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ティラノゲームフェス2023参加作品

11278 のレビュー
  • 博士はすべてを終わらせることにした
    博士はすべてを終わらせることにした
    大好きなディストピアSF的なあらすじを見掛けて喜び勇んでプレイしました。フルコンプまでのめりこむ様にプレイしました(分岐が分かりやすいのでありがたかったです)! サムネをご覧の通り博士と助手のキャラクターグラフィックがとても綺麗です。重厚なSF設定ももちろんですが、冒頭からラストまでのこの2人の関係性の変化もとても楽しめました。優秀な博士と助手のアンドロイドらしい、少し浮世離れした知的な会話もユーモラスで面白かったです。個人的に凄く良いと思ったのは冒頭の動画演出です。小さなことかもしれませんが、細かなところをしっかり作り込むと没入度が違うなぁと改めて思いました。内容や世界観ともマッチしていてプレイ開始直後から惹き込まれました。EDも凄く良かったので必聴です。とっても良かったのでコンプ後にロードしてもう1回聴きました。 最後に、タイトルがゲーム内容にピッタリで素晴らしいなぁ、と思います!
  • 無職ら~めん物語 カラシを呼ぶペペロンチーコの思い出づくり
    無職ら~めん物語 カラシを呼ぶペペロンチーコの思い出づくり
    過去作の続編ではありますが、今作から先にプレイしても問題なく楽しめるかと思います。毎度思うのですが、作者さんの実写ゲーでしか摂取できない栄養素があります。何かヤバいものでも入ってる?のではと思うほど中毒性が凄いです。散りばめられたネタの数々に今作も楽しませて頂きました。あとがきもメッチャ面白いので、必見です!
  • Goblin Arm Battle
    Goblin Arm Battle
    突然右手がゴブリンの手になってしまった主人公の悲喜こもごもストーリーです。選択肢により運命は様々な展開に分岐していくのですが、多くの場合で悲劇的な展開を見せる割には細かなセリフやグラフィックが面白く、思わずついつい笑ってしまいます。全ルート拝見しましたが、特に実家に電車で帰る展開がツボでやたら面白かったです。
  • 世界終末女子高生伝あーちゃん!
    世界終末女子高生伝あーちゃん!
    メチャクチャスピード感があり、迫力満点のゲームでした。プレイ時間に比してグラフィック素材がたくさん表示されるので、とてもテンポ良く、かつ豪華な印象を受けました。クリア後のおまけも充実していて嬉しかったです。 頭を空っぽにして楽しめるので、気分が落ち込んでいる時に遊ぶのも良いかもしれません!
  • 魔物とLOVE ~3分で人外と恋に堕ちる~
    魔物とLOVE ~3分で人外と恋に堕ちる~
    記憶を消す旅をクリアしたらこちらもプレイしようと思ってました。結構時間が経ってからのプレイとなってしまいましたが、みっちり楽しませていただきました! 全エンディングと全CGをコンプリートして、1時間程遊ばせていただいたと思います。 @ネタバレ開始 まずは鳥人ホークさんから。 主人公の名前を「鳥ピウイ」にしてプレイしたので「カッケー名前だな」と褒めてもらった時に「そりゃあなたから見てもそうでしょうね!」と意図せず笑いました。 ハゲカッコイイで笑った後、まさかの性別に驚きました。 人間バージョンでは超イケメン女子からの壁ドンが最高でしたし、その姿のまま空を飛んでいたのがシュールでした。 ポークさん。 チョロ可愛い。ポークカツは美味しいから仕方がないね!笑 人間バージョンはそのまんますぎて爆笑してしまいました。すみません!笑 ごほうびCGがちゃんとセクシーで作者様の圧倒的画力を感じました。 記憶を消す旅でも印象的だったアイギスさん。 最初の2人が結構シュールな感じだったので王道乙女ゲ―っぽさもあるなと思ったら、脳筋なところはしっかりと魔物で笑いました。 魔物それぞれに色んな価値観があって面白いですね。 ウルフくん。 おめめキラキラで可愛い!もふもふでムキムキで心根が優しいとか最高じゃないか! あぁ〜、この子誉めまくりたい!でっかいワンちゃん誉めまくりたい!(オオカミだよ) アロウズ様のこともちゃんと見てるし、すごくいい子!アロウズ様(謎の声)もとてもいい人! 世紀末ヒャッハーな格好も結構似合ってて笑いました。形から入るのもいいかもしれない。 人間バージョンはやはりピュアそうな青年。デートも楽しめましたし念願のもふもふもできてよかったです! でもウルフくんは獣人バージョン推しかな。(犬好き) アロウズさん。 紳士で賢くてかっこよくて尊敬できるのに、ついついからかいたくなってしまう。そんな不思議な魅力がありますね。 自分の劣等感をバネに知性を身につけて魔物達をまとめあげている、中々できるものではないしかなりすごいことだと思います。 アロウズさんとウルフくんは内面が人間に近い部分もあり、シリアス要素も楽しめました。 人間バージョンは記憶を消す旅でも見ましたがかなりの美形ですね! エイルくん。 人間がめちゃくちゃできている11歳!16歳になって会いに来てくれたら更にイケメンに! きっとモテるんだろうなと思いましたが、主人公に会いに来てくれた。ハッピーハッピーハッピー!(猫ミーム) エンドロールではスペシャルサンクスに名前が載る仕様なのが嬉しくなりました。 @ネタバレ終了 サクッと楽しめるのに、かなり作り込みがしっかりしている。そんなすごい作品でした! 素敵なゲームをありがとうございました!
  • 襖の迷宮
    襖の迷宮
    バーチャルフェスで気になったのでプレイさせていただきました! @ネタバレ開始 まさかの最短トゥルー→バッド→ノーマルの順番でエンディングを見ることができました。 歴史は江戸時代までさかのぼり、現代では住所が存在しない場所。そう聞くとなんだかワクワクして肝試しに行きたくなってしまう気持ちもわかります。 しかしいざ到着して中に入ってみたら、阿鼻叫喚なとんでもなく恐ろしい場所でした。もうずっとビビってました。めちゃくちゃ怖かったです。(誉めてます) 化け物達がかなり気持ち悪くて、作者さんのいかに怖く見せるかというサービス精神や作画クオリティにものすごい気合を感じました。 バーチャルフェスで主人公が持っていた化け物もかなりインパクトがありましたが、でっかい目にカニ足のやつと、お面に内蔵の体のやつが相当に気持ち悪くて、出てきた瞬間「うわぁー、キモッ!」と実際に声をあげてしまった程です。 私はチキンなんでエンカウントするたびにビビってました。笑 (そしてロード) 脱出ゲームってイキった奴が真っ先にやられてしまうことも多いイメージなので、黒部がそのポジションになってしまうのかなと思っていたらしょっぱなからいい意味で予想を裏切られました。 データキャラ肝座り面白メガネ根暗(推しキャラです)を筆頭にひとりずついなくなってしまった…。プレイ前にグロいとは聞いていましたが、確かに! (ド頻尿な私はみんなトイレ大丈夫かなぁとかあらぬ心配をしていましたが、こんな恐ろしい場所にいたら恐怖と疲労がヤバくて尿意どころではないですね。ヒィィ!) 探索パートはみらいちゃんのメモを手に入れるまでが中々大変でしたが、手に入れてからは即行スマホで写真を撮りました。 みらいちゃんありがとう…!本当にありがとう!マジでありがとう!あの地図がなければ絶対にクリアできなかった…! ストーリーも最初から最後までとても面白かったです。 小夜ちゃんの力の話も最古で平安時代までさかのぼっていたのがすごかったですし、お守りの話や助けてもらった後のお別れのシーンはジーンとしました。 EDで皆の日常シーンを眺めつつ、亡くなってしまった皆のご冥福をお祈りします。 (まりなちゃんのセクシーボディが素晴らしい) @ネタバレ終了 素敵なゲームをありがとうございました!
  • じみにしじみ
    じみにしじみ
    絵に惹かれてプレイしたんですが、内容もとても面白かったです!! 悲惨な目にあっているはずなのに、終始ノリが軽くて笑いっぱなしでした。 @ネタバレ開始 初見はアイスを愛すで世界を滅亡させてしまって爆笑しました笑 ほんの出来心だったんです… しかし思わぬ形で氷神様の願いを叶えてしまいましたね! その後は何度も封印に失敗しながら、なんとか全エンドを回収できました。 どれを選んだら好感度が上がるのか、予想ができたりできなかったりして楽しかったです! 氷神さま、あんななりして雪かき早いのは意外でした。 隠しキャラのオルニチンとしじみちゃん様もいいキャラしてました! うっせえわで神様は封印できるんですね…しかしあれを数日で歌えるようになった主人公すごい…! 大団円エンドが好きです!が、アイスを愛すエンドも捨てがたいです…(?) @ネタバレ終了 プロモカードもありがとうございました!
  • 〇マルみえ!やきにくおーこく!2 -トリあえずご賞味あれ♬-
    〇マルみえ!やきにくおーこく!2 -トリあえずご賞味あれ♬-
    メイドさんのキャラデザがとってもかわいくて好み&焼肉も大好物なのでプレイさせていただきました! @ネタバレ開始 メガネを外すってどういう意味かなと思ったら…そういうことか!笑 こんなんシュールすぎて絶対笑っちゃう!声優さんの名演技、ご本人もとても楽しかったと思います。笑 これはこれで超可愛いです!体を張って自分の美味しさを紹介してくれるニワトリちゃんが健気すぎます。 ちゃんと水着も着てるのがいいですね。ママもエプロンつけてるし。 @ネタバレ終了 三重県松阪市に行きたくなりましたし、お肉も食べたくなりました。 というか松阪市の公式ホームページにこのゲームを置いても良いのでは…!?笑 よだれ鶏(どり)という料理がありますが、お腹が空いてまさによだれ鳥ピウイ状態でした。(汚い) 素敵なゲームをありがとうございました!
  • 0時のアラビアンナイト
    0時のアラビアンナイト
    マーダーミステリーといジャンルは多分初めてだったと思います。 主人公を女性3人の中から選び、そろぞれの生い立ちなどを聞いてミッションをクリアする。 持ち物を交換したり情報を聞き出したり。 楽しんで推理できました。 特に難しくなく、サクッとプレイできてよかったです(^^)
  • 因果律 Inside The Memory
    因果律 Inside The Memory
    前作は未プレイでしたが最初から最後までとても楽しくプレイできましたし、6種のエンディングを全部見ることが出来ました。 作り込みが細かく探索も面白くて、次々と真相が明らかになっていくストーリーも面白かったです。 キャラクター達もすごく滑らかに動いていて驚きました。 @ネタバレ開始 俊介くんが肩を抑えるクセは何の伏線かなとか、龍馬さんはただのフリーターじゃなさそうだなとか、澪さんが怪しそうだなとか…色々考えながらお話を読み進めていって、予想が当たったり外れたりしながら真実が明らかになっていく。 まさにミステリーの醍醐味を味わえました! また私が個人的にすごいなと思ったのは、作者さんの性癖要素をかなりナチュラルな形でストーリーに落とし込んでいた技術です。 もちろん性癖を全面に押し出した作品も大好物ですし私自身もそういった作風ですが、BLや鈴での催眠など作り手の性癖を感じる要素がストーリーの中で理由のある大事な役割としてさりげない形で取りこまれていて上手いなと思いました。 そしてさりげないといってもその辺りのCGにはかなり熱と気合が入っていたように感じましたし、出すところは出す!引っ込めるところは引っ込める!といったコントロール具合といいますか…すみません!ちょっと自分が何を言っているのかわからなくなってきました!笑 お気を悪くされたらすみません! ラストで真の黒幕が二段構えというのも面白かったですし、髪を切った澪さんが駆けつけて助けてくれた展開はとても熱かったです! 綺麗なオッドアイ、自信を持って下さい。ようやく分かり合えた兄妹同士でこのまま幸せに暮らしてほしいです。 @ネタバレ終了 素敵なゲームをありがとうございました!
  • 〇マルみえ!やきにくおーこく!2 -トリあえずご賞味あれ♬-
    〇マルみえ!やきにくおーこく!2 -トリあえずご賞味あれ♬-
    なんかスッゴいゲームでしたw 何が凄いのか上手く言えませんがとてもユルくて良かったです! 松阪は美味しそう!ありがとう!スキ!
  • n回目の一瀬
    n回目の一瀬
    かわいくておしゃれな絵に惹かれてプレイしました。 @ネタバレ開始 告白回数が増えていくけど、状況があまり変わっていないような…?と思っていたら、そういうことだったんですね! 言われてみたらメッセージウィンドウのイラストも状況によって変わっていて、細かいです…! 犬のぬいぐるみもとってもかわいかったです。 肝心の本番がうまくいってないのもちょっとほほえましかったです。 最初の頃から、それちょっと引かれないか…!?と不安になっていたところもあったんですが、先輩が気にしてなさそうだから安心ですね!(?) ただ、合鍵はやりすぎだと思います!笑 @ネタバレ終了 素敵な作品とカードをありがとうございました!
  • 就労!アクマ・デ・カンパニー
    就労!アクマ・デ・カンパニー
    アットホームな職場と聞いてアクマ・デ・カンパニー入社しました。 UI・演出・キャラデザどれもが高水準。主人公が男女で選択できるのも嬉しい。気軽にサクッと遊べる為、楽しくフルコンプできました。 @ネタバレ開始 新人の我儘を優しく聞いてくれる社長に「あれ……意外といい人……?」と一瞬思いましたが工場の仕事も大概アレだし、主力商品もアレだし、普通に悪い人でした。 行動力の鬼である主人公のお陰で不運続きだったガルー君もようやく幸せを掴めそうでほっこり。オマケエピソードでまさかの社長来店にビビりましたが、主人公仕事が出来過ぎる。主人公(女)だとガルー君を尻に敷いてる感が強くてニヤニヤ見守ってしまいました。カツサンド攻防しながら平和に暮らしてくれ……。 @ネタバレ終了 楽しい作品をありがとうございました!
  • お料理革命C.C.C
    お料理革命C.C.C
    たくさんの種類の料理をつくれて飽きないうえに、ストーリーで心を温めてくれる素晴らしいゲーム。 無機質でレトロなドット絵が、どことなく昔を思い起こさせ、懐かしくもなります。
  • 2人を結ぶ青
    2人を結ぶ青
    『見えない何か』にじわじわ追い詰められるヒナちゃんが、心配でならなかったのですが、そのときに出会ったナミちゃんと交流を深めていく様子が微笑ましかったです。 ヒナちゃんが疲れ切っているときは、せめてこの2人の空気が壊れないでいてほしい、と願いながらプレイしました。 @ネタバレ開始 なのでエンド1~5は痛ましかったですが、 そのぶん6でこちらの気持ちまで救われました。 2人とも、相手が特別な存在。 より依存していたのは、もしかしてナミちゃんのほうだったのかな、と。 でもちゃんと泣けて、そのあと笑顔になってくれてホッとしました。 先生の言うとおり、支え合って幸せになってほしい、と思います。 @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございました。
  • 欠番9号
    欠番9号
    演出もストーリーもゲームシステムも凄い作品でした……! @ネタバレ開始 プレイヤーである「彼女の世界をなにもしらない」私たちが会いに行くというのも 名前を入力して、広がる会話であの世界やエテルノちゃんたちを理解するというゲームシステムが斬新です 注意画面が不穏さを増すのにゾクゾクして、でもそれも進めると読めない文字が1つずつ明かされていくんですよね、全部知りたい!と思って一気に読み進めました。 (最初に廃棄は決定してる文があったので、そんな!平和な道がないかな…とあれこれ入力しまくって刺激しまくってごめん……) 最後は処分という悲しい結末じゃなくて。行きたいと願った海で看取るラストで美しかったです……切ない…… @ネタバレ終了 心に残る素敵な作品ありがとうございました!
