ドラマ
7837 のレビュー-
僕らのノベルゲーム■まず面白い 何気なく始めたら冒頭から心をわしづかみにされました。 主人公が眠りから覚めたシーンで、ヒロインがもう少し寝ていたら? というのですが、 ここに美央が賭けをしているという伏線と、 もしかしたら主人公の寝顔を見ていたかったのかもしれない。 というダブルミーニングが効いた展開を5分たらずで差し込んでいて凄い。 もうこの時点で最後まで楽しませてくれそう! と確信できるほどでした。 始める前にチラっと見た感想で「シリアスな面もある」 ということで、序盤で盛り上がってる展開からどう急転落下していくのか? フリーゲームをプレイし始めて以来一番のワクワク感です。 ■キャラクターの立て方が上手い 3人の女の子が出てくるんですが、 それぞれ主人公のイジリでキャラの性格をわかりやすく表現されています。 それが全然説明的ではなく、「ああ、このキャラこういう性格なんだ」 ということがすっと頭に入ってくる。 不自然さがまったくない、ナチュラルなキャラクター達。 ■この作品の一番良いところ プレイしていて気づいたのは、 「自分もこのメンバーの中に入って議論に加わりたい!」でした。 このゲームの一番良いところってそこなんじゃないかな、と強く思いましたね。 まさに物語に入り込んで「自分ならこうする」が次々に出てきます。 物語における対立部分がしっかりストーリーに組み込まれているんでしょう。 主人公の見えない部分でもキャラクター達が動いているのも良かったです。 特に @ネタバレ開始 執筆作業が進んでいなかったタツが、 裏では苦悩しながら書いていたと思わせるシーンは泣けました。 あれだけ散々「書けないんだから仕方ない」と振っておいての見事な伏線回収。 詳しくタツの裏側を描写するんじゃなくて サラっと書いたところがタツの心情を想像をさせ心に響きました。 “個人的に”この作品は創作のテーマはサブで、 メインは主人公とタクの仲直りをメインにしていると感じます。 主人公とタツの二人がこの作品で一番成長した存在ですからね。 そういう意味では、女の子3人は最初から変化がなく、二人の補佐役に見えました。 創作論に関しては正解がなく、 それに対して友情というのは普遍的なものなので。 単純に作品が完成した! というものではなく、 二人の仲が戻ってその上で作品を完成させた。 という主題(ストーリー)が一番良かったですね。 最終的な決着がハグという学生特有のノリっぽいのも微笑ましかったです。 @ネタバレ終了 ■上げて落とすのが上手い ジェットコースターがなぜ人気なのかがわかります。 タツのシーンとかもそうですが、 これから楽しい創作活動始めるぜ! ってフリからの、険悪な展開。 落として落としてからの、仲直り。 物語を読んでいて、一番楽しい瞬間であるその「変化」の在り方が まざまざとストーリーを通して楽しむことが出来ました。 ■最後に感想 フリーゲームってなかなか本格的なギャルゲ、エロゲ寄りの文体がなかったので、 自分が求めていたゲーム形式はこれだ! と一番ピンと来た作品でした。 こういう作品をずっとやりたかったので、今回出会えたことに感謝です。 次回作があれば、それも絶対にやりたいと思います。
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花のかげになくらむ落ち着いた文体で、引き込まれます。淡く切ない物語。
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僕らのノベルゲーム先ほど読了致しましたので、感想を述べさせていただきます。 タイトルにもあるように何人かで一つの作品を作る楽しさ…そして大変さが描かれていました。 ノベルゲームに限らず、複数人が集まるものであれば当然意見が分かれるし、始めから最後まで全員が同じ熱量のはずもなく…。 ただ、それぞれのキャラクターの立場や心情が如実に描かれていて気持ちが分かるなと(第三者から見てその人に非があったとしても)。 自分も創作している身でありますが、創作するってどういうことなのかを再認識できる作品だったと思います。 この時期にリリースしていただいた九州壇氏さんには感謝いたします。 次回作も期待しております。ありがとうございました!
