ティラノゲームフェス2020参加作品
10043 のレビュー-
カペル-Caper-素敵な雰囲気に惹かれてプレイさせていただきました! @ネタバレ開始 「こいつ……あの世へ引きずりこむタイプの怪異かなんかか!?」と叫ぶ私の直感に従いドアを閉め続けたら速攻でTruthエンドへ。まさかの亡霊is私でした。疑ってごめん。 死んでるってわかってても会いに行ってしまうの、切なくて好き……♡ @ネタバレ終了 サクッと遊ぶのに最適で深く素敵な作品、ありがとうございました!
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愛しのフランケンシュタイン無料で遊べる作品だとは思えないほどの作りこみで、詩的な世界観にゆっくりと浸りながらプレイしました。 @ネタバレ開始 静かで少し寂しいけれど、どこか優しさが感じられる町。 不穏で謎めいていながらも、身を寄せ合って暮らす家族たち。 プレイするうちに何だか愛しくなってしまいました。 謎解き要素もたくさんあり楽しかったです! 家族と生きるED1も好きですし、ED2も切ないながら旅に出る描写が好きで、どちらもいい結末ですね。 ハーヴィーがネックレスをくれた時は思わず心をつかまれました。 そして背景イラストがおしゃれで大好きです! こんなにぐっと引き込まれる舞台を生み出せるなんて本当にすごいなと、ただただ驚くばかりです。 個人的に図書館の絵が好きなのと、駅も時計を合わせると列車が現れる演出にわくわくしました。 美しい屋敷や街並みを探索するのはとても楽しかったです。 @ネタバレ終了 このゲームをプレイしている時間はとても心地よく、癒されるひとときでした。 そんな素晴らしい作品を生み出してくださり、本当にありがとうございました!
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お化け飼育中お化け飼育中という題名にひかれてプレイ… もれなく全員コンプ… @ネタバレ開始 死神さんのキャラデザ好きすぎる…! 生前ホストという設定もいい!! @ネタバレ終了
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今宵、忘却列車にて。お見かけした瞬間私の心に刺さるなと直感が騒いだくらい素敵なタイトル画面。 その期待を裏切るどころか100倍の切なさで包んでくれた作品でした。 @ネタバレ開始 最初途中で降りた時に橘くんが呟いたのを見て「これは降りなかったらハッピーエンドだよしきた!」と嬉々として2周目を読んで見事切なさに胸がはち切れました。 タイトル画面の絵が昔彼が夢みた光景だとわかった瞬間鳥肌が立ちました……まさかの伏線。そして切なすぎギルティ。本編とは別の意味合いでギルティ。 トゥルーエンド後に縦書きの特別なタイトル画面になる仕掛けが本当に大好きです!こういう小ネタほんと好き! 何度選んでも離別の道を辿るのなんとかならんのかと思ってあとがきをみたら見事なほどに削られておりました。橘くんかわいそう&かわいい。 @ネタバレ終了 心に残る素敵な作品をありがとうございました!
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このボタンを押すとテュティパティし出すハイセンスなゲームでした。そりゃ制作事例にも載りますわ。
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嘘の手紙実況させていただきました、 素敵な作品をプレイさせていただきありがとうございました! 手紙の仕様に気づくのに時間がかかってしまったのが痛恨の極み…! @ネタバレ開始 階段が真っ赤になっていた時は本当に鳥肌が立ちました。 そしてそれに呼応するような手紙の内容と空の色、もう鳥肌が止まりませんでした(いい意味で)。 手紙に現れる「嘘」の色、そして色にリンクした学校にいる人物たちの話の内容、 語彙力がなくて恐縮ですが本当にすごいゲームだと思いました…! 山中がいなくなった後、原田がいじめっ子たちに何をしたのかが非常に気になりますが、 くたくたになりつつも日常生活を送れているのであれば一応みんな無事なのかな…と少しほっとしました。 私はきっと、原田と山中は再会できたと信じています…! いろいろなわだかまりがあったかもしれないけど、ここからまた新たな友情を紡いでいってくれるといいなと思っています。 @ネタバレ終了 プレイした後に他の方のレビューも読ませていただいて新たな発見がたくさんありました! 今までプレイしたことのないゲームシステムで、本当に奥深く、素晴らしいゲームでした、ありがとうございました。 ぜひ感動のラストを皆さまにも見ていただきたい…!
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飛びたいのねじまきマキナをとっても楽しませていただいたので、シリーズ1作目のこちらもとっても楽しみに遊ばせていただきました! 豊富な分岐があってとっても面白かったです!! 振り幅がとっても大きくて情緒がジェットコースター(((( '-' )))) @ネタバレ開始 とりあえずメーデーさんの供給がいっぱいあって幸せ〜!!! 泣いているお顔の訴求力がとてもとても高いです…… 是が非でもどうにかして差しあげたい…… とっても無垢な感じで愛おしいです…… かわいくて美しくて守ってあげたいような守られたいような、ほんとに素敵なお方やわあ…… ゲーム的には、夢中になってサクサククリアしていました! 子供らしい夢と優しさにあふれる選択肢がとってもほっこり! 『もういいの』のルートの僕君の優しさがカンストしていてとっても涙腺にきました…… メーデーさんもあんなに飛びたがってたのに…… どこまでも優しい2人が切ない…… 天界には戻れなくても優しい世界で一緒に生きていて欲しいなあ…… 時々見える地雷が紛れ込んでおりましたが、絶対アカンやつだとわかっていても好奇心が抑えられなくて選んでしまうのが人間の悲しいところで…… 『重いの』があまりにもしんどかったです…… メーデーさんめちゃくちゃ汚されちゃってたけど大丈夫なのかしら…… 翼を切られたじゃ済まないほど堕ちてしまった感があって、めちゃくちゃ背徳的で恐ろしいENDでした…… そして一緒に天界へ向かった僕君…… ねじまきマキナを先に見ていると、色々と闇が深い想像をしてしまいます…… これは最後まで見届けないと気が済まないタイプのお話ですわあ…… @ネタバレ終了 短編とは思えない満足度でとっても素敵でした! 完結編での2人のこれからもますます楽しみです!! 素敵な作品をありがとうございましたm(*_ _)m
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~いいからチョコを投げろ話はそれからだ~ヤベー奴のカタログコレクションと聞いて?プレイしました! 絵柄も凄い好みだったのですが、中身も良かったです! キュンとできます! @ネタバレ開始 この中に常識人が混じっている!!!! というワケで主人公含め?ヤベー奴の見本市だったワケですが、何ででしょうか凄くほっこりする話ばかりですね? たばかったな!? お話の構成がとってもお上手でスーっとカカオ65%くらいの感覚で楽しめました! 皆さん既に関係値がかなりあるのにも関わらずプレイヤーはなんもわがんにゃい!といった感じで謎にみなさん特殊な背景を持っていらっしゃるのですが、 それが気にならないほどキャラが立っていてパワーで押し切られました! …面白れぇ奴ら! 世界観が繋がっていたり同一人物が出演している別作品もあるようなので、とっても楽しみです! ちなみに猫科は紫苑くんと紺さんが好きでした! 紫苑くんのツンデレのような何かとギザ歯、凄い可愛かったです! 紺さんも常識人枠なのに何かほの暗い感じで良いですね…今後も何かあるのかなー? @ネタバレ終了 そんなこんなでサクっとゆるっと楽しめる素敵な作品でしたー! ブラウザ版からしかバッジが取れませんでしたが、ティラノ側のバグかしら? 素敵な作品ありがとうございました!
