コメント一覧
63655 のレビュー-
涙恋歌 -消えたキミを辿って-美しい花火と浴衣の女性につられてついついプレイ。 人がいなくなることと花火が咲いて消えること、ひいては夏の終わりというのがなんとなくリンクするようで、少々の哀しさのようなものを感じてしまいました。 元々は涙恋歌という曲が先にあり、曲の世界観を補強するような作品のようなので、曲もゲームも両方楽しむことを強くオススメしたいと思います。 また君と居たいだけ、という気持ちが伝わる、素敵な作品をありがとうございました!
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世界一彼女の近くでタイトルと説明文を読むだけだと若干の不穏を感じ取ってしまうのですが、良い意味で予想を裏切られました。 異常に察しが悪く、終盤まで真相には気づけなかったのですが、理解した瞬間にこれまでのちょっとした違和感の全てに納得がいき、膝を叩いてしまいました。 世界一彼女の近くで、これからも、見守ってほしいなと思います。 こういうのでいいんだよ!と思わせる、大変心温まる素敵な読後感の作品をありがとうございました!
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私を人間にしてくださいねじまきマキナでペルティーちゃんの事が気になり、プレイさせていただきました! 全体的に残酷表現が多いため苦手な方は注意が必要ですが、「純粋な愛のお話」なので、耐性がある方は是非ともプレイしてほしい作品です…! @ネタバレ開始 最初はねじまきマキナのイメージを抱えた状態だったので、あの子を骨抜きのべた惚れにしたの!?ダーリン凄くない??? というのが最初の感想でした。 そしてペルティーちゃんが凄く健気…痛みに強い=痛くない訳じゃないだろうに、ダーリンを傷つけない為にどれだけ自分を痛めつけるの…。 正直、自分の中では後半の痛々しい残虐描写よりも、愛するダーリンの手で欠損していくペルティーちゃんを見てる方が精神的にきつかったです。 ダーリンの気持ちも考えると、余計やるせない…! エンディングをコンプしたので、以下迎えたエンディング順に感想を語らせて下さい。(急いでエンド名を打ち込んだので変換違いや名称間違いがある可能性があります…) 「うそつき」 正直、これはダーリンが最低だなぁという他ないというか…。 それでも、一度惚れこんじゃったペルティーちゃんが手を下せなかったというのが、とてもやるせなかったです。 「すれ違い」 私がダーリンの立場でもこの選択肢を選ぶと思います。 今の二人が惹かれあったんだから、それで良いじゃないと…。 でも、ペルティーちゃんからしたら良くなかったんですね。 「アナタを殺す○○(部位4種類)」 ダーリン!!?ちょっと行動が迂闊過ぎない…? 気を付けたら大丈夫だよ!って言いながら速攻でフラグ回収するの何なの…? 2人からしたらバッドエンド以外の何物でもないですが、2種類目ぐらいから「お前(ダーリン)は、また…っ!」と心の中のツッコミが止まりませんでした…w 「アナタを殺す偏見」 やっぱり人間ってよくない生物ですわー!と、自分を棚上げしながら人間批判をしてしまいました。 そうなんですよね。対象が複数いれば、弱い相手から狙っていくのが人間心理ってもんですよね…。 でも、結局因果応報なのであえて言います。ざまぁ!であると。 「もう一度最初から」 選んだのは私ですが、このダーリンだけは本気で拒否する理由が無さ過ぎて意味がわからなかったです…w そして地獄の始まりからリスタート…鬼かな…? 「この悪魔め」 ダーリン…?貴様、鬼畜か…? 「因果応報」 あー…あ~~…確かにこれに関しては、天使側の筋が通ってるので何も言えないです…。 ただ、後に迎えるエンディングの事を考えると、ダーリンは本当に付いてきただけなの…? 試練を超えた後も、何かしらあるんじゃないの?と疑心暗鬼になって仕方ないです…! 「パパのお嫁さん」 ペルティーちゃんの執念が凄い…! 作中のやり取りを見る感じ、知り合ってからあまり時間が経ってないように見えましたが、ここまで惚れこまれてるなんてダーリンどんだけ良い男なんでしょうね…。 「待ち人、来たれり」 結果的に良いエンド来た!?と、迎えた瞬間は思いました。 まさかこれが地獄の始まりだとは…。 「アイはイタミ」 前述の「待ち人、来たれり」の続きですよね…。 って事は、やっぱりダーリン本人も一緒にペルティーちゃんの贖罪まで堕ちて来てくれたんですね…ダーリン男前過ぎない…? 「君と100年ぽっちの永遠を」 作中で一番好きなエンディングです!! ねじまきマキナのペルティーちゃんが辿った道も、多分このエンディング由来ですよね…? ダーリン早く戻ってきてー!!ペルティーちゃん待ってるぞ―! 今回のペルティーちゃんは何の罪も償わない状態ではありますが、元々悪魔なので天界に召されるまでは気にしなくて良いですよね!…良いんですよね…? 「闇の世界を共に」 絶対このオチもあるだろうなとは思ってました。 やってる事はえげつないですが、2人からしたら今までの中で一番のハッピーエンドですね! ペルティーちゃんの声が大人っぽくなっていて、2人が過ごした年月の長さが伺えてとっても良きです! …同時に、後々因果応報があるんじゃないかとビクビクしてます。 今作は、ペルティーちゃんがいっぱい動く上にフルボイスで可愛くお喋りしてくれて癒され…いや、逆にきつかったですね。 ペルティーちゃんに愛着が湧くほど、ゲームを進めるのが辛かったです。 ただ、ペルティーちゃんが人間になりたがったルーツとダーリンとの過去が知れて良かったです…! @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございました!
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その気になれば出られる部屋脱出ゲーム風の何かということで、タイトル通り、その気になれば、難しい操作ひとつなく脱出できます。 ただ、部屋には明らかに気になる箇所があったり、何も知らないまま脱出しても気になる世界観が描写されていたりで、否応なしに調査を進めてしまいました。 部屋を調べれば調べるほど目覚めるより前の過去が明らかになり、浮かび上がるテンとシュウ2人の関係性にやられました。 暗くも眩しい大切な思い出に裏打ちされたエンディングの全てに説得力があって非常に良かったです。 悲しくも綺麗な、素敵な作品をありがとうございました!
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嘘の手紙配信にてプレイさせていただきました。 ある夜に届いた、10年前に書かれた友人の遺書。 友人である山中君のいつもの行動である、一部分にだけつかれた「嘘」が何なのかを求める記憶を辿りながら友人と向き合う物語。 本編における独特なグラフィックの世界観もですが、プレイヤーをその世界に引き込む不思議な魅力があると思いました。 @ネタバレ開始 何故10年が経過した今になって友人の遺書が届くのか。 当時高校生だった主人公には辛い内容でしたので、という記載から大人になった今なら受け止められると思い遺族から送られたのか? 少なくとも、向こうからすれば遺書という『最期の言葉』を送ってくる程度には親しそうな距離感の友人だったにも関わらず、思い出そうとしても頭の中に霧がかかったように感じてしまう主人公。 深く考えようとした結果、疲れもあり眠ってしまった事から夢の中で手紙の中にある「嘘」を探すという展開はなかなか面白い導入と思いました。 夢の中で目覚めた主人公が持っているのは、寝る前まで手にしていた手紙であり夢の中の主人公は高校生の自分として真相へ迫っていく。 そして重要なのが、山中君がいつも一部分だけ「嘘」をつくというところ。 このどうみても遺書でしかない物のどこに嘘があるのか? 探索が開始可能になった所で右下にある手紙を調べてみれば、各行に色の違う「嘘」の文字。 僕は死にます。 君のせいじゃない。 こんな身体はもういやだ。 この三行の、どれが嘘なのか?本当は何を隠しているのか。 素直に考えれば 死にます→死なない(これが一番平和) 君のせいじゃない→君のせいです(という指摘) こんな身体はもういやだ→こんな『?』はもういやだ(何かが嫌なのは確定) になるのかと最初に目星をつけて。 一番嫌なパターンは、君(主人公)のせいで何かしら身体に消えない後遺症が残ったので死ぬというケースですが…とにかく進めるしかない。 モノクロな世界、現在地や移動先が文字として可視化された特徴のある表現方法。 そして、夢の中であり10年前の事なので顔の思い出せない夢の中の登場人物達。 どこか朧気で、淡い雰囲気は過去の風景や夢の中というのを表現する上でも雰囲気が出ています。 だからこそ情報を集める事で付与され、大きさの変わる手紙に浮き上がった「嘘」の文字の色がより印象的になるのもありますね…。 とりあえず目に付いた相手に話しかけるとその情報に応じた「嘘」の文字が出たり大きさが変わっていく。 どの色がどの行に対応しているかは手紙の内容を見ればすぐにわかるのと、内容として「赤い文字の嘘」が大きくなる度にそうであって欲しくないという気持ちにさせられていきました。 情報は人物だけでなく、物を調べた際にも得られ反映されていくので初見では全て調べたいと思いながらもその結果どの色が増えるのか探り探りになるのが楽しかったです。 初回は出会った人やそこで調べられる物は見ても、真っすぐ進みすぐに屋上へ行ってしまった為エンド3へ。 もしや一度行った場所でも変化があるのでは?と再調査をすれば以前とは違う人物がいたり教室にあったノートが取得可能になったりと進展があった際は手応えを感じる喜びがありました。 それでも2連続でエンド3へ行ってしまったので、これは特定の色に関する情報を一定以上集めないと強制的にエンド3(どれにも該当しない共通エンド)に行くと予想できたので過去2周でどの色が増えたか? そしてまだ話しかけていない人物からはどんな情報が得られるのかを試してエンド1を達成。 (※感想文を書く為、検証した結果で黄色が最多の場合は「嘘」が身体→自分という内容でありエンド3に到達すると後に気づきました) 屋上に行く前、手紙を再度確認すると青の文字のみが残りそこには「死にません」という意味だろうという訂正があった事。 ようやく屋上に誰かいる!となった際には喜びもありましたが、何故か手紙は手元からなくなっており主人公も屋上から帰る流れへ。 山中君が隠し持っている手紙が恐らくあの手紙だろうなという事と。 「じゃあまた明日ね」 という声を最後に、そこから彼と会う事はなかったという事からうやむやになったのだけは把握し。 …これは、明日なんてないという真相を隠した「嘘」が最後の言葉になったのでしょうね。 エンド3を回収した際は特に変化はありませんでしたが、エンド1を回収するとタイトルの画面が『変な夕方だった』とされた際の空模様へ。 今探索している世界は、主人公の記憶から構成された夢である事。 だから情報も主人公の知っている事から成り立つ主観が基本であり、印象的だっただろう事が出ているのだろうとは思いましたが…。 体育館に行った際に発生する、山中君が転校をしたという知らせ。 それに対し、主人公はやたら否定的であり。 病気の関係による引っ越しという言葉にも、いじめや鬱が関係あると思っている。 学校は何かを隠している、そう強く思うだけの理由があったであろう事。 いじめがあったであろう事は テストの結果表を見た際に、山中君は成績がいいという内容から始まり何故か後半は教師もいじめの相談に乗ってくれるはず。 という謎の続き方をしていた際に違和感はありましたが、他の生徒の発言から彼をよく思ってない男子生徒がいた事。 下駄箱を調べてた際に、『死にたい』という恐らく山中君が書いた?文面に後に登場した女子生徒が『死んじゃえ!』と書き足したであろう事。 体育館にいる教師に話しかけた際、山中君がいじめを受けている事についての話題が出る事。 ここから推測され、てっきり手紙にある黄色の嘘は『身体でなく鬱病の事』が本音ではないか?と推理していきました。 そして、ここから回収していないエンドへ行くとなると嫌な予感しかしないけれど赤が確実であろう事。 2つは回収できたのでここからはヒントモードに頼る事にしました。 ヒントモードとして、各人物からどの色が手に入るか? 手紙の画面でも現在のポイントが確認できるのでエンド回収をする上でも仕様として助かりました。 赤に関する情報をひたすら回収し、ポイントも溜まっただろうという段階で階段へ向かうと体育館から屋上へ続く血痕が…。 恐る恐る手紙を確認すれば「君のせいだ」と訂正されただろう内容になっており…この行に嘘があるならそうだとはわかっていても、エンドを確認するのは勇気がいりました。 赤すぎる空。 フェンスへ続いているだろう血痕はまるでそこまで誰かが進み、飛び降りでもしたかのような印象を受け…。 恐怖しながら自分の視界を両手で覆う主人公。 そこで明かされたのは、主人公が山中君がいじめられていると知りながら助けなかった事。 昇降口の男子生徒との会話で、友人のはずなのにまるで実は仲が良くないかのような返しをしていたので実は不仲だった可能性を疑いましたがあれも自分が標的にされない為の自衛でしかなかった事。 体育館における教師との会話でもお前は知っていながら助けなかったのか?という旨の指摘をされた事。 いじめに関する情報はありましたが、それと主人公が明確にどう関わっていたのか。 ようやく判明する流れという事でそれまでの疑問は解決しました。 「だから持病といじめを苦に死んだんだ」 という部分で、持病という部分に首を傾げましたが…鬱も発症すれば完治を認めるのが難しいから持病と言えば持病なのか?と持ち前の思い込み推理力を発揮しつつ。 どうあれ、学校がいじめを放置した挙句に自殺を認めず転校したという扱いにしたのならかなり悪質でしょう。 山中君が生きている間に何もできなかった事への報いからか、主人公はいじめに加担した人間へ復讐をする流れへ。 もし本当に山中君が死んでいるなら、いくら夢の中で戦い続けても意味はないのに。 それを示唆するであろうエンド名でしたね。と、エンド2を回収。 タイトルに戻れば、夕焼けの色でもここまで赤くならないよ!? という真っ赤な空をした様に変化しており…。 まるで血に染まったような…復讐の空を示しているようでした。 最後のエンドを回収しにもう一度夢の中へ。 すると、教室の様子がこれまでと違いノートはなく登場人物も女生徒から別の誰かへ。 会話内容も全く初見の物であり、手紙には青の「嘘」が浮かび上がる。 廊下に出た際も、突然始まったモノローグからさらに大きくなる青の「嘘」 10年前の手紙が今になって届いた事、それは素直に考えるなら山中君が亡くなったから遺族が届けたという事か? 調べられる掲示物もなくなっており、廊下には誰もおらずやはり流れが今までとは違うのを感じます。 昇降口に到達し、一体この手紙にある嘘はどれなのか? 何か言いたい事があったはずなんだと悩む主人公。 そして、今まで言葉をずっと否定し続けていた体育館のイベントで大きな違いがありました。 それまで、主人公がこのイベントで教師からの知らせに対し反応する際は教師と同じく『』で表示されていた台詞が「」になっていて。 恐らく、これまでの認めないという否定的な内容は過去の主人公がその時実際に思ったなり言った事だったのでしょう。 だけどここで「」となっているのは、記憶でなく今現在の主人公が持つ思いを語っているからであり…。 転校した事実を認めながら、何故自分に言ってくれなかったのか。 病気の関係というのも、持病があったのならありえた話だけど…それでもいつもの嘘まじりで良いから伝えて欲しかった事。 ようやく、今見ているのは過去の記憶から構成された夢でありいくら山中君を探して何かをしようとしてもとっくに何も変わらないという事。 エンド2のように夢の中でずっと復讐をしたって何の解決にもならない事も認めた上で。 それでも10年前、急に消えたお前に会えるんだったら! 再び大きくなる、青い「嘘」の文字。 行ける場所も一本道のようで、階段に向かうのみ。 そこで手紙の内容を確認すれば、今までのようなはっきりした表記ではなく掠れた弱弱しさを持ちながらも書かれた本音だろう言葉。 『僕は生きたい』 『死にます』の対になる嘘は何も『死にません』だけではない。 死にたいんじゃない、生きたいというのが本音だったのだと気づかされた際には彼がどんな気持ちで当初はこの手紙を主人公に渡すつもりだったのか…。 何とも表現が難しいですが、胸の奥が締め付けられるような…言えなかった本音を知った事から汲み取った思いに目頭も熱くなる感覚がありました。 屋上に広がるのは綺麗な青空。 そこで待っていた山中君。 「…お前、死にたくなかったんだろ?」 「死にます は嘘で、本当は生きたかったんだろ? …病気、治そうとしてたんだろ!?」 山中君は最初から生きたいと思っていた。 だから、その為に転校や引っ越しをして治療に専念できる環境へ行ってしまった。 「……死んだことにもできなかったよ。結局原田くんに手紙を渡せたのは10年後だ」 そして、彼がいつも嘘まじりであったとしたなら今回届いた手紙の差出人は… まるで遺族が遺書を届けたようにしているけれど本当に送ったのは当人だったのではないか? この手紙を投函したその時まで、そこまでは彼は生きていたはずじゃないのか? しかし、現状わかる事はこれだけであり。 10年後…つまり、今手紙が届いてからも山中君が生きているかは主人公の夢の中にいる、主人公の知りうる情報から構成された山中君にはわからないのでしょう。 だけど彼は、これから大きな手術がある事を伝え、そこで足元は崩れ出し夢の世界は崩壊を始めた。 それでもかすかに、遠くから聞こえた山中君の声は「頑張るから」 と伝え、彼に手を伸ばす形のまま夢は終わりを迎えた。 長い夢から目覚め、今までの事を思い出し手紙をよく調べてみれば「清浜病院」という名称が書かれてあり。 スマホを手にコール音が響く中エンド4へ。 「真」という封書のされた手紙を調べれば、ここからは何があったのか山中君の視点から真相が明らかに。 持病と表現されていた彼の病は難病であった事。 治療の為に転居する事への不満はなくとも、心残りはあり思い付きから遺書を書いた事。 これを受け取った主人公がどんな反応をするのか、そう思いながらも結局渡せなかった手紙。 最後の登校日、その空はまるでエンド1の時に見た夕方の風景でそこでも主人公は何か言いたそうにしながらも引き返してしまったのでしょう。 それから10年が経過し、再び病気が一部悪化した山中君は重要な手術をする事が決定した。 そして思い出す10年前の記憶。 何も伝えずに転校した結果、主人公は転校の原因を勘違いしていた。 病気の為というのは建て前で、本当は自殺をしており学校はその事を隠しているんだと思い込んでいた。 その結果の行動は、恐らくエンド2で取った流れなのでしょう。 母親からはクラスメイトが主人公に怖い事を言われたとだけ伝えられましたが、実際はどこまで行動を起こしていたかは濁されたまま。 この話を聞いて、笑みが顔に出るのを隠そうと山中君が眺めた窓の外はやけに赤い空で、どこかであの夢と繋がっているのを示唆しているようでした。 そしてそんな事をしたから10年も経ってからバチが当たったのだと、今度こそあの遺書を主人公へ送ろうとする山中君。 しかし、いつものように含まれる嘘として彼はある物を付け足した。 それが、まるで遺族が10年経過した今だからこそ渡せた手紙であると言ったようなあの文面。 そのメモと一緒に同封される、あの日渡せなかった手紙。 また嘘をついた、そう言いながらも本当は嘘なんてついていない。 青空の屋上を背景に語られる山中君の心中。 僕は死にます。 君のせいじゃない。 こんな身体はもういやだ。 この表に出ているたった三行だけの情報だけでは読み取れない、行間の真意。 『僕は死にます』 病気が悪化したら、手術が上手くいかなかったら。 確かにその時は死んでしまうのでしょう。 『君のせいじゃない』 いじめは主人公のせいじゃない。 だけど、自分が突然消えたせいで勘違いをさせてしまった。 『こんな身体はもういやだ』 身体も自分も、変わりたいと思っている。 だから手術も受けるし、今度こそ手紙を送るのだと。 エンド4の際、全てを冷静な視点から読み取った際に浮き上がった『僕は生きたい』 そうして全てはここに繋がっていると知った時はただ、生きて欲しいしそれは当然の望みだと思えました。 この10年経った今、もしこの手紙が主人公と再び会えるきっかけとなるなら。 山中君もまた、生きてもう一度主人公に会いたいと思っていた事。 それはきっと二人の見ていた夢が偶然交差した奇跡だったのか。 崩れ出す世界、全てが遠ざかっていく中でかすかに聞こえた主人公の声は『頑張れ!』と言っており、こちらに向かい伸ばされた手が…。 そして、場面は病院に電話がかかってくるところへ。 それは主人公が山中君に会いに行く為にかけた、エンド4の続きであり…手術後なので短時間ながらも二人は再会が約束された。 最後は綺麗な青空を背景に表示される「嘘の手紙」というタイトル名で締められて。 ◆感想総括 まず、あの日の嘘を探すというテーマが物珍しかった事はありますがその探索方法が記憶から構成された夢というのが秀逸でした。 主人公が本来知らない情報が出る事はなく、真相が別にあっても強い思い込みがあるならばそちらが先に表に出てしまう事。 あくまで主人公目線で知りうる事から構成された主観という点。 そして、その上で各エンドを見ていけば きっと転校前日にもしたのであろう、死ぬという事が嘘だと判断した結果過去と同じ行動を辿ったエンド1 転校というのは嘘であり、本当はいじめによる自殺を隠蔽する為だと思って現実でも10年前で復讐に走ったエンド2 そう思い込んでいるからこそ、3行目に嘘があると思った際には真相にたどり着けず誰もいない…何もない景色に到達したエンド3 今は夢の中にいて、もう10年前にあった事は変えられないと知りながらも真相に向き合おうとした結果先へ繋がったエンド4 最初は主観や記憶、当時の思い込みから始まるもやがて現状は夢であると気づき大人になった今だからこそ向き合えたのか。 ようやく見抜く事ができた「嘘」の内容に到達するという流れはとても美しかったです。 そして、回収したエンドに応じて変わっていく空の色。 この様々な色に変わる空を山中君の方でも何かしらの形で見ていて…二人が遠くにいても同じ空の下にいると知った時、何故このゲームのバッジ名が空に関する物だったのか? その理由を理解できました。 到達したエンドに応じて変化があるだけでも演出としては素晴らしいのですが、山中君視点で実は同じ物を見ていたという流れに組み込まれている点を踏まえると確かにこれは空が適していると言えます。 後日談は語られないまま、しかし二人がまた会えるという希望を持たせる形での終わりなのでどんな会話をするか等プレイヤー側に想像の余地を与える終わりも好きです。 当初の目的であった、10年前であるあの日の「嘘」は判明した。 だからこの物語(作品)で語られるのはここまで。 この先は今後二人によりまた紡がれていく未来なのだと。 @ネタバレ終了 エイプリルフールという事もあり遊ばせていただきましたが、最終的には心が温かくなる。 そんな素敵な作品をありがとうございました。
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【新番組】あかちゃんとあそぼ!【放送開始】深夜2時から放送の赤ちゃん番組がまともな訳がないと分かりきった状態でプレイしました。 放送を重ねるごとに募る不穏、不安、不信…番組が始まるより前の出来事を、なんとなく予感させながら迎えるエンディング。 短い作品ながら、番組という構成に要素を落とし込んで、ホラーを成立させているのが上手いなと思いました。 罪は、消えない。面白い作品をありがとうございました!
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僕らの受験戦争学歴が絶対の価値観な世界に転生してしまった主人公がどうにか頑張って赤門の大学合格を目指すお話。 思っていたよりもシビアな学歴至上主義世界でありながら、伝説王(カードゲーム)や彼女がいるかいないかなど、年相応の話題で盛り上がるキャラクター達がイラストの雰囲気も相まって微笑ましく思いました。四月一日のアホさが好きです。 実際にプレイヤーがクイズ感覚で試験に臨むのが緊張感もあって楽しかったです。学力を高めるシステムも不思議と手になじみました。 勉強も遊びも恋愛も両立させてこそが、真の勝者…僕らの受験戦争はこれからだ! 素敵な作品をありがとうございました!
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ツンデレ風素直な娘を書こうと思ったら謎キャラになったのだわプレイさせていただきましたー! お姉さんぶりたい(いやお姉さんですが)先輩が終始かわいい。 キャラデザも髪型がふわふわとした女の子らしい髪型に対し、オーバーオールに花柄の服というギャップがめちゃんこかわいいです。 素敵なゲームをありがとうございました
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思い出の晩餐プレイさせていただきました! @ネタバレ開始 自分は財布を忘れた選択肢を最初に取ったので、お代はお客様で… なんて言われてしまうんじゃないか!?とドキドキしていましたが、 ハピエンのコック早乙女さんの可愛さに驚きました!! かっこいいの選択肢の早乙女さんも凄く可愛かったです。 (ハピエンの後に絶望エンドをやったのですが、申し訳なさと可愛さが混濁しました。) @ネタバレ終了 作者様の人外達のビジュが良すぎます!! また別作品もプレイしたいです。素敵な作品をありがとうございました!
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ふしぎな森のレストラン トラットリア楽しく遊ばせていただきました(*´ω`) 食材を探すのに地味に苦労しましたが、その大変さのはてに かわいい料理が出来上がるとやっぱりうれしいですね! とっても美味しそうです! ありがとうございました。
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こころとしっぽが揺れる時 ~俺とヤツの甘辛5days~プレイさせていただきましたー! かわいい猫ちゃんのけりぐるみ動画に特に癒されました。猫ちゃんに与える禁断のブツと言ったらまたたび……と思いきや。とっくの昔にアレはまたたびを超えていたのですね。 @ネタバレ開始 拾った理由がそれかい!と思いつつも、親近感わく顔(柄?)の猫ちゃん見たら心動かされるのも分かりますね @ネタバレ終了 素敵なゲームをありがとうございました!
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思い出の晩餐プレイさせていただきましたー! いかにも怪しいコックの料理店だと…!? きっと食材は〇〇で次の食材は××だとか言って☆☆されちゃうんでしょー!? @ネタバレ開始 ……と、思いながらプレイしたら、あら最初のお肉以外は普通どころか美味しそう。食べなかった時の反応も見たいなと思い野菜スティックを断った顔を見て確信しました。この人(?)、ただのいい人だ。むしろ「チーン」って効果音なりそうな顔がとてもかわいい。 最後はとてもほっこりした気分になれました。ごはん美味しそう。 @ネタバレ終了 素敵なゲームをありがとうございました!
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怪異判定アドベンチャー「奇天烈相談ダイヤル」初見時は超速いの設定でクリアできるのだろうか?と思っておりましたが、やりこんで慣れていくと断片的な情報だけで大体の怪異を特定できるようになり、超速いですら余裕でこなせるようにました。 それぐらいやりこんでいるうちに、怪異への興味が湧き、怪異について勉強したいと思うようになってしまいました。 本ゲームに登場する怪異にも多くの元ネタがあるとのことですので、是非とも日本現代怪異事典などの本を読んで学びたいと思います。 @ネタバレ開始 星影の館殺人事件をプレイしていた身として、わずかながら声喰鳥の話に触れられていたのがとても嬉しかったです。 @ネタバレ終了 Steamにてさらに20体の追加怪異も出現するとの事でしたので、そちらの怪異たちの判定作業もしに行って参ります。 楽しいゲームをありがとうございました。
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ときはふぁたーる前作未プレイでしたが、楽しくプレイさせていただきましたー! 怪人化していずれ処分されてしまう運命の少女と、進行を監視する職員の交流、とても好みです! @ネタバレ開始 お姉さん呼びがとてもかわいかった……。 暁羽ちゃんがじわじわ怪人化して見た目が変わっていってしまう姿が切なかったです。 @ネタバレ終了 優しくも切ない、素敵なゲームをありがとうございました。
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十避行心が浄化されていくような作品でした。 たった十日間ですが、一日一日が濃密で、二人のやさしさにあふれていて、眺めるこちらも癒やされました。 それぞれユニークな面もあり、ささいなやり取りにクスッと笑ってしまいました。 @ネタバレ開始 二人一緒なら、違う結末もあったのでは……と思いましたが、 彼らの選択は彼らのものであって、そこに悔いがないのであれば、 ハッピーエンドだと信じることができます。 ただ、最期の瞬間は涙してしまいました。 目撃者の男性とユウくんの心の隅で、二人は生きていくのでしょうか。 ラストで再会して、今度はちゃんと観覧車に乗ることができてよかったです。 それからの二人に、たくさんの幸せがありますように。 @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございました。
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落とし屋・麒麟私はイケオジと話すんだ!!の一心でプレイさせていただきました! @ネタバレ開始 とりあえず最初は、と心のままに答えていると、1円足りない呪いを掛けられてしまいました。じみに、いやかなりキツイ呪いですね!?ゲームの雰囲気にのまれて怯えていましたが、この呪いでクスッとさせていただきました。 いくつもの呪いを掛けられつつ、なんとかイケオジに会えた時には、ザ・大人の色気にあてられて動揺してしまいました。が、呪われている身ではそんな余裕はなく… 祓と払でお祓いの値段が違うっぽいことについて、祓では素直にイスミさんのお話を聞いているので、もう危ないことと関わらないだろうと思ったのかな、なんて思いました。方や払では、ちょっと痛い目を見せなければ、また危ないことに手を出すと思ったからだったりして…。 とまあ、かなりイスミさんに対して好意的な解釈をしている気がして(?)、なんだか彼の手の上で転がされている気がします。 秘の中の質問で、顔をぐっと近づけられた時、別の質問をした時に見た怖い顔をが忘れられずに身構えたのは良い思い出です。あれは、安心して素敵なお顔を拝めるボーナスタイムだったんですね…! しっかりと怖かったし、イスミさんにお灸をすえられたので人を呪うなんて考えずに生きていこうと思います!! @ネタバレ終了 素敵なゲームをありがとうございました!!
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怪奇!開けてはいけない扉卍まだクリアできておらず、現在実況プレイ中ですが、楽しすぎるので感想をば。 怖い!!!!!!!!!!!! けど同じくらい笑ってしまう!!!!!! ストーリーもシリアスでありつつ、キャラ同士の掛け合いが心地よくて最高です。 ホラーが苦手なゲーム実況者ですが、今のところめちゃくちゃ楽しめています!!! 最後までしっかり丁寧に実況プレイさせていただきます!
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嘘の手紙4月1日はエイプリルフールということで、以前から「嘘」がテーマの本作が気になっていたので、あの日の”嘘”を探すために朧げな世界を彷徨いながら探索させていただきました。 @ネタバレ開始 作中のモノクロのデザインが非現実的な夢の世界を視覚的に表現しており、とても洗練されているなと思いました。 背景の文字や人物の靄がかかった演出もゲームの雰囲気と上手くマッチしていて、作者様のセンスを感じます。 また、システムはヒントモードを利用して各エンディングに到達できるよう配慮されており、非常に親切だと思いました。 初見で何とかノーヒントで全てのエンディングにたどりつけましたが(すみません...嘘です... ヒントモードにすごく助けられました...)各エンディングを迎えるごとに物語の真相に近づいていく感じが、続きが気になるような展開で周回プレイを楽しむことができました。 そしてEND4を迎え2人の心が邂逅するシーンはグッと来るものがあり、特に手の演出は私の中ですごく印象に残りました...(泣) エピローグの山中君サイドの視点の演出も素敵で、現実での二人の今後が色々と想像できるようなラストになっているのも良かったです! クリア後に作者様のサイトで開発後記を読み、改めて細部にまでこだわった設定を知ることができました。 その中で最後に「原田と山中を繋いだのは貴方」という言葉がプレイした後の心に沁みました...(泣) @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございました!
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嘘の手紙気になったのでプレイさせていただきました。 @ネタバレ開始 誘われた夢の先でよくわからないまま情報を集めてそのままエンドに向かってしまいましたが 最初は誰もいないエンドでした。 (あとからプレイし直して規則性があることに気付きましたが) 答えが分からないまま彷徨って、答えにたどり着きました。 再会をあえて語らず、読者に予想させる手法が好きです。 @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございました!
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透明人間(仮)気になったのでプレイさせていただきました。 最初、透明人間になった?状態から導かれていくわけですが… @ネタバレ開始 明らかにヨシコの質問は人の善悪をはかる目的で問いかけられていましたね。 後悔しても、何も帰ってはこない。 ならば邪悪の芽を今ここで摘むべきか? 反省の余地があるなら生かすか? 復讐者側からみてもやるせない問であるように思いました。 せめて安らかに眠れますように… @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございました。