ティラノゲームフェス2023参加作品
11271 のレビュー-
明す霧夜の継燦式伝説の警官の娘が、怪奇事件を捜査するお話。2時間ほどで読了しました! 街で起こる不可解な事件を巡るサスペンスと、『不死の化け物』をはじめとするファンタジーな要素が組み合わさっていて、面白かったです! 前作に続き、小説風味な描写で心地よく読み進められる作品でした。 捜査パートでマップを移動したり、時折挟まる選択肢で頭を使ったりと、アドベンチャーゲームとしても楽しかったです! @ネタバレ開始 最初は複雑な想いを抱えていた父親や仲間の存在が、シャルアの中で変化していくのが印象的でした。 終盤の、仲間と協力しながら捜査する展開がとてもアツかったです…! ヴァルディとの出会いや、仲間の存在を通じて自分を見つめ直す、シャルアの成長の物語でもあったなと感じました。 そういえば、序盤ではシャルアがタバコを吸う描写がありましたが、後半ではほぼ見なくなったのも、心の変化が影響しているのかなと思ったりしました。 前作をプレイしていたので、もしや世界観が繋がっていたり…?とドキドキしていましたが、緋光機が出てきてとても興奮しました…! どちらのエンディングも見ましたが、ENDAの3人で幸せに暮らすエンディングが特に好きです! (最後に、どこからご報告すればいいか分からなかったのでこの場で失礼しますが、BGMのボリュームが全体的にとても小さめでした。私の環境だけでしたらすみません…! コンフィグの音量設定を上げても聞こえず、SEは聞こえていたので最初は無音のシーンかな?と思いしばらく読み進めていたのですが、パソコン自体のボリュームを上げると聞こえるようになりました) @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございました!
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夏休みの課題主人公の理想が詰め込まれた作文を読んだ後に実話が始まる、という作品の構成が独創的で素敵でした! @ネタバレ開始 学生らしい軽やかなノリで展開される前半から、じわじわと残酷な真実が浮き彫りになっていく物語にも心を掴まれました。 主人公にだけ引っ越すと告げたゆりちゃんの本当の思いが知りたくなる、衝撃的なラストでした…。 @ネタバレ終了
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ex.洒落た演出も相まってとても素敵な作品でした! @ネタバレ開始 てっきり別れちゃう話かと思ったら…と大変意表を突かれました! 作中の彼女に対してもプレイヤーにとってもサプライズですね。 オマケでは彼の不器用な愛情を感じられてほんわかしました。いい友達を持ったね。 今日は私がこのゲームをプレイできた記念日です。末永くお幸せに! こういった極限まで情報量を削って伝えたいことをハイセンスに仕立て上げるって、自分には到底できない芸当なのですごい尊敬します! @ネタバレ終了 素敵なゲームをありがとうございました!
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想い出繊細な文章でえがかれた女の子同士の物語に胸がキュッ…としました。 海が見える田舎の風景、風鈴の音やヒグラシの鳴き声も、作品の雰囲気に合っていて遊ぶ中で穏やかな気持ちになれました。 @ネタバレ開始 最後まで遊ぶ事で見れる昔の写真が可愛くて、そして手紙の内容が切なかったです。 好きだからこそ嫉妬して、それを謝る事が出来ないままこの世を去る… 文章を読み進めながら祥子さんの後悔と娘に託された希望に、とても共感しました。 律子さんが祥子さんの存在を感じながら、これからの日々を笑顔で過ごせますように。 @ネタバレ終了
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うさぎユニバースうさぎユニバース、プレイしました!星座の不思議な夢の世界?に迷い込んだお姫様ニハル。星座のスライドパズルを解いて、素敵な王子様と出会おう! 可愛いイラストに心地よいBGMのもと、パズル完成後にチャート式で読み進められる親切設計!遊びやすくて可愛いゲームでしたv @ネタバレ開始 パズルは楽しくクリアさせていただきました!王子様はみんなそれぞれ素敵ですが、最初に仲良くしてくれて、最後は甘い言葉と共に美麗スチルで迎えにきてくれたプロキオンくんが一番好きですv 影のある男リゲルさんや、何だかんだ姫様をサポートしてくれるファクトさんなども好きなキャラです! @ネタバレ終了 ありがとうございました!
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トナリノはじめまして、SOALのスカと申します。 以前から気になっておりましたが、 天気も悪いことですし、勢いでプレイさせていただきました。 @ネタバレ開始 もう!!貸しても貸さなくてもどうにもならないじゃないですか!(泣 窓から声をかけたら美桜さんはドアを半開きにするであろうこと、 井澤さんはわかっていたんでしょうか…? そこまで行動を読み切って、タオルを凶器に使った…? 美桜さんの郵便物やLINEのような画面も覗いてたっぽかったですもんね…。 井澤さんにはその行動力と頭脳を、もっと別のことに使ってほしかったです…! あと、あの倒すタイプのドアチェーン! あんな簡単なことで開いてしまうのか…! ちょっと試しt…違った、ちょっと気をつけようと思いました…! @ネタバレ終了 身近すぎる題材で、本当にゾッとさせていただきました…! 怖くさせていただきまして、ありがとうございました!
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スーパーマーキングママー!このお店こわいよー!!(泣) @ネタバレ開始 と、自分の中の女児が泣き叫ぶのを感じながら入店しました。 ノベコレのゲームをやるときのいつもの癖でヘッドホンをしてプレイしましたが、だいぶ攻めすぎなBGMにSAN値を削られるので、他の人にはおすすめできません……w しかし、あまりにヤバすぎる空間なのにもかかわらず、ガチで嫌な気分にはならないギリギリのラインを保っている気がして……そのさじ加減がすごいなと感じました。 私は昨日、名古屋みやげのひつまぶしをおいしく食べたのですが、プレイしたのが今日でよかったなと思いました(笑) 迎えたエンディングはどれも「私はいったいこの光景をどう受け止めればいいのか???」と思わされるものでしたが、特にあの部屋のゲストになったときは「これ大丈夫?」と口にせずにはいられませんでした。 このゲームをプレイしたあと、バーチャルフェスにてスーパー永生観念の前で記念撮影した写真を引っ張り出してきました。 生魚兄貴とも記念撮影した記憶があるのですが、そちらはなぜか見つかりませんでした、夢だったのかもしれません…… TGF2023の中でも突き抜けた怪作だと思いました。 新しい体験をさせていただき、ありがとうございました。 @ネタバレ終了
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就労!アクマ・デ・カンパニー悪魔になって働きたい気分だったためプレイしてみました!!! @ネタバレ開始 まず男女選べるところに驚きました!!!!凄っ!!! 泣きぼくろが良い!!! 社長さんの背中の2人が気になりつつも徴収に出かけました!!! お話はテンポよく進むためまったく飽きずに遊ぶことができました!!! 全エンディング良かったのですが特にED4が好きです!!! ED3で社長さんの背中の2人の正体が知れてよかったです!!! エンドリストなどのイラストで男女の差分もあって作りこみが凄ぇ!!! おまけのお話も読みごたえがあって大満足です!!!! @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございました!!!!!
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出口のない世界でー秋川 怜 (16)ー@ネタバレ開始 なんとかしようと怜ちゃんも色々頑張りますが状況は一向によくならず、徐々に心が壊れていく様子が見ていて辛かったです。 文章と、怜ちゃんの立ち姿がどんどん歪んでいく演出でもよく伝わってきました。 実際に第三者の立場だと怜ちゃんを助けられるかと言ったら難しいと思いますが、せめて誰か一人でも理解者が居たら違っていたのかもしれない…と思わずにはいられません。 こちらがシリーズの順番的に最初かなと思ってこの作品から読ませていただきました(違っていたらすみません) 他の作品も読んでいきたいと思います! @ネタバレ終了
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七不思議の七番目 幸色の厄災ちゃん感想が遅くなりましたが、配信にてプレイさせていただきました。 感想及びレビューとしてゲーム本編の感想について触れる所から始めるのが筋とは思いますが、それ以上に述べたい事がある為少々順番が前後しますがご了承ください。 まず、大変私事なのですが長年オカルトやホラー作品を愛好しており『七不思議』や『怪異』といった物も好物と言えるのですがこのゲームはそれらの要素が好きな方なら100%を超える満足及び満点の回答及び解釈を作中で述べております。 それらの要素に明るくない方でもわかりやすく、そしてある程度知識があったり好きな方なら「わかってらっしゃる!」と言わずにはいられない点。 これは、オカルト及びホラーが好きな者として一言お礼を言わせていただきたいです。 この名作を生み出してくださり本当に、本当にありがとうございました。 そして、その世界観を構成する文章の美しさ。 夕日の色に対する表現一つに対しても語彙のセンスが滲んでおり、伝わりやすさと表現の美しさを両立させつつ決して浮く事のないという匙加減。 日本語の性質上、同じ物を表現するにも様々な表現が可能である分どう表現をするか?は所持している語彙とそこから適切な物を選ぶセンスを問われる物と思いますが全編通してここまで読んでいて、終始すっと入ってくる文章という事が素晴らしいです。 なので、配信という性質上途中で区切りながら進行こそしましたが、もし裏で一人プレイするならそのまま終わりまで読み進めても負担がない事だったと思います。 @ネタバレ開始 まず、導入として謎の少女とのやり取りから始まり。 「私の存在を――七不思議の七番目を、いつの日か忘れてくれると約束してください」 説明欄から、七不思議の七番目を自称する少女の手伝いをして七不思議を終わらせるという事は前提として理解していたので、これはきっと他の七不思議を消した後に繋がる部分かな…と思い。 物語はそのまま第一章へ。 「火は煙より生まれ落ちる」と章のタイトルがついているのを確認し、それは逆ではないだろうか?と疑問に思いつつスタート。 主人公が友人である幽実ちゃんから七不思議を教えてもらうという導入としてもわかりやすい物。 ラインナップは定番とも言えるハナコさんの噂から始まり 悪魔の手、小さな妖精さん、枯れず桜の木、見知らぬトモダチ、正体不明の六番目、かわいい少女の亡霊 合わせ鏡や桜の木に関するネタはそれなりに有名だし、全部の七不思議を知ったら呪われるという意味で六番目も定番と言えば定番な印象。 ただ、この場合ナンバリングとして六番目と七番目の内容が逆ではないだろうか?と疑問にも思いつつ。 (タイトルの通り、七番目と七不思議を終わらせる物語なのでその都合と言えばそれまでか?とこの時点では一旦深く考えず) ここのやり取りで好きなのが、キャンバスと色を用いた例えですね。 数多の色、七不思議が集まる事で空白という白色にも意味が生まれる。 純粋に全部知ったら不幸になるというだけで終わらせていい所を幽実と主人公のやり取りからストンと納得の行く形に昇華する。 この先でも何度も触れると思いますが、この作品において特に好感が持てる点は怪異というのをただの便利な舞台装置でなく設定を掘り下げしっかり定義を持たせた上で扱っている事。 正味、怪異と言ってしまえば割と何でもありというか「人間にとってはどうしようもない理不尽な存在」として多少雑に扱ってもそれらしい物ができてしまう性質上、ここに拘りを持って話を作られているという点はあまりにも評価ポイントが高すぎました。 それは出現理由や撃退方法だったり。 しかし、この作品における怪異(七不思議)は全てにおいて成り立ちや撃退方法…そして何故七不思議である必要があったのか? そこまでひっくるめて重要な意味を持ち描写されております。 ◆まず、一番目のハナコさんについて 当初は主人公と同じく女の子のすすり泣く声が…!?と思いきや、3回目には冷静さを取り戻しつつあったのか音の聞こえ方が正確になり音の正体が判明。 厄災ちゃんの解説する通り、もしこのような条件で聞いた人ならどう思うか?という点から聞き間違いがあってもおかしくないと思えた事。 そして、今後も肝となる七不思議がどのように生まれるかという話。 もしも最初は勘違いが発端だとしても、噂が立つ事で初めて怪異現象は発生する。 聞き違えた噂はやがて真実となり、水洗音は少女のすすり泣く声となり…ドアの向こうにはまだ自我も完成していない不完全ながらもハナコさんとして姿を持った少女がいて。 火(怪異)から煙(噂話)が生まれるのではなく、火は煙より生まれ落ちる。 これは古くから妖怪とされる物が人間にとって理解できない自然現象や責任転嫁の先、願望等から生み出されたというルーツを汲んでおりオカルト方面に明るくない人にもこの流れを自然に説明されているのが良かったです。 そして、それに対する対処法も元になった勘違いを正す事というで人々の関心を向けられないようにする事。 妖怪もそうですが、いわばその存在を知って語り継いでくれる誰かがいないといけない部分は共通と言えるのでとても理に適った対処法と言えます。 「幽霊の正体見たり枯れ尾花」という主人公の独白の通り、ある意味わからない事というのが一番恐怖を煽る材料になる事なのも踏まえ。 ここで章タイトルの意味と合わせ上手い!と感心せずにはいられませんでした。 そして、実際にハナコさんを目撃した事でいずれ人間に危害を及ぼす存在を無視する事ができなくなった事。 厄災ちゃんがかわいいから、という下心も理由ながら約束は果たそうとする事。 最後に厄災ちゃんと出会う前に独白で語られていた非日常に対する憧れを満たせる事。 ここでしっかり動機を説明された事で主人公が今後も七不思議を終わらせる手伝いをする理由としては充分だと思います。 さらに、七不思議をテーマとする上で一番有名であろう花子さんをベースとした話を初手に持ってくるというのがやはりオカルト方面に明るくない人でも物語の入口としてイメージできる存在を適切に選ばれているなと思えました。 ◆悪魔の手、第二章について 章タイトルが「鏡の国の妖精さん」とあったので、確かに鏡や妖精に関する七不思議はあったけどまるでアリスを連想させる名前だなぁと首を傾げ。 今度はハナコさんとは違い、すでに明確に悪さをしている七不思議が相手という事で急ぎで対応しなければ…と思いきや突然のメイド登場!? 周囲に視認されていないのでもしや七不思議?いや、でもメイド姿の七不思議って何だろう…と読み進め。 新聞部の掃除をしている描写とタイトルでもしや?と思いつつこの光景を見守ればやはり小さな妖精さんと判明! てっきり‟小さな”という事で三角帽子の似合う小人のイメージをしていましたが、重要なのは掃除をする為の存在という部分のようで。 服装や目的遂行の為に本来怪異は物に触れられないという法則を限定的にだけど無視できる点はなるほどと思いました。 とはいえ、七不思議を終わらせる事が目的なのに空白だった三番目を作り出してしまうのは利便性として理解はできるけどどうなのだろうか? ここが気にならない訳でもなかったのですが、理由は後にきっちり回収されている事やそこで主人公がどう立ち回るのかを含め面白い形になったと思います。 厄災ちゃんも悪魔の手が悪さをしている事を把握しており、今夜決着をつけるという方向へ。 前回と違い今回は妖精ちゃんも一緒という事で実に花のあるメンバー構成ですね! そして、内心両手に花と思っているのが厄災ちゃんにばれてる辺りもやはり上手だなぁと微笑ましく。 そこでサービスとして恋人繋ぎをしてくれる厄災ちゃんの行動も、ある意味日常の一部感覚になっているように思いました。 今回は怪異の消滅手段として前回と同じ手はとらない。 内容としては、怪異そのものを殺す事というなかなかの強硬策。 「私達怪異は生きていませんが、死んでもいないのですから」 なかなか言い得て妙というべきか、確かに生物の定義には入っていないけれどそこに存在をしている以上死んでもいない。 怪異に本当の意味で死ぬ時があるとすれば人々から完全に忘れ去られる事だとしても、死んでいないなら殺せる理論そのものは成立するでしょう。 結果的に、一時的な対処法だとしても。 どちらにしろ、問題はその為に使用する手段というべきか…さすがにお札で除霊なんてご都合主義な事は難しい。 (仮にそんなお札があっても、うっかり厄災ちゃんも触れたら除霊されないか心配という意味でも) 暴力という原始的な手段という事で、やっぱり体を形成する為のコアみたいな物を破壊する認識なのかな? とはいえ人間から怪異への肉弾戦って通じるのだろうか…と主人公と共に考えていれば、出てきたのはまさかの包丁!? 思った以上に人間でも殺せるアイテムの登場はなかなかの衝撃と生々しさがありました。 怪異であれ、何かを殺すのに使用するのが刃物であるという事に。 ただ、守り刀の概念があるように刃物に魔除けの効果があるという意味ではあながち間違いでもない…のですが、それだけの理由ではなかったのが…後に文字通り胸を刺されるような痛みとして味わう事に。 幕切り包丁《キディングミー》 英語の方は詳しくないので当初はリスナーさんから『冗談を言う事。からかう事』といった意味合いだと教えていただき。 確かにある意味冗談のような存在の怪異を殺す武器なのだからそういう名前なのか?と納得はしました。 嘘が嘘であるうちに解決したいという意味合いの発言も、ハナコさんの際に厄災ちゃんから聞いた記憶もありますし。 が、全てが終わった今では他の意味合いがあるような気がして調べたのですが…それは物語でこの包丁について詳しく触れる部分で語りたいと思います。 厄災ちゃんの説明を聞いて、やはり核(コア)を破壊する概念は存在したかとなりつつ主人公の疑問も尤もな所。 本当に最速で七不思議を終わらせるなら人間の協力がなくともこの包丁で全て解決するはずですし。 だけど、厄災ちゃんは結果だけを求めるならそれに違いはないとしながらもこの包丁は本当に最後の手段である事。 「罪も罰も贖罪もなく、ただ無価値に殺めるだけの結末は、出来ることなら避けてあげたいんです」 これは単なる自分の我儘と言いながらも、伏し目がちにそう吐き捨てる彼女の真意は…。 厄災ちゃんも七不思議であり、同じ怪異の立場だから? 相手が怪異であれ、不必要な殺生は避けたいから? この時点で考えられるだけの答えを想定しましたが、本質的な物はもっと奥底の後半に。 主人公の独白で語られる通り、厄災ちゃんの過去を知らない我々は今知りうる情報から、表面から見える物を汲み取る事しかできない。 七不思議を終わらせる事を願いながらも、過程を選びあえて最速の道を手放している。 どちらにしろ、今わかる事は厄災ちゃんとしては可能ならこの包丁を使わずに全てを終わらせたかったであろう事。 だけど、悪魔の手にはもう猶予はない、だからこそ最終手段を択ばざるを得なかった事。 だったら私としては心は一つでした。 主人公の在学中に解決しないとか、今すぐ学校が崩壊とかしない限りは過程を選ぶのは問題でもないのではないか? 厄災ちゃんの手伝いをする以上、より彼女の希望を叶えて遂行すればいいじゃないかと。 だから、だけど、今回ばかりは仕方がない以上本来は使いたくなかった包丁を使う。 それを覚悟の表れとして私も主人公と共に受け入れました。 そして場面は割れていない方の合わせ鏡の方へ。 人が暗闇へ感じる無意識の恐怖。 これは知識として持っていましたが、鏡って100%光を反射できないの!?と、合わせ鏡の奥の方は真っ暗に見えるというのは初めて知りました。 暗闇の中なんて、何が潜んでいるのかわからない。 見えないからこそ恐ろしい。 今回も、何故合わせ鏡という物から怪異が生まれるのか? 最奥である暗闇の中に実は潜んでいる何か、悪魔の手という存在を生み出すには充分すぎる理由でした。 同時に、理由が理由だからこそ活発化が早くなってしまった事に対しても。 合わせ鏡を怖いと思う理由として、心のどこかで悪魔が住んでいる事を知っているからという部分については人がいると思えば存在するという点では怪異と大差はないのかなと。 元々合わせ鏡が儀式のような物であると考えると、そこから召喚されるモノ…悪魔、悪魔の手。 という形になったのも頷けるような所はあります。 そして、肝心の悪魔の手は餌がいても安易に出てこない辺り知恵とまでいかずとも本能的に狩りをする賢さを身に着けてしまったのか。 活発化が進行するとそれだけより確実に害をなす為の行いをするにも強化が入る辺り、やはり長丁場でも今夜で決着をつけないとまずそうだなぁ…。 場所を変え、聞き込みができないとはいえ痕跡を探すにも出現場所は踊り場の合わせ鏡なのに鏡のある踊り場以外に立ち寄るのは意味があるのだろうか? 出現するのにトリガーがある、というのは確かにありえる!と思いましたがそれが何かもわからず。 休憩の前に立ち寄ったトイレにて、赤外線センサーすら無効化してしまうという件で夜の帳がいかに反則的な効果なのか改めて認識しつつ。 (つまりこれ、その気になれば赤外線センサータイプのセキュリティを突破可能という結構悪用できる能力なのでは…) 洗面台で鏡を見て、ふと現実に戻される描写にふふっ…としたのもつかの間。 鏡越しに映る小さなはめ殺しの窓。 厳密にいえば、その窓に映った自分の後頭部……? まさか、と思いきやもう手遅れだった。 え、合わせ鏡の条件さえ揃ってしまえば場所は問題じゃなかったという事…!? 確かに獲物が油断した瞬間を狙うという意味で、今が一番のチャンスなのは違いないにしてもそんなのあり!? 突然の状況に混乱しつつも、台詞送りをする度にどんどん迫ってくる手。 もう終わったと思いきや助けがきた! と思ったら今度は妖精ちゃんが悪魔の手に捕まったってどうすんだこれーーーー!! それに、主人公やプレイヤーは知り得ない『末端の端末』という情報。 待ってくれ、末端の端末?七不思議へ包丁を使用する際には核を攻撃しないといけない…という事は…。 すでに打ち合わせ済みとばかりにされる厄災ちゃんと妖精ちゃんの会話。 妖精ちゃんが、鏡の中に入って悪魔の手の本体である核を斬り殺す? 帰ってこれるんだよね?という疑問と嫌な予感を主人公が同じタイミングで聞いてくれ、答えは帰ってくることはできないという物。 妖精ちゃんの台詞から、何故七不思議を終わらせる予定なのに空白となった三番目の代わりに妖精ちゃんを生み出したのか。 悪魔の手を退治する、妖精ちゃんはその為だけに作られたという存在だった事。 その段階から、もう二人の間ではこの結末は想定されていた事。 主人公に作戦の全てを話していないのも、絶対に納得しないだろう事を含め全てが繋がった時は絶望しかありませんでした。 章タイトルである「鏡の国の妖精さん」っていうのは、鏡の中に妖精ちゃんが入ってしまうこの結果を意味していた…? …だからこそ、プレイヤーの代わりに怒りを表しここからは全て俺の我儘だ。 妖精ちゃんを助ける為に反撃する主人公に好感しか持てませんでした。 こんな悲劇的な事なんてあってはいけない! 「合わせ鏡の最奥に抱く恐怖心が生み出す『悪魔の手』の噂」 今思えば、合わせ鏡という概念と根源的な恐怖から生まれた噂が悪魔の手ならば場所は問題ではなかった。 成立しやすいのが踊り場だったというだけで…と思考のカケラを選ぶ場面で回想を見た際に別にこれ反則ではない(けど、定義になる場所が増える夜は危険しかない)という点に気づき。 そしてここにきて新システムの登場!? 鏡を見るのが楽しくなればいいなら組み合わせはこれだ!と選択に成功するや否や駆け出していく主人公。 砕け散る鏡とスッとするようなキメ台詞。 …からの、鏡を割ったのが学校にばれるのはまずいという現実的な問題へ。 そこは妖精ちゃんの能力で無事解決し、今からでも前言撤回しておくべきか?と内心思っている主人公が先程勇ましさがあった彼と同一人物なんだよなぁ…と温度差に肩の力が抜けていき。 問題はこの後、キーワードは自分でも選んだのでわかっていても具体的にどうするか?は不明なので後日談を見て思わずその発想はなかった!となりました。 楽しいと思える場所にする為の飾り付け。 確かにファンシーな見た目もあり、見るのが楽しくなるというのも理解はできる。 さらに別の噂で塗り替える為に、その鏡ではかわいい妖精が見えるという噂を妖精ちゃんや厄災ちゃん協力のもと実現するという楽しい要素しかない物にするという完璧な作戦。 怪異は鏡に映るという性質をここで回収にきた事や、章タイトルを今度こそ平和な形で回収完了した事。 一度は悪い意味で回収されてしまうのか?と思っただけに、良い意味で完全にやられました。 そしてよくぞ言ってくれた主人公。 この問題を、厄災ちゃんが一人で抱え込む必要なんてないんだ。 確かに主人公は一般的な人間だけど、それでも対等な協力関係でありたい気持ちはとても理解ができます。 少女一人が抱え込むにはあまりに重すぎる物を、何か助けになれるのなら。 忠告の部分は、最後はお別れしなきゃいけない以上わかってはいても今はただ厄災ちゃんの助けになれるならそれでいい。 この思わぬ解決法をやってのけた主人公がいるならきっと大丈夫だろう。 そう思いながら、気持ちの良い読後感がありました。 ◆幕間、デートという七不思議退治へ 今回は章でなく幕間?というか、開幕デートのお誘い!? つまりこれは先日のお礼も兼ねたデレという解釈で……なんてものはなかった。 気になったのは、幕間のタイトルである「明日ありと思う心の仇桜」という文章。 そういえば七不思議の中に桜に関する物があった記憶はあるので、それに関する内容かなと当初は軽く考えていたのですが実際はこの物語が『誰が為の物か』に迫るかなり重要な話で…。 「一つ、確認しておきたいんですが、先輩にとって私は魅力的な後輩に見えていますか?」 ここで明かされる厄災ちゃんの計算。 当初から距離が近かったのも一種のハニートラップのような物であり、自分という怪異に価値を感じてもらう為。 厄災ちゃんが望むように目的を達成するにはどうしても人間の協力者が必要であり、主人公も本当に偶然あの教室に入れたというレアケースにすぎません。 となれば、その協力者になれるかもしれない相手を繋ぎとめる為に使えるものを…自分自身すらも利用するというのは必要と思ったのでしょう。 「ほんの少しでも罪悪感が芽生えたなら、私のお手伝いをしていただけませんか?」 それは色仕掛け、彼女の持ち前の美貌により物であったり人の良心に訴える方法であったり。 次の機会がいつかわからなく、七不思議が人に害を及ぼす前に全てを終わらせる必要があったからこそで。 厄災ちゃんは最初、主人公の人の良さに付け込んでいると白状した上で 善性にだって限界はある事。 見返りもなしに人助けをしてもらえる程世の中は甘くない事。 何より、彼女自身が無償の奉仕を信じられない性格である事を語ります。 だから無償の愛ではなく、損得勘定による繋がりを求めていた。 自分の事を主人公から見て手元に置いておきたくなる可愛くて従順な人形のように思ってもらおうと振る舞っていたと。 これ自体はどれもその通りな話で、最初こそ善意で手伝いを引き受ける事はあるかもしれませんがそれにもどこかで限度はくるでしょう。 最初のハナコさんこそ穏便な手段で解決はしましたが、気長に噂を訂正するという手段を取る事だって手間ではあります。 それに、想定外の活発化だったとしても悪魔の手のように明確に危険な目に遭う七不思議を相手にする場合だってありえる展開です。 (本来はその前に終わらせるつもりだったとしても、絶対はありえない以上想定も可能ではあったでしょう) 「では、意地悪な質問をします。先輩はどうして、まだ私を助けてくれるのですか?」 厄災ちゃんのこの質問も、尤もな物でしょう。 主人公自身、命の危険もあった事を認めつつどうしてまだ手伝いをしようとしているのか。 プレイヤー視点ではそれがゲームの目的だからと言えばそれまでですが、ここで重要なのは当事者である霊斗君がどう思うのか? 「……厄災ちゃんと過ごす時間が楽しいから、じゃだめか?」 彼は厄災ちゃんという少女や、以前も述べていたこの非日常を気に入っていた事。 そして何より前章で、全てを厄災ちゃんが抱え込む必要はないと思っていたのです。 それを端的に表した言葉は彼女にとって魅力的な答えに感じたようで。 しかし、想いという物は面白いと思えば熱が入り、つまらないと思えば熱が冷める。 厄災ちゃんと過ごす時間が楽しいと思っても、それが己の身を危険に晒すに値すると思えなくなってしまった時がもしきてしまったら? その時も同じように七不思議と向き合えるのか、絶対の約束なんてできないと心中で思う主人公はある意味正直と思えました。 変わらない物はなく、絶対なんて物はまず存在しないのが世の常。 それは自分の気持ちであれ同様である以上、無責任に絶対大丈夫というよりは余程誠実でしょう。 「けど、人助けの理由なんて始まりは感情的なものだろ」 「なんとなく助けたいと思ったから助けて、そう思った理由は後付けで考えていくもので」 彼にとってはそれが厄災ちゃんが可愛かったからとか、非日常を楽しいと感じたからとかそういった物で肉付けされていき。 感情という理由のない心の揺らぎを、理性で納得して受け入れられるようにする。 恐らく人間が無意識の中で行っている事を綺麗に言語化しているように思えました。 そして厄災ちゃんも、その納得と言える物を欲しているようで。 先輩を信頼する私に、私が納得したい。 生前は人間だった厄災ちゃんも、生きている人間と同じようにその納得に至るステップが欲しかった。 だから彼女は、信頼の証として今まで話さずにはぐらかしていたかつて自分が生きていた頃の話をするという選択を選ぶ。 記憶の大部分は七不思議として生まれ落ちる際に抜け落ちてしまった。 それでも、彼女はかつてこの桜花高校の一年生であり二年生になる前に死んでしまったという事。 こんな形で学校生活が終わるのが嫌だったという死の間際の想いが叶ったのか、次に目を覚ました時には七不思議の七番目として存在していた事。 死んだのはもう少し前だったけれど、怪異になったのはちょうど主人公が入学した位の頃だった事。 実は主人公を先輩と呼びながらも、実質同級生のような関係の方が近かったという真実。 でも、厄災ちゃんは年を取らない永遠の一年生であり先輩呼びに憧れがあったと打ち明けてくれました。 部活に入っていない主人公としても、後輩という存在に憧れがあったのでお互い今のままがちょうどいいという事になり。 「ふふっ、ではこれもまた私達の利害関係ですね」 軽い冗談のようにそう言ってくれる厄災ちゃんに、そんな些細な事でも彼女にとって納得の材料になるなら悪くはないかなとこちらも微笑んでしまい。 そして疑問だった事、厄災ちゃんは生前あった自分の名前を憶えているのか? 記憶としては持ちこしてなくとも、それは学校について調べるうちに知る事ができたので教える事は可能であると前提をした上で彼女は問います。 「先輩は、少女の名前を知りたいですか?」 それに対する主人公の答えは、厄災ちゃんがどっちの名前で呼ばれる方が嬉しいのかが重要である事。 彼女が今の在り方、厄災ちゃんと呼んでもらう事を嬉しいと思うのならそれ以外の名前は知らなくていいと返答をした事。 信頼と、それから尊重の証。 まだまだ出会ってから一ヶ月と少しなのだから、信頼はこれからも積み重ねていけばいい事を合わせ100点の返しだなと思いました。 そして再びデートと称して夜の学校を散歩する事に。 初めて昇降口から出た所で厄災ちゃんは七不思議の四番目について知っているかを尋ねてきました。 四番目の内容は『枯れず桜の木』の噂、現在は五月も中旬だというのに未だ満開を維持している明らかに季節外れの怪異。 やはり、タイトルから桜に関する物という予想は当たっていましたがそれだけでなかったのは意外な展開でした。 七不思議の一つとして数えられている桜の木々は元々七不思議という枠組みが作られる前から存在していた怪異だった事。 その、怪異としての特性がまさかの『桜の木』であるという誰も予想ができなかっただろう内容で驚きました。 …って事は元は何の木だったのだろう? 元の木が何であったかはわからずとも、人々がそれを桜の木だと思い込んだ結果桜の木になってしまった。 それ以外は別段害のある存在でもないという辺り、怪異もまた人の日常に溶け込んで存在している。 現在では珍しくなりつつあるのかもしれませんが、きっと昔にはもっとあったのだろう光景がある事に何とも言えない感慨がありました。 対処法としては、七不思議になった事で新しく付与された特性を取り除く事。 つまり、桜の木である事が問題なのではなく今も満開である花を散らす事が怪異としての噂を終わらせる事へ繋がるという内容でした。 乱暴な手を選ばずとも、お願いをすれば解決するという辺り前回と違って穏やかに解決しそうというのには少し安心。 現場に到着すれば、実は桜ではない何かの木だとわかっていても美しい満開の桜がそこには並んでおり。 今年最後となる花見を、夜桜を鑑賞した後に気づけば夜も更けて。 ここで桜の木に語りかけた厄災ちゃんの言葉は、何故例年以上にこの桜が開花を続けたのか。 彼女が七不思議をなるべく平和に終わらせていきたいと思った理由をうかがわせていました。 「『桜の木』の怪異さん。今日まで七不思議のために咲き続けてくれて、ありがとうございました」 人々に望まれて咲き誇る、偽物の桜の木。 だけど今年だけは、この桜は七不思議としてたった一人の為にずっと咲き続けていたのだと。 「ですが――もう、私は大丈夫ですから」 七不思議が全て終わった時、七不思議の七番目である厄災ちゃんも消えてしまう事。 それが桜の意志なのか、自動的な防衛本能だったのかはわかりませんが全ては七不思議が消えない為だった。 彼女の言葉を受け入れて花を散らせていく桜の姿は美しく、されどもいつかくるさよならの時を示しているようでもあって。 明日ありと思う心の仇桜 夜半の嵐に吹かぬものかは もし、明日も桜の花を見る事ができると思っていても、夜半に強い風が吹いてしまえば散ってしまうかもしれない。 明日が必ずしもあるのかは分からない、だからこそ今を精一杯大事に生きていきたい。 タイトルにも引用されているこの歌は、元々桜に例えられた人の命についての内容であり。 今まさに夜に花を散らす桜の姿といつまで続くのかわからないこの厄災ちゃんとの関係にも言える事でもあった。 言葉選びや文章力といった面で元より作者様が文学に対する知識が高い方だとは思っておりましたが、ここでこの歌を出すのは今後の展開も合わせ素敵な流れであり教養の高ささ感じました。 ◆友情と美徳を知る、第三章について 「親愛なる君にはじめましてを」という章タイトル、残る七不思議が何だったのかを思い出した時にまさか…とは思いました。 珍しく早起きをした結果、いつもより空いている電車に乗り駅まで到着した主人公。 そこでばったり出会ったのは、友達の幽実ちゃんでした。 …三番目である妖精ちゃんを除き、ここまでに対処ができた七不思議は順番通り。 残るのは五と六、そして厄災ちゃんの担当する七番目だけ。 六番目は所謂、知ったら呪われる系でありまだ未知数でしたが五番目の内容は薄っすらと覚えていました。 知らない間に知らないはずの友達ができているという怪異。 これまで霊斗に友達と言える存在はどれだけ出てきたのか?それは人間ならばたった一人しかいない。 幽実ちゃんとの何気ない会話の中、記憶に矛盾がある事を疑問に思う主人公。 明らかに脳内へノイズが走ったように見えるのに、きっと勘違いだろうという位の軽さでそれを流してしまう場面は軽いホラー要素でした。 何はともあれ、主人公が教室で授業を受けていると…ひょっこりと姿を現した厄災ちゃんが!? え、厄災ちゃんって夕方~夜しか行動できないんじゃないの? それとも、授業中で廊下の前に人がいないからあの教室から出られただけ? 予期せぬ出来事に椅子からひっくり返りそうになる主人公。 これはしょうがない、誰だって驚く。私だって驚いた。 そして悪びれる事もなく、教室の中を歩いていく厄災ちゃん。 他の人には彼女の姿が見えない以上それを疑問に思う人は当然存在せず。 事情を確認してみれば、どうやら彼女は七不思議の五番目を探す為に行動しているようでした。 厄災ちゃんの読みではその五番目はこの教室にいるという。 しかし、形のある怪異ではないので目で探そうとしても見つける事はできないと言われ。 七不思議の五番目、それは見知らぬトモダチの噂。 当たり前のようにそこにいて、いつの間にか友達になっているという不思議な怪異。 昼休みになり、厄災ちゃんに質問をすると見知らぬトモダチは人の形をしてそこに存在している訳ではない。 七不思議を全て知っているはずの厄災ちゃんでも、その出自と正体…どこから生まれ落ちたのかが謎に包まれた存在という厄介な内容のようでした。 でも、怪異としての性質は理解しているけれど説明が難しい事に変わりはなく。 概念としては、生きている人間に能力や技能を与えるといった形式に近いという事が判明。 そして厄災ちゃんの読み通り、屋上で厄災ちゃんと主人公の様子を窺がうのに耐えかねたその当事者は姿を見せた。 それはやはりというべきか、幽実ちゃんであり彼女は本来なら人間には見えないはずの厄災ちゃんの姿も見えている。 彼女に厄災ちゃんが何者であるかを話した上で放課後、厄災ちゃんのいる教室に行く事を約束。 幽実ちゃんは、いつかこんな日がくるであろう事をわかっていたような様子で…自分に何かが起きている事は把握をしていたのでしょう。 いざ教室に到着し、怪異同士では事情を互いに理解している様子でしたが主人公には何が起きているのかわからず。 厄災ちゃんとしても、主人公には全てを知ってもらうつもりであり質問をします。 「ねぇ、先輩。先輩はいつ、幽実さんと友達になったのですか?」 高一の春に隣のクラスで知り合って、と答えようとしたところで脳内に走る軽い電流のような痺れ。 二人は中学以来の友達のはずで、出会ったのはもっと前のはずなのにそれが思い出せない…? しかし、出会いの記憶がなくても幽実ちゃんが大切な友人である事に変わりはない。 必死に思い出せない事に言い訳をしようとする主人公に、幽実ちゃんは真相を告白しました。 彼女は元々、あまり人と話す事が得意な人間ではなかった。 成長をすればいつかは改善されると思っていても、友達どころか日常会話を交わせるレベルの知り合いも作る事ができないままで。 それでも、彼女には友達がいなくても大好きなお兄ちゃんがいればそれでよかった。 でも、そのお兄ちゃんは中学三年生の夏に事故で亡くなってしまい気づけば彼女はもう自分の隣に誰も座っていないと気づいてしまった。 それでも、もうずっと孤独のままだとしてもお兄ちゃんとも思い出があればいいと思い地元から少し離れた高校へ、顔を知っている生徒が一人もいない新天地で生きていこうとした矢先。 見知らぬトモダチの力によって、主人公である霊斗君は自分が幽実ちゃんの中学からの友達であると思い込んで話しかけてきた。 本来なら、ここで真実を語りこの怪異を七不思議の五番目としないまま消滅させるのが正解だった。 けど、それができなかった理由がとても人間らしいというのか… 一人が良いなんて思い込もうとしても、本当は心のどこかで求めてしまっていたのだから。 会話が苦手でも、相手を信じられなくても、私と話してくれて、私を信じてくれる、そんな都合のいい友達が欲しい。 だって、一人ぼっちは寂しいものだって気づいてしまったのだから。 彼女が嘘を重ねている事、本当はいけない事だと理解しながらもそれでも寂しいという気持ちには勝てなかった事。 それを中途半端で、やっぱり駄目な人間だったのだろうと彼女自身は述べていますがそれは違うと思いました。 誰だって、心の中に空洞があればそれを埋めたいと願うし人を恋しく思う事だってそれ自体が悪なのではない。 空席となった自分の隣に、また誰かが座ってくれる事を恋しいと思うのは当然の心理でしょう。 人間なんて、そんなに強くできていないのだから。 厄災ちゃん曰く、幽実ちゃんは元より怪異との親和性が異常な程に高く他人の感情に敏感すぎた事で理由のわからない心の揺らぎに恐れを抱くようになってしまった事。 所謂、見える体質とか霊感体質と言える物を持つ事は当然他の人と違った何かを持っていたり何かしらの受信をしやすいからこそというのも想定はできる訳で。 生前の厄災ちゃんがそうであり、その結果七不思議の七番目になってしまった事を合わせれば説得力は充分にありました。 そして、この五番目を鎮める方法は勘違いを正す事。 幽実ちゃんと主人公の間にある矛盾を指摘し、本来の記憶を取り戻す事で五番目は終わりを告げる。 「私と妖精ちゃんを救ってくれたように――幽実さんを、救ってあげてください」 これから行う事に俯いている主人公に、優しい微笑みを浮かべて鼓舞の言葉をかけてくれる厄災ちゃん。 これは、主人公にしか…霊斗君にしかできない事だから。 記憶のカケラを組み合わせる事で、矛盾している捏造された記憶を正していく。 最後に決着として告げる真実。 「――――俺は、お前と友達じゃなかったんだ」 その言葉を合図のように、今まで存在していた七不思議の五番目は消滅をしていった。 霊斗君と幽実ちゃん、相互の体から抜け落ちていく見えない何か。 そして、そこから解放されれば幽実ちゃんは頬に伝った涙を拭い別れの言葉を口にしようとしたのでしょう。 だけどその前に、それを遮ったのは 「――だから、今日から俺と友達になってほしいんだ」 幽実ちゃんの辛さを理解できたからこそ、この言葉は彼女にとっての救いであり物語を見守っているプレイヤーにとっても何よりもありがたい言葉でした。 嘘はよくないとしても、そもそも友達になるきっかけなんてそんなものである事。 いつの間にか話すようになってて、気付いたら当たり前のように友達になっていた。 それならば気にする必要はないのだと。 それでも幽実ちゃんが出会い方に罪悪感があるというなら、もう一回やり直しをする事を提案し。 自己紹介をして、また最寄り駅まで一緒に帰る時にオカルト好きを披露してもらうという以前にも行った流れをする。 大事なのは出会いのきっかけより、そこから重ねてきた時間であり霊斗君にとってこの一年は最高に楽しい時間であった事。 例えそれが、見知らぬトモダチの力だったとしてもその事実に違いはない。 だからもう一度、友達になってやり直そうと歩み寄る。 そうして二人がまた歩み出す流れはあまりにも美しいものでした。 結果として、幽実ちゃんもあの教室に入れる事から厄災ちゃんにも同性の友達ができたというのも収穫という意味では良かったですね。 …しかし、幕間にあった仇桜の歌のようにこれまでと同じ日常や明日がくるとは限らない。 胸を撫でおろした着後に出た不安を煽る内容に、いよいよ物語も終盤に入る事も合わせて最後の一文が示す意味に絶望しかありませんでした。 ◆幕を切るという事、第四章 それまであったはずの、厄災ちゃんの教室が認識できなくなった…? 理由として考えられるのは、今までは見知らぬトモダチの影響で七不思議への関与ができていたのにそれを消滅させてしまった事。 そして、残る七不思議も三つであり概念そのものの力が弱まってしまったのかもしれず。 どちらにせよ、七不思議に関与する資格を失ってしまった事に変わりはない。 それでも何とか厄災ちゃんに連絡を取ろうと手紙を書き、本来なら厄災ちゃんの教室に一番近い位置である廊下の位置へ置いてみれば。 「そのやり方では、お嬢様に声は届かないのですよ――霊斗様」 聞き覚えのある声に振り向いてみれば、そこには同じく七不思議である妖精ちゃんの姿が。 彼女が見えるという事は、七不思議を視認する事は今でもできるという事か? 怪異である厄災ちゃんは現世の物である手紙に触れる事はできないという指摘をされ、場所を変えて妖精ちゃんに事の詳細を聞く流れへ。 教室が見えなかったのは、厄災ちゃんが意図的に封鎖をしていたから。 その理由は、七不思議を終わらせようとしていた為で。 妖精ちゃんと厄災ちゃんを除けば残るのは名前もわからない六番目。 そして、その七不思議の六番目は生前の厄災ちゃんを殺した犯人だった。 生前の厄災ちゃんはその容姿や誰とでも仲良くなれる才能を持っていた事から人気者であった。 それは幽実ちゃんも持っていた怪異との親和性にうまく折り合いをつけたから持っていた能力であり、彼女は幸せな人生を過ごしていた。 けど、そんな彼女の人生は行きずりのストーカー男に殺される事で突如終わりを迎えてしまったという。 しかし、厄災ちゃんはただ殺されるという事はなくストーカー男を包丁で刺し返した。 自身が殺された包丁で、ストーカー男を殺し返してしまった結果一本の包丁によって繋ぎ返され…厄災ちゃん七不思議の七番目に。 ストーカー男は七不思議の六番目になった。 その時の包丁こそ、悪魔の手を退治する際に使おうとしたあの幕切り包丁《キディングミー》 読みがカナによる表示で、恐らく霊斗君が聞き取った音をそのままプレイヤーが視認していると思った事。 実際に、キディングミーで検索をすれば『冗談を言う事。からかう事』といった意味合いなのは正しかったです。 しかし、もし音だけで判断しているからこそ正しい綴りを理解していなかったら? killing me(私を殺す) この包丁が生まれた経緯、そしてもし他の意味なり正しい綴りがあるとすればこれしかありませんでした。 怪異を殺す包丁であり、それはすなわち厄災ちゃんを殺せる武器でもある事。 そして、彼女がどうして七不思議を終わらせようとしていたのか? 妖精ちゃんによれば、七不思議は厄災ちゃんの怪異化から全てが始まったという事。 元々、七不思議が生まれるだけの土壌があり最後の一押しとして怪異と親和性が高い厄災ちゃんが七不思議の七番目になってしまった。 その結果、空白である席を埋める為に怪異は七不思議という枠組みに入れられる事になってしまう。 確かに、厄災ちゃんが怪異になったのは主人公が入学をした頃であり見知らぬトモダチが生まれた頃とも合致している事。 六番目は自動的に埋まっていた為、残る席を今まで退治してきた七不思議が埋めていった結果現在のような状態へなってしまった。 さらにタチが悪い事に、生前の性質をそのまま引き継いでしまったのか六番目は人間でなく七不思議の七番目…厄災ちゃんを殺す事を目的とした怪異になってしまった。 六番目についてだけ、やけに情報が足りなかったのは人間にとっては無害だった為。 関りがなければ噂が広がる事もないという実にシンプルな理由だった。 厄災ちゃん自身は、この終わり方に対し納得をしていたのでしょう。 この形が、一番綺麗な終わり方だと時折口にしていたというのなら。 だけど…! 本当に、そんな事が許されていいのか? 「自分を殺した男に再び殺されるのが、綺麗な終わりなわけねえだろ……!」 まるでシンクロするかのように、こちらの気持ちを言葉にしてくれる霊斗君。 もしいつの日か、厄災ちゃんが成仏をし現世を離れる事がくるのだとしてもどうしてこんな方法を選ばなければいけないのか? 自分を殺した男にもう一度殺されるなんて、そんな彼女にとってただひたすら辛いだけの結末が許されていいはずがない。 結果的に、厄災ちゃんの怪異化によって七不思議が生まれたとしてもそれは結果論でしかなく。 彼女はただ、幸せな人生を歩んでいただけなのに理不尽にその命を奪われた被害者でしかない。 生きたいと願う事の何が悪いんだ。まだ十六歳の、これからもっと楽しい人生が待っている少女がそう思う事の何が罪だというのか!? それを罪というなら、そんなふざけた事を言う奴らを私は許せない。 むしろ彼女は、全ては自分の責任だとずっと罪の意識に苛まれながら七不思議を終わらせようと頑張っていたのに。 厄災ちゃん自身が何か悪事をした訳でもないのに、それなのに罪を背負う…それがひたすらに悔しくて。 霊斗君が納得がいかぬままなのは当然として。 妖精ちゃんが、表情を変える事なく語るしかできなかったはずの彼女が涙を流しながら厄災ちゃんを助けて欲しいと訴えかけている。 計画は今夜、時間がない事は厳しいですが…ここで動かなければ嘘でしょう。 そして始まる、厄災ちゃんの独白。 何故厄災ちゃんが主人公を協力者として選んだかと言えば自分が見えていたから、たったそれだけだった。 しかし、本来ならば普通の生徒には認識できないはずの教室を見て入ってきてしまった人がいた事。 後に誤解と判明はするも、この時の厄災ちゃんにとってはそれだけ七不思議の力が強まった結果である最悪の想定があった。 結果的に、実はそこまで七不思議の力はまだ強まっていなかったものの悪魔の手の際にすぐ対処ができた事は幸いだったというべきか。 それに、主人公は偶然にも異性であり優れた容姿を持つ厄災ちゃんにとっては自分を対価として利用できるという点でも都合が良かった。 だからその為に、主人公が気絶をしているうちにこっそりと荷物を観察し学年を把握して自分は後輩の役割を演じると設定をした。 その方が善意に付け込んで頼りやすいだろうという打算の上で。 幕間の時にも述べた、利害関係として互いに利用する事で協力を続けてもらうつもりだったという話。 お互いを使い捨てできるような、そんな間柄でいるつもりだったのに…。 気付けば、霊斗君は厄災ちゃんにとってかけがえのない存在になっていた。 教室で、六番目の出現する時間を待ちながらこれまでの事を思い返す厄災ちゃん。 やがてその時はきて、廊下に出ればその先には忌むべき物の姿が…。 予想はしていましたが、やはり厄災ちゃんは七不思議が生まれたのは自分のせいである事。 そして、その七不思議は厄災ちゃんを存続させる為の七不思議となり時にはこの世の人間を脅かす存在になった事に責任を感じていた。 「罪も罰も贖罪もなく、ただ無価値に殺めるだけの結末は、出来ることなら避けてあげたいんです」 もう手遅れになっていた悪魔の手だけは仕方ないとしても、全ての七不思議は厄災ちゃんをきっかけ生まれ落ちた物ばかり。 彼女にとっては自分の責任で生を受けてしまった怪異達を、ただ無意味に殺めるなんて事はしたくなかった。 罪も罰も、本来背負うべきなのは自分なのに…七不思議を終わらせる為にただ命を奪われてしまう事を思えば。 しかし、その厄災ちゃんだって本当は何も悪い事はしていないのに。 何故彼女だけが罪を背負わらなければいけないのか、再びあの時と同じように包丁に刺される事で終わりを迎えなければならないのか…。 覚悟を決めても、押し殺しても零れ落ちてしまった言葉。 そして、それに対し反論するかのように響くここにはいないはずの声。 霊斗君が、間に合った!! ここから始まる打開策の模索、これまでに集めた記憶のカケラを整理しながらまずは前提を整えていく。 現在残っている怪異は三つであり、厄災ちゃんが消滅をすれば繋がりを持った残りも同時に消滅をする。 そう思っているからこそ厄災ちゃんはこれしかないと思っていた。 しかし、実はそこに前提の勘違いがあれば? ここは指摘されるまで気づかなかったというか、言われてみればすでに今まで前例があったのに不思議と気づく事はありませんでした。 妖精ちゃんは厄災ちゃんが噂を流す事で生徒の間に広まり形を持った怪異である事。 だから、厄災ちゃんが消えても生徒の間で噂が生きている限り妖精ちゃんが消えることはない。 逆に、ストーカー男は見知らぬトモダチのように怪異と親和性が高い厄災ちゃんの思い込みから生み出された怪異だった事。 そうなれば、霊斗君がするべき事は決まっていて。 彼女に信じてもらう為、霊斗君がかける言葉が本当に的確すぎました。 厄災ちゃんが自分を罰する必要性を感じる限り、六番目は何度でも蘇ってしまうからこそまずはそこを正す必要がある事。 そして、もし厄災ちゃんの消滅で七不思議が終わるとしてもそれを理由に自らの存在に罪の意識を感じる必要はないという事。 「だって――生き続けたいという気持ちが、悪いことなわけがないんだから」 プレイヤーはいくら感想を抱けても、それを厄災ちゃんに伝える事はできない。 だから、本当にこちらが思う事をまるで読み取っているかのように厄災ちゃんに伝えてくれる霊斗君という存在がありがたいと思えた。 厄災ちゃんが独白で思ったように、本当に素敵な人なのだと。 「害をなす怪異が生まれてしまったら、また二人で鎮めればいい」 「不幸をばら撒いてしまうなら、それを上回るほどの幸福も一緒に振り撒いてやればいい」 今までだってそうしてきたのだから、鏡を改装した際も鏡で厄災ちゃんを見た人は幸せを感じていたのだから。 妖精ちゃんのような、人を幸せにする怪異だって生み出したのだから。 ただ感情を並べ立てただけの自分勝手な願望論だとしても、霊斗君なら厄災ちゃんの為にどこまでも付き合ってくれる。 まずはその為に、目の前の脅威を排除しなければならない。 考えてみれば、見た目が包丁である幕切り包丁は怪異を切れるのは当然として人間にも刺さるのだろうか? 相手も同じ凶器を持っている以上、行動を間違えればこちらが刺されて死ぬ可能性も存在はする。 キザに決めるなら好きな子の為なら死んでもいいとか言ってしまうような場面でしょうが、霊斗君には生き延びて厄災ちゃんを納得させるという死ねない理由がある。 そして、土壇場でよく気が付いたというのか…六番目が怪異である七番目を殺す為だけに生まれたのなら初めから生きている人間の姿なんて見えていなかった。 だからそこに気づけば対処もできる訳で、巧く核を貫いた結果六番目は消滅をした。 脅威の去った今、ここからがいよいよ本題と言えるのでしょう。 厄災ちゃんに生きて欲しい。 それも、不幸でなく幸福を振り向くような…厄災ちゃんも幸せでいられるような人生になるように。 ここで、章タイトルの回収をする事を含め新たなスタートを祝う意味でも素敵として言いようがありませんでした。 七不思議の物語はここで幕切れ…物事としての終わりを迎える。 そして、厄災ちゃんの怪異としての物語はここからが始まりという意味の言葉で、幕が切って落とされたと表現をされた。 「そして七不思議は幕を切った」 ◆エピローグ、幸色の真相 思えば、何故七不思議の少女は厄災ちゃんという名前なのにタイトルには幸色という言葉があったのか。 これは当初ずっと疑問でした。 あらすじにも、最悪の不幸をもたらす存在という表記をされている厄災ちゃん。 それと幸福を意味するであろう幸色という表現は正反対のようであり…。 後日談として、電車に揺られる霊斗君。 目的の駅に降りて幽実ちゃんと会話をすれば、どうやら知らない間に厄災ちゃんと何やら賭け事をして遊んでいたらしい。 厄災ちゃんってあの制服以外の服装になれるのか?という疑問はさておき、すっかり仲良しさんだなぁというのがとても微笑ましいです。 妖精ちゃんも、いつものように部室の掃除に向かうようで。 相変わらず表情はわかりにくいものの、感情が掴めるようになってきたり妖精ちゃん自身も霊斗君との会話を楽しんでいるようで何よりでした。 そして霊斗君が何故わざわざ早起きをして朝の時間に厄災ちゃんへ会いに行ったのかと思えば…? 確かにこれもかつての応用と言える発想!? 合わせ鏡の噂を別の内容で上書きしたように、厄災ちゃんに紐づいている不幸をもたらすという部分を変えてしまえばいい。 その方法は、彼女を取り巻く噂を幸せな内容にしてしまう事。 これが成功すれば厄災ちゃんはみんなを幸せにする怪異としてこれからも生きていける…! 誰も不幸にならず、厄災ちゃんも生徒のみんなも幸せという素敵な構図になる!! 時間はかかるかもしれませんが、これは確かにそれでも実行する価値はあるでしょう。 そしてそして、そして…… ここからが本当に、ほんっとうに完全にやられた!?というべきか。 まさか全ての伏線をここで回収にくるなんて、誰が予想ができたというのか……。 厄災ちゃんのゲームを作ってみようと思うと言う霊斗君。 待てよ、ゲーム…?もしかしてそれって…? 「ただまぁ、薔薇色とまでは言わなくとも、日常に幸せな色を添えられるような、 そんな楽しい物語を作りたいですね」 も、もしかしなくても…!? 「例えば、そうだな――七不思議の七番目『幸色の厄災ちゃん』とかどうだ?」 このゲームのタイトルだー!!! そして、スタッフロールが終わりタイトル画面に戻ればそこには笑顔を浮かべる厄災ちゃんの姿が…。 もうこれは完敗というか、何故この作品のタイトルがこうなったのか。 何故、ゲームである必要があったのか。 このゲームは、厄災ちゃんが幸せを呼ぶ存在であると広める為の物語だったから。 タイトル名の由来は無論ですが、ロゴにさりげなく混ざっている包丁…恐らく幕切り包丁も厄災ちゃんとは切り離せない関係であり。 このゲームを遊ぶ人が増える事で、厄災ちゃんが幸色をもたらす怪異へどんどん近づいていく。 天才ですか?こんなの人におすすめしない理由が存在しません。 七不思議や怪異を題材とした物語というだけでも完成度が高いばかりでなく、実はゲームを始めている時点ですでに厄災ちゃんに協力ができていたなんて…。 いつか彼女が幸色をもたらす厄災ちゃんとして、そんな形で生きていける日がくるのなら。 それを願わずにはいられません。 @ネタバレ終了 ヒロインである厄災ちゃんが可愛いのはもちろんなのですが、主人公である霊斗君もとても好感が持てる人物である事がとても印象的でした。 霊斗君自身はただの一般生徒でしかなく、怪異と戦う力は持っていないのですがそこは閃きと行動力で解決していく事。 そこまでの道筋もあくまで今手持ちにある情報から自分ができる事を全力でするのみという点で納得ができる内容なので、ご都合主義もなければ読み進める上での苦もなく。 良い人であるのに違いはないけれど、人間らしい葛藤から滲む誠実さも持ち合わせている。 登場人物みんなにそれぞれの魅力がありますが、彼が厄災ちゃんに出会う事で物語が始まったのは本当に良かったなとしみじみしました。 こんなに素晴らしい作品に出会えた事、本当に感謝いたします。 幸福のおすそ分けをしていただきました。 それでは、この度は本当にありがとうございました。
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ex.タイトルが気になりプレイしてみました!!!! @ネタバレ開始 ゲーム説明文や冒頭を見て、辛い決断だよなと思いながらプレイしました!! 結末に驚かされました!!!!!思わず2周してしまいました!!! エンドロールのイラストも良き・・・ おまけではタイトル名の意味を知ることができて勉強になりました!!! 二人それぞれのお話も良かったです!!友が良い奴!!! ショートケーキの日にニコッとしました!!! @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございました!!!!!
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きみに幸あれ優しい物語に心が癒されました。 @ネタバレ開始 始めは群れに帰りたがっていたちよりちゃんが、主人公との別れを惜しむようになる変化。それから、ちよりちゃんを自分の傍に居させたいと思いながらも、相手にとって一番いい選択をする主人公君。二人のやり取りや独白にキュン…としました。 葛城あやとさんの文章を読む事で頭の中に想像できる、鳥の姿になっている時のちよりちゃんの姿や仕草も可愛くて、なごみました~♡ @ネタバレ終了
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月明りの下、あなたに告げる。タイトル画面と、あらすじのとんでもない二択が気になってプレイしました。 @ネタバレ開始 最初の選択肢でダメだと思いつつ振り向いたら、案の定切られて…シュウくん!? 学校ではあんなに仲良さそうにしていたのに彼に一体何が…!と驚きつつ彼の正体が気になりました。 振り向かずに帰ってからのお弁当作りがとてもおいしそうでした! ユイちゃん料理上手そうなので、食べたくなります。 もう半ばプロポーズみたいな会話をしてから、夜のシーンになると…シュウくん!?(2回目)いや違う奴も居る! 夜道はとっても危険ですね… シュウくんの行動は夜野家の決まりだったんですね。そういえばユイちゃんはなんでそんな夢を見たんだろうと思っていたら、おまけで彼女もちょっと特別な人間の末裔なことが分かって納得しました。 あと、シュウくんにも友達付き合いあったんですね(失礼) やってることの関係であまり一般人と深く関わらないようにしていたのかなと思いました。 @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございました!
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弟友コネクト弟の友達と仲良くなっていくお話。30分ほどで読了しました! トキくんかわいい~~~~めちゃくちゃニヤニヤしました…! 恋愛というにはまだ幼い、甘酸っぱい恋の関係がとても可愛かったです! @ネタバレ開始 中学生から見た高校生ってすごく大人に見えるよなーとか、なんとなくトキくん側の気持ちに感情移入しながら読んでいました。 出会ったばかりの頃はまだ「友達のお姉さん」としてぎこちなく接していたけど、それが少しずつ憧れに変わり、恋に変わり…と変化していくのが可愛くて可愛くて… 弟がいることもあって世話焼きな理玖ちゃんと、異性に慣れていないのかいちいち反応してしまうトキくんの組み合わせ、とてもニヤニヤしました! 本編の時点では、付き合う未来もそうではない未来も想像できて、どちらにしても今後の人生でふと思い出してしまうような大切な一幕だろうなと思ってました。 でも後日談で付き合っていることが分かって、とても嬉しかったです…!お幸せに! @ネタバレ終了 ときめきの詰まった30分でした。とにかく可愛い…! 素敵な作品をありがとうございました!
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counseling以前から気になっていた作品だったためプレイしてみました!!!! @ネタバレ開始 カウンセリングを受けるだけのゲームとのことでリラックスしながらプレイしました!!! 紬ちゃんがかわいくていいなと思いました!!!!ドット絵が綺麗!!!! 何のためにカウンセリングを受けているのか不思議だな―程度で受けていましたが、日が進むにつれて不穏な質問になっていくため次の日は何を聞かれるんだ!!と前のめりで遊べました!!!! 特にこちらから質問ができるときの「ここから出せ」の選択肢で、主人公のことが気になり始めました!!! 犯罪のこととか聞かれるし・・・主人公!一体何をした!!!と思いました!!! 最後の質問でどちらを答えても不穏な感じに終わるのが良かったです!!! 片方のエンディングの罪悪感が凄ぇ・・・ @ネタバレ終了 素敵な作品ありがとうございました!!!!!
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「君も助けてくれないんだね。」主人公目線でずっと何か月が過ごして、プレイが終わってハッと目が覚めた気分です。近未来的に有りそうで,心が荒廃しないように生きていけるといいなとか,どこかで救われる世の中だといいなとか,いろいろ考えさせられました。 自分のなかのダークが呼び覚まされるすごい作品でした。 ありがとうございました。
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魂の宿一休みしてきました! 落ち着いた雰囲気の場所でゆったりとお話ができて癒されます。 @ネタバレ開始 でも現実的な話をしたり、人の愚痴の話をしてから自分も愚痴を言ってしまったりしました。人間なので…(?) 女の子の狐耳がピコピコ動いてかわいかったです!TALKING◎meaと同じくタッチした個所で反応が変わるのも細かくてよかったです。 @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございました!
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落とし屋・麒麟 ~薫酒~亥角さんの続編…!ということで、遅くなってしまったのですが遊ばせていただきました。 @ネタバレ開始 相変わらず、色っぽい亥角さんを堪能できました。帰り道…あれは一晩…???(ならやったぜ!とかニヤニヤ) @ネタバレ終了 亥角さんと楽しく(?)お酒を飲めるゲームをありがとうございました! (フェス用じゃないとこで感想送ってすみませんでしたー!あとで向うは消しますね!)
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怪奇!開けてはいけない扉卍以前から気になっていた作品だったためプレイしてみました!!!!! @ネタバレ開始 ホラーな探索ゲーとのことで身構えてプレイしました!!!! しかし、私の心配をよそにメインキャラクターのめぐっちと千羽ちゃんが明るい!!! とにかく明るい!!!!良いキャラクターだなと思いました!!! 本当にホラーか?タグは見間違いだったのか?と思っていましたがホラー演出にはしっかりビビりました!!! UIが素敵だなと思いました!!!! 目に入るボタンのほとんどがデフォルトのボタンではないためとても世界観に入り込めました!!! 特にメニュー画面がスマホのアプリっぽくてかわいかったです!!! キャラクターの表情もよかったです!!!! まさか表情が変わるときにアニメーションが付いているとは・・・凄ぇえ・・・ 二人の表情がコロコロ変わるのもとてもかわいくてよかったです!!!! 探索部分と対策部分があるシステムも面白いと思いました!!! 細かいですが始めに難易度を選べるのも良いと思いました!!!(私はEasyで遊びました) なかなか除霊の方法以外の対策法を見つけるのが大変でしたが、ゲーム内ヒントを使って全エンドクリアできました!!! 特にED10が面白かったです!!!! この二人のお話をもう一度見てみたくなる作品でした卍!!!! @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございました!!!!
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「君も助けてくれないんだね。」タイトルに惹かれて、こちらの作品をプレイしました。 もう物語が本当に凄くて、目も心も奪われました。 終わってから、はじまる前に厳重な注意書きがある事に納得する作品でした。 優しい隣人さんと、その隣人さんに恋をしている主人公の不穏ながらも純朴なやり取り。しかしそれを塗りつぶすほどの凄惨に次ぐ凄惨な日常が脳に焼き付きました。 アングラ人鳥歌劇展さんのゲームは心に突き刺さる、そして、それによって推したくなる素晴らしいものだと今感じています。