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しようよ七海君!なんて、どストレートなタイトル(と概要欄)…!!! プレイ前から期待値マックスでプレイ! @ネタバレ開始 ~~~~~~~~期待通りッッッッッ!!! やっぱり、柘榴雨さんのワードセンス本当にオモシロすぎます…!! 最初からクライマックスで、全力でアタックする熊籠野太子ちゃん(名前!名前が濃い!)をめちゃくちゃ応援しまくっていました! この15歳、この年齢にしてすでに魔性で官能的である! 対して、常にクールな七海君。 見た目も中身も、胸を触る理由もイケメンすぎますって…!!! 野太子ちゃんを大事にしているのが伝わってきて、すっごく良かったです…! エンドロール後の話が、とにかくエモくて最高でした! @ネタバレ終了 いや~…、これまた良い時間を過ごせました…!! 素敵なラブコメを生み出してくださり、ありがとうございます♪
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温泉彼氏 リメイク版「ほのかにHな肌色健全乙女ラブコメディ!」のパワーワードに惹かれてプレイ! これは……!!!けっ健全…だ…?!?! @ネタバレ開始 私はこーいう展開を待っていた!!!! 当然のように全裸(湯煙あり)で現れて、大爆笑&ニヤニヤ(笑笑笑) そうか、温泉の素だもんね!人間じゃなかったらセーフだよね!うん、OK!理解した!! たびたび誤解を招くような言い分があった気がするけど…、違うんだ!これはタグ通り「※健全です」なんだ!!!そう考えちゃう方がえっちなんだ!!! ちなみに私は、全員良いカラダ…いい温泉の素だけど、重曹さんが1番好きです! 分岐ルートの前で、黒背景キラキラ全員全裸(湯煙あり)で出てきたときは、「ふはっ!♡」と変な声が出ましたよ? ハダカ…1温泉の素でも画面が強かったのに、3温泉の素がそろったら破壊力がヤバイな…! (そしてラストには長兄も入り、4ハダカになる頃には脳がバグって…慣れてしまって、ただの美しいイケメン彫刻美術館になる不思議) そして、主人公のいずみちゃんが健気で有能で不憫すぎる…!! 鬼畜上司様の不器用♥のおかげで大変な目にあってたけど、最後は幸せになっててよかったです~! あと初見で「◯っぱい大きいなぁ」と不健全な感想を思っていたら、作者様の方から「大きいと浮く」とか「グラビア並み」とかいじられまくっていて、「ちきしょう、いじり負けた…!」となぜかセクハラ合戦で負けて悔しい思いをしてましたよ。 最後のエピソード2はビックリです!!! 私の場合はあとがきを先に読んでこちらをプレイしたのですが(「温泉の素がイケメンになる理由はない!そうだったら面白そうだったから!」という内容に、とても共感できて笑顔になれました)、温泉の素の謎がキレイに全て回収されていて…感動しましたよ…!!!見事なシナリオ力!! 早く愛しい方と会えるといいね!その前にがんばれ、いずみちゃん♥ あと、UI・演出関連は相変わらずの超絶ハイクオリティで…!スキップ機能が快適すぎました…! けど!!下の湯けむり演出はちょっと頂けぬ!消しましょ……あっすみません!健全ゲームだった!規制の壁すみません!!!!! @ネタバレ終了 いや~…素晴らしい時間をありがとうございます…!!!! このゲームを生み出してくださり、ありがとうございます…!!!
