが…もし、他の解答を用意するなら。 まず、この男性自身が死なないように気を付けて欲しい。 大事な人を失って復讐もできない以上、失意から自殺を選んでもおかしくはないですし恋人だって後追いを望んではいないでしょう。 だから今はとても辛い状況で、その中で生きる事はとても強い痛みを伴います。 それでも、彼女の為に生きて欲しい。 そして、心の傷を癒して少しでも動き出せると思ったら…その時はまた社会に戻るようにリハビリをする。 必要なのは死なない事と心を守る為の休息でしょう。 日常に戻るのはそれからでも遅くはないし、その為に必要な時間だって誰にもわからない。 ◆濁 さすがにあれだけメンタル的に重たい物を見続けていたせいか、主人公も休憩が欲しいようですね。 休憩タイムに入り、ふとよぎった疑問。 「なあ……ヨシコは、ああいうのをたくさん見ているのか?」 今まで見てきたような、人の命が奪われるような事を。 それに対しヨシコちゃんは肯定をし、山ほど見てきたと返す。 彼女が妖怪ならやはり長い間人間というものを見ていたでしょうしそういった場面を見る事も多いのは想像できます。 被害者の数や規模、その被害者がどんな人だったかに関係なく…当事者達にとってはどれもが悲しくて仕方のない出来事に違いはありません。 だから、どれも比べられないくらいに悲しい事というのは頷けます。 それと同時に、大切な人を失う悲しみを理解できない人間が大勢いるという事。 当事者にならずとも、少し想像力を働かせればわかりそうなものなのに…本当にそんな人が大勢いるとすればそれは悲しくもあり、個人的には軽い嫌悪もしてしまう事に思います。 しかし、気になったのは… 「今度こそ許せないの」 表情が見えないヨシコちゃんが、意味深に発した言葉。 今度こそ?これはどういう意味なのか。 そして、次の場所という事でとある病院の一室へ。 やつれているおばさんがおり、ベッドの中を覗き込んでいる。 そのベッドの中には、主人公と同じくらいの年頃の女の子が酸素マスクや色々な管を付けられ眠っている様子。 ここで、ようやく主人公の年齢が小学生位だったのか!と気づきました。 やたら女の人をばばあ呼びするのもまぁ…そういう事なら理解はできる範囲。 それに今までの会話でやけに頭が回っていないというのか、大人にしては考え方に不自然な部分があるというのもこれで全て筋が通りました。 話を今回の部屋に出てくる人物に戻して。 どうやらベッドにいる女の子は知らない男の人に刃物で刺されてからずっと昏睡状態になっているよう。 力の弱い子どもを狙った悪質な犯罪は現実でも起きる話ですし、先程のケースもですがいつ自分の身の回りで起きるかわからない事です。 母親は娘がいつか目を覚ます奇跡を信じて生命維持にお金をかけている。 しかし、そのせいで暮らしていくのもやっとの状態だった。 やつれているというのは、娘が目を覚ますのを待つ精神的な辛さだけでなく純粋に今の生活が苦しい結果からもなっているのかもしれません。 ・質問文 昏睡状態の娘が目を覚ます奇跡を信じる母親は、どうしたらいい? これも、上の選択肢は完全に罠というか…ヨシコちゃんの話を聞いていなかったのが丸出しですね。 人命は優先されるべき事としても、病院だって慈善事業ではない。 となれば、選べるのは下の選択肢ですがそれはそれで「わからない」を連続で選ぶのか…とは。 しかし、実際問題これはわからないというのが正直なところでしょう。 金銭的な体力があれば、娘が目を覚ますまで生命維持に投資を続けていつかくるその日を待つ事はできる。 だけど、この母親にはそんな余裕がなく娘を延命すればする程自分が生きる事が大変になってしまう。 いつか目を覚ますと信じていても、それが数日後なのか…もしくは数十年後なのかはわからない。 最悪、延命を続けたけれどある日起きる事なく亡くなってしまう事もゼロとは言い切れない。 信じている可能性が奇跡と表現しなければならない物である以上、それまで母親が耐えられるかも怪しく。 どこかで諦めて、生活ができない事からこれ以上の延命を断念した場合だって「もしかしたらあと少しで目を覚ましたかもしれない」 そんな可能性にうなされてもおかしくありません。 だから明確な答えはない。 強いて言えば、母親が自分にとって後悔のない行動と判断ができるのならそれが彼女にとって選んだ正解に近いのかもしれない。 というところでしょうか。 