ドラマ
8365 のレビュー-
色のない世界音楽、背景写真、キャラクター、どれをとってもレベルが高くて驚きました。 モノクロの絵から色彩のある絵を効果的に出す視覚効果が素晴らしかったです。
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ヘクソカズラ両親の死をきっかけに、母親の故郷である壇蛇羅集落という田舎に行くことになった主人公の美華ちゃんと、集落に住んでいる少年少女たちの交流を描いた約1ヶ月間の物語です。11月くらいにダウンロードして、じっくりと壇蛇羅の生活を堪能させて頂きました。総プレイ時間はよく覚えていませんが、8時間は超えていると思います。 個人的な意見になりますが、フリーゲームは製作者様の「これを表現したい」という気持ちが前面に出ているジャンルだと思っています。『ヘクソカズラ』はまさにその極致とも言える内容で、凄まじく濃厚な世界観にずっと圧倒されっぱなしでした。長大なシナリオの細かい部分まで情報が詰め込まれており(『子供』についての考証とか、壇蛇羅が成立するまでの考証とか)、登場するキャラクターの複雑な境遇や心理描写も、卓越した文章で徹底的に掘り下げられています。背景は昭和を感じる内容に統一されており、アコギをメインとした美しい音楽とマッチしています。じわりじわりと、壇蛇羅の世界に引きずり込まれるような感覚がありました。 ストーリー自体、劇的な展開や過激な要素はそんなにありません。基本的には美華と壇蛇羅に住んでいる少年少女たちの交流を、1ヶ月間──1日も欠かさずにじっくりと描いています。田舎の生活をリアルで体験しているかのような、ゆったりとした速度で進みます。ただし、閉鎖的な田舎世界にある特有の窮屈さや、壇蛇羅にある独自の不気味さが作中に散りばめられているので、穏やかでありつつ、どこか仄暗い感じも抱きながら読み続けました。 登場キャラクターは「みんな好き!」と声を大にして言いたいですが、強いて言うなら英くん、宗雪くん、尊くんが好きです。みんな複雑な境遇で生きてきた故、捻くれた部分はあるんですが、根っこは真っ直ぐなんだろうなぁと思いました。 プレイ時間はノベコレでも特に長い部類に入りますが、この作品でしか味わえないモノが確かにありました。未プレイの方は、ぜひ圧倒的な壇蛇羅の世界に浸ってみてはいかがでしょうか。
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ツヅリマツリプレイ時間2時間ほど。帰省先で記憶喪失の少女と出会いともに記憶を探すお話でした。グラフィックや舞台など田舎感をしっかり感じられて、(今は冬ですが)夏休みに帰省した気分になれました。 物語の最後に突きつけられるテーマは普通に描けばありふれたものですが、この展開を経ることでより重みを感じました。人と人のつながりによって紡がれる、温かい物語だと思います。 (50年前はペットボトルがなかったことに衝撃を受けた若者でした……)
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たまゆらの夜静かな夜の温かいお話、とても面白かったです。 主人公の心理描写が巧みで、心の移り変わりがよく分かりました。 音楽も雰囲気に合っていて、こういう雰囲気大好きです。
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I always think of you不具合に関しては先のコメントにもある通りなので以下略。 テキストの区切りというか節というか、クリック待ちのタイミングに独特のテンポを感じて面白いなあ、と思いました。もしかしたら読みやすさの観点で好みは別れるかもしれませんが、個人的には面白いテンポが生み出されてて好みです。 ゴーストバスターの名刺、めちゃくちゃ気になるし欲しくなっちゃうよな……。途中までのみとなってしまっていますが、その出だしだけでも面白そうなお話だなあと感じました。
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ユーグレナは夢の中病室で主人公が目覚めた時、そこには主人公を先生と言う自称『ミドリムシ』の男がいたところから始まる短い物語、選択肢はなく、10分程度で読了しました。 登場人物たちの意思の強さを感じる作品でした。2人とも可能性のある限り最後までやっていこうとする意思を感じたので、説明文の通り「ミドリムシは強い」と思いました(笑)。途中で出てくる夜の背景も、とても美しく綺麗でした!