  • 旧夏夜
    旧夏夜
    不思議な世界観と魅力的な絵に圧倒されてたら突然ドストライクなキャラがあらわれて…たいへんです…… @ネタバレ開始 フォスターさんのことなんですけれど!!!?!?えっ!!?ちょっと好みすぎて初めて出くわしたときに震える手でセーブしました。いつでも出会えるように…… 占い師!ちょっと崩した着方!意味深な発言とちょっとうさんくさそうな振る舞い!探偵!!?!?あっ全部好き~~~!!どこ住み!?てかLINEやってる!!!?!? あの、もしや糸目の方でいらっしゃるのでしょうか… 序盤の選択肢でまさかあっさりしぬとは思わず…ww親方!空から主人公が!!あー親方まっていかないで助けてー!! 緑輝さんの腕のごつさ…甘鷺ちゃんかわいい笑顔…夏星くんは頼りになるしジョウくんは過去になにかがありそうでもっと彼らのことを知りたくなりますね… 主人公の出自も色々と謎ですし、続編がでるのでしたらぜひプレイしたいです! @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございました!
  • Ĉi tio estas…-人間改良計画-
    Ĉi tio estas…-人間改良計画-
    資料を見てハンコをお好きにポンポンポンで人類改良完了!! お仕事は簡単なのに責任が重大すぎるディストピア系新人間選択ADVノベル。 職員さんがとっても可愛い事だけが癒しでした……。 @ネタバレ開始 一番最初は資料のどれもが不穏に感じ結局どれも押せずにエンドを迎えてしまいました。さすがに日和りすぎたと猫ちゃん的なのに集中してハンコ押したら可愛すぎるエンドを迎えられて超ハッピーに。調子に乗ってポンポン押してたら黒スライムを量産する恐怖エンドになってしまいました……こんなはずじゃ……。 エンドごと全く違うお話が展開するので最後まで飽きずに楽しめました。 @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございました!
  • めでたしめでたしまで
    めでたしめでたしまで
    前向きな気持ちにさせてくれる、可愛くて温かい素敵な作品です! @ネタバレ開始 優しい雰囲気の可愛いイラストが物語にすごく合っていて素敵です! 背景もすごく可愛い! プレイヤーがゲームに介入する展開に驚きました! と思ったのですが、紹介文に書いてあった【謎を解き、猫を手助けしてあげよう!】って、そういうこと!?と気づき、もう……すごすぎです……。 先の気になるシナリオ&謎解きがすごく楽しくて、ずっとワクワクしながら進めていました。 謎解きパート中にもイラストがたくさんあって豪華すぎます……! 小物や背景もすごく可愛くて、辺りをぐるぐる回っているだけでもすごく幸せです! ステージ1の家の扉に動きがあったのもすごいです! 謎解きでつまずいてしまっても、丁寧なヒントがゲーム内にあり、親切な作りの作品だなあと感じました。 私には謎解きが難しかったのですが、ゲーム内のヒントだけで解けなかった場合でも、公式サイトに攻略方法を載せてくださっているため、大変助かりました。 UIもすごく可愛いです! メニュー画面や設定画面等、どこを見ても可愛いであふれています! タイトル画面で、現在本編内でメインになっているキャラの目が開いているという演出も素敵です! 演出がめちゃくちゃ上手くて感動しました……。 別のステージに行ってみることで解ける謎があったり、出ていってと言われたあとに本当に本編内から追い出されてロードボタン等が消えたり……発想が天才です……。 タイトルの意味を回収するところがすごく綺麗で感動しました……。 エンディングムービーもめっちゃ良かったです……! エンド後、タイトル画面であの子達の表情が変わっているのも良すぎです……。 もう少しこの作品に浸っていたいなと、クリア後にタイトル画面をクリックしたら、めちゃくちゃ素敵なおまけが現れてびっくりしました! 実際に物語が読めるところの最後のページに【つづく!】と書かれていて、すごく笑顔になりました! @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございました!
  • 常夜渡(とこよわたり)
    常夜渡(とこよわたり)
    感想が遅くなりましたが、配信にてプレイさせていただきました。 順番にされる怪談話を聞いていくというこの手のシチュが好きな者にはたまらない設定。 あらすじでも触れられている通り、全ての話が終わった後も絶対にそのまま終わるはずがないという期待感。 本筋となるであろう結末は予想を超えた内容で、そこへ至るまでの導線も巧いの一言でした。 @ネタバレ開始 確かに旧校舎ってそれだけで怪談向きの雰囲気はあるよねぇ…と物語が始まり。 何故学園祭の季節にわざわざ忍び込んだのかと思えば、クラスの出し物が怪談に関する物かと納得。 場所の雰囲気も相まってこのシチュに参加出来たら面白そうだなぁと怖い話が好きな者としては少し羨ましい気持ち半分、生存率を高めたいならやめておくべきという本能半分な状況。 シナリオ選択という事で、特にこだわりもなかったのでまずはナオキ君を選択。 ◇踏切下の秘密基地 話の内容としてはナオキ君が小学三年生時の体験談。 親戚の家に夏休みの一ヶ月だけお世話になる間経験した内容。 子供の目線らしい展開で、繁華街や商業施設がなくても楽しかったという点が遊びを自分達で見つける事ができる子供だからこそと思いますね。 何やら意味ありげな祠とその近くにある秘密基地での出来事。 恐らく、元々地面に穴があった場所に安全の為足場として鉄板を敷いただけの場所かな?と思いますが、子供はそういう所を遊び場にするのって好きだよね…と一緒にワクワクを共有する気持ちで読み進め。 夏休みという時間がたくさんある時期だからこそ、特に目的がなくとも仲間だけが知っている秘密の場所に集まってただ過ごすだけ。 それが本当に楽しいのもわかりますし自分も近所にそんな場所があったらな~と笑みが浮かびます。 夏休みが終わり、何故か従兄や友達にもう会えない予感がしたナオキ君。 怪談を持ち寄って話すという主旨上、もしかしてこの後に何かあるのでは?と心配になりましたが実際に数ヶ月、従兄は引っ越す事に。 ナオキ君は寺の息子という事ですが、従兄の家も寺とは限らないし親が普通の会社勤めなら転勤もありえるよね? 間違っても、何か事故とかご不幸が原因じゃないよね……?と不安はぬぐい切れず。 ただ、ナオキ君が後日談としてもそれ以上何も触れていないというのは何もなかったからと解釈したいな…とは思います。 話の続きは中学三年生の夏休みへ。 元々、規模の割に人がいなかった踏切もあの頃にあったのだろう工事が完成した事で利用する人も増えたのでしょう。 知っている景色とは変わってしまっても変わらない物もある。 あの時意味ありげに存在していた祠はそのままで、お供え物もされているという辺り手入れはされているのだなと。 当時の秘密基地は元々鉄板を置く事で一時的に怪我人が出ないよう塞いでいただけでしょうし、道路が整備されたとなればもう痕跡を探す方が難しいでしょう。 仕方なく祠の場所へ戻ってみれば、当時秘密基地の中で見た時と同じように視界の端で動く小さな物。 それを探してみれば出てきた紙箱? 内容としては、以前ナオキ君が一方通行で残した手紙への返事という時を超えて届いた物。 返事そのものはナオキ君からの手紙を見つけてから早期に書かれたとしてもその数ヶ月に従兄は引越しをしており、空箱を残しておく位置として第一に考えられるのは当時あった秘密基地の中でしょう。 友達が秘密基地がなくなる前に移動させた可能性はありますが、移動させるのが間に合わなかったりそもそも忘れている可能性も大いにありえる。 何にしてもこんなタイミングよく見つかるなんて…偶然で片づけるには奇妙な物ですね。 そしてようやく判明した、視界の端で動く何かの正体。 祠に書かれていた、一番最初の文字の通りその正体は白い『鼠』だった。 …鼠を祀る?一体どんな神様を対象としているのだろうと気になったのでここは後日調べてみました。 鼠は縁起物としては『子孫繁栄』や『商売繫盛』の意味を持つ。 神に関する物としては、「大黒天」は北方の神であり、北は干支で子になるので大黒天の神使は鼠とされた。 もしくは「大国主命」は鼠に救われたという神話から同じく神使が鼠とされている。 そして、個人的に決定的と思った部分として。 ナオキ君の行っていた『北原町』も恐らく市内では名前の通り北にありそこから鼠を祀っていたのではないか? じゃあ、手紙を受け取る事ができたのも結果的には神様のおかげなのでは…!? 何かの正体が鼠であり、何故か鼠の文字が祠にあった。 これだけでも話としては不思議な事もあるんだな…だけど、なるほど。 となりましたが、ちゃんと理由としても裏があるという辺り作者様がいかに丁寧なストーリー制作をされたか?が窺えました。 ◇龍たる少女 あれ?初手に選んだのにナオキ君の名前が消えていない…。 もしかしてこのゲーム、同じ人に連続で話を聞けるって事か?と他にどんな持ちネタがあるか気になったので連続でナオキ君を指名。 今度もまたナオキ君の体験談であり、時期に関してはもっと昔の頃。 幼いナオキ君と一緒に遊んでくれた名前も知らないお姉さんとの思い出。 ここでも思わず子供あるあるというか、童心を思い出したというべきか。 子供にとっては遊び場になる場所があればそこまで遊具も必要ないし走り回れるだけの広さがあればいいよね~と。 不思議と飽きる事もなく、毎日同じ場所なのに楽しく遊べた物だよなぁ…と懐かしい気持ちになりました。 本題に入る前にもあった、市内でも一番大きいとされる治柳川。 確かに川だけならともかく合流点が見られるというなら珍しさもありますし、幼いナオキ君が面白がる気持ちもわかります。 しかし、まだ小学生になるかどうかの年でひらがなとカタカナはまだしも簡単という条件付きでも漢字が読めるとはナオキ君賢いな!? 地図を見て、自分の知っている場所を見つけたり川のうねりを蛇のようだと表現するのは微笑ましさがありますが。 『蛇じゃなくて、龍なんだよ』 治柳川を見つめる際、いつもの笑顔とは違い愁いのある表情を浮かべるお姉さん。 龍であると教えた事もですが、彼女とこの川には何か関係があるのか? そして、様子がおかしいお姉さんに声をかけたナオキ君へ逆に問われた言葉。 『君は、この街が好き?』 それに対するナオキ君の反応はとても素直な物に思いましたが、お姉さんはそれ以降姿を見せる事はなくなってしまった。 そして時は進み、かつてお姉さんからもらった栞を見つける事で再開する物語。 両親にお姉さんの事を聞いても知らないというおかしな反応。 倉庫をよく利用していたなら鍵を借りているはずなのに…と思うと名前はまだしも全く知らないのも変な話で。 当時の記憶を頼りに倉庫の中を探れば出てきたもう1枚の栞。 その栞が挟まっていただろう本の内容から、つまりこれは……。 地龍川という名前が治柳川になったのも、龍を制し治める事に成功した事が由来だろう事。 柳という文字は…もしかしたら人柱となったお姉さんの名前か、もしくは苗字に入っていたのではないかと推測しております。 現代と違い、まだ自然への対抗手段に乏しく生贄や人柱といった風習もあった事を想えば確かにこれはかつてあった出来事なのでしょう。 (現代でも、完全な自然への対抗手段があるとは言いませんが) それでも、結果として治水に成功しているという事は理由は不明でも結果的に効果があったとされるには充分かなと。 お姉さんが、この街が好きかを聞いた理由。 これを聞いた際、一体どんな気持ちだったのかと思うと何とも複雑な心境になりますね。 かつて自分を犠牲にしたような街を好きと言われたらどう思うのか。 それ以上に、自分が守った街が好かれていなかった方が悲しい事なのか。 どちらにしても、犠牲の上に成り立っているのならそれに対する敬意というか…忘れてはいけない事はありますね。 ◇瀬戸橋の大飢饉の話 そしてそのままナオキ君が最後の話をする流れへ。 瀬戸橋という場所に関する話として一番ふさわしいだろうという物? 学園祭の出し物という点では、地元に関する話の方が良さそうなのはわかりますが…大飢饉という不穏要素しかない言葉が。 瀬戸橋に住んでいれば小学校の際に郷土史としても学び、そうでなくても聞く機会の多いとされる話。 確かに、かつてあった災害に関する話は教訓も兼ねて語り継がれる物だからそれ自体に疑問はなかったのですが…原因等の具体的な内容は一切語り継がれていない? それでは今後の教訓にならないし、地元では知っていて当然の話について誰も詳細を知らないなんて不自然極まりない。 後に他の話の事を想うと、原因と被害はここで判明しますが それからの復興…この部分がかなりの厄ネタというか、個人的に一番タチの悪いエンドへ繋がっていたんだなぁと。 ナオキ君の実家である寺にある、何もかもが不明な屏風。 他に資料もなく、わかっている事はその美しさとおじいさんが教えてくれた情報のみ。 地元でも大きな寺という事で、ナオキ君の家に何かしら言い伝えがある事はわかるのですがそれを知っているのがおじいさんのみで地域のどこにも伝わっていない話という辺りあまり他言できない内容なのかな…とは察しました。 千年以上も大昔。 大陸からやってきたとある術者により様々な恩恵を受けた当時の瀬戸橋に住む人々。 術者が瀬戸橋から別の場所へ旅立った後にやってきた一組の男女によって引き起こされる悲劇。 生まれつき身体が弱く、長旅もあり衰弱した彼女の為に明らかに手を出してはいけないだろう丸薬を見つけてしまった男。 得体の知れない物に手を出すなんて、絶対良からぬ事しかないと思いますが…いざ当事者の立場となれば藁にも縋る思いで持ち出してしまうのもわからなくはありません。 本当に、それがただの万能薬なら良かったと言葉を添えながら。 神へ奉納する目的で作られた特別な供物に手を出す、これだけでもすでに禁忌に踏み込んだという意味で駄目な要素しかなく。 さらに人間に使う事を許されない…もしも使用すれば何が起きるのか? このゲームのタイトルにもある、とこよ(常世)というワード。 ここでの常世は死後の世界の意味合いの方で、話の中でも解説されている通りこの世とあの世を繋ぐ扉として少女を利用する事。 その際に起きる現象の説明が、今見るとなかなかえげつないなと思いますね…。 蛹化の時点で周囲の動植物から精気を、生命の根源となる力を吸い取り。 蒸散の段階に入ればそれまでに集めた気から錬成した力を開放し現世と常世を繋ぐ事ができる。 しかし、死者の国と繋がるという時点で本来扉の周囲はもう生きているものが存在できる場所ではないでしょう。 生命には致命的な毒素を周囲に拡散するというのも、開いた扉から死者の国の要素が流れ込んでいる事を意味するのなら当然の結果すぎます。 死者が現世にいる事はまだよくある話で大きなデメリットも存在しないとしても、生きている物が死後の世界に行く…適応できる要素なんてまずないでしょうから。 結果として、男が彼女の命を絶った事で最悪の事態こそ回避はできましたがそれでも本当に一番致命的なケースを回避できただけにすぎず。 偶然その土地に住んでいただけの、当時の瀬戸橋の住人には不幸な事ですがこれが大飢饉の理由という点には納得しました。 そして、ナオキ君がずっと魅入られている屏風に描かれた女性の正体。 それは蒸散直前の少女特有な、神秘的な美しさを描き残した物だった。 からの、怪談をする集まりも終わり後日談へ。 実家を抜け出してから5日目という部分に首を傾げつつ、彼女の方は…という記載に疑問が深まり。 え、カオリちゃん?丸薬を発見した…? 黙って、飲ませた……!? かつてあった大飢饉の再来…いや、今回は誰も止められないという点で世界規模の終わりとなるか…。 おじいちゃん、何でよりによってナオキ君に話してしまったの…。 好奇心は猫をも…どころじゃないエンドへ。 ◇市内調査バイト 一人に集中して話を聞けるなら次は上から順に、マイちゃんを選択。 こちらも初手は経験談としてバイトのお話のよう。 求人誌に出す程ではない、知り合い規模で募集しているバイト自体はまだよくある話と思いますがこれまた怪しさがいっぱい。 一人一回限定であり、終わったら誰かにバトンを渡さないといけない? まるで不幸の手紙とかチェーンメールのような…と思えばマイちゃんも同じ事を考えていた。 バイト内容も話を聞く限り別段難しそうでもなく、その割に少なくとも三万円とはやけに高額ではないか? 確かに短期間でお金を手に入れるには好都合かもしれませんが、私なら直感的に断りたい…と思うもマイちゃんは引き受ける流れ。 『たかがバイト、なんて思わずに、ちゃんと最後までやってね。 なるべく急いで、次の人を見つけるところまで、ね』 先輩からの注意というか警告は、確かにバイトでも仕事でありお金をもらう以上責任をもって行う事。 という一般的な意味合いにも感じましたが、後半からそれだけではない何かを感じるのは気のせいか…。 いざ届いた指示の書類も、場所とどこを撮影するかの指定は理解できますが時間や特定の道順を指示されるのは何やら不自然とか。 強いて言えばその時間特有の景色が必要だからと時間については理解できますが、何時から待機するだのって部分は本当に必要な事なのか。 そして休日に撮影へ動いたマイちゃん。 まずは時間指定のない橋脚からという事でいざ現場へ。 比較的新しく塗られたコンクリートの跡自体は補修とか何かしらまだ理由は想定できますが、足元に明らかにそういう意図で置かれているだろう花束は気味が悪いでしょうね。 もう1つの撮影場所である公園は人の影もあり子供も遊んでいる様子から普通の場所っぽい。 9月頃とはいえ、6時前になれば子供は帰っているでしょうし人の気配がないのはまぁおかしくないかなと。 夕方…というより、逢魔が時は魔物と遭遇する時間とも言うので後の会話から想定するにマイちゃんが感じた不気味さはそういった何かを直感的に察知したかもしれませんね。 成果物の提出と引継ぎを済ませ、後日届いたバイトの報酬。 どうやってその封筒が届いたのかはまだ想定できても、ならば何故切手が貼られていたのか。 実は撮影をした場所が以前に殺人事件のあった現場であり、怪異の出没情報が多い場所でもあったり。 さらに、マイちゃんが引き継ぎをした相手が姿を消した事は先輩からの警告を守れなかった場合に起きていた事で…? このレビューを書くまではその一択と思っていましたが、殺人事件のあった場所を指定…も大概ですが、わざと逢魔が時に怪異と遭遇しやすい条件として場所を指定された。 と考えると…もしかしたら、引き継ぎが見つからなかったのではなくそういった物と遭遇した方も捨てきれないなとなりました。 この話で一番闇が深いのは、何故かバイトの橋渡しを請け負っている友人でしょう。 案外、その子が黒だったりして…。 ◇結晶の街 正直、マイちゃんが夢の話をするというのは意外な印象でした。 初手の話や本編が始まる前のイメージからよくいる今時の女子高生(ギャル寄り)と思っていたので、失礼ながら結構ファンシーなんだな?と。 中学二年生、反抗期真っ只中らしい頃の事。 それ自体は誰しも通る道だよね~と思いましたが、夜10時帰宅は心配しかないから駄目だよ!?と結構マジレスな反応をしてしまいました。 そして問題の夢の中の話へ。 周囲の物が結晶のようなもので囲まれている何とも幻想的であろう世界。 この時の背景が淡い色合いで表現されていたのもあって、住宅街という現実でありそうな場所であってもやはりどこか不思議な場所と思わせてくれます。 街中に何個か点在する人間サイズの透明な結晶。 サイズ感もあり以前某アニメで見た、ダイヤにされた人間の成れの果てを連想しましたがまだ決めつけるには早い。 しばらく進み、公園の展望台まで到着するとここで初めてマイちゃん以外の人が登場。 彼女も同じく制服を着ていて年齢もマイちゃんと同じくらい。 そして、性格的にもきっと似た傾向な事も奇妙な一致。 第一声から、彼女がただの夢の中にいる架空の登場人物と表現するには不自然さを放っていて話を聞いてみれば連続でこの夢を見ているとの事。 目を覚まし、再び夢の中にいけばまるで前回の位置が再スタート地点としてセーブされていたようで。 彼女…スズキの言う通り本当にまた同じ場所で目を覚ますという事になった。 正直、あまり当たって欲しくない予想ではありましたが人間サイズの結晶はスズキの発言や状態から元は人間であろう事がほぼ確定。 3日目の時点でよく見ると結晶化が進行しているという事はあまり長居はできないでしょう。 海沿いにある光の柱らしき物のある場所へ。 いざ現地へ到着すれば子猫や小型犬サイズの結晶が光の柱を守るように蠢いており。 守っている=何か重要な場所なのは想定できますし、周囲にある動かずに転がっている大きな結晶が何かしらの末路を意味するなら安易には近づけない。 しかし、スズキは光の柱を目指していきマイちゃんはそれをアシストする結果へ。 「……また、あ………」 また、会おう? これまでの情報から、確かにスズキも実在の人物で偶然同じ夢の世界に囚われているのは想像できます。 だからこれ自体はもし現実で機会があればという事でそこまで疑問に思わなかったのですが…。 スズキを逃がす為、今度は自身がピンチに陥ったマイちゃん。 すると他に誰もいなかったと思いきや人の声にドラム缶の転がる音!? スズキと同じく、光の柱に飛び込んだマイちゃんが見たのはやはり自分たちと同じ位の年頃で制服を着た女の子。 「また、会おうね!」 これはその見知らぬ女の子が伝えた言葉だったのか。 何故か人類が共通した夢を見るとかいう都市伝説は聞いた事がありますが、特定の条件に該当する女の子だけが入る事のできる世界。 似た者同士だからマイちゃんは彼女たちに親近感なり懐かしい気持ちを持ったのか? 「夢で逢えたら、じゃなくて、夢で逢ったから、か」 この発想はなかったなぁというのと、もし今後また出会う事があれば…確かにロマンチックなお話ですね。 そして、結果として最終話のキーとなる言葉。 「それがずっと先でも、……あるいは、ずっと前でも」 いつか会うのなら未来の話では?と首を傾げつつ、そうくるのか!?となる最終話へ。 ◇前世の話 マイちゃんの最終話はどんなお話かと思えば、先程引っかかりをもった『ずっと前でも』を回収する前世の話へ。 重ね重ね失礼は承知ですが、マイちゃんの印象(1話目含む)からこういったファンシーだったりスピリチュアル系な物が出るのがやはり意外でした。 とはいえ、ナオキ君の時が経験談2連続かつ後者は過去にあっただろう生贄の話を絡めていたのでそこからやはり昔の話である大飢饉の真相へ繋がったと考えると語り手の傾向というか、2話目が最終話へ何かしら繋がる要素を持っているのは納得です。 叶わぬ恋の為に駆け落ちをした男女という所でナオキ君が語った最終話が頭をよぎり。 でも、瀬戸橋を治めていた一族の少年とあるので後の部分も含めあの男女とはまた別の話かと安堵したような何も良くないというべきなのか…。 そして駆け落ち相手の娘は亡くなり、地元である瀬戸橋も大飢饉の影響で知る者はもう残っていなかった事。 死を考えても、それでも愛した彼女が生まれ変わって自分を探せるように生きる事を選択したかつて少年だった彼。 …初見の時は、この後の展開(エンド名が出る段階まで含め)話の意味を理解できなかったのですが実は結構泥沼だと気づいたら喉笛がヒュッと鳴り。 まず、転生ができたとして記憶を全部持ちこせるか?も怪しいので覚えている事が断片的である事に何の疑問もありませんでした。 彼や彼の両親の名前。一緒に星を見たこと。二人で駆け落ちしたこと。 これは駆け落ち相手である彼女なら知っている事でしょうし、死ぬ前に言っていた公園で流れ星にした願い事が叶ったのだろうと何も疑いませんでした。 だけどもし、今目の前にいる女の子が覚えている記憶が作中で記載されている内容だけだったら? 駆け落ちをした後、二人だけしか知らない情報が存在してないなら? 『離れた場所で死んでしまっても、離れた場所で生まれても、私はあなたを見つけられた』 よく考えるとこれ、後半は探す手間があったという点で間違いはないけど…愛した彼女は彼に看取られる形で亡くなったはずではないか? 話が終わった後もタクヤ君と同じく、ハッピーエンドではないのがわかっても意味がわからない。 ナオキ君の指摘するこの話には二人の女性が登場しているという事。 カオリちゃんもわかってるの?あれ、わかってないのは私とタクヤ君だけ…!?(初見時の困惑) マイちゃんが思いとは裏腹に吐き捨てるように言った言葉。 これ自体はまぁ理解ができて、魂とか輪廻の概念があってもそれは違う人生だよなぁと。 来世がある事に救いを見出すのなら、まぁカオリちゃんの言う人間の希望としてそういった概念が世界中にあるのもわかります。 と、ある種の哲学というか宗教観みたいな事を考えているとマイちゃんが何やら不穏というか…これは…というモノローグを? 彼とは状況的にタクヤ君の事でしょう。 さらに彼女と言えばここに女性はもう一人しかいないので…。 マイちゃん、君はどっちの女性なんだ…? 「あの女に邪魔されるようなことは、もう二度と」 邪魔をされたという事は、駆け落ちの結果添い遂げられなかった許嫁の方か? でも、“今度は”あたしが『彼』の隣で。というと転生した許嫁が彼とくっついた結果、彼を看取れなかった駆け落ちした彼女なのか? 幸せな日々の追憶…もしこれが、短くも幸福だったあの頃の事を意味するのなら。 駆け落ちした方の彼女と最終予想はしつつ。 どちらにしても、明日になれば事件しか起きない不吉なエンドへ…。 ◇架空の私 ラスト、カオリちゃんを選択。 今までの印象だと大人しい系な子(ついでにルートによっては被害者だし命も狙われる)という感じだったので、話そのものは割とそれっぽいのがきたかなと思いました。 こう、話の主人公として語られる彼女の事を聞くと全力で心当たりという銃弾を喰らうような…ある種の共感がありました。 友達だって交友関係が広まれば他の子と遊ぶ時間が増えたり、自分が一人になる時は増えていく。 劣等感から悪循環として生み出される見捨てられる事への不安。 自分を変えないと駄目だとわかっていても、それが簡単にできるなら誰も苦労はしないという現実。 そして彼女が影響を受けるきっかけとなった小説。 概念としては理想像を組み立てて、それに近づけるよう努力をする…という事なら理解はできますがヒントになった小説の設定が割とよくそれを参考になると思ったな?と意外性がありました。 しかし、実際に彼女のやろうとしている事はイマジナリーフレンドを生み出す事や新しい人格を作るという行為の方が近く。 架空の自分が生まれる段階まで成功したという辺りは、まだこの段階なら努力として褒めるべきかとは思いました。 やっている事としてはイマジナリーフレンドである理想の自分との対話ですが、あくまで脳内で理想的な行動を考えているだけ。 それだけなら、まぁただの努力と言えたでしょう…。 ですが、やがて理想の自分が思考的経験を得る事で具体的な存在へなっていく…骨組みが強化されていく。 理想に近づこうと努力をしていた彼女が、友達からの言葉を結果が良い方向で出てきたと認識するのも違和感はありませんでした。 だからこそ、警告だったことという文字に何が問題なのか初見ではわからず。 そしてだんだんと、最初は些細な事から意図しない言葉を口にするようになっていく彼女。 それをカオリちゃんは本来の自分と理想の自分が入れ替わってしまったと表現していましたが、どちらかというと混ぜ物をした結果第三の人格が生まれたという方が近そうかなというのが直感的な感想でした。 もはや本来の自分でもなく、理想の自分でもなく、そのどれでもない誰かが自分になっていく。 ナオキ君の言う通り、自己認識やアイデンティティは結構簡単に壊せてしまう。 実際、絶対にやってはいけない有名な…あまりに簡単な内容の実験として手段も存在しますし。 一番致命傷というべきか、彼女がこうなってしまった最大の原因は自分に自信がない人物でありながら自分という物の定義を捻じ曲げる手を選んでしまった。 大人になっても、それをしっかり持っていない人も珍しくないのにね…という締めくくり。 そして、カオリちゃんが会いたいと言った『彼女』は果たしてどの彼女なのか? ◇さよなら蟲女 体験談かもしれないし、もしかしたら夢だったのかもしれない不思議な思い出の話。 11月のもう外の空気も冷たいだろう季節、公園のベンチで小学一年生のカオリちゃんの隣に腰を掛けた蟲女と呼ばれる女性。 本来なら蝶なんて見ないだろう季節に彼女の人差し指に止まった不思議な光景。 そして右手を広げれば指先を彩るように他の指にも止まる蝶達。 カオリちゃんと蟲女が会話をしていた際にもらったチラシから、彼女がサーカスの団員であろう事が判明。 きっと舞台ではもっとたくさんの蝶を操っているのだろうか? その光景を見てみたいような…と思いつつ。 冬場特有の厚着で隠れてはいても、彼女の肌にある痣のようなもの。 あまりサーカスの話をしなかったというのも、恐らく他に行き場もない彼女がどんな扱いを受けていたのか…何となく想像はつきました。 全てを読み解けているとは思っていない、とは前置きをしますが カオリちゃんと蟲女の交流が最後となった日、蟲女のカオリちゃんに向けたのかそれとも独り言だったのかとされる台詞がとても印象的でした。 きっといずれ生まれ変わる事、自身の感情を世界に広めて埋め尽くしたいという事。 『こんな私でも、望めば蝶々のように飛ぶことができるって』 この部分から、今の自分から変わりたいと思える状況にある事やいつか成し遂げたい事がある…私に読み解けたのはそこまででした。 ただ、ブローチをまるで目印のようにカオリちゃんに贈った事。 蟲女は世界に広めたい物を『私の感情』と表現をしていましたが、それが必ずしもプラスの物とは限りません。 文字通り、いつか蝶々のように美しく華々しくなりたい。 その夢を感情と表現したのかもしれない。 けど、もしも光に集い覆いつくす羽虫のように文字通り世界を『埋め尽くしたい』と思っているなら…? 私があなたを忘れないためにという言葉から、いつか起きる何かの際にカオリちゃんだけには害が及ばないよう渡されたのではないかという気はして。 蟲女と呼ばれる彼女がまだ幼虫といえる段階ならば、いつか目標を実現し蝶のように羽ばたく日はくるかもしれません。 また、今になってみると不思議な関係に思えるのは『架空の私』を語る際に自分に自信がなく共感できていたからこそ印象に残った話だったと表現していたカオリちゃんが、結果的に誰かにとって『自分が自分である事を肯定する後押しをした話』という点ですね。 当時のカオリちゃんにその自覚はなかったとしても、それで気持ちが救われた人がいる。 不思議な思い出だから印象に残ったという話であると同時に、その感謝の形として受け取ったブローチがどこかで現実の可能性を繋ぎとめている。 不思議な読後感も相まって、特に好きなお話です。 ◇瀬戸橋三十六巡物語 ここまでは不思議なお話ではあれ、割とカオリちゃんが話すのに疑問のない内容が続いている印象でした。 そしてここからが本番とばかりに初見では情緒が狂ったと先に述べておきます。 後々調べたのですが、百物語の元と言われるのが巡物語と出てきた時点で作中にあった要素を抜きでも結末に対し納得しかありませんでした。 そして、その上で再度プレイすると心霊スポット+巡物語という組み合わせの時点で特大の厄ネタ待ったなしだと今なら叫べます。 誰の3話目にも出てくる、かつて瀬戸橋であった『大飢饉』というワード。 ナオキ君の時にはその原因とその結果どれだけの影響が起きたかを説明されましたが確かにどうやってその後を乗り切ったかは不明のままです。 カオリちゃんの3話目に繋がるんだ?というのは少々意外でしたが…これはナオキ君の時にもさらっと触れた通り、かなりの厄ネタですね。 未遂とはいえ常世と繋がりかけた影響のせいで起きた結果残された呪い。 その対処法がさらに三十六人の人柱を捧げるというどう考えても新たな呪いを生み出す連鎖でしかない内容である事。 …その陰陽師、本当に呼んで大丈夫な人だったのか? むしろ呪いの連鎖が終わらないよう仕向けられた悪人とすり替えられてない? 緊急事態だったとはいえ騙されてない!? 一応、呪いの発動条件さえ充たさなければ何も起きないのならまだちゃんと回避方法を語り継ぐ分には対処のできる呪いなのかもしれませんが。 絶対それ、どこかで肝試しのネタにする罰当たりな人は出るよなぁ……むしろ、今カオリちゃんが話してる内容がまさしくそれという思わず頭を抱える案件。 タクヤ君ルート全話を知っている目線だと、瀬戸橋における巡物語が百物語と同じく現世と常世の境界を曖昧にするので呪われるという説明も納得です。 が、実はすでに……と再び頭を抱え。 話は叔父さんの体験談に戻り。 やはりというべきか、話が終わった後に消えていく友人たち。 そんな経験をすればその後の性格にも影響をするのは当然と思いきや…すでに自殺している? 叔父さんが最後に事の真相をカオリちゃんに話したのは一人で抱え込むには限界だったのかな。 そして、万一そんな状況に巻き込まれた場合の対処法も教えてくれたのか…。 小さい頃はよく遊んでもらっていたという辺り、叔父さんにとってもカオリちゃんは可愛い存在のはずだから。 …と、思っていた時期が私にもありました。 人の記憶というか、本来何の為の儀式だったのかを忘れ形だけが伝わっていく事はよくあれどよくもまぁ後世での祝祭になったな!? というかそれが明日に予定されている瀬戸橋祭となったというのも因果というべきか。 龍たる少女も、すでにその起源を覚えている人はいないでしょうが人柱の結果として治水を成功させた…犠牲の上に成り立った平和の話です。 この話に出てきたお姉さんはどんな気持ちだったかわかりませんが、少なくとも生きている人に悪さはしないだろうと思えるのでまだ辛うじて呪いの連鎖になっていないだけで。 誰かが犠牲になる必要がある、だけど何故それが自分である必要があったのか? そこに明確な理由がなければこれほど理不尽な話もないでしょう。 (お姉さんは明確に自分しか条件の対象がいないので、まだ当人も欠片程度納得はあったかもしれないとして) 結果として、後に繫栄をした事は喜ばしいとしても、それが犠牲の上にある事をなかった事にしようとしている現状。 それも今回は一人でなく三十六人分とまできた。 そりゃ恨みの力も強いに決まってるよなぁという悪い予感しかしない要素です。 「以上で、今夜最後のお話……。三十六話目、『瀬戸橋巡物語』はおしまいです」 そして、叔父さんの体験談の時点で察しはついてましたが旧校舎で巡物語をした結果その悲劇は起きた訳で…現在地は、旧校舎。 さらにそれまで情報がないので不確定でしたが新月という条件を充たしている…? 絶対これ、カオリちゃん以外全滅するルートじゃ……いや?でも話数が足りないから助かる可能性もまだあるのか…? そんな淡い期待も虚しく、タクヤ君が消えてしまい…次はナオキ君。 怯えきったマイちゃんが蝋燭を手にする事で一時的に安堵したと思いきや…からの消失。 意図的に最終話を自分にするという事や、物語を聞いてしまえば他のメンバーにはこれから起きる事が嫌でも想像できてしまう事。 絶対に断れないよう語り掛ける事で目的を達成する手際とここでのカオリちゃんがあまりにも逃げ道を潰しながら迫る事が巧すぎて…。 実際、同じような状況になれば大半の人が「信じない」と言ったり内心恐怖していても表向きは強がるのは想像できます。 その中で見え隠れした『もっと積極的になりたい』と言っていたカオリちゃんと、『あたしは躊躇したりとかしないから』と言っていたマイちゃんの力関係が逆転した様。 どうせ忠告しても聞かなかっただろうというのは間違いないと思うのと、内心カオリちゃんにとってマイちゃんへその辺に関する劣等感はありそうだなぁと思っていたので恨んでないとは別件で何かありそうだよね?とは見ていました。 そして、最初に言われていたはずなのにみんなの消えていく流れや厄ネタインパクトで忘れていた事。 「巡物語を話すと、絶対誰も助からない、って」 そういえば叔父さんはその場で生存こそしたけど結果的に自殺はしている訳で、結果的に誰も助かっていない。 そうして後日談として明かされる何故カオリちゃんは巡物語をしたのか?という真意。 自分も助からないのにどうしてそんな事をしたのか、確かに考えてみれば不思議でした。 けど、その理由を知った際は率直に巻き込まれた3人がひたすら可哀そうな役回りだな!?と当人も苦しんでこそいますが身勝手に思えて。 だけど、それだけで終わるなら『地雷原にみんなを巻き込むな!!』程度で表現も済んだと思うのですが、タチの悪さというか…一番と言いたくなるのはここから先でした。 頭痛と共に聞こえるあの日消えた3人の声、それは幻聴なのか…。 3人については完全にカオリちゃんの実験に巻き込まれた立場なので発言内容そのものはそうなるよね…となりました。 けど、とっくに亡くなったはずの叔父さんの声が聞こえてきたところで一気に展開が変わり。 「そう、本当は私も理解している」 消えてしまう事よりも、生き残る事で苦しみ続ける最後の一人こそが一番辛い目に遭うという事を。 第一声は、カオリちゃんの身を案じて注意をしたのに悲しい結果となった事を嘆いているかのように聞こえた叔父さんの台詞が、次の言葉で悪意の塊しかないとわかってしまう事。 かつて人柱となった者たちが、どうして自分がこんな苦しみを味わう必要があったのか? そう思い、恨みを残しながら死んだ時点で紐づけられてしまった瀬戸橋巡物語そのものが呪いの連鎖を引き起こす鍵の役割だったのでしょう。 本来は尊い犠牲の上に成り立っている平和のはずなのに、後世ではそれを遊びの為に語る。 死者への冒涜という点でやってはいけない典型的な行為ですね。 そして、それが原因で呪われる立場になった者も苦しみ続けた末にどうして自分だけが苦しまなければならないのか。 どうせ死ぬなら誰かを道連れにしてやりたいと思うのも想定はできます。 果たして、カオリちゃんはこの後誰かに話す事で連鎖を続けてしまうのか。 ここで終わるのか。 幼い頃から知っている相手なら、これを話せば実行するだろうとわかりきった上で仕組まれた叔父さんによる悪意の被害者でもあったというのは捻りのある終わりでした。 人の命の扱いが軽い事も恐ろしいですが、悪意も大概恐ろしい。 ◇救世の儀式 3人のルートを全部コンプしたところでようやくタクヤ君が選択肢に登場! お前が言い出しっぺっぽいのに何で選択肢にいなかったの?と思っていたのでどんな話が聞けるのかワクワク選択。 今まで3話目で共通して出てきた大飢饉がやはりここでも重要な物として登場。 すでに3ルートを見ているので原因からその後の対処法がどんな物であり何が起きたのかは知っていましたが、このルートでは誰もその情報を話していないはず? プレイヤーの視点では知っている情報でも、タクヤ君が知っている事はイコールで成り立たないので不気味に思いながら。 確かに、あれは人災と言えば人災でしょう。 人の領域ではない現象は起きていても、その引き金は人の行いという意味では。 大陸からの使者を受け入れた事が悪かったのか?と聞かれれば完全にYESとは思えず。 事後処理というか、誰も立ち入れないようにしておけば少なくとも大飢饉のきっかけになる丸薬は誰の手にも渡らなかったでしょうし。 とはいえ、巧い話には裏があるとするなら恩恵だけで済むというのがそもそも虫のいい話なのかもしれませんね…。 やはりというべきか、すでに大飢饉の時点で常世への扉は開かれていた…のですね。 死者の国と繋がるという時点で本来扉の周囲は…と推測していましたが、本当に世界の終わりを回避しただけで実は何も解決していなかった。 そして、後にその呪いを封じる為に行われた人柱という行為。 こう、もう少し穏便な方法というか…絶対人呪わば穴二つルートしかない方法しかなかったの?という点でも外道という言葉に納得したのですが、実はもっとまずい事が起きる方法だったという新事実。 確かに専門家でない限り、陰陽師が使用する術にどんな効果があるのかを判断できる人なんていないでしょう。 だからメリットだけが注目されデメリットに誰も気づけなかった。 結果として、瀬戸橋の土地は一見この世の物に見えてもあの世である常世と常に繋がりその主を鎮守神として縛り付けた。 実質、生き物が生存可能なだけで本質的にはあの世と変わらない土地へと変貌をした。 ◇常世からの使者 私が縛られた常世の主なら「人間風情がふざけるな」と思うの一択ですが、恐らく何かしら破れない契約を強制的に取り付けられたのでしょうか。 日本は割と何でも神として祀っておけば解決するという風潮があるので、ある意味この常世の主が祀られている事もその一つと言えばそうかもしれないとは。 そして、事象の崩壊…本来ならとっくに崩壊していた事を捻じ曲げ続けた結果危険因子を持ちながら永遠を繰り返す土地となった瀬戸橋。 始まりが主の意志だったのか縛られた事による契約なのかわからずとも、常世からの使者は守護にあたって危険な物を排除せねばならない。 タイトルにある『とこよ』が常夜と常世の掛詞であったように、瀬戸橋も世渡橋…現世と常世を繋ぎ渡る橋という意味合いのある掛詞だった事にぞっとしました。 よくある地名にすぎないと思っていた物が実は重要なワードだったという衝撃。 そして、掛詞がここにもあったという事。 さらに3ルートの結末を知っていれば納得しかない、この土地を汚す可能性のある因子。 ナオキ君ルートである、かつての人災の再現。 マイちゃんルートである、輪廻回廊の逆流。 カオリちゃんルートである、怨恨を用いた現世の浸食。 全てを見てきたからこそ、これはどこかの世界ではあった結末でありこのルートではまだ起きていないとしても全員心当たりは存在しているという状態。 恐らく、本来のタクヤ君は使者でなく生きている人間として参加して誰かのルートに入った場合はそれぞれの思惑通りの結末を迎える。 (入ってないルートの設定は両立ができないという事でなかった事になってる) 知っているからこそ頷く事しかできない上に、実は全員初対面だったというまさかの情報? 危険因子を持った者だけを処分する為に記憶操作をした…!? 「僕がいなくなれば、灯りも消えて、闇に包まれる」 そして、彼は消えて。静寂が訪れた。 ここでタイトルである常夜を、永遠に続く闇の中へ渡っていってしまった。という形で回収とは…。 さらに後日談として語られる、10年周期で旧校舎にて行方不明事件が起きているという怪談。 本編から10年後だろう今度もまた、危険因子を排除する為に始まってしまうのか…。 世渡橋の守り神、エンド名でもあり全てはこのエンドで終わるという綺麗な結末でした。 全員のルートを見ない限り解放されないだけあってタクヤ君ルートはこれまでに集めた情報を含めた総まとめとして納得のいく内容であり。 各ルートで全員何かしら身勝手な理由でやらかしているので危険因子なのには同意しかなく。 特に、順番にこだわりがないなら上から順で選ぶだろうナオキ君が大飢饉について踏み込んだ事を話してくれた上で再現しようとする世界の終わりエンドというべき物を見せてくれるので導入にはぴったりでした。 (最初は懐かしくもどこか不思議な体験談だったはずなのに…?あれ、おかしいな…) 全体的に、怖い話というよりは語り手にとって身近に感じる話といった色が強く、特に1話目は経験談寄りだった事もあり日常でもありえる話という部分がありました。 文化や生活に根ざしているという点で言えば怪談の定義として正しく、こういう攻め方もありなのか…!と個人的には発見がありました。 そして、冒頭でも触れた通り各自の1話目からは想定のできない個別エンド。 全てを知ったからこそ、まだ隠されていた情報が明かされる事でどれだけこの土地が呪われており3人が危険因子である事に説得力しかないという展開。 割と早期に常夜と常世の掛詞を見ていたので、瀬戸橋と世渡橋の表現を見た際も唐突さがなくむしろ意味がわかるからこそ怖いというべきか…この土地がその状態である事に納得しかなかったので全てが作者様の掌の上であった事に脱帽です。 本来、エンドとしてはハズレであっても誰かの話を連続で聞かない事による何も起きないエンドが結局一番平和な世界だよなぁ…というのはホラーの宿命なのか。 それとやはり、一番上の選択肢にナオキ君を配置している事とこういう形式のゲームの場合選択肢が消えない事から好奇心で連打するだろうという心理から順番としても良い位置に置かれているのが好きです。 内容としても最初に聞いておくと大飢饉の話を始まりから語られるだけあって、その後どちらのルートに行っても問題なく読み込みやすい事を踏まえ。 そして、上からやると2連続でカオリちゃんが生贄になるor刺される!?と酷い目に…と思いましたが、カオリちゃんのルートでは全員巻き込んでやらかしているのでだったらしょうがない(?)と謎の納得感でトントンな印象に。 『踏切下の秘密基地』でも触れましたが、巡物語と瀬戸橋という舞台を合わせた物を創作したり、陰陽師の人、絶対それ新たな呪いを生み出すよね!?というだけのものではなかったという真相があったりと丁寧なストーリー構成や造詣の深さが素晴らしいです。 @ネタバレ終了 みんなで怪談話という事でわかりやすく怖い話がくると思いきや、どちらかというとどこか身近さもある不思議な話が多いな? と、油断してはいけない。 何事も深入りは禁物ですね…。 しかし、脅かし要素がなく純粋に物語を聞いていく形式なので怖いのが余程苦手な方以外ならプレイできる内容と思います。 素敵な作品をありがとうございました。