下を選び、主人公も可能性に挑戦したくても難しいことが邪魔をしている現実に頭を抱えている様子を見てやはりこうなるのが自然なんだろうなと思ったところで最後へ。 ◆讐 到着したのは主人公の通う学校の教室というある意味日常的であろう場所。 しかし、そこで起きている事は…こんな事が日常であってたまるかと言いたくなるような内容で…。 女の子が大事にしていただろうお守りをビリビリにしてしまった男子生徒達。 そして、そんな女の子を気持ち悪いと言い…正義の味方ごっこと称して腹部を狙って蹴るという暴力行為。 「覚えているはずよ。こんなに楽しそうだったんだもの。 覚えているはずよ。こんなに笑顔だったんだもの。 覚えているはずよ。そう、覚えていないはずがないわ!」 その光景に対し、突如まくしたてるヨシコちゃん。 「覚えているはずよ。だって友達だったんでしょう。 覚えているはずよ。だってあの子は泣いていたんだもの。 忘れているというなら思い出させるだけよ!」 そして回想として、ようやく主人公の姿が見えこのいじめ被害者が藤野という名前であるのが判明。 ヨシコちゃんがまくしたてる場面で最初は、あの暴力を行ったメンバーに主人公がいたのか?と警戒をしましたが、どうやら主人公は藤野ちゃんの友達だったようですね。 友達である主人公に、いじめられている事を相談する藤野ちゃん。 しかし、何でそうなった!?という会話のドッジボール…と言いたくなる事が起きた結果からそれが最後のトドメになったようで…。 藤野ちゃんが亡くなった事を知っても、いじめた奴は誰一人反省もしていない。 自分の行いが人を殺したのに、むしろ善行だったとすら言うのは子供と言えどさすがに徹底的に教育をしなければ…と。 暴力をふるっていない女子だって、自分達と合わない相手だから悪いのは藤野ちゃんの方だったと言う始末。 というか、花壇のお世話をしているのってただの良い事なのに何で気持ち悪いの!?と眩暈がしました。 元より、人は集団にとけこめない者を異物として排除したがる傾向はありますが…それにしてもこれは酷い。 全てを思い出して、思わず保身から「知らない」と言い震える主人公。 ですが、いじめられていた事実を知っていた上で『謝れ』そうすれば許してもらえると言ったというのは思慮に欠けるでしょうね。 道中の事はまだ、すでに起きた出来事を見てどう思うかという質問に答えるだけだった。 だから変な解答をしても子供だからそういった部分が欠けていたで済ませる事はできたでしょう。 でもこれは完全にアウトです。 ・質問文 「藤野綾」のことを覚えている? …これでまだ、知らないだの覚えてないだの言えるのか? 確かに直前まで、保身の為にそうは言っていたとしても逃げてはいけない。 という事で罰を受ける覚悟で認めました。 ヨシコちゃんの言う通り、罪を忘れていないだけましとは言え主人公も加害者の一人に違いないでしょう。 だから被害者面をした言葉を言う権利もない。 ◆分 そしてついに判明する、何故ゲームスタート時にいた場所が階段だったのか? 主人公は知らないおばあさんに階段から突き飛ばされていた。 そこから透明人間…というより、魂だけの状態?になりゲーム内で行ってきた流れを辿っていた。 ヨシコちゃんを座敷童と思ったのは主人公の主観でしかなく、実際会話の中でヨシコちゃんは座敷童ではないと否定しています。 その上で自分の名前はヨシコだと言ったのです。 …つまり、最初から正体への認識も間違えていた。 あの不吉なモノローグも、階段から突き飛ばされてしまった時点ですでに生命の危機ではあり。 ヨシコちゃんについていった時点で罰するべきか見極めがされていた。 藤野ちゃんの声から、何故ヨシコちゃんがここまで怒っているのか。 それは彼女が藤野ちゃんのおばあちゃんだったからと判明。 可愛い孫をいじめる相手なんてそりゃあ憎い。これは当然の感情でしょう。 ヨシコちゃん…いえ、ヨシコおばあちゃんは完全にこちらを殺すつもりのようですが、藤野ちゃんはそれを望んでいないようで。 ヨシコおばあちゃん自身も言っている通り、これは彼女の気が済むまで続く復讐なのでしょう。 孫を殺されたからといって、じゃあいじめた関係者を全員殺してもいいのか?はまた別の問題とは思います。 でも、被害者の身内からすれば「何故自分の孫が死ななければならなかったのか?」これに納得のいく答えなんてあるはずがない。 それに、今回藤野ちゃんに落ち度があった訳でもなく花壇の世話をするただの優しい子だったという事を思えば…。 ◆各エンディングについて ◇贖エンド まず、初見全問正解だったので贖エンドから。 このルートでは主人公は自分の罪を認め、謝罪の言葉をこぼす流れへ。 謝って済む問題ではない、それでも…謝ってくれたのは主人公だけだった。 藤野ちゃんの発言も合わせ、もうこれまでに他の関係者も何人か手にかけた後だったのでしょう。 だけど誰一人、そんな事になっても謝るという事ができなかった。 「もう、行くわ。私が殺すべき子は、他にいる」 言葉の通り、主人公の事は見逃してくれたようですが…ヨシコおばあちゃんは次の相手の所に行くのでしょう。 そして、主人公はちゃんと自分の体の中に戻れたようで意識が浮上したようです。 今、自分を心配そうに見ている家族がいるように藤野ちゃんにだってその死を悲しむ家族がいたはず。 彼女は最後に「ありがとう」と言ってくれたけど、本当なら自分はずっと謝り続けなければいけない事をしてしまったという自覚。 中学生になった現在、主人公は藤野ちゃんの月命日には墓参りを行っており藤野ちゃんの家にも許可をもらっていた。 その許可をもらいにいった際、両親の発言から藤野ちゃんは主人公が花壇のお世話を褒めてくれた事をとても嬉しく思っていた事が判明し…それは主人公にとって何の気もなく言った誉め言葉でも、彼女にとってはとても大事な事だった。 周囲がその行動を気持ち悪いと思う中、唯一違う反応を示した発言に喜ぶのは自然と思いますしそれだけ熱心にやっていた花壇のお世話という行為を褒めてもらえるというのは本当に嬉しかったのでしょう。 そんな藤野ちゃんの純粋さがあまりにも美しく…。 何気ない誉め言葉が、大事な物となり。 何気ない失言が、命を奪う切欠となる。 言葉のもたらす影響力を甘く見てはいけない事、そしてそれを言ったのが誰だったのか? その意味を考えさせられます。 そして確認せずにはいられない事、ヨシコおばあちゃんについて質問をすればすでに去年亡くなっていたようでした。 ここからは想像でしかないのですが、藤野ちゃんが大事にしていたお守りはおばあちゃんからもらった物だったのではないかと思います。 大事な可愛い孫が健やかに育つように、お守りをプレゼントしていたんだろうと。 そんな思い出の品であり、大事な形見をゴミのように扱われたとしたなら…さらにこれは許せない事だとは思います。 まだヨシコおばあちゃんの正体が不明だった段階で、自分と主人公の事を化け物だと言っていましたが… ヨシコおばあちゃんは…すでに人を殺めていた時点で、人間の幽霊であってもそれは化け物に違いはない。 主人公は人の心がない選択を選び続けたなら…それは人の形をしていても人の心がわからない化け物でしかなかった。 そういう意味だったのだろうとクリア後なら思います。 だから、覚えておいて欲しい。 これは、決して罪を許されることのない男の話なのだと。 この締めくくりも、これからそれでも生き続ける主人公の事を思えば…今後、藤野ちゃんのような被害者を増やさないよう生きてくれればいいのかなと思います。 どちらにしろ、藤野ちゃんが主人公に生きていて欲しいと思った事や感謝の気持ちは本当だったのだから彼女に恥ずかしくないよう…とだけ。 ◇応エンド 4つならおまけという記載は見ていたので、流れとしても今回は見逃してもらえたというのは何となく予想できていました。 ただ、あくまでもここで殺されないだけでいつか報いは受けなければならない…それだけの違いしかなかったとしても。 冒頭のような、透明人間になってしまった!?の流れでされた言葉が繰り返された際にはまさかまた魂だけに?と思いましたが…。 中学にあがった主人公が今度はいじめられる側に回るという意味で無視をされる等の事を表現する際に用いたようですね。 ここでゲーム冒頭と同じ文面を持ってくるのはなかなか粋な演出と思います。 個人的に、報いを受けるにもいくつかパターンはありますしヨシコおばあちゃんと近い視点での苦しみを味わうなら 主人公自身でなく、その子どもが被害に遭う流れになるのではないかと予想はしました。 ヨシコおばあちゃんが言っていた、大切な人を失う悲しみ。 罪を犯したのは親である自分なのに、その報いを受けるのは当人と限らないという事を含めよりダメージが入りそうと思ったので。 結果として、主人公はいじめに耐えられず自殺をしたような描写が入り終わりへ。 