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螺旋卵形線チェルアルコずっと異世界を巡る旅をしていました。芸術と文学と哲学とが美しく混ざりあった魔法の世界です。何周も何周もチェルアルコの世界を旅して、出会った言葉や受け取った考えの全てが宝物です。一生で出逢るか出逢えないかという素晴らしい作品で、物語とキャラクター達と巡り会えて心から幸せだなと思います。 @ネタバレ開始 ○ルーシャさん 囚われのお姫様…絶対助けなくては…!!名前を呼んで、食事を作って、語りかけ笑いかけ、不幸のために泣き、幸福を願い、未来を望む。「お前だけが私の人生の意味」とルーシャさんが言葉にした通りモナカちゃんがルーシャさんに与えた経験の全てが、人が生を実感する最小で最大の幸福と響いてくるお話でした。ルーシャさんの静かな情熱とギャップは国宝です…! ○フェルシニーさん 最初から最後までずっとフェルさんが好きでした…。モナカちゃんがフェルさんのこと大好きなのも伝わってきて、エンドではぼろっぼろに泣きました……好きです…(TдT) 命の価値や愛に対しずっとアンチテーゼを唱え続けていたフェルさんが、死に際で跪いたのは、モナカちゃんの巡った魂の奇跡だなと思います。 ○ルドヴィカさん 初登場のスチルがきらっきらで神々しくて眩しすぎる…!!成すべきことに情熱を注ぐ生き様が最高に恰好良いです。有能さを自認し、だから行動して「当然」と言い切る姿に否応なく惹かれてしまう、圧倒的なカリスマ性でした。自分の正義を持ちながら、人を受け入れる優しさが彼女の強さだなと思います。 ○スリヴァちゃん お顔とお衣装が大優勝してました!キャワワです…!!モナカちゃんとの出会いがもたらしたスリヴァちゃんの奇跡は、スリヴァちゃんが前の魂を守ったことから繋がっていたと思うと巡り巡った運命に胸がいっぱいになりました…! ○カナラールくん ツンデレのカナちゃんが冒頭からずっと可愛くて可愛い…!カナちゃん√であちこちに散りばめられた伏線が見事に…!物語を通じて素敵な言葉とたっくさん出会えたのですが本を読む意味を語る哉継くんの言葉が作中屈指で好きです。心の額縁に入れてずっと飾っておこうと思います…! ○クリスくん(クリスシュワント) クリスくんは最初の印象から大変貌を遂げました…!頭こんがらがりながら、絡まりを紐解くのが凄く楽しかったです。彼にとって決して世界は優しいものではなかったと思うのですが、それでもモナカちゃんから「生まれてきてよかった?」の答えを聞けたのが、クリスくんの救いだったんだろうと思います。 ○ロクスさん 名言の宝庫で人生哲学の博覧会でしたよイケメン…!人の願いに応じて現れ、言葉にさせ、叶えると誓う。人の本質的な願いを肯定し、祝福するロクスさんは、人間そのものを賛美するような存在だな…と思います。願いを刻んだ魂と、願いに引き寄せられる金色の本質で、モナカちゃんとロクスさんは運命、と辿り着くのが最高でした。 ○モナカちゃん チェルアルコの世界を一緒に旅させてくれてありがとうです…!!決して優しさだけではない世界であっても、モナカちゃんの目を通してみるときらきらして見えました。不確かな未来へ希望を抱く象徴のようで、モナカちゃん本当に最高のヒロインでずっとずっと大好きです! Xのポストで続編や新作作られていると拝見して、人生の希望パラメーターがぐーーーーーーんと上がりました。梅ケ枝さんの描かれる絵がとっても好きで、チェルアルコに出逢えたきっかけもグラフィックの美しさの一目惚れでした。美しい……!!芸術…!!と楽しく観させてもらってます。陰ながらではありますが、今後の創作活動も応援しています。 @ネタバレ終了 素敵な作品を遊ばせていただきありがとうございました!
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このボタンを押すとテュティパティし出す最高に意味不明でした! @ネタバレ開始 ♪この長袖さえも~長すぎると思う~~♪@ネタバレ終了
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てんがいちかくTwitterでスクショを拝見してプレイしました!短時間で緩急ついてて話が良くできている、すごい!というのが一番の印象です。 @ネタバレ開始 ユリくんがあの見た目で主人公に敬語なのがとても萌えました。 @ネタバレ終了 全体的な導線も良くできててすごいなぁと思います。素敵なゲームをありがとうございました!
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嘘の手紙加工された背景がとてもゲーム内容に合っていて良かったです。 過去からの手紙。 遺書。 1つだけ嘘。 という凄く興味深い内容で最後まで楽しむことができました。 1週目は理由も分からずという感じでしたがヒントをもらっての2週目からはこういうゲームなんだと分かりさらに楽しめました。 話も暗いながら~というただ嫌な気分になるだけではない内容なのが良かったです。 プレイされる方はぜひ最後のエンディングまで見て欲しいです。
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誰が殺した小夜啼鳥を尾猫シリーズを制覇するぞ!とワクワクしつつ実況動画としてプレイさせていただきました。 ―誰がコマドリを殺したか?それは私よスズメがそう言った。 概要にある通り、殺したのは誰?という部分を想像しつつ楽しませていただきました。 @ネタバレ開始 先に一言置いておくと、確かにこれは葦島さん激怒案件待ったなし…!! 始まりの話→ハートフル→悪意と殺意、という温度差で風邪を引きそうになる位、毎作彼の違った面を知る事ができるという意味で良かったです。 根幹の部分はそのままで、一作目を思い返して思わず「それ言っちゃうかぁ~!?」となる場面も多々。 ここまでくると、プレイ目的もすっかり葦島さんの行動を観察して楽しんでいる部分が大きくなってきましたね。 あとがきでも作者様が彼を気に入っているので今後も出番があると記載がありましたが、需要はここにもあると声を大にして言いたいです。 では、話を本作本編の方に戻しまして。 後から再度物語を読み返すと、この時点であった!となるあちこちにあった伏線。 そして、意味を理解したからこそ何を示していたのかわかってしまった白黒で描かれる断片的な情報。 基本は顔のわからない形式で人物が表示されるからこそ、顔がはっきりとわかる場面が引き立っていく。 それは愛らしい表情だったり、隠しきれていない敵意だったりと…。 タイトルから、最初は小夜ちゃんは女の子かと思っていましたがいざプレイを始めると男の子?となり、最後にはやっぱ女の子だった!!と完全に作者様の掌の上で転がされました。 気付いたら知らない場所で知らない大人の男に声をかけられる小夜ちゃん。 案内をしてくれるという申し出を無視し歩き出した後、肩に触れられた際に思わず出た拒絶の反応は初見だとただの知らない大人を警戒する物として見えましたが真相を知ると違う意味になってしまうのが良いですね。 『其の後に起こる事を予測して、震える肩』というのもてっきり手を弾いたから腹を立てた相手に何かをされると思っただけだろうと思っていた…頃がまだ幸せでした。 実際は、大人の男(先生)にされた行いからの警戒が無意識に出ていた…のでしょうね。 そして、その対応に対し『小夜ちゃんは触れられるのが怖いから』と思って納得する葦島さん。 この辺りは変に人を疑わないというか、純粋ないつものだなぁと思いましたがその後に自分にも怖い物があると『階段』というワードが出た時には 君が言うとほんっとにシャレにならないもんな!? と、ブラックユーモアすぎて笑うしかねぇ!となってしまいました。 確かに死因だからなぁとはなりますが、彼自身が今も手摺がないとどうにも駄目という辺りそういう点でも笑い事じゃないのは根深いですね…。 今思うと、葦島さんが小夜ちゃんへ学校についての話題を振ったのはただの興味本位な偶然かある程度目星を絞る為の質問だったのか? ここは不明ですが、産まれてもいない彼にとっては学校へ行くという生きていれば当たり前にできたであろう事も憧れる事なのだろうな…というのが何ともやるせなさを感じます。 それはそれとして首が180度捻じれている様にすら見える(彼の体質的にできないとも思ってないので比喩ではないかもしれない)勢いなのは突っ込みを入れながら。 まだ葦島さんの服装が一作目の時と同じだったので、多分時系列としては二作目冒頭よりは昔?程度で捉えていましたがそこはまさか彼の正体が…と思いつかない事を想定すると勘違いをしてもおかしくなさそうですね。 (実際、時代的な話としては彼が産まれるはずだった頃ならそういう事も本当にありえたのでしょうが) 唐突に挟まれる回想。 どうやら先生の視点らしく、さっきまで名前がわかっていた小夜ちゃんの名前が不明になっており『篠上』と呼ばれている? 田舎の学校という事で、2学年ごとに1教室にしている事もあり6年生の彼女は色々あって他の生徒から浮いた存在だった。 先生としては彼女の事を気に入っており、彼女も何だかんだ先生の事は気に入っている様子。 片親の家だと何かと大変というのは理解ができたので、気に掛ける気持ちはわかるかなぁとこの時点では微笑ましく見ていられました。 学校であった事を語る小夜ちゃんに対し、学校に関する知識が乏しいのか将棋も勉強の一種なのか質問をする葦島さん。 この辺だと、センセイやショウギという単語がカナ表記なのが音は知っているけど意味までしっかりわかっていない感じなのもあってまだ知識を学んでいる幼さを感じさせます。 本来ならすぐにわかりそうな、将棋をする自分は他の子とは違う!という自尊心も素でわかっていない辺りもある意味素直というべきなのか。 「頼れる人が一人しか居ないのは……危ないよ」 軽い会話のドッジボールから出てきた本気であろう心配。 本来、子供でなくても頼れる先が多いに越した事はありませんしそれが子供ならば猶更多い方がいいのはその通りでしょう。 ここは結果論と無意識もあるのかな?という推測ですが 「……先生以上に、先生みたいな事、言うんだな」 この返しが自身の立場を悪用し自分に依存させ洗脳させる事で言う事を聞かせようとした教育者崩れの行動と、真に子供の未来を案じるべき人の言葉として出るはずの物。 その対比から出たのではないかと2周目では感じました。 そして、先生は放課後も勉強を教えたりするから大変だという説明から再び始まる回想。 そこでは帰りが遅くなっても父親の帰りが遅いので心配される事がないと語る小夜ちゃんに勉強を見てあげる先生が。 会話だけ見ていると多少の違和感?若干すれ違いのような物がある印象。 そのままでも、自分を気にかけてくれている好きな先生に照れている生徒という解釈はできますが… 後の回想も合わせると恐らくここは小夜ちゃんの台詞はそのままだと思えますが他に捏造なり改変があったもおかしくない気はしますね…。 特に気になったのが 「……うん。分かってる。分かってるよ。先生」 ここの部分でしょうか。 その後の、段々と様子がおかしくなっていったという部分は真実を知った後から見れば恐らく嘘を広めようとした辺り付近と考えた方が自然。 ならばこの帰りが遅くなる事や、何かに対して分かってると返す部分は本来の会話では違った意味っぽいなと。 なので、先生側の都合の良い回想という前提を踏まえると…ここで本来あったはずの先生の台詞は不純なそういう事をしてる際の、と予想します。 初見だと、何故そこから小夜ちゃんがおかしくなってしまったのか。 大人の男が怖い?というのも唐突ながら疑問でしたが、家庭内暴力を振るわれているのかと素直に解釈しました。 それなら早く助けないといけないし、とりあえず児童相談所は!?と思うも何故か先生は何もできないという考え方。 暴力の証拠として痣を確認するなら、それこそ保健室で保健の先生にも証人になってもらう&相談相手として妥当と思えるのに…。 何故、他の先生に相談するのは論外で 逆にこの先生の頭がおかしい奴扱いされると思ったのか? いくら回想の中では都合よく捏造しても、本当はそれをしたらおしまいなのがわかっていたから。 言ってしまえばそれが全てだったんでしょうね…。 その上で、学校にいる間位は~の部分を見ると眉間に皺が寄るのを感じます。 そして場面は戻り、嫌な事は思い出したくないという一般論を言う葦島さん。 嫌な事程自己保身の為に記憶を封じ込めようとする人もいれば、忘れられないでいる人もいるのでここはタイプによるなぁとも思いつつ。 ただ、二作目を思い出すとちょっと意外性はあったというのが本音ではあります。 父親への恨みというか、自分が産まれる事ができなかった原因でもあり情すらなかったのでそりゃ今の彼の在り方が成立する根幹に関わるし忘れはできないでしょう。 それでも、なるべくあの女性の事を覚えておこうとしていた葦島さんとはすぐには結びつきませんでした。 今作を通しての印象ですが、彼がある意味純粋でこの成り立ちに関する部分だからこそ接点を持った人の人間性でどちらの面を見せる…ある意味母体にいた頃まだ顔がなかったまま死んだからこそ鏡のような物なのかもなと。 そしていよいよ核心へ迫る一言。 