ゲーム実況OKの作品(実況前に必ず作品の概要や規約を熟読してください)
49287 のレビュー-
バスルーム主人公がシャワーを浴び始めたことから始まるホラーです。選択肢はなく、10分程度で読み終えることができます。 @ネタバレ開始 まさかのオチに「そういうことか!」と激しく納得してしまいました。ホラー作品のシャワールームは死亡フラグしかないという先入観もあり、完全にそっちの方向に意識が持っていかれてました。違和感ある描写や背景画像の謎も一気に回収した、素晴らしいオチでした。 @ネタバレ終了 短い時間ながら、とても秀逸な構成の掌編でした。素敵な作品をありがとうございました!
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フィルム・ラプンツェル何かが生まれ、何かが終わる、その濃密で残酷な時間を、どっぷり体感させてもらいました。 装飾は美しくも最小限なようで、でもすべてがとても丁寧で、隅々まで彼らの住んでいる世界を見せてくれて、その心理が生まれる背景が、ひしひしと伝わってくるのが、すごいなあと。一人称で迫ってくる贅沢なほどの感情描写、セリフのみであっても描かれきる彼らの時間。繊細なバランスで組み立てられた、消し得ぬ危うさを抱える世界が、プレイ中味わえました。 @ネタバレ開始 一人称で入り込ませるほどに感情が描写されていながら、外から見るからこそ分かることがあるというのは、見事な演出で、やはりとても贅沢でした。序盤から中盤にかけての祭里の言動と独白の齟齬が、終盤に彼が隠していた彼自身を見せた時に、氷解すると共に、彼らの物語の行く末を確定させたのだなと、その完成のされ方がもう、圧巻でした。 生来的に定められていたわけでないのに、傷つけられることが当たり前になってしまったことが、彼らに共通し、彼らが相手を傷つけ、自分も傷つけ、求めているのに否定することとなるのが、その帰結が、いやもうそうなるしかないだろうなあと。積み重ねがあっても、何かを信じると決めても、信じられると思っても、決して自らを信じられない悲しさが、祭里を生かしも殺しもしていたのかなと思います。小絢はその中で、綿密に彼を手に入れたことになるんでしょうか。その不完全な完璧さは、祭里を救ったことになるのか、というのが、考えると、重くのしかかるものがあるなあと思います。 ちょっと読解力不足で理解できていない部分があるので、ちゃんと受け止められているのか不安はありますが、美しいものを見せてもらったなあと思います。かわされる生々しさ、表裏の邪悪さすら、美しい作品でした。 @ネタバレ終了
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Sea glass(シーグラス)プレイさせていただきました。 おしゃれで美しいタイトル画面がずっと気になっていました。 はじまるとまるで映画のような、芸術的で洗練された美しい世界がひろがっていました……。 @ネタバレ開始 お話じたいも凝った仕掛けが施されていて意表を突かれました。 演出が素晴らしかったです。 一周目ENDと二周目の始まり方、鳥肌が立ってしまいました……。 美しくも儚い彼女の「完璧な世界」。 そしてその裏側。 ノベルゲームの新しい可能性をのぞかせていただきました。 @ネタバレ終了 とても面白かったです、ありがとうございました!
