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32393 のレビュー-
キミに心臓をあげたい今までやってきたゲームで一番泣きました 最高な感動をありがとうございます!
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占い師レイ様の助言レイ様の元を訪ね始めて早2週間が経とうとしています! 暖かく迎えてくれるレイ様に癒される日々です。 @ネタバレ開始 日に日に甘さをましていくレイ様にドキドキしっぱなしです!会話にて増える選択肢に、なんど声が出たことか…そんな、キスなんてねだってもいいんですか!? また、帰ると伝えた時の切なそうな目にいつも胸を締め付けられています。 また明日も来るからね〜!? @ネタバレ終了 1日1回数分という短時間なのに、その時間分以上に癒されるゲームです。 幸せな時間をありがとうございます!!
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ドキドキ!?魔法学園[:ルーキー:]演出面、音楽、キャラクター、読んでいくうちにその世界にはまっていきました。 @ネタバレ開始 Cromoというデバイスを装着する演出が仮想世界にフルダイブしていく感じで好きでした。 戦闘時のどの魔法を選んだかによって、展開が変わっていくのも面白かったです。特に、最初の3人VS2人の時に覚えた魔法が逆転のきっかけになったところは盛り上がりました。 相手高校の魔法バトルも面白くて、イナズマイレブンをやっているような感覚だなと思いました。 選択肢も面白そうなものがあったりで、ジュエル使いの子があなたには無理ね的なことを言われた時の反応に第三の選択肢には笑ってしまいました。 これから、どんな相手が待ち受けているのか楽しみです。 @ネタバレ終了 素敵なゲームでした。
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もんすたらすパーク!〜ゆきんこ大作戦~続編が出たのでさっそく実況プレイさせていただきました! @ネタバレ開始 本編ではなかなか見られないほのぼの回で終始ほっこりしました! 最初は雪子さんをもとに戻すべく真面目にやらせていただきました。 (頭に保冷剤を乗せたら無限にループバグしてめっちゃ笑いました。 即日修正できたのは不幸中の幸いと思っておきましょう… ※このレビューが書かれてる時点で修正済であることを確認しています) 次にあっつあつのスープを持っていったら溶けてしまうのでは?と思い実行 高度なボケ…だよな…?と思ったらまさかの分裂。 どういうことなんだ…!!? アナザールートはもうただの遊園地デートですね! 河太さんが逃げたり、シアター運営部の皆さんが慌ててる様子がめっちゃ面白かったです。 個人的にガルーさんが相手されずにため息をつくシーンが哀愁あって好きです。 最後のバッジ、何…?って思った人は本編プレイを強く推奨いたしますぞ…! @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございます! この作品で新たなお客様のハートを射止められることを切に願います!
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怪異判定アドベンチャー「奇天烈相談ダイヤル」なぜかセーブデータが全部消えたが、またやろうと思うぐらいには良いゲーム!! 高難易度まで出来てないですが、引き続きやろうと思います。
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ファースト・ヒロインすーっとノベコレを巡回していた時に出会ってしまいました。一目惚れでした。菜月くん、出会ってくれて本当にありがとう。 作者様解説からCPを壁になって眺めるゲームなのかな?くらいに思って脳内恋愛フィルターをオフにしてプレイしていたのですが、とんでもなかったです! こんなに綺麗で純粋で鋭くて、痛みを伴う気持ちになったのは久々です。速攻でフルコンプしてしまいました。 まず、ストーリーがとても良い。 途中くらいから物語の顛末がなんとなく把握出来るのですが、ぁーこういう事なのねーとちょっと冷めた目でみていました。 そんな私も、「結果」なんて些事に過ぎない事を思い知らされます。 @ネタバレ開始 物語は3章構成になっていて、好きなところで中断。もできるのですが、私は先が気になりすぎて結局駆け抜けてしまいました。 みんな一生懸命で素敵なんですよ。ほんとに一生懸命生きている。 結論から言うとこの世界の住人はゲームの存在でしかなくて、最終的に主人公も「はるちゃん」も別れるしかない。それでも、だとしても!なんです……。 乙女ゲームの中に入るちょっと異世界転生じみた内容ではあるものの、別れの予感みたいなモノを随所に感じて、なんというか青春のオフタイムみたいなそんな気持ちにさせられました。 終盤でのタカアキ先生と見春先輩のやりとりは乙女ゲーマーとしてグッと来ましたし、 その後の主人公と菜月くんのお別れは、すっかり大人になって、最早見春先輩の年齢すら軽く飛び越えてしまった私「たち」へ向けられているようでホロっときてしまいました。 たとえこの出会いがバグだったとしても、菜月くんと恋した事を忘れない。 余談ですが、続編が無かったら菜月ロスで一週間くらい廃人になっていた事でしょう。 命拾いした……(オーバーキルされませんように) 1番好きなのは、1章での颯くんの起こした嵐?が見春先輩が一度きりのチートを使った結果だったということ。 壊れてしまったゲームとキャラクター達。 彼らを変えてしまったのは自分。 彼女はヨシアキ先生の彼女である以前にゲームそのものを愛していて、どこまで行ってもヒロインの「はるちゃん」なんだなと。 「菜月くんがまだ「はるちゃん」と呼んでくれるなら〜」の下りが凄く涙腺に来ました。 テストプレイでは邪険に扱っていても、根底にはお助けキャラとして仲良くしていた頃の気持ちがあったんだなー。。。 そういえば、病んでて危ういのに見栄は張っていたいみたいな私の好きを詰め込んであった双優先輩でしたが、何故か菜月くんが圧勝していきました。 君可愛すぎるよ…… 凄い長くなってしまいましたが、結果とカラクリが既に分かっている事でも、思いの力って偉大だわと感じました。 私も久々に古の乙女ゲームないしRPGを引っ張り出そうかな…… @ネタバレ終了 この後すぐに続編もやろうと思います! 製作者様のシナリオ、イラストすべて好みドンピシャでした! こんな素敵な作品を世に出していただき、ありがとうございます!
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はじめての!デスゲーム・マスター前作パーフェクトバーガーも素敵なゲームでしたが、今作もとても面白かった! イラストはもちろん、文章のセンスも好きです...現実で絶対出来ない分、いろんなボタン押しちゃいました。
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mellow fellow【リメイク】以前から気になっていた作品でしたが遅ればせながらプレイさせて頂きました~!! @ネタバレ開始 私の中の男の娘センサーが一目見た時から反応していたので、そうなんだろうなとは思っていたので好きになることは覚悟の上(?)だったのですが、いざプレイしてみると本当に好みの女装男子で最高でございました…! 光さんの言う通りにしない方が、恋人同士になるエンディングにいくというのが面白かったです。最初てっきり言う通りにしないといけないのかと思っていて、素直に言うことを聞いていましたが違ってましたね…!(攻略順としては正解でしたが)おしとやかなお嬢さん風なのに、言う通りにしないと主人公ちゃんの行動にぎょっとする時の光さんの表情が、男の子っぽくて大好きです…。あと性別バレした後の押し倒されるスチルがすんごく男の子らしい衝動を感じられてめっちゃくちゃに好きでした…!! おまけで光さん視点のお話あるのとっても助かります…!家族とのやりとりも見えてよりキャラクターへの解像度が上がる!強気でかっこいいお姉さん好きです!後日談も大学生の二人の幸せそうな様子が見れて満足でした~!大学生の光さん…美青年…そりゃあSNSでバズりますよね…!! @ネタバレ終了 素敵な作品ありがとうございました~! 初見のおしとやかお嬢様の印象で描いた光さんのFAです!
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振り返ってはいけない道気軽に怖さを味わえる作品で楽しめました。 @ネタバレ開始 演出面が凝ってて、特に最初の「助けて…」はゾクッとしました。 後半からのメリーさん(?)は現実に起きたらビビるだろうなってくらい臨場感がありました。 この道がなぜヤバいのか謎が解明されないまま終わるのも後味の悪さを際立たせてて最高でした。 @ネタバレ終了 このゲームは深夜に遊んでみるとトラウマになるかもな~って思うほどにホラーでした。 素敵なゲームを作ってくださりありがとうございました。
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Darling/milk甘い!暖かい!!甘い!!! 終始癒されっぱなしで、心がほわほわしていました。 @ネタバレ開始 まっすぐこちらを見てくる大きな瞳に猫ちゃんみを感じたり、彼の暖かさにお布団みを感じたりしていました。 @ネタバレ終了 ほっこり幸せなゲームをありがとうございます! 2人が、いつまでも幸せでありますように。
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ドキドキ!?魔法学園[:ルーキー:]Xで度々お見かけしていた本作! 3Dモデルを使った学生同士の魔法バトルが楽しめるとの事で、ウキウキしながら楽しませていただきました! 設定自体も、電脳空間を使ったバーチャルなスポーツ的位置付けで、近未来とファンタジーをうまく融合させつつも電脳犯罪とかテロ行為とかの非現実的な要素を極力排除して、あくまでもスポ根青春モノとして描いているのがとても素敵でした! 電脳空間へのログイン演出がとにかくカッコいいので必見です! さぁ、貴方は執拗な強豪サッカー部からの勧誘を退けて、ドキでマジカルな学園生活を謳歌できるのでしょうか?! @ネタバレ開始 いやー!面白かったです! まずはモデルとかこれ無料で良いの?!!って出来でした。 魔法演出がすごく良きです!キャラの個性が出ててカッコいい! 魔法選ぶ時のパネル的なUIもセンスが光っておりましたし、謎クールタイムとか魔法の解禁条件だとか、古の無料じゃないMMOを彷彿としてフフっとなりますね(笑) リアル戦闘能力(体力とか反射神経)も影響出るタイプの競技なので、スポ根色強めなのも好きでした!最終的に魔法より物理に頼りだす主人公ちゃんも面白かったです(作中使用出来る魔法が拘束系と基本攻撃しか無い上にいちいち隙がデカいらしいので致し方無しか) 最初のゲームマスターさんとの会話で謎のエラーがあったりと、何かネット犯罪?的な大事件(某バトルネットワーク的な)が起こりそうな予感もありますが、切磋琢磨する若者の姿を見るのは良いですね! キャラクター達もとても素敵で、部活モノで定番のイロモノ先輩からクール、内気、軟派に高飛車なライバルと個性的な面々が揃っております! 個人的には文香ちゃんのキャラもツボで、魔法の腕も他の新入生組(エンジョイ勢)と変わらないですし、主人公の性格もあってちゃんと因果応報されてたのは笑いました。でも、連携とかもちゃんと出来る辺り悪い子じゃなさそうなんですよね。かわいそかわいいね… みんな、もうちょっと文香ちゃんに優しくしてあげて…いや、あんまり優しくしないで(二律背反) 実は重い設定があって、文香ちゃんごめんな…って思う日が来るのかしら…… ちなみに今のところ拓哉くんがかなり好きです。推し候補! 電気属性でバカで軟派で49件も鬼lineするようなマダオ、、嫌いになれないんだぜ… IIを開発中とのことですので、合体魔法とかキャラルート的なのがあったら嬉しいのですがどうなんでしょ? 実はいまいちドキまほが何系のゲームなのか掴み兼ねてるのですが、期待しても良いのですかね?(チラチラ) @ネタバレ終了 引き続き、IIの開発頑張ってくださいませ! とても楽しかったです! そして、願わくば皆さんがサッカー部の誘惑に打ち勝てますように……
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十三階段楽しかったです! 短いお話しの中に複数の怪談?が含まれてて、よくできたストーリーだと感じました! これからも頑張ってください!