「アンタが、自分の知ってる大人の男とは、全然違うって事がだよ」 最初に小夜ちゃんが怯えた様子だったのは大人の男という存在に対して示した物。 だったらそれは誰か? …考えてみれば、親子関係はさておき自分の父親を『大人の男』という括りで表現するのっておかしかったよなぁと後から、真面目に推理したらわかったかもという悔しさも。 文字通り、今の彼女は死んでも死にきれなかったせいで彼岸と此岸の中間にいる。 本来なら子供が来る場所じゃないというのも、産まれる事なく死んでしまった葦島さんだからこそ身をもって知っている悔しさ等があったでしょう。 だからこそ、その原因が判明すれば力を貸すのも予想はできた結末でして…。 次の回想は、すでに手遅れになってしまった後の事。 父親に殺されてしまったという部分だけ聞けば虐待の結果とうとう…と何でもっと早く止めにいかなかった!?という感情に溢れましたが…。 初見でも、何故そうなったかの経緯予想がぐちゃぐちゃしているというか…明らかにおかしな事は言っているのだけわかるけど、という印象でした。 そして繋がる世界。 今まで彼方側(正確には境位の場所?)にいた葦島さんと先生のご対面。 ここで今までと違い、葦島さんの姿が完全に目に見える状態へ。 本能の訴えというのも、葦島さんが100%生物のカテゴリとして人間と言えないからかな?程度に思いましたがこれも自分が制裁を受ける事への察知だったのか。 それでも、後ろ暗い事がなければ名乗るだけならそこまで問題でもないはず…。 からの、剥がされる爪1枚目。 やけに暴力的な手段できたな?と思いましたが、再度問いかける葦島さんの言葉はさらに詳細が足されており。 篠上小夜さんを苦しめた、という部分が付け足されている。 それに対し取り乱す先生。後々から考えるとこの時点で駄目な部分が露呈してる方向性の言い訳をしていたなぁ?と爪が剥がされる様子を眺め。 そして、やっぱ少女で良かったじゃん!?となる事実の確定と先生の罪が明らかに。 これは地獄行待ったしという事実の露呈、もはや問答でなく拷問と化した爪を剥がす作業。 「でもね、余りにも貴方の生き様が、私が知る人間に似ていたものですから、つい」 ここで見せた、今までに見た事のない憎悪に満ちた葦島さんの表情。 自分の父親の時も殺す程度ではあれここまでの顔はしてなかったのに…と思うも、彼の言っていた嫌な事程忘れられないというのを思い返し。 こんな表情になる位という時点でそりゃ、そうだよなぁ…としか言えなくなりました。 全てが明るみになり、目の前に死んだはずの小夜ちゃんがいたにも関わらずクズ思考全開の言葉しか出ないならここからの流れも全て納得でしょう。 教師が見た中で一番晴々とした笑顔。 そう表現される笑みと共に襲い掛かる衝撃。 ここでBGMがショパンの別れの曲というのが最高ですね(復讐をしてあの世へおさらばする為という点でも) 葦島さんとしても、父親のようなクズ男相手なので容赦もなし。 小夜ちゃんとしても、こいつに復讐しないと成仏できないのでやはり容赦なし。 からのコンビネーションというか、同郷の友の様に笑い合う微笑ましさ(※ただし周囲に血糊はあるとする) てっきり、少女の力では殴っても火力がでないから武器が必要だったのかな?程度に考えていましたが台詞からするに 「もう身体の一部とかに触りたくない」 だから触れなくてもいい凶器で痛めつけるのを選んだのか、と納得もしました。 これなら子供でも扱える範囲だし、直接触れないって意味でも結構合理的だなぁ? そして、再び流れ出すショパンの別れの曲を背景に肉塊ができあがり。 この、そこでこの曲を選ぶのか~と知っていればニヤリとしちゃうセンスがすっごく好きです。 目的が完了し、二人は反対の方向へと歩き出しそれぞれの行先へ。 てっきり肉塊にされた時点でもう死んでいるとばかり思っていましたが…。 肉塊にしても死なないで苦しみ続けるようにする為に、あえてあの場所で復讐はされたのだなという部分に抜かりないなぁと感心をし。 現世の様子を見ればやはり他にもターゲットにされていたであろう女生徒がいた事が示唆され…。 確かに、クズばかりが好かれるというのは嫌になりますねぇ。 と、葦島さんの出自を思えば尚の事深く頷くしかなく。 それでも今回に関しては、最後は某ゲームから好きな台詞を引用させていただきまして。 やっぱり復讐はこうじゃないとね。 @ネタバレ終了 予想は外しましたが、内容としてはしっかり楽しませていただきました。 一作目からここまで一日で連続でプレイ&感想を書かせていただきましたが、一旦本日はここで区切らせていただきまして。 また後日、残る作品も堪能させていただきたいと思います。 それでは素敵な作品をありがとうございました。
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Mermaid princess ~人魚姫と2人の王子様~なんと美しいサムネ…!と絵柄に惹かれてプレイしました。 泡になって消えてしまう人魚姫じゃなくて、純粋でまっすぐなアデルちゃんのハッピーエンドがみれてよかったー! アデルちゃん、左下でコロコロ表情が変わって困った顔や真剣な表情もかわいかったです。 王子様どちらもタイプの違う素敵な男性でアデルちゃんとの掛け合いにくすっとしたりキュンとしたり楽しめました。 @ネタバレ開始 王妃様、主人公サイドからみるとひどい人なんですが自分がその立場だったら同じようにしてしまうかも…と考えたら憎めなくて。 国中が前王妃のほうを慕って忘れ形見である第一王子も優秀で。王様には放置され…大事な息子にはこんな辛い想いをしてほしくないと思うのは当然の親心だと思うのです。 王様が諸悪の根源だーっ ウィルバート様ルートでアデルちゃんが嘘をついたことでむしろ信じたというシーン、いいなぁ~って思いました。相手の機微に気付けるほど親しさと信頼を築けているってことですし、もちろんそこには好意もあるわけで。少ない文章ですけど彼らの関係性の奥行きを感じて七色鳥さんの表現力に脱帽です! @ネタバレ終了 変身シーン、とっても綺麗で見とれてしまいました~! 素敵な作品をありがとうございました。
