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ミステリー・謎解き

2652 のレビュー
  • 偽証討論
    偽証討論
    長くなってしまい申し訳ありません。 こちら、おまけ要素等についての感想です。 @ネタバレ開始 全員分を読む為に、初見プレイで失敗した部分をやり直しまずは無事解放へ。 正直な所、一番好きなのは先にも述べた通り黒木さんであり彼の過去編は思わず涙を流す程の内容でした。 でも、今回の感想をまとめるにあたり各自の人物を再考すると虹葉さんも結構気になるというか…一番印象が変わっただけにここに名前がないのが少々残念でもあります。 ◇赤音ちゃん 本編では、どうしても自分は生きて帰らなければいけない。 お母さんの所へ帰らなければいけないと執着していた彼女。 その母親の交際相手が実は紫田さんの兄であったという部分までは判明していましたが…。 回想の始まりは、その母親の恋人である徹さんとの会話から。 能力者として目覚めた子供達を助ける活動をしており、発言内容からも心優しい人物であろう事はすぐにわかりました。 赤音ちゃんが母児家庭というのはわかっていましたが、確かに女手一つで子供を育てようと思えばお金が必要になりそういった業種につくものおかしくないでしょう。 彼女はその事を感謝しており、同時にそんな母を馬鹿にする相手には容赦をしないというなかなかアグレッシブな顔もあったようで。 赤音ちゃんがしっかりした性格なのも、そんな大好きなお母さんを助けたいという気持ちからと思えば納得はできました。 そして、彼女が寝ている間にされていた会話から母親としては赤音ちゃんが能力者である事を隠しつつ、トウカイに行かず広い世界を見てもらいたい事。 トウカイへ移住すれば能力者とその家族は最低限の生活が保障される事を思えば、移住そのものは充分ありの選択肢ながらもそれよりも娘の為を思って頑張っていたんだなと思うと親としての愛情を感じます。 そして、そんな素敵な方だからこそだらしない所があっても徹さんも好きになったのだろうなと想像はできました。 だけどいつまでも幸せは続かないというべきか、本編の時点で赤音ちゃんはトウカイに住んでいたはず。 黒木さん曰く紫田は能力で兄を殺害した疑惑がある、というのは事前情報として知っていたので夜の公園で待ち合わせをするという部分でもう嫌な予感しかありませんでした。 赤音ちゃんも同じように考えていたようで、いざ時間になり公園へ行ってみればそこにはすでに息絶えた徹さんの姿が…。 徹さんが亡くなる事はもう動かせない過去であるとしても、その第一発見者が赤音ちゃんだったという事。、 小学生が見るにはあまりにもショッキングすぎる光景という点でも辛かったのですが、その際の叫び声に反応した母親も徹さんの死体を見てしまった事。 それ以降、精神的なショックにより倒れ働けなくなった母親の為に…生きる為にトウカイへ移住する事を決意せざるを得なかった流れを思うとどうして…と思わずにはいられませんでした。 確かにこの状況で母親を一人残す事になってしまえば、いつ自殺をしてもおかしくない以上彼女の本編における発言は当然の物でした。 ◇桃ちゃん 人間は嘘ばかりだと本編で語っていた桃ちゃん。 彼女は自分が自動的に能力を発動している事を知らず、何故みんなが本心と違う事を言っているのか理解をしていなかった。 やがて、幼い桃ちゃんはそれが嘘だという事を知り無知故にその疑問を両親に投げかけてしまった結果親から捨てられる事に。 浮気はいけませんが、嘘は時に対人における必要な潤滑油となると思うとそれが全て意識せずとも見えてしまう桃ちゃんはかなり辛い状態でしょう。 何より、自分達の落ち度を棚に上げて桃ちゃんを否定する両親の方が精神的には余程化け物と言える事も思えば理不尽の塊でしかない。 やがて食べる物に困った桃ちゃんはあの施設に誘拐され、そこから生還後はトウカイで生活をする事に。 トウカイで小学校に通うようになってからも、桃ちゃんからは人の嘘が常時見えている事に変わりはなく。 まだ理解をするには幼く、悪気はないにしろクラスの中心にいた子にみんなが嘘をついている事を教えた結果事態は悪い方向へ行ってしまった事。 【嘘】を知り、【嘘を吐く】ことを覚え、【人に本当のことを言ってはいけない】と学ぶ。 見えてる視点が違うからこそ、だんだん他の人間が無意識に取っている行動を覚えていく流れがとても痛々しい…。 やがて本編でも言われた言葉、道化を演じると決めた事。 それを中学の時点で理解してしまったというのがあまりにも悲しすぎました。 そんな事をしていれば自分が磨り潰されていくのは当然ともいえる訳で、彼女が好きだったバンドもそんな中で唯一心が動いた物だったというのが重たすぎる。 そしてここにきて判明する、第一章で突如桃ちゃんの一枚絵が入ったのも浦霧君の嘘に反応をしたからだった事実。 それまで嘘を吐く人は人を騙す醜い生き物だと思っていた桃ちゃんが、今回のゲームの中でみんなと触れ合う中で誰かと仲良くなりたいと思えた事。 嘘が必ずしも悪意を持った物ではないと理解した事。 こんな状況でも他人を思いやっている感覚を心地良く思っていた事。 状況が状況なので手放しで喜べない物の、結果的にこのメンバーと縁ができた事は桃ちゃんにとって救いだったんだなと思うと感慨深いです。 だからこそ、彼女が最期にその嘘は許せないと言った相手は…自分が死ぬ事になっても後悔はなく譲れない事だったというのが切ない内容でした。 ◇黒木さん 開幕お母さんのような発言をしている黒木さん。 あれ、君ってそういうキャラだっけ?と首を傾げればどうやら妹である千春ちゃんに向けていたようで。 ある程度自分の年齢がいくと高校生はまだ子供というのは激しく同意ですね。 結婚できる年齢になったという反論にも、まだ未成年だから保護者の同意(俺の同意)が必要だし俺は同意することはないと切り返すのも完全にただの過保護なお兄ちゃんだと和んでしまい。 そういえば元々は両親を亡くしてから別々の所に引き取られたはず…と思えば、桃ちゃんと同じタイミングで誘拐され、そこから心配になった結果親戚から引き取り面倒を見る事にしたという事が判明。 もしかしなくても黒木さん、相当面倒見がいいよなぁ…と本編の時点で思っていた事が補強をされ。 兄貴がおかんみたいだと友人に愚痴を言う千春ちゃんも、帰りが遅い兄貴の為に冷えても味が落ちない物を夕飯にしようと考えている辺りで仲良しなのが隠し切れず。 平和な兄妹の日常をもっと見たいな~と思いきや、突然事件が発生しそれに立ち向かう黒木さんの姿が。 能力廃絶主義の過激派、確かに本編でもそんな物が存在したのは聞いた記憶がありましたがトウカイの外でもそういった暴動が起きているという時点で物騒という言葉で済ませるのも温い位の事態に。 それでも黒木さんの行動で無事に主犯は取り押さえられ、周囲にいた仲間も警察によって取り押さえられるという見事な手腕。 そんな黒木さんを褒める友人へ、ブラコンかよとツッコミをされるような言葉を返す千春ちゃんが微笑ましい。 と、思ったのもつかの間。 取り押さえられていた男の一人が拘束を振り払って車に乗り込み千春の方へ突っ込んでくる!? それはまずいと思えば、友人が千春ちゃんを庇った結果代わりに車に轢かれてしまい…。 結果、どれ程の重症を負ったのか…内容からして今から救急車を呼んでも助かるのか怪しそうな状態で。 そんな友人を見れば、黒木さんからも今目の前にいる死にそうになっている友人本人からも止められているのに治癒能力を使おうとする千春ちゃん。 辛うじて友人が助かる段階まで治療されるも、その背後には先程の男が立っており能力を使う場面を見られた結果背中を刺される事に…。 そして場面が切り替わり、囚人№03340と呼ばれる黒木さんの姿が。 あの後黒木さんは、妹を殺害した犯人を能力により殺していた。 本編中、ずっと理性的に立ち回る大人の行動をしていた黒木さんが我を忘れて能力を暴走させていたという真実。 最期のゲームで虹葉さんが言っていた通り、黒木さんが実は誰よりも強い激情を持っているというのはすでに察しがついていました。 そうでなければおかしな部分しかなく、彼は常に他の人を守る為に自分が一番危険な事を引き受け続けていた。 犯人を入力する際、第一章で多数決の結果になった時や三鈴ちゃんに犯人の指名をするように言うも実際に入力は自分がすると言っていた事。 誰かに、自分の行動のせいで誰かを殺してしまうという罪の意識を背負わせない為に汚れ役を進んで引き受けていたにすぎず。 脱出ゲームパートで能力上戦闘ができるのが自分だけとはいえ、自ら一人で探索をする事を選んだ事。 それならばせめてどの扉にするかを選ぶ権利位ありそうなのに最後に残った物でいいと他人を優先した事。 第一章において、赤音ちゃんを助けたい浦霧君と衝突した時だって黒木さんにとっては辛い場面だったのは想像にやすく。 本心では浦霧君のような気持ちを持ちつつも、そこを大人の理性で抑えなければならないと判断せざるをえない場面でした。 闘技場におけるなれの果てとの戦闘も、自分が戦わなければ彼から見て子供である二人は守れない。 その為にどれ程酷い重症を負っても、生還させる為に応急処置だけで済ませ先を急ごうとした事。 三人行動に入ってからは常に先頭を行き、物音の確認をする際だって自分が率先して動いていたじゃないか。 「ガキはすぐに自分の命を投げ出しやがる」 これも結局は自己犠牲を厭わない浦霧君に対してでもあり、かつて友人の為に能力を使って殺害された妹の事でもあり…。 そんなガキの代わりに、自分が犠牲になって最期には時間稼ぎをしようとした事。 「…………死ぬガキが減らせるなら。自分の命ぐらい差し出してやるさ」 過去編における、この言葉が全てだったのでしょう。 彼がトウカイに移住せず、自身が能力者である事を隠して生活していたのも全ては妹の近くにいる為だった。 千春ちゃんを失った黒木さんにとっては、もう生きる目的もない。 