ティラノゲームフェス2022参加作品
8915 のレビュー-
煉獄の煽り運転(BROKEN HEART SERENADE)起動後すぐのおじいさんで若干バックにギアを入れたい気持ちを抑えて進めていると、唐突に始まる超クオリティのOP…これ本当に煽り運転のゲームなの?と思いましたが…紛うことなき煽り運転!!(が関連したゲーム) @ネタバレ開始 これはセーブがないほうが絶対に面白いゲームですね! しかし、激ムズ! 申し訳ないですがクリアできない! 記憶力との戦いでもあり、後続の煽ってくる車との戦いでもある…ハンドルさばきがおかしくて大体弾け飛びましたが、何度もプレイしていればハンドルの方向も理解して次の弾け飛びポイントまで行けるようになるので、ちょっとずつ車間距離を開ける感じになりました(開いていると信じたい) これバッジを取得した方もおられて、すごいハンドルテクですね…! ペーパードライバーには先が長すぎる道のりです。 私は画面の高速移動や揺れが苦手なので酔ったところでギブアップとなりましたが、とても楽しかったです! 弾け飛んだ後のおもちゃから出ているような効果音がかわいくて超ツボでした。 @ネタバレ終了 揺れたり高速で動く画面が苦手な方、そういったゲームに酔いやすい方は少し注意しつつ、セーブ&ロードなしでも楽しめる本作をじっくり楽しんでほしいゲームです。 免許証作りからして「なんで?」となること間違いなし、全編面白い作品でした! ありがとうございました!
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未来伝言板現代不思議ファンタジーなお話。 伝言板って見ないですよね。 伝言板と言えば某シティな漫画を思い出しちゃいますw @ネタバレ開始 未来がわかる伝言板をちょっとおまじない的に使っちゃうのが楽しいです。 私だったらなに書くかな~?と考えると、確かにそんな雰囲気のモノを書きそうですw @ネタバレ終了 懐かしくてほのぼのするお話でした。 ありがとうございました!
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暮夜を待つホラーっぽいタイトル画面に惹かれてプレイしました。 キャラ絵がとてもかわいいです!サッパリしていて好きです! @ネタバレ開始 二人の幸せな友情もっと見たかったな、と思いつつも 最後に必ず…となり、泣けます。 @ネタバレ終了 ありがとうございました!
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メモリーガール【12/12更新】Vtuberアカウントの方で実況配信させていただきました。 タイトル画面から美しくて、ものすごく引き込まれるゲームでした。 とにかくキャラクターの立ち絵やパートボイスが可愛らしく、一瞬で全キャラクターが好きになっていました…! @ネタバレ開始 最初はゲームの中を舞台にしたちょっとメタ的な視点のゲームなのかな?と思っていましたが、最後までプレイしてみるとなるほどそういうことか…!となりました。 皆に愛されるめもりちゃんを私も愛してあげたい…!となりました。 これから、「キャラクター」だった全員が幸せになりますように、と心から思います。 @ネタバレ終了 素敵なゲームでした!
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私の声が聞こえますかプレイさせて頂きました♪ こちらの作品は、短いながらもたくさんの事が詰まっていました。 作品の説明欄に"小さい声にコンプレックスを持っている黒木箔斗" そして、タイトルが"私の声が聞こえますか"ということで、 それだけでも、『どういうストーリーなんだろう?』と興味を持ってしまいました。 @ネタバレ開始 明日架ちゃんが、徐々に箔斗君に心を開いていく 屋上での会話がなんとも言えず、私の顔までデレデレでしたヾ(≧▽≦)ノ しかし、明日架ちゃんの真実を知った時にはビックリでした。 だけど、会うべくして出会った2人なんだなぁと思いました。 happy endになって、良かったです(´▽`*) もう1つのENDでは卓也君から、自分の気付かない長所を言われて 『確かに、短所ばかりを気にしていて、自分の長所に気付かずに ネガティブになってしまうもんなんだな』と思い知らされました。 そして、卓也君のように自分の長所を言ってくれて、自信がもてる。 そういった友人関係も素敵でした(*'▽') @ネタバレ終了 自分のコンプレックスって他人には分かってもらえない。 たくさんの人が感じている事だと思います。 それを上手に、更に素敵なストーリーで表現されていて 素晴らしいと思いました。 素敵な作品をありがとうございました。 ファンアート、頑張って明日架ちゃん描きました(;'∀')
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ひとを×すなんてできないそろりと「はじめからボタン」を押してはじめてみました。 @ネタバレ開始 主人公に初めは同意していましたが「え?」となるようになり、ゾワゾワしました。 @ネタバレ終了 怖いですが完走しました!
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闇の通り路@ネタバレ開始 闇の登場が怖い! 遠くの森から何か怖いやつが来る系は個人的に好きなやつでした。 そして、闇の中でのカロラさんとのくるくる、はためくポニテと円になる光、 スチルこそありませんが、情景がすごいイメージ出来て素敵でした! 闇というトラウマも、意外な所で脱出出来るかもしれない、 人の持つ光の可能性を感じさせてくれる作品でした。 素敵な作品でした、ありがとうございました! @ネタバレ終了
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きみはもうほかの誰かのものとても完成度が高く、画面の彩度とも相まって心の中にスッと入ってくる素敵な作品でした。 ちょっぴり怖い要素はあるものの、伝奇・伝承などが好きな方には特に楽しめる内容だと思います。 @ネタバレ開始 音楽や演出などすべてがカチッと美しくはまっていて、最初から最後までクリックする手が止まりませんでした。 向日葵畑の美しさが本当に秀逸で、主人公の最後の独白部分では、ああ神様とともに行ったんだな…というのをしみじみと感じました。 神さまに関する伝承もとても丁寧で、遠野物語などが好きな身としては思わず「ふむふむ!」と読み込みました。 UIなどもシンプルかつ水彩の美しさでまとめ上げられていて、すごくいいなーと思いました。 @ネタバレ終了 この唯一無二の空気感をぜひ多くの方にプレイしてほしい作品です。 素敵な作品をありがとうございました!
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つくもと空の屋台君が何物だったのか、見事に推理してみせる!―――えええ、すごい美形出てきた!!(初問題) これはもしや可愛い女の子とかも出てくるのではー! よーし、俄然やる気が出てきたよ! ……という単純チキン、何物なのかがどうしても見たくて、頑張らせていただきました! @ネタバレ開始 お箸の双子ちゃんとカメラくんがとても可愛かったです! もちろん、他の子たちが何物か分かって真の姿が出てきたときも、テンションが上がりっぱなしでした! つくもさんの屋台、また行きたいです! ちょっと難しいなーなんだろー?と思うところはヒントに助けていただきました。 親切設計、ありがとうございました! @ネタバレ終了 なぞなぞを解くのがこんなに楽しいとは~! 最初から最後まで楽しませていただきました! とても素敵な一時をありがとうございました!
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竜宮城からの脱出!!豪華絢爛、夢のような竜宮城から婚約者の待つ陸地へと浮上するべく奮戦する主人公! 私の捜索下手により大変な結末を何度も迎える主人公! (本当にごめんなさいでした…!) @ネタバレ開始 村ごと水没していてすみません…(遠い目) もう別の方とご結婚なさっていて違う男と幸せになっていてすみません…(遠い目) 捜索と乙姫様の好感度の調整が下手で、なかなか主人公を希望が持てる日数で陸地に返してあげられませんでしたが、3周目くらいからはスルスルとこなせるようになってエンドも一つ一つ見ていくことができました。 適切な好感度で道具を使わないと過保護にされて脱出不可だったり、牢屋へ連行されたりと、一筋縄ではいかないところも面白かったです! 個人的には乙姫様トゥルーエンドが好きです。 とてもかわいくて、本当は寂しい思いもしていた乙姫様には末永く幸せになってほしいです! @ネタバレ終了 竜宮城からいかにして帰るかという設定がまず面白く、乙姫様の目をかいくぐって竜宮城を探索するスリルも合わさり、とても面白い作品でした! ありがとうございました!
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フィンリーノア暗闇の中でクマの着ぐるみさんを頼りに進む物語、1周目はもちろん、2周目も楽しめる内容でガッツリ彷徨わせていただきました。 スチルがどれも大変美麗で目の保養でした。 @ネタバレ開始 エンド1を見ると切り替わるタイトル画面がとても美しくて、在りし日の幸せな二人の姿に思わず頬が緩みました。 たぶん多くの方が初プレイはエンド2へ行くと思うのですが、私もご多分に漏れずエンド2でした。 エンド3は予想ができましたがエンド1は攻略を頼らせていただきました。 一番最後に巨大化した未練さんが襲ってきますが、あの時に「邪魔するなー!(2周目)」と入ってきてくれた子には胸が熱くなりました。 とてもやさしかったノアお兄ちゃん…できることなら、もっともっと長生きしてほしかったです。 @ネタバレ終了 プレイ後にフィンリーノアのタイトルを見ると、胸にじーんとくるものがありました。 ありがとうございました!
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埋められたふたりの人形地域独特の風習『童弔い』という儀式を行うことになった二人…渡されたメモには禁止事項が書かれていますが、そこから漂う不穏な気配に「何も起こりませんように」と思いながら読み進めました。 @ネタバレ開始 「何が起きているか分からないまま、見過ごせない何かとても嫌なことが起こっている」という外堀からじわじわ埋められていく感覚が怖かったです。 何かがおかしいと分かっていながらも主人公である佑馬くんにできることは何もない、また、佑馬くん自身が何かの気配に気づいていてもそれがそもそも何なのかが分からない…など、身動きが取れない感じがプレイヤーを不安にさせる効果倍増でした。 あとがきに書かれているとおりどのエンドでも大団円ハッピーエンド!や劇的終幕バッドエンドはありませんでしたが、土着の風習と神様のお話でしたのでとてもしっくりときました。 最後の最後まで神様そのものの存在が前面に出過ぎなかったのも、得体の知れない強大な抗えないなにかによる干渉をひしひしと感じさせてくれました。 全編を通してですが、歩佳さんのことをどれだけ大切に想っているか、歩佳さんが佑馬くんをどれだけ大切に想っているかがとても丁寧に描かれていて、じわじわくる怖さもありながら切なくもなりました。 @ネタバレ終了 分からないことが不安であるという人間の心理などを巧みに織り込んだ面白く、そして切ないホラーでした。 ありがとうございました!
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A-line大変オシャレなUIと音楽、そして圧倒的なセンスのシナリオで進む「ワンルーム失恋ADV」、最初から最後まで心ゆくまで堪能させていただきました。 @ネタバレ開始 環さんが好きなミナさんはあくまで「10歳年下のいとこと接するおねえさんとしてのミナさん」であって、それ以外の不純物は混じっていてほしくない・混じっているものは受け入れがたい…というところに彼の抱える複雑さを垣間見ながら、最後まで遊ばせていただきました。 誰しも好きな相手にはこうであってほしい、遠くへ行かないでほしい、自分の手の届く範囲の馴染んだ姿でいてほしいというのはあるのかもしれませんが、自分の時間が流れるのと等しく相手の時間も流れるという現実が環さんの思いを通して迫ってきました。 とにかく心理描写が緻密で、この初恋が彼にとってどれほど大きなものであるか、自分の心を占領しているかがひしひしと伝わってきました。 「大人らしい」と「大人っぽい」の差を気にするところなど、本当に細やかで物語の美しさにうっとりします。 終えてもう一つカセットテープが増えたので、再び没頭の世界へ。 恋をしている女の子は本当にそれだけで無敵で素敵ですね。 ヒナさんと環さんが結ばれるかと思いましたが、その恋も実らず…となったときはそのリアリティに(感嘆の意味での)溜息が出ました。 30年越しの「結婚おめでとう」を口にした環くんに「成長したね…!」と何かしらの保護者精神が沸き上がってきたのは私だけでしょうか(笑) もう本当に全編エモさの塊で、もし未プレイでここを読んでいる方がおられたら、今すぐミナさんの御宅へGOです! 実は、カセットテープというものの存在自体は知っていたのですが現物に触れたことのない世代なので、今回知り合いの60代の方にカセットテープ最盛期の頃のものを見せていただき、大変盛り上がりました。 昔はカセットテープのタイトル部分を手描きで描いたり、カセットテープにも高いものと安いものがあったり、お手製で相手の好きな曲を録音して収録したベストアルバム的なものをプレゼントで送ったりと、手に取る人の特別な気持ちが込められた媒体であると知り、作品への理解、その解像度が上がった気がします。 @ネタバレ終了 音楽や効果音は多くのゲームで「場面の雰囲気や臨場感を出すために入れるもの」になりがちですが、本作は音楽と効果音なくしては絶対に成り立たないところが神がかっていました。 本当に素晴らしい作品でした、ありがとうございました!
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現実世界の人魚姫三者三様の捩じれに捩じれた恋と心の歪み具合がズドーンと重たい、引力が半端ない作品でした。 「あ、ここで終わりなのね、人魚姫さん」と思ったのも束の間、童話のように「泡となりました。」で終わらないのが本作『現実世界の人魚姫』でした…! @ネタバレ開始 まさかのメイさんや天海さんからの視点があって、もう一気読み待ったなしでした! 天海さんは特に印象がガラリと変わって「君…なんでいきなり俳優業に手をつけてしまったんや…!」と思うマイさんとの破局シーンの言ってることと思ってることの差がありすぎるよ!!状態で、かなり不憫でした。 音大に行っていないとかご家庭の事情があるにしても、すべてが嘘ではないのにまるですべてが偽りだったかのように誘導している彼が不憫すぎて見ていられませんでした。 誰もが加害者であり被害者…本当にその通りでした。 @ネタバレ終了 ハッピーエンド一切なし・海の泡となって諸共消えるのみ!な暗いお話でしたが、納得できる終わり方で、個人的には好きです。 素敵な作品をありがとうございました!
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Medicarium*Valentineキラキラしたり汗が流れてみたりと演出がとても素晴らしい、見ているだけで楽しいゲームでした、 バックログにもミニキャラがいたりと、どこも見所満載、シナリオもココットさんがかわいくて終始応援したい気持ちになりました。 @ネタバレ開始 ココットさんの「先輩から生み出されたものならなんでも口にしたい!」「先輩の身体を駆け巡るすべてのものなんでも飲みます、飲ませてください」などストレートに伝わってくる「好き!」という気持ちが「恋する女の子は無敵だぁー!」と思わせてくださり、見ていてニコニコしてしまいます。 その後で前日譚を読んでココットさんの境遇があまりにも悲しくて、やりきれない気持ちになりました。 味覚がないとイチゴケーキは好きとか、きのこは嫌いとか…そんなことを「ゆるしてください、次は間違えません」と言いながら覚えたり実践しなくてはいけない家庭…読んでいて胸が詰まりました。 お薬を売った子たちの結果がエンディングで出てきて「あ、そうなったんですね!」と楽しい気持ちになったりしました。 何周かしましたがすべてのスチルを回収するのは大変そう…! まだすべてコンプできていないのでもう少し頑張りたいと思います! @ネタバレ終了 ココットさんが大好きな人とたくさん幸せでありますように!と願いたくなる、ココットさんを応援したくなる作品でした! とても素敵な作品をありがとうございました!
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お茶を、どうぞホラー要素あり、探索要素ありのちょっと怖い妹さんとの物語、頑張ってアイテムを回収しつつ結末を迎えさせていただきました。 妹ちゃんのお顔を見て「これはこれでかわいい!」と思いました。 @ネタバレ開始 初回は自分がかわいいと思ったので「嫌いじゃないよ」と選んだら主人公の心情とのミスマッチで大変なことになりました…。 その後は主人公の気持ちと一致するほうを選ぶことに。 結構色々と頑張ったのですが、残り2個が見つからずそこでプレイを断念しました。 別エンドが見てみたかったです。 バグ?なのかかなりの頻度でダイアログが出てきて、それがちょっと気になりました。 演出の一環でしたら愚言申し訳ありません! @ネタバレ終了 ありがとうございました!
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夕暮れ推理俱楽部4過去作をずっとプレイしてきた身としては、ついに月さんたちの物語も終わりか…という寂寥感もありつつ、プレイ中は「さすがにその考えは怖いよ月ちゃん!」と思わず彼女を心配してしまいました。 @ネタバレ開始 役に立ちたい・認められたい・捨てられたくないという完全依存状態の関係は絶対に健全ではないのですが、その状態を地で行ってしまっていた月さんが今回新藤くんと対等の立場である「友だち」に無事になれてホッとしました。 新藤くんとしてはずっと前から友だちだったと思いますが、月さんからすると「いついかなるときも役に立つ素晴らしい助手」てあることがすべてだったので、この終わり方にはホッとしました。 エンド後に見られるアナザーストーリーや設定などもとても面白かったです! 特にアナザーストーリーのスチルは「おお!」となりました。 @ネタバレ終了 シリーズを追ってきた者としては、最後の終わり方にはホッとしました。 二人がこれからも楽しく推理したり、水平思考ゲームをしたりと、友人として楽しく過ごしてくれたらいいなと思います。 素敵な作品、面白いシリーズをありがとうございました!
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君に恋した四季二人を無事にハッピーエンドにすればいいのねー、任されたー!と意気揚々とトライした結果、あんなことになるとは思いもしませんでした…! このゲームは前情報などゼロのまっさらな状態でプレイしたほうが絶対に楽しいゲームです! @ネタバレ開始 あまりにも新手の恋人探しに戦慄しました。 そういう方向から初手のアプローチをしてくる方がいるとは…! テスターの男性でHAPPY END!へ無事に進んだ男性=現実でもこの通りにすれば攻略ヒロインとなる私はHAPPY END!という目が点になってしまうまさかの方法で接近(エンド到達のために結果的にストーカーとなってしまう…)してくるなんて…! おまけまで込みで戦慄と震えが止まりませんでした。 リアルでも誰もが一度は通ったことがあるであろうHAPPY ENDへ向けて選択肢を選び続ける恋愛シュミレーションの決まりを踏ませつつの闇の大どんでん返し、すごく面白かったです! @ネタバレ終了 ネタバレになってしまうので詳しくは書けませんが色々な意味で『恋愛シュミレーション』の本領発揮の面白い作品でした! 素敵な作品をありがとうございました!
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薫るは御舟、煤けた岸辺昨年のフェスでも素晴らしい文章力で作品世界に引き込まれましたが、今作もとても素晴らしく、一気読みしました。 三日前から始めたピアノで伴奏賞をいただいた主人公の、言ってしまえば「昨日までは大衆の一人だったのに今日から大衆の中から飛び出た存在」になった様子が緻密な情景描写で描かれており、長編小説を読んでいるような満足感がありました。 突如として現れた才能(正確には才能と呼ぶべきではないものかもしれませんが)が周囲の空気や人生を一気に変えてしまう、その奔流の中にいる自分もまた無関心ではいられない上に、良くも悪くも人の性を正面から見なければならない姿に読んでいて度々心苦しくなりました。 新聞部のインタビューに始まり、主人公が直面している「彼女が自分たちと違う理由がほしい」といった人間の性がこれでもか!と緻密に書かれていて「人間怖い…」と途中で少し怖くもなりました。 また、主人公の御舟さんの周囲にいる人物たちのそれぞれの価値観や人生も丁寧に描かれていたので、彼らの抱える葛藤なども御舟さんの心や考えとはまた別にひしひしと伝わってきました。 物語の終わりは全く異なるもので、どちらも納得のいくものでした。 自分の人生に深く根付いているもの、自分の根幹をなすものだからこそ、息ができなくなるほど苦しかったり、そこに救いを見たり…「人間」の持つ複雑性がこれほどに美しく力ある物語で見られたこと、素晴らしい経験になりました。 素敵な作品をありがとうございました!
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消えない痣の治し方誰しも顔面に特徴的な痣があったら気になる…のかもしれませんが、周囲の反応によって本人の心は良いほうにも悪いほうにも向かってしまうのが、とても細やかに描かれていました。 @ネタバレ開始 最後に鏡を覗き込んだ時に、一瞬痣がほとんど消えて微笑んでいる純平くんが映ったのは、主人公の心の痣も癒えたという意味でもあったのでしょうか。 本人自身が一番気にしていたことが、舞浜くんや柳川さんたちとの付き合いで変わったことで、彼自身が囚われていたものから解放されつつあるのかな、と。 ずっと難しい顔をしていたので、最後のこの一瞬は彼の心に芽生えた希望を見た気持ちにもなりました。 @ネタバレ終了 純平君がこれから先も彼を理解してくれる人たちに囲まれて、たくさん笑って、そしていつかまったく気にならなくなるといいなと思いました。 ありがとうございました!