おまけで生き延びたとしても、このルートでは心から反省して生まれ変わる気持ちがなかったというのが大きいのでしょう。 ◇滅エンド 3~1つは問題外、という通りこちらではあっけなく死亡ルートへ。 しかし、やはりそうだったというかヨシコおばあちゃんの復讐対象は主人公だけではなくすでに連続している事件として扱われていた事。 犯人が幽霊である以上、生きている人間にどうにかできる問題ではないでしょう。 もし、事件の被害者から判明する関連性から藤野ちゃんの家族が疑われてもまさかすでに死んでいるおばあちゃんが犯人なんてわかる訳がない。 それこそ、お祓いでもしない限り全員を殺すまで終わらないのだろうなと。 ◇死エンド このエンドでのみ明かされる、ヨシコおばあちゃんの過去と行動原理。 おばあちゃんと呼ばれる年齢まで生きていたという事はそれだけ長い人生の中で様々な人間を見てきたのでしょう。 もしその見てきた中にあった場合、特に人の醜さを感じるケースがあったとしたら… そう想定していた物を、やはり彼女は知っているようでした。 戦後の誰もが生き残る為に必死だった時代。 法だの秩序だのは最低限の生活ができる水準が整っているからこそ仕事をする物であり、そうでない場合は生きる為にどんな悪事でも行われてしまう。 それを今の価値観で完全に否定するのは、恵まれた現代を生きる我々がして良い事ではないとは思いますが。 それでも、極限状態ならまだしも豊かになってからもかつてと同じ行いを平気で続けた者がいたというのは痛ましい事ですね。 最初に例として出された他者を貶めた者も酷いとは思いますが、弱い者いじめをする者が子供をさらって虐待するのはもう論外というか…。 誘拐してまで!?というのに明らかな異常性を感じずにはいられません。 そして、子供の頃であれ殺人をした者は大人になってからも殺人をしてしまった。 子供の頃というなら、しっかり更生できるよう周囲の大人が手を尽くす事で改善はできそうですが…それが満足に行えているのかは怪しく。 それに、元々生まれた時から脳の作りとして特定の感情や思考が欠落した状態になっている人間も存在します。 だから完全にどうにかするのは難しいのでしょうが…。 ヨシコおばあちゃんの言う 子供だからと見逃した相手が大人になりまた悪いことをした。 綾ちゃんとは別に、過去にもそういった悪人のせいで自分の家族が酷い目に遭った経験もあったのでしょう。 だから、子供だからと言って大切な孫をいじめた挙句死に追い込んだ相手を許すなんてできない。 むしろ、悪の芽を芽の内に摘み取らなければこの先新たな被害が生まれてしまう。 「お前も……殺さなきゃ」 最後に主人公の体に憑依したヨシコおばあちゃんが向けた言葉は、ここまで主人公に人の心がない選択肢を選ばせ続けたプレイヤーに向けられた物で。 ≪死≫しね というエンド名は直球ながら、伝えたい事がすんなり理解できる意味でも良かったです。 ◆感想総括 エンドコンプの為とはいえ思い出すと「うっ、頭が…」となった為、ハズレの選択肢を選んだ際の事は省略させていただきました。 しかし、その内容からそれはもう殺されても文句言えないなぁ…と納得するだけの材料はありすぎました。 人の気持ちを理解できなかったり、各質問でハズレ選択肢を選んだ後でヨシコちゃんにこうだと思う?と聞かれた際にその言葉を肯定した結果…簡単に人をイカれた奴だとか言ってしまったり。 病院だって慈善事業じゃない、お金がかかる問題だと散々説明したのに話を聞いてない事を言えばそりゃあヨシコおばあちゃんも怒り心頭でしょう。 ちゃんとバッドエンドと言える内容では各自そうなる理由があり、全問正解した時のみ真の意味で反省ができたからこそ未来がある。 @ネタバレ終了 質問の内容や物語そのものがなかなか考えさせられるテーマでありながら、最良のエンドを見れた場合はその内容から良い落としどころだなと思いました。 充実した時間をありがとうございました。
  • 嘘の手紙
    嘘の手紙
    遅ればせながらエイプリルフール前に遊ばせていただきました。 演出がとても素晴らしく、これは背景やイラストがあえてのモノクロだからこそなのだろうなぁと感じました、センスが本当に凄い!! バッチを取得していくにつれて、話が広がっていきラストも語りすぎないところがとてもかっこ良かったです。 登場人物二人の関係性も、とても丁寧に表現されていて凄いなあと思いました。 素敵な作品をありがとうございました!!
  • 飛びたいの
    飛びたいの
    ねじまきマキナに登場する2人の事が気になり、プレイさせていただきました! 僕だけの特別な場所である筈の学校の屋上。 ある日、そんな屋上に「飛びたいの」と口にしながら涙を流す女性が佇んでいて…? @ネタバレ開始 二人がどうして天界で一緒に暮らしてたのかが気になって仕方がなかったのですが、どのエンディングを迎えても一向に理想の飛び方が出来ない…! お小遣いを5年分も前借りして乗った飛行機はもちろんダメだし、うちわも可愛かったけど不可能…。 一旦否定しようと思ったらまさかのヤンデレ監禁エンドで衝撃を受けました…! その後も望みが薄そうな順番に総当たりしましたが、もちろん飛べるはずもなく…何なら、図工でカラスを使い出した所で「僕君なにやってんのー!!」と衝撃を受けつつ、以前段ボールの羽を見た記憶がうっすらとあったので最後の望みをかけましたが…これでもダメですか!!? もうこれで無理なら諦めようと、最初からやり直してようやくトゥルーエンドを見る事が出来ました…!! ただ…凄くハッピーエンドですね…? ねじまきマキナで見た時は少し意味深なシーンを見たので、もしかして僕自身は知らないだけでこの時落下して…?と色々と自分の中で疑念が残りつつも楽しく遊ばせていただきました! システムUIも僕君の手作り工作感があって、見ていてとても楽しかったです! @ネタバレ終了 二人の今後が気になるような、素敵なゲームをありがとうございました!
  • 好きだ!
    好きだ!
  • 【Valentine's・Junkies】
    【Valentine's・Junkies】
    美しいバッチに見とれてプレイしました! 短編ゲームというだけあって、サクッとプレイでき、すぐさまバッチ全クリしました!! あっさり全クリできちゃうのに、こってりとしたストーリー……たまらないです! @ネタバレ開始 苦い思いエンド 「うわあ……やるせない……受け入れておけばよかったあ……」 甘い思いエンド 「いや受け入れたら受け入れたでこうなるんかい!なんでや!ろこあちゃん、もうちょい愛の伝え方を考えて!!頼むから!!!」 永遠の思いエンド 「………まっ、まあ、ふたりが幸せでよかったね!ろこあちゃんに食べられる人間たちにはかわいそうだけど、末永くお幸せに!!」 (人間の入手ルートって、先生の研究所とかなのかな?)
  • 裏表旅館
    裏表旅館
    感想が遅くなりましたが、配信にてプレイさせていただきました。 とある事件が起こった旅館を取材に行く、という事でジャンルである『表と裏の人間味が見えるかもしれないホラーADV』という部分に期待をしつつ遊ばせていただきました。 @ネタバレ開始 最初はてっきり、タイトル画面にいる男女のどちらかが主人公でもう片方が助手なり付き添いの人かな?と思っていたら全くの第三者らしく。 出迎えてくれたのは花の髪飾りが良くお似合いな女将さん。 主人公はオカルト系の雑誌の取材という事でとある事件というのも、恐らく霊現象の類か?と目星をつけつつ読み進めました。 宿泊していたのは男性客が陽太、女性客が影美であり女将の証言によればカップルだったよう。 会話から、陽太の方が頭をぶつける怪我をして一部記憶を失っている様子。 外も酷い雨らしく、すぐに病院に行こうにも外に出にくい状況というミステリーなら事件が起きそうなセットですね。 女将が、影美が陽太が目を覚ました事を伝えに行った際「嘘の色があった」という言い回しをしていたましたが…。 どうやら彼女は最初からこの旅行で彼を殺すつもりだったようで。 記憶喪失になるような、頭をぶつける怪我も彼女が崖から突き落としたものだった…? それでも死ななかったので、料理に毒を入れたという辺りかなり殺意は高そうで、ここで話の続きを聞くか選択肢が入り。 とりあえず、エンド数が3なら順番に集めて行こうという事で一旦ここは聞かない事に。 からの…タイトル画面に戻れば先程の出来事が反映された変化をしてるタイプだった!? 引き続き先程の選択肢から聞く事を選べば、女将はこの事件の真実を語ると覚悟を決めた様子になり。 先程まで彼を殺して笑っていたはずの影美が吐血をしている…? それと対照的に先程まで苦しんでいたはずの陽太は元気そうで、どうやら彼女の企みにはとっくに気が付いていたらしい。 毒の入った料理はしっかりすり替えさせてもらったと、相手がどのタイミングで自分を殺そうとしているかまで読み切って。 しかし、陽太の方は命が狙われていた事はわかっていても理由までは知らない様子。 