ティラノゲームフェス2019参加作品
3302 のレビュー-
サリエンシー7年前、ある場所で出会った少女と再会する物語。20分ほどで読了できました。 明言されていないこともいくつかあるのですが、その曖昧さが本作品の魅力を高めていたようにも思います。 個人的に1番気になったのは、サリエンシーとは何かということです。脳科学の分野で実際に使われている用語のようですね。そちらの意味と合わせて考えると、サリエンシーとは、「周囲と比べて際立って見えてしまっている状態」を指すのでしょうか。主人公は高校では顕著に起こしていなかったことを考えると、周囲の環境の影響はやはりあるのでしょう。ただ、だからといって周りが変われば解決するものではなくて。彼女らは、月ステーションを出たあとも苦しみを抱えており、生きにくさは今も続いているのでしょうね……。それは、悲しいくらいどうしようもないことなんでしょうけど。それでも読者としては、彼女らに生きつづけてほしいと思ってしまいました。さまざまな考察に耐えうる、良作だと思います。
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ペンションおしぼりギャグギャグしいストーリーと小ネタ、チャーミングなキャラ、え、ここ美術館?なハイクオリティ背景、ジャストフィットなBGM、唐突に表れる選択肢と飯テロに彩られた傑作です。ツトア画伯の芸術が埋まらず何度もやり直しましたが、周回のたびに微妙に変わるので飽きません。噛めば噛むほど美味しい北海道産スルメのようなゲームでした。
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夢もすがら花嵐タイトル画面から伝わる良作感。雰囲気のある絵柄、台詞…私の考察通りだと変則的な2つのエンディングなど、予想を違えず素敵なゲームでした!あ、そして獏ちゃんが可愛いです(*'ω'*)
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ビデオレター亡き母の残したビデオレター。それだけでうるっときますが、お父さんの言動が何より心を打ちました。悲しいけれど素敵な家族愛が伝わるゲームです。
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煉獄の丘副作用あり服薬運転ダメ絶対。 どこかふわふわした印象だった煉獄が、それでも現実から地続きとなっているような人々とその感情風景を目の当たりにすることで急激に冷えていくようなシーンがすごく良いなあ、と思いました。半永久の世界であっても人間は人間。 ニシナちゃんに何となく不思議な子というイメージがあって、それが最後まで拭えないままラストシーンに至ったのですが、はたして彼女がどうしたのか非常に気になる余韻のあるラストでした。色んな解釈の幅がある書き方かなって……。 (以下ネタバレ含) 最初に言われた時に、これ、あれでは? と思ったのですが、更に詳しく聞いていくと何となく夜っぽいので時間が違うかな~、と思い直したのですが、でも、これは多分そういうこと……ですよね。 文字色の違う台詞、初見の際はそこまで気にしなかったのですが本当に数秒もしくは数瞬の差で彼女は何年もあの煉獄にいたのでしょうね。そんな彼女を本当に出会って間もない会話で心から説得できたか、と考えると、うーん。 どうせなら握るのは両手じゃなくて彼女の手の方が良かったんじゃないかな……。
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反動のクラウドレイジ-ACT1とっても演出がかっこよかったです。主にで言えば戦闘周りですが、ストーリーを補強する場面での演出も良くて、特に終盤の壁が破壊されるシーンが効果音の演出とも合わせて、すごく好きです。すごい。 最初は情報量が多くて(ちょっとした後述の文字色の件もあり)だいぶ雰囲気で読み進めていたのですが、チュートリアルが終わって自由に情報を確かめられる頃になると細部は雰囲気ながら大体は把握できるようになっていて、そこから先はすご~く面白かったです。各キャラクターも非常に魅力的で、はじめは主人公と同じ隊の新人でありながら活躍の場があれな友瀬くんも終盤ではあんなことになったり……。あまりに直球なスキル名で笑ってしまって好感度が一気に上がったので今後に期待大です。 それにしても主人公班と関係性が強くて美味しい所を持っていけて戦闘的にも最高峰の性能持ちの吉良さん、いったい前世でどんな徳を積めばこんな美味しいキャラに? 戦闘、どう動くのが最適解なのか最初は全く分かりませんでしたが、各キャラによって異なる特性と、その組み合わせによって変化する自分なりの「最適解」を手探りで出していく。レベリング等はなく必要なのは戦略で、そのぶん勝てた時の達成感も大きく楽しかったです。俺は鳥居さんで即死ガチャ!(いったい戦略とは?) 画風も世界観に非常に合っていて、あらゆる要素を積み重ねて作り上げられた独特の世界観がとても素敵でした。 ところで文字色の件って? ああ! それってチュートリアルで既読シーンの文字色が水色になり、一部、まだ読んでいない箇所も水色で表示されてしまって白メッセージウインドウなので非常に読み難くて毎回バックログで確認していた(そのぶん情報が頭に入りにくかった)……という場面があり出来れば既読の文字色変更はない方がいいな~と思いながら序盤プレイしていたのですが、その後ちょっとフリーズしたので再起動したら文字色変更がなくなってて先ほど別の端末で確認してきたら特に既読シーンの文字色変更とかないな別に! という感じだったので恐らく読み込みエラーでしたね(早口)。特に再現性等ない限りは気にしないでください……。 全体を通して非常に面白く、これから先の展開も気になる作品でした。ありがとうございました。
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シークレット・ガーデンずっと花が咲き続ける秘密の花園。そこで目が覚めた主人公と、その花園にいる人たちとの物語。全6エンド、約40分で読了しました。なお、主人公の名前は自由に入力できます。 タイトル画面の演出・全体のデザインがとてもおしゃれな作りをしており、クラシックのBGMも相まって、どこか現実世界とは違う独特の雰囲気の中で読み進めることができました。選択肢は多めで、1日の最初に(合計3日間)主人公は話したい相手を選ぶことができます。1周の時間はそんなに長くないので、快適に全てのエンドを読むことができました。 物語の部分については、最初の段階で「絶対に何かあるよな」と思いましたが、全エンド回収後は「なるほどなあ⋯⋯」と頷いてしまいました。具体的な答えが出てくるわけではありませんが、冒頭に出てくる言葉や写真の部分から自分なりに想像して、確かに「狂ってる」と言われても仕方ないだろうなと思いました。名前の入力についても伏線だったのは、個人的に驚きでした。
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サリエンシープレイしました。今までの作品で一番小説感があったなあというのが第一印象です。文章がきちんとしていて、おっと思わせる表現も多々あり、それでいて喜怒哀楽の感じられない語り口が不気味で、作品独特の空気感がうまく醸し出せていたように思います。キャラクターのどこまでも透明な表情が魅力的な作品でした。
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Rabbit Roomうさぎのケビン(と時々現れるゆかいな仲間たち)とお話をするゲームです。 話の内容は「何でもない日常」という感じで、まったりゆるゆるとした会話を楽しむことができました。 テキストのバリエーションもなかなか豊富なのでつい長居してしまいました。いつでも温かく迎えてくれる彼らが好きです。 素敵なゲームをありがとうございました!
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毎日地獄の底にいる捻くれねじくれ凄く口の悪い主人公に共感を持てるか持てないかがポイントになりそうですが、多くの人は共感と言うか「あぁこういうこと思っちゃうよなぁ」となって、するっと話の内容が入ってくる印象でした。 こう……性格悪い子良いよなって(語弊が生じる言い方) ドロドロしてるのにどこかさっぱり出来る、さっぱりしてるのに喉に絡みつく、そんな素敵な作品でした……。
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毎日地獄の底にいるみづしきさん、ありがとうございます…! 主人公、ぶっちゃけ滅茶苦茶性格が悪い子なんですけど、 だからこそ下手に言い訳というか、自己弁護させると 余計に嫌な奴になっちゃうな…と思って、言いたい事だけ言わせてやりました! おぉ…まさか主人公に感情を向けて下さる方が居たとは…! 彼女に代わってお礼を言わせて下さい、ありがとうございます! ふふふ…アレな人に好かれる人が、まともな訳が無いよなぁ…! という主義? 持ちなので、あんな感じになりました…! ギャグ系のセルフパロ続編も有りますので、もし良ければ其方もどうぞですー! https://novelgame.jp/games/show/2474
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反動のクラウドレイジ-ACT1ある事件をきっかけに『レインダスト』と呼ばれる化け物が生まれるようになってしまった世界が舞台の物語。レインダストを食い止めるために隔離された区画の中で、主人公たちはミッションをこなしていくことになります。 一言で言うと、めちゃくちゃ面白かったです。 ストーリーにはSF要素があり、用語も出てきますが、話が進むにつれてゆっくりきちんと解説してくれるので、難しくはありませんでした。簡潔な文章で読みやすく、後半の衝撃な、そして熱い展開がとってもかっこよかったです! キャラクターたちもたくさん出てくるので、最初は覚えきれないかもしれませんが、メインストーリーで活躍するキャラクターはもちろん、サブストーリーなども用意されているので、全員に愛着が湧くと思います。 『RPG』とありますがレベルアップ要素はなく、戦闘は戦略を考えて行動を選択していく感じです。ランダム要素は少ないので戦略を立てやすく、うまく味方同士の行動が噛み合う瞬間が気持ちよかったです! また、好きなキャラでパーティーを組んで戦闘できる『フリーバトル』が用意されているのですが、これが時間泥棒でした……。強いキャラだけでドリームチームを作ったり、あえて新人ちゃんたちだけで出撃してみたり! キャラクター全員、見ている方向が同じではないしても、みんな必死で戦っているからかっこいいんだろうなあと思います。続きを楽しみに待っています……!
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ゆーたん公式Twitterで「救いがある・シリアス」といわれていた作品。 @ネタバレ開始 その通りでした……。 ボイスドラマモードは字幕付きの動画を見る感覚で見られました。 特にゆーたんの声と絵の存在感が良いです。感情表現とか、ふわふわした毛並みとか。 あと、おまけの情報量…! 個人的にはこういう制作者の話見られるの好きです。読むの楽しい。 設定画面のテキストにもこだわりがあって充実してました。 @ネタバレ終了
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ゴブガリゴブガリ ゴブリンになって勇者を巣穴から追い出そう!ADVゲームブック。イラストがとても素敵でした。モンスターっぽくあり愛嬌もあり、武器やアイテムを装備したときの変化も良くとても楽しめました。フィールドも羊皮紙風に描かれて、ゴブリンの住居が雰囲気良く描かれていたのも素晴らしかったです。どのアイテムをどう使うかの試行錯誤が面白く、エンドも5つあり探すのが楽しめました。
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取調室しっかりとした文章で読ませる作品。誰が犯人か、動機は何かといった材料を過不足なく出してくれたので自然と推理することができました。エンタメ的な部分に頼らなくても読ませる文章力を感じました。
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彼女を追いかけて権力とサイコがドッキングしたらこんなことになるんだなあ…と思ってたらその上を行ってた…! 読んでいて、リアルに「エエ…!?」とビックリする声を出してしまうような展開もありつつ、私はめちゃくちゃこの主人公君が好きだと思いましたね…好きポイントを狙い撃ちされたような気がする… 確かに青春っぽさも恋愛もあって、看板に偽りなし(?)です。そしてその急転直下が癖になります…
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隣人と和解せよニアちゃんだけじゃなくてUIもすっごくうごく! カルテを表示したり、そこにも細かくSEがあったり、色んなところに拘りが見えて非常に素敵なゲームでした。 始めはスクリーンショットのニアちゃんの表情の理由が知りたくてDLしました。細かな立ち絵の動作パターンだったり、ストーリーに合ったフォントだったり、場面に合ったBGMのまま余韻を残してスタッフロールが流れるところも、どれも丁寧で惹き込まれます。そしてニアちゃんの瞬きだとか、その間だとか、笑顔もとても…とても好きです… すべてのEDを拝見しましたが、どれも予想が付かなかったりまったく別のお話になっていたり、EDタイトルですらも対比になっていたりしてすごい…好きなところがあり過ぎて文章がくどくなってしまうごめんなさい…!まずキャラデザが神…!ネタバレになるからあんまり言えないけどあれもすごい…あれ…あれですあれ…びしゅん!(なんとかして伝えたい) 何だか理想的なゲームのお手本のようでした。作るひとも楽しむひともぜひぜひプレイして頂きたい一作です。
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電脳天使心中甘く切ない心中物語。live2D的に動くアマツカさんがとてもかわいい。 人生に行き詰まった閉塞感や苦しみと、対比的に描かれるアマツカさんの優しさや全肯定感は甘く陶酔的で、どちらの描写も素晴らしい。アマツカさんの表情の変化やスチルが豊富でとても良い。
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不思議の国のアリスとありすLive2Dで動くキャラクターがかわいく、デザインがとても良い。 主人公を選択でき謎解きの選択といったゲーム性が楽しめました。キャラクター同士の甘酸っぱい関係性が素敵でした。 誤字や表記揺れが多かったのが少し気になりました。キャラやゲーム性が良い分とてももったいなく思います。
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僕と君は、希う。親友とふたりで夜の神社に行くことからはじまるお話。全部で30分ほどで読了できました。ふたりの関係性の描き方をが大変よいです。お互いを思いあっているのが感じられました。本作品は静かな舞台で展開され、登場人物はふたりだけしかいません。だからこそ、ふたりのそうした雰囲気が際立って見えたのかなとも思いました。イラストは後半に出てきますが、前半にあえて出さなかったのも良かったと思います。途中、ある事実が明らかになったときは少し驚きました。ふたりとも幸せになってほしいなあ……。