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タイトル無し真っ黒な画面のインパクトに惹かれてプレイしました!! 途中まで「……ん?何コレ?」と思っていたのが、まさか最後で「ああ……そういうこと……」と思わさせられました。 @ネタバレ開始 最後の、一気にすべてが削除されていくシーンで、明確に「主人公は死んだ」とは明言されていないものの、全てを察させられる感じ……いろいろと考えさせられました。 もし死後の世界がこんな感じだったら、絶対死にたくないです。 自らを殺す人は、こんな5億年ボタンよりもタチの悪い世界に行きたいんじゃないから。 幸せになれなくてもいい、その代わりに不幸に苛まれなくてよい世界に行きたいから。 (ちなみに私は、死後の世界というものは、姿どころか意識を持つこともない世界だと思っています。幸はないが不幸もないという世界です。幸せな人は絶対行きたくないでしょうが、不幸に曝されすぎた人間は行きたくなってしまうのでしょう。) ………以上、私の謎の駄文でした。それでは。 @ネタバレ終了
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蚕の箱庭気になりプレイさせていただきました。 @ネタバレ開始 作品のテーマ的に色々ダークなのですが、 あんまり深堀りした感想を書くと色々アウトになりそうなので手加減して… ふたりの依存関係がなんともかわいらしいですね。 結果、もしかしたら破滅してしまうだけの生活なのだとしても… まあ、そういう契約なのだから致し方なし、なのかな? @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございました。
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嘘の手紙配信にてプレイさせていただきました。 ある夜に届いた、10年前に書かれた友人の遺書。 友人である山中君のいつもの行動である、一部分にだけつかれた「嘘」が何なのかを求める記憶を辿りながら友人と向き合う物語。 本編における独特なグラフィックの世界観もですが、プレイヤーをその世界に引き込む不思議な魅力があると思いました。 @ネタバレ開始 何故10年が経過した今になって友人の遺書が届くのか。 当時高校生だった主人公には辛い内容でしたので、という記載から大人になった今なら受け止められると思い遺族から送られたのか? 少なくとも、向こうからすれば遺書という『最期の言葉』を送ってくる程度には親しそうな距離感の友人だったにも関わらず、思い出そうとしても頭の中に霧がかかったように感じてしまう主人公。 深く考えようとした結果、疲れもあり眠ってしまった事から夢の中で手紙の中にある「嘘」を探すという展開はなかなか面白い導入と思いました。 夢の中で目覚めた主人公が持っているのは、寝る前まで手にしていた手紙であり夢の中の主人公は高校生の自分として真相へ迫っていく。 そして重要なのが、山中君がいつも一部分だけ「嘘」をつくというところ。 このどうみても遺書でしかない物のどこに嘘があるのか? 探索が開始可能になった所で右下にある手紙を調べてみれば、各行に色の違う「嘘」の文字。 僕は死にます。 君のせいじゃない。 こんな身体はもういやだ。 この三行の、どれが嘘なのか?本当は何を隠しているのか。 素直に考えれば 死にます→死なない(これが一番平和) 君のせいじゃない→君のせいです(という指摘) こんな身体はもういやだ→こんな『?』はもういやだ(何かが嫌なのは確定) になるのかと最初に目星をつけて。 一番嫌なパターンは、君(主人公)のせいで何かしら身体に消えない後遺症が残ったので死ぬというケースですが…とにかく進めるしかない。 モノクロな世界、現在地や移動先が文字として可視化された特徴のある表現方法。 そして、夢の中であり10年前の事なので顔の思い出せない夢の中の登場人物達。 どこか朧気で、淡い雰囲気は過去の風景や夢の中というのを表現する上でも雰囲気が出ています。 だからこそ情報を集める事で付与され、大きさの変わる手紙に浮き上がった「嘘」の文字の色がより印象的になるのもありますね…。 とりあえず目に付いた相手に話しかけるとその情報に応じた「嘘」の文字が出たり大きさが変わっていく。 どの色がどの行に対応しているかは手紙の内容を見ればすぐにわかるのと、内容として「赤い文字の嘘」が大きくなる度にそうであって欲しくないという気持ちにさせられていきました。 情報は人物だけでなく、物を調べた際にも得られ反映されていくので初見では全て調べたいと思いながらもその結果どの色が増えるのか探り探りになるのが楽しかったです。 初回は出会った人やそこで調べられる物は見ても、真っすぐ進みすぐに屋上へ行ってしまった為エンド3へ。 もしや一度行った場所でも変化があるのでは?と再調査をすれば以前とは違う人物がいたり教室にあったノートが取得可能になったりと進展があった際は手応えを感じる喜びがありました。 それでも2連続でエンド3へ行ってしまったので、これは特定の色に関する情報を一定以上集めないと強制的にエンド3(どれにも該当しない共通エンド)に行くと予想できたので過去2周でどの色が増えたか? そしてまだ話しかけていない人物からはどんな情報が得られるのかを試してエンド1を達成。 (※感想文を書く為、検証した結果で黄色が最多の場合は「嘘」が身体→自分という内容でありエンド3に到達すると後に気づきました) 屋上に行く前、手紙を再度確認すると青の文字のみが残りそこには「死にません」という意味だろうという訂正があった事。 ようやく屋上に誰かいる!となった際には喜びもありましたが、何故か手紙は手元からなくなっており主人公も屋上から帰る流れへ。 山中君が隠し持っている手紙が恐らくあの手紙だろうなという事と。 「じゃあまた明日ね」 という声を最後に、そこから彼と会う事はなかったという事からうやむやになったのだけは把握し。 …これは、明日なんてないという真相を隠した「嘘」が最後の言葉になったのでしょうね。 エンド3を回収した際は特に変化はありませんでしたが、エンド1を回収するとタイトルの画面が『変な夕方だった』とされた際の空模様へ。 今探索している世界は、主人公の記憶から構成された夢である事。 だから情報も主人公の知っている事から成り立つ主観が基本であり、印象的だっただろう事が出ているのだろうとは思いましたが…。 体育館に行った際に発生する、山中君が転校をしたという知らせ。 それに対し、主人公はやたら否定的であり。 病気の関係による引っ越しという言葉にも、いじめや鬱が関係あると思っている。 学校は何かを隠している、そう強く思うだけの理由があったであろう事。 いじめがあったであろう事は テストの結果表を見た際に、山中君は成績がいいという内容から始まり何故か後半は教師もいじめの相談に乗ってくれるはず。 という謎の続き方をしていた際に違和感はありましたが、他の生徒の発言から彼をよく思ってない男子生徒がいた事。 下駄箱を調べてた際に、『死にたい』という恐らく山中君が書いた?文面に後に登場した女子生徒が『死んじゃえ!』と書き足したであろう事。 体育館にいる教師に話しかけた際、山中君がいじめを受けている事についての話題が出る事。 ここから推測され、てっきり手紙にある黄色の嘘は『身体でなく鬱病の事』が本音ではないか?と推理していきました。 そして、ここから回収していないエンドへ行くとなると嫌な予感しかしないけれど赤が確実であろう事。 2つは回収できたのでここからはヒントモードに頼る事にしました。 ヒントモードとして、各人物からどの色が手に入るか? 手紙の画面でも現在のポイントが確認できるのでエンド回収をする上でも仕様として助かりました。 赤に関する情報をひたすら回収し、ポイントも溜まっただろうという段階で階段へ向かうと体育館から屋上へ続く血痕が…。 恐る恐る手紙を確認すれば「君のせいだ」と訂正されただろう内容になっており…この行に嘘があるならそうだとはわかっていても、エンドを確認するのは勇気がいりました。 赤すぎる空。 フェンスへ続いているだろう血痕はまるでそこまで誰かが進み、飛び降りでもしたかのような印象を受け…。 恐怖しながら自分の視界を両手で覆う主人公。 そこで明かされたのは、主人公が山中君がいじめられていると知りながら助けなかった事。 昇降口の男子生徒との会話で、友人のはずなのにまるで実は仲が良くないかのような返しをしていたので実は不仲だった可能性を疑いましたがあれも自分が標的にされない為の自衛でしかなかった事。 体育館における教師との会話でもお前は知っていながら助けなかったのか?という旨の指摘をされた事。 いじめに関する情報はありましたが、それと主人公が明確にどう関わっていたのか。 ようやく判明する流れという事でそれまでの疑問は解決しました。 「だから持病といじめを苦に死んだんだ」 という部分で、持病という部分に首を傾げましたが…鬱も発症すれば完治を認めるのが難しいから持病と言えば持病なのか?と持ち前の思い込み推理力を発揮しつつ。 どうあれ、学校がいじめを放置した挙句に自殺を認めず転校したという扱いにしたのならかなり悪質でしょう。 山中君が生きている間に何もできなかった事への報いからか、主人公はいじめに加担した人間へ復讐をする流れへ。 もし本当に山中君が死んでいるなら、いくら夢の中で戦い続けても意味はないのに。 それを示唆するであろうエンド名でしたね。と、エンド2を回収。 タイトルに戻れば、夕焼けの色でもここまで赤くならないよ!? という真っ赤な空をした様に変化しており…。 まるで血に染まったような…復讐の空を示しているようでした。 最後のエンドを回収しにもう一度夢の中へ。 すると、教室の様子がこれまでと違いノートはなく登場人物も女生徒から別の誰かへ。 会話内容も全く初見の物であり、手紙には青の「嘘」が浮かび上がる。 廊下に出た際も、突然始まったモノローグからさらに大きくなる青の「嘘」 10年前の手紙が今になって届いた事、それは素直に考えるなら山中君が亡くなったから遺族が届けたという事か? 調べられる掲示物もなくなっており、廊下には誰もおらずやはり流れが今までとは違うのを感じます。 昇降口に到達し、一体この手紙にある嘘はどれなのか? 何か言いたい事があったはずなんだと悩む主人公。 そして、今まで言葉をずっと否定し続けていた体育館のイベントで大きな違いがありました。 それまで、主人公がこのイベントで教師からの知らせに対し反応する際は教師と同じく『』で表示されていた台詞が「」になっていて。 恐らく、これまでの認めないという否定的な内容は過去の主人公がその時実際に思ったなり言った事だったのでしょう。 だけどここで「」となっているのは、記憶でなく今現在の主人公が持つ思いを語っているからであり…。 転校した事実を認めながら、何故自分に言ってくれなかったのか。 病気の関係というのも、持病があったのならありえた話だけど…それでもいつもの嘘まじりで良いから伝えて欲しかった事。 ようやく、今見ているのは過去の記憶から構成された夢でありいくら山中君を探して何かをしようとしてもとっくに何も変わらないという事。 エンド2のように夢の中でずっと復讐をしたって何の解決にもならない事も認めた上で。 それでも10年前、急に消えたお前に会えるんだったら! 再び大きくなる、青い「嘘」の文字。 行ける場所も一本道のようで、階段に向かうのみ。 そこで手紙の内容を確認すれば、今までのようなはっきりした表記ではなく掠れた弱弱しさを持ちながらも書かれた本音だろう言葉。 『僕は生きたい』 『死にます』の対になる嘘は何も『死にません』だけではない。 死にたいんじゃない、生きたいというのが本音だったのだと気づかされた際には彼がどんな気持ちで当初はこの手紙を主人公に渡すつもりだったのか…。 何とも表現が難しいですが、胸の奥が締め付けられるような…言えなかった本音を知った事から汲み取った思いに目頭も熱くなる感覚がありました。 屋上に広がるのは綺麗な青空。 そこで待っていた山中君。 「…お前、死にたくなかったんだろ?」 「死にます は嘘で、本当は生きたかったんだろ? …病気、治そうとしてたんだろ!?」 山中君は最初から生きたいと思っていた。 だから、その為に転校や引っ越しをして治療に専念できる環境へ行ってしまった。 「……死んだことにもできなかったよ。結局原田くんに手紙を渡せたのは10年後だ」 そして、彼がいつも嘘まじりであったとしたなら今回届いた手紙の差出人は… まるで遺族が遺書を届けたようにしているけれど本当に送ったのは当人だったのではないか? この手紙を投函したその時まで、そこまでは彼は生きていたはずじゃないのか? しかし、現状わかる事はこれだけであり。 10年後…つまり、今手紙が届いてからも山中君が生きているかは主人公の夢の中にいる、主人公の知りうる情報から構成された山中君にはわからないのでしょう。 だけど彼は、これから大きな手術がある事を伝え、そこで足元は崩れ出し夢の世界は崩壊を始めた。 それでもかすかに、遠くから聞こえた山中君の声は「頑張るから」 と伝え、彼に手を伸ばす形のまま夢は終わりを迎えた。 長い夢から目覚め、今までの事を思い出し手紙をよく調べてみれば「清浜病院」という名称が書かれてあり。 スマホを手にコール音が響く中エンド4へ。 「真」という封書のされた手紙を調べれば、ここからは何があったのか山中君の視点から真相が明らかに。 持病と表現されていた彼の病は難病であった事。 治療の為に転居する事への不満はなくとも、心残りはあり思い付きから遺書を書いた事。 これを受け取った主人公がどんな反応をするのか、そう思いながらも結局渡せなかった手紙。 