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SF・ファンタジー

8136 のレビュー
  • ヤドカリ
    ヤドカリ
    前々から気になっていたタイトルだったので、プレイさせて頂きました。 コミカルな学園パートと「ヤドカリ」に迫るシリアス、オカルトパートがあり、程よい長さで最後まで一気に読む事ができました。 本作のメインヒロインかな?と思いながら読み進めておりました、羽鳥美優さん。 才色兼備だけど人を寄せ付けないような変わった口調に大食い。…大食い!そしてそれも半端じゃない!  ラインナップを見るとお腹がすいてきますが、徐々に胸やけが…!読むだけでお腹いっぱいな気分になる程の大食いさんです。 そういった様子は各お店の店主の反応から伺い知れますが、面白いやり取りでした。 そして主人公綾斗くんのことは終始「わたしのもの」、「親友」と言い張り常に一緒にいるという。 ラブコメだ、やったー!と思ったのも束の間。平穏な日常の中に奇怪な事件が… と思ったら、昔からの幼馴染・真咲えみちゃん登場。 これはもしや…と思いながら学校での3人のあれやこれを楽しませて頂きました。 そんな(?)綾斗君の男友達・伊澤侑一君。本棚にびっしりとオカルト関連の書籍が埋まるほどのオカルト好きで、彼が書いたブログにて本作タイトルにある「ヤドカリ」について詳細な事が書かれていました。 @ネタバレ開始 その中の「ヤドカリ」の名前の由来や一般に知られるヤドカリとは違う、「ヤドカリ」の生態について自分自身、大いに惹かれました。ネーミングセンスとその設定に釘付けです…! @ネタバレ終了 学園色の強いパートとオカルティックな部分がどう繋がるのか、目が離せなくなり一気に読み進めました。 終盤の展開は意表をつかれることの連続で、伏線も見事に回収されていて読後感もとても良かったです。 @ネタバレ開始 ヤドカリの正体、ブログの話が出てから羽鳥さんを何となく疑いながら読んでいました。 結果的にヤドカリ(宿借り/宿狩り?)ではありましたが、彼女は本物の伊澤君や綾斗君を襲ったヤドカリの考え方には同調せず、彼らに敵対し人との共存を望む変わり者で友人想いの心優しいヤドカリでした。 そして綾斗君をずっと「親友」と思い、守っていた彼女にすっかり惚れこんでしまいました…!イケメン女子…!素敵!! 悪い(と言い切って良いものか…)ヤドカリじゃなくて良かったー!とホッとしました。 @ネタバレ終了 ラブコメとオカルトが良い塩梅で組み合わさった、お話でした! 素敵な作品をありがとうございました! 本作の番外編にあたる『ヤドカリ 1.5』も期待です!
  • ORDER
    ORDER
    政治で世界を動かしていく硬派珍しいアイデア光る作品です! 相棒がバリスタロボなのが凄く素敵。ロボデザインも可愛いです。 END7とEND2を見ました。 社会が良くなっていくのを見るのが凄く楽しく、かなりの癒しを感じました。癒しカテゴリでない作品でこんなに癒された事は無いので自分でも驚きました。ジョー君にコーヒーを頼める選択肢も良かったです! タイトルロゴデザインもとってもお洒落で素敵。語彙力が無いのでこの辺でやめときますが…とても面白かったです! 素敵な作品を有難うございました!
  • インビジブル
    インビジブル
    異能を手にしてしまった若者が真実を求めて戦う!主人公は自分の失くした記憶も求めて戦う!青春の葛藤が正面衝突to和解!話がきれいに終わる長編投げっぱなしジャーマン無し!安心して葛藤しようぜたまに死ぬがな!(復帰は容易)  読了まで10時間ほどかかった長編ですが、細部まで行き届いた工夫で物語に引き込まれたまま完走しました。 「とにかく面白かったから話を聞いてくれよ」の気持ちで良かった点を羅列しようと思います。 ・長編を飽きさせない構成だから長編に尻込みしてる人もやってちょうだい  エピソードは6つに分かれ、一つのエピソードの中でも場面転換が適度なところで挟まれます。  体感的に言うと20分に一回くらいは区切りポイントがあり、プレイヤーも頭を整理するタイミングになります。  おかげで設定も登場人物も盛りだくさんの長編なのに、読んでいくプレイヤーへの負担は少ないです。  でも終盤まで行くとプレイヤーが前のめりになっているから 「今日のプレイはここまでなんて言っていられないのよ……!」  ってなるんですよ!(ラスト付近めちゃくちゃ夜更かししてしまいました。ギルティ……) ・安心のキャラ設計でとっつきやすい!深掘りもバッチリ  登場人物の初見の印象はアニメやマンガでおなじみの人物造形です。  主人公・如月つぐみはプレーンな普段着キャラ(でも行動力は十二分!)としてプレイヤーに近い立場にいますが、  つぐみが出会う人物たちは (序盤) 「ゆるふわツインテールの一見クール・でもお姉さま(主人公)にはベタベタの天才お嬢様」 「自他ともに認める脳筋男子」 「いつもひょうひょうとしているオカルト研究家」(着流し着用)  といった感じで、この「良く知っている味付け」のおかげでキャラクターの特性がスッと頭に入るので混乱しません。 「諸事ダルそうでヘラヘラした目が細い男」はちゃんと期待された通りの立ち回りを見せてくれます。  誰が何と言おうと、これはエンタメで超超大事な所だと思います。  この鉄板の基本を押さえたうえで、「でも実はこんな一面が~」とキャラクターの内面を開示していく展開がとても丁寧なのにスピード感がある!そして皆に強い愛着と魅力を感じてゲームを終えることができる!それがすごい!  みんな、目が細い男は期待の立ち回りをした後からまだまだ……(ネタバレしないので見て下さい。目が細い男が好き勢は特に) @ネタバレ開始  キャラクターは皆魅力的ですが、やっぱりつぐみが行動力と優しさと不安を抱えた主人公としてしっかり立っていてイイ!と感じました。  真実に到達するまでの道のりは「えっそうなの!?」の連続で、ダイナミックなストーリーに振り回される喜びを味わいました♡  どんでん返しの連続なのに最後に「た、確かにそうだ」と大納得のストーリーは本当にただただため息です。  あと、美弥子ちゃんの「すごくいい子でちょっとめんどくさい」加減がとてもデリケートに書かれていてよかったです。  普通のいい子(誉め言葉)が学校生活につまずいて、たいへんな事をしでかしてしまうけどそれを受け止めて立ち上がる描写が丁寧で  彼女の物語に一番少年少女成長物語感を覚えました。  彼女がもう少し「(プレイヤーに都合が)いい子」に寄っても、こじらせ暴走異能少女に寄っても作品の空気感がダメになってしまう。  すごく微妙な所でストーリーが成立していて、作品の繊細な所のよすがになっていたと感じました。 @ネタバレ終了 ・BGMもグラフィックもUIもかっこいい  たちあげてチャプター選択ぐるぐるしてる時の高揚感がある……プレイまわりも快適!  「快適」以外あんまりコメントできなくて申し訳ないけど、これって大きい。イベントスチルもかっこいい可愛いがいっぱいです。 ・怒涛の終盤  ネタバレできないところだから!気持ちを書くしかありません!  ほんとに「こんな感じでしょ」をガンガンに裏切りながら同時に盛り上がる奴だから!  やって!(馬鹿っぽい感想しか出なくてすみません) ・ちゃんといい話  もう何も申しません。ココ大事ですよ大事。多くの人とこの読後感を味わいたい……。 大作、堪能いたしました!ありがとうございます!
  • 常夜の品さがし
    常夜の品さがし
    タイトルbgmの和み安心感が凄いです。背景画像のみのスクリーンショットからシリアスホラー系と勘違いしたのですが感想欄で暖かい作風とコメントが多かったのでプレイさせて頂いた所、タイトルbgmを聴いてほんとだわ…と思いました。 @ネタバレ開始 怪しげな夜店のひとつひとつのお話が怖面白く非常にスリルがあり(ホラー苦手な身として)安心感のある作風でありながら迂闊な行動ができない冷や汗感が新鮮で、そういう隙を見せると危険な世界で何故か助けてくれる存在の謎もあり…気になって最後まで楽しかったです! 特に良いと思った所は夜店の設定が練られていたり、うれんさんの主人公を助ける理由が納得できるものであった事が、世界に命の感じる夏祭り怪奇世界だと感じました。タイトルロゴも素敵です。それからプレイ前は怖そう見えた背景絵もプレイ中は雰囲気にマッチしていて幻想的に見えました。 @ネタバレ終了 仄暗い不思議な夏祭りに迷い込んだ系物語なのでホラーが苦手な方も問題なく楽しめます。まずはタイトルbgmを聴いてみてください笑 素敵な作品を有難うございました。
  • 夢限のヤミ
    夢限のヤミ
    ヤミくんの目の色だけがとても色鮮やかで印象的な静かで暗い世界に惹かれてプレイしました。 周回前提の作品とのことで、この部屋はいったいなんなのか、ヤミくんとは何者なのかなどの謎が少しずつ開示されていくタイプかな?と、どっしりと腰を据えてプレイさせていただきましたところ、繰り返しヤミくんに話しかけるうちに辿り着ける真相に、とても切ない気持ちになりました。 @ネタバレ開始 今まで眸以外色のないヤミくんと話していたら、突如色がついている上に外見がどう考えても悪魔な方が現れたときは「カラフル!(意訳:色がついている!)」なんて思ってしまいました。太陽さん、ごめんなさい。 太陽さんが現れるまでに周回→既読スキップしていたら特定の箇所で完全停止してアプリを再度立ち上げてやり直し×3を挟んでいたので「す、進めたー!!」という気持ちもあって、ちょっぴり感動しました。 フォンセくんの本当の幸せを思えば、「一緒に行く」よりも「さようなら」でご両親が迎えに来てくださった時が彼が約束を守り続けた真意に直結するものでもあり、一番幸せな結末だったのでは…とも思うのですが、太陽さんの「人間はどれも髪の色が違うくらいだと思っていたのに、いつの間にか我が子のように愛しくなっていた。フォンセ(くん)を幸せにできたのか。」という感じのフォンセくんに対してとてもやさしい気持ちを抱いているのも見捨てがたく、全方向が幸せになれる形がほしかったと、ハピエン脳では歯ぎしりしたい気持ちに…! 物語の背景にある「魂を狙われていた、脅威が過ぎ去るまでは迎えに来られない」という部分が気になりすぎて、もっと知りたいと思いました。 @ネタバレ終了 周回前提でのお話ということもあって、色々と仕掛けが大変面白かったです。 記事で少し読みましたが、周回が前提だからこそ色々とご苦労もあって削られた機能などもあったとのこと、制作本当にお疲れ様でした。 素敵な作品をありがとうございました!
  • 神と似て非なる少女
    神と似て非なる少女
    一週間少女を預かってほしいと胡散臭い友人に言われ預かることにした主人公の前に現れたのは「ウロボロス」と呼ばれる少女。この少女にお注射する? それともしない?など、物語の先やエンドによる差異が気になって、複数のエンドを頑張って回収しようと奮戦させていただきました。 @ネタバレ開始 香苗さんは角だけ生えた段階が一番かわいかったです……打ちすぎると画面からかわいい女の子が消えて「なんだこのクリーチャーは」としか思えない香苗さんが映ってショックでした…くすん…。 初回は「何が何でも打たん!! 打たなくて悲惨な結末を迎えるにしても、とにかく打たんぞ!」と打たないまま進めて、変化を角だけで終えたので、周回で「腕が!! 今度は体から何か生えてきた!!」と注射打つごとに「香苗さんの原型が!!」と香苗さんの姿がどんどん大変なことになっていくので、先にこっちの全部打つほうを見ておけばよかったかもと思いました……。 5種類のエンドはどれも大団円ハッピーエンドとはなりませんが、個人的には主人公がウロボロス細胞を使用して半年間の猶予を得たエンドが、半年間の期限に間に合えばHappyに近いのかな…とも思いつつ 完全に神となり、すべてを滅ぼすエンドも、いつか目覚める日まで眠り続けるエンドも、ある意味ではハッピーなのかな?とも感じました。 @ネタバレ終了 ハッピーエンドのカタチは色々でOK、ヘビーなお話好き!!という方にオススメです。 素敵な作品をありがとうございました!
  • 交響曲第十番「融合」
    交響曲第十番「融合」
    ダウンロードしたフォルダを解凍して中身を見て「Read Me Family 第七番「一族」かな?」と思うほどのリドミ家族の多さにビックリしました(笑) しっかり正解して読ませていただきましたので、プレイさせていただきます! 上質な小説を読んでいるような、それも文庫本などではなく、しっかり装丁された単行本の本に触れているような肌触りのする物語でした。 人類が歩んできた道はすべて次世代に命を繋ぐことで存在してきたものだと思うのですが、他者との交流と融合がなければ生まれてこなかった人類のすべての歴史を想起させる、まさに「人間讃歌」の物語でした。 思い起こせば、そもそも地球の位置が今の位置にあることそのものが奇跡であり、そこから生命が生まれたことも奇跡だったのよね…と思いました。 本作はただ自然のままに上から落ちて下へと流れる雨粒のように自分が感じた感覚をそのまま大切にして、あえて言語化させずに自分の中で昇華させるに留めて終わらせるのも一つの在り方だと思う壮大な作品でした。 素敵な作品をありがとうございました!
  • 異世界の助っ人!!ー異世界の旅路外伝ー【おまけエピソード追加!】
    異世界の助っ人!!ー異世界の旅路外伝ー【おまけエピソード追加!】
    主人公や友人などの性別を選べるシステムが面白かったです! 物語の後半部分のシナリオの展開が熱く、引き込まれていく感じで楽しかったです! アルさんとソラさんの関係性が好きです…!
  • リードマインド
    リードマインド
    とにかくカッコいい!! 勝負師たちの戦いと近未来感が合わさって、スマートでクールな世界観でした。 様々なルールでのカードゲームの流れにワクワクしました。 が、私がへっぽこすぎてミハエルくんが カッコいい中負ける流れを3回くらいやらかしました……(笑) ストーリーもどんどん続きの気になる内容で、 ビターで前向きな〆の一文には「ああ」と声が出てしまいました。 終盤のタイトル回収がカッコいい! キャラクターデザインも格好良く、またキャラ付けも魅力的で 作品に入り込んで心理戦を楽しむことができました。 ムービーのクオリティも素敵で、 BGMが軽快でカッコよくとても印象に残ったので個別に聴けるのも素敵でした! ぜひヘブンズ・ロワイヤルもプレイしたいです! 素敵な作品をありがとうございました!
  • 誰も彼女達を殺せない ~Nobody Can Kill Them~
    誰も彼女達を殺せない ~Nobody Can Kill Them~
    タイトル通り「Nobody Can Kill Them」な物語、全4エンド到達しました。 話が細かいところまで作り込まれていたので、物語全体がとてもしっかりしていて面白かったです! エンド到達はヒントがあったのでとても親切でした。 @ネタバレ開始 どの終わり方も良かったですが、個人的にはパフォスさん生存ルートが一番良かったです。 パフォスさんが皆のお姉さんとして牽引していってくれる姿が好きです。 終わり方は少し不穏な気配もしますが、皆が少しでも一緒にいられることを願います。 次点、ウズニツァさん生存エンドが好きです。 いいキャラだなーと思っていたので、最後にわずかな時間ではありますが邂逅を果たせたのは嬉しかったです。 最後の「どういたしまして」は最期の最後に聞く言葉としては極上の価値がある言葉でした。 @ネタバレ終了 魔法なども出てきて、ファンタジー好きとしては胸躍らせながら最後まで読ませていただきました。 素敵な作品をありがとうございました!
  • LOOP∞EXCEED
    LOOP∞EXCEED
    気付けば惹き込まれNormalEndを迎えました。 今後はエンドが追加されるようで、恐らく伏線も回収されることになるでしょう。 あれとかこれとか、結局どういうことだったのか非常に気になります! 素晴らしい作品をありがとうございました!
  • 殺すしか選択肢を与えられなかった異世界転生勇者
    殺すしか選択肢を与えられなかった異世界転生勇者
    選択肢が限られる事で、逆に「この選択をしたくない」と葛藤する事ができました。 異世界転生した勇者というと、苦難を乗り越えてハッピーエンドのようなイメージを持っていましたが、この作品ではある種の悲しさや苦しさを感じました……。 それに、終わり方が上手くて「この後どうなってしまうんだろう!?」とハラハラドキドキが続くのが良かったです! @ネタバレ開始 クリア後のエクストラを見て、悲しみが増しました……。 魔物や魔王になってしまった人間の悲しさや、王国民浅ましさが描かれていて、人間ってなんだろうなと考えさせられました。 女神のイリーナさんはドジっ子なのかなーなんて思っていましたが、結局なにがしたかったのでしょう?w @ネタバレ終了 面白い作品をありがとうございます!
  • リードマインド
    リードマインド
    プレイさせて頂きました〜! トランプゲームの種類が豊富でとても楽しかったです!ゲーム説明もわかりやすく、丁度良い難易度でした、、! また、ストーリー中のイラストも多くて格好良かったです!! @ネタバレ開始 終盤、ティエラさんとのゲーム時のイラストが特に好きでした〜!!2人とも表情が格好良い、、! @ネタバレ終了 能力者によるバトルとタイムマシンについての謎など、先が気になる展開でわくわくしながら遊ばせて頂きました(*^^*) 素敵な作品をありがとうございました〜!!
  • Re:quiem[Aster]
    Re:quiem[Aster]
    前作を読んでから随分経ってしまいましたが、ようやくこちらも読むことができました。 謎を残したまま終わった前作でしたが、短いながらもしっかりとした世界観と、謎を綺麗に回収し、彼女のこれまでとこれからをしっかり見せてくれるお話で、最後にはじんと胸が温かくなりました。 @ネタバレ開始 リーリちゃんと小百合ちゃんの関係性については、なんとなく理解していましたが、彼女の過去についてと、月の世界がどんな存在だったかを知ることができ、小百合ちゃんが進んでいく時間についていけず、けれどもこのままでもいられないことに対して戸惑いを覚える様子が伝わってきました。 リーリちゃんを取り巻く人たちは、現実世界で小百合ちゃんが大切に感じている人たち、その人たちがまた自分のせいでいなくなってしまうのではないか、そして自分のせいで失ってしまった大切な人を想うと、自分だけが幸せになることをどうしても受け入れられない気持ち、胸が痛くなります。 大切な半身を失ってしまった小百合ちゃん、彼女を受け入れられなかった両親、それが月の世界と女神様に集約された世界観だと感心しました。 トゥルーエンドのロザリオとのやり取りや、彼の言葉、そしてもし小百合ちゃんが自分より先にいなくなってしまっても、自分は前を向いて歩いていくと語る彼を思い出し、そして母親である女神様と向き合い、その胸に抱かれた小百合ちゃん…。 月の世界は彼女にとって大切な居場所、大切な人がいる場所だから、忘れなければずっとみんなはそばにいてくれる。 切なくも、前向きになれるお話でした。 @ネタバレ終了 長さに反して、立ち絵やスチルがとても豊富で、その優しく温かいタッチが作風にマッチしていて、あらゆる意味で完成度が高いと感じました。 ラストまで読み終えると、作品紹介の「忘れたっていい。でも時々でいいから、思い出してね」という言葉の意味と、その温かさが広がる、優しい物語。 前作とあわせて、たくさんの人に読んでほしいです!
  • 死と月は寄りそって眠る
    死と月は寄りそって眠る
    実はずっと気になっていたのですが、なかなかプレイするタイミングがなく今日に至ります。 これは絶対に涙腺が危ない作品だと分かっていたので、気にせずストーリーを楽しめる時まで待っていた形です。 冒頭だけは以前読んで、そこからこの作品の雰囲気は理解していたのですが、ルナが現れてからの引き込まれては尋常でないですね。 @ネタバレ開始 森を豊かにする代わりに、生贄を欲する謎の大樹に生贄を捧げ続けてきた一族の末裔モルス。 彼は感覚が麻痺してしまった村や一族とは違い、なぜ生きるのか、なぜ死ぬのかを求め続けている。そんな彼に、誰も応えてくれない。 自分自身にすら失望した彼が出会ったのは、今にも死んでしまいそうな奴隷の少女。 普段ですとおじさんと少女の組み合わせ尊い、至高、などと言う場面なのですが、少女がなぜ生きているかと問われ『名前を与えられ、自分が生きていた証がほしいから』という言葉にもうそれどころではなく、ただただ落涙するばかりでした。 可哀想、胸が苦しい、ということではなく、この2人の巡り合わせに感動したのだと思います。 奴隷としてしか扱われたことがない彼女からすれば、本当に切実な願いだと思いますが、モルスはきっと答え以上に自分と同じように考え、話せる対等な相手がほしかったんじゃないかな、と考えました。 彼女に与えたルナという名前、本当に似合っていますね。 もっとルナと対話したいと考えたモルスは、彼女と過ごすようになりますが…奴隷としての生き方しか知らない上に、名前をもらったから幸せなうちに死にたいとまで言うルナ、2人のやりとりが微笑ましいと思いました。 何かあるとすぐ外に出て行こうとするルナに、モルスはもう奴隷ではなく家族なのだと告げる。 流れとしてはありがちでも、書き方が違うとこうも新鮮に、リアルに感じられるのだなと、説得力のようなものがありました。 ルナがどうして一般的な人間としての生活が分からないのに、生死の観念を理解できるのかも、奴隷として過ごすうちに、考えることを覚えたのだなと思うと、なんともいえない気持ちになります。 場面の間に挟み込まれる用語解説に、住民の目にモルスが幼女趣味だとうつっているのに笑ってしまいました。 何かあるとすぐ外に出て行こうとするルナと、料理するのにツルギを出すモルスーーなかなか良い家族です。感想欄にあった『ツルギがあればなんでもできる』はこれか! と感動しました。 そして、文字通りツルギをすべての家事に活用するモルス……さすがです。 ようやくツルギを使わなくてもいいものが与えられ、どんどん吸収していくルナ。でも一枚絵で描いてるの、ツルギ…ですかね、親子だなぁ。モルスがだんだんと父親の態度、父親の言葉を使うのを見て、また胸が熱くなります。 それでもやることは変わらず、ルナを置いて奴隷を買いに街へやってきたモルス。やはりルナが特別なのだと再認識。 けど、ルナのことが伝わってしまっているのが分かり…これまでの雰囲気から一転して、暗雲が立ち込めます。 モルスがいない隙にルナに暴力を振るうクソ野郎どもが、入り込んでいました。私ですらその燃え盛る暖炉にぶち込んでやろうかと思ったぐらいですので、モルスの怒りはどれほどのものかと想像もできません。 ルナは生まれ育ちが奴隷から始まってしまっているので、色々と麻痺している部分が目立ちますが、綺麗事で覆い隠していないので、とても人間らしく見えます。 その後に現れた奴隷を見逃したことで、ルナの提案により屋敷には人が増えていきます。ルナの言うとおり、奴隷たちは考えたことがないから、なぜ生きるのかに答えられないだけで、人間らしく生きるうちにそれぞれの生に対する答えが出てくるんでしょう。 ここからどんな話になるのかと思ったのですが、モルスが年老いて、物忘れがひどくなり、自分の両親のようになっていく…まさかそこに行き着くとは思いませんでした。 最後に自分自身が求め続けた生死の意味を残し、全てを忘れてしまう前に…と考えるモルスを強く引き留めるルナ、完全にお互いの立ち位置が入れ替わっています。 10年後のルナは、モルスを失った痛みから完全に立ち直ることができず、自らもアニマの樹に呑まれようとしますが…死してなお、娘を守り続ける父親の姿、それに対してただひたすら感謝の言葉を述べるルナ、これを愛と呼ばす何と呼ぶのかと思いました。 スタッフロールのイラストで語られるその後、そしてタイトルの意味、本当に何もかもが深くて、印象的なお話でした。 生と死の意味は、人の数だけある。自分にとってのその意味を知るため、考えることをやめてはいけない。2人の姿に、そう教えられた気がしました。 @ネタバレ終了 プレイ時間としては短めではありますが、そこに詰まった想いと願い、確かにそこに生きた人の証と意味があり、代え難いものを残してくれる作品です。 後日談ともなる内容を含め、しっかりした土台を作った上で語られている物語なので、すべて読み切ってほしいと思わずにはいられませんでした。 素敵な作品をありがとうございます。
  • 暗い森のダンジョン
    暗い森のダンジョン
    非常に秀逸なアイデアをもとに緻密に構成されたゲームでした! RPG風世界観の冒険とこのシステムの相性が抜群で、夢中になって遊びました!! 恐らく30分ほど掛けてHAPPYとTRUEに到達することができました。 アナログゲームとかゲームブックとかテーブルトークRPGとか好きな人が好きそうな、 剥き出しの面白さをそのまま堪能できるゲーム!という印象を受けました。
  • イヴが終わるまで
    イヴが終わるまで
    制作お疲れ様でした。 お話を読んでいる時、とても長い時間一緒に過ごしていたかのような感覚に陥りました。 主人公と共に彼女の最後を見届けられたのはとても嬉しいなと思いました。 他の作品の世界観も繋がってそうなので楽しんでプレイさせていただきます。 素敵な作品をありがとうございました。
  • 交響曲第十番「融合」
    交響曲第十番「融合」
    叙情的な文章と空気感で語られる、雨の日の「彼」と「彼女」の出会いから、物語は壮大な「命」を巡るストーリーへ。 @ネタバレ開始 短い物語の中で時代を跨いで紡がされていくストーリーは読み応えがありました。原始の人間の粗暴さや生々しさの中、失われずに残っていた「歌」。足りないものを補って人類が先祖返りしていく様は、心のどこかが疼くような気持ちにさせてくれました。 @ネタバレ終了 美しい世界をありがとうございました。
  • 月を喰らう
    月を喰らう
    昭和の香り漂うポップで可愛らしいイラストとは裏腹に 宇宙が舞台のちょっぴり不思議なストーリーでした。 @ネタバレ開始 4つのエンドを見ました。 最初に実験隊クルーを殺すか殴るかで 大きくエンドの印象が変わるところが 面白いなと感じました。 人間を(どういう形であれ)救いたいと思っている ハティちゃんは一体何者だったのかも、気になりますね・・・。 @ネタバレ終了 色々考察の余地があって面白かったです! 素敵な作品を有難うございました!
  • Re:quiem[Aster]
    Re:quiem[Aster]
    Re:quiem[life]で多くの謎が残っていたので、気になって続けてのプレイとなりました。 博士やウサギ天使さん、京介さんら前作で登場した仲間たちにまた会えてうれしく思うとともに、坂様の美しい立ち絵やスチルを堪能できて幸せな一時でした。 @ネタバレ開始 3人のルートを一通りクリアし終えて「ロザリオくんどこ行った…???」となりました。 「え、今回一度も見ていないけれど、出演なしなのかな?」と思ったものの、「でもタイトルにいるよね…」と再度周回したら…再会できました!! やっぱりリーリさんとロザリオくんは二人一緒でなければ!と嬉しくなりました。 途中で手を繋いだり、一緒に休んだり…二人のこうした姿が見られて「ああ~~!!尊い…うれしみ…!!」と画面の前で頭が少しトリップしている様子のおかしい人になりました。 無事にママさまとも会えて、そして覚醒……最後の3人の笑顔の写真には涙腺が緩みました。 [life]で明かされていなかった謎が次から次に明かされて、スッキリするとともにますます坂さんの描かれる世界が好きになりました。 CG Modeには登録されていませんが、本編中に使われていた手を握るCGや事故のシーンのCGなど、どれも素敵でした。 @ネタバレ終了 とても心あたたまるやさしい物語でした。 素敵な作品をありがとうございました!