heart

search

ドラマ

8413 のレビュー
  • 指先で世界を見る
    指先で世界を見る
    優秀なテニス部のエースに、実は裏があるのではないか、と噂が立つところから始まる話。 どこか閉塞感のある学校という空間だからこそ、その噂に「いかにもありそう」な感じを与えてくれます。 開始数行で意識を引っ張られたので、見事な導入だと思いました。 複数人の視点から物語を描いていますが、それによって最初に提示された謎が徐々に輪郭を持って実際の形になっていくのが構成の妙ですね。 @ネタバレ開始 そして、終始不穏な空気感の物語でありながら、最後は意外なほど明るい結末を迎えます。問題自体は何も解決していないのですが、それも含めての綺麗な読後感に感動しました。 キャラクター名が記号なのも、匿名であることがテーマと噛み合っていて良かったと思います。 作者様によれば、どうやらエンド曲が2種類あるようなのですが、これは穏やかな曲が流れたからこその読後感だったと思うので、ここで印象が変わってしまうのは少し勿体ないかな、という気もしました。 @ネタバレ終了
  • Paint Over
    Paint Over
    背景が非常に魅力的な作品です。私は美術に知識や理解などは持ち合わせてはいませんが、しかし創作活動で何かを表現しようと模索する者としては、どこか通じるものがありました。 @ネタバレ開始 桜井先生がおっしゃっていた「悩んだ方がいい」という言葉は、個人的にかなり好きです。悩むという行為は引っかかるところがあるからするわけで、つまりはそれだけ真剣だということだと思います。加えて、悩むこと自体はそれほど嫌われるものではないと思います。かくいう私も何かを思っては悩み、なんとなくの糸口を見つけて解消したくせに、またすぐ次の何かに悩み始めるなど、もう悩みまくっています。気負いすぎるのがあまりよくないというだけで、悩むということにはきっといい面もありますよね。あとそれを「かゆい」と表現するのは、相沢くんらしくていいなと思いました。私も使おうかな。 また、牧野さんが言っていたように、さばっと見切りをつけるもよしですね。そこは好きにしたらいいと思います。まああの眼差しが語るものはそこではないでしょうが、しかし相沢くんも感じていたように、あれは決して嘘ではないと思います。本心だからこそ、あれだけ重みのある言葉になるのだと思います。 そして現実の壮麗さを見て、Paint Overという答えにいくの、ほんとかっこいい。自分の理想とする四季の情景を描くために、とか言っていたのに、理想を押し上げられてもなお向かう。というよりむしろ燃えているところが、正に追い求める者だと感じました。 「あなたの今の絵、あたしは本当に好きだから」 ああ本当に、表現者というものはかっこいい。 理想と現実の対比が今作の大きな部分だと思いましたが、ここからは物語の枠にとどまらない強烈な熱を感じました。そして"実る寒空の下、"の心地よい余韻。この作品好きです。 @ネタバレ終了 ありがとうございました。
  • オリンピックの緒
    オリンピックの緒
     輪郭を捉えることが難しい、詩のような作品です。  登場人物の謎めいた会話、いくつも並んだ意味深なタグ、曖昧模糊とした複雑な話が展開されます。それでいて、「ただ分からん」とはならず、心に痛切なものを残していきます。  不思議な作品を、ありがとうございます。
  • 指先で世界を見る
    指先で世界を見る
    プレイ致しました。 色んな人が、それぞれの思いを持っていて…それが集まって混じり合って問題が生まれるんだなぁと、ドキュメンタリーを見ているような気持ちになりました。 と、エンディングを見ていたのですが… 最後の印象は圧巻で、読後感が一変しました。 凄く勉強になる作品でした!ありがとうございます!
  • Sea glass(シーグラス)
    Sea glass(シーグラス)
    青で統一された雰囲気がとても心地よかったです。 とても雰囲気がよく、すこしだけ海に遊びに行ったような気分になりました。 シーグラスに例えられる彼女は幸せだったんでしょうか…
  • 指先で世界を見る
    指先で世界を見る
    テニス部のエースにまつわる噂を色んな人物の視点から語られるお話です。 @ネタバレ開始 あとがきで語られている通り、学校という小さな世界の話というよりは今の世の中で使われない日はないだろうネット世界での話として受け止められます。 語り手の5人は現実でもこういう考えの人はいるんだろうなという現実感があって、きっと自分自身もそうなる可能性はあるのだろうと思いました。 この作品で噂の中心となっているAさん視点の話がないのがとても好きです。Aさんと会話したBさんですら彼女の心情は表面上でしかわかりません。でも人の気持ちなんて本人しかわからなくて当たり前です。もしかしたら彼女が話した転校の理由は嘘かもしれない。でも本人が言っていないことを邪推して、それを真実のように拡散するのは良くないのですよね。BさんとAさんが撮った写真に心からの笑顔があることを信じたいです。そして最後の演出が怖い。 @ネタバレ終了 指先で世界を見るというタイトルが秀逸でした。指先で情報が得られるようになった今の時代、情報の取り扱いは慎重にしようと自戒しました。
  • 森の不思議と小さな出会い
    森の不思議と小さな出会い
    パステルトーンの絵にひかれてプレイしました。 キャラも背景も可愛いっ! 選択肢・エンド分岐はありますが、合わせても20分くらい、でしょうか。 展開は王道そのもの。ちょっとはらはらしながらも、安心して読めました。 3人の友情が、長く続きますように。にこにこで見守っちゃう感じでした。
  • 消灯コーヒー
    消灯コーヒー
    ふらふらと「入店」してしまいました。 趣のある風景に、素敵なボイス。 最後までプレイして、コーヒーが飲みたくなる気分になりました!
  • さよならチョコミント
    さよならチョコミント
    チョコミントの如く、甘くて・爽やかで、でも香りはいつまでも残るものではなくって…。 そんな夏の、日常とは言えないものが日常として終わるところに作品のテーマを感じました。 とても良い時間をありがとうございます!
  • 夢の狭間で
    夢の狭間で
    短いながらもまとまりのある良いお話でした。 せっかちなのでエンドを見るまで2周掛かってしまいました!
  • 嘘の手紙
    嘘の手紙
    最初はルールが分からず手探り状態でしたが、進めるうちに段々と要領がつかめてきました。様々な人の言葉やエンディングから主人公と山中の関係性を少しずつ読み解いていくのが楽しかったです。 とある場面でBGMが消えたり、電話の発信音で終わるエンディングがあったりと演出が素晴らしかったです。グラフィックも、独特の雰囲気を醸し出していて印象的でした。 気が付くとこの世界観に夢中になっていて、どんどん読み進めていきたくなりました。 素敵な作品をありがとうございました。
  • 幽明少女はユメを見る
    幽明少女はユメを見る
    幽霊の少女を成仏させるのが目的のゲームでしたが、不思議と暗くならず、暖かな雰囲気で終わりました。 というかキャラクターがみんな優しくてほっこりなんですよね。 ちなみにホラーではないので皆さん安心してください、優しいゲームです。
  • 指先で世界を見る
    指先で世界を見る
    高崎君と7つの魔法、のころからのファンです。 今回も巧みな文章でのギミックで、見事にAのことを「悪い人なのかな?」とだまされかけました… たしかにSNSではあることないこと書かれますが、学校でもそれは同じなんですね。 Aは悔しかっただろうなあ…どうか、負けることのない、したたかな子であってくれるといいなあと思いました。
  • 蚕の箱庭
    蚕の箱庭
    イエスロリータ、ノータッチ! おにロリほのぼの日常系だと作者さんはおっしゃってますが…おにロリ…はぎりぎりとして、ほのぼの日常系じゃなかったー!!! ほのぼのどころかめちゃくちゃ不穏ですが、でもたぶん蜜ちゃんはしあわせなんだろうなあ。 蚕の一生と絡めたストーリーがとてもよかったです。 ちなみに私が生まれる前には実家で蚕育ててたそうです。…見たかったなあ…モフモフでかわいいですよね、蚕。
  • 美しき人
    美しき人
    本当に素敵な作品でした! @ネタバレ開始 たった一言でがらりと見方の変わるシナリオに驚きました。 作品のテーマの明確さと、美しく無駄がない洗礼された作りにとても感動しました。 @ネタバレ終了 今作に触れられて、心から嬉しかったです。
  • 死ぬよりもつらいこと
    死ぬよりもつらいこと
    1時間ほどで読了できました。 この作者様のゲームは、ほぼ全てプレイしています。 自分でも不思議に思っていることとして、「なぜ自分は浦田さんのゲームにこんなにも惹かれるのだろう」というのがあります。浦田さんが描くテーマは毎回かなり重たくて、けっこうドロドロとしたものを見せられます。楽しい気分で読めるシーンより、暗い気分になるシーンが多いかもしれません(笑) それなのに、どうして好き好んでこの方の作品を読んでしまうのか。 それは多分、「浦田さんは全力でテーマに取り組み、嘘偽りなく描く」ことを知っているからだと思います。自分ならつい「うまくかわす」ことを考えてしまいそうな事柄でも、この方は決して逃げず、真摯に取り組みます。だから毎回、「このテーマを浦田さんはどう描くんだろう」と気になってしまうんだと思います。 そんな浦田さんの作品で僕が1番好きなのが、この「死ぬよりもつらいこと」です。浦田さんの並々ならぬ思いを感じることのできる傑作だと思います。 @ネタバレ開始 本作品では描写の解像度が高まったと感じるシーンがいくつかあって、そこに作者様の個性を強く感じました。そのうちの1つが、誰かの死で苦しんでいる人の描写です。この部分は、作者様自身が深く考えなければ書けないものだという気がしました。 例えば、海翔の場合。 兄が自殺した後、海翔の母は激しく感情を表出します。が、時がたつにつれて、彼女は少しずつ前に進み始めました。一方、海翔は全く泣けませんでした。その後も、「兄が急にいなくなった」という現実としっかり向き合えないままに、時間がどんどん流れてしまいます。海翔の苦しみは、もちろんうつ病のせいでもあるのでしょう。しかし本質的には、兄の自殺に向き合えず「取り残されてしまった」という感覚があるからこそ生じたんじゃないかな、と思いました。このあたりの海翔の心理描写は非常にリアルで、夢中になって読んでしまいました。 また、杏の心理描写も、真に迫るものがありました。 父の死があまりにもつらかった彼女は、自分の心を守るために父を憎みます。が、その一方で、「父が死んだのは自分のせいだ」ともずっと考えていました。父を完全に嫌いになってしまえればもっと楽になれるのでしょうけど、彼女はそれを選ばなかった。というか、選べなかったんでしょうね。表面では父に怒りを覚えつつも、深いところでは父を愛していたからなのだと思います。こうした複雑な思いが同時に存在するという描写には、深く共感できました。また、杏が本当の自分の気持ちに気が付くシーンには、目頭が熱くなるほどに感動しました。 目を覆いたくなるくらいにつらいものを描いた本作品ですが、登場人物たちは最後に「それでも生きる」と決意します。個人的には、この作者様がこのような形で物語をしめたところにも、深く感動させて頂きました。 技術的な部分に言及いたしますと、本作品は特に構成が素晴らしかったと思います。真一郎と栄一が創作に向かうシーンはかなりテンポも良いし、楽しく読めます。これが序盤にあったからこそ、自分は物語に深く入り込めたのだと感じます。 キャラクターとしては栄一が好きで、創作にストイックなところが良いと思いました。「物語の解釈を制作者がべらべら語りたくない」という言葉は、少し耳が痛かったです(笑) 立ち絵も曲もすべて自作されたとのことで、その努力に脱帽です。ED曲は特に歌詞が印象的でした。クリア後も何度か歌詞を見ながら聞き入ってしまいました。 @ネタバレ終了 本作品を読むことが出来て、本当に良かったです。素晴らしい作品をありがとうございました。
  • 僕らのノベルゲーム
    僕らのノベルゲーム
    深夜なので少しだけプレイしようと思っていたのですが、途中で止められず朝になってしまいました(笑) しかも興奮しちゃって眠気がぶっ飛んでしまう、胸熱な内容! 創作活動をしている身としては色々と共感したり勉強になったり。あいつを除いて素敵な人ばっかりだし、女性陣がみんな可愛いすぎるし。作中の作品もウルウルしちゃうし。合宿超楽しいし。 思い出すと色々ありすぎて感想が纏まりませんが、とにかく素晴らしい作品でした。ありがとうございました!
  • お前のスパチャで世界を救え
    お前のスパチャで世界を救え
    可愛らしい絵柄とキャッチーなタイトル、ゲーム内容に惹かれてプレイしました。Vtuberに疎い方なので作品を深く理解できるか不安だったのですが、演出やゲーム内の雰囲気も絵柄と同様に洗練されていたので没入感が凄まじく、ストーリーのテンポが良いので、最初から最後まで時間を置くことなく楽しんでプレイ出来ました。
  • Sea glass(シーグラス)
    Sea glass(シーグラス)
    いや、もうオシャレ過ぎる!! 映像や写真と文章の融合度が高いです。 テキストを先に準備してから画像を用意する制作手法でなく、 これは明らかに同時進行(もしくは素材先行)ですね。シンクロ率が凄いです。 描かれる映像・画像・テキストが美しければ美しいほど、 本作の裏側にある「リアル」が対比的にくっきりと浮かび上がってきました。 そのあたりの演出がとても素晴らしいと感じました。 @ネタバレ開始 (やや失礼な表現があったため再投稿しました) ただ、個人的には1周目の終わりのシーンで撮影者の心情は想像できたので、 正直に申し上げると2周目の存在は少し蛇足だったかも、と思いました。 新規の映像や演出もあってそれらも素晴らしかったのですが、 1周目のエンドロール後の「END」で終わるのがベストだと思ってしまいました。 1周目の表現や最後のシーンの匂わせ方が物凄く秀逸だったため、 アレを見てからもう1回1周目をやれば真相はほぼ想像がついたように思います。 但し、このあたりのさじ加減が非常に難しいのは承知しておりますし、 多くの人にキョトン?で終わられてしまう懸念もありますし、 そもそも今回たまたままぐれ的に2周目のような真相を想像できた気もしますので、 あくまでも一個人の意見ということでお納めください。 @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございます。
  • 深夜徘徊のための音楽 beats to relax/stray to
    深夜徘徊のための音楽 beats to relax/stray to
    全体的にLo-fiな雰囲気で、音楽を聴いて目を閉じている時のような没入感。 レトロな画面、環境音と混じる音楽、深夜の散歩、兄妹の取り留めのない会話、どこか掴めないままのキャラクターも堪りません。 深夜に何度でも戻って来ます。素敵な作品をありがとうございます!