チップを送付できる作品
35839 のレビュー-
彼誰の溶融儚さのある幸せで温かい作品をありがとうございます!こんなにも最高な作品を世に出していただきありがとうございます!これからも応援しています‼︎ リアルタイムの反応を文字で記録しておいたので、それをふせったーで暗証番号付きで投稿しようと思います。 本当に最高な作品です。やってない方は是非!
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sin.exeYouTube配信にて実況プレイさせていただきました。 @ネタバレ開始 ノベルゲームでありながら要所要所で操作を要求される没入感が(ホラーゲームとして)最高で(恐怖体験として)最悪の体験でした! 中でも「自分がやらかしたこと」を文章で入力させられるのが本当に…最悪で最高です… 予測変換に残る可能性があるので、ふとした時にまたこの物語を思い出しそうで「うわぁ…」という気持ちになります。 ホラーの仕掛け・読後感として素晴らしいと思いました。 ジャンプスケア要素もありつつ、この「嫌な」読後感はシナリオの力ですよね。 すごくよいバランスで大満足です。 主人公、自分がやったことからとっさに目を背けたり、許しを乞おうとしたがために大切な物を何もかも失って、それでも自分だけ生き延びてしまう…その後を想像すると絶望的な気持ちになります。 谷村は許してくれそうにないですし… 他の作品がどんなプレイ体験になるのか気になるので、ぜひプレイしたいと思います。 最後になりましたが、仕事用のPCでプレイしたことを後悔しました。 深夜にあのアイコンが現れたらどうしよう…早寝早起きして仕事をするしかないのかな…と困っております。 @ネタバレ終了 他のプレイヤーさんにも、可能ならぜひPCでプレイしていただきたい作品です。 とてもよかったです。ありがとうございました!
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麗しの幻視実体モデル制作者さんの新作長編ノベル!これは絶対名作に違いない…!と、時間に余裕が出来たタイミングでガッツリ通しでプレイさせて頂きました! ホログラムのような技術「幻視モデル」が近しいものとして存在する近未来で、とある少年の視点から描かれる「救い」のお話でした。 @ネタバレ開始 メインヒロインの寄居さんが消息不明になった後、次々と魅力的なヒロイン達が登場して「大丈夫?これ、ハーレムものになったりしない?色々大丈夫!?」と心配になりましたが、各ヒロインにしっかりお色気イベントがありつつも、寄居さんに対して不誠実にならないものばかりなのがめちゃくちゃ良かったです…! それでいてヒロインそれぞれの立場が明確にされていて、元々顔見知りだった子も、物語が動き出してから新たに登場した子ともしっかり絆を結んでいて、流石制作者さんの作り出したストーリーだな…と終始関心していました。 主人公であるタケ君は丁寧な口調にも関わらず、心の中やふとした拍子に「ゴミ」だったり「トレビアーン」だったりと、なかなか面白いワードセンスを備えていて、終始楽しく心の移り変わりを楽しませて頂きました。 そしてまさか、3章でさり気なく明かされた赤い下着が終盤にも顔を出すとは思いませんでした…! ストーリーの根幹に関わる伏せんはもちろんの事、小ネタレベルの伏せんも最後に綺麗に回収されたのには脱帽でした! やたらシナモンが出てきたのって、そういう……!!! 最初からタイトルに映っていた紙のプリントに記されているアレも、そういう事だったのか……と、もう関心する事ばかりでした。 過去作をプレイ済みだと、やたらうるさい蝉の鳴き声や、雪の日に革靴で歩くと罰金などなど……クスッと笑えるポイントがあるのも素敵です。 最初は寄居さんが発案した「幻視モデル」の制作がキッカケでしたが、そこからタケ君が自分の才能を生かして彼女達を救っていく様子は、まさに概要欄に書かれている通り「『誰かを救う』物語。」だなと思いました。 前回の長編同様、4章までは「どうなる?ここから本当に収束出来るの!?」と予測が立てられませんでしたが、シキさんのターンに入ってから明かされる真実のおかげで、点と点が線で繋がる感覚がとっても気持ち良かったです~! 最期、2重の意味で「麗しの幻視実体モデル」のタイトル回収が行われたのも熱いです!こういう展開大好き…っ!! 今回はキャラ達の動きが大胆かつ頻繁に変化していて、視覚的にもとても楽しませて頂きました! キャラとしてはメインヒロインである寄居さんが一番好きなのですが、見た目的には柳瀬川ちゃんタイプです! けど、ヒロイン全員、みんな違ってみんな良い…!! @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございます!
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いんふぇrの : In your box.実況動画にてプレイさせていただきました。ホラー系は苦手なのですが没入感と優しい聡貴さんに魅せられて、終始楽かったです! @ネタバレ開始 衝撃のラスト、特にEX.EDは腹が捩れるくらいに笑い泣きしてしまいました…2人の幸せな日常をこっそり覗いてみたい…!悲しいだけではなく萌えも提供していただきありがとうございます! @ネタバレ終了 ホラー苦手だからといって敬遠しなくて良かったと、プレイし終えた時に心から思えました。素敵な作品をありがとうございました!
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彼誰の溶融今回も神作品でした泣 てど先生、制作お疲れ様でした!
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ほほえみサンフラワー密かに進捗ポストを追って楽しみにしていたので、早速プレイさせて頂きました! 1人の少女との、温かくも切ない出会いのお話でした。 @ネタバレ開始 ひまわりが咲くのを見るのは7回目や、数年前に流行っていたアニメの話などなど……ほほえちゃんの会話内容から切ない結末の予感しか感じていなかったのですが、そんな中でも前向きになれる内容が沢山散りばめられていて、とっても素敵なお話でした! 以下、エンド別に感想を語らせて下さい。 END1 ほほえちゃんと一緒に帰還する事は叶いませんでしたが、まだまだ2人には希望がある事が知れて良かったです! 何も持っていないからこその優しい視点と、恵まれているからこその焦燥感が上手く表現されていて、切ない部分がある事には変わりありませんが、温かいお話だなと思いました。 END2 一緒に帰還ENDかと思いきや、そっちだったんですね…! 現状、ほほえちゃんが目を覚ます為にどうすればいいのか謎なので、結果的にこうなるのも致し方なしですよね…。 けど、夢がないと悩んでいた主人公に「ほほえちゃんを独りにしたくない」という目標が出来たのは、ある意味良かったのかもしれません。 この楽園がいつまで存続するかは分かりませんが、せめて2人の最後の時まで心穏やかに日々を過ごしてくれたらいいなと思います。 制作者さんの風通しの良い雰囲気の選曲と色彩センスが好きなのですが、今回も内容としては不穏な要素はありつつも、爽やかかつ温かい雰囲気で物語が進行していて、読後感がとっても良きでした! @ネタバレ終了 心に残る、素敵な作品をありがとうございます!
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アシハラ・メカニズムTGF開幕直後に参加作を巡回していて画面サムネを見てとても興味を持っていたのですが、プレイを後回しにしてしまいとうとうフェス後のプレイとなってしまいました。感想をお送りするのが閉幕後になってしまい大変申し訳なく感じるくらい名作でした! まず、世界観と設定が唯一無二だと感じました。世界観に奥行きがあり、会話やイベントなどで細部まで浸らせてもらえました。骨太な世界観で節々にシリアスさを感じます。中でも素晴らしいと感じたのはエンディングイベントです。設定や道中のイベントの結実となるエンディングはこれ以上ないと感じるもので、特にNormalとTrueをどちらも見るとその素晴らしさに惚れ惚れします。マルチエンドならではの見せ方という意味でも痺れました。 ゲームとしてのクオリティも非常に高いです。カレンダー進行形ゲームのお手本と言えるような各種UIにより、体力、好感度ゲージ、所持金、アイテムなどは一目瞭然で、本編がスタートしてからのSLG要素にはとてもワクワクしました。 なお、様々な要素が素晴らしいのですが、個人的に一番良かったのはテキストです。純粋に文章力がとても高く、情緒を感じさせつつ無駄がないのは素晴らしいな、と。プロローグや道中のイベントなどフックとなるようなイベントについては、きっちりとそれに呼応するような展開が用意されており気持ち良い物語体験ができました。 ルート分岐はやや特殊で、メインルートは条件を満たすかどうかでNormalかTrueに分岐、それと別に個別キャラとのイベント進捗により追加で個別キャラエンド2種が発生する形です。この形式も人類対招女というゲームの舞台を考えるととてもしっくりきました。詰まるようでしたら作者さんがCi-enで攻略情報を展開されているので参照することをおススメします! 長くなりましたが本作、とても面白かったのでとてもおススメです! 次回作も制作がかなり進んでいるようですので遊べるのが楽しみです!