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運と推理と幼なじみと。やさしい色合い、かわいらしい2人、いかにもゲームらしいテンションの上がるBGMと共に取り組むパズルは、どこか懐かしさを感じられました。 やりとりもお似合いな幼馴染だな~とニマニマできました。ありがとうございます! @ネタバレ開始 スチルも大変可愛らしくて、特にシュークリームを食べる2人にほっこりさせられましたね…!
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僕らの都市伝説通常エンド6個分の感想からの続きです。 もう少し各エンド等について掘り下げた感想等となります。 @ネタバレ開始 これは人によってどの都市伝説から読み始め進めるか?でかなり印象は変わりそうですが、結果として軽いジャブになる『浦越西団地の宇宙人』から読めたのは正解だった気がします。 『浦越西団地の宇宙人』と『新興宗教エマラ・テッド教団』は日常侵食系でありながらも前者は柳沢君が宇宙人疑惑はあれどまだ死人が出ていない分、序盤のジャブか間に挟んでおくと箸休めの立ち位置になりそうな印象がしたので。 4人は無事(先生は除く)の分、エマラ・テッド教団の方が来年も犠牲者が出る事がなければ一過性の恐怖といつかは忘れられていく(忘れたいと思う)記憶として薄れていくだろうリアルな不思議体験になるそうな点も含め。 逆に、明確に4人の中から死人が出る 『耳をふさぐ女生徒』『カッパの幽霊』は前者が呪いを扱った直球のホラーでありながら実はあの田畑君にこんな話が…という部分が意外性として良く、彼が何を思っていたのか答えを求めずっと考え続けてしまいそうになる感覚が後味として好みです。 後者は一見すると広まらないハズレの場合もあるのかと思わせてから、ウワサを口実に死者の出る上に冒涜すれば連れていかれるしっかり怖い話だった締めくくりなのが変化球もありつつ途中にあった柳沢君の独白も踏まえいい終わりと思えます。 『宮白橋のおばあさん』は4人から死者は出ていないけどウワサの舞台にした場所で白骨遺体が発見されるという作らされた疑惑がある分ホラー感も強め。 かつ、実は嶋君が何かに憑かれているという問題は解決していない点が描写される事で、じわじわとした侵食でなく大き目の不穏要素を残しにいく展開として好きです。 後日お祓いなりに行っていればまだ…ワンチャン思い出話として済む可能性もあると判断すべきか悩むライン。 主要人物が4人もいればその人間関係に焦点を当てた話があってもいい。 『ガラガラ男』はその意味でも1話位こんな話が欲しいと思える需要にジャストな内容でしたね。 友達関係というと、基本は明るい部分だけを取り上げられながら進むのもありですが人間である以上その中でも抱えているコンプレックスとか闇の部分だって存在する事。 4人の誰かが加害者になる・都市伝説に成ってしまう、そんなパターンも確かにバリエーションとしてあったら面白い所ですし、それをこの話でこう絡めてきたのか…と。 順番としては、4人がどんな関係や人物かがある程度わかってから読んだ方が面白かったという点で最後に読んだのがこの話なのは良かったです。 ゲームの性質上、組み合わせとして6種類の話を用意するとなればそれぞれの話に色があった方がいいという点でこれだけお題が違うテーマとはいえ話が豊かな事。 被害規模(これは、主要人物である4人の安否を中心として)の大きさや、そのウワサを広める事で何が起こるのか? がっつり怖いホラーだけでなく、同じ恐怖という括りの中でも違い味付けを提供する事で緩急も生まれる。 感想文をまとめながら、これは間違いなく面白い理由しかなかったと改めて思いました。 被害に遭う時はみんなそれなりに大変な事にはなってますが、全体的に嶋君の被害率とダメージの割合が高いですね。 (カッパの幽霊で)1回死亡(おばあさん?に)1回憑かれ(田畑君が死んで)1回重めの精神ダメージ。 1回話によっては死んでいるという点では田畑君もそうなのですが、後はガラガラ男の際に殺されかけた以外は比較的軽症かなと。 寺尾君は宇宙人の件で1人だけ精神負荷を背負っているのを除くとむしろ加害者側に回るので…軽症?むしろ、精神的には重症なのか? 柳沢君は自分が宇宙人になる時以外だと、他の生存メンバーとそこまで差のないダメージ割合で済んでそうなので軽症でしょうね。 ◆各人物について ◇嶋君 その辺りを考えると、嶋君は憑かれやすい体質だったのか。 心優しい、当人に言わせれば事なかれ主義という事でもあまり自分を主張しないタイプなのが霊にしてみれば入りやすい条件だった所はありそうですね。 (他のメンバーに比べると一番隙が大きそうとも言うのか) メンタルはこの中では一番脆い分、カッパの幽霊の際には限界を迎えた結果連れていかれた事。 あの話では柳沢君の視点で話は進みましたが、元々立案者の片割れは彼だったと思えばその意味でも内心背負っていた物が重かったのが予想できます。 でも、行動を誤れば命がないのはこういった物語においてのお約束ですからね…。 ◇柳沢君 柳沢君は最初にあった紹介の通り、お喋りが好きで暇だから都市伝説を作ろうとこのゲームにおける発端になった人物であり。 行動原理や性格もあえて詳細に裏を読む必要もない位読んだままな人なのだろうと3話分の案内人としても仕事のできる好奇心が旺盛なだけの男子中学生でした。 ちょっとお調子者な所もあるのでそれが原因で話が進展し…結果は先生が誘拐される理由になったり自殺の口実を与えたりとロクでもない事にはなってますが、中学男子の目線という点では一番イキイキとした印象を受けました。 彼の視点ではないルートでも、基本はメンタルが強めというか必死に自分達の責任ではないと仲間にも言い聞かせようとした振る舞いが目立った印象だったからこそ「もう遊びたいなんて思わないから」というモノローグの重みも大きかったと思います。 ◇田畑君 田畑君は初見印象のまま進み、特定の話を読むかどうかで見方が変わるのが印象的でしたね。 クラスでも1、2を争う秀才であり、聡明で冷静である事。それ以外に関しても絵が下手な事以外は至って平均的な普通の少年。 だから彼の視点で物語を進めるとオカルトな事を科学的な理由で説明がつくと冷静に分析ができそうな分、語り手としては扱いが難しいと思います。 ですが、そんな彼だからこそ彼にとってわからない物と合わせた際に輝いたというべきなのか。 どちらも田畑君が大変な目に遭う話ですが、私はこのゲームで特に好きな都市伝説を挙げるなら『耳をふさぐ女生徒』と『ガラガラ男』の2本です。 秀才少年の意外な過去というべきか、距離の近い友達である寺尾君から見ても『何でもできて、自慢できることがたくさんある』と思われている彼に、実は彼よりも優れていた妹がいた事。 その妹の存在も、後日談として誰かのしている会話という形でのみ明かされた事。 もしかしたら、3人の中には妹の存在やすでに亡くなっている事について知ってる人がいないかもしれないと思うと…。 田畑君にとっては、隠しておきたかったか忘れていたかった事だったのかなと予想できます。 果たして彼は本当に、何でもできる人間だったのか? 「なんだかんだ言って本当に怖いのは、人間だと思う。身近にいる人間が恐怖の対象になるっていうのは………下手に幽霊の話をされるよりキツイんじゃないか?」 「不審者………とかの類になるのかな、こういうのは。リアリティがあれば、皆好んで話すと思う」 田畑君に案を聞いた際の台詞ですが『耳をふさぐ女生徒』の感想でも読後では重みが違ってくると前述した通り、さらに後々になると後者の台詞も結果的にはリアリティがあるを通り越してリアルになったという結果になった事でどんな表情をすればいいのか悩ましくなるのが好きで好きでたまりません。 ガラガラ男では、身近にいる人間がまさしく恐怖の対象となり世間的にいう不審者として都市伝説に成ってしまった事。 この話ではどちらかと言えば寺尾君側の方がまだ考え方というか、私と立場は近い分考えている事は読めたと思います。 だけど、妹の件を抜きに田畑君個人だけを見るなら彼が勉強ができ頭も良く、平均的という事は別段欠点もない(絵は除く)という一般から少し落ちる位置にいる者としては羨ましくて仕方のない対象でしょう。 特定の何かを当然にできる人にとって、それができない人が何故躓いているのかを理解できない。 自分の通っていない道は理解できないのが人間の相互理解を難しくする点でもあるので、いくら田畑君が聡明でもこれだけは理解できなかったというのが実に美しい。 ◇寺尾君 寺尾君は紹介を見る限りだとよくあるアニメや漫画等が好きなオタクであり、人並み以上にロマンを求めていた事。 おまけのキャラ紹介で判明しますが、実は創作小説を書いているという遊ぶ側だけでなく作る側としてもそういった物を愛していた事を把握すればそれが作中にもしっかり出ている裏が取れましたね。 彼を語る上で『ガラガラ男』は欠かせないというのはありますが、同時に何故この話だけ彼がおかしくなったのか? それは彼が立案者として関わる話の中で唯一、広がり方が順調だった事や介入の余地があったと気づけばこれ以外では起こり得なかった事にも納得がいきました。 『カッパの幽霊』は失敗の扱いかつ話は柳沢君視点でもう1人の主要人物が嶋君だった事。 『浦越西団地の宇宙人』は広まる気配が弱い上に自分以上に柳沢君が熱を上げていた事。 ついでに、宇宙人のモデルとして寺尾君が自身の住んでいる団地のおじさんを挙げていた時点で彼がそれ以上介入できる要素はありませんでした。 しかし『ガラガラ男』だけは完全に0から生み出した架空の人物であり、設定はあっても具体的なモデルとなった実在の人物はいない。 