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ティラノゲームフェス2022参加作品

8697 のレビュー
  • 柘榴の中身は綿だらけ
    柘榴の中身は綿だらけ
    突然訪ねてきたたまきくんに、こちらまでドキドキしながらプレイさせていただきました。 ストーリーだけでなく、グラフィックから演出までがこのゲームの独特な雰囲気を作り出していました。 @ネタバレ開始 たまきくん、一途すぎて好きです。 主人公に抱きしめられながら彼の語ることが不憫で不憫で、救われてほしいと思いつつゲーム開始時にはもう手遅れなのだと分かり、胸が締め付けられました。 彼の気質的に素直に救われるような人ではないのがまた苦しいです。 主人公の善人でありつつ彼に真に寄り添えないであろう人柄が垣間見えるのがとても良かったです。どうやっても恵まれた側の子というか… そんな彼女に「一緒に死んでくれ」というシーンが、彼が主人公のことを確かに好きなのだという実感ができて嬉しかったです。 グッドエンドで涙腺が緩みつつ、あとがきの絵の不穏さに首を傾げ、研究員さんたちの会話でまさか…となり、タイトル画面に戻った時の衝撃は半端ではありませんでした。主人公、それ…腕…… 彼の執着に慄きつつも、幸せそうな笑顔に安堵してしまいました。 どうか少しでも心穏やかでいてほしいな…。 @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございました。
  • ピアスをあけよう!
    ピアスをあけよう!
    去年は感想のみでしたが、FAを描かせいただきました! 金髪エルフ耳巨乳メガネ、ありがとうございます!!
  • 暗く遠くの君に告ぐ ~限界拗らせ少女が高嶺の花に手を伸ばした(物理)結果~
    暗く遠くの君に告ぐ ~限界拗らせ少女が高嶺の花に手を伸ばした(物理)結果~
    きつねの手袋図書館様のゲームはいくつか遊ばせていただきましたが、初めて長めの作品に触れました! ぶっ飛んだ短編からは想像つかない雰囲気でしたw ちょっと詩的?文学的?だったり、かと思えばめちゃくちゃ俗っぽかったりして、波のある感じがすごく心境を表しているように感じて素敵でした! @ネタバレ開始 こういうのを浮世離れしていると言うのでしょうか 菫さんに対する印象はかぐや姫みたいな人、でした ただ周りには既に天人様であることが知れ渡っていて、馴染めない雰囲気 読者としては会話のズレもおもしろくてかわいいのですが、やっぱり接する本人達からしたらちょっと得体の知れない感じしますよね…… ただ、やはりそんな存在に憧れる人がいるのもごく自然なことで、条子さんも例に漏れず……恋!? めちゃくちゃ惹かれまくっている…… 確かに、理想の雲井菫像があるってことはそういうことなのか…… 2人が仲良くなるきっかけは物理的な距離感のバグでしたが、2人が喧嘩するきっかけは心の距離感のバグだなあと感じました 近づきたすぎて見誤ってしまった感じ…… 菫さんも、普通の人には理解してもらえないと思ってる節が伺えるのがなんとも言えない…… この時の2人の居心地の悪さがすごく伝わってくるようでした ご愛読の文字を見てギョッとしましたが、ちゃんと続いてよかったw 自分の気持ちとしっかり向き合い、並び立つ決心をした条美さん 手の届かない存在だと諦めることなく、懸命に努力する姿勢がとってもカッコよかったです! これは菫さん絆されてしまうのでは!?と思ってしまうw あの時、うっかり手が触れたことがきっかけで、条美さんも目標を見据え、高みを目指すことになる…… これがバタフライエフェクトというものなのでしょうね 希望に満ちたエンドでとっても素敵でした! @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございましたm(* _ _)m
  • 育てるのって難しい!
    育てるのって難しい!
    とっっても可愛くて最高でした! @ネタバレ開始 選択するたびに出る画面も変わっていくのが良いですね…! だんだん表情や見た目も変化していくのも楽しめました! 可愛い子を自分好みに成長させられてとても満足です(( 好意を植え付けてくの良いですね、、( @ネタバレ終了 素敵な作品ありがとうございます!
  • 消えない痣の治し方
    消えない痣の治し方
    顔の痣に悩み、積極的になれない男子大学生のお話。 顔のコンプレックスは、マスクなどを除けば隠しようがないので 人によっては人生を左右するほどのものです。 @ネタバレ開始 しかし、純平は周りの人のおかげで最終的に前向きになれて 良かったと思います。 純平が「一番見ていないのは自分ではないか」 と気付くシーンが好きですね。 顔に限らず、身体的なコンプレックスはほとんどの人にあります。 しかし、それによってその人の本質的な価値や 人間性が否定されるわけではありません。 これからも三人が良い関係でいられることを 祈りたくなるような作品でした。 @ネタバレ終了 素敵な作品でした。
  • キミのニセモノに恋をする
    キミのニセモノに恋をする
    個人でプレイさせていただきました。 今までこんなにも素晴らしい作品を知らなかった自分が悔しいくらいです。 @ネタバレ開始 「今日という日は、自分にとっては最期の日でも、彼にとっては何てことのない一日で、それが少しだけ寂しかった」 「明日の自分が彼の存在に気づかないように」 「明日の自分に、彼が恋をしないように」 TRUE ENDとNORMAL ENDとBAD ENDそれぞれがこの言葉で対比されていて、非常に感動しました。特に、BAD END No.3では、セツナが最も望んでいないであろう結末に主人公自ら進んでいくのは、言葉に表せない感情を持ちましたし、それだけ作りこまれていて、今の自分に訴えかけてくれる作品でした。 明日の自分が後悔していないような選択をしたいと思わせる作品でした。 改めて素晴らしい作品をありがとうございました!@ネタバレ終了
  • 目覚めたら知らない男が枕元にいた
    目覚めたら知らない男が枕元にいた
    エンド4ってどうやったらでるんですか!?
  • 蘭月の流星
    蘭月の流星
    家族愛、親子愛について真摯に描かれていたように思います。 もっと読んでいたいと思えるような作品でした。 文章表現も好きです。
  • 育てるのって難しい!
    育てるのって難しい!
    結論から言うと最後にはすごく幸せな気分になるゲームでした。 エンディングへの導線もわかりやすいし、それぞれのエンディングも納得できる内容ですしストレスなくシナリオを読めるとても楽しいゲームでした!
  • クリムゾンレッドの死神
    クリムゾンレッドの死神
    一番良い 尊すぎて読めなァァアアい!!!
  • テスト返し
    テスト返し
    軽い気持ちでプレイしてみたものの……こんなに泣かされるとは思いませんでした。 どうしようもない後悔、一歩を踏み出す恐怖。そんな葛藤達が30分ほどの中にぎゅっと詰まっていて満足感がすごかったです。素敵な作品をありがとうございました。
  • 育てるのって難しい!
    育てるのって難しい!
    サムネで目に入り面白そうとプレイさせていただきましたが…… 結論から話すと「最高」でした。 素敵な作品で、進めば進む程“親“としての愛着が湧きます!! 皆さんもこの子を育成して欲しい!!(切実) 素敵な作品ありがとうございました。
  • 孤島の灯台
    孤島の灯台
    やっとプレイさせていただきました! とても思い出に残るお話で、素敵でした…!!! @ネタバレ開始 まず驚いたのが…立ち絵のおじさん達!!メチャクチャお上手! 美男美女の立ち絵は多いけど、おじさんたちの立ち絵が豊富なのは新鮮ですごく嬉しかったです! みんな素敵なおじ様たちですが、中でもカイルさんとヴェルニーさんがおちゃめでスゴク好きです♪ また、背景もおそらく全部?描かれているのには、圧巻でした!(自分、描けないので尊敬です…!) 航空機戦もスチルが豊富で臨場感があり、「すげぇ…」と見とれていました。 表情が色々と変わったりと演出も細かく凝っていて、世界観に浸れました。 特にライトがぴこぴこと1つ1つ動いて、可愛くて「ふふふ」と笑っちゃいました♪ そしてなにより、ストーリーが…よかったです…! 隻眼でなにやらワケアリ?のエイデンさんが灯台の人たちと日常を過ごしていき、最後にはお別れを告げる…。 なんてキレイな流れなんだろう、と感動していました。 前半はコメディ要素も多く、エイデンさんが他の人には見えないライトちゃんに何度も手を振るシーンに、ほっこりしました。 (そしてヴェルニーさんに全力で返されて、「もうヴェルニーさん好き!」ってなってました・笑) エイデンさんのトラウマでライトちゃんと少し衝突しちゃったりしたけど、解消して… そして、最後のお別れ……。 「電源を落とす」をプレイヤーに委ねる演出がぁ…!やってくれる…!! エイデンさんと一緒になってしばらく押せませんでした…(涙) 切ない別れだけど、最後まで笑顔で見送ってくれたライトちゃんに、救われました(涙) スチルがものすごい量で、世界観に入り込めてよかった…です…(エイデンさんの涙のにじみ演出の如く) EXTRAのオリバー視点の話もこれまた素敵で(スチル豊富でごちそうさまです!)、ラストがもう…! エイデンさんのような孤高の存在は、無邪気に領域に入ってくるオリバーみたいな存在ってありがたいんですよねぇ…! 小言で返せるようになるまでの関係になって、ニヤッとしてました♪ 本編でオリバーの結末を知ってるので、この明るさが逆にしんみりきましたが… 戦時中で辛い中、彼は彼なりに一生懸命生きてきたんだなと知れて、良かったです。 @ネタバレ終了 とても濃密で素敵な時間を過ごせました。 この度はステキなゲームを作ってくださり、ありがとうございます♪
  • クリムゾンレッドの死神
    クリムゾンレッドの死神
    一本の映画を観たかのような高揚感です。それ程にシナリオが素晴らしい。夜の舞台が怪しくもあり美しい。常に映像が頭に浮かぶので、先が気になりどんどん読んでしまいました。 @ネタバレ開始 実は以前から気になっていた作品でした。 レオ様のビジュアルがクソ好みだったからです(笑) ハードボイルド系でギャングやスラム、興味がある要素ではあってもノベルゲームとしてはなかなかお目にかかれません。 キャラそれぞれに事情があり、いい意味での人間臭さを感じて、憎めずあいちゃくが沸きます。人物同士の本気のやり取りに常に感情が揺さぶられました。 死神であるレオは無敵と見せかけて、少しずつ弱みを見せられ、プレイ前よりも好きになってしまいました…!かわいい&かっこいい です!! レオがパンケーキを好きな理由にも想像以上に深い出来事があり、キャロルとの出会いや妹との事、辛くも温かい気持ちになったりもして、とにかく感情が(略 バトルシーンのシナリオが!迫力あり過ぎて! 頭にしっかり映像で浮かぶような文章を作れるのが尊敬です! ゲーム内の演出とも相まってうおお!と盛り上がりました。 @ネタバレ終了 FDの方もプレイ中なのでクリアしたらまたコメントさせてください。 素晴らしい作品をありがとうございました!
  • キミのニセモノに恋をする
    キミのニセモノに恋をする
    ゲームをやって泣いてしまいました。いいゲームを作ってくれてありがとうございました。こんないいゲームを無料でできるなんてニケさんありがとうございます感動しました
  • 樹海の怪
    樹海の怪
    白黒でオシャレなビジュアルに惹かれてプレイしました。 雰囲気や文章が読んでいて心地よかったです。 ほのぼのとした少年の雰囲気と、そこから滲み出る不気味さが良かったです。 @ネタバレ開始 最初は白黒だった景色が、最終的に色づいていたのが綺麗で印象的でした。 特に首を絞められているシーンで、徐々に赤くなっていく演出がとても好きでした…!! @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございました!
  • 幻想寓話儀典
    幻想寓話儀典
    展開の想像がつかない内容ほど面白い話はないです。 ストーリー構成の見事さに関心しました。これは二度、三度読むと更にいろんな見方が出来そうですね。 @ネタバレ開始 理想を具現化する存在に出会うものの、最初から手の平で踊らされているような状況で最後は夢を堪能後に食べられてしまう。中々考察のレベルが高いホラー物で読み応えがありました。最初と最後で少女のビジュアルが違うのがまた新たな夢物語への誘いを感じさせて永遠と紡がれる寓話なのだろうなと思いました。 @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございました!
  • フロスパヴァーヌ
    フロスパヴァーヌ
    フロスパヴァーヌの唯一無二の世界観、 キャラクターの魅力、物語の面白さがだいすきです。 @ネタバレ開始 魔王様の心の乾いた部分に、セサちゃんが触れる、 繊細な"対話"の描き方がとても素敵でした! セリフ一つ一つが過不足なく、すとんと真っ直ぐ心に落ちます。 長い孤独のなかで、ずっと欲しかった言葉を不意に与えられ、 驚きながらもセサちゃんに惹かれていく魔王様が愛しかったです。 (添い寝のシーンのセサちゃんのセリフ、とくにうるっときました…) あとセサちゃんがたまに見せるちょっと余裕あるお姉さん感が凄くいいです! 周りを彩るキャラクターたちの 光る個性やエピソードも濃密で、 金銀白の業が深そうな過去や、可愛いカップルももっと覗きたいです。 (銀と白のビジュアルが好きすぎて……悪いところがいい!) 本編で描かれているのはまさに氷山の一角、と言った感じで、 初級装備でだれでも楽しめるシナリオ設計にして、まだまだ奥はずっと深そう。 魅力が尽きません…V2を遊べる日がとても楽しみです~!! @ネタバレ終了 作者様の実況も楽しく見させていただきました! 作品に込められた愛情と時間とすべてに心からの拍手を送りたいです。 フロスパの世界を堪能させていただき、本当にありがとうございました。 これからも陰ながら創作活動を応援しております!
  • モノクローム・モノローグ
    モノクローム・モノローグ
    テレビの逃走企画とかだとヤラセじゃないかと思ってしまいますが、(フィクションですが)本当にこう犯罪が発生してしますと、緊張感が違いますね。 面白いゲームありがとうございました!
  • 初蘭町へようこそ!
    初蘭町へようこそ!
    感想が遅くなりましたが、配信にてプレイさせていただきました。 リアルタイムでプレイが終わった際も、数日心が奪われたままでいるような…初蘭町の人々が好きなのに、説明文でも明記されているように「一泊以上の滞在はあまりオススメいたしません」というのが全てなのかもしれないけれど…それでも、もっと関りを持ちたいこの気持ちはどうすればいいのか? 明確にこの「好き」の気持ちを言語化すべく、配信時のプレイとは違う宿泊先を選んた場合を確認がてら再プレイをした上で書かせていただきます。 @ネタバレ開始 初見:旅館→亜門くんと一緒に観光 二週目:ホテル→飛鳥さんと一緒に観光 と確かに一週目の流れを考えれば想定はできたのですが、本来多忙なはずの飛鳥さんを連れまわして案内をする翼ちゃんは強いなぁ…と和みながら。 結局、もう片方の宿泊先にいって喧嘩をする流れは同じく。 やっている事は喧嘩なのに互いの長所しか言わないのが、仲は悪いけど互いに同じ地元の同業者としてリスペクト精神を持っているのが丸わかりなのでツッコミどころではあるけど見ていて楽しい場面です。 初見は、田舎の温泉街にしては少々異質というか…大きなホテルのオーナーをしている金持ちという事もあって飛鳥さんはテンプレな嫌味系お金持ちキャラかな?と警戒をしましたがこの件で「あ、これいい人だ!?」とこの町いい人ばかりだな?と感じた記憶があります。 その後のろまん堂でご飯をいただく流れも思わず涎が出そうになりつつ、店主の壇さんも気のいい料理人という事で気持ちよく観光気分を味わいながら。 元気まっしぐらな翼ちゃんのちょっと意外な一面で可愛いと思いながら実は繊細なのかなぁと距離が近くなる感覚を…からの突然のエンド? 初見では疑問に思いましたが、長期滞在が非推奨されていると考えるとこの選択肢の先…滞在を続けるという事は何かしら覚悟が必要になる事。 …そして、マルチエンドでありながらハッピーエンドと呼べる物がないという事は噂で聞いていたので腹を括り「滞在を続ける」を選択。 ここで性別を選択?と思うも自分の名前を入れていたので「女性」を選び。 温泉スチルにサービスショットかな?とウキウキしながら、健康的な日焼け跡というのはわかってらっしゃるなぁ…と思いました。 真面目に初蘭町に移住する事を考える主人公と同じく、プレイしている私の目線からもこんなに良い町なら確かにわかるなぁ~とほんわかしていれば恐らくこのゲーム最大の変人枠であろう小瀬先生とのエンカウント。 壇さんと先生が幼馴染というのは意外に思うも、確かに壇さんは面倒見のいい性格に見えるのでこの後振り回されるんだろうなぁというところ含めセットで想像しこういうのもよくある光景の一つだな~なんて謎の日常感がありました。 そして夜に歩編さんとあわや…!?という場面で助けてくれる飛鳥さんに「この人間違いなく常識人だ!!何なら苦労人気質もあるだろ!?」と好感度が上がった記憶があります。 実際、初見の際も当然の結果というかこのゲームで一番好きな住人は飛鳥さんで落ち着きました。 両方のルートを比較すると、スマホが保管されていた連絡を聞く場面についてはホテルルートの方が自然かな?という印象は受けます。 しかし、初見の旅館ルートの際は別の宿に宿泊している旅行者の為に…なんて親切な人なんだろう。 と、自然と受け入れていたのでそれまでの段階で違和感を覚えない位田舎の情報網がある前提や飛鳥さんならそういう事を気にしてくれてもおかしくないだろうと思わせる土台ができていたのだろうなぁというのはありますね。 そして何故か勤務日程を把握されている飛鳥さんに笑いながら、翌日同行してくれる辺り何だかんだ付き合いがいいなぁ…これが田舎情緒か、と癒されつつ。 恐らく、初めて不穏と言える要素がきたのはこのタイミングだったのでしょうね。 ラジオから聞こえる殺人事件に関するニュース。 さすがに、ここで流れるという事は全く無関係で終わるとは思えないので…。 しかし、これがどういう方向で絡んでくるか?まではこの時点では推測できなかったので、無関係で終わる訳がないけどできるだけ平和な展開は続いて欲しいと祈り。 待ち時間の間に探索をするパートではより住人に親しみを持てる情報が加わり「やっぱこの町に住みたいな~~~…」とますます初蘭町という町やそこに住む人々を好きになっていきました。 個人的に、ヒグマ殺しの伊蔵についてもっと詳しく聞きたかったです。 あの父上なら…確かにできそうだという謎の信頼?もあったので多分これ本当にあった話ではないかな…と。 @ネタバレ終了 どのエンドに行きついても共通して言える重要な事なのですが、結末がどうあれ強く感情移入ができるのはそれまでにどれ程登場人物を上手く描写できているか? 最初に共通で迎えるエンドの時点ですでに初蘭町という町やそこに住む住人(主に最初に声をかけてくれた翼ちゃんを筆頭)に対して「田舎情緒のある素敵な町」や「個性的だけど温かい住人」という印象を持っていたので推奨されていないとは承知の上で「もっとお近づきになりたい、ここにいたい」と思わせるには充分すぎました。 実際、滞在を続行すればさらにそこから増える個性的な登場人物との出会いや住人の人柄がわかる事で親しみのわくエピソードが展開されるのでますます強く好きになっていきます。 @ネタバレ開始 この作りの巧さを例えるなら「大切に思うよう触れ合いをさせ最後に自分で殺し、調理して食べる事により命の大事さを知る為、家畜を育てる」事が近いのでないかと思いました。 舞台や人物に対して情や好感度を持たせる。 この点がほんっとうに!ほんっっっとうに巧すぎるからこそ避けられない結末たちを迎えた結果、最初に記したように「プレイ後も魂を奪われたままになる」それだけの衝撃を与えてくれました…。 エンドコンプをして諸々が解禁された状態から再プレイをしようとゲームを起動した結果、タイトル画面ですでにあの時の気持ちを思い出して辛いと思える程に…。 …実際、この後女主人公ルートで迎えるエンドはどうあがいても翼ちゃんが死亡確定している事を想えば「私が女だから、いけなかったの…?」という気持ちになり。 しかし、そちらの回収が終わった後に男主人公ルートで迎えるエンドを確認すると一部例外を除き「この村でこんな事が行われているなんて知りたくなかった…」とどのみち救いがないと悟るしかなく。 怪談をする流れで「チカイナサマ」が聞いたらきちゃう系で飛鳥さん悲鳴→「廃集落の夢」でまさかの天丼から飛鳥さん悲鳴→「(どう考えても)内藤アパートの話」でそちらを知っていた者としては思わずニヤリとする要素でしたが飛鳥さんが案の定悲鳴からのお開きになる流れ自体はとてもほっこりして好きでした。 @ネタバレ終了 順番が前後しましたが、滞在を続行した場合における感想の続きを書かせていただきます。 長くなりそうなので、主に到達したエンドの順に感想を書かせていただきます。 @ネタバレ開始 ◇殺人鬼の棲む町 こんなに嫌な意味での「地元が一番だ」が果たしてあっただろうか…!? 翼ちゃんやときちゃんが亡くなった後だしこれ以上犠牲者が出ない事を…と親切心の結果からの犯人はお前だったのかルート。 刺された壇さんの弱っていく様子が結構生々しく、主人公も次にこうなる事を思わせつつ生命の終わりへ向かう描写という点ではとても良い描かれ方をされていると思いました。 ◇まぼろしの町 真相を知った際、亜門くんの話していた「廃集落の夢」を連想しました。 罪をなすりつけられた主人公は確かに可哀そうではあれど、だけど幸せでいる第三者を殺していい理由にはならず。 永遠に苦しみ続けるのは仕方ないとしても…自分達を殺した張本人と一緒にその事を思い出せずずっとあの日を繰り返している住民達に救いはなかったのか。 ◇悪神の町 「在る」と認識された瞬間、その存在は本物になるのです。 このチカイナサマを成り立たせている定義がまず私の中ではドストライクな表現でした。 心霊的だったり妖怪のようなものであれ、名前と存在を認識され人の記憶に存在するならばそれは成り立ってしまうと思っていたので。 そして、チカイナサマと遭遇した際も一時的な対処法はあっても根本的な解決法ではない物を教えられた事からこれは逃げられない、人の力が及ばない存在だと悟り。 飛鳥さんの首吊り死体も、文章から想像できる情報から察するに一枚絵はマイルドに抑えられてはいる方なんだろうなぁ…と。 最後に消えたときちゃんは果たしてときちゃん本人だったのか?謎を残しつつも約束された最期へ…。 ここで、女主人公で選べる選択肢及び回収できるエンドが終わったので今度は男主人公ルートへ。 当然、性別が変われば一緒に温泉に入る対象も変わるという事でこちらもこちらで温泉スチルを堪能させていただきました。 どや顔をして頭にタオルを乗せている小瀬先生が好きです。 (そして、ここで実は先生が月1で東京に遊びに行っているという情報からこれは最近あった殺人事件もあちらの世界線ではやはり…?となりながら) 怪談話が終わった後、翼ちゃんが生存したまま話が進行し川遊びになった際には「助かった!運命に勝った!?」と喜んだ記憶があります。 結果としては全く運命には抗えない事や、このゲームにハッピーエンドと呼べるものがない事を知っていても今目の前で翼ちゃんが生きている。 それだけで良かったと思えた辺り、それだけ彼女の存在は大きかったのだと思います。 ◇人喰いの町 他のエンドも全て見てからみんなのひみつを見ると、壇さんはこのエンドでもこうなったら逃げられないとは言っても儀式そのものに乗り気だったのか?と問われるとそうでもないように思え。 初蘭町に住む以上、彼も従うしかない立場なのかもしれないけど比較的(一般的にいう)常識人だったのかなぁと窺がえる面がありましたね。 お酒の名前が「かみささげ」という時点で若干嫌な予感はあれど、まぁこういうルートもあるかな…と洗礼を受け。 ◇因習の町 男性主人公ルートにおいて壇さんが明確に常識人だと思われるエンドですね。 避けられない事態である事を知りながら主人公を逃がしてくれようとした結果、彼がこの後指を対価として失う事も辛く。 でも、それ以上に悲しいのはまだ15歳の少女でありながら巫女として器の役割を全うしなければならない翼ちゃんかもしれない…。 儀式の内容って…所謂そういう行為(が終わったら父上に主人公の頭が割られる事)だよね?と考えれば確かに主人公も大概酷い目には遭っているけれど、これから何十年もこの儀式をしなければならない翼ちゃんを思うとあんまりで…。 やっぱり因習村系エンドあったんじゃないですかー!やだー!! とエンド名が見えた時のわかっていたけど…となりつつ崩れ落ちたくなる気持ち。 ◇壊されゆく町 歩編さんの過去話を聞きながら、確かに彼女の過去って謎だったなぁと思いながら初蘭町に来てからの事を聞くとやはり私もここに移住したいなぁと数々のエンドを踏みぬいてきた今ですら改めて思い。 これは良い雰囲気だなぁ…からの、場に不釣り合いな効果音。 どうしてだ…どうしてお前はそうなってしまうのだ。 確かに女主人公ルートでも殺人鬼(すでに死亡済み)のエンドはあったけど、今度はお前もなのか?と。 このルートに限っては、翼ちゃんもお祭りまでに生存をしていてお祭りの内容も至って普通の物だったのに。 初蘭町で唯一、幸せな世界があったかもしれない世界線だったのに。 それを主人公が壊してしまうんだ、という事への果てしない絶望。 でも、川遊びの時の会話から若干フラグがあったのかなぁ…と思うとどのみち回避はできなかったのかな、と。 みんなのひみつから主人公の設定を見ると、本来の目的が共通して精神を病んでおり「自殺場所を探す為」であった事から不謹慎は承知で快楽殺人鬼ルートの主人公については頼むから人喰いの町エンドや因習の町エンドで出されている届けのようにうっかり事故死していた方が良かったのになぁ…となってしまうのが切ない。 @ネタバレ終了 全ての結末を見届け、知らない方がいいことすらもう認識してしまった。 それでも私は初蘭町という場所やそこに住む住民達が好きです。 確かに、ルートによって素性はとんでもない奴になる場合もあるでしょうがそれでもこの町の一員として移住して暮らす…そんな世界が欲しかった。 だからこそ、最後に回収したエンドはそんな感情に満ちていた自分にとどめを刺すにはあまりにも強すぎる衝撃でした。 どのエンドも、違ったホラーの種類なので飽きる事はなく。 一度手を出してしまえば全てを終えた後ですら心を奪われ、初蘭町へと旅立ってしまう。 好きなのに、関わらない事がお互いに一番幸せなのかもしれないというジレンマに悩まされつつもそこまで感情移入のできる素晴らしい作品を本当にありがとうございました。