ティラノゲームフェス2021参加作品
8620 のレビュー-
Margot背景とBGM、文章のみという非常にシンプルなノベルゲームでしたが、序盤から非常に引き込まれました。会話らしい会話もほぼなく、淡々と語られる出来事と心情。キャラクターの内面ではドロドロとしたものが渦巻いているのに、淡々と進む展開もキャラクターの心情のようという一見矛盾したようなことを考えながらプレイしていました。 @ネタバレ開始 複数視点で紡がれる物語ということで、ハドリーには知ることが出来なかった事件の真相が明らかになっていく面白さはあるのですが、最初のハドリーのみの視点だけでも十分楽しく読めるあたり、作者様の文章力の高さが伺えました。 現在まで続く5人の感情が渦巻いた過去、出来事だけを見ても5人の視点の組み立てが素晴らしく、過不足なくまとまっているような完成度の高さを感じました。自分としては誰一人幸せにならない、どうしようもない結末が好きです。面白い作品をありがとうございます。 @ネタバレ終了
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籠中話シリーズ①『トリカゴさま』じっとりとしたホラーがとても素敵な作品でした。 「乙女ゲー」とはありますが、トリカゴさまの中性的な瞳に見つめられてついついドキドキしてしまいました・・・! 和ホラーの理不尽さがこれでもかというほど詰め込まれていてよかったです。 カラスのSEも非常に効果的で素敵な作品でした。
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修学旅行 ~性格不安定なまみちゃんと僕の物語~このクオリティのゲームがフリーでいいのか…!? とにかく最初から最後まで驚きっぱなしの作品でした。 いつの間にか決定している性別、移動中のフラグ管理、絶妙な選択肢の違いによるストーリー分岐… 一体どのような構成をすればこんな作品を作れるのかワクワクしながらプレイさせていただきました! ファミコン探偵倶楽部が大好きだったので最高に楽しめました…!
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暗がりビオトープ主人公である小学生「ユーキ」が、ゲームセンターで出会った人々との関りから成長していくお話。 当時を知っている人からすると、懐かしさや哀愁を感じられると思いました。 @ネタバレ開始 文体やシナリオ構成から、作品が持つ優しさや文章にえがかれていないユーキの心情まで感じる事が出来、とても暖かい気持ちになれました。 ユーキがおかれた環境は「良い」とは言い難いかもしれませんが、それでも、ラックに居場所を見付け、みんなに受け入れられ、自分の気持ちに付いて考えるきっかけをもらえた事は幸福だったのではないかと思いました。 最後、ラックに再集合するところはグッときました! 目頭が熱くなりながら、みんなお幸せにと願っています! (ミホさんが店内に入ろうかどうしようかうろうろしている所をユーキに見つかるという妄想を勝手にしています) @ネタバレ終了 心のよりどころって、とても大切だなと思える作品でした。 素敵な作品、ありがとうございます!
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マッチングアプリで出会い厨してみたYoutubeで実況配信をさせていただきました! 気になった子とのマッチングに成功はしませんでしたが、こういうエンドもありだと思いました!(エンド1の回収をしました) 前作もプレイしたことがあるので、そちらのネタがあったりもして既プレイヤーとして楽しめました! ホラー要素もあるとのことなので、そちらのストーリーも見てみたいと思います! 素敵な作品、ありがとうございました!!
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G目線上のエリア実はわたくし、以前の勤務先で毎日毎日Gと戦っていたことがあるんですけれども。奴らに罪はないと思いつつもやはり末代まで根絶やしにしたいんですけれども。そんな私でも楽しめてしまいました…… クリックで様々なことが起こる探索ゲームで、エンディングリストを埋めるのも楽しく、隠し要素へのモチベと攻略サイトのおかげで完走しました!! フリゲっていいな、ヤツが主人公で演出も豊かなゲームがあるんだもの……!!突然のチェイスは本当に最高でした爆
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シラユキ探偵とクロネコ助手 アイドルオーディション殺人事件下手のミステリー好きのためこれは外せない!とプレイしました!! なんて骨太な序章!!推理も選択肢を間違えてもゲームオーバーにならないため安心。背景に渦巻く愛憎……と思いきやこの手法は!!!!! @ネタバレ開始 たぶんおまけシナリオって事件解決直後から3ヶ月後へ飛ぶ前の「不穏な会話」のことです……よね!? 半アクロイド!?半黒井戸!?とどったんばったんしました!! おそらく「助手が助手になる前の話」ゆえクロネコちゃんにスポットライトが当たるのが後半になるということと、「(たぶん)真犯人の主人公がモブに徹する」ため自身の立ち絵がない等の工夫ゆえにどうしても最初は誰がメインディッシュなのか分かりにくくなっていましたが、なるほどおまけシナリオ(匂わせ) 名探偵体質を生かした助手生活、そしてまだ見ぬシラユキさんが楽しみすぎる幕開けでした!! @ネタバレ終了
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残業深夜 -ザンギョウシンヤ-凄く怖くて面白かった!音楽、シナリオ全て極上!!こういうノベルゲーム大好き!素晴らしいゲームありがとうございました!
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みまわり素敵なイラストのサムネイルに惹かれてプレイしました!! 立ち絵も背景もテイストもなにもかも素敵です……そして全て見回りを終えた時の情緒のぐっちゃぐっちゃ……わあああ……あああ…………※当方はBLだいすきです 4人とも本当にラブリーなのですが、困惑しながらも精一杯彼らのことを考えて、そしてこれからも見回り続けるであろう先生が一番好きかもしれません……困った………
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ネコたちと!ネコに会いたいな〜となんとなく思っていたら発見したのでプレイしてしまいました!かわいい!!!3匹のネコちゃんはそれぞれ性格が違うので対応を変えながらお世話するのが楽しかったです! マメちゃんとてもかわいくてずっと遊んでました…!
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会社人間相当ブラックなお話でした。 そういえばバイトしてた頃に事務所で寝ている社員居たなあ……なんて思い出しました。 そう考えると、よくあるお話なのかもしれない……怖いですね。 初回は当然のようにEND1一直線でしたが、これはゲームだから簡単に選べる選択。 実際は生活や世間体などあって、こんな風に決断できないだろうなぁー……なんて思いました。(たぶん普通にEND2を辿りますね苦笑) 考えさせられるゲームでした。ありがとうございました。
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四次元堂奇譚 二冊目 時戻りの時計~愛と執着不思議な道具を扱う不思議なお店の物語です。 今回のアイテムは1度だけ過去に戻れる時計というまさに王道のアイテム。 年上の女性に恋焦がれる男性を主人公にしたとても良いお話でした! そのまま世にも〇妙な物語のシナリオになりそうな綺麗な短編だと感じました。 ED2種はそれぞれ趣がありました。 通常では良いほうのEDが好きなことが多いのですが、 スケールの大きな悪いほうのEDの展開も印象的でした。
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ファントムゾーン ダイモンズオカルト要素満載、オカルトの権化のような作品になります。 本作では怪異だらけのお馴染み夜森市に怪異が引き寄せられるというお話。 キャラ立ちしまくりの新キャラ『赤鬼』が新たな展開を引き起こします。 独自演出は今作でも健在でした。その時のトークテーマが文字で表示される演出は他ではあまり見ませんが分かりやすくて良いと思いました。 昨年のフェスでも屈指のインパクトを誇っていたキャラクター、 陣内先輩の大活躍がまた見られたのが一番嬉しかったです!!
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堕ちた恒星、朽ちた嶺岸唯一無二と言える文体が魅力の作者さんのテキストが存分に味わえました。 主人公鈴木と前の席に座る鈴鹿さん、学校の有名人嶺岸の物語です。 あまり長くないので、是非プレイして個性を感じでほしいところです。 2つのEDはそれぞれとても印象的でした。愛すべき嶺岸。
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故郷からの便り他では見たことのない珍しく面白い趣向の作品でした。 短い手紙がポンポンと表示されて初めは人名理解すら覚束ない感じでしたが、 最後まで進むと一気にたくさんの俯瞰情報が得られるので、ウキウキと2周目直行ルートでした!
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※※※とっても気持ち良く、楽しい作品でした! ヒサメさんのオタクな言動が面白くて、クセになります。全画面テキストなのにイラストも上手くて豊富。見る楽しみもしっかりでした! 素晴らしい作品をありがとうございました(*´ω`*)
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白い日傘とアンデッド7/14を繰り返す少年と少女のお話。 とてもいいお話でした! 自分だけが知覚できるループに巻き込まれた主人公は、 白い日傘をさし顔に御札をつけたアンデッドの女の子と出会う。 なんと彼女がループの元凶で……。 ふたりの軽快な会話やユーモアにあふれた主人公の独白などが楽しく、すぐお話にのめり込むことができました。 素敵なグラフィックや曲も、お話に合っていてとてもよかったです。 ホネ子がとにかくかわいいです。 未練を解消するために主人公とふたりであれこれ画策するところがいつも楽しそうで、ともに7/14を繰り返すうちに私もホネ子のことが好きになっていきました。 @ネタバレ開始 いつの間にかふたりでループをお得システムとして利用してるところもおかしくて何度も笑ってしまいました。 そんななかアンデッドの本能のせいでホネ子の調子が悪くなっていき、いやな予感が……。 はじめての選択肢の直前では、 これ以上関わらないほうがいいって言われたけれど、 彼女の本心はきっとちがっていて、ただ主人公に迷惑をかけたくない一心からの提案なのだろうなと感じました。 私はできればバッドエンドから回収したい派です。 なので最初の選択肢では、もうホネ子と会わないを選びました。 最後、彼女が振り返った時、泣きながらそれでも笑顔を見せてくれたところがかわいすぎて胸が痛くなりました。 なんでこっちを選んじゃったんだと後悔……。 そしてバッドエンドもまた胸が苦しくなるような結末でした。 彼女をひとりにしたのは主人公(私)なのだから、報いを受けたのだなと痛感……。 主人公にめちゃくちゃシンクロしてしまいました。 今度はひとりにしないからなホネ子……ごめん……。 ということで、一つ目直前選択肢にもどって バッドエンドを回避し幸せな日々を続けます。 もうずっとこのままでいいんじゃね?とすら思ってしまいました。 でもそんな中、彼女の本能がリセットされないと知り、 私を消してほしいと頼まれて愕然としました。 ホネ子のことが好きなのに、 自分しか彼女の願いをかなえられるものがいないなんて。 究極の選択を迫られ、さっきあれだけ後悔しておきながらもまたバッドエンドを選んでしまいました。 でもこの二番目のバッドエンドも相当に心が苦しくなるもので……。 また最後の最後にひとりにしてしまったんだって大後悔です。 (でもどちらのバッドエンドも、ホネ子の先行きとしてはじゅうぶんにあり得ることで……。身につまされたり罪悪感を抱きながらも納得できる結末でした) 二つ目の選択肢にもどり正解ルートを選ぶとぶじ ホネ子に再会できましたが、ひまわり畑にいた彼女が 主人公(私)に言った台詞が胸に突き刺さりました。 ごめんよ、私は何度もホネ子をひとりにしちゃったんだよー! ここから先は涙なしでは読めませんでした。 記憶を取り戻した主人公とホネ子の最大の未練の解消。 (めっちゃ綺麗だよホネ子……!!) 浄化されてしまったホネ子。 ここで終わるかと思いきや、素敵なサプライズが待っていて。 (ホネ子おおおおおーーー!!!) 最後めっちゃ泣きました。 主人公はいつもいいところではきっちり漢気を見せてくれて、ホネ子が好きになるだけのことはありますね! 末永く幸せになってほしいです。 楽しいなかにも切なさや悲しさがあり、自然と感情移入ができる素晴らしいお話でした。 @ネタバレ終了 とても面白かったです。 爽やかな感動をありがとうございました!
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デヰツァの幕切れ─蝶華の鳥籠─帳さんがいちばん好きです。全体を通してまとまりがあって非常に良シナリオで時間を忘れて没頭してしまいました。やっぱりヤンデレ最高! @ネタバレ開始 本編と自室であれだけのスーパーヤンデレを披露した帳さんの生産過程が余すことなく追憶編にて描かれていて、帳さんは原因があったタイプのヤンデレだったのか、と思わず境遇に同情したりしました。 ほかの2キャラ(特に鏡太郎)なんかもけして健全ではない人格形成を経てきたようで、本編での性格への理解が色々深まります。 八尋さんのことはマジで理解できなかったのですが、彼の元からの性格の歪みは勿論、幼少期の彼は他者の感情をおもいやることも自分の感情に気づくことも下手そうなので、もし彼が本編で駆使していた心理学的テクニックを除いて、もっと(自分含む)人の感情の機微に敏かったら、本編での八尋さんはまた別の形で現れていたのかもしれない、とか思いました。 FAはゲームをプレイした方としていない方で異なる見え方になる絵が描きたかったのですが、叶えられたかは微妙です。@ネタバレ終了 ※上げ直し失礼致します。
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非実在都市伝説の作法 Imaginary Fakelore前作の雰囲気や文体が大変好みだったので、プレイするのを楽しみにしていた作品でした。 文才が光るテキストと、リラックスするBGM(サントラ配布嬉しいです)、荒く加工され想像をかきたてられる背景……。全てが調和していて素敵な時間を過ごさせて頂きました。 以前も同じことを思いましたが、軽妙な会話文の端々に作者様の博識さが伺えるのと、読んでいて「リズム」があると言いますか……心地良い体験でした。 都市近郊に発生した「増殖する路地裏」の噂を取材する、このあらすじからして既に面白いです。探せば私たちの周りにもありそうな事件。リアルでありながら独特の世界観に浸れるのは作者様の手腕だなぁと思います。 素敵な作品をありがとうございます。 今後紡がれる物語も楽しみにお待ちしております。
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ふきのとうああ、なんて素敵なお話なんでしょう。あるがままに、風となって生きていく……。 しみじみとしながら、他の方の感想を眺めていたらコンピューターおばあちゃんと同じ作者さんだと分かり、大変驚きました! 作風の幅がすごいです! おばあちゃんは置いといて…… 今作は表現が大変美しく、単色背景でも風景が浮かんで見えました。 「ふきのとう」と二人の心情について、現文の授業に出してもろて、ガッツリ考察したいですね。 素敵な作品をありがとうございました。