だから都市伝説らしく怖さもありつつキャラとしてのポテンシャルも秘めているとあれだけ歓喜していたのだと今ならわかります。 この遊びにおける当初の目的は柳沢君の言う、退屈な日常を面白くする為といった主旨であった事。 だけど自身の創作物への思い入れがある傾向を持った寺尾君としてはその結果生まれたウワサの完成度が良く、実際にウワサそのものだってかなり広まった方と田畑君が思う位には成功だった。 そうなれば、もっと自身の創作物が評価されて欲しい。ガラガラ男にはそのポテンシャルはあるはずだ。 ただのウワサの枠組みだけでなくそのキャラクター性から小説やゲームといった媒体に舞台を移してもいいはずだと思えたのでしょう。 休み時間等の使える時間を全てガラガラ男のウワサを拡散する為に費やしていた事も、そういった事へ熱を持つ人でない田畑君には理解のできない行動であり心理だった。 「な、何でもできて……自慢できることがたくさんある克明にはわからないんだよ!」 この台詞も、恐らく別段人に自慢できる何かがないと思っている寺尾君にとっては唯一熱を燃やし今まさに成長の可能性があるガラガラ男のウワサへ執着するしかなかった事を表現しているのでしょう。 シンプルな承認欲求とも違う、それは自分の作品をただ広めて多くの人に知られ愛されて欲しいという心理。 それが田畑君に理解できなかったのは仕方ないと思いつつ、どこかで止める手はなかったのか?最後の一線を越えないでいられる解答はあったのか? そもそもウワサ作りに関わらなければ良かったというのはなしで考えるなら、誰かが彼の心を理解するなりちゃんと何故そう思っているか話を聞く事は必要だったのかなと思いますね。 ◆真シナリオ 真シナリオという、大人になった4人の後日談。 かつて中学生だった彼らも今では30前半になり、自分達の作った都市伝説が今も地元に根付いている様子を微笑ましく見ている様子。 背が大きくなった事による物理的な景色の違いや環境の変化。 子供から大人になるまで時を刻んでいく事は、それだけ多くの変化を体験していく事ではあります。 だからこそ変わらない物がある事に嬉しさを感じるというのは、大人になったからこそ感じる視点というのでしょうか。 この未来では、当初の目的は果たされた上で実害もなく皆の日常の一部として馴染んでいった平和な歩みだったようですね。 基本的に本編ではそこそこの確率で死人が出ていたり、洗脳された先生がいたり、殺人鬼が生まれたりと大惨事しかなかったと思いますが。 とはいえ、もしも本編で作ったウワサを広めても何も事件が起きなければこんな未来になっていたのかもしれませんね。 友情が壊れる事もなく、日常に不穏な影を落とす事もなく。 また作るか?なんて冗談ぽく田畑君が笑うのも、本編を経由すると以前と比べ何となく彼が柔らかくなったような印象を受けますね。 「…いや、やめようぜ。それはまた、次の子達がやればいいよ」 かつて、自分達が遊びとしてやったようにまた次世代の都市伝説を生み出す子達もいるのかもしれない。 そうやって新しい物が生まれ、だけど形を変えながらも根付いて親しまれ続ける物もある。 あの頃の自分達の事を思い返しながら、そうやっていつまでも子供達の娯楽として親しまれていて欲しい。 綺麗な思い出としていつまでも残る、僕らの都市伝説。 …色々あったけど、これが一番平和であり4人がいつまでも友達でいられる…あるべき終わりなんだろうなとほっとしました。 @ネタバレ終了 それと、感想文をまとめるにあたって真エンドを見た後に不具合だろう点。 +プレイする際の手順によっては詰む可能性のある不具合があった為報告させていただきます。 @ネタバレ開始 真シナリオがタイトルに出ている状態で再び本編を遊ぶと、タイトルから真シナリオへ行く選択肢が消えました。 なので、そこから本来真シナリオを出すのと同じように全エンドを見る。 駄目ならもう1~2回何かしらのエンドを通過で解放されるという手順を試しました。 ですが、何周しても真シナリオが出てこないまま変化がなかったです。 一度タイトルから消えたら無理と判断し、真シナリオ観賞用のゲームファイルをもう1個DLして確保する事で解決をしようとしました。 しかし、全エンドを見る+真シナリオが出なかったのでもう+4エンドを見る→真エンドが解放されない と、以前なら有効だった対処法が効果なしでした。 全エンドを見た上でオマケの内容を全て閲覧している事も条件かと途中で試しましたがこれも空振り。 ただ、1つ不具合の条件になりそうな事に心当たりがあった為試してみた結果、原因がわかりました。 【最初に提案の内容を全員分見ている事】+全エンド回収(+今回は3エンドを追加で見た)がフラグのようです。 すでに各自の提案内容は把握している為、新規のゲームファイルを起動した際は提案を聞く過程を無視して話を作るようにしていました。 (提案を聞かないまま話を作る段階でセーブを取り、そこから周回をする流れ) これでは駄目だった為、配信時に成功した時との違いを比較した結果上記の提案がフラグではないかと行きつきました。 そこから提案を全員分見たセーブデータを作り、ここを起点に全エンド回収+1~2の流れを試そうとして結果的にまた全エンドを見る。 と進めましたがやはり出ないままでした。 もしかすると、途中から提案を見ても駄目なのではないか?と思ったのでさらに新規のゲームファイルを用意。 今度は最初に提案を全員分確認してから周回起点のセーブを用意し、全エンドを回収+3エンド追加で真シナリオへの解放を確認できました。 初見プレイならばまず、提案内容を全員分見てから進行すると思いますが万一うっかり飛ばしてしまった人がいた場合同様の不具合が発生するかもしれません。 環境はブラウザ版ではく、現在最新となっているDL版のデータです。 @ネタバレ終了 2つの提案を組み合わせて1つの都市伝説を作る事や、そこからできる話が予想外の内容だったりという面白さはもちろん。 持ち寄る提案の傾向や性格に、話を読み進める事で見えてくる4人の人物像を知る程に抜け出せなくなっていく深みがあります。 どんな話ができるのか、興味本位で試してみるもよし。 何故彼らがそんな提案を思いついたのか、背景を観察して考察するもよし。 どこか懐かしい雰囲気もあり、中学生の目線に混じって楽しめる素敵な作品でした。 長文となりましたが、どっぷりと楽しめる作品をありがとうございました。
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僕らの都市伝説感想が遅くなりましたが、配信にてプレイさせていただきました。 都市伝説を題材にしたゲームは数あれど、都市伝説がないなら作ってしまえばいいというなかなか新しい発想に面白い着眼点。 どこにでもいるような、普通の中学男児が4人集まってネタを持ち寄るちょっとした遊びとしてありそうなノリ。 4人の個性もこういう子いそうだな~と結構リアルさがありながら個性も綺麗にばらけており自然と彼らと同じ目線でワイワイしている気分になりました。 プレイ前の時点から面白い予感しかしない(ただし、作った後も無事とは思っていない)要素は満点! 期待に胸を膨らませスタート。 @ネタバレ開始 各自の持ち寄った案から、どう組み合わせる事でどんな都市伝説ができるのか? その内容を予想しながら選択するのがもうすでに楽しかったです。 柳沢君は「心霊スポット」 市内に存在する建物にウワサをくっつけてより日常に近づける、地元の都市伝説という意味ではなかなかいい目線です。 田畑君は「人間」 所謂人怖という下手をすれば幽霊よりキツイかもしれない、リアリティがあれば皆好んで話しそうというのもわかると思えるチョイス。 嶋君は「お化け」 あまりアイデアの引き出しがないと謝っていますが、シンプルイズベストかつバリエーションも多いのはその通り。 寺尾君は「未確認生物」 UMA、もしくは「現代妖怪」といったテケテケや花子さんのようなものに宇宙人なんてのも斬新でアリとロマンを求める系統を。 ここの案も結構各自の個性が出ている印象がありますね。 柳沢君はそういった話が元から好きなので外せない定番を入れるつもりで。 田畑君はどちらかといえば霊や妖怪といった存在証明の難しい存在よりは、より現実的にありえそうという事を重視する。 嶋君は定番でありながら趣旨として外れがない選択を、大雑把すぎないか心配しつつも協力しようとしている。 寺尾君は人物紹介の時にあったようにロマンを求めて生物的なまだ見ぬ存在を求めている。 最終的に全ての組み合わせを試すとしても、まずはシンプルに自分が見たいとか気になった物を選ぶ方針で。 ◆浦越西団地の宇宙人 UMA、もしくは現代妖怪という表現が胸を撃ちぬいたので迷わず寺尾君の案は採用。 柳沢君の心霊スポットは定番ながらも面白い話ができる強みはありそうと合体! 曰くつきな心霊スポットに出るUMA…もしくは妖怪こい!!と思いきや、場所は随分日常的な所!? といきなり予想を良い意味で裏切る物が爆誕。 自分なら真っすぐな怖い話を考えるだろうという点で、その発想はなかったと脱帽でした。 地元の団地に宇宙人というパワーワードがなかなかです。 しかし、案外人が来ない森の奥とかいかにも何かが隠れている場所よりは、その想定をする人がいない分見つからない点で盲点だからアリな発想なのかも…? 地元の都市伝説という柳沢君のテーマとも合っているとは思いますし。 (個人的に、今の人間が視認していない事が必ずしもない事の証明ではないと思っているので寺尾君の言うロマンのカタマリな可能性も否定はできず) しかし、いざ実際に広めてみれば話題にはなってもあまり信じられていないという結果に…。 『団地の宇宙人』なんて突飛な話、と田畑君も言っていますが確かに何故その2つを組み合わせたウワサなのか…当事者達にはわかっても第三者にしてみれば謎しかないでしょう。 その宇宙人が擬態しているとされるおじさんも、実名を出してないにしても寺尾君が実際に住んでいる団地の住人をモデルにしているので結構話題になると予想していたというのがいけそうでいけないライン感として絶妙ですね。 他3人が諦めモードに入るも、柳沢君だけは意地でも流行らせてやると情熱的な態度を崩さず。 休日にウワサの信ぴょう性を高める材料を探す為に、わざわざ西団地までやってきて件のおじさんの後をつけていたという電話が入るというその熱意はどこからきているんだ?と言わんばかりの勢い。 とはいえ、通話内容を詳しく聞けばそのおじさんが部屋に入った瞬間何やら不思議な事は起きているようで…寺尾君はオカルトと結びつけなくても説明できると思いつつ、柳沢君の勢いの凄まじさに思わず一緒に確かめる流れへと。 合流し、いざ現場へ向かう流れになった際に出た違和感。 宇宙人のウワサは自分達が作った嘘なのだから、ウワサを補強する材料探しならまだしも宇宙人が本当にいるのが前提という話し方は確かにおかしいです。 現場に来てヒントを得ようとするのはまだ、実際に目にした方が考えやすい人もいるという事でわかるのですが。 宇宙人のウワサの為に熱心な柳沢君と、早く部屋に戻ってポテチを食べながらゲームをしたいという寺尾君の温度差。 この両者の違いも『学は元よりこうだから仕方ない』と思いつつな点と合わせ、普段の関係が良い感じに滲み出ているように思います。 そして、目的地に到着し待機すればおじさんが部屋へと戻っていく場面を目撃。 確かに不思議な現象として窓から謎の光と聞いた事もない音が聞こえてくるようですが、寺尾君に言わせればどうとでも説明がつくので驚きもしないクオリティとの評価。 人物紹介にあった情報から推測するに寺尾君からだと、所謂そういった物特有のリアリティに欠けるというか…パーティーグッズで再現できる範囲とでも思ったのでしょうか。 元よりUMA等へ興味があるなら、目は肥えていてもおかしくないでしょうし。 しかし、柳沢君はスマホのカメラを起動したまま走り出し「決定的な証拠を撮るんだ!」とさらにやる気スイッチが入ってしまった様子。 自分達が作り出したウワサなのに「宇宙人は絶対にいる!俺が最初の交信者になる!」と勢いも凄い。 これには寺尾君も夏の暑さにやられたのかと思いながら、柳沢君を止めようとしたところで玄関の扉が開き……。 そこにはタコのような頭をした、見た事もない生命体が!? ここで突然の展開になりこれからどうなってしまうのかとパニックになった寺尾君の脳内が大変愉快でした。 脳を改造されるのか別の生き物にされてしまうのかという恐怖。 死を覚悟して家族に最後の別れを始めてしまったり、ちゃっかりと来世があるなら…とそれ完全に異世界転生物のシナリオだよね!?みたいな希望を述べたり。 と、危機的状況かと思いきやどうやらおじさんが被り物をしてからかっていただけと判明。 どうやらウワサのせいもあり、最近子供達がおじさんの事を宇宙人扱いするようになったのでそれに悪乗りをしたという話で。 その為に謎の光としてミラーボールや音源としてB級SF映画の流れるモニターを用意するとはなかなか遊び心のあるいいおじさんですね。 おじさんが部屋に戻り調査も終了。 寺尾君としては予想外の結果で楽しめたのでオーライと思うも、柳沢君は悔しがり残念なのが隠し切れない様子。 「ザンネン ダ」 …そして、聞こえてきたのはむちゃくちゃに加工した人工音声のような声。 横目にうつった柳沢君の顔は、両目が緑色に光っており人間のようには見えません。 寺尾君が声をかけると、何事もなかったかのようにいつも通りに戻るも…これは見間違いだったのか? 後日、おじさんが協力してくれているという話をあの時現場にいなかった二人に共有する寺尾君。 それでも、両目が光っていたあの柳沢君の話は言ってはいけないような気がして友達である二人にも話せないままで…。 それからも相変わらず、柳沢君はいつも通りの振る舞いをして毎日を過ごしていくも誰にも見られていない時に表情が消える瞬間があり。 その頻度も、日に日に増えていくといういつもの日常が徐々に浸食されていく恐怖。 柳沢君が宇宙人の存在を信じていたのは、自分と同じ宇宙人という存在に会えるのを信じていたからだったのか…。 じわりとした尾を引く後味の中終幕へ。 ◆新興宗教エマラ・テッド教団 次は心霊スポット×人間が怖い話というこれもなかなか面白い物ができるだろう組み合わせを選択。 内容的には通り魔とか?位に予想をしていたらかすりもしない内容がまたもや爆誕! …どうしてこの組み合わせでこの話ができあがるんだ!? (サンプルサムネから、この話が存在している事のみは知っていましたが…ここなの!?と) 王道なら、怖い人間が原因で心霊スポットになった場所に関する話とか…先に述べた通り心霊スポットに肝試しへ来た人を狙う通り魔とか。 そういう方向性だろうという予想をことごとく裏切っていく中学男児の発想力。 「謎の新興宗教!いいんじゃね!?なんかただの都市伝説じゃないですよ~って感じじゃん!」 いや、ガチのヤバイウワサになりそうって感じでは危なくない…!? しかし、人怖というテーマで謎のカルト宗教を選ぶというのはなかなかセンスとしては良く発想力として凄いというのか。 自分なら狂気を持った人や実は身近な人、友人が…といった物が先に出るのもありますし。 それに、信仰の為なら何をするかわからない人間というのが自分の中で人怖にカテゴライズされていなかったというのは怪談好きとして引き出しを増やす上で勉強になった部分はあります。 儀式の為に、特定の条件に当てはまる人を決まったタイミングでさらいにくる謎の教団。 回避方法もあるので、一応の逃げ道もあるという辺りは都市伝説のお約束としてもちゃんとポイントをわかっている印象を受けます。 結果として、ウワサを流す事には大成功。 しかも当初はなかった後付け設定もくっつけて流されるという、まさしくウワサがウワサを呼び拡散される状態に。 その中でも、教団の狙う該当者…6月6日生まれのB型の人は内心怯えているようでウワサが広まりだしてから挙動不審になるという事態まで発生。 こうなれば立案者である柳沢君としても内心笑いが止まらないのは当然。 田畑君も、皆意外と単純だよな。と楽しんではいる様子。 そして、何故教団に狙われる人の設定がこうなったのか? それは気に入らない先生をおどかしてみたかったので、先生の誕生日と血液型を設定に組み込んだという意外な真相でした。 6月6日生まれの人間を6月6日の朝6時にさらうとだけ聞いた時は、所謂悪魔数字を採用したとばかり思っていましたので。 カンシャク持ちであり、よく怒鳴っているとされる先生もどうやらここ最近は穏やかなようで実はウワサを信じるタイプだったのか?と笑いの種に。 説明された先生の様子も、完全にウワサを信じて怯え切っている人のそれでしたね。 そして、運命の6月5日…。 ここから6日の朝6時まで誰とも口をきかなければ回避はできるという、該当者にとっての正念場です。 生徒達の間でも影響は確実に出ており、欠席をする人やマスクをして会話を拒否する人と対策をしている様子が見て取れます。 果たして『本命』である先生はどうするのか? 次の授業が数学という事で、準備の為に教室へ入ってくる笹山先生。 マスクこそしていないものの、口をダルマのようにキュッと結ぶ『絶対に喋らないという意志表示』の構え。 目を見開き中腰のまま授業を始めるというのはどうみても怯えきった態度でしょう。 その様にはウワサの関係者である4人は当然として、クラスメイトも内心笑っているようで。 普段ならつまらない数学の授業が、ウワサ1つでこんなに変わるのか!と柳沢君も喜びを感じている様子。 先生からすればたまったものではないでしょうが、中学生のノリとしては結構この辺がまたリアルというか。 「なあ……誰か笹山先生喋らせろよ」 誰かのそんな言葉を聞いてしまえば、一気に盛り上がるだろうと悪ふざけをしたくなるのも予定調和でしょう。 先生の背後に近づき、クラスの皆の期待を一身に背負いながら大きく息を吸い込んで…思いっきり叫びながら先生の両肩を勢いよく掴む! すると、柳沢君の声量をはるかに上回る大声量で絶叫してしまう笹山先生。 ついでに前のめりに大きくズッコケてしまうというおまけ付で。 瞬間、教室内に割れんばかりの笑い声が溢れ出すという皆にしてみれば普段の先生からは想像できない様子がツボに入ったようで。 ウワサが作り話である以上、明日には先生も元通りになるだろうという意味では今しか楽しめないイベントとはいえなかなか容赦がない。 やっと笑いがおさまってきた頃、一向に反撃どころか何の反応もしない笹山先生。 その顔を覗き込んでみれば、大量の汗をかき、目を見開いたまま床の一点を見つけ続けていて…。 口元はかすかに何かをぼそぼそ呟いているも、しっかり聞き取る事はできず。 拾えた文字から、恐らく「~が、くる。~が、くる」と教団がやってくる事を恐れているのでは?と予想をしましたが様子がおかしい事に違いはありません。 そして、さすがにやりすぎたと柳沢君が謝ろうとした瞬間に先生は凄まじい形相で教室を飛び出してしまった。 その様子に再び教室に笑いが起きるも、その日に結局早退をした先生は学校へ戻ってくる事はないまま2ヶ月近くも休み続けている。 さすがにウワサの当事者である4人はこうなると気まずいというのか。 あの新興宗教は、実は本当にある教団を元にしたのではないか?と不安そうに寺尾君が柳沢君に確認をすればあの場で作ったデタラメだと言い。 実際に、この4人は目の前で話ができあがっていく過程を知っているのだから創作である事は当然知っている。 実在しない事は自分達が1番よく知っている。 なのに、どうして先生は戻ってこない…? 消せない不安に怯えていれば、田畑君が窓越しに笹山先生が校門から校内へ入ってくる場面を目撃し大声をあげる。 慌てて3人もそれを確認し、先生に特に変わった様子がなさそうなのも判明。 どうしていきなり2ヶ月も休んでいたのかは謎ながら、安心感から脱力をする4人。 先生の無事がわかればまたいつもの調子に戻った柳沢君は、先生の所へ行き洗脳された痕とかないか見ようと皆で駆け出していく。 とはいえ、さすがに謝るつもりではあったようで先生に声をかけてみれば…? …そこにいたのは、先生の姿をしているのに今まで聞いた事もない声色を使う笹山先生だった。 喋っている内容も、すべてひらがな表記である点もですが明らかにこれはやられた後だとしか言いようがない様子で…。 驚いていたのは柳沢君だけではなく、他の3人も同じ様子。 果たしてあれは…笹山先生なのか? 以降の笹山先生は相変わらず学校にきており、以前とまったく違う様子には他の生徒も最初は驚いたようで「教団に人格を変えられた」とか騒ぐ始末。 それでも現状に慣れてしまえば、ウワサとは関係ない別の解釈をしだして誰も疑問を抱かなくなっていく。 立案者である柳沢君は教団の存在は創作だと理解しながらも、何かがおかしい現状に慣れる事もできず真相を笹山先生に聞く訳にもいかない。 知る術がない以上、残る選択肢は今の状況を受け入れるしかないという真相は闇の中という終幕へ。 日常が浸食されていくという点では先の宇宙人もその系統ではありましたが、今度は4人は無事でも身近な誰かが犠牲になるパターン。 かつ、最初はあれだけ騒いでいた生徒達がいつの間にか目の前にある異変に慣れてしまい誰も疑問に思わなくなっていくというのも人の噂も七十五日というのか。 人の興味の移り変わりも実際そんな物という生々しさがあり。 自身の創作のはずなのに、それを完全に否定できない状況ができてしまったという不気味さ。 そして、これって一番まずいのはウワサが鳴りを潜めた結果来年の6月6日にも同様に犠牲者が出る可能性があるのにもう該当者が対策をしない可能性が生まれてしまったという事ではないかと…。 時限爆弾が残っているのに誰か気づいて…と祈るしかありません。 ◆耳をふさぐ女生徒 ここまで、心霊スポットという扱いやすい案に頼りすぎた感があったので違う物を選ぶ事に。 嶋君のお化けというのもテーマとしては扱いやすい部類だしまだ見ていない組み合わせは確定という事でまずは選択。 心霊スポットとの組み合わせでは『お化けの出る心霊スポット』という直球なネタになるのが想定でき。 かといってUMAと組み合わせてもお化けとUMAを両立させる話って何だ?となるので一旦保留。 (この2つ自体がそれぞれ特定の場所なり条件との組み合わせでシナジーを持つ、その都市伝説における‟登場人物”的な題材だろうという判断) という事で、残る選択肢である田畑君の人間と組み合わせる事にしましたが…まさかあんな事になろうとは。 都市伝説の内容としては良い意味でオーソドックスな印象。 呪いをかけた結果、今度は自分が祟られてしまい結果死後幽霊になって悪霊のような存在となる…人呪わば穴二つ展開。 大体田畑君が考えたという事で彼の発想力に感心しつつ、良い感じの生々しさもあるのでこれはいけるのでは?と思いました。 実際、広まり方としても成功と言える反応でしょう。 ウワサに怯える人や勝手に対処法を後付けで考える人、そのウワサの背景にあるであろう人物の事へ思いをはせる人。 唯一これまでと違う意外な点としては、他のウワサの時には塩対応気味だった田畑君がウワサを広めるのに積極的であり「見た」という嘘までついている事。 嶋君もそこを疑問に思っているようですが、柳沢君は気に留める事はなく当人に意図を確認しようにも体調不良で学校へ来ていない状況。 ここで『バカは風邪を引かない』に対するマジレスをする寺尾君の反応が好きです。 知ってるけど!そういう意味だって知ってるけど!今はそれを言うタイミングじゃない…!! そしてそれをぶち切る感じでお見舞いの提案が入り、学校が終わってから向かう流れへ。 田畑君は純粋な体調不良のように見え、さすがにウワサの話題も出せなかったという事で真相を知るのは先送りに。 そんな不穏な要素が残る中、ウワサはさらに広まっていき中には実際にウワサにあった呪いを試そうとする人まで出るという始末。 もしウワサと同じ効力があった場合には死人が出る以上軽率に試していい内容じゃない事も含め「ヒェッ」となり。 ウワサの影響力から、嶋君が罪悪感を持つのは立案者でもある点や彼の性格から当然でしょう。 柳沢君の言う、ウワサがきっかけで仲が悪くなるのは~というのも一理あり。 寺尾君は真相を知っている観測者視点で、日常生活に及ぼす影響の強さに感動をするというのも理解はできる視点です。 …そんな呑気な事を言ってられる状況とは思えないけどな!? この辺は、ウワサが創作であると知っているか否かで感じ方が変わるという点やそれ位の気持ちでやった事でしかない。 どのルートでも共通の点ながらそれを表現している描写と思います。 問題は、内容として今回はウワサに出る呪いを実行した時点でそれは禁忌と言える物である事。 元が創作であれ、その中にある内容だったとしても…誰かを呪うという行為そのものがまずいけないのです。 悪意を持って誰かを殺そうとした事に違いはないのですから。 宇宙人の時はまだ冗談としてもおじさんが本当に宇宙人だとしても、近づかない限り危険度は比較的低めであった事。 教団の時は対象が限られており、恐れるべきタイミングは年に1回で対処法もセットで存在している事。 オチがバッドと言えるエンドにはなれど、人の悪意が主体として大きく蔓延するタイプではありませんでした。 本当に怖いのは人間。田畑君の言っていた事が結果的にその通りだったのが何とも言えないところですね。 そしてその田畑君は相変わらず学校を休み続けている。 嶋君はそれを、頭の良い彼だからこそ自分達のせいで学校がどんな状況になったのかを察する事ができ学校に行きたくないと思っているのではないかと想像をしているようで。 そんなある夜、おつかいの為に学校の横を通り過ぎようとした嶋君は田畑君を見つける事に。 夜の校舎をぼんやり眺めながら、声をかけられても反応を示す様子もない。 背中を叩いた事でようやく気付いてくれたものの、驚いた素振りもなく無表情でこちらを向くというのはどこか精気の抜けた印象を受けます。 …彼がただ単に、自分の責任を直視したくないという現実逃避だけで欠席を続けているなら正直この反応は不自然でしょう。 実際、こちらを向いた際に彼の耳からは耳栓が落ちており『何かの音』を意図的に聞こえないようにしていた。 家や自室ならまだしも、外でつけているのはいつ事故に遭うかわからない点としても危険ですし。 それに、耳栓のせいで声が聞こえていなかったのはまだしも普通背中をいきなり叩かれたら少しは驚くのではないか? この異常性のある彼の状態と、しっかりした足取りで去っていったという部分がどこか噛み合わず間違いなく何かは起きていると見て良さそうなのに踏み込みには勇気のいる状況。 3日後、田畑君が亡くなったと聞かされた事からやはりあの時点で…という予想は当たっていたのでしょう。 他の生徒がするウワサが本当ならば、彼は部屋で首を吊って自殺をしたという事に。 自分の友達をウワサ話のネタにする事へ怒る柳沢君の反応が真っ当であると同時に、最後に家族以外で接触していたであろう嶋君にはあの時自分が何かをすれば結果が変わったのではないか? その不安に押しつぶされるという、どうしようもない感情が本当にやるせなく。 柳沢君は誰も悪くないし、あれは創作なのだから全てウソだと断言します。 皆が勝手にウソをついている、皆ウソつきなんだと。 「最初にウソをついたのは……僕達だよ」 だからと言って、始まりのウソに対する責任がなくなるのかは話がまた別であり。 とうとう4人の中から死人が出ただけでも衝撃ではありました。 しかし、後に語られるウサワ話。田畑君に関するエピソード。 彼の机から、あの呪いに使用される赤い紙が出てきた事。 実は彼には妹がいた事。 作中でも優秀と語れている田畑君よりも優秀な妹であり、しかし中学に上がる前に亡くなっていた事。 嘘や作り話をするにおいて、信ぴょう性を持たせる手法として真実の中にわずかに嘘を入れるのが信じられやすいという話があります。 彼はウワサの中にある呪いの手法はよくある物を参考にでっちあげたと言いました。 姉が弟を呪い殺した結果起きた話だと、彼がこのウワサ作りにおいて大部分を担当しました。 だけどそこに、信ぴょう性を持たせる為の真実が混ぜられていたとしたら? この話は実際とは性別を逆にしただけの、兄が妹を呪い殺した実話だったのかもしれず。 彼が耳栓をしていたのは妹の泣き声から逃れようとしたからではないか。 もしそうなら、彼は一体どんな気持ちでこの過去をウワサに組み込んでしまったのか。 過去の罪を告白したかったのか。ウワサとして昇華する事で吹っ切る為にだったのか。元々悪びれもせず考えもなしにだったのか。 個人的には、ウワサという形であれ過去の罪を誰かに聞いて欲しかった。 もう、抱えきる事ができなかったのではないかとは予想します。 「なんだかんだ言って本当に怖いのは、人間だと思う。身近にいる人間が恐怖の対象になるっていうのは………下手に幽霊の話をされるよりキツイんじゃないか?」 「うん、人間より怖いものはない」 ウワサを作成する際、提案を聞く場面と採用した場面で語る彼の台詞もこうなるとまた重みがあるというか聞こえ方の印象が変わりますね。 意外性も合わせ人の業という点において、とても好きな話でした。 ◆カッパの幽霊 ここまで3パターンを出したので、被らないように選ぶ方向へ。 前回、何ができるか想定のできなかった組み合わせをあえて選択。 カッパと幽霊、それぞれ個別ならわかるけどこうくっつけてきたかぁ~?と全力の困惑。 というか、カッパはもうそれだけで一つの怪談というか妖怪なんだよ!なのにさらに幽霊にする為に殺さないであげて!? と、ツッコミをしていれば案を持ち寄った二人も無言という何で立案者が二人共その反応なんだよと柳沢君にも突っ込まれる始末。 個人的に、水に関する属性のある幽霊なり妖怪だからターゲットになると水のある場所ならどこからでも侵入してきて殺そうとしてくる。 この部分は結構アリな設定だと思ったので『どうしてカッパの幽霊にした!?』感が余計に際立っていたように思います。 この話だけ、話を作り終わった後に共通で流れる文章の流れが違うというのが『内心失敗したのはわかっている』のを表現していて好きです。 そしていつもなら入る、ウワサについての会話が挟まった後に本編が始まるような流れすら起きず。 「全っ然ウワサになってない!!」 頭を抱える3人に、田畑君が正論パンチとして「カッパの幽霊のウワサが流行る中学校って、ハッキリ言ってヤバイぞ」というのが腹筋を破壊にきました。 柳沢君のわかりきっているけどちょっとは期待する気持ちもわかりつつ。お前らちゃんと広めたの!?と言う勢いで腹筋に二撃目が入り。 寺尾君の「どんなに笑われようとも!マジな顔して話しましたとも!」と語る剣幕でさらに腹筋への3コンボ目が続き。 嶋君の、やったけど体調を心配されたというのが完全に体調というより頭を心配されてるのだー!?と追撃が止まらない。 結果的にウワサも広まらず計画は失敗に終わって4人としてはつまらないオチになったのでしょうが、前回成功した結果死人が出ている事を考えると何もないルートもあるのは正直ほっとした部分もありました。 なので、次に挑戦して広まるまでやるとその意味で心配ですが…まぁわからないでもないのはある意味微笑ましい。 今ある日々が嫌いという訳でないけど、少し遊びたいだけ。 ちょっとでいいからいつもと違うものが見たいだけ。 この部分が冒頭にあった、地元から出られない中学生ならではの行動範囲の狭さ。 そこまで娯楽がある訳ではない地域という若者には暇を持て余すだろう条件。 ちょっとしたイベントや刺激が欲しいと感じてしまう人間心理。 そこへちょっとしたスパイスを加えようと都市伝説作りを始めた柳沢君らしい気持ちだと思います。 しかし、上げて落とすならぬ油断させてから本命を叩き込むというのか…。 このゲームに都市伝説を作った時点で無事な終わりを迎えられる結末がなかった事を思い知る事になろうとは…。 嶋君と二人で河原に行き、小石を川の中に向かって投げていく。 その際の会話で、嶋君が自分に気を遣っており困らせている事を自覚する流れもまたこのメンバーの関係性を感じる場面として好きです。 (その後に起きる展開を知っていると、ほんとに一時の和みパートでしかないとなるのはありますが…) 投げる小石もなくなりもう帰ろうかと思ったその時、真後ろから突然かけられる声に呼び止められ振り返ってみればそこには同じ学校の女生徒が。 それは1年の時に柳沢君と同じクラスだった安藤さんであり、同じクラスだった頃にも1回会話をしただけで今回が2回目の会話であった事。 そして、その2回目の会話の内容として彼女がカッパの幽霊の話を出してきたという予想外の展開でした。 安藤さん曰く、柳沢君はオカルト好きだったので最近聞いたこの話について知っているのではないかと声をかけたらしく。 久々の会話とその内容が何故カッパの幽霊についてなのか?普通なら疑問に思うところではありますが、柳沢君としてはまだこの都市伝説が広まる可能性を持っているという期待の方が先行しているようで横で目を丸くさせて押し黙っている嶋君を無視したまま語り出す流れへ。 自分はそのウワサを信じているし、今いるこの川がちょうどカッパの幽霊が出るというウワサの川だから見に来たというでまかせを並べ立て。 嶋君に『何言ってんのお前』という目で見られつつもお構いなし。 「本当?すごい!じゃあさ……」 と、まさか安藤さんはこの話を信じたのか?と思わせてからの 「私のことは、カッパの幽霊のせいにしてね」 その言葉の直後に鳴り響く、水面に何かが重いものが落ちた音。 安藤さんは引き留めるなんて考えも起きないくらい一瞬の間に、橋から川へと向かい落ちていってしまった。 硬直する柳沢君。 後日彼が知ったのは、あの川はとても深く泳げるような川ではないこと。 安藤さんは泳げず、同級生が目の前で自殺したという現実を目撃したという事実だった。 この事は軽いネットニュースとなっており、記事には何故安藤さんが自殺をしたのかを推測できるような事も書かれていたようですが柳沢君はただひたすら自分のせいじゃないと思い込むので精一杯だった事。 もしあの時、自分があんな事を言わなければ安藤さんは死ななかったのではないか?そんな考えが頭に浮かんでしまうのを必死に抑え込むしかなかったというのが当事者の意識としてまずくるだろう反応という意味でも痛々しかったです。 これは『耳をふさぐ女生徒』において彼が言っていた、ウワサがきっかけで仲が悪くなるのは~と結果的には同じ事だとは思いますが明確に自分の言葉がトリガーになったかもしれないという立場になるとやはり受ける精神的ダメージは違いますね。 柳沢君でさえこの調子なのだから当然というべきか、嶋君はもっと重度にメンタルをやられてしまったようで。 目の前で人が死ぬ場面を目撃するだけでもかなり衝撃的な事ではありますが、その言い訳として自分が立案したウワサを利用していた事。 嶋君の立場としてもかなり受けるダメージが大きいのは想像に難しくありません。 後日、他のイツメンに声をかけ公園に集まり嶋君を助ける流れに。 田畑君や寺尾君が優しく声をかけるも、全く反応を示さない嶋君。 ここはあの時隣にいた自分が声をかけるべきだろうと柳沢君が自分を責めないようにと諭す流れへ。 あれは事故であり、自分達にはどうしようもなかった。 カッパの幽霊の話だって、偶然あんな結果に繋がっただけで防ぎようなんてなかったはずだと。 それに対し、不安そうにそうなのかと問う嶋君。 安心させるように自分達には責任はないと言い、田畑君や寺尾君にも同調してもらう事で説得に成功したかと思いきや… 「そうだよ!俺達は悪くない!」 「うん………あの女の子が悪いんだよね」 待って、どうした嶋君? ゆっくりと顔をあげた嶋君、その目元は連日泣き続け寝不足もあったのかすっかり黒ずんでおり追い詰められた表情をしていた。 そして彼は続ける。 「こんなくだらないウワサなんかで後押しされるような奴、ウワサを聞かなくてもとっくに死んでたよね?」 実際、そこまで追い詰められている事情がある人間なら口実は何でも良かったかもしれません。 本質的には前途した柳沢君の耳をふさぐ女生徒における反論と変わりはしないのでしょう。 ただし、今回は死人が目の前で発生しているという違いはありますが。 さらに言い過ぎだと止められても嶋君の安藤さんに対する文句は止まらない。 今まで散々メンタルに負ったダメージの反動か、もう何かのせいにしないと耐えられなくなってしまったのか。 完全に目がいってしまった嶋君の肩を掴もうと手を伸ばした時、それよりも先に嶋君の肩を掴む何者かの手。 それはカッパの幽霊となったであろう安藤さんであり、彼女は嶋君の後ろにある水たまりから飛び出てきた事。 嶋君をがっちり掴み込んだ彼女は、とてつもない力でこちらの抵抗も虚しく嶋君を水たまりの中へ連れていってしまった。 だけどその水たまりは、触れてみても手首にすら届かない浅い物であり今は何の変哲もないただの水たまりである事。 でも、今目の前で起きた事は? 嶋君を助けようと手を引いたのは柳沢君だけのようでしたが、田畑君や寺尾君も一連の場面は目撃しており混乱した様子である以上夢ではない。 田畑君が大人を呼びに走って行ったようですが、果たしてそれで解決する問題なのか? その後、皮肉にもこの件がきっかけとなりカッパの幽霊の都市伝説は広まる事となった。 最初の無反応すぎるあまり「全っ然ウワサになってない!!」なんて叫んだ事が嘘であるように。 しかし、柳沢君はこんな事を望んでいた訳ではなかった。 目の前で友達を失った事。 もう、いつものメンバーで一緒に遊ばなくなった事。 失った事で知る、今までの娯楽は少なくとも4人でバカをやって笑っていた日々が幸せだったのだという事。 もういい。もう何もしないから。もう遊びたいなんて思わないから。 あれ程強く刺激を求め、都市伝説を広めるのに失敗しても成功するまで何度でもやる気だった柳沢君がこんなに切実に祈る結果となった事。 嶋君のメンタルの脆さはこの直前に作った話である『耳をふさぐ女生徒』でもわかってはいましたが、それが強い負の方向に全力で向かったらどうなるのか? それを知る結果となった事となりましたね。 個人的には、最後にくる柳沢君の切実な祈りの言葉が印象的でそれまで好奇心と行動力の塊であった彼とのギャップもありとても根深い出来事であるという描写に拍車をかけていると思いました。 しかし申し訳ないのですが、まだ2つ見ていない話があるのでもう何もしない…とはいかないのですよね。 柳沢君、ごめんやで。 ◆宮白橋のおばあさん 最後の願いも虚しく、まだエンドコンプはできていないので続行される都市伝説作り。 確実に作っていない組み合わせかつ、最後の柳沢君を選んだ際のルートを潰す為に嶋君の案と合体へ。 心霊スポットと幽霊なら王道ながら普通に良い話ができそうと期待もできます。 内容としてはやはり良い意味での王道、幽霊に話しかけられた後の対応を間違えると命の危険がある心霊スポットと面白い内容のできあがり。 嶋君の言う通り、幽霊として出てくるおばあさんが何故幽霊になりそのような行動をするのか? 想像の余地もあるので尾ひれの付きやすさとしても良い感じに思えました。 序盤は想像力というか、想像が豊か過ぎてついていけない…あなどれないな、中学男児の発想力…。 という内容を引き当てていましたが組み合わせによってはこういった内容もできる辺り、プレイヤーを飽きさせないなかなか幅広い内容を取り揃えている事に驚くばかりです。 いざウワサを広めてみると結果は成功。 肝試しに行った人が遭遇したけれど振り返らないで走って逃げたという話を聞いたとか、おばあさんの設定が追加されたりだとか。 後者に関してはやはりおばあさんの幽霊が何故そんな事をするのか?何故幽霊になったのか? その部分に各自の思いついた解釈を足せるという意味で良い方向に作用しているように見えます。 認知症の老婆を介護に疲れた家族が橋から突き落とした、確かに現代においてないとは言い切れない話ではあります。 しかし、作り話のはずなのにまだ死体が見つかってないという所までセットで組みあがっているのはもはやウワサが広まった結果ないはずの物が生えたというべきか。 さらに有名なユーチューバーがその橋で動画を撮影したという話も出ており、それが誰なのか色々名前もあがっているようです。 嶋君のラインには友人から送られてきたメッセージと動画リンクにより、これがそのユーチューバーだと教えてもらっているようすもうかがえます。 ウワサとしての出来が良かったのか、拡散力もかなり強く彼らの通う仲岸中学以外にも…それこそウワサの橋が隣にある美里川中学でも話題になっているようです。 結果として、普段は全然人の通らない橋は夜になると少し騒がしくなる心霊スポットとなり近所の人の迷惑にならないかを心配する嶋君。 嶋君も近所ではありますがウワサを立案した立場として自分は例外と言いますが、人が集まって騒ぐようになった結果近所迷惑が発生するというのは言われてみれば起こりうる問題でしょう。 地元を舞台にした都市伝説を作るという主旨のゲームだからこそありえる要素というのでしょうか。 実際に現実でも心霊スポットがご近所にある場所ではそういう悩みもあるのかもしれませんね、 そして、これは最初に見た『浦越西団地の宇宙人』を知っていると今度はお前が言うのか?というデジャブを感じる展開へ。 嶋君に何やら考えがあるらしく、おばあさんの幽霊が出現する夜中の2時に自分も現場へ行ってみようと言い出します。 自分達が作ったウワサなのだからウソに決まっているのに。 これを、宇宙人は実在する!と初手で暴走していた柳沢君が今回はおかしいと考える方なんだなぁというのも不思議な感覚ですが、正常ならばまず疑問に思うのは共通の部分でしょう。 ただ、違いがあるのなら宇宙人の時にはあまりにウワサの広まりが微妙だったから証拠を掴むとばかりに行動をした流れだった事。 それに対し、今回はウワサがあまりにも広まるので何かあるのかもしれないと確認に行く流れであろう事という部分はあるのでしょうが。 結果として嶋君は柳沢君により現場へ行くのはやめる展開へ。 その後も『宮白橋のおばあさん』はもうすっかり、地元の都市伝説として定着をしたようでどこにでもいる男子中学生が創作して発信したとは思えない程の成果を出す事に。 …ここで終われば、ただの成功談で終われたというべきなのでしょうか。 最近疲れやすくなった柳沢君が母親の声で目覚め、リビングでご飯を食べる場面へ。 父親の見たい番組にチャンネルを合わせるもまだ時間が早かったようでニュース番組が流れており、そこには良く知った地名が…。 「本日未明、○○県浦越市の宮白川から、白骨遺体が見つかりました」 それを見ていた家族の反応からもそれはあの橋の下に流れている川で間違いはなく。 夕食が終わり部屋に戻ったところで寺尾君からニュースは見たのかと確認の電話が入りました。 どうやら先に田畑君と嶋君にも連絡をしたらしく、嶋君は『今から橋に行こう』と提案をしてきたようです。 柳沢君以外の全員は上手く親から外出の許可を取ったらしく、今から橋の隣にある美里川中まで集まる流れへ…。 その道中、今度は田畑君から電話がかかってきて何やらこちらに聞きたい事があるらしい。 「……嶋がさ、丸一日喋んなかった日あっただろ。一昨日」 それは嶋君が最近体調が悪くて…と言っていたあの日の事。 どうやら田畑君や寺尾君からは無言で机に突っ伏している嶋君へ柳沢君が一方的に話しかけているように見えていたらしく、あの時に嶋に突っかかるなと注意をされたのもそれが理由だったと判明。 でも、柳沢君は嶋君と会話をしており彼が気象病でここしばらくの天気が悪い事に影響を受けていると話を聞いたはず…。 その事を説明しても不思議がられ、その上 「嶋はそんな体質持ってないよ」 田畑君は嶋君が気象病ではない事を知っているようで、嶋君当人がそう言っていたはずなのに食い違いが起きている。 てっきり田畑君が冗談を言ってるのだと思い指摘しても、俺がウソつくのが下手なの知ってるだろ。と返されれば柳沢君の中でウソではなくなる理由も生まれてしまう。 何より、柳沢君が嶋君とこのやり取りをした時に田畑君はすぐ横にいたのだから嶋君の声が全く聞こえなかったというのも通常ならありえないでしょう。 通話が終わった後、怖くなり急いで集合場所へ向かう柳沢君。 遺体は回収されたようですが橋の入り口は立ち入り禁止になっており、それはここで何かがあったという現実を証明している。 集まったメンバーは三者三様の反応をしており、その場で柳沢君はとある考えに行きついてしまう。 もしかしたら、自分達はこの話を作らされたのではないかと。 白骨遺体があったのは事実であり、詳細は不明でもこの橋の下にその状態になるまで遺体が放置をされていたのは確定。 だから誰かに見つけて欲しいという願いが届いた結果、彼らはこの都市伝説を作り拡散される事でようやく遺体は発見されたのだと。 この説を聞いた寺尾君は漫画みたいだなんて言いながらも顔を青くして声を震わせ。 田畑君はやはり現実主義な分、偶然だと済ませて帰ろうと促す流れに。 先に帰ろうとする二人を追いかけるよう、未だに橋を眺めている嶋君にも帰ろうと一声かけてから立ち去る柳沢君。 さすがに偶然だとしてもこんな事があっては不気味すぎる以上、もうこの一件を忘れる事に決めたようです。 …しかし、先に立ち去った三人には聞こえていなかったのでしょう。 「ナ ゼ わカッ た」 何者かに憑かれた様子の嶋君が呟く声は。 彼に憑いた何かの正体は誰なのか? 自分を見つけて欲しいと思った遺体の主なのか、それともこの遺体を隠し通したかった誰かなのか。 途中から嶋君の様子がおかしくなっていた点からも、すでに何かが憑いていてそれと意思疎通を取れるのは同じ立案者の立場である柳沢君だけのみだったのか? 場所の指定をしたのは柳沢君と言われていますが、立案に関わっているという点で嶋君が狙われそうなのと気が弱そうな分憑きやすいだろう事は何となく予想はできます。 体調に異変の出る前から実際橋に行こうと言い出した時点ですでに何かの干渉を受けていたと考えられますし、ニュースをみんなが知ってから現場に行こうと言い出したのも彼です。 今までの嶋君から考えるに、正直そういった物にあまり近寄りたがる性格か?と言えば疑問は残ります。 果たして柳沢君が忘れようと思っても、この後何が起きるのか?という点でやはり後味に恐怖を残す終わりですね。 ◆ガラガラ男 最後の組み合わせという事で何ができるのか予想はできないまま合体へ。 タイトルだけではどんな内容か想像はできませんでしたが、内容としては割とありえそうな都市伝説のできあがり。 田畑君も良い線をいっていると評価している辺り、それなりに期待もできると思え最後も楽しめそうですね。 寺尾君としては、見た目の設定も固めたいようですがそれはウワサが広まる際に各自の想像に任せる手もありでしょう。 そして、最後となるウワサを広めた結果。 結果としては、全身真っ黒な姿をしたガラガラ男を見たと恐怖する生徒の話から始まります。 ネットでも話題になっているらしく、何と写真まで出ているとの事。 さらには地元の都市伝説というはずだったのに他県でも目撃情報があり、色違いや性別違いといった亜種の存在もいるようです。 …冷静に考えると、ご当地ガラガラ男って何だろう? そういえば、田畑君視点で話が進行するのも珍しい気はしますね。 寺尾君→柳沢君→嶋君→柳沢君→柳沢君→田畑君とここまで基本は柳沢君の視点で読み進めたのだなと振り返って気づきました。 立案者でもありつつ、他のメンバーと比べたら現実的な考え方をする彼らしい視点というのでしょうか。 何故ウワサが広まったのにオファーが来ないのか叫ぶ寺尾君に、あれは著作権のないウワサとして広めた以上もしそんな話があっても自分達に話はこないと冷静に返します。 確かに人々のウワサから出来上がる都市伝説に著作権はないような物ですからね。 (今回は、明確に裏で仕組んだ創作者がいるとしても) 当初の予定通り、周囲はウワサのおかげで賑やかになったし学校生活だって楽しいものへと変化をした。 だから田畑君としてはこれ以上何も起きる事はないと諭しますが寺尾君は納得していない様子。 仮に、今から商標登録というか自分が作ったのだと言っても信じられるかはわかりませんし創作と判明すればウワサを拡散する人々もしらけてしまうでしょう。 だからいくら広まったとしてもあくまで当初の目的以上の物はないのですが…。 田畑君としては、寺尾君の暴走に対し多少の責任を感じているようでどうしたものかと思っているようです。 他のメンバーはといえば、柳沢君は当初の目的が達成された事で楽し気にしておりこれがあるべき喜び方なんだろうと思えます。 嶋君はウソを広めたという事に多少の罪悪感はあるようですが、大事に至るようなことも起きてないので現状あまり気にしていないとの事。 田畑君自身はこの2人の中間くらいの感覚であり、同時に2人の感覚が普通なんだと当事者ながら客観的に判断しています。 寺尾君のテンションがおかしいのは、自作のウワサが広まった事が嬉しいとしてもどこかズレているのはわかります。 日常へスパイスとしてウワサを広めるのでなく、自身の創作物を世に広めて人々からの反響を欲しがっている。 ここが同じウワサの広まりを望む傾向がある人にしても柳沢君と寺尾君にある違いなのだと思います。 そして、授業中も他の生徒を通して手紙を回してもらい田畑君へガラガラ男のキャラデザ絵を見せようとする寺尾君。 ウワサができて、いざ明日から広めるぞとなった際にも見た目のデザインを固めたいという事は言ってましたが…。 責任の一端を感じる田畑君としては、頭が痛い事でしょうね。 どうやらガラガラ男のウワサは周囲ではそれとなく話題にのぼる程度であるのに反して、ネットではいくつものスレッドができる程のウワサになっていると寺尾君が語ります。 以前も小説化にゲーム化の話がそろそろ出てもいいと語っていた寺尾君としては、このままいけば本当にメディア化を狙えるかもとさらに騒いでいるようですが…頭の良い田畑君ならば、気付くのは時間の問題だったのでしょうね。 最近、授業が終わるとすぐに教室を飛び出し次の授業に遅刻するまで帰ってこなくなってしまった寺尾君。 放課後もすぐに家に帰ってしまい、他の3人と遊ぶ頻度も減っているようです。 その理由を聞いても何故か気まずそうに答えを濁してしまうので真相は不明のまま。 嶋君はそれに対し、彼女ができたのかなと思ったようですが柳沢君が凄い勢いでそれはないと全力で否定をします。 田畑君は柳沢君の意見には半分同意のようです。 寺尾君に彼女ができないという意味ではなく、もっと他の心当たりがあるという意味の方で…という事のようですが。 ここの言い回しというか、結論を置いた後に根拠を述べるせいで「田畑お前もか!?あ。いや、違うのか…」となる感覚がとても彼らしさがあって好きです。 次の授業への遅刻を覚悟し、休み時間終了直前の廊下を歩きながら寺尾君を探す田畑君。 この際に、初めての遅刻という表現を使っている点も普段の彼がどんな人物なのかがわかるポイントだなぁと思えて好きです。 どうやら無事、こちらに背を向けている寺尾君を見つけたようですが何故か廊下に1人で突っ立っている様子。 何をしてるのか確認する為、背後からゆっくりと近づき彼がスマホを操作しているところまでを把握。 やはり彼女とのやり取り?にしては映し出されている画面がおかしいようで、背中に触れるまであと一歩まで迫っても気づかれる様子はない。 そこまで集中して何を行っているのか?その、何が行われているかを把握したところでようやく声をかけます。 真後ろからの声にスマホを落とし、すぐさま拾い上げポケットへしまう寺尾君。 彼がやっていたのは色んな掲示板にガラガラ男のニセ目撃情報を貼り付けるという行為でした。 見たから誤魔化さなくてもいいと前置きをした上で問い詰めていく田畑君。 寺尾君としては、自分が創作者と名乗るつもりはないけれどウワサが広まる事が嬉しいと語っており最近裏でしてきた行動もその為に時間をかけていたというのが真相でしょう。 それに呆れる田畑君と、そんな彼に向って寺尾君が言った発言がこの話が田畑君視点で語られなければならない重要な点だったのでしょうね。 「な、何でもできて……自慢できることがたくさんある克明にはわからないんだよ!」 この言葉の意味を文字通り、田畑君は理解できないまま寺尾君を教室まで引っ張っていく事に。 後の流れを見るに、この時のやり取りは柳沢君と嶋君に話していないようでこの日から寺尾君は学校にこなくなってしまったようです。 まだ学校に来なくなってから日が浅いという事で何も知らない2人はただの体調不良だろうと思っているようで、裏で田畑君は2人に内緒で寺尾君を捜しに行っていたようです。 放課後も、休みの日も。もう一度、見つけないといけないような気がして。 夕陽が照って、足元に真っ黒な影が伸びる時間。 田畑君は一体何が寺尾君をここまで突き動かしていたのかを考えるもわからないようです。 それはシンプルな承認欲求か? そんな風に考えて生きたことがない自分にはわからない。 寺尾君の気持ちを考えようとしても、それでも何一つ掴めるものはなかった。 だからこそ、これは田畑君が語り手であり体験しなければならない物語である。 誰かの語る登場人物、第三者でない、田畑君自身のモノローグが対比として必要なのだから。 当たり前に持っている者と、自分は望めど持っていないと思っている者。 この両者が、同じ視点を共有ができないというのが一番美しい致命傷である以上。 足元の黒い影に、もう一つの影が重なったと同時に田畑の名前を呼ぶ背後からの声。 田畑君の友人で「克明」と名前で呼ぶのは1人しかいない。 ようやく寺尾君を見つける事ができたと思いずっとどこに行ってたかを問おうとすれば、彼はまたガラガラ男の話題を出そうとしている様子。 それに呆れつつも、みんなが心配している等と言い説得しようとした時。 アイツをホンモノにしないと その言葉を認識するや、首筋に冷たく平たい物が当たる感触。 それは、刃物は、寺尾君の手に合わせガタガタと震えているようで…。 刃物を握る手が、真っ黒な手袋に包まれている事を認識し。 緊張で固まってしまった体を無理やり動かし、真後ろに立つ寺尾君を見ようと首をひねる田畑君。 いくら相手がさすがに人に刃物を向けるという行為が初だろうから動揺しているとしても、首筋に刃が当たっているのによくできるな!? と、思わず田畑君のメンタルの強さというべきか冷静さに感心をしつつ与えられた視覚情報を共有してもらえば…。 そこには全身を黒い服で包み、わずかな隙間から目元だけを出している寺尾君の姿が。 それはきっと、彼がデザインをしていたガラガラ男の姿を再現した物なのでしょう。 今から自分はホンモノのガラガラ男になるという旨の発言をどもりながら発する寺尾君を、思いっきり突き飛ばす田畑君。 お前メンタルお化けというか、実は修羅場慣れしてない?という疑惑も改めて読み返すと感じてしまいますが…それは一旦置いておきましょう。 逆に倒れた寺尾君は起き上がってくることもなく、じっとこちらを見て肩を震わせている。 さすがにこのままでは危険と判断し、ここは逃げる判断をした田畑君。 いくら相手が友達であれ、刃物を持っていて精神的に不安定である事を考えればこれは仕方ないでしょう。 むしろ、自分の命を優先するのが当然と言える状況です。 走りながら、以前自分は寺尾君に『何でもできる』と言っていたけど今ここで自分にできる事はないと思う田畑君。 必死に逃げ切り、生還を果たすもそれから一週間が経過した結果…。 知らない誰かが死んだという悲しいニュースとテロップ。 人数だって1人や2人じゃない、その上で犯人はまだ捕まっていない。 寺尾君は本当に、ガラガラ男をホンモノにしてしまい浦越市には、俺達の住む町にはまさしく人間の怖い話が生まれてしまった。 俺達の知っているアイツはもう、どこにもいない。 この町にいるのは、全身真っ黒で、人の喉を切り裂いて歩くガラガラ男だ。 実は柳沢君が宇宙人だったという人外オチはすでにありましたが、これは普通の人間が都市伝説に成っていく過程を描いた、加害者になってしまったという方向性でも秀逸な話だと思います。 田畑君と寺尾君が友達でありながら対比になる構図なのも合わせて。 @ネタバレ終了 長くなったのでここで分割します。
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アリシアちゃんと〇〇〇〇しないと出られない部屋!やりこみ要素的なものがたくさんあって全エンド回収後も楽しむことができました! 素晴らしいゲームでした!
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「駄目人間。2―落選編―」前作より大幅パワーアップしてました!!! @ネタバレ開始 重たい雰囲気だった前作に比べ、全体的にコミカルになっており、楽しくプレイできました。導入部のド直球ツンデレに持っていかれました 一瞬だけ出てくるジャンクフードの山……うっ頭が(我が身を振り返りながら) 光とともに創作神が降臨する(?)シーンでは、非常にカタルシスを得られました。 自分の作りたいものを!!!!作るぞ!!!!!! @ネタバレ終了 とても楽しくプレイしました。ありがとうございました!!
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駄目人間。最初、「これは延々とYESかはいで答える的なやつで @ネタバレ開始 もう、鬱エンド一択なのかしら」……と思っていたものの、ハッピーエンドがあって、安心しました。 私の中に「正直、創作者の闇オーラ的なものを出すのは恥ずかしい」という気持ちがどこかにあって、そういった思いとどう付き合っていくべきか?と考えることもあったのですが (※あくまで私自身のスタンスの話で、他の創作者さんについて言ってるわけではないです) 「やっぱり私自身が自分のゲームの一番のファンなので、これからも楽しくゲームを作ろう!」と思いました( *´艸`) @ネタバレ終了
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人生、お返しします。ドッペルゲンガーを探しに行く話だと思いきや…? @ネタバレ開始 まさか自分がドッペルゲンガー側だったとは! 成り代われるはずの力で、昏睡状態の間の橋渡しをしてあげる優しさに心を打たれました。 TRUEはもちろんEND3もいい終わり方ですね! @ネタバレ終了 心温まる作品をありがとうございました!
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キミのニセモノに恋をするゲームを遊んでいてこんなに感動したのは初めてでした! これからも素晴らしいゲームを作り続けられるように応援します! 素晴らしいゲームをありがとうございました!