だけど自分を殺そうとしてる以上これ以上やっていけないよね、と言った上で彼女の最期の言葉が自分の名前であって欲しいととどめをさしたようで…。 これで物語は終わったのかと思いきや、どうやら主人公は何か疑問がある様子。 反応を見るに、陽太も世間に出ている事件の概要としては死んでいるっぽいのでしょうか? 少なくとも、消息不明にはなっているはずなのにそれなら女将がその事を知らないのもおかしい、そういった指摘なのでしょう。 「なるほど。ご名答です」 …まだこれが全てではない、この話にはまだ続きがあるというのは当たりのようです。 とはいえ、女将の反応を見るにこれ以上踏み込むのは何となく危険な香りもしているような。 「世の中には知らない方がいいこともあるのです」 事件のせいで旅館への客足が減れば困ると言っていた通り、真相がどうであれそれが旅館にとっての不都合であれば女将としてもあまり語りたくはないのが本音でしょう。 知らない方がいいこともある…というのは、往々にして正しい事も多いのは事実。 そんな時のセーブ!という事でまた一旦、聞かないを選んでエンド回収へ。 すると今度は、確かに真相として死んだのが逆になったけどさ…けどさ!? タイトル画面の回収したエンドに応じて変わる仕様がなかなか凝っています。 変化した要素を確認したところでロードへ。 場所を移しましょうという女将の提案からどこかへ移動。 暗がりのようで、足元も危ないのかな…と思いきや 「では、ちょっと失礼しますね」 「えいっ!」 こんなテンポよく刺されるとかあるのか!? ある意味、ここまでテンポよくやられたのは初めてかもしれません。 一撃で仕留めそこなったという事で、視界が真っ赤な中語られる女将の言葉を聞きながら命の終わりを待つ事に。 女将としてはやはり事件が事実として公表され、客足が遠のくのは経営難になり生活にも問題が出る為都合が悪い事。 なので、全てもみ消すという言葉。 影美の事も陽太の事も、そして主人公の事も…。 最期に見た、こちらを見る女将の表情はぞわっとしますね。 そしてエンド名も「あなたは知りすぎた」というそれは殺されるよね…という名前。 タイトル画面に戻ったと思いきや、本日閉館!の文字でもう何もメニューが触れない!? 念の為、順番にエンド回収をしておいて正解でした…。 でもこれ、つまり自分の旅館で事件があった事そのものが問題だったので陽太も恐らく女将に刺されてから二人の遺体はどこかに遺棄されたのかな…。 タイトルにある裏表、光と影のような相反する物という意味で男女の名前に反映されているのは上手いと思いました。 しかし、一番怖いのは自分の生活の為とはいえその為なら平気で手を汚せる女将さんの方でしたね…。 @ネタバレ終了 短編ながらも凝った演出が光る面白い作品でした。 それではありがとうございました。
  • 地下監獄ESCAPE
    地下監獄ESCAPE
    感想が遅くなりましたが、配信にてプレイさせていただきました。 何故か投獄されてしまった主人公、唐突に決まった死刑の執行日…となればこれはもう逃げだすしかない! 地下監獄の脱出というシチュにワクワクしながら挑戦させていただきました。 @ネタバレ開始 開始から即宣告される死刑執行の日程。 日常でもそうですけど『余程のこと』は案外いつやってくるかわからないですよね。 死刑の前日は好きな食べ物を食べる事ができるというのは実際にある話とは聞きましたが、どうやら主人公としてはこの時点で何やら仕込みをしているっぽい? さらに食べ物だけでなく、煙草が吸いたいと要求をすればライターと煙草に灰皿を鉄格子の前に置いてくれる看守。 主人公が冒頭で述べた通り、死刑囚に対しての扱いという点では優しいというのは納得ですね。 そして脱獄計画の為、あらかじめ調べられる限りの看守の情報をまとめた紙を確認。 ・看守1のマウス お人好し。 ネズミが出た時に騒いでいた。最近結婚したらしい。 ・看守2のキッド 見た目が子供っぽいがマウスに命令をしていた。 誕生日を気にしている発言が多い。 ・看守3のケーキ ほとんど見ないので上の階層担当の可能性が高い。 ケーキがとにかく好物らしい。 名前は各自の特徴から付けた仮名のようですが、要点はおさえてあるでしょう。 鉄格子に指輪が当たった音や優しい看守という発言から目の前にいる看守はマウスでよさそう。 「あっネズミだ!」 するとそれに驚いた看守の目を盗んで火の点いた煙草を一本隠し、こっそりベッドを燃やす事に。 あれかな、ボヤ騒ぎを起こしてどうにかするのかな? そしてその間に始まる回想パート。 その日、誕生日だった主人公は一緒に祝ってくれる人はいないけど自分へのご褒美にケーキを食べる予定だった。 ある程度の年齢になると、周囲は結婚していって独身だと話についていけないとかあるよねぇ…とリアリティを感じつつ。 そして、新しくできた店でチーズケーキを購入し公園のベンチで食べていた時に背後からやってきた女に手錠をかけられた…? 以降の記憶はなく、気付いたら監獄にいた上にすでに死刑判決を受けていたという超展開。 怪しむべきはその背後からきて手錠をかけた女なのでしょうが…。 場面は切り替わり、充分に火の回った部屋ができあがり。 これで失敗したら死刑が焼身自殺になるだけというのはある意味、どのみち失敗したら死ぬしかないという点では覚悟を決めるしかないとはいえなかなかに肝が据わっている。 そして火炎瓶ならぬ火炎枕を看守に投げつけ上手くやり部屋からの脱出に成功。 服を交換してこれで監獄の中で行動をするにも目立ちにくくなった! ◇B3Fからの脱出 まずは最下層であろう地下3階からの脱出。 作りそのものはシンプルであり、右の廊下から看守を呼ぶ男の声が響く。 この時間の見回りが2人であり、片方は今スタート地点で倒れているマウスという事で看守がこないだろう左の廊下を選択。 無事に階段へ到着するも建物の作りとして階段を利用するには必ず各フロアを横切らないといけない。 これは脱獄する側としてはすご~く嫌な仕様ですね。 少なくとも、地上に出るまでは必ず地下フロアを後2回は横切るとなると…。 ◇B2Fからの脱出 空間も広くなった分見回る看守も5人に増えていると聞くと結構ハードモードだな?と構え。 その分廊下も複数あるので隠れやすいとはいえど油断はできません。 できるだけ看守が見当たらない廊下を選び進も、廊下を曲がってきた看守と目が合いさっそくピンチか!? 小柄という特徴から、恐らくメモの通りなら相手はキッドでしょう。 声をかけられても1回は聞こえなかったフリをする主人公。 するとこちらを疑問視しつつも、ここの暗証番号を変えたという情報をゲット。 声でばれないよう返事もうかつにできない事から、地下三階で煙を吸ったという演技をしつつ疑いの対象を地下三階へ誘導する事に成功。 ピンチと思いきやこの主人公、何気に有能ですね!? しかし他の看守に声を掛けられ対応を間違えてしまったので今度はダッシュで逃げ出す展開へ。 無事に階段へ到達し、下からすぐに入れないよう鍵をかけたまでは良かったもののとうとう主人公が脱走した事がばれてしまう。 ◇B1Fからの脱出 ここを突破すればいよいよ地上に出られるというところで鳴り響く警報、閉じようとする鉄格子。 さらに運の悪い事にほとんど変わらないと思っていた暗証番号まで変更されているという痛手。 とにかくヒントを探すしかないとそばにあった看守の机をあちこち調査。 すると日記帳があり、子ども扱いをされたという発言が…となるとこれはキッドの日記? さらに先程のキッドと思われる看守との会話内容から彼が暗証番号を変更したであろう事と暴れ出した囚人が呼んでいた看守の事を宥めていた看守が下へ向かったと言っていた事。 それなら、キッド=ミックで名前は恐らく合っているはず。 そういやさっき、目があった時に「ノア?」と言っていたけどこの日記にも同じ名前が…とその辺りは後々になってからなるほど、となりました。 表示されているパスワード(多分、これを解読しろという物)の表記に何か特徴というか違和感が…とここはわかりました。 パスワードの解除はできたものの、地上へ通じる階段は鉄格子で通れなくなってしまい…。 看守用の鍵では解除ができないという事で今度こそどうなるのだろうと思いきや今度は囚人を使った囮作戦と見事に活路を見出す主人公。 …本当にこの脱獄計画って未完成なんですよね?もしかして経験者? と思う位に知恵が良く回る。 ここからは集団脱獄に見せかけた人海戦術で自分が逃げたとばれにくいように偽装をするという切り替えもなかなかです。 ◇最後の関門 後は鉄格子が邪魔をする事がないという点でひたすら外に向かって走るだけ。 シンプルながらもそれまでに捕まらないか最後の勝負と言った所でしょう。 そしていよいよ最後の廊下に差し掛かったところで何故か囚人の一人が主人公へ殴りかかってくる!? どうやらあちらもなかなか頭を使ってくるというべきか、看守に変装して脱獄を考える囚人がいるなら囚人に変装した看守が念の為スタンバイしていてもおかしくなんてなかった…! 残る看守に関連するデータから恐らくこの看守はケーキでしょう。 「ケ、ケーキおいしいよな!」 「ケーキ? 何の?」 話題に食いついた!やはりこいつはケーキか!? と思ったのもつかの間、主人公がチーズケーキ派だったばかりにショートケーキ派のケーキには通用しなかった…。 という事でやり直しで囚人の話についてを選択。 