ドラマ
7835 のレビュー-
千夜一夜のシェヘラザードそれぞれ1000文字で構成されているお話。テンポよく展開していくのでとても読みやすかったです。可愛らしいイラストと雰囲気で、ほっこりと楽しませていただきました。素敵なお話ありがとうございました。
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指先で世界を見るブログのあとがきまで含めすべて拝見いたしました。 「少女Aはどういう人物なのか?」という物語全体の問いが あるおかげで話が非常に読みやすく、最後の最後まで続きが気になる展開でした。 エンタメ性と社会的問題を盛り込んだシナリオは自分の理想なのですが、 それが見事に表現されていて感動しました。 シナリオも面白いのですが、背景画像の使い方やタイトル画面にも明確な意図があり、あとがきを読むと、本当に細部まで作り込まれているなと感心いたしました。 全編読むと20~30分程度かかりますが、 一人一人の視点は5分程度なので、気軽にプレイできると思います。
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指先で世界を見る読みました。 @ネタバレ開始 そういうことでしたか。指先で世界を見る。たしかに改めて言われると、私も目の前のスマホを使って指先で世界を見ています。 相手を慮る行為は、現実はもちろんのこと、ネットでも噂話でも、社会に属する以上は避けられないです。大事です。 そうは言っても、人は噂を信じ込んでしまうと、根拠の有無など気にもせず平気で人を傷つけるようになります。同じ噂を共有している人がいるのであればなおさら。 そういう人は人を傷つけるし、人に傷つけられる。そうして攻撃はさらに大きくなる。この連鎖はどうやったら終わるのかな……? 無視では根本的な解決ではないですし、禁じるのでは作中にもあった会話の自由が引っかかります。どうしたものですかね。 お互いがお互いを尊重すること、なんて聞こえのいい言葉もありますが、現実問題そんなことができるとも思えません。噂を信じないようにしてもらえたら何よりですが、人は不安であればあるほど、そういうものにすがりますからね。 あとがきも読みました。 経緯となった事柄で抱いた感情を創作に昇華させるのは、とてもいい方法だと思います。ただ単に誹謗中傷に対して「やめて!」というだけでは、おそらくなにも変わらないと思います。 しかしこのように物語化して、メッセージとして込めることで、俯瞰的にその考えに触れられます。その事象について、一度自分の中で考えることによって思いやる心が生まれ、いずれそれは伝播していくと私は思います。今作は、そういった自分の中で物事を考えるきっかけになりえると思います。 私はこういう手法大好きです。 その面で、視点が複数あるのもとてもよかったと思います。一方的な意見を出さずに、多方向の意見を読めることで、一歩引いて考えることができました。 @ネタバレ終了 私はとてもいいゲームだと思いました。 ありがとうございました。
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今宵、忘却列車にて。とても美しくて儚いお話でした。@ネタバレ開始 何処までも、何処までも二人で一緒に行きたかったです。ずっと一緒に行きたかったなぁ。愛があるが故の、切ないエンディングでした。素敵なお話でした。
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指先で世界を見る作品のテーマなどは自分もよく感じていることだったので、ちょうど共感する部分が多かったです。 @ネタバレ開始 当事者ではない少年の、的外れな正義感を振りかざしている感じの視点なんか、まさにネットでよく見かけるなーと。 実際のAさんが悪意のあるゴシップをどう感じているのか最後まで推測の域をでませんが、私はAさんのそれを表に出さない強さにすごく惹かれました。 AさんはBさんが本当のことを知っていてくれればそれでいいんじゃないかな、と私は勝手に推測しておこうと思いました。 @ネタバレ終了
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指先で世界を見る学校内の噂やいじめにまつわるお話です。 @ネタバレ開始 あとがきで詳しく解説されるので、 お話がわからない、ということはないでしょう。 この作品はネット社会のメタファーです。 エンディング(転校)後も、Aは根も葉もない噂に 悩まされ続け、逃げ場がないという 救いのないエンディングです。 登場人物をアルファベットにしたのも、 おそらくネットの匿名性とかけたのでしょう。 また、Aの視点がなかったのも 当事者の意見や考えは無視される、 ということだと思います。 最後の演出はもはやホラーだと思いましたね。 転校しても、AとBは良い友達でいて欲しいですね。 実際の社会でも、好きなことや得意なことを しているだけなのに叩かれる、ということはよくあります。 それは単なる嫉妬だけでは片付けられず、複雑です。 しかも、見ず知らずの人から叩かれます。 こういう社会で生きて行くには AとBのように、本当に信頼できる人と 深い関係を築くのがいいのかな、と思いました。 @ネタバレ終了 この作品について難点を挙げるとしたら、 わかりやすすぎる、ということだと思います。 あとがきも含め、説明しすぎな感じがしました。 もうちょっと、わかりにくくしてもいい気がしました。 とはいえ、あんまり難しくすると 投げっぱなしだと思われてしまうので、 さじ加減が難しいですね。 ロゴや本文のフォント(おそらくデフォルトではない)など 細かい点もこだわりが感じられました。 お話を楽しむというより、考えさせられるタイプの ノベルゲームです。 勉強になりました。
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千夜一夜のシェヘラザード「エモいんだからしょうがない!」 一言で表すと、それに集約されますが、具体的に記します。 開始早々可愛らしい男の子と女の子のボイスが聴けます。可愛い声で癒されるなあと思い、作者さんに訪ねてみると......なんとご自身で当てられているとのこと! しかも一人二役! そして、イラストもイケメンと美少女です。馴染みやすいデザインのタッチです。表情も良く表れています。 BGMも神秘的な曲調の印象が強く、物語を彩ってくれます。ラストは特に。 そして、演出と伏線が上手いシナリオ。 丁寧に見ていくと、エンディングを迎えた時、実に繊細に散りばめられていたことに驚きます。 また2人の雰囲気が良いのです。 最初のシーンの会話で、「あ、これいい」と感じます。ここにも理由というか仕込みがあるのです。 恐るべきは、一部除きほぼ全て自身で作られていることです。 決して素材の否定ではありませんが、フリゲのクオリティー至上主義かの如く創作戦国時代の昨今、プレイヤーの肥えた舌と心を折る評価と周囲の強大な作品群に怯えながら多大な制作コストを掛け自作することの大変さは創作者の皆さんには説明不要のことと思います。そんな中、出来うる限り自らの手で作り出すという姿勢は、まさに自作、物作りの精神。憧れであり、尊敬に値します。 敢えて要望を挙げれば、長編で観てみたかったかなというところです。 現状コンパクトに纏まってテンポが良いので一長一短でしょうか。 最近は短いのが好まれるみたいですしね。作者さんの次回作に期待します。 そして、全てが集約されるラストシーン。 冒頭に帰ります。 「エモいんだからしょうがない!」 こうやってつらつらと駄文を並び立てなくとも、それですべて語れてしまう、千夜一夜物語の結末、最高の瞬間を、是非感じてみてください。
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死ぬよりもつらいことなんだか重いタイトルに惹かれてプレイしました。 以前、浦田さんの作品の『生きていく勇気』と『あなたの命の価値』をプレイしたのですが、『命の大切さ、重さ』を描いていてとても考えさせられるお話だったので、今作も期待して始めました。 @ネタバレ開始 ……やはり、タイトルから想像できる通り、重いお話でしたね。最後は泣き腫らしてしまって、さらにラストで流れる歌で余計に泣かされました。 私が一番共感したのは、最初の、主人公の体験談に出てくる『栄一君』です。 私も、ゲーム製作に命をかけている……というか、依存している部分があり、おそらくゲームが作れなくなったら死ぬと思います。両目を失ったり、両手を失って、ずっと泣いている夢をよく見ます(両足をなくしたときは嬉々としてゲームを作っているのですが)。『ゲームを作ること』が私の生きる意味となってしまっている今、彼のように利き腕を失ってしまったら……そして、親友が作ったゲームを見せられたら……。考えただけで恐ろしいです。 真一郎君が、親友のためにゲームを作ったことは、はたから見たら良いことに見えますし、内容も栄一君を励ます内容でしたが、重要なのは内容じゃなくて、『お前は俺と違って、これからいくらでも作れる』というところに絶望してしまったのだなぁと思うと、なんとも言えないやり切れなさというか……後味が悪いですね。 放っておいても彼は自殺してしまったとは思いますが、確実に真一郎君の行動が最後の引き金を引いてしまったのだろうと思うと、主人公にイラついてしまいました。海翔君も言っていましたが、ポジティブを押し付けるのが正解とは限らない。弱音を吐いてもいい、死にたいと言うことは悪じゃない……彼にもたくさん共感しました。 最後にタイトル画面に戻ってきたときに、セーブ厨の私が一度もセーブしなかったことに気がつきました。それほど夢中で読み進めました。 ……さて、この先を書くかは迷ったのですが、浦田さんのブログで、『厳しい意見も書いて欲しい』とあったので、思ったことを少し書きます。 この作品は、タイトルからして見るからに『重い物語』です。 ほとんどのフリーゲームサイトでは、プレイヤーは『楽しく遊ぶため』に訪れる場合が多いと思います。要するにエンターテインメント性を求めて来ます。 よって、タイトルも内容も重たい作品は、なかなかプレイされづらいのではないでしょうか? ノベルゲームコレクションは、プレイヤーのほとんどが制作者の立場でもあるので、いろんなゲームをやってみようという方が多いですが、他サイトでは『いかにも』な内容は敬遠されるかもしれません。私は浦田さんの作る重いテーマをストレートに表現する作風は好きですが、ある年齢以上で、そこそこの人生経験がある大人ならともかく、若いプレイヤーには少し説教くさいと思われ、手に取りづらい物語かもしれません。大筋をファンタジーやSFにし、そこに上手く『本当に伝えたいテーマ』を紛れ込ませて伝えるというのも一つの手なのではないかと思いました。 上から目線ですみません。 @ネタバレ終了 長々と失礼しました。 いろいろ書きましたが、私にとって、とても心に残る物語でした。これから先、この物語を何度も思い返すことでしょう。ありがとうございました。
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今宵、忘却列車にて。タイトル画面の美しさに惹かれてプレイしました。 切なくて、悲しくて、優しいお話でした。 橘くんが静かに語りかけてくる感じがとても心地良かったです。 とても短いお話ですし、舞台は現世ではないのに、世界観にすっと入れました。 音楽と、走る列車の音もとてもいいです。 薄幸美少年……。ハッピーエンドも切ないですねぇ……。
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今宵、忘却列車にて。全エンド回収しました! 幻想的でどこかさびしい雰囲気の漂う世界観がドストライクでした……! 色んなルートを見るために何周もするという行為が橘くんを苦しめていると知ったとき、その構成の妙にあっと言わされました! 短い中に色んなメッセージが込められている素敵なゲームだと思います!
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今宵、忘却列車にて。邪魔のない画面構成で綺麗
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【Valentine's・Junkies】オカルト好きの主人公・純樹が、図書館で「ろこあ」という女の子と出会ったことから始まる物語です。全3ルート、20分程度で読了しました。 純樹と彼女の微笑ましい話になるかと思いきや⋯⋯。インモラルというタグに(良い意味で)ふさわしいエンドが待っていました。トゥルーエンドは「ですよねー!」と思ってしまいました(笑)。個人的には先生のキャラクターすごく好きです。
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探しものは、夏ですか。全体的にレベルが高いです。特にシナリオと立ち絵はかなり高いと思います。
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ビデオレター短いながらも作中の人物の想いがひしひしと伝わってくる、素晴らしい作品でした。 特にお父さんの描写はとても胸を打たれました。 素敵な作品をありがとうございました!
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ヘクソカズラプレイしました。うーん、ドストライクオブ性癖。 ノベコレの中でも長編の部類に入る作品という事で、プレイヤーを独特の世界観にじっくりと引き込む魅力が多くあったように思います。それら日常の積み重なりが最終盤の大きなカタルシスに繋がっていました。主張しすぎず、けれども不思議と耳に残るBGMが印象的でした。
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「ステッチ・ガール」YouTubeでゲーム実況しております。 知り合いに勧められて動画収録してみました。 途中から涙でまともに話せませんでした。 感動をありがとう
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宝石ドール自分になんのとりえもないと思っていたと詩織と怪我により与えられた使命を果たせなくなった猫目が、喫茶店をきっかけに自分の価値を見つめるお話です。 20分ほどでプレイしました。「自分の価値」というテーマが一貫していて、喫茶店での交流を通して丁寧に書かれていました。 「美味しいコーヒーを淹れる」という約束をしたことで喫茶店にやりがいを感じ自信を持っていく過程がとても良く感じました。
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東雲に霞むハッピーエンドではなくトゥルーエンド、というのがしっくりくるお話でした。 さりげなくそっと散りばめられた伏線も、その回収も、お話に違和感なくかみ合っていて上手いなと思いました。 四人とも不条理な現実に直面して、もう一度向き合って……この後どうなるのか。 出来る事なら、ハッピーエンドを迎えられるようにと祈ります。 最後に、お話が続きそうな展開もあったので……次作ありましたら楽しみにしております! ※蛇足※(全エンド読む前、お話の途中で思った事) 夏美、秋穂、そんなやつらとことんやってしまえ!
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未完の後悔後悔に向き合って前に進む、というお話です。 誰にでも、後悔していることってあると思います。 その向き合い方を教えてくれる作品です。 嫌なことや、嫌な自分と向き合ったとき 自暴自棄になってしまったり 周りに当たってしまうことも 時にはあると思います。 ですが、周りの人が全て敵になることなんてないですし きっと、自分が塞ぎ込まずに周りを見渡せば 優しい人や後押ししてくれる人がいます。 宥君には写真部の仲間や竹中君など とても頼りになる人がいます。 だから、きっとこれか後悔することがあっても きちんと向き合えます。 もちろん、宥君以外の登場人物も、なんならこの作品をプレイした人も。 作品全体を通して感じたのは 「優しさ」ですね。 優しい人が多く登場します。 そして、時にその優しさが空回りしてしまうことも あるけれど、諦めない。 諦めないことも含めて、優しさなのかな と思いました。 後悔してる人、何かから逃げた人。 そんな人に刺さる物語だと思います。 あとがきも含めこの作品が好きです。
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オリンピックの緒@ネタバレ開始 本作は東京オリンピック開催を控える中で、①「赤ちゃんを身ごもる妻とその夫(教師)」・「演劇部」・「穴」という3つ視点から、差し迫る危機について語られた作品です。作品自体に選択肢はなく、淡々と物語を眺めてゆくだけですが、それこそ我々が現実に対して無抵抗であらざるを得ない存在であることを気づかせる仕組みなのかもしれません。 本作が12月に発表された直後、アメリカがイランの空港を攻撃して第3次世界大戦の開戦が囁かれたのは記憶に新しいでしょう。まさに本作のラストと合致するように、製作者はすでにそうした危機を予期していたのかもしれません。見えない危機に対する警鐘を鳴らしてプレイヤーにそれを気づかせるという意味で、より多くのプレイヤーにプレイしてもらいたいです。