第一章で述べる金という物に対し、大事なものなのにかけがえのない物ではないのが良いと表現していたのも言外には彼にとってのかけがえのない物は存在し。 でも、それはもう失ってしまったという事の裏返しだった。 一見、メンバーの中で一番現実主義であり皮肉屋な面を持っているように見える彼こそが表に出さないだけで実は誰よりも強い激情を持っていた。 全ては大人の理性で制御しているにすぎなかったという事実。 それだけでも共感ができすぎて胸が締め付けられる思いでしたが、過去編最後の台詞で完全に涙腺は耐えられませんでした。 ◇翠さん 子供の優君こそが一番大事であり、その為ならどんな事でもできると言っていた翠さん。 我が子の誕生、これからも家族で幸せに生きていくと信じていた一番幸せだったとされる過去。 本編中でも触れられていた通り、優君は心臓が弱く長生きが難しいとは知っていました。 その事実に泣き出しそうになる翠さんを支えてくれたのは夫である幸一さんであり本当に良い夫婦だったのでしょう。 ドナーを探したり、手術にかかるお金を稼ぐ為に必死でいる時も優君が成長し家族全員でいられるうちはまだ楽しいといえる時間だったというのがいかに家族がいる事がそれだけで意味を持つのか。 それを感じるには充分だっただけに、過労の末に幸一さんを失ったというのが理不尽すぎると思いました。 贅沢な暮らしを望んでいる訳でもなく、ただ健やかに家族みんなが一緒にいられるだけでいい。 たったそれだけの事すら叶えてもらえないのかと。 そして、心臓の事もありただ生きているだけでも大変であろう優君が父親を亡くしても自分がお母さんを支えると言う位に優しい子へ育っている事。 本当に心からの愛情を注がれたからこそ、それだけ良い子に育ったのだと私は思っています。 当初限界だとされた五歳を乗り越え大きくなっていく優君。 しかし、年齢を重ねられているといっても状況が悪化している事には変わりもなく十歳の誕生日が近くなった頃に倒れてしまった。 もう一度、大きな発作が起きたら助からない可能性が高い。 自分に近寄ってきた紫田を嫌悪しながらも、可愛い我が子の為なら自分はどうなってもいいと協力を求めても変えられない現状。 ここにきてようやく判明する、第一章で最期の光景として見た翠さんの姿をした何かの真相。 彼女は虹葉さんから取引を持ちかけられており、優君の為なら他の人を殺してもいいと決意をしていた事。 三鈴ちゃんの言う通りなら、ここにいるメンバーは誰も人を殺す事ができない人ばかりと確定している事。 だから虹葉さんは記憶操作で殺人事件をでっちあげるも、元々人を殺す気がない人しかいないのならその先もゲームとして停滞するのは予想ができたでしょう。 だったら、一番動かしやすい弱みを持った人をそそのかせばいい。 桃ちゃんに解毒剤を飲ませベッドで休ませた際も何故か合流しようとした時には死んでいる事。 これも謎でしたが、桃ちゃんの記憶にある最期の言葉と合わせ全ては翠さんが犯人だったという事で納得しました。 ◇浦霧君 自動的に発動してしまう能力であり、気づく事のできるきっかけもない以上それを知らないが故に起きた悲しい事件というべきか。 浦霧君がそれまで他人に受け入れられる事を当然と思い、誰であれ友達になりたいと純粋な気持ちを持っていたからこそ起きたのがまた残酷ですね。 初めて本気で他人に拒絶された事が悲しくて怖かった。 これそのものは人の持つ感情として何もおかしくはないのに、不幸だったのは浦霧君はその感情を人に感染させてしまう事。 周囲に自身の感情が感染する事で起きる光景に恐怖し、またさらに強い恐怖が感染しては途切れない悪循環が続いてしまう。 もしクラスの担任の先生が浦霧君が泣き止むまで対処していなければどうなっていたのか…。 この件が原因で自治領トウカイへ移住を決定する、ここまでは仕方のない事としてまだ済むと思いました。 しかし、あのクラスメイトがエレベーターを待つ間にやってきた事で引き金が引かれてしまう。 先に言うと、これは誰が悪いという話ではないのが難しいです。 クラスメイトにとっては自分の母親が浦霧君を落ち着かせようとした結果、植物状態になってしまった。 だけど浦霧君は意図的に感情を感染させているのではなく自動的に能力は発動している。 何よりも、人間である以上何かしらの感情を持たないでいるというのは無理な話です。 それがまだ精神的にも未熟な子供となれば…。 「あんたなんか死んじゃえばいいんだ!」 クラスメイトとしてはそう思うのは仕方なく。 浦霧君が素直に自分のせいでそうなった以上、この言葉を受け入れてしまったのも仕方なく。 でも、その結果何が起きるかと言えば…その感情が周囲に感染した結果浦霧君以外の人間が自殺してしまったという最悪の事態であり…。 両親をその際に亡くしてしまった結果、浦霧君はお姉さんと暮らす事に。 先に能力者としてトウカイに住んでいたお姉さんと一緒に暮らしながら、大きくなった浦霧君はお姉さんの活動に協力したいと思うようになった。 ある意味、この姉弟はどちらも根っこが善性というのか…。 本編における計画を実行する程の記憶を忘れた浦霧君がひたすらお人好しだったように、お姉さんも自分が辛い目に遭いながらそれでも能力者と非能力者が仲良く暮らせる世界を実現できると信じていた。 能力のせいで、必要以上に人に傷つけられ命の危険すらあったはずなのにこれを目指せるお姉さんもかなりだなぁと。 そしてようやくその夢の一歩が叶うという段階で暗殺をされてしまうお姉さん。 その結果、結ばれるはずだった協定も白紙に戻され彼女のしてきた活動はだんだん偏見報道により事実が捻じ曲げられていく。 もうそれだけでもあまりに辛すぎるのに一番致命傷だったのは… 倒れた虚に駆け寄ったのは僕とその仲間たちだけで ほとんどの人が虚から流れ出る虚紅玉に目を奪われていたこと。 僕たちが虚の応急手当をしようとしている時に 虚紅玉を拾い集めていた人たちが大勢いた事。 前半は、お姉さんの能力を噂で知っていたとしてもいざ実際に目にしてみれば…でギリギリ理解はできなくもない。 でも、人命の危機に宝石を拾い集めようとしている人がいたとしたらそれはどんなにおぞましい事か。 浦霧君が何故こんな破滅的な計画を行おうとしたのか、理由としては充分すぎました。 人の嘘や醜さを常に浴びていた桃ちゃんもかなり辛い状態とは思いましたが、自分の大事な人をこんな形で失っていたのならもはや『うん、滅ぼしていいと思うよ』と諦めて頷きたくなる位には醜悪でしょう。 ◇三鈴ちゃん 本編中の彼女からは想像できない独白が印象的でした。 自分という物が希薄でも、どうすればいいかは理解ができるので面倒がないように生きてきた。 しかし、後輩が勝手に応募したオーディションに出た結果わざと演技では手を抜いたのに合格してしまう事に。 社長には全てがお見通しで、三鈴ちゃんが女優として最適な能力を持っていると理解していた上で合格を出した事。 三鈴ちゃんは頼まれれば断り切れず引き受けてくれるだろうという事も計算をした完璧な計算でした。 実際に三鈴ちゃんは女優として有名になり、事務所も大きくなっていった。 社長としては三鈴ちゃんを見つけた際に、自分の夢が大きく前進すると確信をしておりどうしても契約をしたかった事。 だけど、三鈴ちゃんはそんな事を望んでおらず…それを承知の上で騙し討ちをするような形になったという事を打ち明ける場面は印象的です。 それに対し、三鈴ちゃんは気にしてないと言うし嫌な思いもしていないと返す。 だけど、楽しいとも思っていないだろうと指摘をされれば返す言葉はなかった。 社長は、そんな三鈴ちゃんにとっていつか楽しいとか好きと思える事を出会えるように願い。 三鈴さんは私の物!と言うとても懐いている後輩もいる。 何だかんだで、人に恵まれているなぁと思えば本編に繋がるよう二人は突然失踪し三鈴も誘拐をされゲームの流れへ。 ここからは最終章でも語られていた事を再認識する事に。 セーブポイントが目覚めた部屋だったのは残念でも、やり直しができる事は本来アドバンテージだったとこの時は思っていた事。 最初は誰も紫田さんを殺さずに全滅をしたので、流れを変えようとしたら何故か違う展開を迎えてしまい…。 何度繰り返しても失敗を繰り返すだけ。 やはりというべきか、心はすり減っていき…巻き戻しをすれば死ぬ事はなくとも脱出もできない、それをひたすら繰り返すだけ。 解決法が見えているならまだしも、何も希望がないのなら嫌気がさすのも自殺をしたくなるのも当然でしょう。 だけど、それを止めたのが浦霧君だった。 その時のやり取りが、何とも彼らしいというのか。 三鈴ちゃんが否定的な事を言えば自分がその考えを変えてみせると必死に訴えかける。 どこにもそれができるなんて保証はなく、本当にただ目の前の事へ必死なだけでしかない。 人はそれを青臭い等というのかもしれない。 けど、今まで自己が希薄であり何かに対して強い感情を持ったことがない三鈴ちゃんにしてみれば面白いと思えたのでしょう。 自分に持っていない物を持っている彼を。 たから、楽しいという気持ちを感じて人生で初めて心から笑った。 やがて浦霧君を通して、好きという気持ちを知り。 実は自分がみんなの事を好きだったのだと理解した。 誰一人死んでほしくはない、無事に脱出して欲しいと考えるようになった。 だけどやはり未来を変えるにはまだ手段が足りない。 みんなに自分の能力を、今まで見てきて知り得た情報を信じてもらえば悲惨な未来は回避できるかもしれない。 とはいえ、それだって簡単な事ではなく彼女が選んだのはあの結末だった。 ◆総括 何かを知る事で目線が変わる物が存在する。 その点でいえば、あらすじも秀逸と思いましたね。 生き残った先に見えてくるのは……悲しい世界の真実だった。 ここだけを見ると、それは第一章で操作対象である浦霧君視点での話とプレイヤーはまず思うだろう事。 しかし、実際最終的に生き残っては何度も繰り返しているのは三鈴ちゃんだった。 この物語の始まりこそ浦霧君の計画であり、プレイヤー視点でも隠されている数々の嘘にまみれたこの世界。 首謀者でありながら記憶を失っている事で参加者として自ら用意した計画に立ち向かう事になる流れ。 それを変える為に三鈴ちゃんは最後、浦霧君の記憶を取り戻す形でバトンを繋いだ。 人物としても対照的な浦霧君と三鈴ちゃん。 人間に失望し、鏡を突きつけてやろうとした浦霧君が結果的に人間を助ける事を選べた事。 感情が希薄だった三鈴ちゃんが、楽しいや好きを理解する事で全員の生還を目指した事。 彼らが互いに助け合いみんなが生存できる未来を目指すという流れは本当に美しく。 結果として、他のメンバーも何かしら問題を抱えていてもこの先はきっと何かが良い方向で変われるのだろうと信じられる。 @ネタバレ終了 推理物という性質上、犯人がわかると面白味が減るという考え方もあるのかもしれません。 しかし、この偽証討論というゲームは各キャラや伏線といった部分の作り込が素晴らしい分何度も読み返したい読み物に近い感覚で何度でも楽しめる作品と思います。 今回、感想をまとめるにあたり再度プレイをしましたがやはり良い物は良いという事を再確認したり以前は気づかなかった事を見つけたりととても楽しめました。 素敵な作品をありがとうございました。
  • 偽証討論
    偽証討論
    感想が遅くなりましたが、配信にてプレイさせていただきました。 あらすじを読んだ感じ、各章で犯人を見つけては最後の生き残りが確定するまで繰り返していくタイプの脱出ゲームかな? とざっくり予想をし、面白そうだなと軽い気持ちで手を出したのですが… 凡人の想像をはるかに超える予測なんてできる訳がなかった超展開、情報が増え全ての線が繋がっていく美しさに各キャラクターのバックボーン。 異能という特殊な力を持つ人がいる世界観における設定の作り込の細かさ等と、大ボリュームなのに続きが気になって手を止めたくないと思わせる力が凄まじい作品です。 登場人物の中では黒木さんが一番好きです。と前置きをしつつ @ネタバレ開始 目を覚ませばそこは知らない部屋。 直前までの記憶を思い出してみればどうやら突然誘拐されてここまで連れ込まれたという定番の流れ。 殺意しかないケースの場合、まずスタート時点の部屋から出るにもトラップ解除が必須になるので手足等が拘束されていないのはひとまず安心というべきか。 やけに思いドアノブを動かし先の部屋に進めば真っ暗な空間、しかもさっきまでの部屋には戻れないというおまけ付。 他にも部屋に人がいる事がわかり返事を返してみればこの状況を「ドッキリ」だと思っている能天気な反応が。 言葉遣いも合わせて若い女の子かな?と予想をしつつ。 他の人の声も聞こえてくる事からどうやら同じ部屋に複数人いる事は判明、とはいえ暗闇の中で知らない人といるのは危険しかないですよね…。 誰かが電気をスイッチを見つけたようでやっと明るくなったと思えばいきなり死体を発見。 同時に、現在部屋にいる人を確認すれば次に聞こえてくるのは奥のモニターから聞こえてくる声? どうやら画面に映る虹葉という女性の言う通りにしないといけない状況を把握しつつ、犯人を当てる要素があるのは事前情報として承知していましたがちゃんとした根拠も含めて証明しろという条件付き。 能力という言葉に首を傾げながらもルール説明が終わったのか一方的に通信は切られてしまった。 読み進めてみると、どうやらこの世界では50年程前から超能力者が日本のあちこちで生まれるようになったという事。 最初は歓迎された能力者達もやはり人間だからというべきか、問題が起き現在は自治領トウカイという場所から出ないで暮らす事を条件に情勢は落ち着いている事。 そして、能力者にとって自身の持つ能力を明かす事は本来抵抗のある行為である事。 当たり前のように三鈴ちゃんが自身の能力を明かしたのも、本来ならあまりやりたくない行動なのでしょうね。 テンション高めなギャル系と思った桃ちゃんが自分の発言が滑ったと把握した際に大人しくなる温度差が好きです。 どうやら流れとしては各自の持っている能力を含め自己紹介をしていくのだと把握。 その流れで主人公の名前の読みが判明しましたが、漢字表記の時点であれ?とは思いましたけども 主人公なのに『ウラギリ』君なの…?というこれは新手のギャグなのかと思わずツッコミを入れました。 感情の色を見る事ができる三鈴ちゃん。 動物と会話ができる桃ちゃん。 聴力が優れている翠さん。 分析力という今回重要だろう能力を持つ赤音ちゃん。 空気中の水分を凍らせる黒木さん。 殺人事件の調査という点では、実質鑑識の役ができる赤音ちゃんと簡単な嘘探知機ができる三鈴ちゃんがこの中では有効な能力でしょうか。 そして浦霧君は何だろうと思いきやまさかの能力なし? 先程の説明に黒木さんの発言から非能力者が混ざっているのは不自然と思えるも、一応全くないという訳でもないようで。 とはいえ、何かしら使えそうな能力がないのはこの状況で痛いよなぁ…と調査がスタート。 注射器は赤音ちゃんの能力から視て麻酔薬が入っていた事。 死体を調べてみれば手帳から黒木さんと関連がある事。 倉庫で見つけた書類のリストに並べられた桃ちゃんの名前。 ある意味で至れり尽くせりというべきか、倉庫に犯行で使用できる物が調達できる状態というのが絶対殺人事件を発生させた上でこのゲームを行うという運営側の意図が見え見えで少々頭が痛いですね…。 そして桃ちゃんに話しかけると業務日誌を入手。 やはりここは元々危険しかない施設のようで、やたら倉庫に殺意の高い物があるのも以前からその為だったと把握。 (ついでに桃ちゃんへ、30半ばはまだおっさんじゃないぞと心の中でツッコミを入れつつ) 翠さんにも話を聞くと、どうやら部屋が明るくなるまでの流れを把握していたもよう。 全員の部屋の鍵が一斉に解除されてからそれぞれが外に出るまでのタイムラグはあっても、さすがに暗闇の中で犯行を行うのは無理があるのではないか? とりあえず、翠さんが聞いた音に関する時系列のメモをもらえたのでこれは後で重要な証拠になりそう。 一応、モニターを調べれば虹葉さんに話しかける事は可能とあったので試してみればなかなか辛辣な…。 彼女に目的を聞いてみれば、完全に人間に試練を与える神のような発想の回答が返ってきた事にそれは確かに物語として面白いけど、当事者には果てしなく迷惑なんだよなぁ!? という…こんな状況でなければある意味気は合うのかもしれない疑惑を感じ。 情報も大体集まってのでいよいよ推理…と会話が始まれば途中で突如挟まる桃ちゃんの一枚絵。 え、何か重要な意味がありそうだけどなんだ…!? 情報共有をしていけば今回の被害者である紫田さんはロクデナシな人と判明。 同時に、黒木さんがこのトウカイにおける警察の仕事をしているという情報もゲット。 どうやら今回拉致されたメンバーは何かしら被害者と面識がある人が多そうな雰囲気。 黒木さんが明らかに嘘をついていたので追求すれば、動機があったので隠したかったと白状。 「ああ。大事だね。金は大事だ。金で買えないものはそれほどないし 何より大事なものなのにかけがえのない物ではないっていうのか最高だ」 この発言に対し達観しているというか、と浦霧君は反応し私も大筋は同意でした。 でも、後から後半にある部分の意味合いを理解した時に叫びたくなってしまったというべきか…。 主人公側では知らない情報として、実は各自が最初にいた部屋で被害者を殺すように言われていた事が判明。 順番は不明ですが、それって全員何かしら動機があるから集められたのは間違いなく…。 推理を進めていけばだんだん真相へ近づいていき、所々で三鈴ちゃんがアシスタントをしてくれるのもあってスムーズに進行していきました。 やっと気になっていた何かが擦れた跡が死亡推定時刻と犯人を誤魔化す為のトリックであり、それを仕掛けたのが赤音ちゃんと判明までした所で大問題が。 紫田さんを殺す為の仕掛けをしたのは赤音ちゃんだけど、実行犯は自分の部屋のノブに細工をされた人になってしまう…!? しかも、全員自分の出てきた部屋がわからない状況だから犯人が誰なのか絞る事すら困難というもはや確率ゲー状態。 何より厄介なのは、これを仕掛けた赤音ちゃんは自分の部屋以外にセットしたのでそれ以外という事しかわからない。 虹葉さんに確認を取り、この場合で言えば犯人として指名するのはセットをした人でなく該当する部屋の扉を開いた人という判定になるのも把握。 知らないうちに殺人をしていたなんて嫌すぎる…どころか、ちょっと待てよ?という嫌な予感が。 「ガキが面倒なことやりやがって」 「そんな言い方しなくても」 翠さんの大人気ないと言いたげな発言は子供を持つ立場としてわからないでもないです。 でもまぁ、黒木さんの発言もほんとそれなぁ…というか後に続く言葉を聞けば確かにそのせいでみんなが窮地にたたされているのはご尤も。 「ガキの考え無しな行動のせいでな。 だから、ガキは嫌いなんだ」 物語としてはこの先も、ちょいちょい黒木さんはこれだからガキは…という発言をしていきます。 この時点ではまぁ状況も状況だし、子供が嫌いな人も珍しくはない程度に捉えていました。 けど、ほんっとうに全てを知った後になれば……。 このトリックでは、仕掛けた赤音ちゃんは確かに犯人ではないけど同時に犯人を当てなければ生存できない点で実は何も有利ではないという指摘にそう言えばと思い。 当人の言い分としては、理不尽な世界に反抗したくなったという思春期の子供のような動機のようで。 まぁでも赤音ちゃん、家庭事情も何となく複雑そうだし小6ならそういうお年頃なのかなぁ…。 でも、よりによってこんな時に巻き込んで欲しくなかったというのも本音だなぁと心中複雑に。 犯人を指摘する際、どう考えてもドアノブがやけに重たかったのはそういう事だよね? と、選べばやはり仕掛けがされたのは主人公の部屋が正解だという詰みといえる事実が判明。 名乗り出るか、名乗り出ないか、ここで選択肢を迫るのか…と思いつつ勇気が出ない為初見は後者を選びました。 