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63003 のレビュー
  • 名もない吐息
    名もない吐息
    1時間ほどで読了できました。 自分も“青春後“を生きていることもあってか、大変興味深く読ませて頂きました。人によっては「子供っぽい」、「甘えている」と評価するかもしれない、でも、誰かにとっては切実な「生きづらさ」を大切に扱った作品だと感じました。 @ネタバレ開始 読んでいて最初に面白いと感じたのは、2人の距離感の描き方でした。2人が、腹のうちを探り合いつつも少しずつ近づいていく感じがよく伝わってきました。こうしたリアルな雰囲気を丁寧に描写していたからこそ、彼らが時折見せる大胆な行動が特別なものに見えたのだと思います。 2人の心理が変化していく様子は、大変興味深く読ませて頂きました。 個人的には、直井の心理に共感を覚えることが多かったです。彼には理想の大人像があったこと、そして、それに比べて自分は平凡だと思い知らされてきたことが、文章の端々から伝わってきました。当初の彼の中には、「このままで生きていくのは嫌だ」という思いがあったのではないかと思います。鴨野さんに対する、随分と思い切った行動がそれを示しているように感じられました。 また、鴨野さんの中にも、「平凡な自分を認めたくない」という思いが多少なりともあったんじゃないかな、と感じます。 鴨野さんは、「溜息に名前を付ける」という言葉をかなり気に入ります。ここからは個人的な解釈ですが、「溜息に名前を付ける」とは、自分の今の苦悩を特別なものとして扱うことを意味しているのかなと思いました。終盤の彼らは、「自分の切実な悩みも実はありふれたもので、自分は平凡なことで悩む平凡な存在なのだ」と思い知らされたのではないかと思います。いよいよそれを受け入れるしかなくなって出てきた言葉が、「溜息に名前があればいいんですけどね」というセリフだったのかもなあ、なんて思いました。 個人的には、彼らが時折見せてくれるユーモアに救われる心地がしました。「ため息に名前を付ける」なんて考えたことなかったですね(笑) 直井も作中で同じようなことを言っていましたが、こういうささやかな彩りが“青春後”を生きる上で大切なんだろうなと思います。 『自分は平凡である。それこそ、名もない吐息みたいに、特別でも何でもない存在である。それを受け入れて、生きていかねばならない』 僕は、本作品からそんなメッセージを受け取りました。 “青春後”の悲しみにそっと寄り添ってくれるような、素敵な作品だったと思います。ありがとうございました。
  • ロストフレンド
    ロストフレンド
    シナリオ冒頭の吸引力を是非味わってもらいたい作品。 2つのエンディングとエピローグ合わせて40分で読了しました。 全体を通して導線がしっかりと繋がれているので、すっと心に入ってきやすい物語でした。 @ネタバレ開始 よし、ネタバレコメントだから誰も見てないな? 紹介スクリーンショット2枚目の翠姉ちゃんの綺麗な絶対領域を見てプレイを始めました! しかし碧人くん、絶対モテるでしょ!?顔も性格もイケメンだよ!?周りの女の子は節穴だらけか!? などと思いながら、翠という高レベルな姉が近くにいることで理想が高いがために異性に興味ないんじゃないかなと思っちゃいました。 しかも掛け算の順序を気軽に話し合える同士がいてコスプレまでこなす姉。オタクとしてもハイスペック。寸分の隙もない。 と、そんな姉弟を実にうまく使った物語でした。 最後の選択肢の分かれ目は、両方読んで唸らせられました。 そうなんだよ。誰かに頼ることは全然悪くないことなんだよ…! 最後に、碧人と汐音お互い涙を流すシーンのカットが素晴らしかったです。 @ネタバレ終了
  • GHOSTEACHER
    GHOSTEACHER
    キャラがとても魅力的!応援してます!!
  • ろりこん
    ろりこん
    ものすごい疾走感でした。タイトルから予想したものよりかなり斜め上のぶっ飛んだ展開で、しかしある意味理路整然としたストーリーは謎の説得力がありました。いったいどんな人生経験を積んだらこのようなゲームが作れるのでしょうか……。めちゃめちゃ面白かったです!
  • 妖精の夜
    妖精の夜
    正直私には難しかったですが、何とも言えない味わいのある作品でした! オールドバラッドやスカボローフェアなど色々ググってから読み直したり、じっくり堪能♪ 「え、これがお兄さん?」と普通ならつっこみそうなところですが、クロスオーバー作品とのことで普通に進んでいくのが後から考えると面白かったり。見た目や話も個性的なみなさん、かなり好きです。 キャラクターイラストの使い方も私は見たことが無い使い方で惹かれるものがありましたし、純粋に絵が素敵。背景イラストやBGMなど演出面も美しくて良かったです。 素敵な作品をありがとうございました(*´ω`*)
  • 真夜中の学校
    真夜中の学校
    「真夜中のお散歩」から続けてプレイさせて頂きました。 怪異に対する視点や考察、日記の内容が自分好みで好きな作品でした! @ネタバレ開始 人間が一番の怪異なのかもしれませんね。 ヒナちゃんがなにをしたというんだ! ……なにもしてなくても、なんでもできちゃうのが人間か……。 黄色いあの人(?)は楽しんでるようで良かったですw @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございます。
  • 夏盛の花
    夏盛の花
    ブーゲンビリアルートをクリアいたしました。 このお花は個人的にも好きでして(沢山の方に広がると良いなぁ)、どんな話なのかワクワクして読み進めました。 花言葉を巧みに使いつつ、本編では登場していない花言葉にも沿っていて、お洒落な作品だなぁと思いました。 別のルートもアップデートされるとの事でしたので、楽しみにしています!
  • 指先で世界を見る
    指先で世界を見る
    優秀なテニス部のエースに、実は裏があるのではないか、と噂が立つところから始まる話。 どこか閉塞感のある学校という空間だからこそ、その噂に「いかにもありそう」な感じを与えてくれます。 開始数行で意識を引っ張られたので、見事な導入だと思いました。 複数人の視点から物語を描いていますが、それによって最初に提示された謎が徐々に輪郭を持って実際の形になっていくのが構成の妙ですね。 @ネタバレ開始 そして、終始不穏な空気感の物語でありながら、最後は意外なほど明るい結末を迎えます。問題自体は何も解決していないのですが、それも含めての綺麗な読後感に感動しました。 キャラクター名が記号なのも、匿名であることがテーマと噛み合っていて良かったと思います。 作者様によれば、どうやらエンド曲が2種類あるようなのですが、これは穏やかな曲が流れたからこその読後感だったと思うので、ここで印象が変わってしまうのは少し勿体ないかな、という気もしました。 @ネタバレ終了
  • 君は夜明けの星になる
    君は夜明けの星になる
    昼しか存在ない『太陽の国』と、夜しか存在ない『月の国』の2つが存在する世界。太陽の国で生まれ育った主人公のミア(名前変更可能)は、ある日2つの国の間に位置する場所で『月の国』の王子のルカと出会う。そこから始まる恋愛ファンタジー物語です。攻略対象は2人で、全4エンド。全てのエンドを見た後に開放される追加シナリオを含めて、2時間程度で完走しました。自分はルカ→ジオンのルート順で読みました。 @ネタバレ開始 とても面白かったです!世界観・グラフィック・音楽など、全部がとても綺麗で、どちらのハッピーエンドも温かい気持ちで読み終えることができました。登場人物たちの恋愛を主軸に置きつつ、それぞれのルートでファンタジーの世界観を掘り下げていくという先が気になる構成をしており、全ルート一気に駆け抜けてしまいました。 登場人物はみんな好感の持てるキャラクターで、それぞれの境遇に苦悩しながらも突き進んでいく姿を、応援しながら(時にはハラハラしながら)読んでいきました。太陽を象徴するようなミアの明るい性格とか、踊っている時のルカの柔らかい表情とか、城内でミアを守るジオンの格好良い姿とか、印象に残った部分はたくさんありました。素敵な作品をありがとうございました!
  • 螺旋卵形線チェルアルコ
    螺旋卵形線チェルアルコ
    まだプレイしてない方は、たっぷり時間を用意して一気にプレイしてほしい…そんな作品です。 私は「少しずつ楽しもう」と思ってプレイを始めたのですが、時間を忘れて一気にプレイしてしまいました。 世界観もキャラクターもイラストも全てが素敵で…本当に面白かったです! 切なくも美しい、素敵な作品を本当にありがとうございました…!!!
  • Paint Over
    Paint Over
    背景が非常に魅力的な作品です。私は美術に知識や理解などは持ち合わせてはいませんが、しかし創作活動で何かを表現しようと模索する者としては、どこか通じるものがありました。 @ネタバレ開始 桜井先生がおっしゃっていた「悩んだ方がいい」という言葉は、個人的にかなり好きです。悩むという行為は引っかかるところがあるからするわけで、つまりはそれだけ真剣だということだと思います。加えて、悩むこと自体はそれほど嫌われるものではないと思います。かくいう私も何かを思っては悩み、なんとなくの糸口を見つけて解消したくせに、またすぐ次の何かに悩み始めるなど、もう悩みまくっています。気負いすぎるのがあまりよくないというだけで、悩むということにはきっといい面もありますよね。あとそれを「かゆい」と表現するのは、相沢くんらしくていいなと思いました。私も使おうかな。 また、牧野さんが言っていたように、さばっと見切りをつけるもよしですね。そこは好きにしたらいいと思います。まああの眼差しが語るものはそこではないでしょうが、しかし相沢くんも感じていたように、あれは決して嘘ではないと思います。本心だからこそ、あれだけ重みのある言葉になるのだと思います。 そして現実の壮麗さを見て、Paint Overという答えにいくの、ほんとかっこいい。自分の理想とする四季の情景を描くために、とか言っていたのに、理想を押し上げられてもなお向かう。というよりむしろ燃えているところが、正に追い求める者だと感じました。 「あなたの今の絵、あたしは本当に好きだから」 ああ本当に、表現者というものはかっこいい。 理想と現実の対比が今作の大きな部分だと思いましたが、ここからは物語の枠にとどまらない強烈な熱を感じました。そして"実る寒空の下、"の心地よい余韻。この作品好きです。 @ネタバレ終了 ありがとうございました。
  • カペル-Caper-
    カペル-Caper-
    同じ世界背景を共有する、7つの違うお話。 それぞれが独立したお話なのか、実は繋がっているのか…… 説明にあるように、考察好きな方には無限に世界が広がりそうなゲームだと感じました。 この「ナニモノ」か、優しい!
  • エルシェの少年
    エルシェの少年
    とても面白かったです エルシェの過去について考察するのが楽しかったです。 他のゲームもプレイしてみたいと思いました!
  • パーソナル・スペース
    パーソナル・スペース
    壮大な宇宙ロマンの下に繰り広げられる純愛ストーリー。シロエの一途な想い!届け!と応援したくなりました。時系列はザッピングされていますが、全くバラバラというわけでもなく、丁寧な説明があってわかり易いです。飛ばされた空白の時間に何があったか早く知りたいという気持ちで読み進めました。私もラズリがリンゴを食べるシーンが好きです! @ネタバレ開始 シロエが、自分は人間であると自信を持っている描写がとても好きでした。クロハの言葉をとても大切にしているなあと。 @ネタバレ終了
  • このボタンを押すとテュティパティし出す
    このボタンを押すとテュティパティし出す
    終始絶妙な不条理感にニヤニヤしていたら、意外な角度のオチに不意を打たれました。 なぜだかわからないけどプレイするととても安らかな気持ちになる作品です。またボタンを押しに来てしまうかも……。
  • セツナワールド
    セツナワールド
    一つ一つの演出及びキャラクターの表情がとても細かく、じわじわと侵食されていくような恐怖を味わうことができました。フリーホラーゲームはこの作品が初めてでしたが、飽きさせない演出で、叫びっぱなしでした!セツナちゃんがとてもかわいかったです・・!!
  • ぶれいんぼむ
    ぶれいんぼむ
    呪いによって好きな子への気持ちを失ってしまった主人公が、気持ちを取り戻すために奔走する物語です。 選択肢に制限時間があるので、ドキドキしながらゲームを楽しめました! 実際はコンティニューできる親切設計なのですが、それでもカウントダウンが表示されるとあっ!となります。 軽快な会話がとても読みやすいのですが、それだけではなくて登場人物がきちんと描かれていて、奥行きのある物語でした。トゥルーエンドがとても好きです。末長く爆発してくれ…… また、可愛らしいイラスト、シンプルだけれど洗練されたUIIも素敵でした。 素敵な作品を、ありがとうございました!
  • ツカレサマ・ヤンデル
    ツカレサマ・ヤンデル
    『普通』の少女が気がつけば見知らぬ映画館にいたところから始まるサウンドノベルです。 とにかく演出が素敵でした! オープニングは本当に映画が始まるようでドキドキしましたし、全編を通して古い劇場にいるかのような雰囲気に浸れました。 ストーリーについては具体的に語られる部分が少なく入り難いと感じる方もいるかもしれませんが、物語が進むにつれてどんどん引き込まれて行くと思いますので、最後までじっくり楽しんで欲しいと思います。 魅力的な世界だったので、もっとたくさんのエピソードが見たかったなあと思います。世界キネマの物語も、ツカレサマとナナメちゃんのお話も。またどこかで彼らの物語に触れられる日を願っています! ツカレサマのお耳の先などが見えなかったので、FAには捏造を含みます。
  • このボタンを押すとテュティパティし出す
    このボタンを押すとテュティパティし出す
    よっしゃテュティパティしたろ!!!!(できたかはおいといて ただ目の前で起こる出来事を見守りながらボタンを押した3分間でした。 所々「待ち」が入るのが笑いを誘ってきます。 EDを聞いてドキッとしたのはここだけの話にします。 色々濁流のように襲い掛かってきましたが結論面白かったです! ありがとうございました!
  • オリンピックの緒
    オリンピックの緒
     輪郭を捉えることが難しい、詩のような作品です。  登場人物の謎めいた会話、いくつも並んだ意味深なタグ、曖昧模糊とした複雑な話が展開されます。それでいて、「ただ分からん」とはならず、心に痛切なものを残していきます。  不思議な作品を、ありがとうございます。