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ヘクソカズラヘクソカズラに対して感想を書くことはすごく難しいです。書けば書くほど自分の知識や文章力、理解力の乏しさが明らかになってしまうような気がするからです。 けれど不足・欠落していることが人を惹きつけることもあること、受け入れたり補ったりしてくれる人がいるということをこのゲームから学んだので書いてみようと思います。 全てのENDを見るために何度か間違って最初に戻ってを繰り返しましたがそのおかげで見ていない選択肢はほとんどないと思います。 序盤で鮮やかすぎる画と聞いたことのない読経が耳に入ってきたとき、あるいは引き戸を閉める音が聞こえたときでしょうか。すでに壇蛇羅に魂を引き寄せられていました。 集落に住んでいる少年たちはそれぞれ業(そんな言葉ですませていいのかわかりません)を抱えています。彼らに深く触れていくたびに、同じように業を抱えライトが当たらなかった人たちのことが頭に浮かびます。いまはどうしているのか、何かできなかったのか、理解が足りなかった、今なら何とでもいえるなどと頭の中で巡らせることしかできません。 ヘクソカズラのキャラクタや物語を書き上げるのに一体どれだけの肉や精神が注ぎ込まれているのでしょう?資料からの意味記憶だけでできるようなものではない、かといってすべてを体験したというのなら人間の生を何周すれば良いのだろう? 正直どうしてここまでやれるのかという気持ちが周を重ねるたびに湧いてきました。 あるいは私が吸い込んだものは丹綿樫さんの肺に備わった地獄の窯から日常的に噴出す蒸気に過ぎないのでしょうか。 大文化研究会のホールの座席は私が過去に住んでいた村の近辺の半壊した映画館を思い起こすようでした。今ではその村も廃墟スポットとなりつつあり、たまに外から来た人がsnsに写真をのせたりしています。いやそこで普通に遊んでたんだ、私たちはそこに居たんだとROMることしかできません。いずれ住んでいたことも忘れてしまうようになれば、楽になるのかもしれませんね。 最後に、エンディングの前にある場面を必ず通るのですが、一度目に杭を頭蓋に打ち込まれ、既読した場面なのに二度三度と通るたびに頭蓋から横隔膜へ食い込んでくるので心が心がともだえるしかありませんでした。 出会えてよかった運命のゲームです。
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ヘクソカズラ“好きそうだから”とすすめてもらいプレイしてみたゲーム。 好きどころかまんまとズッポリはまり込んでしまいました。 自分が薄暗い村とか伝承とかが好きというのもあるのですが、それ以上にストーリー、そして一筋縄ではいかないキャラクターたちにひどく魅入られてしまいノーマルエンドクリア後3日間くらいずっと頭の中をぐるぐるし続けました。 ぐるぐるが治まってからも脳内にしっかり居座ってくれているのですが・・・。 製作者さんの蓄積された感性や知識、肌で感じてきたものすべてが注ぎ込まれているのではないかというほど濃厚なゲームです。 作り込みもとても繊細で隅々までいきとどいている。 どうしたらこんなストーリーが作れるのか・・・。 美しい背景、ずっと聴いていたい音楽。 サントラ欲しいレベルです。 どのキャラクターも好きすぎるのですが、英くんはその中でも抜きん出ていて主人公と英くんが接触するたび鼓動が早くなり、頭が真っ白になって赤面&変な汗が出てくるのです。 微妙に笑みが浮かんだりなんかしてなんかキモい状態に・・・。 なんだこれ、二次の世界にこんな気持を抱いたことなんてないぞ。 無事すべてのエンドを観ることができましたが、あの濃厚な集落壇蛇羅へはまた訪れようと思います。 わしづかみもいいとこだ。 最後に主人公、おまえの罪は重すぎるぞ。
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僕の愛する三匹動物好きさんおよび、何かを作り出す方がWで楽しめ、読了後にこちらもポジティブな気持ちになれる素敵な作品でした。 立ち絵はないけれど、個性がしっかりしている故、脳内に自然と「こんな見た目かな?」と浮かび上がってくる動物たちのキャラクター性と、ラストに分かる秘密がとても大好きです。 また、主人公の○○に対する感情もリアルかつ尊敬できる部分が多々あり、○○ってこういう日々を送りながら出来ているんだなと改めて感じました。 クリア後にタイトル画面を見ると、プレイ前とは異なる気持ちが生まれるのもお気に入りです。
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マッチ売りの美少年ふんわり愛らしい絵の心が洗われるようなやさしいお話でした。ミラーチェくんもリリーちゃんもかわいくていい子で、幸せにならなきゃウソだと思いながら読み進めました。今日からこちらを心の原作とさせていただきます。(某過去作を履修したので父親をドン底に叩き落すルートもあるかな?と探してしまいました笑)
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ドリーミングナイト地味で誰も評価もコメントもつけていませんが、これは非常に素晴らしい作品でした。 システム面はかなりなおざりです。クリックが2回必要だったり、BGMが2曲同時に流れるシーンがあったり、文字速度が突然遅くなって変更できなくなったり……。 しかし、物語はとても見事です。うだつの上がらない、等身大の主人公と、夢で出会った少女ユメのちょっと不思議な物語、と思いきや、それを途中からうまく現実生活にリンクさせ、最後には義三自身に過去の心残りを払拭させ、非常に前向きなクライマックスを描き出しています。等身大で弱い主人公だからこそ、ラストには非常に強い感銘を受けました。 また、色鉛筆のイラストもとても素敵で、一部どぎついところのある物語を和らげてくれていました。1時間ほどで読めます。お薦めします。 詳しいレビューはこちらに書いてあります。 http://nagisanet.blog.fc2.com/blog-entry-818.html
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せめて、笑ってくれたなら。<浦田一香さん たくさんたくさんコメントありがとうございます! そしてBGMもこだわって選曲したので、響くものがあって 良かったです。作曲者様に感謝感謝です! 下調べにすごく時間をかけて咀嚼して、物語に落し込むまで 本当に長い時間を使いました。そしてそれ以上に「述懐」に こだわって主要人物の気持ちの掘り下げは丁寧に行いました。 そういった部分も感じていただけで嬉しく思います。 「さよさよ」に関して。 ごもっともだと思います。ティラノビルダーで初制作で 色んな事を試したいと作った演出が、ちょっとくどかったかもですね。 とても短いお話なので、ペースをシステムでガチガチに固めたのですが これは次回の課題になりそうです。 最優秀賞…選ばれたらすごく嬉しいですね! 評価点が全てではないと思いますが、あまり作品の露出をしていないので あまり多くの方の目に触れてないのが難点ですが、もし評価が受けられれば 嬉しいなと思います。ありがとうございました!
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ユーグレナは夢の中主人公への思いの深さと重さがさらっと語られていて、さらっと語られているけど結構えげつない感情で、かなり危うい自称ミドリムシの男。ともすると闇の深い話になってしまいそうだけれど、ミドリムシはつよいので大丈夫なんだなあ。 あとタイトル画面とシステム画面の背景がきれいで好き。
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写真部の幽霊部員タイトルから小説で読むような純文学かと思っていましたが、親しみやすい作風でかつちょっとノスタルジックで読みやすかったです。登場人物は少しだけ癖がありつつ話はいたってシンプルで、物語の情緒を直に感じることができました。
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ヘクソカズラ結構前からやらせていただいてたんですが、いろいろありましてようやく全エンド見ることができました……。 製作者様のこだわりや好きなものなんかを丁寧に丁寧に、ぎっしりと固めてできた作品、という印象を受けました。特に文学などに対する造詣は非常に深く、私のような理系人間には全く新しい世界でした。それもあってか、世界観や雰囲気は圧倒的です。下手な商業作品よりも没入感があって、プレイに少し間が開いてしまっても再開時には一瞬で壇蛇羅に引き戻されました。 シナリオや音楽など、素敵な部分は多々あれど、個人的に一番惹かれたのは背景画像です。時代に取り残されたような街並みや、自然に半分飲み込まれた風景の写真はそれだけでいつまでも見ていられます。 読了に時間がかかってしまいましたが、そのおかげでフェス作品の中でも1、2を争うほど強く印象に残ったゲームでした。なにやら匂わせ気味な終わり方をしていたので、またこの世界に戻ってこられるのが楽しみです。
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せめて、笑ってくれたなら。一人の少女の自殺を巡る、様々な登場人物のお話です。 この物語では多くの登場人物の想いが交錯します。 主要登場人物全員、優しく善人なんですよね。 ですが世界は時に残酷で、そういった人たちの 心を折るようなひどい仕打ちをしてきます。 それでも生きていく。 遺された人は向こう側に行ってしまった人の 想いを継いでいく。 今までそういった命のリレーが脈々と繋がってきました。 どうかこの物語に触れて、生きることについて真剣に考えて欲しいです。 そしてつらいときは、この物語を思い出して欲しいです。 この作品では、様々な専門知識が出てきます。 作者の方が時間を掛け、緻密に調べ上げたのが伝わってきました。 確かな知識に裏付けされた物語です。 BGMはピアノメインのものが多いです。 好きなBGMは 恋歌 ふわりと甘い休息 泡沫、幸福の残像~Ver.piano 2時間46分咲く白銀の華~ピアノソロヴァージョン~ 人狼のための子守唄 旅立ち 未来の話 流れ星に祈りの詩を~ピアノソロバージョン~ 想いが形づくるモノ Ocean Blue この10曲です。 作者の方がピアノにこだわりがあるのは、 BGMの選曲もそうですが、シナリオ全体 特に奏恵編を読んでいて伝わってきました。 登場人物の様々な設定が出てきたり 時系列が過去や現在に行ったり来たりするので ぜひメモを取りながらプレイしてください。 非常に良い作品ですが……。 さよなら世界、さよなら私。編で 1ページ分の文章がクリック待ちではなく ウェイトで表示されるので 自分のペースで読めません。 選択肢があるので、スキップで再読しても 所々ウェイトが挟まります。 この演出も短い間だけ使うならありだと思いますが さよなら世界、さよなら私。編だけで30分くらいあるので ストレスを感じました。 ノベルゲームはテレビや映画と違い、 自分のペースで進められるのが利点だと思います。 いろいろと書きましたが、私が今回のティラノフェスで プレイした作品の中で一番良かった作品です。 最優秀賞を取って欲しいです!
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一欠けらの優しさを選択肢、そんなに内容としては変わらないような……? と最初は思いましたが、そんな、まさに「一欠けらの優しさ」で分岐する物語なんだなあ、と二周目を読んでいる時に感じました。 全体的に白と黒の印象値が高いイラストが、シンプルながら一筋の光のような雰囲気もあって素敵でした。もしかしたら日本人だから黒髪に黒スーツで白黒に寄ったというだけなのかもしれませんが……受け手の解釈……。 現代を舞台として息苦しさを吐露していく物語で序盤は重めですが、その奥底にある優しさやメッセージ性が強く感じられる作品でした。
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RADIANT*SIGN「あれ?どこかの企業が作ったソーシャルゲームかな?」と思ってしまうくらいの、非常にクオリティの高い青春アイドルストーリーでした。選択肢はなく、本編・幕間のストーリーを含めて2時間程度で読了。シナリオ・イラスト・デザイン・一部の楽曲は、全て製作者様の手によって作られており、そのどれもが高い完成度になっています。これはすごいです⋯⋯! ストーリーも簡潔に説明します。アイドルを目指している主人公の夏姫が、とある小さな事務所に入り、そこで個性的な女の子たちと出会います。それからアイドルユニット『Seventh Heaven』を結成し、大きな舞台を目指していく王道のサクセスストーリーです。 1話1話が短く区切られているので、ソーシャルゲームのような感覚でスラスラを読むことができました。特にアイドルという枠の中で自分をどう表現すればいいのか、という後半のストーリーにつきましては、創作活動をしている自分にも響くものがありました。 女の子の立ち絵・スチルはとても可愛らしくキラキラと描かれており、ライブの時はしっかりとした衣装に着替えています。キャラクターは「Seventh Heavenのメンバーみんな好き!」と声を大にして宣言したいんですが、強いて言うなら晶ちゃんが好きです。最初は冷たい感じで登場するんですが、どんどんツッコミ役の立ち位置になっていくのが良かったです⋯⋯! 楽曲もストーリーが進むごとに、メニューの「サウンドブース」でどんどん開放されていくので気軽にリピートできます。個人的には『灯』と『Wish the Steps』が好きです。 ⋯⋯長くなりましたが、製作者様の熱意を大きく感じる素晴らしい作品でした!スマートフォンでも気軽にプレイできるシステムになっていますので、未プレイの方はぜひアイドルユニット『Seventh Heaven』の活躍を読んでみてはいかがでしょうか。 (追伸)感想を投稿しようとしたところ、アップデートでクリスマスのストーリーが追加されたのを知り、いったん投稿をストップしてそちらもプレイしました(本編は22日にプレイ済)。追加シナリオもとても良かったです⋯⋯!新曲もまさにクリスマスという感じがして好きです。 まさかフリーゲームで、ソーシャルゲームと同じような感覚でリアルタイム的なイベントを体験できるとは思いませんでした。ちょっと感動しちゃってます、ハイ。
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僕と君は、希う。二人で夜の神社に行き花火を見て帰る話。ただそれだけと言うことはできますが、二人の会話のやり取りや心理描写が巧みで引き込まれました。 冒頭に語られる希うという言葉に込められた意味が分かると、納得と苦々しさや切なさを感じさせられました。 エンディングで切り口が変わることで、新しい側面が描かれる構成が良い。
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美しき人プレイしました。演出がうまいなーと思ってクレジットをのぞいたら「ティラノビルダーで作成」とあった時の衝撃たるや。BGMの大切さを如実に感じさせてくれる作品でした。