黒木さんの提案で多数決という形になり、結果として提案をした黒木さんが犯人という事に。 誰が選ばれても同じことだと言いながら、自ら投票ボタンを押すも結果は不正解。 …これ、やっぱり名乗り出ないと駄目か。 仕方ないと名乗り出ようとすれば三鈴ちゃんからストップがかかる。 赤音ちゃんの感情の色がおかしい?嘘をついている? もし嘘があるとすれば…これか?と注射器を選択。 誰かしらが犯行を行える段階ですでに被害者は意識を失っていたとなれば、確かに注射器の中身が眠らせるための用途な薬というのはおかしい! そして、何故そんな嘘が必要だったかを紐解いてしまえばロープの仕掛けこそが犯行方法と決めつけた場合に赤音ちゃんに対し何かしら有利になる状況が存在するから。 注射器の、本当に入っていた中身は毒。 だけどそれを証明する手段が存在しないなら、ここで浦霧君が取った行動ははたからみれば正気を疑う自己犠牲でしょう。 でも、彼は赤音ちゃんを信じていたからこそ残った中身を自分に注射する事で証明しようとした。 結果的に赤音ちゃんが止めに入った事で中身が毒物であると判明。 初見では全て正解を選べませんでしたが、説得における選択肢をとっさに選ぶのはなかなか難しかったです。 毒物の特徴から全ての証拠も揃い、いよいよ犯人を入力する段階へ。 結果としては正解であり、赤音ちゃん以外は先に進めるようになりはしたものの…。 浦霧君の気持ちは痛い程わかるし、可能であれば私だってそうしたい。 結果的に赤音ちゃんは殺人をしたとはいえ誰かがしなければ駄目だった以上、こんなのは強要されたようなものでしかない。 生還した後に罪は償えばいいというのだってその通りだし、もし方法があれば脱出させたい。 けど、アンクルが作動している時点で赤音ちゃんが部屋から出れば最低でも足首は爆破されてしまう。 大した治療道具も、病院に駆け込める状況でもない今それでも強行すれば結果的には激痛の末に失血死をするのは回避ができないでしょう。 「みんなで考えればきっと方法はある!」 そう発言する気持ちも、そうしたい気持ちも痛い程にわかる。 とはいえ、毒ガスが出てきた事によりもう相談するにも時間がない。 赤音ちゃん自身も、人を殺した自分は帰る事はできないという旨の主張をしている。 同じく部屋に残った黒木さんが浦霧君が先に進まない限り隣の部屋にもガスが入る事で他の生き残れるはずの人達にも危険がおよぶ事を指摘。 赤音ちゃん自身がもう生き残るつもりがないというのもその通りで、だからこそ諦めるにはこれしかなかった。 「悪く思うなよ」 と呟き、能力によって赤音ちゃんの全身を氷で閉じ込める黒木さん。 こうなればもう助ける事もできない。 そして、結果的にこれは赤音ちゃんとしても望んだ結果だからこそ呟かれた「ありがとう」という言葉。 ルールとして説明はされていたとはいえ、実際に誰かが犠牲になるというのは辛いものですね…。 感情としては浦霧君の気持ちが痛い程わかり。 理性としては黒木さんの判断がより犠牲を出さずに済む内容なのも理解できるからこそ。 次の部屋に進んだと思えばこっちの部屋でもまた死体!? 一体今度はどうしろと…と思えば、今度は推理ゲームでなく脱出ゲームパートという内容へ。 扉の数から、3ヶ所にルートが分かれているのもあり分かれて探索をする流れに。 確かに説明された内容としても理解はできますが…正直、この状況で別行動って死亡フラグではないか?という不安が先行しなくもない。 とはいえ、狭い通路で固まって行動した結果一網打尽より生存率は上がるのでメリットとして何を重視するか?の話でしょう。 二人一組に分かれ、人数の関係からこの中で唯一戦闘できる能力を持つ黒木さんのみ単独行動。 どの扉にするかは各自の希望から決定。 果たしてこの先には何が待っているのか…。 廊下を見ただけでも先程までの大きな特徴がない一般的な場と違い、一気にSF物に出てきそうな近代的な雰囲気に。 医務室には何やら怪しげな色の液体が入った入れ物がたくさん並んでいたり薬を生成する機械を発見。 今は触らないけど覚えておこう、という事は後々重要な場所になる可能性もあるのだろうか…? 食堂らしき部屋では栄養面は完璧だろうとしても見た目からおいしくなさそうというか、デストピアで支給されそうな食事を連想させる物も発見。 一口食べてみようか?で何の疑いもなく口にしてしまう三鈴ちゃんにびっくりしました。 「ここは本当に施設の人が食べていたものだから。大丈夫」 …ここが食堂だと即言い当てた事もだけど、何で三鈴ちゃんにそんな事がわかるんだ? ちょっと怪しい部分はあれど、現状ではこれ以上の情報はなさそう。 そして他にも食堂内を調べれば何かの爪痕もあり。 痕から推定するに熊ぐらいの大きさがあるというのも、今後その動物なり怪物なりと戦闘になる可能性があるという前触れかと思えば嫌な予感しかしません。 と、思っていたらロックされていた扉の先に明らかに怪しい物が!? 大きなカプセルの中に入っている、怪物?の姿。 部屋に入ってすぐの時は全体が見えなかったので見逃していましたが、画面の左の方には中央以上に明らかに人の形をしていないものまで入ってるときた。 奥の部屋でPCを調べれば、カプセルの中にいたのは人体実験をされたなれの果てという最悪な事実が判明。 爪痕の時点で何かしらがこの施設を徘徊している危険は想定できましたが、ガラスの割れたカプセルの存在は完全にそういう事だよなぁとやはり危険が隣り合わせなのを再確認し。 廊下に戻れば別の扉を選んだはずの翠さんの姿が? さらに今度は桃ちゃんがこちらにぶつかってくるという予想外の展開。 桃ちゃんから事情を聞けば本来進んだ先でどうやら怪物、なれの果てと遭遇したようで…。 人の形はしているけど、体が溶けたみたいになっていて歩くたびにびちゃびちゃと音を立てていた…? しかも手を変形させて攻撃までしてきたという辺り完全に敵対生物なのは確定。 やっぱりあの何かが脱走しましたと言わんばかりのカプセルはそういう事だよねぇ…と頭を抱えました。 でも、これでどうして翠さんが単独行動をして姿を見かける事になったのかも説明はつきました。 急いで追いかけないとマズイという桃ちゃんの意見には同意だったので、追いかけようと思いきや… 「待って!そっちは駄目!」 桃ちゃんが矢に刺された!? そういえば脱出パートが始まる際に罠の存在は説明されていたけど、でも何で三鈴ちゃんはまたそっちに罠があるのを知っていたかのような発言をできたんだ? 急いで応急処置をし、今度は解毒剤が必要という事で先程の薬を作る機械の出番がここか!と医務室へ。 しかし、初見の際は機械の操作を間違えたので一旦リセットをしようとした結果エラーを起こし薬が作れないという展開へ…。 自分のミスを呪いながら桃ちゃんが脱落してしまいました。 これ以上犠牲を出す訳にはいかない(※桃ちゃんは自分の責任)という事でショックはあれど翠さんだけでもと先へ。 制御室にあるモニターから施設の各地を見れば集合場所になっている部屋に明らかにやばいものが映りこみ…。 反対側にあった部屋のロックを解除してそちらを調べれば犠牲者を発見。 どうやらあの自殺をした管理者以外にも何かしらのトラブルでやられた施設側の人間もいるようだ。 というか、遺書であろうメモにさらっととんでもない事が…と思えば抱えていたケースの中に爆弾が!? 床に爆弾についてのメモがあり、どうやらこの犠牲者が薬の機械のメモで名指しをされていたサイトウという人物と把握。 こんな研究をしている時点で大体みんなロクデナシ…とは思っていましたが、わざわざ付箋を用意してもらったりまだ若いのだから研究より自分の命を優先しろと心配されたり仲間への情はあったのだなぁと思うと複雑な気持ちもあります。 しかし、感傷に浸る暇もなく爆弾解除へ。 途中選択肢を間違えるも間違えてもセーフな部分だったようで最後のコードの部分まで進みました。 しかし、そのコードについては配線を外すとしかマニュアルになく目の前にあるのは二色のコードという状況。 間違えると即座に爆発という事でここだけは間違えられない、こういう時は直感を信じるのみ!と全て外し正解しました。 いよいよ残るは一番奥の扉。 誰かが倒れている?と駆けよればすでに亡くなっている翠さんの姿が…。 結局助ける事ができなかった無念はあれど、状況的に彼女を襲ったなれの果てが近くにいる可能性も高く。 一度黒木さんと合流し、情報共有をした結果どうやら正解のルートは黒木さんが進んだ先だったと判明。 正直、いくら戦闘能力があるとはいえ単独行動の時点で一番危険だった以上ちゃんと生きて会えたのにほっとしたというのも本音です。 それにモニターから集合場所であるこの部屋になれの果てがいたのは見ていたので偶然鉢合わせをしなくて良かったとも。 闘技場のような場所に出た所で奥から水音を立てながらやってくるなれの果てと遭遇。 硫酸を飛ばしてくるという当たったら無事で済まないおまけ付というのに、先に進むにも逃げるにも無視ができないのが痛すぎる。 やった!はやってないフラグだよ浦霧君!! 唯一の戦闘要員である黒木さんがなれの果てと戦う展開になるも、体が液体のようになっているせいか氷の槍に貫かれても平然としている!? 斬撃を入れようにも通用はせず、かといって氷の中に閉じ込めようとしても高速移動で回避されてしまうという不利な展開。 相手にダメージが入らないのに黒木さんは少しずつ被弾をしていく一方…。 何かこちらにできる事はないのかと思えば 「……寒い」 三鈴ちゃんの言葉で、いつの間にか空間の温度が下がっていた事。 そして、硫酸の凍る温度になったのかなれの果ての体に変化が! 「全身が凍ったら、割ることもできるだろ」 氷の剣の一撃でなれの果ては砕け散り戦いは終わりを迎えた。 とはいえ、あれだけの戦闘をした以上黒木さん側も無事ではなくただれた傷口を凍らせる事で応急処置をするしかできない状態。 頼むから医務室戻ろうよー!? でも、当の黒木さんが先を急ごうとするので仕方なく階段の先へ。 その先にあった一室を調べれば…何でお前が死んでるんだ!?