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セリカ・リドルお恥ずかしながら、初めて聞くなぞなぞばかりでしたので めちゃめちゃ真剣に考えて、答えも「なるほど」と勉強になって すごく面白かったです。 少し、天然?で可愛いセリカちゃんも 面白くてストーリーパートも毎回楽しみでした。 @ネタバレ開始 頬を赤くして爆弾発言をするセリカちゃんに笑ってしまい、 ムー●ンもどきにニヤついてしまいました。不覚。 ヨグ=ソトース召喚は、 バトル漫画さながらのクオリティで 手に汗握りながら見入ってました。 お花を摘んでいる最中は、音姫つかってね!! セリカちゃん!!!笑 @ネタバレ終了
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お前のスパチャで世界を救えこんにあ~! ↑これやりたいとずっと思ってたのに、最近あんまりやる流れじゃなかったw プレイ冒頭のにあちゃんの圧倒的な可愛さに衝撃を受けました! 事前情報なしでプレイしたので起動後のE-moteでそういうこと!?となり、 ゆらゆらっと動いたシーンで心を鷲掴みにされました。 で、やっぱり一気に最後まで遊ばせて頂きました。 題材が突き抜けるほどキャッチ―で、 ゲーム自体もストーリーの面白さや笑いどころもあり、 細かなところを含めて演出やデザインが丁寧でした。 皆さんそうだと思いますが黄色い人を大プッシュです。好き過ぎる! そもそもスパチャすら知らなかったので、本作のおかげで界隈を色々学べました! Vtuberもゲーム実況も、もう完全に新しい文化になってますもんね。 プレイをずっとお楽しみにとっておいた分だけ期待度も上がり切っておりましたが、 大ヒットも納得のとっても面白く完成度も高いゲームでした。 素晴らしい作品をありがとうございます。
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隠さなきゃトゥルーエンドまでクリアしました。とても面白かったです。 選択肢を選べばどんどん次の選択肢が増えていき、徐々に事の成り行きがつかめてくるのですが、このゲームがどういう仕組みなのかわかってきたときの覚醒感がとても印象に残りました。 @ネタバレ開始 BADENDを重ねるうちに、これはそういうゲーム……むしろBADENDになったほうが彼女にとっての救いなのかもと思いました。 子どもの頃のBADENDはほのぼのしたものが多い印象でしたが、徐々に怪しげな展開になっていくところが怖くて、でもやめられない面白さで……どんどん先が見たくなるけれど、それは主人公にとって救われない結末へと近づいていく、そんな恐ろしくも悲しいお話でした。 また、4からはじまって驚いたのですが、読み進んでいるうちになんだか死(もしくは取り返しのつかない出来事)へのカウントダウンに見えてきて怖かったです……。 最後の最後、主人公のつぶやきに震えました。 @ネタバレ終了 大変楽しませていただきました。ありがとうございます!
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吹き溜まりの彼女やるせなさ、切なく重い気持ちが、読後に強く胸に残ります。 初恋の人が体を売っていたらどうなるか。誰にも助けを求められない状況でどうするか。もし自分の身に起きたら、と考えながら読み進めていました。引き込まれていたので、読み終わるのはあっという間でした。 他の方の感想を見て、ハッピーエンドにならないことは分かっているのに、途中まで上手くいきそうなんですよね。あと少し何かが違っていたら幸せな未来もあったんじゃないか、と願ってしまいます。 @ネタバレ開始 彼女はたぶん、ぎりぎりのところにいたのでしょうね。 個人的には、ここまで徹底して夢や希望をなく書いている分、最後、ここから主人公がどのようにして前を向くのか(あるいは向けないのか)というところまでしっかり見たかったです(主人公が死を選択するのにあまり現実感がなかったので)。 @ネタバレ終了 とても考えさせられるお話でした。ありがとうございます。
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好きだ!
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タマキハル~序章 艮為山編~プレイしましたんっ╭( ・ㅂ・)و ̑̑ 動く動く、このキャラもあのキャラも動く。 大枠はプロト版と変わりませんが、いくつか細かな点が強化されていました。ラスト近辺の一枚絵は、引きの構図で舞台背景を明示しており、かつ彼女の髪色と真反対の鮮烈な赤色で彼女に何が起こったのかを端的に表していて、視覚表現の時には文字よりも能弁なことを教えられました。何よりも香月さんの表情がエッチ。
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浮気をバレないようにするゲームテンポ良くサクサクとプレイできました。最初にプレイした時と遊び終わった時で印象がガラリと変化するのが面白かったです。とても楽しませていただきました。 @ネタバレ開始 おしおきイラストやBGMがポップなので、1周目最初のイラストで「首が飛んでいる。でもきっと、ちょっと大袈裟に表現しただけでしょう」と思っていたらまさかの展開で、衝撃でした。 男が全部同一人物かと思いきや、実は全部別人という構成がとても面白かったです。そして、さり気なくプレイヤーに違和感を抱かせて、唐突感をなくすのがすごいですね。 また、とあるエンドを見ると、タイトルイラストの印象がガラリと変わるのがとても良かったです。 @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございました!
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擬態する群衆どの物語にも予想を裏切られるような結末があり、楽しめました。 スマホの画面を覗き込むことから始まり、それがどういうやりとりなのか想像して物語が膨らむという展開が面白かったです。 上手く言えませんが、電車で見かける色々な人に意外な顔があり、それぞれの物語があるというのが良かったです。現実に電車で一緒になる人にもきっと、色々な背景があるんだろうなと思いを馳せていました。 女子高生のエピソードとキャプを被った男の話が好きでした。 素敵な作品をありがとうございました!
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おしまい少女美しいBGMと温かいタッチの絵柄がマッチした、優しい世界観の作品でした。Live2Dの動きがとても自然で、まるで少女が目の前にいるようでした。 @ネタバレ開始 こんなふうに「はい、おしまい」で終わらせてくれる存在がいたら素敵だなと思いました。 @ネタバレ終了 文字が宙を舞う演出が良かったです。 心が温かくなる物語でした。ありがとうございました!
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お前のスパチャで世界を救えVtuberは詳しくないのですが、楽しくプレイさせていただきました。 良く動くモデルと、最初のお歌で「にあたんか、かわいい…!」と心を掴まれました。 にあちゃんのためなら生まれ変わったかのように行動的な主人公にもオタクならではの確かな愛を感じて好感を持てました。 黄色い人もよきオタクですね! タイトル画面で勝手にホラーと勘違いしてプレイを躊躇っていたのがもったいなかったです。 @ネタバレ開始 でもラストのスパチャの金額には別の意味でビビってしまいました…笑 @ネタバレ終了 楽しい時間をありがとうございました!
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ユーステティア【2/3シナリオ追加】変態×リーガルミステリーという、とんでもなくインパクトのある触れ込みに負けない濃厚なお話でした。 ギャグのセンス抜群だし「変態」というモチーフをコミカルにインモラルに描ききっているのがすごい。本当に面白かったです。キャラクターもみんな個性的で、あっという間に読み終わってしまいました。 続きがあればぜひ読みたいです......!
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鈴の隠音プレイさせて頂きました。 私の場合、結構時間がかかってしまいましたが、何とか全END見ることが出きました! ホラーゲームは大好きなんですが、怖かったです(>_<) ストーリーもそうですが、こちらがビクビクしている最中の効果音、背景画の演出。 全て、怖かったです(>_<) @ネタバレ開始 効果音は特に、心臓音と日付ごとの扉の音が怖かったです。 そして、選択肢がたくさんあった割には、ストーリ全体がブレずにENDが異なるといったイメージを受けました。 そして、たくさんのENDを見た後の "「 」の肩代わり"は唯ちゃんが犠牲に・・・。 渡辺夫妻の犯した罪に対しての罰に思いますが、辛いですね。 あと、悪霊とかではなく"神様"に連れていかれるというところも面白かったです。 ホラーではなかったら、"あぁ、天国へ逝ったのかぁ"なんて思えるところですが、こちら、ホラーで、死んでない人に対しての事なので、それがより一層、怖さを出していた様にも思いました。 @ネタバレ終了 ホラーが苦手な方でも、音量を下げることと、明るい時間帯にプレイすれば大丈夫です! とても、凝った作品で楽しかったです。 ありがとうございました。
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僕らのノベルゲーム話の緩急がよくついていて、キャラクターも全員魅力的で、たくさん泣いたり、笑ったりできる名作でした。とても面白かったです。 中盤からは強く心を揺さぶられ、何度も泣いてしまいました。ラストは胸熱な展開で、心地良い読後感に浸れました。プレイ後は、しばらく呆然としていましたが、しばらく間を置くと、色々な考察をしたくなりました。言及したい個所が多く、感想をまとめるのに時間がかかったため、プレイしてしばらく経ってからのコメント投稿になります。 文章自体は、サクサク読めるものですが、その中に情報がぎゅっと詰め込まれているようなところが多々あり、書かれている以上のことを想像する余地があるのが素晴らしかったです。 @ネタバレ開始 キャラクターが本当に生き生きとしているように感じられました。どういう価値観、考え方の持ち主なのかがよく伝わってきました。推しは遥先輩です。遥先輩の、ちょっといたずら好きなところとか、人の心理に興味津々なところとか、友達といる時は年相応にかわいらしい(ブラックマの話をするとテンションが上がる)ところとか、全てが好きでした。星を眺めているときの、先輩だけ少し離れているあの距離感が切なかったです。海では女子3人で楽しそうにしていたものの、学年の壁は依然としてあるのですね。 谷口さんの、きっちりしたいのに、やりきれないところや、タツくんの本人は真面目にやっているのに、ふざけるなって言われちゃうような性格も良かったです。 キャラ同士のテンポ良い会話が、読んでいて心地よかったです。 中盤以降は本当に胸が痛かったです……。タツくんをファミレスに呼び出したシーンは、(良い意味で)とても苦しかったです。でも、そのシーンがあったからこそ、後半の盛り上がりにつながったと思いました。 文化祭の直前には、無事に完成させることができるのか!?と、とてもハラハラドキドキしました!感情の変化が非常に大きい作品ですが、変化の部分が自然に展開されていて、本当に上手いなあと思いました。(険悪なムードになる原因が恋愛関係のもつれだということ、ゲーム制作を再開するきっかけが新平の「言葉」ではなく、制作ノートを貼り合わせた「行動」を示したことだということ等)そのため、スムーズに感情移入できました。 物語との別れのシーンは、じーんと胸に来るものがありました。喜ばしいけど、なんとなく寂しい気持ちにすごく共感できました。 無事完成!というところで、まだ立ちはだかる壁に「どうなるんだ!?」と非常にドキドキしました。エレナの全体イラストが見れたシーンはとても胸が熱くなりました。 屋上まで助けに来るのがプレイヤーというのも、良かったです。この流れはすごく自然で納得できますし、プレイヤーがゲームを純粋に楽しんでくれているのを知って救われるという要素も盛り込んでいて、素晴らしいと思いました。 気になったのは、後半、新平くんが遥先輩に「文化祭でノベルゲームをやらせてもらってもいいですか?」と聞いたところ、遥先輩がただならぬ様子で「文化祭実行委員会の許可が下りなかった」と言った後、「……。ウソよ」と言ったシーンです。遥先輩はそんなウソをつくような性格ではないと思うので、もしかすると、あの時点では「ウソ」と言ったほうが「ウソ」だったのではないかと想像が膨らみました。そうだとしたら、あの時点で「ウソ」と言う決断を下し、それを「本当」にしてしまった遥先輩は本当にすごい人ですね……。 新平くん以外の4人もそれぞれゲームを完成させるために頑張っていたところに胸が熱くなりました。 エレナの物語がところどころで入るのも良かったです。エレナの物語を、もっと読んでみたいと思わされました。先生、生きていて本当に良かったです……! ラストシーンで遥先輩が言及した「あなたたち2人」について、素直に考えれば美央ちゃんとのことなのでしょうけど、谷口さんとのことと考えることもできると思い、想像が膨らみました。 @ネタバレ終了 まだ一度しか読んでいませんが、描写が丁寧なので、二度、三度読むことで新たな発見ができるゲームかもしれないと思いました。ありがとうございました!!
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おまわりさん こいつです。【改】
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片面的幸覆憧話優しい気持ちで「めでたし めでたし」を迎えられる作品 ……ではなかったっ!! ハッピーエンドのままで終わってほしいという思いもありましたが、おまけにも書かれていましたように「根本的に問題解決できていない」ので、先が気になり全ルート読ませて頂きました……。 見た目ではなく、心で「人間」と「悪魔」をわけれるようになれれば……そして二人が生涯「めでたし めでたし」を迎えられればと願う作品でした。
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怒ると死にます。怒ると死んじゃう病気になった彼女を救うお話。 どうやって救うんだろう? という疑問を持ちながらプレイしましたが、冒頭で説明があって助かりましたw お医者さんのキャラが濃ゆくて面白かったです! 真面目な時にはイケボ、ふざける時には真面目に全力でふざけて笑わせてくれる声優さん……すごいですね。 葵さんが可愛く、しかもLive2Dで動いて、仕草や頬を赤らめるなど細かいところも表現してありより可愛らしかったです。 素直になれない主人公と葵さんが、奇病を通して自分の気持ちに気付き、最後は素直になって、変化後のタイトル画面のようになる……美麗な絵も相まって素晴らしかったです。 選択肢をゲームにしているのも楽しく、易→難でプレイさせて頂きましたが、相応の難しさで何度も葵さんを死なせてしまい「次こそ死なせない!」と挑めましたw 真面目あり笑いありのシナリオと、楽しい選択肢ゲーム、ありがとうございます。
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ミラーリングサマー感想に「どんでん返し」という文言を見かけて、気になってプレイしました(自分もそういう話を書いたもので)。 読み終えて「どうやったらこれが書けるんだ」というのが率直な感想です。謎が重厚に折り重なった物語の作りは圧巻の一言。この長さの物語を作るには、これだけの要素が必要なのだな、と改めて考えさせられました。 正直、序盤の印象はそこまで良くないと思います。物語のスムーズな進行を阻むコテコテのキャラクタ造形や、謎の糸口が提示されても解決に向かわない流れが、自分は苦手でした。何より、大きな仕掛けがあると分かって読むと、序盤でいろいろ見えてしまうんですよね。なので「知らない状態で読みたかったなぁ」という思いと「知らなかったら気持ちが続かなかったかも」という思いが両方ありました。 しかしながら、環境音を利用した空気作りが上手く、キャラの掛け合いで流れが淀む寸前に話が進むバランス感覚など、確かな期待はありました。中盤以降、どんどん謎が膨らんでいき、いつ明かされるんだとじりじりしながら読み進めた結果、度肝をぶち抜かれました。 少しでも気になっているならプレイしましょう。3時間、プレイ前は長く感じますが、内容を考えるとあり得ないほどに短いです。ここまでの衝撃は市販のものを含めても、そうそうありません。 (ここから先は本当にネタバレが入るので、読み終えてから開いてください) @ネタバレ開始 上記の点が全部仕込み。 明かされた瞬間の全てがピタリと嵌まる感覚、そして内容を咀嚼してから、巧妙に計算された構成に痺れます。 「どんでん返し」で「双子」「鏡」と来れば「それ」しかないんですよ。鏡を見れない理由がどこにあるかも推測はできます。でも辿り着けなかった! イカニも君のクリーチャーという描写、そして御神体が出てきた辺りで、思考がファンタジーに流れてしまいました。 何よりも、自分はコテコテのキャラクタと掛け合いのせいで、いろんな要素を疑問に思わずスルーしていました。具体的には性的な距離感を「この作品はそういう世界だ」と納得していたのです。夏通とのボケツッコミのノリがなければ、ここの違和感はすごく大きいと思うんです。ギャルゲー感と伝奇感は見事な隠れ蓑でした。 主人公と兄の秘密を分かって読んでいても、上記が目くらましになって正体に気付けない。そして明かされた時に七榎の秘密に気が付きます。そこに思考から吹っ飛んでいた双子の要素がもう一回降ってきます。見せる謎と隠す謎の塩梅が絶妙すぎて、終盤は頭の中を整理しながら感嘆しっぱなしでした。 最大の謎の仕組みも、生まれた理由から拒絶する理由からそちら側になる理由から、全てが重なり合って強い納得感があります。振り返ると御神体が何重にも意味を持ってくるのもすごい。そして「この物語があったからこそ登場人物がみな幸せになる」というのが、結末として本当に素晴らしいと思う次第です。 ちなみに「なぜ物語がまっすぐ進まないのか」という疑問に対しての「主人公のために必要でキャラがそう仕向けていた」という解答は実に鮮やかでした。油断していたので綺麗に掌の上で踊らされていました。 孫のキャラクタも光っています。彼女自身には何も秘密がないのに、他の性格設定では成り立たない。 感想をどこまで書くか、かなり悩みましたが、この手の話を書く時は「読み手にどう読ませるか」を意識すると思うので、「自分はこう読みました」というのをそのまま感想として残します。自分でもどんでん返しを書いた身としては「こりゃ勝てねぇ!」と笑うしかありません。 @ネタバレ終了 1つだけ、タイトル画面の弱さが勿体ない。ここで敬遠されているのではないかと心配になります。 以上、天晴れでした!