ドラマ
7908 のレビュー-
世界を破壊する魔法この「くそったれの世界」を破壊するその日まで、這い蹲ってでも生きて新しい世界へ―――妬み・僻み・嫉み三姉妹を余すことなく投入し、自己肯定・他者排斥・罪悪感・優越感など人間の仄暗い性を見事に描き切った作品です。 かわいい絵からは想像ができないほど重たく暗い部分を、真綿でじわじわ締め上げるように丁寧に描き切っているところが秀逸でした。 かなりキツめのいじめの描写があるので、メンタルが元気なときに遊んでほしい作品です。 大ボリュームのCGを投入することで登場人物たちの心情などを細かく丁寧に描いていて、いじめの悲惨さや屈辱感などをヒシヒシと感じられました。 特に平野蛟というキャラクターの存在の大きさはこのゲーム随一で、彼女が出てくると「またデケェ嵐が来やがるぜ……」と海の上の空を見て呟く歴戦の漁師のような気持ちに……。 途中まではこれでもかというくらい残酷ないじめが続いていましたが、後味はすっきりしているのでとてもよかったです。 素敵なゲームをありがとうございました!
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コーヒーのくにノベコレニュースでお見かけしてから、気になっていたお話でしたので、遊びに参りました。 まるで本棚の隅にそっとしまわれていて、だけど、背表紙が少しだけくたびれていて繰り返し誰かに読まれていた大事な絵本に出会ったみたいです。 @ネタバレ開始 そう強く主張したいわけでもなく、否定したいわけでもなく、ただ自分はちょっとだけ苦手なんだよな……ということは、なかなか汲んでもらえないこともあるなと思います。 白と黒の答えばっかりじゃないよ、だけど、でも、否定ばかりが積み重なっていくと自分の気持ちを呟くことすら憚られる。「うん」と頷くか、黙り込むかで、段々と自分の意思がなくなっていくような、ずっと下り坂ばかり歩いているような。 表現が自由だというのなら、好きと言うことも嫌いを表明する自由もある、と言っていた先生がいました。牛乳さんみたいな人に出会えたら、また少しだけ居場所ができたような気がしますね。 @ネタバレ終了 ここで、このお話にお会いできて良かった。読ませていただき、ありがとうございます。
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kidnap監禁された男と、3人とのお話。 全選択肢を読んだので、隠しエンドがなければ網羅できた……はず? クイズ自体は選択肢形式だったので、難易度が優しくて良かったです! 入力式だったら解答できなかった自信がありますw 久留和さんエンドが個人的に良かったです。 こんな事が起こりましたが、生涯の友を得られて良かったのではないかと思いました。
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暗がりビオトープ吹き出しの台詞と地のテキストの組み合わせ・チャプターによる適度な区切りのある文章が非常に読みやすく、 色数控え目な背景絵やシルエット絵により、情景の想像をかきたてられた。 解説内容の充実さに感嘆のTIPS・エンディングの演出も含め、ゲーム全体の設計が完璧に洗練されていて素晴らしい… ストーリーについてはネタバレしたくないので多くは語らないが、 読了後しばし、エンディングの登場人物たちの現在はその後どうなっているだろうと想いを馳せた。 最後のページのその先を見てみたい。
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winding roadすごく短いですが、もしかして…と色々想像できるお話でした! @ネタバレ開始 グッドエンドでは本当にもう殴ってないことを祈ります…! あと目を開けたら爆発してそっちが爆発するんかーい!となりました笑 @ネタバレ終了
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あなたの命の価値リメイクver2「あなたの命の価値」というタイトル以外には考えられないくらい、命の価値についてたくさんの想いがつまった作品でした。 岩佐勇気という人間の人生を描いた壮大な物語。 その描かれ方がとてもリアルで、フィクションとは思えずに何度も泣きましたし、考えさせられました。 いやほんと……何度泣いたか分からないです。特に後半は15分に1回は泣いてたんじゃなかろうか(笑) キャラクターは特にメインヒロインが物語が進むにつれて、素晴らしい成長を遂げ、とても魅力的に感じました。 声優さんの演技力も高く、「本当に素敵な女性になられた」と感動します。 その他のキャラクターも、最初はそこまででもなかったのに、途中から大好きになったり…… 主人公だけでなく、他キャラクターの送る人生も垣間見える所も、この作品の魅力だと思います。 内容からは逸れますが、主人公が非常にイケボで、カッコイイセリフを言ってくれるたびに、乙女ゲーをやっているみたいにドキドキさせられました。(笑) 何度かリメイクされている作品のようですが、前バージョンで既プレイの方でも、この主人公のボイスを聞くためにver2もプレイすることをオススメします!! FAは大好きな沙希さんを描かせていただきました。 本編プレイした方なら分かる……もちろんあの場所で(笑)微笑んでいる沙希さん。……思い出してまた泣きそうです。 素敵な作品をありがとうございました。
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逢魔時の家路(リメイク版)幼なじみの二人が家に帰るだけの物語。……何だかここから少し寂しい雰囲気が漂っていて、どんなお話なのかとても興味を持ちプレイさせていただきました。 静かな二人の和やかな会話。でもどこか寂し気な会話の理由を知った時には、だから逢魔が時なのか…と納得しました。 @ネタバレ開始 大人になるにつれて、生きるのが下手になっている気がする。また、由依奈ちゃんが「こんな大きな愛、私背負いきれないよ……」と言っていたシーンがとても印象的でした。どちらの言葉もとても響きました。 一週目の最後で「え……?」となり、二週目で「あぁ……」と情緒が大変なことになりました。 由依奈ちゃんを守ることが物理的に出来なくなってしまったことで、那由多君の中での生きる意味みたいなものを失ってしまったのかな。 きっと由依奈ちゃんが思うよりも、那由多君の由依奈ちゃんに対する想いは深かったのだなと思えて、それがとても切なかったです。 二人がいつか、どんな形でも幸せだなと思える所へ行き着けることを祈らずにはいられません。 @ネタバレ終了 短い中にも、二人の関係性がよく分かるエピソードが散りばめられていて、それがとても良かったです。 また、沢山の可愛らしくて綺麗なグラフィックと、美しい音楽が物語をより一層魅力的に見せていて、素晴らしいと思いました。 素敵な作品をありがとうございました。
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椿堂ノ火読了後、しばらく涙が止まりませんでした。 ゲームという媒体で、このような作品に出会えたことが嬉しいです。 @ネタバレ開始 主人公は、何かしら心に抱えるものがあるのだろうなと冒頭から予想していたのですが、なるほど……そういうことだったのですね。 お父様達の気持ちも、主人公の気持ちも痛い程によく分かり、とても切なくなりました。 誰が悪いわけでもない。それがとても辛いですね。 認知症を患いながらも、主人公に対する愛を胸に生き抜いたお父様と、父親を心の中では慕い続け、愛し続けている主人公の想いに、ただただ涙しました。仲の良い親子だったからこその葛藤なのだと思うと、本当に人生は何て……と言葉が見つかりません。 最初こそ、フォントが「ノスタルジックな世界観に合っているな」と軽く考えていましたが、最後の方では、皆の涙で滲んでいるように思えてしまって、それがまた苦しく、切なかったです。 @ネタバレ終了 久々に心にずっしりと来る作品でした。余韻が凄まじいです。 過去への郷愁や、家族の在り方、そして人生について等、様々なことが頭を巡り、私自身とても考えさせられました。 素晴らしい作品だと心から感じました。ありがとうございました。
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メドゥーサと目を合わせると死ぬゲーム。ハッピーエンドは悲しくも幸せではあったのかなと思います トゥルーエンドはハッピーエンドを先に見てしまったのもあり、メドゥーサの気持ちを考えるととても悲しくなりました
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花枕(第一章~第二章)ギャルゲーだった前作「空の果てからこんにちは」とは一変、純文学を思わせるような筆致で作者さんの引き出しの多さを感じさせる作品でした。地の文・会話ともによく練られていて、小説を読んでいるかのような重厚さがあります。 とくに軽妙な会話劇がお気に入りで、怜人くんと水菜ちゃんの名前いじりのくだりが面白かったです。私も学生時代は本名のことでよくいじられていたので、そのことを思い出しつつも二人に楽しく共感出来ました。 トイレ…じゃなかった、怜人くんは面白い性格のいろいろと残念な変態さん(褒めてる)で親近感がわきました。昔の絵と比べると自分の上達具合が分かり、だんだん描くのが楽しくなってくる…というのは絵描きなら誰しも経験することだよなぁ…とまた共感したり。 @ネタバレ開始 終盤…病室の窓から花を見るシーンはとてもきれいで感動的でした。「スケッチブックに描いた絵を飾るのかな?」と予想してたのですが、まさか壁に直接描くとは…! 驚きとともに普段アレなシナリオばかり書いている私は、心が浄化される思いでした。怜人くん、かっこいいとこあるやんけ…。 ここから有名な画家になっていくのだろうなぁ…と想像を巡らせていたら、私の思考を読んだかと思うほどの的確なシナリオライターさんの脚注が入り、思わず笑ってしまいました。 どろどろの三角関係…言わずもがな私の大好物なので、早く続きを書いてほしいと心の底から願うばかりです。 タイトル画面のイラスト、なぜ足だけなのだろうと前々から疑問だったのですが、読み終わってから眺めると納得がいきました。 @ネタバレ終了 色々な意味で今後の展開が気になる作品でした。ありがとうございました。
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お姉ちゃんの定理超美人だけど数学に対してしか興味を抱かないお姉ちゃんを持つ主人公のお話です。 散りばめられた数学ネタと狂人と紙一重の天才の言動が非常に興味深かったです。 狂おしいほど何かに熱中する様はとても美しい!! 以前熱心に視聴していた「コマ大数学科」という単語が見られただけですぐさま大喜び。 橋のお話では小さい頃に良く読んでいた「はじめてであうすうがくの絵本」を思い出しました。 小さい頃だとムキになってハマっちゃうの凄く分かります。 数学は題材として用いられていますが、決して小難しいお話ではなく、 例えていうなら友情!努力!勝利!みたいな少年マンガ的な王道の面白さがありました。 文章はとても読みやすくお上手で、伏線や重要イベントの描き方が巧みだと感じました。 個人的には @ネタバレ開始 αエンドが非常に好きです。(みんなそうか) ・モブだと思われた友人が実は姉の同類でエンド後の重要キャラであることが判明 ・冒頭から天才性が描かれまくっていた主人公がようやく姉側の世界に踏み出す この2つがストーリーの最後の方にほぼ同時に描かれるので、 即ちお姉ちゃんの定理に向けた最強チーム爆誕にてラストとなります。 @ネタバレ終了 短編の終わり方としてとても綺麗な着地点&爽やかな読後感だなぁと感動しました。
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君を殺す日タイトルからして心の中に未だ生き続ける私の中二病魂をそこはかとなくくすぐってくるタイトルなのですが、いったいどんな物語なのだろうといざプレイを開始してみると―――悪魔と契約した一人の少女の物語でした。 @ネタバレ開始 最初のほうで既に主人公の悪魔さんが「この悪魔さん悪魔に向いてない」というくらい丁寧かつ親切で、こんな心やさしい悪魔さんに彼女を殺すことなんてできるのだろうか……と思っていたのですが、選択肢で某エンドではそうなったものの、やはり一緒の時間を過ごしたエンドでは絶対にできるわけがないよね!!という、納得のエンドでした。 先輩悪魔さんがとても頼もしくて、諸々引き受けてくれたことが本当にありがたくなる展開でした。 先輩、どうか上手いことご報告を頼みます…!! 芽乃さんのとても重たい過去が彼女に死んでもいい・死にたいと思わせていた事情も、悪魔さんがずっと傍にいることで、これから先の未来でより多くの人の幸せを願い行動する人になってほしいなと思いました。 @ネタバレ終了 ボーイ・ミーツ・ガール……いえ、デビル・ミーツ・ガールの素敵な物語でした。 ありがとうございました!
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人形のコエを聞いた日かわいくて暖かい気持ちになりました! クマゴロウが表情豊かで笑いました…!特に酒を飲ませようとする時の顔が好きです笑 @ネタバレ開始 チェックボタン形式なのはちょっと笑いました。 もうひとつの方の笑顔も最高です! @ネタバレ終了
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逢魔時の家路(リメイク版)夕日が沈む僅かな間がずっと停滞しているような閉塞感と、かえって巻き戻らない時間をはっきり意識させられるような切なさで、儚げで優しい絵柄も相まっていっそう胸が締め付けられました。二人とも本当にいい子なんだろうな。素敵な作品をありがとうございます!!
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ふきのとうカラフルなサムネで?となったのですが、読んでると効果的に働いていて驚きました…! 読んでいてじんわり込み上げてくるものがありました。 おばあちゃん、ご臨終を先にしてからのこの作品だったので温度差で風邪引きました!(本当にシリアスか疑ったのは秘密です)
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人形のコエを聞いた日説明文にあるように、人形を笑わせるだけのノベルゲーム。 笑わせる手段によって、2つのエンドが見られた。 平和的な「ほのぼの系エンド」よりも、もう一つのエンドが引っかかった。 @ネタバレ開始 産まれる前から実家にあった人形は、 なぜ笑うようにしていなかった? その辺りのおはなしも読みたいと思った。 @ネタバレ終了
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雨音と自動人形 結(むすび)切なくて泣けて心が温かくなるすてきな話でした。 ストーリーはもとより絵も音楽も声も動画も演出も全部がとても丁寧に作られていて、ひたすら世界に没入することができました。 ローディング画面で心臓を撃ち抜かれ、アヤさんの耳で悶え、挿話のホラーでガタガタ震えました怖いぃぃぃぃ! 幕間のタイトルがストーリーを反映して微妙に変化するのもよかったです。クライマックスのアニメーションも美しくてロード画面から何度も見返しました。 そこからのあのエンディング。お互いの呼び方といい、あの衣装といいもう最高です。泣けました。 FAは煙草と言えばコレしかない!と萌えを詰め込ませていただきました。この2人ホントによきです。すてきなゲームをどうもありがとうございました。
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雨の袂ちょうど雨が降っていて、静かに読書をしたい気分だな・・と思い こちらの作品を開きました。^^ @ネタバレ開始 学生の頃を思い出しました。自分の中にも心当たりがあって読み進めながらずっとノスタルジーに浸っていました。(*´ω`*) 幼馴染という特別な関係性と、成長し変化する4人の世界がリアルに書かれていました。 (実際、不器用で複雑な感情はいまだにあったりしますし・・^^;) そして読了後は、彼・彼女らの物語はここから また、始まって続いていくのだなあ・・と想像してしまうような余韻がありました。^^ OPがとても綺麗で印象的でした。 初めて見たのはTwitterで、その時から作品を楽しみにしていました♪^^ EDからも、かなりの熱量を感じます。・・凄(゜o゜) @ネタバレ終了 静かな雨のように心地の良い作品でした、ありがとうございました。
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ここスタ - KOKOKARA STARTLINE -アイドルの熱い思いがぎゅっと詰まった作品でした。 緋月ちゃん初ライブで、とんでもないハプニングが 起きてしまい、そこからはもうどん底へ。 私も、緋月ちゃんのファンとして最後まで見届けました。 @ネタバレ開始 ファンレターの中にこっそりマネージャーさんと 桃華さんのお手紙も混ざってるのが、 本当に胸打たれました。 目が潤んで、涙が出そうな時に 「耐久10時間、そして3日!!」となり 涙も引っ込んだのですが、(笑) 最後は自然と笑顔になれるENDでとっても素敵でした^^ 私も、今日から「フレア」だ!! @ネタバレ終了 これからも応援したくなる、アイドル緋月ちゃんでした。 素敵な作品を有難うございました!
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堕ちた恒星、朽ちた嶺岸独特な言い回しが心地よくありつつも、嶺岸について語られていくと(私も創作者なので)他人事のように感じられず心苦しくなったり…とにかく夢中になって読みました! @ネタバレ開始 エンディングは両方見たんですが、結局悲劇なのか喜劇なのかは決められずにいます。 喜劇を選んだ方の最後、嶺岸恒星の『自伝』の執筆と聞いた時はゾッとしました。 これはもしかして主人公も…? @ネタバレ終了