と衝撃しかない虹葉さんの死体を発見する展開に。 死体を調べてみれば傷口やその周囲にある痕跡から先程遭遇したなれの果てに襲われたように見え。 しかし違和感というか、虹葉さんの能力は未来予知でありそれが本当なら対策はできたはずではないか? 予測はできても回避はできない能力?それとも実は偽装死体? どのみち、この先に出口へ繋がる場所はないという事で一旦今まで調べた所に隠し通路等がないか調べ直しに。 黒幕が何故か死んでいる時点で出口は機能しているのか?もし出られても謎しか残らないのは気がかりな所。 そして想定しておくべきだった最悪の想定との遭遇。 再び聞こえてくる水音、音源へ目を向ければ先程とは別のなれの果てが…! 浦霧君の言う通り、確かに先程倒したのは硫酸で攻撃はしてきても鋭利な物で突き刺すタイプの攻撃方法ではなかった。 水音という共通点で勝手に勘違いをしていただけで、実はまだなれの果ては存在していた事実を見落としていた。 まだなれの果てに気づいていない三鈴ちゃんを攻撃しようとなれの果ての指が鋭利な形へと変形し、とっさに三鈴ちゃんを庇うべく間に体を飛び込ませる浦霧君。 「やれやれ。これだからガキは嫌いなんだ」 「ガキはすぐに自分の命を投げ出しやがる」 黒木さんの声が聞こえたかと思えば、浦霧君は黒木さんに突き飛ばされ代わりに黒木さんの心臓が貫かれてしまい……。 時間稼ぎをしてくれると、自身となれの果てを氷漬けにしてくれた黒木さん。 前々から薄々感じはいましたが、この人のいうガキは嫌いという発言は単に子供嫌いという意味じゃなかったんだ。 二人だけになり逃走しようとするも、三鈴ちゃんから気になる発言が。 まるで、以前にも同じ事があったような…また、みんな助からない? だけど今は気にしてる場合じゃないとようやく出口を見つけるも、なれの果てに追いつかれ…最後に見えたこれは一体? バッドエンドかと思えば、ここでまさかの主人公交代? 今度は三鈴ちゃん視点で今までの物語を見る流れなのかな? と、ここでモニターを通して虹葉さんが登場。 最初の推理ゲームパートで聞いた通り、どうやら部屋の外にいる紫田さんを殺すかどうかゲームの説明を受けていた様子。 でも大きな違いとして、三鈴ちゃん視点では社長や後輩が人質になっておりもし自分が敗北すれば二人の命もないという事。 それに浦霧君の時は身に覚えのない壁に用意されたルールについて書かれた紙の存在。 そういえばここで正規ルート以外の選択肢を選んだらどうなるのだろう? 部屋にとどまった結果、浦霧君の際と同じく首吊り状態の紫田さんを発見してゲームオーバーへ。 全てを知った上でなら納得はしますが、ただの視点チェンジとしか思っていないとこれが本筋なのに何故ゲームオーバーなのか?と疑問を持ちそうですね。 扉を開けた際も、あの時と同じ部屋なのはわかりましたが前回ではなかった大きな白い机と椅子が。 さらに一番の違いとして、紫田さんが生きている!? 君が最初か、という言葉から三鈴ちゃんに声をかけられた順番はわからずとも部屋から出たのは最初である事が判明。 浦霧君視点の際にも出てきた後輩に関する話がここで繋がってくるとは…。 そして、殺されて当然というかこれは全方位に恨みを買っている人物なのは違いないと紫田さんについては納得しかありませんでした。 結果的には時間稼ぎをされ、紅茶を飲んだ所で持ち時間が終了。 初期位置の部屋に戻ってから、三鈴ちゃんの考える疑問に同意しつつ再びロックが解除される音が。 どうやら今回は誰も殺人を選ばなかったという別展開?もしかして別の世界線? 何が起きているかわからないですが、三鈴ちゃんの発言を見るに本来初対面のはずの浦霧君の名前を知っている? これだけなら行間というか、実は名前を聞く件をプレイヤー視点で見せられていないだけかと思えば黒木さんの名前も知っている? そして、その後に黒木さんが自己紹介をしている時点でやはり自己紹介をしていない、面識はないと考える方が前提としては正しそうで…。 調査パートが始まり、浦霧君に話しかけてみればやはり初対面なのかを疑われる流れに。 それに対する三鈴ちゃんの返しは弟に似ているという以前とは違う内容へ変化。 他にも以前とは違い、紫田さんから虹葉さんが自由解放党の人間ではないという情報も聞き前提が噛み合わない事が増えていく。 以前は気づきませんでしたが、もしかして日誌にあった社長というのは紫田さんの事だった? そして、リストに名前があった以上何かしら関係はあると思っていた桃ちゃんが実は以前この施設に誘拐されていた事が判明。 倉庫に置いてある物も増えており、机の上に置かれた文房具や金庫と前回では存在してないはずの物が。 今回は誰も犯行を行っていないのでロープも使用した痕跡がなく、やはり同じ部屋や似たアイテムはあってもどこかがズレた世界という感覚がします。 以前は疑惑どまりだった紫田さんが能力者かに対する情報も今回は翠さんの証言で確定。 さらに黒木さんもまず間違いないとした上で、ある程度能力の内容について目星をつけられる情報を提供してくれるという展開の違いも。 決定的な証拠がないという部分は共通でも、今回ははっきり言うんだな?と思いましたが 『空気か酸素を操れる能力』 というその気になれば簡単に人を殺せる相手が生存しているからというのが分岐点だったのかと今ならわかりました。 調べられる箇所を全て調査した所で突然の消灯時間通知。 浦霧君視点の時と展開が違うのもあって、全く先が予想できないですね。 翌朝?翠さんが朝食の用意をしていたようなのでお手伝いをし貴重な食事タイムへ。 その中の会話から、今現在もこの部屋の中は監視カメラによって様子を見られている上にそれがどこかへ中継されているという疑惑が。 黒木さんの言う通り、確かによくあるデスゲームを見る事を娯楽にする趣味の悪い金持ちスポンサーとかはいてもおかしくないでしょう。 ひとまず凶器になる物を金庫にしまう事で誰にも殺人を行えないよう対策を取り。 この部屋から脱出する為のパスを知る為紫田さん相手に討論をしたまでは良かったのですが… かつて桃ちゃんと仲良くなり、一緒に逃がしてもらった子が黒木さんの妹だった? リストアップをしてまで探していた特定の能力を使える人。 話の内容からそれは治癒能力であり、数も少ないからこそ利用価値もあった。 …と、ここまでは理解できたのですが桃ちゃんもリストに名前があったはず。 だけど桃ちゃんの能力は動物との会話という、わざわざリストアップしてまで探す能力かといえば違う気がして何かが噛み合わない。 とりあえず、パスはわかったのでいざ入力をしてみれば扉が解除されるどころか停電発生!? そして暗闇の中で何かが起こり、結局紫田さんは殺される結果へ…。 今回は何も起きないと信じたかったけど、やはり事件は起きてしまうのか…。 推理を進めていけばさらに前提がひっくり返るような新事実が。 翠さんが自分の能力を偽っていた?本当は変身能力だったと? そして犯人の指定を三鈴ちゃんが、実際に入力をする責任は黒木さんが果たしてくれるという展開へ。 ここは素直に翠さんを選択するので正しいだろうと思えばさらに想定外の発言が飛び出すという想定外から想定外が続く流れに。 「でも、三鈴っち嘘ついてるっすよね?」 章が切り替わりとうとう最終章へ。 翠さんの時点で他にもいる可能性はあっただろうし、桃ちゃんがリストに入っていた理由も全て説明がつきました。 桃ちゃんの本当の能力は噓探知機の役割を持っている。 そして、今まで人の嘘が能力により見えていたからこそあえて道化を演じてきたという発言。 …思えば、桃ちゃんは初対面の頃から今時テンションな軽いギャルっぽいノリではありました。 でも、発言が滑った時のへこみ方というか本質的には陽でなく陰キャというのか…。 それに、それが本当だったら赤音ちゃんが犯人だった際に本当はそんな事を思っていないと強く言ったのも嘘をついている事がわかっていたからこそであり。 自身の能力を明かす事はせずとも、根拠を提示できずとも本当に違うとわかっていたからこその発言だった。 そう繋がった時、全てに納得がいき。 同時に、三鈴ちゃん視点での操作だったので勝手に次の主人公と思っていただけで三鈴ちゃんは何か嘘を隠していたという背筋がぞわっとする事を突きつけられてしまう。 そしてここにきて、三鈴ちゃんから浦霧君の視点へ緩やかにかわっていき再び主人公が交代という展開へ。 三鈴ちゃんが犯人という状況、それを追求する上で赤音ちゃんが味方である場合鑑定のできる能力がどれ程強いのかを思い知る事となりました。 どんな細工をしても分析をされたらばれてしまう事。 言われてみれば前の章で三鈴ちゃんは暗闇の中で何か光を見ていた事。 その時は気にしていなかったけど、それが蓄光塗料による光だったとすれば何の矛盾もない。 この前章で重要な情報を隠しつつ、今度は三鈴ちゃんが主人公で物語が進行するだけという思い込みから最終章へ持って行く流れは惚れ惚れとしました。 まさに推理物における手法、信用できない語り手すぎる。 次に重要になるのは、三鈴ちゃんは翠さんに自分の能力を材料として紫田さんを殺害するようお願いができたという事。 紅茶に毒を入れ死亡時刻を操作する方法は判明しても、実際に使用されたカップに左利き用の物がなかったとすればどのカップに毒を入れたらいいかなんてわかるはずがない。 確率としても七分の一では賭けに出るにもあまりに不安定すぎる数字で信用はできず。 ヒントとして、今回の犯行に能力が使用されているとしても表向きは偽装をしていた以上あまり本来の能力とかけ離れた物を装うのは難しい。 浦霧君がどんどん並べていく疑問点、本来初対面のはずなのに何故三鈴ちゃんはここにいるみんなの事を知っているのか? 前章でも疑問に思っていた事が実は重要な伏線だったと回収されようとしている…。 そして、選択肢として出てきた彼女の能力候補。 信じがたいけれど、正解を知った時は選びつつもそんな事がありえるのか!?となりました。 