すると今度はシリアスモードな流れへ。 ミックがそうだったように、ここの看守は地下監獄の囚人に疑問を抱いている。 だからそこを追求してみればやはり彼もそうだったようで…。 話を進めてみれば、ここに捕まっているのは全員若い男ばかり。 何故かといえばそれは看守長の趣味であり、死刑とは死ぬまで愛されるという意味だった…!? 「看守長は相手が死ぬまで愛し続ける。異常だ」 という台詞から、これは例えとして死ぬほど愛したい!でなくガチで死ぬのか…?え…? 困惑はあれど会話を続行するも、突然の銃声がしたかと思えば看守が前のめりに倒れ看守長の登場。 看守長の台詞から、今まで脱獄を失敗した回数が数えられているらしく。 ノーミスだったら私の正体を教えてあげようかなと思っただけ?え、正体って何だ? 多分これは文字通り、ノーミスでここまできたらあるご褒美要素なのでしょう。 そしてとうとう主人公の名前が判明。 ノアって…ミックが言ってた彼じゃないか!? あの時もノアは看守じゃなくなったとか言っていた辺り、こちらを気にしたのもそういう事だったのですね…。 銃の早撃ち勝負の流れに持ち込むも、素人がそのままやったところで勝ち目はないはず。 直感的にですが、ここはわざと撃たないで策を打った方が勝てるはずと予想。 何とか弾切れを誘発し、看守長を攻撃してから脱走に成功!! 後日談としても、ちゃんと看守長は捕まり地下監獄も閉鎖をされるグッドエンドへ。 仕方なかったとはいえ看守側だった者は本当の監獄行になったようで。 最後に、あの時最後の晩餐とメニューとして注文したジャムパンとドラゴンフルーツを食べて終わりというのがなかなかシャレてますね。 ◇正体は? ノーミスで看守長と対峙する場面まで再び。 すると看守長は自分の名前はサキュバスと名乗った。 これは初見ではかなり驚きましたが、そういえば看守の机にサキュバスに関しての本があったけど…あれが伏線だったとは。 同じく銃撃戦を突破。 市街地に到着し、背後を振り返ったところで今回はピンクの煙が昇っているという違いが…? 警察に保護された後、地下監獄のあった場所へ向かうもそこには囚人服を着た男たちが倒れているだけ。 その多くは、世間では行方不明扱いだった事。 そしてその直前に全員が、謎のケーキを食べていたという共通点も判明。 …そういえば、回想の中で新しくできたケーキ屋というのが出てきたような。 その店のケーキを食べたら即逮捕されたという点も含めて、そういう事なのでしょう。 後日談として、あの時の縁というべきなのか元看守達と仲良くなった主人公が彼らと食事をしている場面へ。 囚人や看守達は全員、無実だったにも関わらず自分が犯罪者と思っていたからこそ弱みを握られていた。 そう考えると、主人公は元々そういった暗示がかかりにくいタイプだったのかもしれませんね。 どうやら新しい仕事を探す事にした主人公。 今度はもっと良い環境になるといいな! そして嫁に『作り話をするなネズミ野郎!』って怒られたというのはマウスですね。 こちらのエンドでは食べている物が主人公の好きなチーズケーキという違いも。 ノーミスかどうかで看守長の正体や他の人の運命も分岐するという点でそれぞれのエンドにも納得がいきました。 @ネタバレ終了 初見殺しもありましたが、一周が比較的短いのでエンドコンプするにも苦にならず楽しめました。 それでは面白い作品をありがとうございました。
  • 鬼の嫁入り
    鬼の嫁入り
    遊んでいてすごく楽しかったです!ほのぼのしてるのにちょっと暗い感じで最高でした‼
  • ショートケーキ
    ショートケーキ
    「ex.」をプレイさせていただいた後、こちらも気になったので遊ばせていただきました! 甘酸っぱい青春時代の雰囲気が味わえるお話でした。 @ネタバレ開始 お互いにちょっと意識はしているかな?どうかな…!くらいのすごく絶妙な距離感がリアルで好きです。 お互いのお誕生日の日付を合わせるとショートケーキが完成するなんて、とっても可愛らしい運命…!こういうちょっとした偶然みたいな運命っていいなぁ…と思いました。 最初と最後で劇的に二人の関係性が変わったりするわけではないですが、なんだか何かが少しだけ動いたような…、でもやっぱり気のせい?みたいな、日常の中にあるふわふわした小さなきっかけのような出来事の描き方が素敵です。 (食べない選択肢はちょっぴり切ない気持ちにもなりましたが、これはこれで好き…!あと「ex.」で結末を知っているので無敵です!笑) @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございます!