ティラノゲームフェス2020参加作品
10035 のレビュー-
還る男が家に帰るために、得体の知れない場所を歩いていく掌編です。基本的に文字のみで構成されており、選択肢はなく10分弱で読了しました。 @ネタバレ開始 最初は「なんだろう?」と思いながら読み進めていきましたが、明かされた真実に(良い意味で)どんよりとした気持ちになりました。ある意味、主人公の生き様を表現した世界観と言いますか⋯⋯。自己中心的で、都合の良いことばかり考える人間の末路を表現した、救いようのない世界なのかなと考えてしまいました。シンプルなタイトルもすごく秀逸でした!
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小さなおくりものVOICEROIDを語り部にした、鬼の兄妹たちの物語です。5分程度で読むことができます。 読み終わった後、とても温かい気持ちになりました。時間は短いですが、一場面ごとに柔らかいタッチの絵が挿入されているので、上質な紙芝居を観ているような感覚になりました。とても満足感の高い物語でした。ありがとうございました!
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僕らの一歩シンプルなノベルゲーム。 ゲーム制作とはまた難度の高い挑戦を……と思ってしまう制作者モドキでした(^^; @ネタバレ開始 エンディングのその後が気になりますね……! 果たして二人は再会したのか、そもそも木山くん(?)に三田だと打ち明けたのか、作ったゲームは公開、はしたでしょうけどどうなったのか。 引きこもりならでは、なのか時間感覚がぼんやりしてたり、腫れ物に触るかのような、ただ心配は伝わる両親との言葉少ないやり取りとかが、らしいなと思いました。 @ネタバレ終了
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Sea glass(シーグラス)背景の色遣いが作品の雰囲気に合っていてとても美しかったです。 品を感じさせる文章も素晴らしい。 シーグラスごしに映像を眺めているような、不思議な気分にさせてくれました。 @ネタバレ開始 有名になればなるほど、皆の理想の自分に首を絞められてしまったのかな。食べたいものも食べずに、最期まで皆の理想の自分であり続けようとしたのがただただ悲しかった。 @ネタバレ終了 プレイできてよかったです。素敵な作品をありがとうございました。
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空の果てからこんにちは重力に逆らい続ける物語です。 最初は日本のリンゴ産地が舞台かと思いましたが、読み進めるとファンタジー小説のように壮大な設定が少しずつ見えてきました。 笑いが多めのラブコメが好きな方に、特にオススメできる作品です。
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地下監獄ESCAPEクリアした後、記憶を消してもう一度プレイしたくなる作品です。 作品の至る所にヒントや伏線が散りばめられていて、ゲームオーバーになっても繰り返しプレイすることでクリアできる適度な難易度設定です。 約30分ほどで、映画のようなクールな脱獄を体験できます。
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鳥籠の嘘かわいい絵柄とうらはらな微サイコホラー短編ノベル。 さくっと読める掌編でした。 タイトルの「鳥籠の嘘」って凝ってましたし、 画面、サイドストーリーも凝ってました。 個人的にとても好みです!かわいいと微サイコ、素敵でした。
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かみかくしの夜本格的なゲームをプレイさせていただきました。 ありがとうございます。 数十年前のハマりにハマったゲームとリンクしながらプレイしました。 懐かしかったのと、斬新さも感じました。 何だか、また十数年前のゲームもプレイしたくなりました。 なんせ、3作目までやりこんでました(笑) 作品の感想ですが。 私の大好きな、おまけがあること! そして、キャラクターの一人一人に個性があること! そして、深刻な場面にも笑いがあること! ヒントが豊富なこと! どうしても、全てのエンディングが見たくなること! 本当に諸々楽しかったです♪ ありがとうございました。 そして、あとがきを読んで、自分も共感する部分が多く頷きながら読んでいました。 ほんとに、こちらを運営してる方々に感謝ですよね。 もっと語りたいけれど・・・。 ネタバレになるといけないのでこの辺で失礼します(笑)
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嘘つきジョアンナと春の雪涙を流しながらプレイさせて頂きました。 内気なスイトくんと元気なまきおくんが友達になること、 お兄ちゃんのためにスイトくんがついた嘘、 それらがどのような物語を形作るか想像できず、 ひたすら読み進めていましたが、終盤で1つに合わさり ところどころにあった要素が綺麗に伏線回収されて 切ないながら後味が爽やかな物語となったとき、 全てが大きな感動となって胸を打たれました。 読後にタイトルの秀逸さにも気付くことになります。 @ネタバレ開始 嘘をついていたのはベアマンではなくジョアンナである お兄ちゃんだったこと、優しい嘘で守られていたのは スイトくんであったという優しく悲しい真実に涙して、 まきおくんが見せてくれたシロツメクサの花畑を見て お兄ちゃんが残してくれたもの、いなくなっていないことを知る スイトくんに感情移入して、また泣いてしまいました。 「花の箱庭」のスチルがとても美しく感動的でした…。 春の雪を残してくれたお兄ちゃん。 春の雪を見せるために連れ出してくれたまきおくん。 スイトくんの学校生活は始めは寂しいものでしたが、 優しいお兄ちゃんと大好きな友達に支えられ、 ブランコを漕ぐように勇気を出したスイトくんの行動で 青空に足を伸ばせたという描写にとても感動しました。 また、猫と仲良くなりたいと思っていた前田くんが スイトくんが紹介したと思われる本を参考にしている描写も これからのスイトくんがまきおくん以外とも仲良くできることを 暗示していて、伏線の散りばめ方がお上手だと思いました。 @ネタバレ終了 大変素晴らしい作品をありがとうございました。
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吹き溜まりの彼女とても胸に刺さるお話でした。 物語にどんどん入り込めて、スラスラ読めました。 プレイ時間は20分〜30分でした。 ずっと好きだった想い人が急にいなくなって、でもやっと再会できたのに彼女は売春してたなんて悲しすぎます…。 主人公が感情をコントロールできず、彼女に酷い事をするシーンでは、大好きな彼女なのに、他の男たちと同じように彼女を酷く扱ってしまった主人公に心を痛めました。 好きだから傷つけたくない、でも好きだから許せない、主人公はそんな気持ちなのかなと思いました。 だから2人が同棲する事になった時、今後2人が静かに幸せに暮らしてほしかったです。 最後の展開は、あまりにも悲しかったです。ホントに救われないなあと思いました。 でも、すごくステキな作品だと感じました。 プレイして良かったです。ありがとうございました!
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GHOSTEACHERデザインやアートワークがとても丁寧で美しかったです。アランくんはもしかしてフロッピーの子だったのかな…?など色々考えさせられました。どの子も可愛くて好きでしたが、突然変異の仕方が面白かったオーソドックスくんが一番好きです。先生はたまに顔が怖い…(-_-;)
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堕獄の花園、嘱目の人鳥。~Sanatorium・Garden~前作に引き続きプレイさせていただきました! 本当に大好きです。 @ネタバレ開始 独特の世界観と可愛らしいキャラグラフィックは前作もそうですが、今作はより近未来感が楽しめました。あと曼殊沙華ちゃん(無性別)が可愛い。髪のもふもふ感とか、ミイちゃんを抱えてる姿とか。アイさん筆頭のペンギンさん達、狐のリコさんも大変可愛らしかったです。 新キャラの研究員さん達も好きです。最初は前作の町の住人のことがあって、どうせこいつらもヤバい奴なんだ……信頼してはいけない……と警戒心MAXで読み進めていましたが、皆結構良心的な人で、えっ!? 優しい!?と驚きました。いや、世間的に見れば大概アウトなこともしているんですけど前作の人達と比べたら滅茶苦茶優しい。あの上野さんですら優しい。(記憶戻った曼殊沙華ちゃんに思いっきり警戒されてて笑いました)(本当にこの人、何処にでもいるな……) 前作もそうですが純愛がテーマのこの作品。今作は研究員さん達の愛を見て、曼殊沙華とアルビフロラが自分達の愛に向き合うストーリーだと思いました。歪んでいるかもしれないけれど、それを愛ではないと否定することはできない。あれも愛、これも愛。パサさんとかおりさん、仲直りできて良かったな……とか、べるさんと小春さんのコンビ好きだな……とか色々感じました。ちょっとズレたところもあるけど何だかんだ上手くいってるっぽいし? 平和だなあ……(犯罪行為と人形の山に目を背けつつ) そして曼殊沙華ちゃんですよ。前作から凄く情緒が成長してて感動しました。特に侵入者を殴りつけたシーン。よくやりましたよ!! アルくんとも話し合ってようやく前作では聞けなかった答えも聞くことができて……ほんと……良かったなぁ…… アルくんは相変わらず狂気的で怖いところもあるけど、曼殊沙華ちゃんにとっては凄く頼りになる大切な人なんだなと。 燃えていく教会をバックに愛を誓うシーンも一緒にドールになるシーンもみんなでお出かけするシーンも愛に溢れていて最高でした。プレイ後に曼殊沙華の日記の最後のページで良かったねとほんわかした気持ちになりました。 彼岸花の花言葉は悲しいものが多いですが、深い愛情を感じさせるものも沢山あるので正に二人にぴったりな花だと思います。末永くお幸せに! @ネタバレ終了 滅茶苦茶良い純愛ゲームをありがとうございました。またこの素敵な世界を垣間みることができたら嬉しいです。
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お前のスパチャで世界を救え推しのVtuberが8月31日に消えてしまった。主人公はその1週間前の世界に戻り、推しの彼女を救うために奔走するゲームです。全6エンド、1時間程度で完走しました。 @ネタバレ開始 とても面白かったです!Vtuberは簡単な概要を知ってるくらいで、「前世」や「ママ」という言葉はこのゲームで初めて知ったくらいですが、Vtuberとミステリー的な要素を絡めたシナリオがとにかく面白く、最後まで楽しく読むことができました!この感想を書いている時点で、Vtuberは間違いなく現在のトレンドだと思いますが、上手に考えていけば、しっかりノベルゲームとして表現できるんだなぁと、制作者として参考になる部分も沢山ありました。 グラフィック部分につきましては、にあちゃんの可愛らしさは当然のこと、画面デザインもおしゃれに出来ており、視覚的な部分でも楽しめました。かたラーメンさんの圧倒的人間力も個人的に好きです(笑)。楽しい作品をありがとうございました!
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点鬼簿行路美しさを感じる、とても心に残る物語でした。エンディング後も物語の世界に浸っていたくなる感覚があり、気づいたら、またはじめから読み進めていました。 怖い話なのに、文章の一つ一つが読んでいて心地よく、繰り返し読んでしまいます。不思議な感覚です。 素敵な時間をありがとうございます。
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お前のスパチャで世界を救えこんにあです!プレイさせて頂きました。 推しへの声は届けないとないものと一緒であると改めて思い直すことができました。 こうして目に見える形で推すことができるのならどんどんやっていかないとこちらも損しちゃいますよね。 演出、ストーリー等とても拘りが見えてとても面白かったです。 Vを推している人もそうでない人にも是非やってほしい作品でした!
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忍者爆発いいから爆発だ! 現代に生きる自称忍者が心の忍者を爆発させるゲームです。 何言ってるか分からない? やれば分かります。 サクッとプレイ出来る……というよりも、超特急で駆け抜けていくので体感1分でプレイ出来ます。 少しでも気になっているのなら、とりあえず爆発させていけよ。な? @ネタバレ開始 自称忍者というか本当に忍者なんですよね、権三郎くん。しかも優秀。 いや忍者の里と仲間?の忍者爆発させてますけど。とんでもないな…… 一方で丼四郎くんと一緒にいられれば幸せ、と平和を愛する一面もあり……非常に魅力的なキャラクターでした。 話は変わりますが、保健室の先生の足が喋ったシーン、大好きです。 そのあとの怒濤の選択肢も爆笑しました。 いやーハニートラップ仕掛けられた時って、こういう思考になるんでしょうね! @ネタバレ終了 そしてこの作品の感想は、やはりこの言葉で締め括りたい……。 @ネタバレ開始 爆発オチなんてサイテー!(褒め言葉) @ネタバレ終了 最高に笑えるゲームをありがとうございました!
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とある惑星の記録(No.S-01)「私」が見聞きしてきた記録を読んでいくという作品。僕は10分くらいで読了できました。 @ネタバレ開始 「今、ここ」ではない、どこか遠くに思いを馳せずにはいられなくなる。そんな作品でした。 記録は断片的ではありますが、だからこそ、多くのことを想像することができます。個人的には、修道服の女性とのやり取りが1番印象に残りました。 また、「私」が時折見せる人間(?)らしさが良かったです。 タイトル画面もお洒落ですね……! しばらく見入ってしまいました。
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精神研究の実験人間す、すごい作品を遊んでしまいました…! もうまず設定が興味深くて 読み物としてもとても面白いんですが 色々なコマンドでキャラクターたちと関わるプレイヤーとしての行動が主人公の体験と一致して こんなに緊張感のある選択をしたのは初めてかもしれません…! ヨリコちゃんのツッコミに同意したり笑ったり 言いたいことを代弁してくれて感動したりでとても大好きな主人公です 「彼等」はみんな魅力的なのですが 今回は見られなかった方達のEDがとてもとても気になります! 個人的に最後の彼が!すごく好きです! 素敵な時間をありがとうございました!面白すぎて放心状態です…!
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誰が殺した小夜啼鳥を葦島さんは今回も わたしの心をがっちり掴んで離しませんでした!! スタート画面から雰囲気バッチリすぎて 一気に読んでしまいました…! お話もとっても面白い!のですが今作は演出も素晴らしかったです!没入感がすごい… 素敵な時間をありがとうございました!次作も楽しみにしていますー! 葦島さんだいすきです!!
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そして僕らは世界を壊す何だか動きのある映像を見ているかのような錯覚に陥る、情景や心理描写の丁寧なお話でした。しばらくは途中でセーブが出来ないのも、ひとつひとつの選択を真に迫られているようで、この場でのキャラクターの心理やこの後どうなるのかな、という想像を掻き立たせるような分岐路に居る気分になります。 以下内容を含むので畳みます。 @ネタバレ開始 序盤シナリオを読んでいるとき、梓くんはこれでいいのか…きみは大丈夫なのか…とどきどきしながら見ていました。そして隆之介くんの冷たい場面を見るにあたっての彼の反応に、余計に心配になって…そしてその心配は的を得ていたのではないかと読み進めるうちに理解してきた…! セーブが解禁されてから、あらゆる場面が繋がっていくようで、その先の展開の推理をしてみるのも楽しかったです。楽しかったというとストーリー的に語弊があるかもしれませんが、それくらいお話の展開の続きを知りたい気持ちだらけになりました。 屋上の夕日のシーンと、川でのイラストがとっても印象的でした。長身の甘えんぼがめちゃくちゃ好きなのでどのイラストもとてつもなく見入ってしまいました…。こういうと彼は嫌がるかもですが、やっぱりどの瞬間を切り取っても綺麗ですね…。 そして終わってから振り返ってみると好きでたまらないのは邑井ちゃんの存在…! 少なくとも彼女の人生を変えることが出来たのに、何というか皮肉なものだ…。でもそうやって過去に縛り付けることが出来るのが隆之介くんの魔性なんでしょうね。初手で思いっ切り殺してしまってすまない… でもこれはやっぱり梓くんの物語であって、彼もまた人を縛り付けている、そういう姿が感慨深く思いました。 一気に読んじゃって勿体なかったかなあ、と思うほどぐっとくる場面が多かったです。 @ネタバレ終了