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Forever Timeプレイ・実況させていただきました! サムネがすごく良くてワクワクしながらプレイしました! @ネタバレ開始 一言で言うと、感動して鳥肌立ちました。 先にこの作品に対する感想等をチラっと見ていたのですごくハードルが上がった状態でプレイさせていただいたのですが、そのハードルを余裕で越えてきました。 好きなところが多すぎて困りますし、すでにたくさんの感想が書かれているので僕は一つに絞って感想を書きたいと思います。 それは、なずなの卒業制作の結果が明かされない、という部分です。 ここがすごいですし、この作品の本質なのかなと勝手に考察しました。 物語全体として、「過程」がすごく重要なのかなと思います。なずなが引きこもりになってから写真をやっていく過程と、ユウトがバイトをクビになってから前を向いて作品創りに取り組みだす過程が重なるように描かれている。その対比自体も美しいですし、過程を重要視するところがこの作品のテーマなのかなと思いました。 書いてて、もう一つ思いついたので書きます。 それは、この作品自体が映像(ユウト)と写真(なずな)が一体となってできたゲームだということです。 作中でも、ユウトとなずなが一緒に一つの作品を作り上げますが、それがこのゲーム自体と重なるところが美しすぎます。まじですごい。素敵すぎます。 他にも文章が表示される間とか、演出の間とかの緩急が好きです、とかいろいろありますがそれらを1時間少しにまとめ上げているというところもとんでもないです。キリがないのでこのあたりにします・・・ @ネタバレ終了 傑作でした!出会えてよかったです! 有料版もチェックさせていただきます。
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廃部阻止!プレイさせていただきました! 登場人物が多めで面白かったです @ネタバレ開始 開始早々の「廃部だ」は、いきなりすぎて笑ってしまいました。 エンディングも4種類あって、人数にたいしていい塩梅でした。 @ネタバレ終了
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ファースト・プリンセス!~囚われの王子様~新作待ってました!!!全エンディング回収したのでコメント失礼します。 まず菜月くんがやばいことになってる!!!!!と新作ゲーム欄から見つけて爆速でここまで来ました。颯くんは勇者だし双優先輩はエルフだし輪くんはなんか強そうな騎士だし、、と大慌てで始めました。 @ネタバレ開始 最初にクリアしたのはハヤテくんとナツキくんルートでした。私、深夜1時に大歓喜してしまいました。ファーストヒロインの時に2人が永遠に仲良くしてるところを見てたいと思っていたので歓喜の涙が出ました。2人がお揃いっぽい服を着て仲良く3人で笑ってる、、もう悔い無いと思いました。でも私はナツキくんの闇の部分を見るまではやめられないと思い、 次のルートにハヤテくんルートを選択しました。 勇者の村って表示が出た瞬間来るんじゃないかと一瞬思ったんです。よかった何もなくて。ハヤテくんがとにかくメロくて危なく攻略推し変するところでした。 次に選んだのはミハルちゃんルートで、ここに来てミハルちゃん!!!!!わっしょい!!!!の気持ちでした。登場から妖艶すぎて先生もメロメロだよ!!なんて心で合いの手を入れていましたがマジでメロメロになっていて、、、、幸せになってくれ、、、 次に選んだのは大本命ナツキくんルートで、海のところでファーストヒロインの菜月くんが出てきた時泣いてしまいました。やっぱり菜月くんはかっこよくてどこまでも追ってくる執着があってメロい、、、王子の格好も最高だよ、、、ビッグラヴでした、 次に選んだのはいないだったのでこれは最後に感想を伝えさせていただきます。 無事闇を回収できたのでここからは全ルート回収だ!と先輩とメグルくんも回収しました。 元々ファーストヒロインのサムネを初めて見た時、菜月くんに一目惚れではなく双優先輩と輪くんの見た目がどタイプすぎて始めたので2人のルート回収もキャーキャー心で騒いでおりました。 先に回収したのはフユくんでした。 やはりフユくんも寂しがり屋で妹のことが大好きなお兄ちゃん。エルフだから長生きだからどうなるんだ?と思ったらまさかの子供!!!!!ヒャ〜〜と声が出ました。フユくんまじ長生きしておくれ、、、、、、顔面良すぎるのほんまギルティー大好きです。目のハイライトなくなるとこまじ好きです。 次に回収したのはお待ちかね、幸せになってほしい2人のルートでした。 この2人にはファーストヒロインの時にシリアスすぎてまじ幸せになってくれよランキング堂々の1位だったんですけどもうね!!!!メグルくん!!!!!結婚式場の扉をバーーン!!!からのお姫様抱っこ!!!!堕とします宣言!!!!もうあんたってやつは、、、幸せになれ、、状態で涙腺ダム決壊しました。ありがとうございました。 次はメグルくんを回収したんですがなんか、、、フユくんじゃないことに申し訳ない気持ちあり状態でやってました笑 歌を歌ってくれるスチル、、、本当に綺麗すぎて危うく本日二回目の推し変危機が来てました。最後髪が長くなっているのもお慕いしておりますなのも家族関係が大丈夫そうなのも良すぎました。 最後にナツキくんの闇の感想なのですが、、、一言言って最高すぎました。魔王なナツキくん、大好きすぎて執着、依存からのヤンデレ?化。私の大好きな、、菜月くんだ、、ってなってしまって息をすることも忘れて画面を見ていました。個人的に今回のナツキくんの衣装で一番好きでかっこよくてまた好きになっちゃう!!!!!となってました。本当にかっこよくてスチルもマジで良すぎて泣きました。タイトルの魔王感たっぷりのナツキくんも大好きです!!!!!!!!!! あとがきにファーストシリーズが今作で一区切りとなると書かれていたので初めてコメントを書き込ませて頂いました。寝れなくてウダウダしていた時に最初のファーストヒロインに出会い、プレイをして菜月くんに惹かれ、恋して、先生のマシュマロにネップリ再登録希望を送ってしまい、、、4月1日、、菜月くんの誕生日をしっかりお祝いして、いろんなところに菜月くんの写真を連れて行きました。ここで菜月くんとはお別れなのかと思うとなんだか寂しくて泣けてきますが、またいつかどこかで会えることを願っています!!!!!!アイドルパロ待ってます!!!!!!!!!!!!!!!そして新作楽しみにしています!!!! @ネタバレ終了 とても長文なのに内容が薄い、そして拙い文章となってしまったこと申し訳ありません!!! ハジメ ツヅク先生のこれからの作品も楽しみにしてます!!!!!!!
