heart

search

コメント一覧

63053 のレビュー
  • 椿堂ノ火
    椿堂ノ火
    入りから、没入感がとても高く、一気に物語の虜になりました。 音楽、花火が上がる音、訛りのある父との会話、全てが溶け合って世界観を作り上げていました。 自慢の息子、という父の言葉にーー。 文体は自然と頭に入る、丁寧に書かれてなおかつ読みやすい書き方で小説を読んでいるように感じるのですが、画面や音楽と合わせるとドラマや映画を観ている気分になる、すごく立体的な作品でした。 過去と今、その移り変わりの描写に強く胸を打たれると共に、散らばったいくつもの言葉がどんどん繋がり形を作る、シナリオの作り方に魅了されました。 @ネタバレ開始 物語のあちこちに、親子の姿が描かれているのがとても印象的で、主人公がどんな気持ちで彼らを見ているのか…と思わず考えてしまいました。 病院に、11年も会わずにいた父を訪ねる理由、なんとなく想像がつくだけに、主人公と一緒で、病室に入るまで緊張していました。 余命幾許か、という想像をしていましたが、認知症を患ってしまっている様子。長く会わなかった父に対する描写に、その光景がありありと浮かんでくるようです。 父になんとも言い難い感情を持ちつつも、相手はすでに自分のことを覚えていない。その目は自分を映さない。やるせない気持ちでいっぱいになります。 花火の音とともに蘇る、父との祭りの記憶。 ひとつひとつの小さなやりとりに、二人のささやかな幸せがあり、今との対比で感情が掻き乱されました。 いつかははぐれて父に探してもらったのが、今度ははぐれた父を探す。 そして、一度は死んでほしい、消えてほしいと願った父の非常時に、それでも必死に走る。 本当は許したくて、けどそれができなくて、嫌いになりたくてなりきれなくて、どうにもならないけど、このままでいいと思えない。そんな気持ちが痛烈に伝わってきました。 息子と呼ばれることが辛かった、この人たちなら、大好きな父ならわかってくれるだろうと思ったのに裏切られた。主人公の悲しい過去も見ると、どちらが悪いとは言えないです。 けど、きっとあの女の子のお面は…。 お父さんは、主人公を深く愛して、もういいんだと、自分らしくあっていいと思ったから、それをほしがったのだと思うと辛くてたまりません。 お父さんは、もうとっくに認めていたんですね。 自慢の娘、ゆとりをもって生きてほしい、周りがこの子を許すように。その意味を知る頃、もう愛してくれたその人はいない。 それでも、そうだとしても、最後に二人が向き合えたこと、伝えたかったことが届いたこと、それだけは本当に救いだと思えました。 これからの主人公はきっと、自分のことも、自分が父を大好きだったことも、その名前もすべて認めて生きていける。そうであってほしいです。 @ネタバレ終了
  • Re:Bus
    Re:Bus
    画面デザインがすごく美しくてついプレイしてしまいました。内容も惹き込まれる展開ですごくよかったです。あのダイアログが出るところでものすごく考えさせられました。 あの湖のシーンがとても好きです。
  • 転生したら記憶喪失でカレー屋だった件
    転生したら記憶喪失でカレー屋だった件
     冒頭から周到な伏線が貼ってあり、意外な展開に驚きました。カレーに関する蘊蓄クイズも楽しめ、キャラも可愛く、かなり満足度の高い作品でした。幸智ちゃん可愛い。異世界転生や記憶喪失といった題材の調理の仕方が上手く、魅せ方がユニークで、とても印象に残る作品でした。素敵な作品をありがとうございました。
  • ハッピードリームシンドローム
    ハッピードリームシンドローム
    絵が好きだったのでやってみましたがシナリオも凄く良かったです。 始まりからどんな謎があるんだろうと興味を持って読むことができ、中だるみもなく最後まで楽しむことができました。 キャラクターも変わったところはありつつ、ただ変わってるだけではない感じが凄く良かったです。だからこそテンポを犠牲にするので難しいかもですがそれぞれのキャラの日常を読みたかったです。 全部の内容が分かった後にもう一度やってみるとあそこはああいうシーンだったんだなーと分かると同時に初見ではいいシーンだと思ったのに……という怖さもありました。 いろいろなところが凄く作り込まれているノベルゲーム。凄くおすすめです。
  • 片付けられない女
    片付けられない女
    アルパカが、アルパカがこっちを見てる……! ダークな画面の中ひときわ目立つ存在でした。 ホラーは苦手なのですが、アルパカに強い関心を抱きまして 今回プレイさせていただきました。 @ネタバレ開始 怖いエンドもありましたが、 トゥルーエンドまでクリアして 思春期の女の子がもつ悩みや苦しみを描いた、 悲しくて切ないお話でもあるのだなあと感銘を受けました。 最後、主人公が前を向くことができてよかったです。 @ネタバレ終了 ありがとうございました!
  • 瓶の中の声
    瓶の中の声
    耳が聞こえない主人公の設定に合わせて、無音で進む物語。 @ネタバレ開始 一馬くん、本当にイケボだったんですねw ずっと暗い感じの晴喜君が、物語中に少しづつ表情に変化が出て、END4でみんなと楽しく過ごしている様子で良かったです。 @ネタバレ終了 静寂の中だからこそ、より人との関りが濃く印象付く作品でした。 最後、そしてこの後も心暖かく過ごしていくのだろうなと優しくなれる内容でした。
  • 止水 -しすい-
    止水 -しすい-
    まずは、タイトル画面のこちらを覗いてる止水ちゃんにヤラれてしまいました(>_<) もうそのあとは、何かする度に可愛らしくてそれだけでも大ご馳走でした♪ そして、背景画が動く演出が映画のワンシーンの様で見入ってしまいました。 プレイ後は、おまけや画像観覧を見ながら余韻に浸っていました! たくさん心を温かくしてくれたシーンがありました。 @ネタバレ開始 止水ちゃんの了君を愛する気持ちと了君が止水ちゃんを愛する気持ちがとても心地よくて...。 王様ゲームの時の止水ちゃんのつい『ダメー!』と言ってしまうところとか、 奇跡の章では、こちらが恥ずかしくなってしまうような、2人のやり取り(*^_^*) このままずっとこの奇跡が続いて欲しいと思う反面、最初に見てしまった、止水ちゃんの永遠に眠る姿がずっと頭にあり、 いつかは・・・(/ω\)と続きを読むのが怖くなったりもしました。 一時は、幼い頃の了君が犯してしまった出来事で、止水ちゃんを苦しめていた事を知ってしまって、了君も苦しかったことと思います。 しかし、トゥルーエンドでは嬉しくて泣いてしまいました。 とても奇麗な2人の終わり方。 感動しました。 それから、ずっとプレイ中『珍しい名前だなぁ』って思っていたので、十章のタイトルを見たときに何故か鳥肌が立ちました。 @ネタバレ終了 時にはワクワクする気持ちになったり、時には真相が知りたくて読むスピードがメチャクチャ早くなってたり(*'▽') とても楽しい時間をありがとうございました。
  • 誰彼の町に眠る∞-メビウス-
    誰彼の町に眠る∞-メビウス-
    華美というよりはあっさりめの、それでいて美しく整った(個人的に)好みの絵柄と、懐かしみを感じる和風の世界観。 横たわる、変えられない掟とそれぞれのしがらみ。 その中で、どこか切なく、温かい物語が紡がれます。 読みやすい文体で、最初の導入、日常部分からして引き込まれる力を感じました。テンポも良く、状況が流れるように、それでいて必要な説明はきちんとされており、魅力的な文章だと思います。 【第一章】ということなので、多少の謎は残りますが、事件としては完結していると思います。 謎解きはさほど難しくない(総当たりでも行ける)ので、ファンタジーミステリを読み進める感覚でしょうか。 @ネタバレ開始 ケガレという設定が面白いです。 黒葉と黄珀のことも、黒幕の正体も、もっと深く知りたくなります。 それにしても、ヒトの記憶をもてあそぶとは、許すまじ……! @ネタバレ終了 この先どうなって行くのか楽しみです。ありがとうございました。
  • 椿堂ノ火
    椿堂ノ火
    雰囲気が素敵でずっと気になっていた作品です。 私は30分ほどで読了いたしました。 まるで映画を一本観終わったような充足感がありました。 一人称でつづられたお話で文章の美しさ、 構成力や表現力の高さを感じました。 グラフィックも物語を過不足なくひきたてていて とてもよかったです。 @ネタバレ開始 幼い頃、大好きだった父親との、縁日での思い出。 11年振りの帰省。 まるで別人のように変わり果ててしまった父親。 悲しさと愛しさと後ろめたさ。 そして父親に対するやるせなさ。 読んでいて大変身につまされました。 疎遠になった理由が語られて、腑に落ちるものがありました。 父と子、どちらの気持ちもわかるかもしれません。 誰も悪くないのに……。 和解のためには距離や時間が必要だったのかもしれないと思いました。 そして終盤では涙がとまらなくなりました。 仮面の真実、そして娘に捧げる名前。 いまも余韻が強く残っています。 @ネタバレ終了 主人公のこれまでの人生を追体験するかのような、 濃密なひとときを過ごすことができました。 ありがとうございました。
  • 負け犬の癖に吠えるな
    負け犬の癖に吠えるな
    以前から気になっていたこちらの作品をやらせていただきました。 注意書きにある通り、暴言、暴力、いじめ、犯罪…あらゆるものが詰め込まれているメンヘラ美咲兄さんに優太くんが立ち向かう物語になっています。 @ネタバレ開始 美咲兄さんに終始イライラしながら早く報いを受けてほしいと思ってました。スカッと展開を見たくて優太くんがしぬエンドを先に見ました。優太くんは多分この先も美咲兄さんに囚われ続けるのでしょうか…。優太くんが幸せになるエンドを見たいです。
  • 「あなたへ会いに」
    「あなたへ会いに」
    宣伝でお見かけして気になり、まずは一番好みの後輩ちゃんルートをプレイしました! イラストからは想像できないほど、なかなかにハードな百合でしたが、すごく良かったです。 @ネタバレ開始 動画で拝見した時から、詩乃ちゃんがとっても可愛い…! しかも天才肌の後輩なんて、もう美味しいとしか言いようがないですね。 そんな彼女と秘密のお茶会、この2人だけの秘密というシチュエーションがたまらなく好き。 ぼっちな主人公とみんなに愛される女の子、誰も2人に接点があるなんて思わない。 個人的に、男装詩乃ちゃんめちゃくちゃ好み! これは違う意味で襲われてしまう…。 出会いからかなり衝撃的で、優等生な詩乃ちゃんが隠す『愛されない』部分を少しずつ知っていく、段々と仄暗くなっていく展開に違うドキドキも止まりませんでした。 みんなが好きでいてくれるのは、良い子の私だけ、誰も本当の私を好きになってくれない。 詩乃ちゃんの根底にあるこの感情が、苦しくなるくらい伝わってきて、それを受け入れよう、愛してあげようとしても、そうすればするほどいつかはその相手が離れてしまう不安に襲われる。 詩乃ちゃんの心の描写がとても上手く、ただのヤンデレにおさまらないところがまた良かったです! 作者さんの百合と病みへの理解と愛が伝わってきました。 ラストは心中を受け入れる方から見ました(正直、受け入れたらバッドエンドと思っていたのですが…まだまだ私は理解が足りてなかった)どんな彼女でも受け入れる、否定しない、その気持ちにグッときました。 これが今の2人の最高の幸せとわかっていても、もう少し早く出会えていたら、何か変わったのではないかと思わずにいられませんでした。 ラストのスチルは本当に印象的です! 受けきれなかったエンドは、これはこれで本当にヤバい。安易に主人公が突き飛ばされて死ぬとかではなく、詩乃ちゃんを突き飛ばして、ずっと彼女の幻影と共にあり続ける。ある意味一番辛い展開ですね。   @ネタバレ終了 可愛い後輩が大好きなのですが、彼女の心や幸せのあり方を覗き見て、かなり心にきました。 ホラー耐性が低めの私でも大丈夫でしたので、ホラーな百合が見たい方にオススメ! 安直な百合、病み、ホラー、ヤンデレという言葉で表現しきれない、リアルな女の子がそこにいます。 1ルートのみクリアですが、他2人とオマケも気になるのでいずれフルコンプしたいです…! 素敵な作品ありがとうございます!
  • 混同仮面
    混同仮面
    いろんな方の感想を拝見して、ニチアサ特撮大好きな身としてぜひプレイしたい…! と思っていました。 タイトル画面からワクワクが止まりません、やはりいくつになっても少年の心はなくなりませんね! 提供で使用素材などを出すのも、遊び心があってたまらないです。 セーブ画面もはちゃめちゃ、この世界観、クセになります。 以外、ほとんどツッコミです。 @ネタバレ開始 唐突に始まった青空の下のすっぽんすっぽん!! いやん、悪に堕ちちゃう!! これで笑わないヤツおるん?  きゃー!! 正義の味方よー! って近藤さんの家から出てきとる、身バレ! 身バレ! 性戯は…あっ! これ、朝に放送して、お母さんが赤面しちゃう流れだ!! 混同仮面、なかなかバイオレンスなんですが、ヤバいよヤバいよ、今時の若い子はすぐキレるから! 半裸の少年まで犠牲に…って、混同仮面、ドーテー拗らせすぎの男子なんですけど!? いや、美しいショタは国の宝なので、ダメですね、それはダメです。イエスショタ、ノータッチ。 え、ショタじゃない!? 私のショタストライクゾーンに入ったので、いいんです。 画面いっぱいのお気持ち表明、混同仮面…そんなにやさぐれるなよ、だからモテないんだぞ。 すっぽん男のせいで、ショタが!! アーッ!! もう淫語飛び交いすぎて、ナニから突っ込んでいいか全く分からない。 一つ言えるのが、混同仮面はまったく正義の味方ではないということだけです! 唐突に画面の前のお友達に解説始まったー! 文字だけで混同仮面、呼ばれたと錯覚しちゃうとか、拗らせすぎの極み。 ゲーム性もあり、これがなかなか面白かったです! 最後の一回はなかなかハードでした。 そして、バッドエンドがバッドエンドなんだかなんなんだか、よく分からない(笑) って、まさかのまたすっぽん!! おかわり!! なんと、保健室の美女がっ! そして青年がどんどんヤバくなっていく、みんな大好き黒船!! 最後いい感じになるのかと思いきや、面白バレリーナの刑!! @ネタバレ終了 ギリギリを攻めすぎて、もはや何がアウトで何がセーフかも分かりませんが、面白ければ問題ないのだ…!  クリア後には、なぜか混同仮面が恋しく思え…るような思ないような、ですが独特の世界観はクセになること間違いなしです。 ミニゲームも凝っていて、ついムキになってしまいました!  素敵な作品ありがとうございます!
  • ヤ〇〇ン民族の大移動と史家タキトゥス
    ヤ〇〇ン民族の大移動と史家タキトゥス
    プレイ当初は◯◯に入る言葉が分からなかったのですが、なるほど…!! これは斬新! 歴史のお勉強が大の苦手だった私、元ネタについてはほとんど知識ゼロの状態でしたが、とても楽しめました…! オープニングはわぁ〜ぉな表現はありませんが、今風の言葉を使いつつ、歴史に沿った内容で書かれているのだなというのが伝わり、すごく分かりやすかったです。 タキトゥスはオローマを愛する人だったのですね(決意に燃える彼が、後にドキドキ体験をすることになるとは…)イラストヤトス、いい奴。 ここからはタキトゥス君の妄想かな!? と思うほどの、わぁ〜ぉな展開の連続で、青少年がドキドキしながら手で顔を覆い隠しつつ、指の隙間からチラチラ見ちゃうような美女との非常交流がスタートします。 @ネタバレ開始 バリバリのわぁ〜ぉ表現というより、なんとなく察する感じのシナリオなのですが、ルビの振り方などがとにかく秀逸です。 見聞深まっちゃうし、うさぎさんが純粋なお目目で見ちゃうし、一句読んじゃうし。 ママミーヌさんは絶対その手の人に好かれる…。女神さまもにっこり。 ちゃんと選択肢でストーリー変わるのがすごいですし、手がこんでます! シルデリクさんの直球ストレートな感じが好きですね…! @ネタバレ終了 クリア後はおまけ要素もたっぷりあって、歴史が好きな方なら二度と楽しめる内容になっています! パロディ表現がとにかく面白いし、これだけ考えつく作者さんのセンスに脱帽です。 現代と歴史の奏でるハーモニー、とてもむふふでわぁ〜ぉな感じで良かったです…!
  • 夢限のヤミ
    夢限のヤミ
    突如届いた一通の手紙、それを破ってしまったら…気付けばそこは真っ暗な世界、ヤミと名乗る少年と二人ぼっちの始まりでした。 @ネタバレ開始 知らない場所に知らない人と、というとホラーなのですが、ヤミ君がその見た目に反して明るく、こちらに気を遣ってくれる優しい子なのでまったく怖いとは思わず、むしろ居心地の良さを感じます。 闇は怖いイメージが先行してしまいますが、優しい暗さは落ち着くんですよね。それが見事にハマっていて、彼と会話をしていると不覚にもずっとここにいたいなーという気持ちになりました。 ヤミ君の表情がまたコロコロ変わるのですが、寂しそうだったり、嬉しそうだったり、悪戯っぽかったり、色合いが短調でも、とても表情豊かで親近感がわきます。 部屋にあるものを色々見せてくれるのですが、時折見せる寂しそうな顔が、とにかく印象的です。 ついに外に出られる、ヤミ君と別れてしまったけれど、彼にもお迎えがやってきました。 本当の名前と両親…彼は一体何者だったのか、謎が深まる終わりでした。 二周目の途中から、太陽という人物が(人ではないけど)現れます。 ずっと黒の世界にいたので、その明るい髪が強く残るとても綺麗な人です。ヤミ君のことを気にかけている様子、また謎が増えました。 今度は出て行かない選択をしましたが、まだまだ分からないことだらけ、しかしタイトルに変化が。 今度は間違えるな、太陽に言われてもう一度ヤミ君の元へと向かいます。 最後に、今度は一緒にここを出て行くことを選べるように。 ヤミ君はーー光り輝くような、綺麗な少年でした。その笑顔が本当に眩しくて堪らなくて、ああ良かったと、約束を破ってくれたことを嬉しく思いました。 悪魔に魂を狙われてしまった少年と、彼を守るためにこの世界に連れてきた太陽、二度目の闇の中でも思いましたが、太陽はヤミ君が本当に大好きなんですね。 けど『やくそく』を破ってしまったことで、契約はおしまい、もう太陽の役目は終わり、大切な彼は本当の光の元へ出て行ってしまった。ずっと見守っていたかった、その言葉が胸にただただ残ります。 プレイヤーはヤミ君にとっての何者なのか…ヤミ君を連れ出したそれは善なのか、それとも。 ヤミ君がプレイヤーに対し、悔しいと言ったことも気にかかるし、考察が捗る作品ですね。 @ネタバレ終了 進行状況で変化するストーリーやイラストがよく、白と黒の対比がとても印象的でした。 バッジ取得後、アルバムに空白があるので気になって選択肢まで行きましたが、その仕掛けといいますか、そこでもとても良いものを見せてもらったなと思いました!
  • ブラックコーヒー
    ブラックコーヒー
    一度読了後、ショートケーキを読んで戻ってまいりました。 チャプターを読むごとに出てくるアイコンもオシャレですし、コーヒーをいれる音が印象的です。 それぞれの作品で視点が別になりますが、それがとても良かったですね。ショートケーキの『君』の視点から、あの時のことが語られるのがまたよいです。 @ネタバレ開始 誕生日のこと、運命と感じたあとの再会。 二度の偶然は運命、そして運ばれてきたケーキへの思いが重なって必然だなぁと感じました。 二人にとって、あの出来事は忘れられないものだったのだと思い、変わってしまう中に変わらないものがあってよかったです。 それでも、初恋は実らないーーというジンクスに、一歩を踏み出せずに終わる。これもまた、ある意味リアルでしんみりしました。 二人揃って二次会を断り、思い出のあの店へ。 彼の目線の新郎新婦の話を聞き、新郎が新婦にずっと思いを寄せていたと知り、例のジンクスに対する考えが変わっていくのがいいですね。 大人になった二人はコーヒーを注文。 飲み慣れていないコーヒーを前に緊張する私に、ブラックコーヒーはショートケーキと合うのだと教えてくれる彼。 最後の一文が、とても素敵ーーきっとこの恋は甘い身をつけるでしょう。 @ネタバレ終了 二人の微妙な距離感と会話、変わるものと変わらないもの、それらが繊細な文章になって綴られている作品でした。 ショートケーキとのマリアージュを楽しんでほしいと思える素敵な作品です!
  • ショートケーキ
    ショートケーキ
    分岐が一つの掌編、ブラックコーヒーを読んでそれからこちらを読ませていただきました。 こちらを読むことで、よりブラックコーヒーの深みが出る、互いに引き立て合うショートケーキとブラックコーヒーの関係性のような作品でした。 主人公と君の少し喋るくらいのクラスメイト、という関係性が絶妙に表れていて、いちごみたいに爽やかで甘酸っぱい味わいの文章に、久しぶりに学生に戻った気持ちになれました! @ネタバレ終了 今は、注文している飲み物が紅茶であることに、続編でここから二人が大人になった、ということが出ていて良かったです!  @ネタバレ開始 短いながらも、とてもよい作品でした。
  • 少女の時空皆既日食
    少女の時空皆既日食
    面白そうな内容と可愛らしいキャラクター、気になってゲームをプレイすると、見やすくおしゃれなタイトル画面が出迎えてくれます。 メニューの画面も、本当に綺麗で本編のワクワク感を高めてくれるのがいいです! 細かいところながら、こだわってる作品は素敵ですね。 また、作者様の他作品でも感じましたが、短い中にもスチルが豊富で没入感が高いです。 @ネタバレ開始 ややシャイな印象の主人公陽介くん、彼が出会ったのは夜空のような女の子メリーちゃん。ボーイミーツガールで居候、イイ! 小さな女の子がちょっと偉そうな口調で喋るのが、たまらなく可愛い! 威嚇のポーズも可愛い! こんな可愛らしい来訪者なら私はいつでもウェルカムですよ…! スマホのやり取り、これはすごい! ぬるぬる動いてる…いろんな作品でスマホのメッセージ表現を見てきましたが、これには感動しました。 陽介君、事情があるようですが、頑なに外に出たがらない。学校にも行っていないようです。 ゆづきちゃん…笑って何かを隠す癖があるのかな。 本当は陽介君が心配なんでしょうね。 メリーに連れられ街に出かけた先で、人懐っこい笑みの少年に出会います。暦君、すごい可愛い!  暦君には多少話せる陽介君、誕生日を祝われてちょっとだけ嬉しそうでホッとしました。 右目が見えていない…その時の表現が、システム画面のものでここもすごくよくできていると思いました。 関係ないと突っぱねる陽介君に、みかただというメリーちゃんの言葉が沁みて、思わずほろりとしました。 メリーちゃんの強引な提案により、ゆづきちゃんと暦君に連絡することに。 ゆづきちゃんをお招きしましたが、ゆづきちゃんのお洋服とっても可愛いデザイン! 月の満ち欠けがモチーフでいいですね。 ぎこちなかった二人の会話が徐々に自然になっていくのが、と思ったらゆづきちゃん、いじめられている!? え、許せん、こんな可愛く健気な女の子をいじめるとは、不届きものめ!! そう思った矢先に暦君がゆづきちゃんに詰め寄っている場面にでくわしてしまいます。 自分が蓋をしてきたものに気付き、悩み始める陽介君、3人の関係が壊れてしまったのが本当に悲しくてたまらないです。 メリーちゃんに、あんまりうまく育てなかったと、そう言って笑う陽介君、切なすぎる。 でも、メリーちゃんと出会えて、前向きな気持ちが持てた陽介君。きっと未来は明るいです。 多分こちらがノーマルエンドかな?と思ったので選択肢を変えてやり直してみました。 ゆづきちゃんをいじめるなんて!! 池に落とされてしまった彼女を助ける陽介君、暦君も3人が一歩を踏み出せたこと、メリーちゃんとの出会いでギクシャクしてしまった関係が変わって本当に良かった。この辺りはボロボロ泣いてしまいました。 縁は、絆は大事にしてほしいですね。たくさんの人の中で、出会えたことは奇跡ですから。 メリーちゃん、ずっと宙から見守っていてね。最後のスチルがとても良かったです!  @ネタバレ終了 とにかく細かなところまで行き届いていて、世界観を画面いっぱいに伝えてくれます。デフォルメのアイキャッチも可愛らしいです。画面を見ているだけでいろんな発見がある作品でした。 優しい気持ちに、温かい思いに包まれる、素敵なシナリオを堪能しました。ありがとうございます!
  • うさことちゃん
    うさことちゃん
    うさぎと少女の他愛もない会話で最初からほんわかしました でも、最後の辺りはうるっとする作品でした イラストが可愛くて好きです♪ 素敵な作品をありがとうございました!!
  • じごくのインターネッツ
    じごくのインターネッツ
     とても面白かったです! フリーとは思えないほどゲームのUIも完成されていて、キャラクターも可愛く、あるある! なネットネタも楽しかったです。  ラストの分岐もそれぞれに印象的で、インターネットとの恐ろしさ、奥深さが伝わってきました。インターネット×オカルトという斬新な切り口が素敵な作品でした。
  • 交響曲第十番「融合」
    交響曲第十番「融合」
    プレイ致しました。 ノスタルジーにして、しっとりとした物語が奏でられていく物語です。 話が流れて行くにつれて官能な響きを見せるのですが、いやらしさはなく文学的な物語が好きな方にはオススメです。 追記。 シナリオの書き方が違うので一見、前作とのギャップがあるようにみえますが、シナリオ作者のえちちさは健在なのでその点も是非堪能して頂きたい作品です。