ティラノゲームフェス2019参加作品
3302 のレビュー-
はらぺこりんちゃんスクリーンショットのなれーたーの文と雑に結われたりんちゃんのツインテールからすでに確かな闇を感じ取ってしまい、プレイする前からつらい気持ちになりました。 りんちゃんはいろいろなものを口にすることになりますが…確かにどれも食べ物ではあるのですが、ただおなかを満たすために食べているという感じで胸が苦しくなりました。 りんちゃんにとってどのエンディングが心身ともに一番幸せになれるだろうかと考えると、複雑な気持ちになります。いくらぞんざいに扱われても、母親は母親ですものね…。 りんちゃんにおいしいものをおなかいっぱい食べさせてあげたいです。 素敵なゲームをありがとうございました!
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隣人と和解せよあなたの選択がニアの物語になる。 対話型関係性選択ゲーム。 「隣人と和歌せよ」では選択された対話を通じてニアとの関係が決まり、ニアの過去や現在、未来が物語られます。 その物語は悲しいものであったりつらいものであったり、または、心暖かなものだったり可能性に満ちたものだったりと様々です。 ゲームのボリュームは小さいですが、その中に物語が詰め込まれ、プレイヤーの想像力で広がるような素晴らしい作品です。
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皮膜の翅主人公も大概にクズでは? というのがあらすじを読んだ時点で思ったことだったので、いや辛口なことを除けば正論だな? この人ほんとにクズなんです? なんて序盤は思いましたが身勝手という意味では……そうだね……。潔いまでに突っ切ったクレイジー感が逆に好感を持てて好きでした。 いかにもな性格の悪さが伝わってくる表情差分がすごく好きです。最後の一言もすごく良いなあ。 自分は蚊だって素手では殺せないほどの虫嫌いなので蝶すら手の影で隠しながら拝読させていただきましたが、それはそれとして内容はとても面白かったです。 不気味、なんだけど、それが彼もしくは彼女には非常に幻想的で魅力的に思えたんだろうなあ。生命の神秘。
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世界で一番の嫌われ者絵本を読んでいるような感覚が新鮮でした。なんとなく懐かしさを感じるような、そんな作品です。世界で一番の嫌われ者のはずなのに…あれ、かわ…いい??(錯覚)ラストは物好k…ではなく、いいひとに拾ってもらえてよかったですゴキくん!
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オオカミガールと機械人形の嘘つきレクイエム恵とエイミの仲の良さと信頼感が伺える二人の会話が素敵でした。それがあっての終盤の展開なので強い納得感があります。 シナリオは一気に読み切れる長さではありますが、なかなか良いタイミングで章を区切るセーブポイントが挟まれるのも一息つきやすくて良かったです。 読み進める途中でも定期的にタイトルを意識していたのですが、数段構えでタイトルに収束する形がすごく綺麗だなあと感じました。 お互いを想うが故の人間と機械人形の苦悩と末路。過去の清算、その行方を描く素敵な作品でした。
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サイコロサイコ -第四の出目-タイトル画面からヤバさしか感じなかったのですが、やはり期待を裏切らないヤバさでした。とても好きです。BADENDはことごとくめたろーくんが悲惨な目にあってしまうのですが、痛々しさを感じると同時に妙にテンションが上がってしまう自分がいた。(アカンやつや…)そして終盤の罪人処刑動画は、とにかく過激でまさにサイコパス的な手法でした。さすがサイコパス…。ラストはHAPPYENDでありながらも少し切なさを感じるENDでしたが、二人が幸せならこれでよかったのかもしれないですね。とても楽しくプレイさせていただきました!
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今日、学校に行きたくない。短いながらも、主人公の置かれている状況・心情が強く伝わってくる作品でした。お母さんに返す返事によって、その後の人生が変わっていくストーリーには考えさせられました。やはり、誰にも相談せずに一人だけで抱え込むのはよくないのかもしれない。お母さんが話を聞いてくれる人でよかった…。
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横行する饅頭、独白する人鳥。モラルの崩壊した退廃的な街・生命町で運び屋の仕事をしている「曼殊沙華」と、その後輩の「アルビフロラ」のやり取りを、「曼殊沙華」と共にいるペンギンの視点で描かれた物語。バッドを含め全5ルート。2時間半程度で読了しました。 徹底して倒錯的で、アンダーグラウンドな世界観。匂いまで伝わってきそうな生命町の雰囲気に、ただただ圧倒されました。舞台設定は2061年ですが、近未来的な要素はありません。 この世界に登場する人物は大体インモラルな行為を平然と行ってくるので、間違いなく人を選ぶ部分はありますが、自分は最後まで夢中になって読むことができました。たぶん、それはポップな立ち絵だったり、狂言回し役のペンギンやアルビフロラが魅力的だったり、曼殊沙華の感情が徐々に開いていく展開など、キャッチーな要素も沢山入っているからだと思いました。 曼殊沙華の取り巻く環境は、まさに「生き地獄」の一言です。辛い描写もたくさんありますが、だからこそアルビフロラとの交流で徐々に良い方向に変わっていく曼殊沙華を見ていると、「どうにかならないのか」という気持ちが出てしまいました。トゥルー・ハッピーエンドは客観的に見ると決して気持ちが爽快になるようなタイプではありませんが、「生き地獄」にふさわしい生命町の環境の中から見つけ出した曼殊沙華のせめてもの決断だと考えると、必然なのかもしれないと考えました。未プレイの方は、ぜひ退廃的で魅力のある物語を読んでみてはいかがでしょうか。
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彷徨う言霊まさに主人公の日記を読ませていただいているような作品でした。 日記からは彼の人柄の良さが伝わってきて、とても暖かい気持ちになれました。 物語的には特別華やかなイベントがあるわけではありませんが、むしろこのような「平凡な日常」を楽しむ喜びを主人公を通して味わうことができました。 個人的に慎くんが優しく朗らかで好きです。彼がいなければ何もわからないままだったでしょうし、新たに思い出を作ることも出来なかっただろうと思います。 躍りを見られていたことが発覚するシーンや夏服の件等は微笑ましくて笑ってしまいました。 「もし今も生きていれば」と必ずしも言えないお話で、死後でも人の暖かさに触れられて良かったのかな…と切なくなりました。 素敵なゲームをありがとうございました!
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The Defence of Duffer's Drift 〈愚者の渡し〉の防御小説仕立ての兵法書「愚者の渡し」をゲーム化した作品。時代や舞台を翻案しているおかげか、普段ミリタリに触れていないなくても、取っつきやすく読むことができました。
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トワコ物語を進めるごとにトワコさんの抱えているつらさが分かっていき、心に沁みる作品でした。トワコさんが真実を伝えるシーンでの彼女の言葉には、重みがあってはっとします。本当にそうなのです。口ではいくらでも優しい言葉はかけられても、実際にそれができるかどうかは…生半可な気持ちじゃできません。でも、主人公にはトワコさんを支えられるほどの器があって欲しい…!そしてトワコさんが幸せになってほしいと切実に思いました。
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かくしてボクら兄妹は「妹に見られたらまずいものを隠すゲーム」とのことで、その"まずいもの"が何なのかいろいろと想像を巡らせていたのですが、全部が全部ヘンタイ的な"まずいもの"ではないんですね(笑)妹がお兄さんの姿に違和感を感じている描写がところどころあり、「もしかしてお兄さんは別人なのでは…?」と思っていたのですが、おまけで分かる真相が想像の斜め上でとても驚きました。妹思いなお兄さん…素敵です!とても面白い作品でした!
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やがてこの■が明けるまで【6/13日更新】すごくキャラの性格が良いなあと思いました(純粋な褒め言葉)。 かなり重い背景も感じる一方で、非常に軽快なノリで日常は進んで行くのが面白かったです。 主人公ちゃんとチャン先生の絶妙に倫理観の欠きながらも不快感はない緩い会話を楽しみながらも、少しずつ謎の片鱗に触れていくドキドキ感が堪りませんでした。 ブラウザ版とDL版の両方でプレイ。もしかしたら条件不足等による症状なのかもしれませんが、昼に調理をしようとすると材料の選択肢を選べないまま毎回ブドウによる調理を開始してしまう、また研究室に行こうとすると暗転したまま進行停止してしまう、といった推定不具合を確認しました。 まだ一種類しかエンディングを見れていないのですが、この辺で分岐フラグを踏めずに引っ掛かってそうだなあ、と感じたので、ひとまず進行不能にならない範囲で各選択肢を見たところで報告とさせていただきます。
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↑タイトルに惹かれて読ませて頂きました。10分ほどで読了できました。 突然、生活を一変させる出来事が起こったとき、人間はどんなことを考えるのか。「自分だったら……」ということを含めて色々と考えさせられました。 本作品と同じ現象が本当に起こるかは置いておくとして、集団が突然の理不尽に襲われることは歴史上幾度となくありました。その時も、ただ絶望する者、他人も不幸になったのだと考え慰めを得ようとする者、何かしら意味付けをしようと考える者、さまざまだったはずなんですよね……。本作品のおかげで、そうした想像もすることができました。
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雨の王、不要な勇者開始1分で設定に惹かれました。 不幸が身に降りかかれば、どうしても卑屈になってしまうし、卑屈になってしまえば、不幸からなかなか脱することができない。 「バッドエンドか、ハッピーエンドのように見せかけたバッドエンド」と作者様のコメントで書かれているように、人生の期待値は低い。 直接的に「こうやって生きていけば幸せになれるんだ」と示されてはいませんが、「自分がもし同じ境遇に陥ってしまったら?」と想像しながらプレイさせていただきました。
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re.ロボット達相手に、仕事をしていくゲーム。2週目も入れて15分ほどで読了できました。文字通り、機械的に作業をしていくわけですが、文字入力という形で読者を関わらせているのがうまいと思いました。2週目をすることで、更に心に響く物語になりますね……。ジムノペディが良い仕事をしていると感じました。
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チャップとマヨ~のバカンスキュートな画面とショッキングなオープニングのギャップがすごい(笑)全場面カラフルできれいだしキャラも小物もかわいいし会話もゆるくて和みます。全キャラよすぎてビーズクッションにして埋もれたい…クレーンゲームにいたらフルコンプするまでつぎ込む自信があります。ギャラリーの写真を誰が撮ったのか気になりました。もしやハバネロさん?
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電波男はお呼びじゃない!>みづしきさん、ありがとうございますー! やはり、コメディはキャラの人間性と、やり取りが楽しく無いと、何が面白いのか判らないモノになってしまう……! と無駄に重い心意気でビクビクしながら作ったので、めっちゃめちゃ嬉しいですー! 電波だけど、電波だから段階はきちんと踏みます。紳士なので。先ずは交換日記から始めましょう!(そして送られてくるノート5冊分の近況報告)(其れに5行で返す取香ちゃん) プレイ有り難うございました…!
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僕と君は、希う。夏の夜、主人公のマサトと親友のツバサは一緒に寂れた神社に行くことによって始まる物語。全2ルート、20分程度で読了しました。物語の大部分は文章のみで構成されています。 タイトルにもある希(こいねが)う。強く望むこと──。 物語の前半は夏の風物詩であるイベントを挟みながら、2人の微笑ましいやり取りが続きます。この描写を丁寧に書いたからこそだと思います。とあるエンドを見た後、2人の関係性やタイトルの意味をじっくりと吟味してしまう余韻がありました。サウンドノベルの特性を上手に使った構成も見事でした。シンプルながらも、インパクトのある作品でした。未プレイの方はぜひやってみてはいかがでしょうか。
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織リシ心ノ果テニ冒頭から無邪気にショッキングなことを言って笑う美夜ちゃんに度肝を抜かれたとともにその瞳にすごく惹かれました。 美夜ちゃんだけでなく各キャラクターの瞳が力強くとても印象的に残っています。 主人公の柊くんと妹の美夜ちゃんは全く正反対な信念を持っておりどちらの言い分にも頷ける部分はあるし相いれない部分もあって、この2人がメインで活躍することで物語のバランスがうまく取れていたように感じます。 善と悪、二律背反のようであらゆる事象にはそれぞれの側面が多少なりとも混在していて、きっぱりと分けることはできないのだということを改めて考えさせられました。 それぞれの登場人物にどんな事情があったとしても「悪意の連鎖を断ち切りたい」と行動を起こした柊くんは、たとえ結果が伴わなかったとしても立派だと思いました。 美夜ちゃんも美夜ちゃんなりにいろいろ考えていたことがラストでわかって切なかったです。 とても重たいテーマですが、人間の汚いところも綺麗なところもごまかさず描き切ったいろいろと考えさせられる作品でした。 素敵なゲームをありがとうございました!