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モノクローム・モノローグ感想が大変遅くなりましたが配信にてプレイさせていただきました。 AとB、2つの視点から情報を得ながら脱出を目指すというこれだけで面白そうと思える仕組み。 テレビ企画でも見る逃走ゲームをやってみたら、本物の鬼というべきか暴漢が出てきて命が危ないという状況。 実にスリル満点な状況ですね。 @ネタバレ開始 ◇A まずはAの視点から。 どうやら頭を負傷しており、表面的な出血こそないが腫れから内出血は起こしていそうな状態。 行けるなら早く病院へ…と思うも、そうもいかない状況という事が語られていく。 『ホテル到着直後は、大金を手にした自分を思い描いて胸を高鳴らせていた。それがどうしてこんなことになったんだ!』 この発言からゲーム参加者側だろうと思い込んでいましたが、視点が切り替わるまでの間にも後から考えれば充分おかしいと思える情報はありましたね。 何故、自分を殴った人物の顔をしっかりと見ていたのか。 B視点における情報と矛盾をしていたのに気づくのがかなり遅れたなぁとなりました。 改めて、今回の舞台の説明とばかりにされる振り返り。 ネットで参加者を集うアングラなイベント、知り合い同士の者もいるかもしれないがAの人物は一人で参加していた事。 場所は廃業した廃ホテルであり、ルール上腕時計やスマホは所持が禁止されている事。 隣の部屋からの物音に、誰かがいるのが判明し…勇気を出して壁を叩く場面で視点は切り替わり。 ◇B 一人称からこちらは女性のようですね。 暴漢…殺人鬼がいるのでみんな散り散りに逃げておりそれぞれの部屋に籠城をしていた。 先程Aの視点でもどこかの部屋に隠れていたという事からそこは事実なのだろうと把握。 Aの時には語れていないこのゲームの詳細な部分の説明も入ります。 参加者は一人10万円を持ち寄って、最後まで逃げた人がその賞金を手にできる。 Bをこのゲームに誘った人物からすれば、自分が上手く逃げ切れるかで大金を掴める確率を上げられる分宝くじより良いという見解をしていたようで。 これも今思えば命があってこその前提だったでしょう。 バスルームから出て、ベッドのある部屋に戻れば内装は先程A視点で見たのと似た内容。 部屋がどこかはさておき、ホテルの一室な以上そうなのだろうなとは思いましたが… ここ、気になって感想を書くに辺りセーブ&ロードで再確認をしましたがAとBでは似た一室かつ極めてモノクロに近いながらもBには僅かに色がついていたんですね。 全てを知ると、Aの視点ではモノクロの視野なのに納得はいきましたがB側でも僅かに茶系?が入っているか程度なので初見では違いに気づかなかったのも納得しました。 仕掛けを後で明かすという点でも、ここはかなり丁寧かつ巧い仕組みですね。 Bのモノローグに戻り。 その殺人鬼が参加者と捕獲者どちら側か?すらも不明だったと思えば、どうやら捕獲者側に紛れ込んでいると判明。 某テレビ企画のように、捕獲者の姿は黒ずくめでサングラスに皮手袋と一発で鬼なのがわかるもの。 しかし、この殺人鬼が紛れ込んでいる状況ではそれが全て裏目に出ている…犯行に向いているのが何とも皮肉な所。 Aの時には各自参加者には番号はあるとだけ判明していましたが、Bは「7」というのが確定。 そして、Aの視点と連動するかのように壁を叩く音が聞こえてくる。 壁の向こうから聞こえてきたのは男の声。 だけど、殺人鬼も体格からして男な以上今回は相手が男というだけで犯人の可能性が切れない状況。 とにかく、ここからやり取りを…と相手の番号を聞けば「5」という申告が。 互いの名前を知らない以上ここは番号で識別や自己紹介をするのが筋でしょうが…記憶を辿っても誰が何番なのかは思い出せない。 犯人かどうか?というド直球の質問をすれば状況が進展し、事件があった当時の記憶が回想される。 個人規模のゲームという事で、捕獲者は相手を捕まえた証拠としてカラーボールを相手にぶつける必要がある事。 一度に携帯できるのは1人1個なので、なくなったら補給所まで取りに戻るというルールがあった事。 当初、7番は自分を誘った8番と一緒に隠れていたところ3人の男性参加者と合流し会話をしている中で捕獲者に遭遇した。 前方2人、間に7番が1人、最後尾に2人という並びで逃げる中後ろにいた男性にボールが当たる音がし脱落が決定。 全力疾走に疲れたものの、これがゲームであり捕獲者がボールを補給に行く分余裕もある状況からか健闘をたたえる拍手が自然と起きていた。 本来ならここから捕獲者が一時撤退をするはずなのに、捕まる=命はないとばかりに殴られた蛍光色付きの男性。 凶器を構えた捕獲者を視認し、一斉に逃げ出す流れへ…。 その途中、8番の彼女は捕まってしまい7番はそれを見捨てて逃げるしかなかった。 これに関しては相手が凶器を持った男性という時点で危険しかないですし、仕方ないとはいえなかなかにショッキングでしょう。 回想が終わり、5番が今思えば…という事やその後得た情報を共有してくれる。 どうやら捕獲者全員が殺人鬼ではなく、あの凶器を持った人物の単独犯であろう事。 情報はありがたいものの、結局この自称5番が本当に犯人ではないという確信はない。 番号だって適当に名乗ればいいだけで、それこそ女性が持っている7と8以外なら成立してしまう。 何よりAの視点では番号が配れていたという情報のみで、彼の番号が何だったかは明かされていない。 状況的に、今壁の向こうにいるのはA視点の人物だと思えましたがそれだとせっかく2視点で語られる物語なのに捻りがない…。 確かに状況として類似している部分はあれど、100%と言い切るには無理がある。 物語としてAとBはずっと別行動をしており、部分的に確定情報を与えない事で犯人と合流し騙されるミスリードを狙っている? 真っ先に浮かんだのはこのルートでした。 だけど、誘導尋問は難しい。 となれば姿を確認するのが確実? 記憶によれば、犯人は180センチ以上はあるという日本人にしては珍しい長身である事。 それに途中で遭遇した3人の男性はそんなに長身ではなかった事。 とにかく、明らかに180センチある人物でないなら犯人でない事はほぼ信じられるでしょう。 そこで、相手にこちらのベランダに来てもらい窓越しに確認をする手段を取る事に。 「でも少し時間をください。少し頭がふらついていて……。慎重に行動したいので」 どうやら、自称5番は逃げる時に頭を殴られたらしくまだそのせいで体調がすぐれない様子。 これもA視点であった情報と一致するので、やはりAなのか?と首は傾げ。 ◇A 少し時を巻き戻し、隣にいる誰かへコンタクトを取る場面へ。 どうやらAは5番であるようで、あの番号がまさかこんな時に使う事になるとは…という心境のよう。 そして、やはりベランダ越しに来るように言われ自分の姿を確認したいという流れへ。 まだ頭がクラクラしている…という発言から、やはり先程のB視点であった会話とも一致しているよな?と思いましたが。 なかなか無茶をいう、から始まるモノローグの一番後ろ。 この重い身体を引きずっていけっていうのか。という部分は後の展開を踏まえると…? 少し時間を、からの『僕は重い身体をひきずり始める』 跳躍する事の比喩だろうと思っていた発言ながらも『身体を放り投げる』という部分も… これは、意味が分かると怖い話…!! 嘘はついてない。嘘はないけど真相がわかった途端にぞわっとするのがまさしく意味怖のそれ!! 今回A視点の人物は信用できない語り手である以上、確かに全てを公平に情報として出す必要はなく。 Bとリンクすると思える部分を出しながら、重複する部分はくどくならないよう省略されているのだろうと勝手に脳内補完をしていた事。 …よく見れば、この時点で何故夜景はモノクロだったのか? そこに当初は何の疑問もありませんでしたね。 ◇B 白い影、シルエットから相手の身長が180もない事は確実。 そして合流したのはあの3人のうちの1人だった。 犯人でないと思えただけでも安堵はありますが、顔を知っている味方というのは何とも頼もしいですね! そして会話から、どうやら7番は少しでもカモフラージュができるようにと黒い服に着替えていたようです。 結果的に、犯人が複数犯でない以上無駄だったかもしれないと思っているようですが…この緊急事態の中でなかなか知恵が回っている印象ですね。 武器になる物はないか?という会話から超近距離限定ながら使えるボールペン。 折り畳みの日傘というゾンビサバイバルでも実は使える武器として一部では定評のある物があると判明。 そして、中身が凍ったペットボトルをエコバッグに入れる事で振り回せる鈍器もできあがり。 いざ廊下に出るも、どうやら5番はかなり心身共に良くない状態の様子。 目もなんだか霞んでいるというと、それは情報を視覚から得にくいという点で結構危ないのでは? (恐らく、モノクロの夜景についてもこういう部分から無意識に納得を重ねたのかもしれません) そんな相手に隣のベランダまでジャンプさせるとか結構鬼畜な要望を出したな…? 