SF・ファンタジー
8142 のレビュー-
パーソナル・スペース1人のコピー人間の生きた足跡を見ていく物語。僕は2時間30分ほどで読了できました。個人的な趣向と合致したこともあって、僕にとっては大変印象深い作品となりました。 @ネタバレ開始 個人的には、まず宇宙を舞台にしているところに強く惹かれました。いきなり私事を語ってしまい恐縮ですが……。僕は星や宇宙が好きで、プラネタリウムにも1人で行けちゃうような人間です。星空の美しさにはいつも癒されていますし、「あの星のある場所に、僕達は絶対に行くことが出来ないんだよな」なんてことを考えて、切ない気持ちになることもあります。そんな個人的趣向も影響しているかもしれませんが。本作品のタイトル画面を開いて、いきなり感動しました。まるで、静かに煌めく星空を見ているような気分になりました(「ピアノと星空の短いバラード」という曲、素敵ですね……! さっそく自分でもダウンロードしてみようと思います)。 シナリオについてですが、構成が非常に良かったです。情報の見せ方が大変巧みだったと感じます。 「過去に何があったんだろう」 「これから何が起こるんだろう」 その両者が気になるため、先を読まずにはいられなくなりました。個人的には、「ラズリは今どうしているんだろう」、「シロエはクロハと会えたんだろうか」という点が1番気になっていたんですが。こうした重要なことは、後半にならないと明らかになりません。「プレイヤーの気持ちをよく分かってらっしゃるなあ」という思いで読んでいました(笑) なお、自分も創作をしている身としては、この構成を成立させるための細やかな工夫にも感銘を受けました。本作品は、どうしても入れなければならない説明が多々あったと思います。そんな中でこの構成を成立させるのは、相当難易度が高かったはずです。しかし、「チャプターの初めにさりげなく説明を入れる」、「良いタイミングで語り手が情報を整理する」といった工夫のおかげで、混乱することなく物語を読むことができました。 しかし、そんな見事な構成も、「パーソナル・スペース」という物語においてはスパイスに過ぎないものだったと感じています。この物語最大の魅力は、作品のいたるところで感じる制作者さんの温かなまなざしにあったのではないかと思います。 徐々に明らかになってくる事実は、冷たく残酷なものだとも言えます。シロエはどうしようもないものに翻弄され続けてきたし、その終わりも、第三者からみれば悲しいものであったように見えます。ラズリが最後に起こした行動だって、ファンビル人であれば「何の意味があるのだ」と評するかもしれません。が、それを見届けた者達は、彼らの歩みに敬意を抱いていることが伺えます。今後も、残された者達はそこに意味を見出し、これからを生きる活力に変えるのではないかな、と想像しました。 「生き物同士で争わずにはいられない本能。寿命という生き物の定め。そして、宇宙の大きさと冷たさ。それらに比べれば、1人1人の思いや願いはひどくちっぽけなものに見える。だけどそうではない。そこには、確かな力がある」 自分は、本作品からそんなメッセージを読み取りました。プレイ後は切なくも温かい気持ちになれましたし、生きていくための活力をもらえたように思います。このパーソナルデータを公開してくれた方には、深くお礼を申し上げたいです。 他の面で言いますと、テキストに感銘を受けました。とにかく読みやすかったです。表現もそうですが、文字が大きいのも良かった。その分、テキストウィンドウには2行までしか表示されないという制限もあったのですが。そんな環境の中ですいすいと読むことができたのは、ひとえに制作者さんの技量があってこそだと思います。プレイヤーとしては想像しかできませんが、様々な苦労や工夫があったんじゃないかなと思いました。 また、SF設定の説明も良かったです。シリアスな話である分、プレイヤーが納得できるようなリアリティを持たせなくてはならない。かといって、あれこれ語りすぎるとテンポが悪くなったはずです。本作品は、説明の分量がほどよく、書かれていないことは読者の想像で補完できるものになっていたと感じました。 イラストも大変魅力的でした。特に、最後のイベントスチルは心が震えました……。立ち絵はどれも良かったですが、ラズリが口を開けて笑っているのが特に好きです。過酷な状況でも明るく生きる彼女には、なんだか勇気をもらいました。 @ネタバレ終了 総じて、大きな感動を与えてくれた素晴らしい作品でした。ありがとうございました。 -
どうか夜よ明けないで満月の夜、海岸沿いにあるベンチで、顔が瓜二つの少年ノーチェとアルバが語り合う物語です。全3エンド、15分程度で読了しました。 とにかく心地よい雰囲気に包まれた、幻想的なストーリーでした。優しいオルゴールの音楽とグラフィックがとにかくマッチしており、ゆったりとした気持ちで読むことができました。全てのエンドを読み終わった後、物語の最初に出てきた「幸福であることを信じている」という言葉が、何とも絶妙な使い方だと思いました。ノーチェはどういった存在なのか、個人的にいろいろと考えてしまいました。少し気持ちが疲れた日の夜にこのゲームをプレイしましたが、我ながら良いタイミングで出来たと満足しています(笑)。素敵な作品をありがとうございました! -
対象She-11に関する記録一時間ほどで読了しました。面白かったです。 巨大ロボットを操る銀色の髪の少女、シェルちゃんがとても魅力的でした。主人公の心の動きが丁寧に描かれていたのですんなりと物語に入り込めました。 感情を揺さぶられる体験ができました。 次回作も楽しみにしています。 -
胡蝶蘭のメヌエット主人とメイドのやり取りを描いた作品。僕は40分ほどで全エンドと「encore」を読了できました。 @ネタバレ開始 この物語は、非常に小さな舞台で繰り広げられます。登場人物は2人。場所も(ほぼ)変わりません。が、個人的にはこれが大変良かったと思いました。閉じられた舞台だからこそ2人の親密さがよく伝わってきましたし、「この2人はどんな関係なのだろう」という疑問に集中することができました。 手描きの絵も物語に良くマッチしていたと思います。この作品にしかない素敵な雰囲気に酔うことができました。 また、2人のやり取りも素晴らしかったです。特に、「沈黙」という選択肢があるところには、感動を覚えました。沈黙が雄弁に語ることがあることは、実生活では当然のことなんですけどね……。それを積極的にゲームに用いようというアイデアに脱帽です。沈黙によるコミュニケーションをこれだけ有効に使っている作品、僕は初めて目にしました。 さらに言いますと、メイドさんが良いキャラしていますよね……! 赤面している顔が大好きです(笑) メイドさんのおかげで、この作品は救われているところが大きいように思います。本作品は緊張感のあるやり取りが多いし、特に最初のプレイはシリアスな展開ばかりだったのですが。5番目のエンド(で良いのでしょうか?)と「encore」は個人的に心に響きました。2人のやり取りを見て、こちらも嬉しくなりました。 @ネタバレ終了 総じて、「やってみて良かった」としみじみ感じられる作品でした。素敵な物語をありがとうございました。 -
イディカ 幻想の理想卿かつて理想郷とも称されたイディカで生きる人々を描いた物語。僕は1時間ほどで読了できました。 いきなり緊張感のある所から始まる本作品。徐々に明らかになっていく真実が面白く、そのまま一気に読んでしまいました。 本作品の大きな魅力は、長編RPGを彷彿とさせるようなしっかりとした世界観だと感じました。特に印象的だったのは、イディカの歴史について語っていく描写。簡潔でありつつも想像力を刺激してくれて、大変素晴らしかったです。「かつてこの国はどんな風に栄えていたんだろう」、「どんな生活が営まれていたんだろう」と想像せずにはいられませんでした。 登場人物たちの描写も良かったです。厳しい局面の中で信念をもって生きる彼らは、みな生き生きとしていました。ゲームの終わりには「彼らのその先がもっと見たい」と思いましたし、個人的には、トワとアフェールの過去ももっと見てみたいと感じました。 演出面も大変凝っています。一筋縄ではいかないバトルシーンも楽しく、まさにRPGをプレイしているような気分になりました。現王には何度か負けてしまったのですが(笑) それだけに勝てた時は嬉しかったです。余談ですが、現王のグラフィック、格好良いですね……! 敵ながら感動してしまいました。 プレイ後は歴史小説を読み終わった時のような余韻が残り、思わず大きなため息が出ました。プレイ時間に比して満足感の大きな作品でした。素晴らしい物語をありがとうございました。 -
パーソナル・スペース時系列がバラバラの状態でスタートするので、最初の方は何が起こったのかわからないにも関わらず、プレイヤーを物語りに引き込む文章力と構成力がすごいなぁと思いました。 文字は2行で表示され、読みやすい文章のためサクサク読めるので、読むだけならば2時間ほどで読了できますが、合間にストーリーを噛み締めながら反芻したり、あと情報量が多いので自分なりに整理したり、美しい画面に見入ったりしていたので3時間半くらい楽しみました。 @ネタバレ開始 ラズリちゃんの、可愛い見た目に関わらず、男前な話し方や性格がカッコよかったです。また、強い想いと信念を持って苦境に立ち向かうシロエちゃんもカッコよかったし、可愛かったです。 最後は泣きました……! 「ずっと、まってたよぉ……」のセリフで涙腺崩壊です。 ……完璧なハッピーエンドではないけれど、彼女たちが救われたのならばよかったと思います。美しい終わり方でした。 @ネタバレ終了 面白かったです! -
ヤドカリ現代ファンタジーもののサウンドノベル。プレイ時間は1時間ほどでした。 平凡な少年である主人公に何故か固執する、変わり者の美少女「美優」と幼馴染の「えみ」が織り成す、小気味良い学園ラブコメパートが魅力的な作品でした。 それだけでなく、謎の存在『ヤドカリ』を巡るサスペンス風味なファンタジー要素も魅力的で、学園パートとの緩急が、物語の先の展開に強く興味を抱かせるものとなっています。 次回作にも期待です。 -
対象She-11に関する記録救いはないのですが個人の視点で爽やかに描かれていて、休日の夜にさらりと楽しむのにちょうどよかったです。シェル、あざとかわいかったです。 -
ハイ ソーシャルディスタンス サークル ゲート古い98世代のような、セガサターンのような3D風の世界観が大好きです。 キュリオシティやテックサターンを思い出しました。 次の作品も楽しみにしています(^^)/ -
Eveplus(イヴプラス)優しいBGMと儚く美しいイラストが素敵なゲームです。 難易度は高くないので、最初の方の記述をよく読めばTrueにたどり着けます。 @ネタバレ開始 結末は……途中から想像した通りで、優しくて悲しい終わり方でした。 果たして何が幸せなのか……これで良かったのか考えさせられます。 全て『変えない』を選んだら、もしかして違うENDに行くんじゃないかと思って試してみましたが、なかった……(END2と書いてあるのだから当たり前)。 思わず救いを求めてしまいますね……。 @ネタバレ終了
-
白い森の守り人は童謡のような、絵本のような、アニメのような……そんな雰囲気の作品でした。 演出がうまく、物語にすぐに引き込まれました。 切なく、けれど優しい終わり方がよかったです。 おまけの裏話を読んだ後にもう一度プレイするのもオススメです。 -
ヘブンズ・ロワイヤル -Frozen Butterfly-続編なので前作キャラが出てきて懐かしさがこみ上げてきました。 そしてナルガが頭か良くてクールでかっこいいし、前作より池の通った人間?になったのでとても良方です。 イラストも構図とかセンス良くてまた前回同様ED動画が素敵過ぎて! 前作で私が好きになったラビの話も出てきて嬉しかったです。 新キャラではバルカが癒し系で可愛かったです。 ED動画も前作同様素敵だったしおまけCGが本当にご褒美のような美味しさでした。 -
Eveplus(イヴプラス)イヴちゃんのゲームが出来るなんて…!!!と終始感動しながらプレイさせて頂きました。メニュー画面からして最高ですよね… 絵、シナリオ、音楽が素敵な世界でした。。
-
THE MAGIC CRAFT エピソード1マンガとアドベンチャーゲームが合体したような、見たこともない独創的なゲームでした。楽しかった……! 本当に沢山のイラストが使われていて、探索エリアでも細かいイベントが多数用意されていて、どれほどの手間がかかっているのか想像するだけで仰天しそうです。ストーリー自体はコンパクトにまとまっていると思いますが、世界観にどっぷり浸かるために何時間でも探索していられる、すごい作品と思いました。 続編も是非プレイしたいと思います。 -
パーソナル・スペース宇宙船に残った断片的なデータをばらばらの時系列で追っていく、という構成がまず面白かったです。(個人的に映画の「メメント」を思い出しました) 時系列はばらばらですが、開放される順に読めばすんなり物語が入ってきます。 序盤のchapterでシロエ可愛いなあ~ってなるんですが、その後の展開がわかっているだけに終始切なかったです。その辺り本当に上述のchapterの構成が効いてると思いました。 SFらしい壮大な展開との対比もあって、彼女たちのパーソナルな感情や物語がより刺さるのですよね。。 そして読み終わる頃にはラズリ大好きに。 @ネタバレ開始 ラズリ推しとしてはラストでミドリが最後までラズリを思っていたことが明かされるところ、ぐっときました。 あと、chapter13のクロハが仲間を助けるシーンでボロ泣きでした。 @ネタバレ終了 登場人物がみんな点となり時を超えて、やがて線で繋がる。 素敵な物語をありがとうございました!制作お疲れさまでした。 -
怠惰な天使は夢を見るとても雰囲気のあるゲームでした。 イラストが綺麗で、UIもおしゃれ。 選択肢によって全然違う結末を迎えます。 世界観などは詳しく書かれていないので、彼らに起きたことをしっかり理解できたわけではありませんが、考察の余地があってよかったです。 暗めな雰囲気の素敵なゲームでした。 -
安らかなこの場所で眠る可愛いのにどこか不穏なタイトル画面とタイトルに惹かれてプレイしました。 手書きの背景が絵本のようで素敵です。 個人的に異形頭がとても好きなのでワクワクしながら読みました。 探索パートは調べられる箇所でカーソルが指の形に変化するのでサクサクと進める事ができ、よかったです。 最初、世界観がつかめませんでしたが、読み進めるうちにわかってきて、そういうことだったのか……!と切なくなりました。 はじめの方はほのぼのとした平和な会話を楽しんでしましたが……最後は狂気的な執着を感じて少しぞっとしました。 ほのぼのから不穏な感じに変わっていく過程がとてもよかったです。 -
旅人とほのぼのカフェとっても優しくて温かくてじんわりする、すてきな作品でした…! ほのぼのさんの作る水パンやおひさま大福、泉のスープを味わい、 もふねずみさんのお家に泊まって木の実のお茶を飲みながらゆっくり旅のお話をして、 なごみ町のおばあちゃんの小麦ときのこと白身魚のお料理をほおばり、 ほんわか草原に寝転んで、雲を眺めてのんびりと。 たくさんの和やかで穏やかなひとときを過ごしました。 曲や絵が物語にとにかくぴったりで、 この曲、この絵があってこその作品だと思います。 絵本を読んでいるような気持ちで楽しませていただきました。 目に映る景色の爽やかさや、おいしくて心を満たす料理が ありありと浮かぶ描写で、テキストのお上手さがうかがえました。 「心の宝物が増える」という表現、とても良かったです。 物語に込められたメッセージも涙を誘うものでした。 @ネタバレ開始 旅人さんの「やっぱり、生きてて良かったんだ…」という言葉と共に 彼が旅を続けていた理由が分かり、少しの苦しさを感じつつも 「この世界は楽しくて優しくて暖かな事の方が本当は沢山あったんです…!」 という言葉に感動します。 旅人さんの言葉「楽しい所を探し始めれば世界は変わります…」 ほのぼのさんの言葉「人それぞれ人生の台本は違う」 込められたメッセージが響きました。 @ネタバレ終了 ボツになってしまったというお話もぜひ読みたいと思いましたが、 ご負担にもなるかと思いますので、お願いはいたしません。 ぶつかる壁もあったとの中で制作してくださり、ありがとうございました。 心の宝物のような作品に出会えてよかったです。 -
旅人とほのぼのカフェ>蒼薔薇さん 一人で作っているので感想を書いて頂いてとても嬉しいです! 頂いた言葉は宝物です⸜( •̑‧̮•̑ )⸝♡Thanks♡⸜( •̑‧̮•̑ )⸝ -
ぼくの葬式にようこそ【アップデートのお知らせ】 特定のエンディング後に見れるおまけシナリオを追加致しました。

九州壇氏
個人宇宙
深山宵
冬紀
anubis@Hollow_Perception
サワハト
seko
手毬桜
よっしー@68位
CIL(しる)
渡辺葉
柘榴雨(ザクロアメ)
スノー
ひとさじ