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花のかげになくらむ
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僕らのノベルゲームキャラクターたちの距離感が絶妙で、関係性が浮き上がってくるかのようでした。高揚、すれ違い、対立、そのような感情が彼らの言葉遣いに現れているのはまさに生きているかのようで、作者の妙が感じられました。またテキストに限らず最低限以上に揃ったBGM鑑賞モードやTipsなどの機能は嬉しい存在でした。 青春を下地にノベルゲームの合作を描いた本作。犇めく人間関係の距離の中にはカカオ度の高いビターチョコのようにザラザラと残る強い苦みもありましたが、やがて溶明してくる、苦みの奥にある甘い薫りにきっと陶然としてしまうことでしょう。 素晴らしい作品をありがとうございました(タイトル画面で流れる音楽を聴きながら)。
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僕らのノベルゲーム僕らのノベルゲーム読了しました。プレイ時間3時間半。 学園、青春、創作、サクセスストーリー! 綺麗なイラスト、練られたシナリオと完成度が非常に高いです。 開始直後の演出や、UIなど大変拘って丁寧に作られています。 また、ストーリー序盤~中盤でキャラクター毎にスポットが当たる場面があるのですが、誰と何をしているのかを明確にしている点も工夫を感じました。 シナリオの見どころのひとつとして、創作をしている身としてはあるあるの部分から、闇の部分までが詰まっている点。 プレイしていて思っていたことは、「これを書ける九州さんのメンタルすげぇ」でした。 人によってはゴリゴリとメンタルを削られるかもしれません。 @ネタバレ開始 一番好きなシーンは最後の屋上。 窮地の場面で誰が助けに来るんだろう?と色々と考えていたんですが、なるほどそう来たか。 製作者としては一番嬉しいやつですね。最後までエレナを守り抜いた樋口がかっこよかった。 読了後、「あとがきは!? あとがきはないの!?」ってなりました。 Twitterで呟いていた最後まで悩んでいたワンシーンの部分や、前述の屋上の場面で他に助けに来る人の候補があったかなどが個人的には気になります。 きっと自身のブログに上げる準備をしているのでしょう。お待ちしております。 @ネタバレ終了 3年間の製作本当にお疲れさまでした! 最後に、マイベストフェイバリットキャラは鬼瓦くんだというどうでもいい情報を書き込んで締めさせてもらいます。 え? みんなも鬼瓦くんに立ち絵付けて欲しいって一度は思ったでしょ?
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僕らのノベルゲームまさしく創作の明と暗、軽と重といった二面性を併せ持つ制作者にも響く物語だったと思います。 切り口は学園ものの王道で、スッと彼らの日常に入り込めるテイストがとても多くの人にお勧めできる作品だと感じました。 僕は読むスピードが遅いので、読了まで5時間くらい掛かったと思いますが「読みやすさ」と緩急の利いた飽きさせないプロットで、時間の長さは気になりませんでした。 小説を書く方も、ノベルゲームを制作する方も、ぜひ青春という甘酸っぱいフィルターを通して「あるある」を感じつつ、彼らの物語を見守ってみてはいかがでしょうか。 ひと夏の思い出を、ノベルゲーム制作の合作に懸けた彼らの人間ドラマもお見逃しなく! @ネタバレ開始 【2軸のストーリーライン、二面性】 主人公、樋口新平の頭の中にずーっと住み続けていたエレナ。 彼女をメタファーとして、創作上の物語と新平の日常がうまくリンクして並列進行していく造りがとても面白かったです。 頭の中に断片的にあった彼女の想像が、鬼瓦くんの手によって具現化されたり、段々創作上のシナリオが組みあがっていく中で、本当にファンタジー小説を読んでいるかのような描写にゆっくり溶け込んでいくのが素晴らしかったです。あ、もうストーリーは動き出しているんだ。。と、エレナと先生たちの掛け合いを見て思いました。 また、新平たちの日常もコミカルさと青春の甘酸っぱさが丁寧に織り込まれていて、やっぱり創作の日常風景っていいなと再認識する世界でした。 それと「創作あるある」や制作者なら分かる進捗とか合作の大変さというライトな描写が”明”とするなら、新平が抱える絶望と挫折と過去のトラウマが”暗”という感じでヘヴィーな側面もしっかりと感じることが出来ました。 こうしたストーリー性や描写の幅などで、要所要所に二面性を感じたので、ひょっとしたらこのスタイルが九州壇氏さんのスタイルなのかな?とすごく面白いなと思いました。 【読み手を意識した丁寧なシステム面】 フォントの読みやすさもそうですが、基本的なADV形式で進みつつも、単独テキストだったり、色々テキスト面でも趣向を凝らしていたと思います。 あと個人的に良いなぁと思ったのが、バックログが非常に見やすかったです。背景がグリッド線なのは、そういう背景を選んだのか、あえて背景を入れないとそうなるのかちょっと検証したくなるくらい、シンプルイズベストみたいなバックログ画面でした。 それからTips機能も新設設計。創作アイデアをたくさんいただきました。僕も単語とかのTIPSを入れたいなと常々思ってる人なので、そうそうこういうのやってみたかったんだ! と、膝を打ちました(笑 ちゃんと「フライテキスト」と言いますか、その説明まであって至れり尽くせりですよね。素晴らしいです。 【馴染みの音楽からシーンを想起できる楽曲まで】 フリー音源でも本当に素晴らしいものがたくさんありますが、その多くが耳に残っている素敵な曲ばかりでした。 個人的にいつか使いたいと思っていた「ワスレナグサ」なのですが、感情の発露という意味ではここがこの物語のクライマックスだったなと、僕は思いました。「ワスレナグサ」のシーンは、ホント印象深かったです。 【立ち絵とイラストの力】 こちらも触れておきたいことの一つです。僕はあまり作品に立ち絵やスクリーンショットは使わないのですが、イラストの力を見せつけられました! 一枚絵ももちろんなのですが、今回立ち絵の表情がすごく繊細でした。 例えば、会話文で掛け合いをしている中で、新平が突然思考(独白)した時に表情が変わる、というタイミングがちゃんと話を聞いてる感があって、そういう細かいところの演出が素晴らしかったです。 【青春≠恋愛 あっさり目 でもラストでにやり】 学園もので青春なら、恋愛を絡めるのも定石だと思いますがこの作品ではしっかりしたそれぞれの相関図は見えつつも、誰と誰がくっついて、誰と誰が結ばれて、みたいなのがくどくなくて、一見あっさり目にも見えました。 しかし、「4つのタスク」を消化する際に、それぞれの人物にスポットライトを当てて主人公とサシにする演出もまた面白かったです。 でも実際タツは、美央が好きで。。というのは分かるようになっている。どこかで行ってました「いらない部分は削ぎ落す」というのを見た気がします。その関係性は分かるからあえて描写しない、という風でした。 それが、ラストの8年後。エピローグ的に先輩と新平が空を見上げながら話すところで生きていた気がします。 ああ、新平と美央は上手くいったんだな。とか。先輩は最後まで先輩だったなとか。谷口さんもきっと今も頑張ってるんだなとか。連絡はしてないけど、知らせが無いのは良い知らせ的な新平とタツの仲直りとか。 最後まで、みんなはみんなでした。 @ネタバレ終了 めっちゃ長くなってすいません。。 「読んだ後に語りたくなる物語」この作品もすごく胸が篤くなりました。 創作のヒントや、様々な可能性を教えてくれた素晴らしい作品をありがとうございました。
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僕らのノベルゲーム文芸部の高校生達が文化祭に向けて 協力してノベルゲームを作る、というお話です。 @ネタバレ開始 クリアして思ったのは 創作の暗さやつらさが予想以上に描かれていた と感じました。 創作は良いことばかりではありません。 公開する以上、嫌な感想なども時折目にします。 それでも最初に抱いた思いを 忘れなければ、創作はきっと自分に微笑んでくれる。 そう思いました。 私が好きなライトノベルに 「創作が人に馬鹿にされて恥ずかしいのは、自分らしいからだ。 自分らしくないものは馬鹿にされても恥ずかしくない」 というようなセリフがあります。 創作は自己表現だと思います。 新平は木下達に小学生時代、創作を馬鹿にされて とてもつらい思いをしました。 ですが、最終的に自分の作品を守る為に立ち向かいました。 自分の作品を守ることは自分らしさを守ることだと思います。 そういった意味で、つらいことも苦しいことも経験して、 新平は創作者として成長できたのではないかと思います。 創作の魅力を一度知ったら、創作はきっと長い間 形のない友達になってくれるはずです。 友達なので、いつも仲良しというわけにも行きません。 時に喧嘩したり、口も聞きたくないこともあるかもしれません。 ですが、こちらから歩み寄れば きっとさらに深い仲になれます。 そんな素敵な友達と一生付き合っていきたいですね。 制作お疲れ様でした! ありがとうございました! @ネタバレ終了
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too late but拙作「too late but」が200ダウンロードを達成していました。サムネやプレイ画面を見ればわかるように地味で「華」の無い作品ですが、それでも、興味を持ち時間を費やし、プレイされた方に感謝いたします。 ちなみに、公開から100達成まで約15日。100達成から200まで約50日でした。
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白き野に咲く花の名はお嬢様然とした百合花と近寄りがたい雰囲気を放つのばら、2人を調べどちらが男に成り済ましたかを探るお話でした。 調査を進めるうちに、それぞれの環境やうちに秘める思いに触れていくのが面白かったです。 背景にある独特の社会が折々に呈示され、SF的な楽しみも感じました。
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さらば劇薬>やまさきこうじさん 感想ありがとうございます! 黒鳥は悪い子ではないのです…ちょっといじわるなだけの乙女なのです…
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人間らしくゲームの世界の出来事が、今の世の中で起きてしまっているようだと、ずっと感じてました。 屍食鬼も怖いけど、目に見えないウィルスも、本当に怖いですね。 それから、"人間らしく"という題名にも惹かれました。 私も、今以上に出来ることがあるのではないかと、再認識しました。
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僕たちが爆発するまで あと1分演出が細かく、デザインも統一感があってプレイしやすかったです。 独特のテンポだと思います。
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さらば劇薬全ルート(分岐)回収しました。 最初、ソワレちゃん視点で観て行き、ED付近で「えっ!?」となって、ED回収してスタッフロールが出た時に「ああなるほど!」と唸ってしまいました。 ソワレちゃんもマチネちゃんも平田さんもみんな素敵です!が、個人的には黒鳥ちゃんが一番好きです。劇中とは言え、報われてほしかった…! どのEDが正解というのはないのでしょうが、個人的にはED2が刺さりました。何故でしょう。自分でもよくわかりません。が、わかるのは、素晴らしい舞台だったということですかね。 スポットライトや演出の一言など、隅々まで楽しかったです! 素敵なゲーム…いえ、舞台をありがとうございました!!
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さらば劇薬【アップデートのお知らせ】 ED1を見た後に読めるおまけシナリオを追加しました。
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夢幻の秋他の方のレビューで気になって読ませていただきました。 お話の視点は二分割されている構成で、エピローグを含め「鶺鴒」との結び付けがある「寂しい秋」のような内容でした。 分岐無しの30分ノベルとのことでしたが、 美しい写真と音楽、さらっと読める文体で長さは感じられず、一気に読めました。 短いお話ですが、読者をひきつけて読ませる構成が良かったです。 前半の気になるシーンを読者に印象付けたまま後半に入りますが、 後半は追体験のような文面が多く、丁寧な描写に惹きつけられました。 「鶺鴒」「秋」「手紙」というキーワードが生きていて、短いお話でしたがメッセージ性のある深い内容でした。ありがとうございました。
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さらば劇薬>渡辺 葉さん 感想ありがとうございます! 物語に入り込んでいただけてとっても嬉しいです!
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さらば劇薬>たろきちさん 感想ありがとうございます! 平田は罪なオカマですね…ww
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さらば劇薬>豹牙晃さん 感想ありがとうございます! イラストや演出等褒めていただき光栄です!
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さらば劇薬テーマである「演劇」が作品の演出と展開に活きていて、 最初から最後まで1人の観客として舞台を見るように物語に入り込めました。 鮮やかで雰囲気のあるイラストも作品の雰囲気にとてもあっていると思います。 両エンド見て最後の選択肢の意味がわかったときに思わず唸りました。とても面白かったです!