下へ向かう手段として、エレベーターは動かす事で犯人に情報を与えかねない。 体調に不安のある5番はいても、非常階段を使った方がいいでしょう。 何より、エレベーターがこの階に到着したら中から犯人が出てきたとか笑えませんので。 そして、階段を利用してどんどん下の階へ。 その途中、7番は5番の事を犯人ではなくとも自分を利用しているのではないか?と疑い始め…。 共闘しようなんて嘘で、ただあたしを囮に逃げ延びようと思っているだけ。 いや、正直この状況で緊急手段としてそうなったとしても責められないのではないか? 仲間がいる方が有利というのは7番だって思っていたはず、何より自分が女であり体格の良い犯人相手には勝てないのだから。 実は自分こそが内心ではそう思っている事の裏返しではないのか? 状況が状況だけに、保身も含め疑心暗鬼になる事は仕方がない。 でも、すでに5番は言っているんですよね。 「犯人は、捕獲者だ。逃げても追いつかれる可能性が高い。それこそ誰かが犠牲にならなければ逃げきれないでしょう。さっきのように」 鬼の役をする時点で、ある程度身体能力の高い人物が選ばれている可能性は高い。 その上で、誰かが犠牲になる必要性はすでに階段へ行く前から述べている。 この犠牲というのが、5番と7番のどちらになるのか…はその時にならねばわからないとしても。 何より、事実として彼彼女らは5人で逃走した際に蛍光色の男性を共通で見捨てて逃げた。 7番だって親しかったはずの8番を見捨てて生き延びている。 我が身が可愛いのなんて、今更なのになぁと…。 それでもようやくホール上の階段まで移動は成功。 もうここまでくれば囮も何もない、一気に走り出せば途中で身体に走る衝撃と痛み。 どうやら走った事で結果的に頭を狙われていたけど腹を殴られる結果になった様子。 内臓へのダメージも怖いですが、頭なら一発で気絶か最悪即死なだけマズイながらマシな方を引き当てたというべきか…。 そんなピンチの中、5番がペットボトル鈍器で助けてくれた事により形勢逆転。 これまでの理不尽への怒りと言わんばかりに日傘を使って殴る!殴る! しかし、それでもまだ死んでもなければ気絶もしていない犯人は5番の方へ行き彼を人質としてエレベーターへ…。 5番の事は心配ながらも、まずは外に出て通報しなければならないとここで視点終了。 ◇A ベランダでシルエットの確認をしてから鍵を開けてもらう場面へ。 また随分と巻き戻ったな?と思うも、先程までのB視点がかなり長かった以上仕方ないのかと思えば… 良かった。これでようやく。ようやく仲間を―― ――仕留められる。 ちょっと待って、私の知ってる流れと違う!? 5番は確かにいた。5番はA視点の人物の前に立たされており、手足を縛られ猿ぐつわをされている。 隣の部屋の人間はシルエットからそれを判断材料としたのでどんな状態なのかまで見ずに鍵を開けてしまった。 そして、隣の部屋にいたのは6番…? あいつじゃなければ恐怖はない、という言葉も謎でしたがこれは完全に騙されたというしかない。 最後にニュース画面が映され、どうやら犯人は逮捕されたもののかなりの犠牲者が出た事が判明。 まだ謎が残るものの、それは真相がわかる視点から全て語られるようで…。 ◇B(ビフォー) ここからは犯人視点という事で、明確に今までぼかされていた部分も語れるようですね。 今までの情報通り、犯人は捕獲者としてこのゲームに関わっていた事。 本来なら逃走者として参加をしたかった位に金に困っている状況だった。 が、Bの視点で語れているように賞金は各自で10万ずつ持ち寄り×人数に応じてとなる以上最低でもその金額を出せなければならない。 さらに実は別途事前のエントリー料まで必要という、参加するにはかなりの金額が必要だったという事実が判明。 B視点では友人の紹介という形だったので参加をできただけで、本来なら紹介者がいない場合はまず参加すら困難な倍率だった事。 そして現実の鬼ごっこもですが、やはり鬼の役は人気もなくほぼボランティアのような状態だった分こちらでなら参加は簡単なようで。 「賞金を盗む」そのプランを思いついた事でこの犯人は本来なら断ろうと思った捕獲者としてエントリーをする事に。 やはり、鬼として必要な身体能力はあるようでその条件はクリアしていたようです。 個人のアングラな企画なせいか、大金が絡む割には結構ずさんな管理体制。 犯罪というリスクを取る以上できるだけ身元に繋がる情報は残したくないと思うもこちらへ話しかけてくる他の捕獲者。 前回では10人中8人を捕まえたという武勇伝も合わせ彼にとっては、承認欲求半分の小遣い稼ぎ半分であろう事には同意します。 というか、こういうアングラなゲームを道楽として楽しめている時点で色々察する部分はあり。 まずは隠しておいた武器を手にし、ゲームマスターへと接近を。 嘘の理由から賞金の置いてある13階の一室へ入り、金属バットを振り下ろす。 足がつかないようにする為には、どのみち顔を知っているゲームマスターを口封じする選択しかなかったようですね。 そのまま、冷静に考えれば部屋の鍵をかけておくのが良かったでしょうがそんな余裕もないまま賞金を手に入れる事に成功。 100万円は僕にとって大金だったが「意外に薄い」と感じた。本当に、この薄さに人生を変える力があるんだろうか? ここの一文がなかなか印象的と言えます。 一般的に100万円は大金という認識で良いと思いますし、一部の裕福層でなければ当然の感性でしょう。 しかし、いざ厚みとして認識するとそれを薄いと感じた事。 100万円そのものは大金であっても、正直殺人というリスクを犯してまで人生を変えるだけの力があるかと言えばNOでしょうから。 これが3億円とかなら、まだわかるものの…。 その薄さの為に人生を狂わせる価値は本当にあるのか? そして、やはりというべきか鍵以前にドアが開けっぱなしだったせいで見つかってしまう犯人。 気が焦っていたにしてもあまりに迂闊…! 本来ならスマホという個人情報の塊も証拠になる以上回収しておきたかったと思いながら二人目の犠牲者を出した犯人は逃走へ。 まだ事件の事を知る人物が限られる以上、一旦冷静にゲームにおける振る舞いを演じていれば問題はないはず。 10階を移動していると誰かの話し声が聞こえ、耳をすましてみると…。 …これは完全に、犯人にとっては地雷でしょうね。 というより、大半の貧困及び庶民層を敵に回したな?という感性というべきか。 「賞金ったってたかだ100万だし」 その100万円の為に殺人までした犯人にとってはなかなかキツイ発言でしょう。 そもそも、100万円をたかがと言えるなんて時点でこの金額ははした金と言えるという意味でもあり。 実際に犯人がそうだったように、100万円を喜ぶような貧乏人はそもそもこのゲームに参加しないという事。 だって、エントリー料に自腹である賞金の一部となる10万円を出せる事が前提なのだから。 それができないから仕方なく捕獲者として窃盗をするという事を選択したのに…。 思わず背後の金属バットにのびる手、その為に自分は手を汚したのに世の中にはこのゲームを紳士淑女のゲームだと笑っている奴らがいる。 自分のような貧困層を嘲笑っている奴らへの怒り。 まだこのゲームが安全な物だと思っている逃走者を追いかけ、まずは立ち止まらせる手段としてカラーボールを投げつける。 Bの視点ではこの時に起きた拍手はある種の一体感から生まれた、ゲームを楽しむ物としての事だったのでしょう。 しかし犯人からすればそこに漂うのは生温い空気、今そこにある殺意に気づかない者達へ向けられた感情。 そして8番の女性は襲われどんどんと減っていく逃走者達。 廊下を曲がろうとした際に出会った、同じく捕獲者として雇われた人物に凶器を手にした姿を見つかり仕留めようとするも逃げられる。 それからバットを手に走り続ければ見つけたのは先程の捕獲者でなくバラバラに逃げたのであろう逃走者だった。 逃走者を捕まえもせずに先に逃げるなんてな もうこの時点で鬼から逃げるというゲームは現実となり、そして逆に犯人にとってはゲームとなってしまった事を示唆する文面として秀逸でしょう。 その後、逃走者に殴りかかるも反撃として突き飛ばされポケットから落ちる紙幣。 本来の目的は金を、100万円を手に入れる事。 それを達成したにも関わらず、この場から逃走をせずに、通報をされるかもしれないというリスクを背負いながら感情のままに追いかけている状況。 非常階段から一階を目指すも事情を知らない逃走者10番に二階への扉へ鍵をかけられた事で犯人はエレベーターへ向かう事となる。 後になってみるとB視点でエレベーターが反応をしなかったのもこの時点と交差していたのかもしれませんね。 そしてB視点で謎だった、何故殺人を犯した犯人の方が瞳を濡らしていたのか。 それは7番の形相が彼の母親に酷似していたからだった。 彼のずっといっていた『あいつ』は母親を連想させる7番の事だった事が判明した際、線が一本に繋がる感覚がありました。 やがて物語冒頭のAの視点に続くように事は進み… ◇A(アフター) 物語は5番と呼ばれた男の視点へ。 その正体はフリーライターであり、今回も記事のネタとして潜入取材をしていたという事。 ありもしない「安心安全保証付き」のスリルとサスペンスを求めた結果が現状を生んでしまったという事。 今思うと、そんなゲームに参加する人間の本音を引き出す為に彼は虎の尾を踏む事になってしまったのでしょう。 まだ彼はあちら側の人間でないとわかる描写として、犯人を殴った際に正当防衛とはいえ自分が人の命を奪う可能性にぞっとした事は気に留めておきたい点。 そして事前に語られていたA視点の空白を埋めるように5番の視界を通じて伝えられる状況。 よりにもよって自分と共に貧困層を嘲笑していた6番が自室に戻ってきてしまった。 そしてその物音は犯人の耳にもしっかり届いており、物語の輪郭から内部を埋めていくように語られていく流れ。 ここで犯人は5番を騙り隣のベランダへと移っていく所までありありと想像ができてしまいました。 「窓の下だ。何色が見える?」 そしてこの発言でようやく犯人には色がわからないという事が判明し、タイトルにあるモノクローム(単色)という部分が回収されましたね。 後日談として語られる犯人の素性。 やはり彼は母親から虐待を受けており、7番を怖がっていたのもそれが全てだった。 凶器のチョイスで趣味の野球と誤魔化すつもりだったのもかつて野球部で活躍をしていたから出た発想だったのか。 そうして、殺意とは伝染するのか。 あの時の恐怖を知らない編集長は他人事として今回の潜入調査がいいネタになったと笑っているけれど5番にとってみればそれはあまりにも無神経すぎる言葉だった。 このままではこの場所でも殺人事件が起きてしまうのか?そう思えば開かれたカーテンから見えたのはヘチマの花だった。 もしも犯人の目にも、また色が射していたのなら? それは何かを変える事ができたのかはわからないとしても、色を希望等他の物の比喩とするのなら。 救いはあって欲しかったと思ってしまいますね。 @ネタバレ終了 物語の仕掛けにまんまとやられた事、サスペンスと言える状況の中で語られる現代でも起こるだろう問題。 色々と考えさせられるものがある作品でした。 それでは面白い作品をありがとうございました。
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あの画像の初出が判明しました。@ネタバレ開始 実況をさせていただきました。 タイトルに惹かれて始めさせていただきました! @ネタバレ開始 自分も動画を投稿している身なので、なんとなく身近に感じてワクワクしながら読み進めました。 ネットは怖いところでもあるなと改めて実感しました。 また、あくまでもプレイヤーと主人公は第三者であり(エンドによっては炎上しましたが・・・)主人公の善性によって犯人が捕まったり、犯罪に犯罪を重ねたりと冷や冷やしながら読み進めさせていただきました。 こういうヒトコワのお話大好きです!! @ネタバレ終了 素敵なゲームをありがとうございました。
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除毒のタベルナお料理と聞いて飛んできました!!!!! 美味しそうなお料理イラストから可愛いキャラクターたちも沢山で、 登場する皆々の掛け合いが楽しくあっという間に遊び終えてしまいました! 除毒知識は実際にあるものということで大変お勉強になりました…! 今現代で食べられているモノの中にも、先人が毒を制していかに美味しく食べられるようにしたかをこのゲームで思い出させてくれるのもあり、感慨深いでござんす…!!!! ステキな作品ありがとうございました!!!!
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廃部阻止!プレイさせていただきました! 一周が短いのでサクサクとプレイ出来ました。 @ネタバレ開始 初回のプレイで雑草崎くんと相性のいい子たちを……と、好みだからと思ってフジくんと百合目くんを選んだら、フジくんはこの世の者ではない感じでoh……となりましたし、藤森先輩のメッセージウィンドウから「せんぱい」の文字が消えていくのゾクっとしました。 女装エンドもすごくよかったです。エピローグで主人公もスカート履いてて、履いとるやないかい! って突っ込んでしまいました。梅屋くんのプロフィール見た後だとこのエンディングの未来も結構いいのでは……? と思いました。 他のふたつのエンディングもかなり素敵で、好きなのですが、かなり長くなってしまうので割愛させていただきます。 @ネタバレ終了 改めてとても素敵なゲームをありがとうございました! とても楽しかったですし、キャラクターが皆とても魅力的でした!
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公平なるは我がマキナ全員好きです!!!!ずっとしあわせほしい!!!
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Only Dance !泣いてしまった。 すごく健気で優しくて、落ち込んだ時にまたここに帰ってきたくなるようなゲームでした。プレイできて良かったです。 素敵な作品をありがとうございました。
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和泉くんと三姉妹。~"End" is where we always start from~TGF2020で一挙に3作も公開されて鮮烈デビューを飾った和泉くんシリーズの最新作です。思えばあれからもう4年以上が経っているなんて時が経つのは早いもんです。フェス期間中にはプレイできなかったのですが、タイトルからしてもこれは是非遊ばねば!と思っていてようやくプレイできました。もちろんすべてのEDを拝見したうえで、全スチルも回収させていただきました! プレイ済の方には今更ですが、本作は両親不在の主人公の家に美少女三姉妹メイドが住み込みで働きに来るという、夢のようなシチュエーションのラブコメADVとなります。主人公の和泉くんと三姉妹の掛け合いが魅力のシリーズですが、本作ではわりと決定的な三姉妹との個別ルートがあるのでより楽しめた感があります。個別エンドに突入した際の残る二人の姉妹の掛け合いがすごく印象的でした。 概要の紹介のような形で文字数が増えてしまったので駆け足で感想です! ・分岐イベントのスチルがたくさんあってめちゃくちゃ華やかに感じられました! ・今更ですが野田あゆ美さんの1人4役の演じ分け演技がとても素晴らしいと思いました! ・本作の雰囲気にピッタリなNaGISAさんの書き下ろしBGMの数々もとても良かったです! 個人的に1作目から一貫してくるみ派なのですが、今作の主役はあまねさんですね! どのルートをプレイしていてもあまねさんの魅力が存分に発揮されていたと感じました!
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強キャラ学園ラストまでプレイしましたが、とても面白かったです! 物凄い作り込みのボリュームとクオリティの高さをどちらも感じました。 プレイ冒頭「まぁプレイ時間も長そうだしてボイスなしにしてみようかな」とボイスなしを選んだ瞬間に勝ちを確信しました。面白過ぎです。このシーンのインパクトがピークではないかと心配しましたが、そんなことはなく終始笑わせてもらいました。立ち絵をフル活用した演出も面白いですし、声優さんが皆さんノリノリでとても楽しめました。特に好きなのはテレビ電話のシーンです。 で、基本的にはギャグメインで進行しますが、根っこのストーリーはかなりシリアスです。作者さんが推奨している通り、全攻略するのがおすすめです。ボリュームに見合うだけの達成感が得られました。 丁寧な攻略サイトがありますので、迷子になりたくない場合は是非ご活用させてもらうのが吉です! グラフィック、テキスト、BGMなどゲームを構成する全てに相当なセンスを感じました。