時間を巻き戻す能力、それを使って狙った状況がくるまで何度でもやり直す事ができた。 その上で自分の能力を信用してもらう為に自分の犯行を見抜いて欲しかったという絶対に到達できない動機。 制約こそあれど、本来なら自分が生還するだけならその能力で簡単に脱出できるはずだった事。 なのに、何度繰り返しても何故かみんなの行動は変化してしまい未来は変わってしまった。 「また、みんな助からない」 思えば、確かにあの時の発言もまるで何度も繰り返し同じ結末を見てきたような言い方でした。 プレイヤーが浦霧君視点として遊んだ第一章も、三鈴ちゃんにとっては何度も繰り返したループの1つに過ぎなかった。 そして、唯一記憶を引き継ぎながら繰り返し続けた三鈴ちゃんの言葉があまりにも重たすぎました。 繰り返しの中で、みんなの事を好きになり全員が助かるルートを探そうと抗い続けていた事。 何度も繰り返し、第一章のようにまた助からないと嘆く事もありながら本当はとっくに心が折れてもおかしくない状態の中ずっと一人で戦い続けてきた真実。 80から先は覚えてない、けれど100は過ぎているだろう回数も繰り返していれば精神が崩壊したって当然なのに…。 さらに実は浦霧君が本当にウラギリ君だったというネタではなく本当だった!?という流れ。 もうこれだけ能力詐称のバーゲンセールが起きているんだから、実は浦霧君が能力を持っていても不思議はありません。 それに、その能力の内容を考えれば今カメラで撮影されている映像が何故配信されているのか?理由が繋がってしまう。 本当の動機は現在記憶を失っている浦霧君にはわからない。 だけどまさに、お前が始めた物語だろ!?という事実に変わりはない以上決着は浦霧君がつけなければ終わらない。 それに気づかせる為に、三鈴ちゃんはこの命がけの大仕掛けをした。 記憶を失っていても本質的な人間としての部分が同じであれば、本当の浦霧君はどうしようもないお人好しというか青臭いけどそこが魅力的な人である事に間違いはないでしょう。 彼が始めた事だからこそ決着をつけてもらわなければならない。 それと同時に、もし記憶を取り戻したとしても本来行うはずだった計画を中止する事ができる人であると信じる事が大前提にある。 自分の命を対価に、何度も繰り返した世界からみんなを助ける為の方法として三鈴ちゃんはその事を信じて託したんだと。 浦霧君は無事記憶を取り戻すも、三鈴ちゃんはルール通り命を落としてしまいこれで本当に後戻りはできなくなってしまった。 二度と時間を巻き戻す事はできない以上、これが本当の最終決戦ですね。 決着の方法は電気椅子に座った上でそれぞれが勝利条件を目指す事。 敗者は当然、座っているのが電気椅子という事で感電死するという文字通り最期のゲーム。 浦霧君が敗北した時点で恐らく感情の感染に耐え切れず全滅するのは待ったなしでしょうが、もし駄目だったとしても黒木さんが次の挑戦者になると言ってくれるのは心強さを感じました。 お前だけの責任なんて言わせられるわけ無いだろうとは言ってましたが、だからこそ連帯責任としていざとなれば勝負をするつもりだという事が。 今まで散々これだからガキは…と言いながらも、子供の癇癪ぐらい受け止めてやるのが大人である事。 だから、気にせず好きにやるように浦霧君を後押ししてくれる事。 また後記させていただきますが、黒木さんのこういうところが本当に大好きです。 いざ討論が始まり改めての自己紹介が終わったところで、今度は仲間達に対しての精神攻撃とも言える言葉をかける虹葉さん。 ここでそれぞれが自分にとって痛い所を的確に突いていくもみんなは負けない。 ちゃんと自分の言葉で、自分の意思で立ち向かっていくのは最高の演出です。 そして虹葉さんが持っている、後に明かされた記憶を操作できる能力。 誰も殺人をせず計画が失敗する事を未来予知で知った虹葉さんは自分から動くしかなかった。 三鈴ちゃんは何故か未来が変わる事や自分視点ではそれが事実だった為見落としていたけれど、本来なら彼女の言う通り他の人は記憶を持ちこせない以上三鈴ちゃんの行動でしか未来は変わるはずがない。 その操作ができるのは、その情報を知った上で干渉ができる人物に限定されそれは未来予知の能力により三鈴ちゃんの能力を知っていた虹葉さんにしかできなかった。 そう考えれば、何故第一章の時に虹葉さんが死んでいたのか。 結末としては三鈴ちゃんのみ生存した以上彼女があの後再びループを選ぶ事は確定だったでしょう。 だから死んでも問題がなかったので予定調和と言わんばかりの顔もしていた。 やがて明かされるこの世界の秩序を保つ為に重要だった秘密、能力者は高所恐怖症でありトウカイから出る事が物理的にできないから今まで安全が確保されていた事。 言われてみれば確かに何故トウカイがそんな高所にあるのか必要性という点を考えれば不思議でした。 能力者当人でもほとんどの人がその事実すら認識していない事も、気づけないようになっていた仕組みも含めちゃんとした理由は存在していた。 なのに、実はそれすらも記憶操作によるものであり解除されてしまえば能力者は外の世界に出る事が可能になってしまう…。 思わず、やめろ!!と言いたくなる事を教えた上で記憶操作を解除する虹葉さん。 もう何をしても詰みの状態じゃないかと、何を選べば正解なのか頭が痛いとしか言いようのない流れへ。 それでも、最後に必要だったのは三鈴ちゃんの言葉を信じる。 これが正解だったというのがストーリーとしても完璧というべきか、三鈴ちゃんの信じる浦霧君でいればいいんだという事が彼に託して亡くなった彼女への最大のアンサーでした。 個人で世界なんて救わなくていい。 浦霧君はやりたいことをやればいいし、やりたいことを一生懸命できる人である。 決心を固め、優君の安全や赤音ちゃんのお母さんとの合流をまずはする事。 そしてみんなを頼り、ここからできる事をしたいと協力を願う美しい流れ。 虹葉さんも含め、みんなを助けたいし守りたいというお人好しすぎるけどやはりそれでこそ浦霧君と言える部分も含め直前までの絶望が一転して希望へと塗り替わる爽快感。 しかし、虹葉さんは自身の信念として…滅びるべき悪として死んでしまった。 彼女が未来予知をできるなら、こうなる結末は見えていたはず。 三鈴ちゃんが何度も抗いながら繰り返しハッピーエンドを目指したように、虹葉さんもまた人間への試練として到達するべき結末へ行けるとわかれば最初から受け入れるつもりだった。 立場は違えど、結果的には人間の可能性を信じていたり愛があるというのか…本質的には虹葉さんも純粋な悪人とは違う筋が通った人だったという点で憎めない存在でした。 …むしろ、彼女も被害者の一人という方が正しいのかもしれません。 規格外とも言える能力発動の代償として、薬を必要とする程の苦痛を与えられ続けれており未来予知はできても世界に干渉することができなくなった虹葉さん。 いくら見る事ができても自分の行動で結果を変える事ができなくなってしまい、見ている事しかできないというのがどれ程苦痛な事か。 自ら望んだ訳でもないのに世界の傍観者になってしまった、人為的に…誰かの欲望の為に生み出された能力者である彼女の立場を思えば今回の暴挙はさすがに行き過ぎでもそれまでに与えられた結果生じた歪みとも取れます。 最初は彼女の言う、人間が試練を超える事を見るのが好きというのも理屈はわかるがやってる事が限度を超えているとしか言えませんでした。 しかし今思えば、自身の行動で結果を変えられる人間への憧れだったのか。 彼女の背景を思う程ただの善悪で割り切れない物がある事を考えさせれます。 無事にトゥルーエンドを迎えたと思いきや誰かの声が…? 見守るように読み進めればそれは…そして、それは決して我儘なんかじゃないと言えるでしょう。 結果的に浦霧君を止めて、向かうべき未来へと進めてくれたのは間違いなく三鈴ちゃんのおかげです。 先にも述べている通り、本来なら心がとっくに折れても、精神が崩壊してもおかしくない数を繰り返しながら結果を変えてくれた彼女の事を思えば。 そしてお姉さんの能力はまだ見ていない未来への干渉はできずとも、現在と過去の浦霧君を見守る事。 過去であれば、見る事ができ干渉ができる事。 これから起きるだろう事を思えば、過去を変える事で三鈴ちゃんは生還し世界に騒動が起きる事もない。 だけどそれは浦霧君の歩みや、最終的に選んだこれからの未来をなかった事にする意味でもある。 どちらが正解なのか。 それを問われたままタイトル画面へ切り替わる演出はなかなか熱い展開でした。 しかし、未来を変える場合必要になるのは過去を変えるかつ三鈴ちゃんの生還を目指す事。 お姉さんにできるのは浦霧君の意識に介入し選択を促す事。 となれば、浦霧君を操作できる時でなければ効果がない以上、第一章に分岐点が存在する? お姉さんとプレイヤーはすでにトゥルーエンドを知っている。 この章における本来の犯人は赤音ちゃんだけど、実際は虹葉さんがそう思い込ませているだけにすぎない。 まさかこういう事…?と選択をすれば正解を引き当てた!? 「……おかしいわね。このタイミングで君に分かるはずがないのに」 虹葉の未来予知では本来、このまま第一章の結末を迎える事を知っていたはず。 そして、このタイミングでという発言から彼女はやはりいつかトゥルーエンドの世界線へ到達する事も知っていた。 一見すればプレイヤーと介入しているお姉さん以外は知り得ないメタ発言でも、虹葉さんが未来予知としてすでにいつか迎える終わりまで知っていたならこの言葉も出る事に不思議はありません。 何故浦霧君が真相を言い当てたのか、そのカラクリを知るのはプレイヤーとお姉さんだけ。 変える事のできない未来を観測するしかできない虹葉さんにしてみれば、実は浦霧君も未来予知の能力を持っているように見えつつも自分の力で運命を変えたように見えたのでしょう。 俄然興味が出てきたと全員解放され、平和な後日談へ。 そこにはこれからどこかへ出かけようとする浦霧君と三鈴ちゃんの姿が。 この世界だと虹葉さんも生存していて、ちょっかいをかけているという形で何だかんだ楽しそうだなぁと。 結果的に平和に物事も進み、あの時のメンバーは定期的に連絡を取る仲になっているというのもトゥルーエンドまでに築いた絆や縁は消えないという点で安堵しました。 紫田さんはまぁ今までにやった事がやった事なので必要な犠牲だったという事で。 @ネタバレ終了 全てのエンドを回収するだけでもかなりのボリュームというか、物事には全て意味がありそれが繋がっていった時の衝撃という点では本当に感服いたしました。 あらすじにもある『嘘にまみれたこの世界で嘘を見破り真実を見極めて生き残れ』というフレーズも、そりゃ犯人を見つける討論をするのだから当然…等という誰にでもすぐ想定できるような意味ではなく。 隠され続けていた真相へ到達した際の爽快感やそこまでの道のり。 登場するキャラクターそれぞれにある背景を知り、物語への深みや説得力が増していく様。 ミステリー・推理物として謎解き要素が楽しめたのは当然なのですが、それと同時に物語を深く楽しむ事もできる。 おまけ要素として、条件を満たすと解放される登場人物の過去に関するエピソードも合わせるとさらに理解が深まり…中には読んでいる最中に涙を堪えきれなかった物もありました。 という事で、ここからはそのおまけ部分を含めた箇所についての感想となります。 (全文をそのまま投稿した場合、文字数制限上途中で切られてしまう為ここで分割いたします)
  • 菟原まひるの選択
    菟原まひるの選択
    かわいいワンちゃんが見えたので、プレイ! @ネタバレ開始 すごく深くて、良かったです…! まさかのドシリアスで、ダークなお話にびっくりしました! ふたりとも、家庭環境がこじれすぎている…! また、複雑なつながりがあったことにビックリ。 まひるちゃんとミカゲちゃんの前向きな力で無事に解決できて、ホッとしました。 (ダーク展開好きなので、そっちはそっちで楽しいのですが…!!(鬼畜スマイル)) そして、ミカゲちゃんの愛の告白が良すぎました。 暁人さとん小夜ちゃんには申し訳ないけど、これはこれでハッピーエンド…! @ネタバレ終了 ストーリーも、UI部分も、プロのイラストレーターさんの描く美麗スチルも、全体的にスゴくハイクオリティ作品でした! 素敵なゲームを作ってくださり、ありがとうございます♪
  • 因果律 Inside The Memory
    因果律 Inside The Memory
    難しそうで長編、これはかなりの気合が要りそうだ……と心配していたのですが、予想外に手軽に楽しめるタイプでした! 探索や謎解きは易しい方だと思います。説明にある通りメモがあると便利ですが、私は無しでもスムーズにクリアできました。サイトに攻略もあるので安心! 全エンド回収で2時間弱(ボイスは重要なシーン等は聞いて他は読むの速め、エンド回収の一部のみ攻略を見ました) 上質なボイスに動く立ち絵も魅力ですが、ガラッと変わるマルチエンドと隠された真実を解き明かすストーリーが面白い! @ネタバレ開始 前作プレイからずっと気になっていた続き、やっと見れました! 澪さん悪い人だと思っていたのに……などなど、まさかの展開が沢山で面白かったです! 催眠いいなりエンドも好きですが、トゥルーエンドの幸福感! ごちそうさまです!! @ネタバレ終了 素晴らしい作品をありがとうございました!
  • ハナカマキリの心
    ハナカマキリの心
    実況動画から来ました!面白かったです。ありがとうございました。
  • ファミレス・ミステリー
    ファミレス・ミステリー
    とても面白かったです! @ネタバレ開始 TRUEに行けなくて結構苦戦してたのですが、いざ最後の文面が変わると達成感が凄かったです笑 犯人に関しては一発で分かりました。 でもいざ話を聞いてみるとなるほどと思う部分もあり良かったです。 三人との話題の内容にはそれぞれ考えさせられ、その時から何かありそうだなとは何となく思っていましたが、よく考えられたストーリーでとても良かったです。 @ネタバレ終了 良作ありがとうございました!
  • COVERUP
    COVERUP
    気軽にサクッと遊べる推理ゲー! 案内人さん含め、クラシカルで謎めいた雰囲気が印象的でした。 テイストの違う謎話をこれでもかというくらい堪能できます。 プレイ時間は長すぎず短すぎず。 推理も簡単すぎず難しすぎずで絶妙です。 ヒントも与えてくれる案内人さん優しい!と思いつつ、果たしてそれは優しさだったのか…ゴクリ。 …という底の知れなさをエキセントリックに表現したFAを献上させてください~!!!(逃) (戻)推理にのめり込んでしまい、つい一気に完走してしまいました! とっても面白かったです♡
  • 可惜夜のさかしま町
    可惜夜のさかしま町
    大好きなシリーズ!! 今回も南風原さんに会えて嬉しいです~ シリーズの中では今回が1番脅かし要素が強かった気がします。 その分ホラーをたくさん堪能できて楽しかったです! 謎解きも難しかったですがそこはヒントを活用させていただきましたので、無事クリアできました。 お話としては忠告通りの結末でしたが、そこがよりこのゲームのホラーな雰囲気にあっていたと思います。 素敵な作品をありがとうございました! また南風原さんに会える日を楽しみにしております!!!
  • 大正占術奇譚
    大正占術奇譚
    はじめまして、SOALのスカと申します。 お見かけするたびにどんなゲエムか気になっておりました! 雰囲気や音楽、少し不気味な感じや、理不尽だったりコミカルだったりするマルチエンド。 とても好みでした!要所要所で使われる大正っぽい仮名遣いも良いスパイスでした。 @ネタバレ開始 ノヴェルを読み進めていくうちに、登場人物が共通しており、 話が繋がっていたり、「き、しょう、てん、けつ」の法則に気づいてからは ぐんと他のルウトのノヴェルも読んでみたい!とひきつけられ、引き込まれていきました。 最後の大謎がちょっと難しくて、攻略を用意してくださっているのに甘え すぐに見てしまいましたが、 もう少し粘れば良かったかなと少し反省しています。 わかってみたら簡単に感じる。おばあさんの言う通りですね。 結末はかっこいいハッピイエンドで、しかし怖い余韻も残る終わり方で好きでした。 ちょっとジョジョやハンターハンターみたいな少年漫画みを感じて、 ひとりでテンション上がってしまいました笑 個人的には、花占いのお話が主要人物全員出てきて、話の内容も好みでお気に入りです。 @ネタバレ終了 素敵な大正体験を有難う御座いました!
  • 菟原まひるの選択
    菟原まひるの選択
    バーチャルフェス会場でお会いしたワンちゃんがかわいくて、ゲームも遊びに来ました! タグにもちゃんと「ワンちゃん」の文字がある……!! 同時に二人から告白されるという、今までにないような始まり方で驚きました。その後も選択肢をぐるぐるしながら、次第に明かされていく真実に目が離せなかったです。 @ネタバレ開始 全エンドコンプリートするのは結構難しいかも? とのことでしたが、確かになかなか難しかったです。セーブ数がたくさんあって本当に助かりました。それに、エンドリストのヒントもかなり参考になりました。 最後にたどり着いたのが『09』エンドで、本当に感動で前が見えなくなって……。おかえりいいいまひるちゃん!!いい子で頑張ったねえ……!! エンドロールも3人仲良さそうでこっちまで嬉しくなります。ミカゲくんもお空から見守っていてくれてるのかな。いい子だ……。 『10』エンドも個人的に印象に残っています。地獄だろうと、3人いっしょなら大丈夫……そんな風に思える関係って素敵だなと思います。いろんなエンドを見るうちに、3人のことが本当に好きになっていきましたね。生きていてもそうでなくても、一緒にいてほしいと思うようになりました。 そしてなんといっても、『11』エンドで腰を抜かしてしまいました。ミカゲくんエンドが、ある!!!! あるだけじゃない、結ばれちまうんだ……!!!!!!!! きっとミカゲくんなら、ずっとまひるちゃんのそばにいてくれるだろうという安心感がありますね。末永くお幸せに……! ミカゲくんをもふもふするまひるちゃんのファンアートを描いてみましたので添えておきます。 @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございました!
  • 怪異判定アドベンチャー「奇天烈相談ダイヤル」
    怪異判定アドベンチャー「奇天烈相談ダイヤル」
    難しいけど面白いゲーム。とりあえず一週間(一週目)クリアしました。評価はCなので、もっとがんばらないと。
  • In Your Humor
    In Your Humor
    無機質な印象のタイトル画像、真面目な作品かと思ったら「あなたのユーモアのままに進めてほしい脱出ゲーム」だと!? 選択肢でボケろってことか……その挑戦、受けて立とう! 脱出の可能性よりも面白そうか否かで選択肢を選んだつもりが、なんやかんやでスムーズにクリア出来てしまった!! 確かに自分のユーモアのままに進める脱出ゲーム! サクサク進めて約1時間でクリア。サムネ参照の早押しミニゲームは、マウスでも苦戦はせずにクリア出来ました。 ゆる~い感じなのに回収しきれないほど作り込まれていて、楽しかったです! @ネタバレ開始 ゲーム開始前から笑うw まさかタイトル名を変更できるとは! あああああで爆!! ギャルゲも笑いました! しかも立ち絵の解像度とか、確かにってw ゆるくふざけまくっているようで、キャラや細かい背景イラスト、ツッコミシステム、セーブ関連、ユーモア診断まであったりと、作り込みが凄い!! しかも他の方のコメントで気付いたのですが、すっかり忘れていたキャラクター設定で台詞まで変わるとは! 恐れ入りました! 私はデフォルトちゃんが特に好きです! @ネタバレ終了 素晴らしい作品をありがとうございました!
  • 菟原まひるの選択
    菟原まひるの選択
    記念すべきティラノゲームフェス第1回のグランプリ受賞者が7年ぶりに凱旋フェス参加だー!ということでTGFガチ勢としては非常に感慨深いゲームで、フェス開幕直後にプレイしました!以前プレイした際は全エンドコンプができなかったのですが、フェス閉幕前に気合を入れてフルコンプしました!(ちなみに最後に残ったのはまさかのEND01でした!) ストーリーの本筋は「序盤に提示された大きな謎の答え探し」なのですが、次々に新たな謎が提示されて常に好奇心を刺激される展開が楽しめました。マルチENDなので断片的な情報しか得られない結末も多々ありますが、それもまた次の周回プレイへのモチベーションとなります。エンドが11個もあり、かつそれぞれの結末の振れ幅が大きいのも今作の魅力だと感じました。やっぱりEND10あたりが好みですが、意外性のあるEND11も好きです! ちなみにグラフィックはさすがに本職がイラストレーターの方のゲームだけあって申し分なさすぎる美しさです。何も言うことはねぇです!そしてイベントスチルは18枚もあります。スチルの中では最後18枚目のものがシーンも相まって好きですが、一番好きなグラフィックはゲームのコンセプトをバッチリ象徴的に表していて構図も素晴らしいタイトル画面の絵です!それ以外にもエンドロールのカットなどグラフィックはたくさんあって豪華です。ちなみにシステム周りも万全のクオリティでどこをとっても見た目が美しいです。 最後に、誰が遊んでも楽しめるとは思いますが、特にワンちゃん好きは大満足間違いないので、愛犬家の方には特に強くプレイをオススメします!!
  • 怪異ホラーミステリー×コマンド選択式アドベンチャー「星影の館殺人事件」
    怪異ホラーミステリー×コマンド選択式アドベンチャー「星影の館殺人事件」
    ピコピコ音楽とレトロなドットが懐かしい……ぽち。 UIデザインとコマンドシステムも懐かしや。ぽちぽち。 @ネタバレ開始 途中、まなぶくんが喰われて擬態されているのかと思ったら、違った……事態はもっと深刻だった……。 依頼された殺人事件以外の所で犠牲が山ほど出ていた……。 ある意味解決してないどころか山守本家は既に……。 最初はとんでもないと思った長男親子がアツかった……。何てドラマだ……。 あかりさんも最初の方から伏線だったのか……。 婆様も最初はヤバいのかと思っていた……逆だったんか……ゴメンなさい……(土下座) 最終局面で色々と皆の印象が変わって見えて来るのがお見事。 @ネタバレ終了 良い意味でインパクトのある不気味さと、重厚な人間ドラマ。 本格怪異ミステリー、大変楽しませて頂きました。
  • 皇探偵と黒薔薇の呪い
    皇探偵と黒薔薇の呪い
    探偵さんが依頼を受けて、依頼主の家へ……行ったは良いものの、なんだか様子がおかしくて? なお話で、少しずつ全貌が明らかになっていく楽しさがありました! 謎解きもたくさんあり、攻略サイト様のおかげでなんとか全部解読&全エンド見ることが出来ました。 @ネタバレ開始 呪いやおまじないが多数出てきて、それを盗撮含めて実行するほどの愛の力って強いな……と思いました。 トゥルーエンドで扇さんをそばに置いておく判断をした皇さんの胆力に驚きつつ、まあ目を離したら何をするかわからないからそばに置いておくのが一番安全かも……とも思いました。 なんだかんだで、良い?三人組になりそうな気がしましたw @ネタバレ終了 面白い作品をありがとうございます!
  • 可惜夜のさかしま町
    可惜夜のさかしま町
    大変感想が遅くなり申し訳ありません。 可惜夜もこちらが最新作という事で配信にてシリーズ全てを楽しくプレイさせていただきました。 プレイした当時としては週に1度は可惜夜シリーズを遊べるという楽しみがある!! とウキウキだったので、現状こちらが最新作であり一旦の終わりという事で楽しみ半分寂しいの半分はありましたね。 @ネタバレ開始 先に結末というか、トゥルーについて触れると ここ2作品が比較的救いはあったのに重たいのがぶっこまれたーーー!?というのが素直な感想でした。 (これ自身は話の内容として仕方ないというか、避けられない未来だったので納得はしています) 必ずしも真実が幸せなものとは限りません ここから始まる、それでも貴方は真実を確認しに行きますか? という選択をする文面や画面効果も雰囲気が充分あり、それでも全てを知らないと納得はできないと「はい」へ。 今作も、真相というか深部へ踏み込むという部分においてマテオ君の役割が大きいですね。 何はともあれ、生還できた以上もうあの公園に近寄らなければもし今後、知らない犠牲者が出る可能性はあっても南風原さん達には関係のない話でしょう。 真相が明らかになったところで証拠が足りなければ警察に犯人を突き出す事もできはしない。 (証拠についても、あくまであちらの世界で手に入れた物という時点で証拠能力もどうなのかな…という事踏まえ) 「…誰かを線路に突き落として殺したりしてないよね?」 ここまで到達したなら、薄々以上に思っていた確信へ触れる発言。 そして、最初の南風原さん視点では聞き取れなかった言葉もマテオ君にはちゃんと聞こえていたという事実。 会話から、やはり犯人はそういう事だった点やこれまでにも身代わりとしてたくさんの人を犠牲にしてきたという真相。 確かに調査中に首吊り死体のある家はありましたが、ここで繋がってくるのかと…。 まだ両親の死を理解できない年齢ならまだしも、それを死体として認識できているのに通報もせず家に居場所がないと表現する時点でこういち君側にも事情というか、明確な歪みや問題点を抱えている部分はあるのだと思います。 かといって、それが誰かを傷つけていい理由にはならないのですが。 「こういちくんがおしえてくれた かみひこうき。じょうずにおれたよ」 皮肉にも…というべきか、結果的には自分が教えた紙飛行機が彼を向こう側へ導く原因になってしまった。 これでもう、全員があの世界に行き犠牲者も出ない本当の終わりがきたんだなと。 収集アイテムが紙飛行機であった事や、最後にもらった紙飛行機もこれ単体では何故今このタイミングで? と思ったのに最後の〆に向かって綺麗に一直線で繋がっていたんだなぁというのが好きです。 こういち君が間違え続けて何故か来てくれないとは認識していたので、今度こそ間違えずに来てもらえるようにした仕込みなんだろうなという部分も合わせ。 謎解きとしては、もう私の頭ではヒントを使用するのが前提の難易度ではありましたがまだ最終的にクリアは可能な事。 トゥルーエンドを見る為に前提として収集物がある事は明言化されているので明らかに最後の謎解きであろう箇所を終わらせる前に見逃しがないようチェックができる点は良かったです。 プレイ時間が思ったより長くなったのも、これって助手子ちゃんがドラマに間に合わないのでは!?という心配をする事になる、ある意味ではネタになったのが今ではいい思い出となりました。 そして、見えている地雷とわかっていても見てはいけないと言われると見たくなる物はありますよね…。 (一度目は許してくれるだけまだ優しい方とは思いつつ) @ネタバレ終了 耳に残るゆうやけこやけの歌や、明るい時間ならきっと一般的に感じるであろう商店街を舞台の中心とした事。 (※ただし一般的ではない怪奇現象は起きる物とする) 日常と非日常の境にいるような、でもこれどう考えてもあちら側…を堪能させていただきました。 いつもながら素敵な作品をありがとうございました。
  • えっ!俺以外みんな犯人!? ~半人館の殺人~
    えっ!俺以外みんな犯人!? ~半人館の殺人~
    俺以外みんな犯人!!! 主人公のチート能力! 誰を当てても 犯人なうえ、ミスると犯人にやられてしまう!! @ネタバレ開始 コメディかと思いきや 犯人だらけの中 生き残るために推理していくのが面白かったです!! 主人公が優秀ではないが憎めないタイプなのもとてもよかったです。 @ネタバレ終了 作品、楽しませていただきました。ありがとうございました。
  • 焦がれる腹を満たす熱
    焦がれる腹を満たす熱
    実はフェスが始まる前から遊ばせていただこうと思っていた作品…! @ネタバレ開始 うおー、背景も登場人物たちのドット絵もすごいし、アニメーションの動きがいいー! でも文字見にくいかな〜と思ったら、通常文字にさせてくれる細やかな配慮!ありがとうございます! めっちゃミニゲーム愉しい!ただ残念ながら私のパソコンでは動作が思うように行かず、判定が少しおかしい動きに…ゲームオーバーにならずにクリアするだけが限界でした…。うう、やり込みたかった… @ネタバレ終了 パソコン動作事情でバッジをすべて手に入れることは叶わなかったですが、期待通りすごく面白かったです!ストーリーもよかったです。ありがとうございました!
  • 怪異判定アドベンチャー「奇天烈相談ダイヤル」
    怪異判定アドベンチャー「奇天烈相談ダイヤル」
    まだ遊び始めたばかりですが、このクオリティを無料で遊べるのがすごいです。
  • 怪異判定アドベンチャー「奇天烈相談ダイヤル」
    怪異判定アドベンチャー「奇天烈相談ダイヤル」
    面白いです。少し難しかったりしますが ただ今朝ロードしたら画面がとまり 左下に不気味に「地獄へ落ちろ」という言葉がでてきました 怖すぎて今はやってません。改善してほしいです また最初からはきついです。