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ドラマ

6817 のレビュー
  • 十二月のパスカ
    十二月のパスカ
    ひりひりとした痛みの残るボーイミーツガール。魅力的なイラスト、世界観を支えるBGM、緊張感を伴う語りが見事にマッチしています。また、充実したUIのお陰でストレスなく遊べました。 プレイ後にタイトルの意味が知りたくなり、調べてみたのですが、なるほど復活祭…パスカ…と一層唸らされました。少年が「卵料理」をおいしいと思えるシーンがお気に入りです。 大団円とはいかない結末は、歪んでしまった二人が辿り着くにふさわしいものであったように思います。素敵な作品をありがとうございました。
  • 盗まれた冬
    盗まれた冬
    読みやすく、しっかりとした文章で語られる季節の物語。シルエットと背景がしっくりくる、心地よいノベルゲームでした。中盤らへんで気づきはしましたが、そう思えばあれもこれもといった感じで、情報の出し方が上手く構成力に優れた、素敵な物語でした。
  • 白雪舞う夏の日々
    白雪舞う夏の日々
    ほのぼのとした作品で、穏やかな気持ちで安心して見られる作品でした。 妹ちゃんが可愛いです。 時折入るボイスもうるさすぎず良い塩梅で、より可愛らしい演出になっていました。 パスワードを入力して見られるお話は、本作品の穏やかな雰囲気がありつつも締めとして程よい引き締めがあり、シナリオ構成のバランスの取り方が素敵でした。
  • 時絆ぎの境界
    時絆ぎの境界
    前半は一緒に観光しているような感じでほのぼののんびり楽しく、後半は真相編といった形で様々な事実が明かされていきます。主人公がとかく純粋というか真っすぐな人間なので、彼女らの動向を優しく見守る作品でした。
  • 十二月のパスカ
    十二月のパスカ
    特徴的なメインキャラクター二人と、緊張感漂うシナリオテキストで、さくさく読み進めることが出来ました。 イラストや音楽、シナリオなどすべての要素が一つの創作物として上手く重なり合った作品でした。 個人的にはメインキャラ二人を最後まで好きになれませんでした。フィクションのキャラクターだとわかっているけれど、許容できないものが彼らにはありました。まさしくサイコパス・ノベルでした。 それでも、『十二月のパスカ』が面白かったのは確かです。 素敵なゲームをありがとうございました。
  • 白雪舞う夏の日々
    白雪舞う夏の日々
    兄妹ものですが、恋愛要素のない日常系作品。 コミカルなシーンはパロディやネットスラングが中心で少々人を選びますが、高校生と中学生の兄妹と考えるとむしろ“らしさ”が増していて、微笑ましかったです。 選択肢が結構多いのですが、妹のキャラクターが立っていて面白いので、反応を見たくてついついすべて試したくなりますね。 それだけに、個人的にはもっと冒険した悪ふざけ選択肢も欲しかったところですが……作品の空気や主人公の性格的にそれはあまり合わない気もしますので、悩ましい。 エピローグの締め方が良いので、これからプレイされる方や途中の方には、ぜひ最後まで読んで欲しい作品です。
  • 白夜想
    白夜想
    百合に釣られてプレイ。 全員の名前が判明した段階で察した通りの流れでしたが、BGMと相まってゆっくりと、しかしあっと言う間に流れていく彼女達の時間は切ない綺麗さがありました。 イラストも二つのバージョンがあり、どちらも魅力的ですが、個人的には仮の柔らかい雰囲気が好きです。 あと、パズルが楽しかったです。
  • 冷たい夏の日
    冷たい夏の日
    冷えた夏の日に死んだ姉を想い続ける話。 累の立ち絵はカラーなのに草葉の立ち絵はモノクロなのが何となく過去に囚われ続けている感が出ているなあと。またピアノ音楽や蝉の声が雰囲気に合っていて良かったです。 死人には敵わないものですよね。どんどん思い出も美化されてしまいそうだ。 それと同時に五年六年は依存で毎日のように心を傾け続けても、唐突に十年目くらいで自分の足で歩けるようになることもあるので、これからどうなるかは本当に累の行動次第な気もしました。がんばれ生半可な気持ちじゃ通じないぞ。 どうにも自分本位な行動の目立ってしまう主人公ではありますが、本人認識による「大人」になってしまう前に、何かしらの転機が訪れることがあったらいいですね。きっと現在の本人にとってはよくないにも程があるのでしょうが。大衆意識による希望の押し付けだ。
  • サマー・ロビン・ガール
    サマー・ロビン・ガール
    夏の情景描写が鮮やかな、『大人と子供』についてのノベルゲームです。 とある登場人物の悩みは、その背景を知ると「分かるなぁ」なんて軽く流せるものではなく…。 キャラクターに語らせることと語らせないことなど、設定の出し方がうまいなぁと思いました。 また、エンド分岐などがあるわけではないですが、2週目も遊ぶのをおすすめします。 1周目はストーリーの時間軸に迷子になりました(恐らく意図的な演出です)が、 2週目だと、ここでのこの言葉の意味はこうか、など新しい気付きがありました。 プレイ時間は2時間くらいですが、時間に余裕があるときに遊ばれるのをおすすめします。 クリア後、タイトル画面に浮かぶ真っ白な短冊がとても綺麗でした。
  • 不器用な糸に願いを込めて
    不器用な糸に願いを込めて
    幼馴染男女の高校生活最後の青春の一部始終の話。 不器用だったり素直になれなかったり、でも誰より隣に居続けたのだろう可愛らしい思春期の幼馴染同士の距離感が描かれた作品です。 メイン二人ではなく友達の子にSE的ボイスが偶に入っています。なぜそこ。 運動部の最後の試合。もっと上手く出来たんじゃないかと自分の未熟さが悔しくて申し訳なくて、けれど悲しすぎて泣けなくなったり無理をしたり見栄を張ってしまったり、けれどそんな目の前の「青春」に心から本気で打ち込める姿はとても良いものですよね。 あまりに当たり前のように近くにいる二人なので、これからも何か契機がある度にじわじわと想いを通じ合わせてのだろうなあ、とどこか穏やかな気持ちで最後は読ませていただきました。
  • 博士の子 -eternal recurrence-
    博士の子 -eternal recurrence-
    アップデートがきて遊べるようになっていたようなのでプレイ。 いつか博士みたいな大人になる、けれど今は何も知らない「ぼく」の話。 柔らかな文体と淡い水彩で彩られた画面が優しくも切ない物語を演出しています。 未知の不安、未知の恐怖、未知の幸福。知らない物で溢れた世界は、それこそ多色の絵の具をぼかして描かれた水彩画のように境界が曖昧で、しかし次第に染み付いていく共通の概念を以て緩やかに形作られていきます。 まるで親子みたいだと言った、それでも本当の親子ではないことを知ってしまっているので嫌われることに恐怖してしまう「ぼく」の姿は、お互いの関係が分からない為に「絶対の関係」に縋ることが出来ない愛に臆病な子供そのもので、もっと真直に信じることが出来たらいいのになあ、などと思いながら。 タイトルの英文を読んでいなかったこともあり「彼」の始まりを見届けてから初めて物語のシステムに気付きました。 いつしかの彼は知りたいことを知ることが出来たのでしょうか。はたして鶏と卵はどちらが先で、いつまで世界は循環を繰り返すのでしょうか。 こちらのコメントを書きながら二周目を見届けて、おしまいとさせていただきます。
  • 向日葵に添えるアイリス
    向日葵に添えるアイリス
    四季の花とアイリスの物語。なんてことのない時間がただ流れていく中で、色んな心がゆっくりと動いていく切ない物語でした。
  • 鬼の涙
    鬼の涙
    可愛らしい鬼と人間達の物語。御伽噺のような語り口で、さくっと読める掌編。 最初は選択肢を見て「あれー?」となったが、無事二つのEDを読了。いささか残酷描写はとってつけたような感もあり、なくてもよかったんじゃないかという気もしたが、やはりないはないでもうひとつのEDの価値が変わってきてしまうのかな、とも。 すっきりとした読了感が心地よい作品でした。
  • 鬼の涙
    鬼の涙
    日本むかしばなしとかにありそうなとても優しくて切ないお話でした。 あの選択肢はちょっと躊躇しますね・・・。 でも、最期は幸せでほっとしました~~~
  • ある母子の亡命
    ある母子の亡命
    とても重厚な、ある家族の物語。イラストが豊富で、構図が素晴らしく、地に足の着いた文章と絡み合って濃厚な時間を過ごせました。 短編ながら心が強く動かされる物語、素敵でした。
  • 天使の願うもの
    天使の願うもの
    暗くなりすぎない病院もののお話しでした。 まず、BGMがすべて自作なのに驚きました。いずれも物語にあっていたと思います。個人的にはメインテーマ・EDテーマ・冒頭の曲あたりが特に好きです。 あとやはり力の入ったEDムービーがとても魅力的でした。一枚絵はどれも素敵です。 病院系の話だとテーマが重くなりがちで、その重さをしっかり支えられるシナリオを書くのはとても難しいと思います。この作品は書きたい内容・結末のアウトラインがしっかりしているだけにテーマの重さにシナリオが少し負けてしまっている気がして少々勿体ないと感じました。 例えば、前半の展開で主人公・ヒロイン・周囲の大人の葛藤をもう少し長く詳しく描いていれば、後半の主人公の決意やそこまでの過程がもっと生きてきて感動的になったのではないか、とか個人的には思いました。 少し辛口になってしまいましたが、意欲的で夢・約束を軸にした暖かな作品だったと思います。 ありがとうございました。
  • ある母子の亡命
    ある母子の亡命
    とても面白かったのですが、一言で「面白い!」で済ませられないお話でした。 「さなぎのままで」を読むと、何も無ければ幸せでいられたはずなのに…と思ってしまいます。 作品に没頭してたので、他の方の感想読むまで気づいてませんでしたが、確かにスチルがとても多く、演出も凝っていて映画のようでした。フォントの選択も良かったと思います。 Windows10+Chtomeでプレイしましたが、カメラ演出の際、スチルがメッセージの上になってしまう事がありました。 クリックで進むので後でログを読めば問題ありませんが、念の為報告させて頂きます。
  • 紅乙女
    紅乙女
    ムービー合成によるパーティクル効果がきれいに使われていて、すごくよかった!きれいな独特の世界観を感じられました。面白かったです^^
  • 青い鳥は籠の中
    青い鳥は籠の中
    己の記憶や目に見えるものまで書き換え続けなくてはいけないくらい、この二人にとっては世界は苦しく悲しいものなのでしょう。 はたしてこれが二人にとっての幸福か不幸は、傍観者である私にはわかりません。 ただ、歪んだのは二人だけのせいではないことだけはわかります。 幸せの青い鳥。幸せはかごの中に閉じ込められてしまうものなのか、かごの中のものだから幸せなのか。 深く考えさせられます。 愛というものの意義に一石を投じる物語をありがとうございました!
  • 鬼の涙
    鬼の涙
    短いながらも切なさと悩みとを感じ取れ、また隠しエンドまで含めると読後感も綺麗な作品でした。 選択肢でのプレイヤーを悩ませる演出なども、猟師の心情と重なるようでとても作品とマッチしていてお見事です。(初見では「え、何これ選べないじゃないか!!やめろ!!」となると思いますし、ぜひそうしてからもう一つの結末を読むべきお話だとも思いました) 切なさもあるけれど優しいお話を読みたい時におすすめしたい、 そんな絵本のようなお話で、とても好きです。 心に響く素敵な物語をありがとうございました。