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隣の世界の私のクラス感想を書くのが大変遅くなりましたが配信にてプレイさせていただきました。 都市伝説を通して都市伝説を聞くという珍しい導入に、平行世界ではちょっとずつ違う内容となる馴染みのある都市伝説たち。 果たして良く知る都市伝説もどのような味付けをされてお出しされるのか、それをとても楽しみにしつつプレイさせていただきました。 @ネタバレ開始 まず、導入に関して主人公の美里ちゃんがオカルトマニアという事なのでとても自然な流れで鏡の向こうの自分とコンタクトを取り都市伝説を聞いていくという内容へ。 あらかじめお品書きはわかっていたので果たしてそれぞれの都市伝説が平行世界においてはどんな内容になっているのか? ここは上から順番に聞いていくのが恐らく楽しみやすい方法かな?という事で番号順に。 ◆怪人アンサー 事前にお品書きで名前が出ていた中でも知らない物だった事もあり軽い予習として、どんな怪異なのか調べました。 恐らく元の話が怪異として広まったのはガラケー時代でしょうか。 10人集まって10台の携帯電話で行う降霊術形式のもの。 厄介なのは、参加者のうち9人までは自分が知りたい内容をアンサーに質問しノーリスクで答えてもらえる事。 だけど10人目は逆にアンサーからの質問に答えられなければ体の一部を持っていかれる事。 誰がそんな役目をやりたがるのか?好奇心旺盛なタイプならともかく、確かにこれはいじめられっ子やアンサーについて知らない人に押し付けるのが安牌というのが嫌な所ですね…。 この話でメインになる奥田さんも普段からいじめられており、アンサーの事を知らないまま巻き込まれてしまう事で強制的に10人目の役割をする事になってしまう。 平行世界の美里ちゃんも同じように、一体だれがそんなリスクがあるのに10人目をやりたがるのか?という疑問を持ちながら「それって私個人の考え方なんだよね」 と不穏な方向で、闇のある方向で理解をしてしまうのも何とも生々しいです。 本来ならこういったオカルトネタは肝試し感覚で試しても何も起きないままというのが定石でしょうがそれでは話が進まない訳でして…。 この世界のアンサーは本来の世界と違い10人目が質問に答える事ができると9人が質問に答えてもらえるだけでなく願いを叶えてもらえるというハイリターンな事。 確かに成功した時のメリットこそ大きいですが、10人目が背負うデメリットは据え置きな以上それでも率先してやりたいと思える物ではないでしょう。 というかやろうとしている奴らがいたら力づくで止めたいですね、危険すぎて。 そしてアンサーへと繋がってしまった電話。 ここで2番目の子の質問に対し、自分なら宇宙人の存在の有無というもっと有意義な事を聞くと言っている辺り美里ちゃんはやっぱりオカルトが好きなんだなと。 普段からいじめられている、先生に注意してもらってもかえって状況は悪化してしまった奥田さん。 こんな状況でも自分がアンサーの質問に答えられなければみんなの願いが叶わずどんな目に遭うのかと不安がる奥田さん。 そしてとうとう知ってしまった真相、最悪の場合自分の体の一部を失う生贄に指名されてしまう流れにまでなっていた奥田さん。 どうして、いつも、私ばかりが? 彼女の気持ちを思えば自分の扱いが軽視されている、人権も何もないだけでも大概な訳で黒い感情が溢れるのも当然でしょう。 問題であるアンサーからの質問は何が聞かれるのか事前にわからないので、私も難しい知識が求められたり理不尽な謎かけのような内容かとばかり思っていましたが……。 ここで予想外と言える質問内容だった事がなかなか良いパンチでしたね。 てっきり答える事には成功してもその後みんなの願いを叶える場面で他の参加者を皆★殺★し、にでもしてくれと願う展開はありそうだと思っていたので一手先に持ってきたか!?と。 それと同時にみんなに消えて欲しいと願う奥田さんの気持ちを思うとまたいたたまれないものがあります。 しかもこの願いの恐ろしい所は、殺して欲しいでなく消して欲しいという要望なのでこれは存在が完全消滅して死んでいるのと変わらないのか。 見えていないだけで実はまだ生きているある意味死ぬより辛い状態なのか。 そこもアンサー側の匙加減なので想像の余地があるのがいいです。 そしてアンサーの力とはいえいじめっ子たちを消す事に成功した奥田さんは明らかに歪みを抱えてしまった。 かすかに見えた口角が上がった様子は、学校に到着しクラスにいじめっ子がいない事で『あれは本当だったんだ』と現実味が出た事もあったのかなと。 結果として、奥田さんは生存した。 けど、本当ならこんな方法でなくもっと早く助けてあげるべきだったのではないか。 もう一人の私の後悔を聴き、そして翌日行動に移した主人公とそこから良い方向へ回り始める状況。 もし主人公が止めに行かなかったら、こちらの世界のアンサーは害しかないから奥田さんは犠牲になるだけでいじめっ子たちに制裁もないひたすら後味の悪い終わりになったでしょうね。 主人公がオカルトマニアという設定だからこそ助ける事ができた流れも含めここの救済はとても良かったです。 一枚絵であった奥田さんの笑顔を見ると、これが正解だったんだろうなとなりましたね。 怪人アンサーに関する話としてのまとまりも素敵なのですが、話終わった「私」が語るように平行世界は無数にある事。 次もまた「私」につながる確証はないという事。 ここに刹那的な味わいがあります。 主人公である「私」はずっと同じ私だとしても向こうの世界の「私」は次はいつに会えるのだろうかと。 ◆NNN臨時放送 初手のアンサーが10人目に質問をするまでは同じでも、それに成功した場合メリットがあるという違いがあったので他の都市伝説も何かしら違いはあると思いましたが…。 これが怪異の現代化なのか……。 本来ならテレビで流れるはずの臨時放送はスマホの広告という媒体で目にする怪異となっていた。 それ以外は基本同じ内容という点では、これが平行世界らしい明確な違いとして大きく出たなぁと思える話でしたね。 ただ、深夜のテレビで見る事になる本家と違ってスマホの広告という誰でも手軽にいつでも見る可能性がある場所になってしまった点はかなり極悪になっているというのがやばいの一言。 最初に真穂ちゃんが目撃した際も恐らくは本家と近い時間帯だったのでしょう。 それ以外の時間にスマホを触っていても見る事がなかったという辺りより。 スマホ依存症ともいえる彼女だからこそ遭遇率も高かった、というのも説得力はありますし最初は知らない人の名前だけだったであろう状況からもはや臨時放送を見ても珍しくなくなってきたという弛緩の段階で親戚の名前が出てしまい実際に死を知る流れは恐怖の緩急としてとても良かったです。 そしてスマホを持っていればいつ臨時放送を見る事になるかがわからないのに、元々酷い依存症だったせいで手放す事ができない。 見たくないけど手放せない距離感。 ここが絶妙な生々しさというのか、習慣は簡単に変えられない場面で人間の特徴を良く表現しているなと感心いたしました。 通話をしていれば広告を見る事がないはずとずっと通話をしていても割り込んでくる臨時放送。 そして、やがてスマホを見る事がなくなりマナーモードにより鳴っている事がわかっていても無視をするようになっていく真穂ちゃん。 この間にも彼女の知る相手が次々死んでいくという状況で精神も擦り減って行ったであろう中、ある日休日の2日間臨時放送が流れなかったと嬉しそうに報告を受ける場面へ。 それに今朝も流れなかったらしいのできっともう解放されたのか…これに懲りたらスマホも程々にしておくんだよ?という所へ収束するかと思いきや… “習慣は簡単に変えられない” 喉元過ぎれば熱さを忘れるとばかりに、もう大丈夫だと思ったのであろう彼女はまたスマホをじっと見るようになってしまった。 そして悪い事にその場所は駅で、電車を待つ場面。 …今思うと、彼女の親族等が犠牲になり彼女のスマホがずっと鳴り続けている時点でターゲットにされていたのでしょう。 序盤にあった緩急のように、一度臨時放送が流れないという安心できる状況を与えてからスマホに釘付けにさせるという流れ。 線路に落としたスマホを拾おうと飛び込んだ結果、電車に轢かれてしまい形が残っていたのは彼女のスマホのみ。 そこには真穂ちゃんの名前だけが羅列された臨時放送の画面が…。 現代らしいスマホ依存症という物、そして臨時放送の媒体を平行世界という事でスマホにする事で起きるコンボ。 元になっている怪異そのものはスマホが普及する以前からある内容でも、組み合わせ次第でこういった味付けができるというのはなかなか巧いなと思わせられる内容でした。 そして、こちらの世界では臨時放送はスマホでは流れないとしてもスマホ依存する真穂ちゃんを放置すれば何か悪い事が起きるかもしれない。 揉み合った際に落ちたスマホを拾おうとする真穂ちゃんが、道路に出て車に轢かれるオチがくるか?と警戒をしていましたがまさかの百合?エンドというギャグだけど誰も不幸になってないならいいな!!という〆へ。 基本、平行世界の私は怖い話をしてくれるけどその結果クラスメイトが酷い目にあっているのでこちらの世界ではちゃんと救われるのにほっとしましたね。 ◆猿夢 でも、さすがにこれは元々の話に逃げ道がない以上バッドエンド不可避では? さらにまずは恒例の、こちらの世界での猿夢の内容を説明すればまさかの猿が関係するという部分以外は全く違う内容という流れ? ここにきて流れが読めなくなってきたな?と変化球がきましたね。 どうやら平行世界での猿夢は学校で居眠りをした際に起きる学校の怪談という立ち位置のよう。 基本的に遭遇したら解決策がなさそうなのは本家と同じとは思いましたが、極悪度で言えばこれはこちらの方が圧倒的にえげつない…。 学校で居眠りをした際、黒板の前に立つ猿の頭をした先生。 その先生がクラス委員を決めると宣言し、指名された生徒はその委員に関連した状態でその日に死んでしまう。 確かに猿夢は自分の前に他の乗客が悲惨な死に方をしていくという流れですが、あれはあくまで夢の中だけに存在する登場人物。 実際に誰かが死んではいないはず。 だけどこの猿夢は夢で指名されたクラスメイトが本当に死んでしまうという以上、誰かの居眠りで学級崩壊どころの騒ぎじゃないという大惨事待ったなしの危険度ときた。 当初は猿夢の事を名前程度しか知らなかった真鍋君も最初の犠牲者が出た事からこれが猿夢か?と把握をしても夢の中では何の抵抗もできはしない。 せめて何かをしようと夢で指名されていた生徒に「帰りに気をつけて」と声をかけるのが精いっぱいで、それでも願いは届くはずもなく。 もう対策は居眠りをしない事だと必死に起きようとする真鍋君の流れもまた、人間の習慣とは簡単に変えられないの典型でありその中で足掻くしかない展開として素敵です。 これはやった事がある人ならわかりすぎるのですが、夜型の人間が簡単に生活リズムを変えられる訳がない。 寝なければいけないといくら焦っても睡魔は来ることがなく朝はやってきてしまう。 そして平行世界の主人公に相談をするも解決法を知らない以上助ける事もできぬまま。 ここのオカルトマニアとして内心とても興味深く話を聞いていたであろう私は今思えばある意味相当肝が据わってますね。 クラスメイトである以上、彼の居眠りで自分もいつ死ぬのかわからない対象であると思うと。 やがて猿夢は昼に寝なければいいだけにも関わらず、夢を見る事そのものが怖くなってしまい夜も眠れないまま過ごす事になっていく事へ。 寝なければ大丈夫と必死に起きようとするも気づけば世界は色褪せていた辺りで思わず「あぁ…」と内心察する物はありました。 ラストを見るに、真鍋君はその状態でも自分は起きているつもりだったのでしょう。 しかしいつまでも眠らないでいるなんて実際は不可能な訳で、一見すれば現実のような状態にも関わらず夢と同じようにクラス委員を決めると先生が宣言する状況がきてしまう。 そして呼ばれたのは自分の名前、任されたのは清掃委員。 目の前の先生は猿の頭をしていない。 だけどもう錯乱状態であったろう真鍋君は先生をカッターナイフで殺してしまった。 そして、先生はいなくなったはずなのに出てくる猿の頭をした先生。 再び、今度は猿の頭をした先生から清掃委員に指名をされた真鍋君は自分が汚した床を綺麗にする事に…。 ここから現実の真鍋君は身体は起きているのにまるで意識がないように何も反応を返さない状態になってしまう。 金縛りが頭は起きていても身体だけが眠っているなら、これはその逆の状態なのか。 意識だけは夢の中にあり続けながら生きている…それは猿夢を引き起こした張本人としての代償なのか。 ずっと終わらない夢の中で彼は清掃作業を続けているのでしょうね。 実際には事件が起きていない辺り、やはりカッターナイフを使用したあの時点ですでに夢の中だったのでしょう。 一見すれば普段通りなクラスの様子も、油断させる為の罠だったのか。 そして、話が終わりもう一人の私は真鍋君についてもう一点伝えようとしたところで時間切れへ。 それが何か不明なままだったせいで彼が別の何かに魅入られていないか話しかけようと思うもうまく話せないまま、ここは真鍋君から見れば思わせぶりな状態で授業が始まり。 とりあえずこちらの世界における猿夢があちらと違うとしても、彼が居眠りをするのは妨害した方がいいと気に掛ける流れへ。 ちょうど悪夢を見ていたところだったという言葉に心臓を掴まれるような思いをするのはどこかの世界にいる彼の末路を思えば当然でしょう。 例えこの世界では起こりえないとわかっていても。 結果、どうやら主人公が真鍋君の居眠りを妨害し続けたおかげで睡眠サイクルが治ったようで。 そのお礼として映画のチケットをもらう奇妙な事に。 もう一人の私が言おうとした内容と、話の本筋に入る前の反応から恐らく『真鍋君は美里ちゃんの事が好きである』という予想はできましたが今はまだチケットをプレゼントしても一緒に見に行こうと言えないそんな精一杯な青春エンドはなかなか甘酸っぱさがあり良かったです。 ◆隙間女 変化球の後は歴史の長い妖怪のような怪異のお話へ。 どうやら今度は大筋のテンプレと言える部分に相違はないようで細かい部分に違いがある程度のようですね。 隙間というとベッドの下の男のように、そこにある空間にもしも何かが潜んでいたら?という本能的な恐怖を刺激する部類に思えます。 ある意味珍しいパターンとして、これまで登場した平行世界のクラスメイトはこちらの世界と同じような立ち位置だった中で宇田川さんはクラス委員長かそうでないかの違いがあったという点。 言われてみれば平行世界(似ているけれどどこかが違う世界)な事を思えばここまで特に違いがなかったのが不思議だったのかもしれませんね。 クラス委員長をしてるだけあり真面目で優等生タイプ。 そして、几帳面であり神経質だからこそ隙間女と遭遇してしまったんだなと人物紹介の時点で察する物がありました。 家具の隙間なんて隙間女の出てくるテンプレのスポットですからね。 まず初めて遭遇したのはカーテンの隙間にいたという女の姿。 とはいえカーテンの外はアパートの廊下という事で偶然人が通りがかっただけかもしれない?と思える範囲。 しかし実際に女を見た宇田川さんからすればその女は窓にピッタリ張り付いていたという辺り不気味さは拭えませんね。 さらに後日、今度はロッカーと壁の間というさらに人がいる訳のない場所に女の姿を目撃してしまう。 神経質でつい女の顔がちらついていた宇田川さんにとってはかなりの衝撃だったでしょうね。 しかしここからが本当の恐怖の始まりとばかりに絶対に人がいないと言える場所に出てくる女の姿。 隙間女に一度ターゲットにされた人間がどうなるのか?言われてみれば考えた事も聞いた事もなかったのを思わされました。 この世界においてはどこまでも付きまとわれるという実害があるようですが…それだけで終わるものなのか。 やはりそれだけで終わる事もなく、まるで精神的な病とばかりに認識をされ先生にも学校を休むように促された宇田川さんは失踪してしまった。 だけどただの失踪とするには話が早すぎるというか、不自然な空白があり。 真相を知っているという辻君から聞かされた内容はこれまでのとは種類の違う壮絶さがありました。 すっかり容姿の変わり果てた姿、隙間女対策であろう部屋のあちこちに貼られたテープ。 さらに明らかになる隙間女の実害。 それは次第にこちらへ手を伸ばすようになった事。 一度手を掴まれ、その時は振りほどいたとの事ですがもしそれに失敗した場合どうなっていたのか。 それは話を読み進めるうちに判明してしまいましたね。 郵便物が届き、それを取り出そうとポストに手を伸ばせばそこには『隙間』ができる。 この話をしていた辻君もその際の凄惨な光景を思い出したのでしょう、嘔吐しながらも私の目を見て泣き出し訴えかけてくる。 宇田川はポストに引きずり込まれた。いなくなったんじゃないんだと。 物理的に人間が通れる隙間じゃない場所へ引っ張り込まれればそれはもう原形を留めるのも無理な話で、辻君の言う鉄が折れるような…それはきっと骨が軋んで体の部位が壊されていった音だったのでしょう。 宇田川さんはあちらの世界に連れていかれてしまった。 …気になる点としては、その荷物は偶発的な物だったのか。それともそれすら隙間女の罠だったのか。 もしも辻君が荷物の事を言わずにいれば彼はまだ生存できたのか?連れ去られた宇田川さんだけでなく辻君の視点から考えても別の恐怖や罪悪感がある状況に思えます。 さらに不幸があるとすれば、宇田川さんが連れ去られた現場を見た辻君が次のターゲットにされたであろう事。 隙間女は伝染する呪いのような怪異だったのか? あちらの私はそう解釈しているようで、もしかしたら次は自分が狙われる可能性もあるかもしれないと思っているようで…。 例え平行世界の別人だったとしても自分が襲われるというのは気持ちの良い話とは言えないでしょう。 今までは平行世界はいくつもあるからこそ『次に話せる私は違う私かもしれない』という刹那的良さを持った「また話せるといいね」という部分も命があればという枕詞がつきそうで。 そして6話目のあの分岐を見た後だと「いつ危険な目にあうか、わからないし」というのもごもっともすぎるのが今思えば伏線だったのかなぁとも。 話が終わり朝を迎え、掃除の時間になるまでまるでいつもと同じように流れていく日常。 果たしてこちらの世界の隙間女とあちらの世界の隙間女、そこにどんな違いがあるのだろうか。 ありえた可能性を平行世界というのならこちらにおける隙間女もターゲットにされたが最後、連れ去られるまで付きまとわれる事になるのかもしれない。 そんな中で見てしまった、掃除用具入れとロッカーの隙間にある隙間から見えた女の顔。 もし昨日話した私の言った通りに隙間女が伝染する怪異ならばそれは世界すらも関係がないというのか? 何て思えばまさかのポスター?ギャグオチですと!? まだここで恐怖と共に好奇心も天秤で揺れていた主人公も大概だとは思いましたが、そんな主人公を馬鹿にするように鼻で笑い去っていく宇田川さん。 現実なんて実際はこんなものと思いつつもタイミングが悪すぎる!! そして、その仕返しとばかりに今度はホラー映画のポスタートラップから宇田川さんを驚かせすっかりケンカ相手仲間のようになる流れはこれまで穏便に終わって行ったエンドたちの中でも異色と言えたでしょう。 たまにはこんな終わりもいいよね♪ ◆人面疽 個人的にこのラインナップの中ではどういう話に発展させるのか?が一番想像できなかった怪異ではあります。 しかし、平行世界では『アザの持ち主を乗っ取る怪異』という辺りそうきたか!となりました。 今回の平行世界の犠牲者…もとい、クラスメイトの石倉さんは家庭環境に問題のあるヤンキーという人物。 孤立しているからこそ『それ』にとっても都合の良い相手だったというのが後から読み直してもどうしてもっと早く誰かが寄り添えなかったのか。 心が痛むものがあります。 孤立した人間に、かわいそうだと言いながら『自分だけはお前の味方だ』と言いながら近寄ってくるモノ程怖い物はない。 個人的主観ですが典型的洗脳や詐欺といった手法のような不気味さが人面疽のうごめきよりも勝りました。 そしてこんな状況でも生活指導の先生は石倉さんの事を心配しているようで、話を聞く事で少しでも良い方向に持っていこうとしていた。 けれどもうその声も届かない状況にこれからなってしまうのが、また心の痛む点でしょう。 心配して話しかける先生に対しても「お前がウザいんだ」「先生っていう生き物は皆そうだ」と距離を離すように誘導をかけ、自分にだけ聞こえる声に動揺した石倉さんがその場から逃げ出せば人面疽はすっかり人の顔にまで成っていた。 そしてその顔が、目が、石倉さんを心底心配しているように見えた事で初めて誰かに心配をされたという安堵を感じてしまった…。 そこから石倉さんが抱えていた悩みや感情をアザにだけ打ち明けるようになっていく過程も、とても生々しさがあります。 平行世界の私も言っている通り、これは完全に詐欺や勧誘とか洗脳で見る奴だと。 その単語があった事を忘れていたにも関わらず同じ感想を持ったという辺りで、やはり人面疽の企みはその通りだったのだなと思わせるには充分でした。 人面疽も怪異とはいえアザに、傷にすぎない。 だからこそ、そのタイムリミットの間に狙った人間を乗っ取るように仕向けるのか。 それともあの治りかけて小さくなった姿すら頃合いを見てはかった演技だったのか。 本物の石倉さんはもうこの世にいないのに、同じ姿をした『石倉さん』は存在する事になってしまった。 もしも悩みを打ち明ける相手が違えば、もっと早くに彼が心から味方と思える人がいればこんな結末にはならなかったろうに。 だけど彼は『ぶら下がっていた』自分だけでは生きていけないと選択してしまった。 何より一番やるせないのは、人面疽に乗っ取られた後の方が楽しそうに生きているように見えるという事でしょう。 だからこそ主人公の世界にいる石倉さんが救われていく、主人公が理解者となるという流れには涙腺が熱くなりました。 主人公が伝えたい甘く見てはいけないケガというのは人面疽の一件から出ていると思うのですが、それは同時に心に負った傷の事を示唆しているようである事。 彼は誰からも放っておかれた、彼自身がそう思ってしまったせいで取り返しがつかない事になってしまった。 少なくとも平行世界の石倉さんは。 だけど、ひとりぼっちになる前に…治らなくなる前に手を打たなければいけない。 体も心も、両方のケガだって。 そして、最終的に石倉さんが教室にくるようになり家庭の問題も解決した際に主人公とピースサインをする場面は心底ほっとするものがありました。 男女のこんな友情のエンドもあってもいいものですね、これもまた青春だと思わされました。 ◆丑三つ時の鏡 言われてみれば灯台下暗しと言えるルートでした。 確かにこれまでの怪異が何かが違っているお話だったとすればそれはこの丑三つ時の鏡にも言える事でしょう。 となればその違いを知りたいのは主人公とプレイヤーどちらの心理としても共通といえるのですが… 「きみ、今日の晩ご飯はなんだった?」 鏡の向こうの私はこの怪異とは関係のない事ばかりを質問してくる。 こちらの環境がどうなのか、差異はあるのか、ある種の値踏みをするようにも感じる問答。 そして問いかけられる「今、幸せかな?」という問いかけからよぎったのはここで幸せと答える方が良くない事が起きるだろうという直感でした。 最後は気持ちよくハッピーエンドであろう方を回収したかったのでここはあえて初手に『幸せ』と答えましたね。 そうすれば予想通り、やはりこちらの環境を値踏みしていたのはあちらの世界における丑三つ時の鏡は『鏡の中の自分と入れ替われる』方法だったから。 今の自分が持っている幸せも当たり前もない私、何故同じ自分なのにきみは幸せなのかな?と問いかけ…もはやそれは私への言葉とだけ表現するにも違うような鬼気迫るもので。 このままあちらの世界と入れ替わってしまうなんて絶対に嫌だと何とか危機を脱するも、最後の場面を見るにまだ身の危険は去ったと言えず。 あれは平行世界の私でありながら、幸せになりたいと願い続けたもう一人の私。 関係ないと言い続けられるのもいつまでの事なのか……。 ◇幸せじゃない 日常に不満がないからといって幸せだと言い切れない。 きっと誰もがそんな言語化未満の気持ちを抱えながら生きている。 日常とは幸福と退屈の振り子だったか、そんな言葉をふと思い出しました。 こちらのルートでは丑三つ時の鏡に映るのはもう一人の自分か守護霊という事でしたが、私から見るとこれは先程の選択肢で『幸せ』を選んだ時以外に共通している事なのではないかなと思っています。 私自身を護ってくれる、寄りかかれる守護霊であると同時に私の周囲が少し幸せであるように助言をしてくれるもう一人の私。 それもまた守護霊の形なのかなと思えました。 実際に、もう一人の私から怪異についての話を聞いた結果(宇田川さんはまた別ベクトルでしたが)物事は良い方向へと進んでいった。 そして『私』の語る形が物語として正解なんだと思いつつもきっとそれだけではない何かがあってもいいんだと思っています。 物語で語られている部分に話を戻しまして 私が私の味方である事が何よりも心強いと言ったり、私の隣には必ず私がいるという表現。 これらは日常を生きる上で心に留めておきたい事だったり、優しさを感じる表現なんだなぁと思っております。 ◆感想総括 正直今まで作者様の作品は全て遊んできていたので今回もどんなホラーをどんな味付けで出されるか? どこで刺されるか?と期待8割身構え2割程度でいましたが蓋を開けてみれば本編である『私』から聞く怪異の話こそ恐ろしい物であってもその結末はどこか優しい世界でした。 それは平行世界の私から聞いた事が頭に残った結果引き起こされた、少し変わった未来だったりするのでしょうがその日を作り上げるのもまた守護霊でもある『私』の協力があってこそなのかなと。 話そのものはそれぞれ単発でどこから読んでも面白く読後感も基本ハッピーエンドで終わるので作中で行われているように日に1話を読み進めるも良く。 同時に他の話も気になって一気に読み進めたくなる力のある作品でした。 個人的になかなか刺されたのは怪人アンサーにおける奥田さんのどうして自分がこんな目に?という気持ちが爆発してからのみんなを消したいという願い。 人面疽の詐欺師の甘い言葉のような物であっても抜け出せずにぶら下がってしまった石倉さんの流れですね。 今回は平行世界という設定からここまで楽しめる作品を味わい尽くす事ができてとても満足の限りです。 @ネタバレ終了 今回も面白く、そして素晴らしい作品をありがとうございました。 またいつか『私』と会話をしてみたいと思います。
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ふたりだけのPARADISO暑い今の時期にピッタリなゲームでした!旅行楽しそうだな、波の音がすごく涼しげだな~。 @ネタバレ開始 旅行の良さが伝わってくる文章と美味しそうな料理の話を聞いて旅している気分が味わえて楽しかったです。ゆったりとした雰囲気で穏やかな人たちとする会話は癒やされました。2人の告白だとか普段の会話にもドキドキ! 人魚姫の話が出たとき2人は結ばれないのかと少し不安になりましたが、人魚伝説を聞いて安心。2人が結ばれるハッピーエンドで嬉しくなりました! (ロダン達もこの島に旅行したのね!上手くいえないけれどすごく嬉しい) @ネタバレ終了 素敵なゲームありがとうございました!