最後の登校日、その空はまるでエンド1の時に見た夕方の風景でそこでも主人公は何か言いたそうにしながらも引き返してしまったのでしょう。 それから10年が経過し、再び病気が一部悪化した山中君は重要な手術をする事が決定した。 そして思い出す10年前の記憶。 何も伝えずに転校した結果、主人公は転校の原因を勘違いしていた。 病気の為というのは建て前で、本当は自殺をしており学校はその事を隠しているんだと思い込んでいた。 その結果の行動は、恐らくエンド2で取った流れなのでしょう。 母親からはクラスメイトが主人公に怖い事を言われたとだけ伝えられましたが、実際はどこまで行動を起こしていたかは濁されたまま。 この話を聞いて、笑みが顔に出るのを隠そうと山中君が眺めた窓の外はやけに赤い空で、どこかであの夢と繋がっているのを示唆しているようでした。 そしてそんな事をしたから10年も経ってからバチが当たったのだと、今度こそあの遺書を主人公へ送ろうとする山中君。 しかし、いつものように含まれる嘘として彼はある物を付け足した。 それが、まるで遺族が10年経過した今だからこそ渡せた手紙であると言ったようなあの文面。 そのメモと一緒に同封される、あの日渡せなかった手紙。 また嘘をついた、そう言いながらも本当は嘘なんてついていない。 青空の屋上を背景に語られる山中君の心中。 僕は死にます。 君のせいじゃない。 こんな身体はもういやだ。 この表に出ているたった三行だけの情報だけでは読み取れない、行間の真意。 『僕は死にます』 病気が悪化したら、手術が上手くいかなかったら。 確かにその時は死んでしまうのでしょう。 『君のせいじゃない』 いじめは主人公のせいじゃない。 だけど、自分が突然消えたせいで勘違いをさせてしまった。 『こんな身体はもういやだ』 身体も自分も、変わりたいと思っている。 だから手術も受けるし、今度こそ手紙を送るのだと。 エンド4の際、全てを冷静な視点から読み取った際に浮き上がった『僕は生きたい』 そうして全てはここに繋がっていると知った時はただ、生きて欲しいしそれは当然の望みだと思えました。 この10年経った今、もしこの手紙が主人公と再び会えるきっかけとなるなら。 山中君もまた、生きてもう一度主人公に会いたいと思っていた事。 それはきっと二人の見ていた夢が偶然交差した奇跡だったのか。 崩れ出す世界、全てが遠ざかっていく中でかすかに聞こえた主人公の声は『頑張れ!』と言っており、こちらに向かい伸ばされた手が…。 そして、場面は病院に電話がかかってくるところへ。 それは主人公が山中君に会いに行く為にかけた、エンド4の続きであり…手術後なので短時間ながらも二人は再会が約束された。 最後は綺麗な青空を背景に表示される「嘘の手紙」というタイトル名で締められて。 ◆感想総括 まず、あの日の嘘を探すというテーマが物珍しかった事はありますがその探索方法が記憶から構成された夢というのが秀逸でした。 主人公が本来知らない情報が出る事はなく、真相が別にあっても強い思い込みがあるならばそちらが先に表に出てしまう事。 あくまで主人公目線で知りうる事から構成された主観という点。 そして、その上で各エンドを見ていけば きっと転校前日にもしたのであろう、死ぬという事が嘘だと判断した結果過去と同じ行動を辿ったエンド1 転校というのは嘘であり、本当はいじめによる自殺を隠蔽する為だと思って現実でも10年前で復讐に走ったエンド2 そう思い込んでいるからこそ、3行目に嘘があると思った際には真相にたどり着けず誰もいない…何もない景色に到達したエンド3 今は夢の中にいて、もう10年前にあった事は変えられないと知りながらも真相に向き合おうとした結果先へ繋がったエンド4 最初は主観や記憶、当時の思い込みから始まるもやがて現状は夢であると気づき大人になった今だからこそ向き合えたのか。 ようやく見抜く事ができた「嘘」の内容に到達するという流れはとても美しかったです。 そして、回収したエンドに応じて変わっていく空の色。 この様々な色に変わる空を山中君の方でも何かしらの形で見ていて…二人が遠くにいても同じ空の下にいると知った時、何故このゲームのバッジ名が空に関する物だったのか? その理由を理解できました。 到達したエンドに応じて変化があるだけでも演出としては素晴らしいのですが、山中君視点で実は同じ物を見ていたという流れに組み込まれている点を踏まえると確かにこれは空が適していると言えます。 後日談は語られないまま、しかし二人がまた会えるという希望を持たせる形での終わりなのでどんな会話をするか等プレイヤー側に想像の余地を与える終わりも好きです。 当初の目的であった、10年前であるあの日の「嘘」は判明した。 だからこの物語(作品)で語られるのはここまで。 この先は今後二人によりまた紡がれていく未来なのだと。 @ネタバレ終了 エイプリルフールという事もあり遊ばせていただきましたが、最終的には心が温かくなる。 そんな素敵な作品をありがとうございました。
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嘘の手紙4月1日はエイプリルフールということで、以前から「嘘」がテーマの本作が気になっていたので、あの日の”嘘”を探すために朧げな世界を彷徨いながら探索させていただきました。 @ネタバレ開始 作中のモノクロのデザインが非現実的な夢の世界を視覚的に表現しており、とても洗練されているなと思いました。 背景の文字や人物の靄がかかった演出もゲームの雰囲気と上手くマッチしていて、作者様のセンスを感じます。 また、システムはヒントモードを利用して各エンディングに到達できるよう配慮されており、非常に親切だと思いました。 初見で何とかノーヒントで全てのエンディングにたどりつけましたが(すみません...嘘です... ヒントモードにすごく助けられました...)各エンディングを迎えるごとに物語の真相に近づいていく感じが、続きが気になるような展開で周回プレイを楽しむことができました。 そしてEND4を迎え2人の心が邂逅するシーンはグッと来るものがあり、特に手の演出は私の中ですごく印象に残りました...(泣) エピローグの山中君サイドの視点の演出も素敵で、現実での二人の今後が色々と想像できるようなラストになっているのも良かったです! クリア後に作者様のサイトで開発後記を読み、改めて細部にまでこだわった設定を知ることができました。 その中で最後に「原田と山中を繋いだのは貴方」という言葉がプレイした後の心に沁みました...(泣) @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございました!