ドラマ
10007 のレビュー-
あなたの命の価値児童養護施設を舞台にしたお話は、とてもデリケートなので扱うのは慎重にするために、下調べに基づいたテーマ性が必要だと考えています。 今回の主要人物は誰を主人公にしてもシリアスであり、傷を糧として未来を切り開いていくお話に出来たと思いますが、勇気を主人公に据えたのは象徴的だと思います。 前半のルート分岐は様々な可能性を見せてくれます。こういった構成は数多のゲームでも顕著ですが本作は、本ルートへ至る為のパラレルというより、登場人物たちの奥行きを描写するために必要だったお話だと思います。主人公モテモテなのはどこの世界でも同じですね(笑) この物語は、全体を通して見ると映像作品のような流れていく景色を見るという感覚でした。逆に言えば、もう少し一つ一つの場面での会話に膨らみがあっても良かったかなという印象です。 しかし、物語というものはその多くが「主人公の人生のほんの一幕を描くもの」と定義するなら、細部の密度よりも、スムーズな展開の方が好まれるのでしょう。 夏美ルートが本編と思って、ぜひ本腰を据えて読んでみてください。 それでは、以下ネタバレありです。 @ネタバレ開始 ◆音楽との親和性◆ 制作にあたり、OP/EDも含めたBGMたちは有料のものを揃えていて、物語を十二分に演出していました。 やはりノベルというものに「音楽」という要素は欠かせません。そのクオリティの高さと、親和性の高さは、身をもって経験しています。 特に作詞もそうですが、一番物語を理解している書き手が文章以外の所にも気を配るのが一番物語として違和感がないと思っています。主題歌もすごく印象 的でした。 また、オープニングがアニメアート(ムービー)だったのも驚きました。その流れが、生まれてから成長するまでの壮大なものだったのは物語を包括的に演出していたと思います。 ◆過去との決着◆ 個人的に一番グッと来たのは、心に傷を負っていた者同士が伴侶となり、それぞれに過去との決着(両親との決別)をするシーンがあったことです。 それは克服であり、文字通り決着です。人が前に進むためにけじめが必要なのは、過去に心を置いてきてしまっているから。 トラウマが最たるものですが、「フロイト」か「アドラー」かでその道は大きく分かれるのだと感じています。まぁこれは蛇足なので割愛します。 感謝と決別、とても印象深かったです。 ◆意味のあるバッドエンド◆ 昨今、というより僕がフリーノベルを嗜むようになってから15年くらいずっとですが「意味のないバッドエンド」が置いてある物語が多いです。 死んで終わり、間違って終わり、何かを失敗して即終了。それは物語において可能性の一つですが、果たして必要なのだろうかと。ゲーム性の弊害ですね。 しかし、この作品にあるたった一つのバッドエンドは「意味のあるバッドエンド」だと理解しています。「断ち切れない、4割の親」というエンディングタイトルが示すように、しっかりとテーマ性を維持しつつ問題提起もしている結びでした。 僕はハッピーエンド至上主義ではありませんが、バッドエンドに関しては「意味がある」ことが大前提だと考えています。逆説的にいうと、バッドエンディングを書いてくださってありがとうございます。 ◆タイトル回収が智恵理先生◆ あとがき2で、智恵理先生がタイトルの意味を回収するところが、浦田さんの感性の一つでオシャレだなと思いました。僕だったら本編で主人公に意味を持たせてしまいがちですが、これも一つ面白い演出でした。 それが大結びとなって、物語の箱の蓋を静かに閉じられました。 いえ、逆ですね。物語の蓋を閉じたら、蓋にタイトルが書いてあった、というのが正しい表現です。ありがとうございました。 @ネタバレ終了 長々と書いてしまいましたが、テーマ性もさることながらシリアステーマはどうしても自分との過去と照らし合わせてしまいがちなので、時に目頭が熱くなることもありました。 読み手によって物語は表情を変える、そんな素晴らしい物語りをありがとうございます。 僕もいつか、主人公の半生を描くような壮大な物語を書きたいと思わせてくれる力作でした。 そんな「勇気」をくれたお話でした。 -
僕たちが爆発するまで あと1分 -
MYJOLLYROGER -マイジョリーロジャー-面白かった!まずは音楽が良い。ビジュアルも良い、導入部分でワクワクする。 心配性のダニエルがどうしてそうなったのか、どうしてそこにいるのか、シナリオを追っていくうちに明らかになっていくのが面白くて、どんどん進んでしまうし(セーブが無駄になる 笑)、出てくるキャラもみんな魅力的。 約1時間半、長いかな、と思ったけど、あっという間だった!! -
【公開終了】ダークネス・ボーイフレンドやだ、付き合った彼氏がめっちゃ病んでる(絶望) ……というゲームではなく、過去に辛い経験があった二人が、本当に理解し合えるまでを描いたメッセージ性の強い恋愛ノベルゲームです。 序盤以降は、イジメなどの辛い描写が多くありますが、それ故に後味の良い方のエンディングと後日談では感動が何倍にもなって返ってきました! @ネタバレ開始 過去作を知っていると、託されるスタンガンの描写でつい噴き出してしまったり、飛鳥との会話で「あ…(察し)」となったり、アリスの秘密に驚いたりと楽しめる部分がたっぷりあるのも好きでした。 汐音…スタンガンは、とても役にたってたよ…… @ネタバレ終了 -
出血大サービス心也さん江 プレイありがとうございます。 ちょっと厭な感じが残るお話しかも知れませんね。 ほっこり出来るお話もあるので、気が向かれたら、またどうぞ。 -
出血大サービスなんとも後味が悪い。けれど教訓にさせていただけるお話でした。 奇妙な読後感。 -
僕たちが爆発するまで あと1分とても丁寧に作られていて、少し泣いてしまった。良いゲームです! -
MYJOLLYROGER -マイジョリーロジャー-イラストも演出もほんとに最高!大好き!イケメンたくさん出てくる!なのに女キャラも可愛い!最高か? とにかくプレイしてみてほしい! -
監禁部屋からの脱出@ネタバレ開始 ゲーム開始の騒音にドキドキいたしました。 真相には想像の余地があふれております。 -
さらば劇薬>枝蜜まめさん 感想ありがとうございます! クライマックスからの緩急褒めていただき光栄です…! -
さらば劇薬おもろかった~ ぼーっと読んでたらいつのまにか流れ変わっててめっちゃ目が冷めた -
出血大サービスアリエール真白さん江 プレイありがとうございます。 今回は漫画のようにサクサク読んでいけるようにと作ったので、 そのテンポを感じていただけたら、作品の作りとして成功です。 -
出血大サービスとある人形にまつわる、世にも奇妙な物語風のブラックなお話でした。 一枚絵がたくさん使われコミックのような読み応えがありました。 シナリオもよくまとめてあり心地よいテンポが楽しめました。 -
おやすみなさい、お姉さん。好きが詰まった作品でした。それぞれに個性があって、どの子も素敵で癒されました。 -
Crescendo Moon僕っ子な少女とスランプ中の作曲家が夜の砂浜で月明かりの下で語り合うお話でした。明るく気さくな僕っ子、良い……。泣き砂やお菓子を使い心中や状況を示唆してあったのが面白かったです。 -
ある座敷童の一生文庫本のような縦書きの作品で演出も控えめですが、グイグイと引き込まれました。 あっという間に2周プレイ完了。 登場人物の心情を想像するとなかなか切ない物語です。 豊かな時代に生まれたことに対する感謝の念を持たなければ、と感じました。 しおりの演出によるバックログは雰囲気とマッチしていてとても良かったです。 素敵な作品をありがとうございます。 -
それでも、うちのこかわいい春根利馬(はりねりま)さん江 プレイしていただき有難うございます。 マイナーだって異端だって、法律法令の範囲内で誰にも迷惑かけていないんだからいいじゃないか!という思いを反芻しながら原作の漫画を作っておりまして、それを更に推し進めたのがこのフリーノベルになりました。 エンディングは、BGMの効果で盛り上げられたと感じました。 気持ちよい読後感を抱かれたようで何よりです。 何か凹むような事に出くわしてしまった時、また読み返してハッピーエンドを反芻していただけたらと思っております。 -
東雲に霞む人間の描写がよい作品でした。 理不尽な状況や環境によって歪んでしまうことは、仕方がないと思います。 当人たちにまったく非がないというわけでもないとは思いますが、それでもそれをされるだけの理由があったのかは疑問が残るところです。 @ネタバレ開始 自殺を選ぶ理由としては、納得のいくものばかりでした。 ただ凄惨ないじめにしてもストーカーにしてもそうですが、本人たちに非があるのかについては私にはわかりませんでした。 夏美さんの場合は、妬まれる理由は本当にそれだけだったのでしょうか?もしかしたらそれはきっかけに過ぎず、別の何かがあったのではないかと思うこともありました。 ここまできて嘘を話すとは思えませんが、しかし本人からの目線で語られる話なので、本人は気づいていない本当の理由があったりもするのかなと思いました。 秋穂さんに関してはストーカーの人が一方的に悪く見えましたが、実際はどうなのでしょうか。 別にこれはいじめをした人間やストーカーをした人間を擁護しているわけではありません。 しかしそこらに気づかないと、また同じことが起きてしまうように思いました。 本人たちにまったく非がないのであれば、今後の振る舞いでどうにかできそうですが。 小春さんや冬馬くんは他者に何かをされたというよりは、何かがあって歪んだという感じでした。 これはおそらく自己の内面の問題な気がするので、葛藤や苦悩とは今後も付き合っていかないといけないと思いました。 しかし最後は、東雲に霞む存在が歪んでいない道を示してくれたように思います。 いい意味で前を向けると思います。 @ネタバレ終了 文章は読みやすく、また分岐の難易度もやさしかったのですらすらと読むことができました。読後感も良好です。 表情差分も細かく切り替わり、演出も丁寧なのでそこもよかったと思いました。 ありがとうございました。 @ネタバレ開始 秋穂さんの話の中でストーカーが張り付いているシーンは、非常に驚きました。電気を消してプレイしていたのもあり、思わず体がのけぞりました(笑) @ネタバレ終了 -
それでも、うちのこかわいいドール人形が趣味の主人公が、その可愛らしさを伝えるべく同人誌を作ることから始まる物語です。全4エンド、20分程度で読了しました。 趣味を持っている(長い付き合いなら尚更)方ならば、絶対に刺さる内容だと思います。主人公はドール人形を深く愛していますが、決してメジャーな趣味ではない故、一人で苦悩している部分も多くあります。バッドの部分も含め、ストーリーのやるせない部分については、個人的にグッとくるものがありました。だからこそ、ハッピーエンドのストーリーは気持ちが大きく晴れやかになりました。自分も何だかすごく励まされたような、そんな読後感を抱きました。 -
指先で世界を見る指先タップで20分程度。軽く読める、重く突き刺さる作品でした。 @ネタバレ開始 学校におけるイジメ…それも直接的なイジメではなく噂や陰口といった間接的な立場からのイジメを複数視点で描いた作品。各登場人物の視点を読めるので作中の物語に没入しやすく、考えさせられる内容となっていました。(イジメという表現より人間関係といった方が正しいかもしれませんね) 最初の1人を読んだ時には話の概要を中々掴めなかったのですが、各視点を読み進める事で徐々にその状況を把握することが出来、3.4人目辺りで発生している事態の「誤解」に気付いた時にハッとさせられました。 状況を直接説明するのではなく、人物を見せる事で状況を認識させていく手法がとても上手いなぁ……と……。 その瞬間に全員の視点が読みたくなりましたし、最後まで読んだ暁には本当に色々考えさせられました。色々。 答えのないテーマであるからこそ、この物語にもハッピーエンドが見当たらない。 じゃあそのハッピーエンドを作るために私たちは何をすべきなのか……指先で物語を見ながらそんなことを考えました。 個人的に考えさせられる作品が好きなので、とても面白かったです。 @ネタバレ終了 キャラの立ち絵はないサウンドノベルですが、想像を掻き立てる意味でもピッタリの表現方法だと思いました! SEやBGMも雰囲気に合っていて、より臨場感を演出してくれています。ロゴも含めて全体的にお洒落です。 久々に心理描写主体のノベルを読みましたが、作者さんの丁寧な作りが伝わる作品でした。 考えさせる物語を、素敵な物語をありがとうございました!

吉田優蘭
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