ティラノゲームフェス2021参加作品
8621 のレビュー-
タイトル未定スッと頭に入ってくる巧みな文章力と構成で、あっという間に読了しました。 序盤から人魚というファンタジーな存在が登場するのですが、作者さんの筆力ゆえかさほど違和感なく呑み込めました。 日常会話、情景描写などの文章から、自分がその場にいるような臨場感を味わう事が出来ました。すべての描写が自然で、久々に帰省したことによる後ろめたさだったり、兄弟同士のぎこちなさだったり、空気感の表現力の高さに目を見張りました。とにかく文章力がすごい…。 @ネタバレ開始 主人公の衣織くんの言動から少し乱雑な印象を受けていたため、物語の序盤は「本当に教師に向いてるのか?」という失礼な感想を抱いていました。 しかし、なんだかんだ家族のことを深く理解し気にかけたり、自分の立場を顧みることなく見ず知らずの少年を助けるなど、心根は優しい青年なのだと理解することが出来ました。 人魚が見えること、弟とのぎくしゃくした関係、少年を助けたこと、登場人物たちの夢、ばらばらに思えたこれらのエピソードが終局に向かうにつれて一つになる感覚…。とても感動しました。そして一切の無駄がない描写に小気味よささえ感じました。 「ウザがられるだろうけど、とりあえず構ってやろう!」という謎の発想により、じゃんじゃん春樹くんに話しかける選択肢を選んだのですが、どうやら正解だったようで安心しました笑 なんだかんだお兄ちゃん大好きな春樹くんかわいいね…。 @ネタバレ終了 面白かった上に、勉強になる部分も多くある作品でした。楽しかったです。ありがとうございました!
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AMN(N)ESIA世界観が魅力的で、夢中になってプレイしました。グラフィックも、出てくる小道具も、全部オシャレです……!囚われたユニコーンやピアノホール、時計塔等、モチーフがことごとくツボにはまりました。色々見ているだけでも楽しかったです。 また、謎解きのギミックパターンが豊富で、その面でも面白かったです!現段階で解けるかどうかを教えてくれるヒントには、かなり助けられました。また、役目を終えたアイテムは自然に消滅し、タップしても反応しなくなるので、考えやすかったです。答えが分かったときの爽快感は格別でした! @ネタバレ開始 Todayのところで、ゲーム中の日付を探して彷徨いました。そこだけは攻略を頼ってしまい、悔しかったです。 解決編の犯人がまさかあの人とは……!驚かされました。 今回、人とプレイしたので、バッジは取得できなかったのですが、誰かとワイワイしながらプレイするのも楽しいゲームだと思いました。 @ネタバレ終了 前編も解決編も、ラストの演出が美しくて、プレイ後の満足感が高かったです……!タイトルの意味も、「そういうことだったのか!」となりました。 素敵な体験をありがとうございました!
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メロンソーダになりたいと聞いている小さい頃に自分も話に聞くところによると似たような将来の夢を抱いていたようなのでついプレイしてみました。結果は紅茶でした。 話の内容もさることながら、飲み物の立場になって飲まれている時限定の物語が挿入され、とても斬新です。
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けもみみユーフォリア~complete!!~けもみみユーフォリア、プレイさせていただきました。 美麗かつ優しいタッチのイラストと優しい世界観、ストーリーも口当たりが良く、万人にお勧めできる作品だと思います。 主人公ちゃんが驚いたときに「メエメエ」と鳴くのがとてもかわいいです。 個人的に推しているキャラたちを描かせていただきました。 素敵な作品をありがとうございました!
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Comme des Macarons唯一無二の作者さんの色鉛筆タッチの可愛らしいイラスト群と猟奇ホラー!カニバリズム!のキーワードのギャップが人目を引く作品です。 プレイ中もマカロンちゃんとのほんわかした会話を続けたい一方で、賞味期限内に食べないと腐ってしまうというプレッシャーに苛まれます。可愛さ全開の絵柄ならではの痛々しさが尋常じゃないです。特に4日目くらいが痛々しすぎて精神がえぐられるレベルでした。 丁寧な攻略サイトのおかげで迷わずに各エンドを拝見できましたが、徐々に露わになるストーリーの真相には随分と引き込まれました。 @ネタバレ開始 子どもの頃の言動は思い返して後悔することも多々ありますし、結構残酷なことをしてたりしますからね。。前向きな形で過去に決着をつけるエンドで随分と救われました。 @ネタバレ終了 おまけ要素なども充実していて大満足でした!
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終末兄妹とっても素敵な雰囲気をまとった作品でした。 廃墟と化した世界の緻密に書き込まれた背景と、 たった二人しか存在しない兄妹の空気感が非常にマッチしておりました。 世界設定や二人のその後に想像を持たせたまま終わる余韻も素晴らしいです。 音楽も作品にピッタリだと思ったら本作でも作曲までされているのも凄いです。
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警笛と魔笛の境界<はざま>でサスペンス要素のとても強い作品でした。 短いながらも2時間ドラマ的な硬派な雰囲気を感じました。 展開かテキストかその両方か、説明できない魅力を感じて食い入るようにプレイしました。 夜の踏切のモチーフはイメージとしても演出としても非常に効果的だったと思います。 カンカンカンカンという誰もが想像できて微妙に不吉な情景が脳裏に浮かびます。
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黒妖精の招待状とても引き込まれる作品で、読後感も良く面白かったです。 短い作品ではありますが、起承転結や主人公の成長などを十分に感じました。 主人公「みゆき」の描き方が等身大だなぁと思いました。 感情移入できる範囲の性格の良さというか現実的な思考というか。 童話のようなメルヘン、ファンタジーを感じる作品でした。
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表彰プログラムを奪われた彼の運命は⁉『戦え!ゲーム実況者!』ゲーム実況者が主人公のメタネタが多めのポップで明るいコメディゲ―でした。 あらすじやタイトルで興味を持った人はプレイしてまず楽しめるかと思います! ゲーム実況関連のネタも多めですが、マニアックすぎず誰でも広く楽しめるはず! 背景・BGM・演出などいずれも凝っており、サクサクとテンポ良く進む展開も楽しめました。 @ネタバレ開始 たくさんのネタの中でもおくすりのめたね♪で吹きました。 @ネタバレ終了
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失落園で朝食を(ディープ版)官能的というか背徳的というか耽美的というか、 なかなかどのように表現すべきかが難しい作品ですが、 何とも言えない魅力のあるストーリーでした。 説明しすぎないシナリオと珍しい構図も多い豊富なカット、 とても印象的なエンディング演出などいずれも良かったです。 グラフィックやテキストのトータルとしての表現力の高さを感じました。 ちなみに私はもっとディープでもまだまだ大丈夫です!!(強がり)
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星を待つ片月2周目で真実が明らかになりますので2周プレイは必須です! なんとなくの違和感はプレイ中にも感じていたものの、 そういうストーリーだったのかと思うとただただ切ないですね。。 @ネタバレ開始 世界が反転するのに近い印象を味わえて楽しかったです。 @ネタバレ終了
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2つの心高尚ともいえるテイストを感じる作品で、唯一無二の魅力を感じました。 朗読という珍しい形でのボイス入りでしたが、 落ち着いた確かな語り口が作品の雰囲気づくりに大きく寄与していると思います。 ストーリーは!!!と驚きつつも、不思議と心底納得のいく展開でした。 奇遇な出会いを果たす2人のとても近い心の距離、愛情に心を打たれました。
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盤上のきせき FirstEditionアニメか!というくらいのグラフィック量にとにかく圧倒されました。 カット数が滅茶苦茶多く、スピード感のある演出も多々あって凄い力作です。 バトルシーンのグラフィックは迫力満点で画力の高さをひしひしと感じました! 物語は異世界転生モノに近いバトルものといった感じでしょうか。 ストーリーはまだまだ始まったばかりで、今後の展開もとても楽しみです! タイトル画面の玉座に座るキャラクターとのバディものとしても楽しめそうです。 ちなみに終盤くらいからBGMがかっこ良すぎてそれも痺れました。
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ごーすとあいどる!非常にキャッチ―なタイトル画面に惹かれてプレイしました。 自己への理想と現実の差異に悩む主人公の葛藤が分かりやすく表現されていました。 主人公がどのように気持ちに整理をつけるかによって結末が大きく変わりますが、 その振れ幅の大きさが非常に大きいため、かなり限界だったんだなぁと感じました。 かなり大きめに表示されるキャラクターのイラストが可愛らしかったです!
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黒い獣と契約の夜開始10秒で●●●●●●になるなんて思わなかった。から始まる、フルボッコバッドエンドの予告にも「バッドエンド回収界のエースとまで言われた私には、むしろオールレンジバッドエンドも任せろ!!」と最早言っていることが意味不明なくらいの気概とともに、必ずやバッドエンドから立ち上がり最後まで見届ける誓いを交わし「はいはいはい」と選んで、物語へと突入です! 事前にED数24との情報は得ていたので、どっしりと腰を据えてプレイしましたが、TRUEまで終わってみたら…かなりの時間をプレイしていたように思うのに、あっという間という感じでもありました。 物語の緩急が素晴らしく、バッドエンドを回収しつつも物語が進むにつれて徐々に明かされていく真相に、TRUE ENDまでノンストップとなりました。 厚塗り系の超美麗なグラフィックに眼福~と拝みつつ、バッドエンドオンパレードに目が行きがちだったのですがクロさんが出てきた当たりで物語にグッと焦点が合わせられて、バッドエンド攻略から物語へと意識がシフトしました。 @ネタバレ開始 私は基本的にセーブスロットを大体3つくらいまでで終わらせることが多いのですが、分岐(バッドエンド)の多さもあり、かなり久しぶりに上から下まで埋めることになりました。 1日~3日目のあたりでバッドエンドの半数以上が集中していたこともあるかと思うのですが、途中で管理が行き届かなくなり「どのセーブがどの時点のものだったかしら?」と頭を捻ることになりました(笑) 横から「はい、失礼しまーす」と現れるあの子に幾度となくバッドエンドされながらも、クロさんに会えた時は「ようやくTLでよくお見かけしていたクロさんに会えたよ!!会いたかった!!」と喜び、しかし喜んだのも束の間、クロさんに怒涛の飴漬けにされてイヒイヒしたりする羽目になるとは(涙) 同じくTLでお見かけしていたシロさんはいずこぞと焦がれつつバッドエンドをちこちこ集めていたら、ようやくお会いできました。 アッ…!!!! シロさん、カッコイイ…!! (苦労の末にお会いできたので感動もひとしお) シロさんもストーリーに無事にご登場なさってから、物語がどんどん加速していき、「アエアアア~~!!!」みたいな頭のおかしい叫びしか出ないそれぞれのキャラクターの持つ深い魅力や内面に心が溶かさました。 シロさんエンドもクロさんエンドも、どちらも心にグサッときていて心のダムが決壊しているうちにTRUEに辿り着き、これ以上ない衝撃を受けてダムが決壊とかもうそういうレベルではなかったです。 「皺が似合っている」という言葉の意味がそういうことだったかと理解できた後はほろ苦い現実も、よりあたたかくやさしく感じられました。 自分が生きている世界を俯瞰で見渡したくなりました。 今この瞬間も、私がこのゲームをしている瞬間も、生まれる命と死にゆく命が等しくある現実がサッと脳へ走りました。 人の人生は短い分濃いというのがよくよく聞かれる言葉ですが、寿命があるからこそ死までの道程をどのように生きるかはその人にしか分からないことで、その人がこうだと自ら決めて歩んだ人生はすべてTRUEに違いないと、そんなことも思いました。 スチルがどれも超美麗、どうやったらこんな美しい絵が描けるのか…!!とどのスチルもうっとりしながら眺めていました。 特にTRUEのスチルはもう神々しいまでに美しかったです…!! シロさんもクロさんも美しすぎて、ずっと見ていられました。 @ネタバレ終了 美ホラーADVということで、ホラー成分に身構えていましたが私はそんなに怖いとは思わず、むしろすべてのバッドエンドの先にある結末に涙が止まらない、心に衝撃を与えてくれる物語でした。 これからプレイされる方には是非、バッドエンドの多さに負けないでTRUEまで見てほしいです。 素敵な作品をありがとうございました!
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6月のマリッジブルーモラルが完全に崩壊しているなんとも強烈なお話でしたが、 当事者であればそう思うだろうなという説得力めいたものがあり、 登場キャラの言動は特に抵抗なくすっと理解できました。 振り返ってみると超純愛ラブストーリーといった趣です。 各EDの分岐と展開、一枚絵がとても美しかったです。 攻略サイトや人物紹介などが充実しているのも嬉しいです。
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ワイの名は。一瞬でプレイできるカオスゲーでした。 スチル2枚とタイトルから某有名作のパロディと思いましたが全然違いました。 見どころ(聴きどころ)はエンディング曲ですね。頭から離れないっす。
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イマジナリーフレンドトゥルーエンド到達推奨!と冒頭から打ちたくなる、トゥルーエンドこそが本作の辿り着くべき未来だと感じられる秀逸な結びを持つ作品でした。 イマジナリーフレンドという言葉自体、おそらくあまり知られておらず「イマジナリーフレンドとはなんぞや?」という方も多いかと思いますが、小難しい話は脇に置いておいて物語をありのまま感じてほしいです。 @ネタバレ開始 「あ、これただのイマジナリーフレンドじゃないな?」と思ったのが、告白をどうするかのあの断り文句でした。 少なくとも私の知っているイマジナリーフレンドとは違う~と「なんか怪しいぞ、アサトくん…」と疑いつつ、この後バッドエンドかなと思いながらそちらの選択肢を選んだら、見事にバッドエンドでした…(知ってた) 一番初めにバッドエンドを見たので、あとはもう後味の悪いのはないよね!と進めて、ノーマル→トゥルーに辿り着きました。 トゥルーエンドは見てよかったなと本当にしみじみと思いました。 すべての謎が解けるのももちろん良かったのですが、アサトくんも一緒に救われのが嬉しかったです。 成瀬くんの体を借りて生前にはできなかったことをするアサトくんの喜びっぷりが可愛らしく、成瀬くんグッジョブでした。 たとえ赤点地獄の頭でもこういう人間としてのやさしさを持てる子は、点数をつけられない素晴らしさがあると思いました(褒めてます) サブエピソードの人間性マイナス5000兆点のクソ男は、とりあえず屋上から投げ捨てておきます。 月城さんに60点だの80点だのとのたまうシャドーマンよ、木に引っかかることを祈れ…!! いざ、ポーイ!! ……という気持ちになりながら、彼女からの視点の物語も楽しませていただきました。 成瀬くんには是非、月城さんのお気持ちに気づいていただきたく…! @ネタバレ終了 今からプレイされる方にはエンドクレジットまですべて見てほしい、心温まるお話です。 素敵な作品をありがとうございました! それでは、皆さんもご一緒に! 靭帯張り裂けズッキーニ☆
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SAMARITAN LAWS シーズン1「いなごの群れ」ハードボイルド&ミリタリーな雰囲気から始まる公安警察ものということで、ワクワクしながら読みました。 話が一区切りつくところで必ずセーブなどを促す画面が出てくるので、セーブし忘れることがなかったです。 物語の合間に訪れることが可能なピースファウンテンへの寄り道など、細かいところまで作り込まれていて作品への愛をたくさん感じました。 今回は、椿姫さんのお話ということで、これから先のシーズンで今回出てきた子たちそれぞれの個別のお話もあるのかな?と楽しみにしています。 スチルに迫力があり、ダークな雰囲気と相まって疾走感と臨場感が加速しまくりでした。 @ネタバレ開始 胡蝶さんの十字架アタックが素敵でした。 ストーカーの盗撮から発端した一連の事件に苦しみ、自分は世界に受け入れられないと感じていた椿姫さんに「あなたはどこにでもいる女の子だよ」と抱きしめてあげた胡蝶さんがとても好きでした。 誰か一人でいいから自分のことを本当に理解して寄りそってくれる人がいるというのは、本当に素晴らしいことだと改めて感じました。 @ネタバレ終了 疾走感あるシナリオと個性的なキャラクター、しっかりと作り込まれたキャラのバックグラウンドがとても面白い物語でした。 素敵な作品をありがとうございました!
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ERrArタイムリープマシンを使いエラーとなった人たちと交流し、エラー・キラーと呼ばれるエラーの人たちを殺めていく謎の存在についても探っていく、幻想的な物語でした。 線画のないイラストが美しく、個性的なキャラクターたちと世界観が素敵です。 @ネタバレ開始 終わりはいわゆるハッピーエンドというわけにはいかず、朝霧の中に消えていった影に思いを馳せるような余韻を残して終わる物語に、色々と考えさせられるものがありました。 物語で仲良くなった人、あるいはあまりならなかった人も次から次に亡くなっていくので、残される側の主人公としてはどういう気持ちなのだろうと考えながらのプレイでした。 特にザフィッシュさんとは毎日のように会話していたので、どうだったのかなと…。 スチルはエラー・キラーさんが現れたものと、ザフィッシュさんたちのものとが見られたので上手く条件を満たせたかな?と思いつつ、眼福でした。 @ネタバレ終了 管を繋いだエラーと呼ばれる人たちのデザインが面白く、あたたかみのあるグラフィックと相まって、全体として絵本を見ているような気持ちにもなりました。 素敵な作品をありがとうございました!