ドラマ
7917 のレビュー-
五月の妖丁タイトル絵にもあるように、ゾクリとするほど切れそうな柳葉包丁。 見た目だけではなくて、実際切れ味も鋭く、苦も無く肉を切り分けていたのだが…… BGMやSEなど一切ないが、数分で読み終えられるために気になることはなく、逆に静寂が途中で感じられる「なぜ?」な感覚を邪魔していない。これがもう少し長いお話だと間が持たないのかもしれないが。 ちょっと不思議で「なるほど」と感嘆させる、少し救われるようなお話。 五月……、なるほど五月と言うキーワードをタイトルに仕込んだのは、意図があってのことだったのかもと、この感想を打ち込みながら気が付いた。
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はぐれモノがたり~ストレイガール~不思議な雰囲気の洋館に迷い込み探索が楽しい!選択肢でも細かく分岐してる……?と選択肢ごとにセーブしつつ何時間か彷徨いましたが……。 @ネタバレ開始 何回やっても序盤のゲームオーバーの後はノーマルバッド(=通常のバッドエンド)にしか辿り着けない! 才能ないんか?どこで変化してるんだ?組み合わせなんか? 本か?花か?セリフか?探索の順番か?銀の鍵の出番が何処にも出ない! 米もパスタも腹一杯だ! ヒ、ヒント……! @ネタバレ終了 キャラのやり取りが軽快で楽しい探索アドベンチャー。 自分がへっぽこなあまり、ごめんよ二人とも……。
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ふきのとうハサミで何かを切っているような音ともに物語が進行します。 お嬢様との関わりにどこか切なさや美しさを感じさせる内容でした。
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ラムネ瓶入り夏休み主人公の男の子が田舎で過ごすひと夏のショートストーリー。おじいちゃん、女の子との交流を描く1週間。 @ネタバレ開始 何をしようか? の選択につい宿題を多めにしてしまい、当然最初はおじいちゃんエンドへ。そっかこれパラメータ上げる恋愛シミュレーションじゃなかった笑 無事に両方のエンドを回収できました。 @ネタバレ終了 タイトル通り、まさにラムネの瓶の中に夏が詰まっていましたね。夏の日射しに透けるきれいな薄緑色。栓を開ければシュワシュワはじけて消えてしまう泡の音のような。 素敵な作品をありがとうございました。
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Re:Busバス停って意外とたくさんあるのに、自分が降りない駅のことって考えもしないし、よく知らないですよね…そのバス停の数だけ色々な地域や人々がいるということに、初めて思いを馳せました。 初回プレイでお団子を入手して冷たいお団子を手にお月見をする称号を入手し「なるほど、こんな感じで称号を集めていくのね」と要領を得たので、その後は称号を集めるために奔走……するも、一部のアイテム使用系の称号が「まったく分からない…! このままでは、毎日深夜徘徊するOLとなって、そのうち都市伝説になってしまう!?」となりました。 自力で称号をすべて埋められた人はすごいと思います。 少しずつ明かされるヨルさんの抱えている気持ち、下りた先々で出会う人の話を聞くのがとても面白かったです。 1周するだけならそれほど時間がかからない本作ですが、称号のコンプリートを目指そうとすると大変難しく感じました。 でも、バスに乗ってぐるぐる回りながら一つずつ称号を埋めていくのは、とても楽しかったです! 素敵な作品をありがとうございました!
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Re:BusRe:Busのダウンロード数がおかげさまで1000を突破しました。 本当にありがとうございます! ヨルちゃんの不思議な冒険をたくさんの方にお楽しみいただけて何よりです。 先日、TRUE END攻略用のヒントを新しく概要欄のリンクにご用意いたしました。 途中で挫折してしまった方もヒントをご活用の上、結末を見届けてくださると嬉しいです! 今後とも竹関工房をどうぞご贔屓に!
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彼女はあなたの帰りを待っている。やさしい音楽と、どこか切なげな瞳で窓の外と見つめる少女と。タイトル画面と作者さんの過去作から「恋愛モノ?」と思ったら……。 @ネタバレ開始 これは泣ける……。ペットたちは限られた時間を、いつもこうやって待っているんですよね。猫ちゃんスチルの眼差しも、人間バージョン同様にやさしいな。 @ネタバレ終了 胸がきゅっとなる作品をありがとうございました!
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鬼桜作者さんの過去の短編作品をプレイしてとても面白かったため長編が公開された時から凄く楽しみにしていましたが、心からプレイして良かったと思える作品でした。 人とは異なる容姿を持つために不遇な生い立ちを持つ主人公が、血で血を洗うような戦乱の世の中で運命に翻弄されるようなストーリーです。現代とは異なりずいぶん命が簡単に散るような世界になっていますので、展開によっては(?)多くの血が流れることとなります。 「企画/制作/シナリオ/キャラ立ち絵/スチル/スプリクト/音楽」というのが概要欄の作者さん個人のクレジットなのですが、役割だけでなく(おそらく音楽以外の)それぞれの物量がホント凄いです。特に立ち絵差分やスチルの数は狂気の域と言っても良いと思います。それでいてクオリティに一切妥協していないのも信じられない。。 印象的なシーンのグラフィックはとても奇麗ですし、戦闘シーンはスクリプトと相まって迫力が凄いですし、登場人物の言動がとにかく心に染み入ってきました。特に4つある本筋のエンディングは結末としての幅が広いうえに全エンドがTrueと思える素晴らしさ。 プレイ時間はトータルで5時間ほどとやや長めではありますが、立ち絵差分もイベントスチルも山のように惜しげもなく表示されますし、コミカルなシーンではキャラクターが効果音とともにちょこまか動きます。長いなぁと思うことはあまりないと思うので、まずは是非プレイ頂きたい!
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世界を破壊する魔法息がつまるような壮絶な作品でした。思春期特有の閉塞感と倦怠感、またあの年頃ならではの陰湿さや意地悪さなどが会話の応酬や地の文に溢れていて、思わず圧倒されました。夕暮鴉、朝野光、平野蛟(ネーミングセンスが凄い好きです)と三者三様に抱えている問題がどす黒く、また三人の関係性の変化、というか寄る辺のない感情や蝕むような情景描写の応酬みたいなものがじっとり伝わってきて、それでいて文章自体は読みやすく、CGも色鮮やかで綺麗で、独特の世界観を構築していました。ラストの分岐も、魅せ方が巧く素敵でした。……本当に凄い作品でした。ありがとうございました。
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盗まれた冬晩秋から冬にかけての、どことなくもの悲しい季節のお話。 序盤から何か引っかかる所を感じて読み進めるも、それが何なのか決め手がない。 そこに現れた「クラゲ」のような探偵によって、一気に謎物語の様を呈したあたりから面白くなりだした。一体どう話が転がるのだろうと。 クラゲのように飄々とはしていても、そこは探偵。綺麗に幕を閉じ、序盤から感じた「ひっかかり」を、まるで蜘蛛の巣を払うようにクリアにしてくれた。それが正しさゆえの悲しい結果であっても。 全てが明らかになったら、もう一度最初から読んでみるのもいいだろう。初見で20分強程の長さなので苦ではないと思う。見え方が違ってくるのではないだろうか。
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BRADLEY(ブラッドリー)コンパクトさを感じさせない没入体験でした。一周では理解が追い付かず、二周してすこし自分なりにかみ砕けたかなと思いますが勘違いかもしれません……。 フォントとBGMのチョイスが好きです。 ↓自分なりの解釈を書き連ねますのでいろんな意味でネタバレです…! @ネタバレ開始 服役中の元精神科医の男が、犯罪を犯す際表出する自身の別人格(表現が適切でないかもしれません)と対話する話、なのかなと。 「××して、絶望した」とありますから、己の異常性を省みて精神科医になったのかなとも考えました。人格が女性なのも「女の子なら」女の子に近づいてもいいから。精神科医なら模範的な回答も容易でしょう。 今書いていて気づきましたが自分自身に対して模範的な回答しかしないというのは……また歪みを感じますね。(言葉で詰ってきますし、自罰的な思いが強いのでしょう) ANOTHERエンドでは出所できたようですが、あの様子ではまた同じことを繰り返すのでは……とも思い複雑な気持ちになりました。 @ネタバレ終了 ここまで書いて完全に的外れだったら恥ずかしすぎて穴に埋まりたいです……。 それにしてもテキストの洗練ぐあいときたら……!無駄なものがないのに足らなさすぎるということすらない素晴らしさで最高です! すてきな作品をありがとうございます。
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雨の袂小説のような空気感のある文章のノベルゲーム。雨と傘と、靴と、言えなかった気持ちと。お互いが似ていると感じている主人公とヒロインが再会を経て新しい関係を築いていく物語。 何か大きな出来事が起こるわけではないのですが、日常の中にある心の機微をくっきりと形にして描き出してくれるように感じました。ずっと持っていた傘、そうやって繋がっていくんだなぁ。エンディングも良かったです。 素敵な作品をありがとうございました!
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雨音と自動人形 結(むすび)盲目のアンドロイド「アヤ」と、人の記憶を一時的に消すことができる封じ屋「雪村」が、雨の降りしきる廃線となったバスの待合所で出会うところから物語が始まります。 もうあらすじからして強いです。惹きつけてくるキーワードのオンパレード。 と、始める前からすでに「この作品強いな」と感じていたのですが、ゲームを始めると物語への引きが想像以上に強くて一気に読み終わりました。 その引きに貢献しているオープニングムービーのクオリティは圧巻。以前に別のところでオープニングムービーだけは拝見していたのですが、それでも軽く衝撃を受けるほどでした。 そのほか、様々な場面で動画演出を効果的に使っており、視覚的にも訴えてくる作品の強さが素晴らしかったです。 奇麗なビジュアル、声優さんの演技など作品全体のクオリティも非常に高く、それらが全て噛み合って素晴らしい世界観を表現していました。 @ネタバレ開始 強い強いと言っていますが、一番強かったのはアヤのビンタでした。笑 あのシーン、本当に色々な意味で強かったです。おおっ!そうくるのか!といい意味で驚きました。 アヤが初めてタバコを口にしたシーンで、それを不思議に思わない雪村に違和感を覚えたのですが、このあたりのフックが程よく後半に効いてきました。初めてタバコを吸ったシーン、めっちゃ好きです。 日を追うごとに減っていく左上の特に説明のない数字から始まり、エンディングではアヤ表記が彩表記に変わっているなど、常に読み手を惹きつける作品でした。 そしてエンディングムービー。最高すぎました。ラスサビの入りで鳥肌が立ちました。 ここまで全体を通して纏め上げることは本当に大変だったと思います。素晴らしい作品をありがとうございました。 @ネタバレ終了
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椿堂ノ火途中何度もマウスから手を放して一時中断しつつプレイしました。私自身の経験してきた記憶がテキストと折り重なって、控えめに言って号泣してしまったためです……。 柘榴雨さんの、読ませるために洗練された文章がスッと内に入り込んできて非常にスムーズに世界観に入り込んでしまいました。 @ネタバレ開始 主人公が性自認を公表したときお面の意味に気づき頭を抱えました……。親と子、子と親。老いや病気がもたらす己や周囲への影響は多くの人が避けては通れないものですが、いつか自分が当事者の立場になった時、最期に悔いを残さない生き方・選択をどれほどの人ができるのでしょうか。 生きることは死ぬことだと誰かが言っていましたが、枕の下に子への思いを忍ばせていた父はどう死ぬことができたのか。子はこれからどう生きるのか。柘榴雨さんの作品は他作品もそうですが、クリア後に思考の隙間がたくさん残されているのが個人的にとても好きです。 @ネタバレ終了 BGMと背景の効果的な使い方、細やかでくどくない心情描写、秀逸な言葉選びもすごく好きです。 すてきな作品をありがとうございます。
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みまわりやさしい色合いに包まれたかわいい4人の生徒。それぞれの秘密や悩みごとが切実で、事情を聞きながら終始ドギマギしてしまいました。落ちついて対応しようと努める先生えらい先生すごい。 転堂くん、いろいろな想いがある中で大切な人には無理強いしないようにしているのが健気です。何らの形で報われてほしい… 先生とのやりとりを通じて心配すぎる4人に良い変化が訪れますように…!
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けものからるる子守唄とても可愛らしい世界観とキャラたち!ふわふわで心が温まるストーリーも素敵でした。短くて綺麗に収まるテンポ感が気持ち良くて、全体的にストレスフリーなゲームでした。ありがとうございました!
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バーチャル沖縄沖縄旅行を味わえるとのことで、軽い気持ちでプレイしました。首里城や水族館のシーンを見て、自分が沖縄に行った日の事を思い出して懐かしい気持ちになりました。 立ち絵なしのゲームですが、登場人物である男三人の性格がしっかりと書き分けられているため、まったく混乱しませんでした。特に好きなキャラは、にぃさんです。明るい性格なのと、全力で沖縄を楽しんでいる様子を見て、こちらまで楽しくなりました。私はどちらかというとモブ野タイプなので、あんな風に自然とはしゃげる性格に憧れるんですよね…。 序盤は設定を知らないこともあり、「どうしてそんなに未来のお話なんだろう?」など様々な疑問が渦巻いていましたが、徐々に明かされる真実に驚きました。 @ネタバレ開始 キジとにぃさんの過去を知り、現実を知り、じわじわと襲ってくる不穏な空気に途中からこわごわとしながら読み進めました。 「どんな展開になるのだろう」と思いながらおそるおそる選択肢を選びましたが、バッドエンドでなくて本当にほっとしました。なんだかんだモブ野いいやつやんけぇ…。 @ネタバレ終了 「キャラの作り込みが本当にすごい!」と思いながら、おまけまでしっかりと楽しませて頂きました。ありがとうございました。
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タイトル未定スッと頭に入ってくる巧みな文章力と構成で、あっという間に読了しました。 序盤から人魚というファンタジーな存在が登場するのですが、作者さんの筆力ゆえかさほど違和感なく呑み込めました。 日常会話、情景描写などの文章から、自分がその場にいるような臨場感を味わう事が出来ました。すべての描写が自然で、久々に帰省したことによる後ろめたさだったり、兄弟同士のぎこちなさだったり、空気感の表現力の高さに目を見張りました。とにかく文章力がすごい…。 @ネタバレ開始 主人公の衣織くんの言動から少し乱雑な印象を受けていたため、物語の序盤は「本当に教師に向いてるのか?」という失礼な感想を抱いていました。 しかし、なんだかんだ家族のことを深く理解し気にかけたり、自分の立場を顧みることなく見ず知らずの少年を助けるなど、心根は優しい青年なのだと理解することが出来ました。 人魚が見えること、弟とのぎくしゃくした関係、少年を助けたこと、登場人物たちの夢、ばらばらに思えたこれらのエピソードが終局に向かうにつれて一つになる感覚…。とても感動しました。そして一切の無駄がない描写に小気味よささえ感じました。 「ウザがられるだろうけど、とりあえず構ってやろう!」という謎の発想により、じゃんじゃん春樹くんに話しかける選択肢を選んだのですが、どうやら正解だったようで安心しました笑 なんだかんだお兄ちゃん大好きな春樹くんかわいいね…。 @ネタバレ終了 面白かった上に、勉強になる部分も多くある作品でした。楽しかったです。ありがとうございました!
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警笛と魔笛の境界<はざま>でサスペンス要素のとても強い作品でした。 短いながらも2時間ドラマ的な硬派な雰囲気を感じました。 展開かテキストかその両方か、説明できない魅力を感じて食い入るようにプレイしました。 夜の踏切のモチーフはイメージとしても演出としても非常に効果的だったと思います。 カンカンカンカンという誰もが想像できて微妙に不吉な情景が脳裏に浮かびます。
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星を待つ片月2周目で真実が明らかになりますので2周プレイは必須です! なんとなくの違和感はプレイ中にも感じていたものの、 そういうストーリーだったのかと思うとただただ切ないですね。。 @ネタバレ開始 世界が反転するのに近い印象を味わえて楽しかったです。 @ネタバレ終了