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タカスガタイキのレビューコレクション

  • 有栖と奉日本『幸福のブラックキャット』
    有栖と奉日本『幸福のブラックキャット』
    プレイさせていただきました。 警察機構と与党との癒着がひどく、新たな治安維持組織が設立された世界。そのちょっとの未来感と現実感にわくわくします。大好物です。古いゲームの話で恐縮ですが「メルティランサー」を想起したりしました。 かっこいいOP、かっこいい音楽、まるでドラマを見ているかのようで、ハードでスタイリッシュな世界観を堪能いたしました。 探索パートは、即エンディングもあるということで、注意して臨みましたが、探索回数が充分にあり、難易度的な配慮も感じられ、詰まらずプレイすることができました。 PC推奨と書かれているにもかかわらず、タブレットでプレイし始めてしまい、ゲーム概要欄に記載があるとおり、Enterで進行しなければいけないシーンでタップ反応がなく、いったんは詰んでしまいました。が、これも概要欄に記載ある通り、メッセージスキップで先に進むことができました。ありがとうございます。 @ネタバレ開始 強キャラ感漂う有栖と、全てを知っている奉日本の立ち位置で話が進むので、見ていて痛快でした。職場での一色さんとの掛け合いもよいです。巻き込まれただけの縁くんは本当にいい人で、幸せになってほしいです。 @ネタバレ終了 好きな作品をありがとうございます。

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  • 箱入り娘たち
    箱入り娘たち
    プレイさせていただきました。 箱にまつわる短編。いえ、短編というよりは掌編で、掌編というよりは詩篇でした。スクロールで綴られる文章は、時にとりとめなく、時にデカタンで、それらがスクロールによる不思議な演出と共にたゆたいます。 セレクト画面からして、なんぞこれ!で、実際に各話に入って更になんぞこれ!でした。もちろん、これは技術的な驚嘆の叫びです。同じツールを使って作られているとは思えません。ティラノの可能性を感じる一作でした。 素敵で意欲的な作品をありがとうございます。

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  • マジで桐生はイケメンだから!
    マジで桐生はイケメンだから!
    プレイさせていただきました。 もともと、ちょっとだけ実況動画を見ていて、なんとなく出だしの雰囲気だけ知っていたのですが、あらためて自分でプレイして、そのテンションの高さ、スピード感に持っていかれました。 @ネタバレ開始 マジで桐生はイケメン。本当にそれしか言えなくなる良作です。 開幕のテンションの高さに、これで30分もつのか、出オチにならないのかとちょっとはらはらしたのですが、そんな心配は全然いりませんでした。ひたすら、桐生が尊くて、俺くんのモノローグにそれ~~~!と同意する30分でした。 俺くんが友達という言葉を使うのに対して、そこにすっと同意できない桐生。このままくすぐったいライトBLでいくのかなと思いきや、思った以上に真剣な桐生の感情がそこにあり、ざらざらとしたガラスの表面をそのままなぞったような、心の叫びを聞いた気がしました。そこからの俺くんの巻き返しかたがまたいい…!ぜひ、このまま末永く爆発していただいて、くすぐったい会話から深い甘々展開までフルコースで人生謳歌してもらいたい二人でした。 個人的には、俺くんと桐生は、身長差15~20cmで、俺くんの方が上背だと大変捗るな~と思いました。(記述読み飛ばしていたらすみません) @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございます。

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  • もし乙女ゲの攻略対象がギャルゲーマスターだったら
    もし乙女ゲの攻略対象がギャルゲーマスターだったら
    プレイさせていただきました。 タイトルからして、乙女ゲーの世界観をギャルゲーマスターが引っ掻き回すお話かと思っていたら、どうして、むしろ正統派乙女ゲーといって遜色ない名作でした。 @ネタバレ開始 とにかく、ますた君のすべてが愛らしい…!毎回、こちらが色よい返事をすると、よし完璧!と喜んでくれるのがかわいすぎます。 予習元がギャルゲしかないので、そこにないパターンではおたおたしてしまうのもよいし、おうちに来てもらうシーンは、素のますた君の顔が覗いて、これもよきです。というか、ますた君近いよ!あまえんぼ最高か! 衣装を買うシーン、トータルコーデなので、あれ一揃いでかなり着回しできそうで、主人公のセンスが光ります。 ますた君につれなくするルートは、単なる好感度調整に終始するかと思いきや、こちらはこちらでスチルが用意されている豪華仕様。END4は○○をクリックしてくださいとのこと、何のことだろう?と思って行ってみると、なるほどそういうことか~~!とにやけてしまいました。 個人的には、どのENDも大好きですか、END3で見せてくれるちゃんと謝れるますた君が密かに大好きです。なんというか、どんなに変なことを言っても、根っこの部分では誠実であろうとするかんじが多分心地よく感じるのだと思います。学校のみんなは、なんでこんな逸材を放っておいたんだ。現実とのバランスは主人公がとってくれるだろうし、きっと進学先では、才能を遺憾なく発揮し、交友関係をいっきに広げることでしょう。彼の躍進が楽しみです。 @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございました。

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  • 闇の通り路
    闇の通り路
    プレイさせていただきました。 絵柄が好みで、目が留まりました。女性の門番さんなのですね。そして、ファンタジー風の世界でありつつ、町からの町への交通手段として電車がある模様。近代世界とファンタジーが融合していて、宮沢賢治の「グスコーブドリの伝記」みたいだなと思ったりしました。 @ネタバレ開始 プレイして最初感じたのは、なんて能天気な主人公なんだ!ということでした。常にふわんとしていて、そのため、緊迫している状況でも、どこか童話のようなのどかな雰囲気があって。けれど、それがかえってカロラさんにとってはよかったのかもしれません。二人が手をとってくるくる踊るシーンは本当に素敵でした。 町を襲う闇たちは、さながらもののけ姫に出てくるタタリ神のようで恐ろしいのですが、前述の主人公のマイペースさや、カロラさんの人当たり、終盤のシーン展開で、読んだ後ほっこり幸せな気分になりました。まるでやさしいおとぎ話を堪能した後のようです。面白かった…。 @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございます。

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  • キツネ耳つくも神に何故か付きっきりで看病される話
    キツネ耳つくも神に何故か付きっきりで看病される話
    プレイさせていただきました。 うつらうつらとした意識の中、何度も自分を見舞い、看病してくれる謎のキツネ耳ちゃん。最初にタイトルやサムネから、糖度高めのあまあまノベルなのかな、だとしたらちょっと苦手かもしれない…と思いながら、プレイを開始したのですが、始めてみると、たしかにお耳をさわさわしたら、しっぽをもふもふしたり、狐っ子特有イベントもありつつ、芯にあるのは、もっとじんわりとした互いを思いやる思慕の関係でした。 @ネタバレ開始 何度も繰り返される看病のシーン、さぞテストプレイが大変だったのではないかと思います。途中まで正解を選んでからBADENDにいくと、タイトルから途中までのシーンに飛べる作りも親切です。フォントが大きいのは、スマホプレイを意識されているのかなと思ったのですが、視力の弱い自分にはありがたかったです。終局1、2を見ると、選択肢に色付けができる点など、作品全体から、ユーザフレンドリーな空気を感じました。 各終局は、狐を上手にモチーフにしていて、展開とマッチしていました。 終局4で、二人の着物の合わせが逆になっていて、芸が細かいなぁと感嘆いたしました。今作で、キャライラストを全て自分で描かれたとのことですが、風月さんの後ろの帯なども、大変でしょうに誤魔化さずしっかり描かれていて、同じ絵を描く者してリスペクトを禁じ得ません。 クリア後の花鳥風月の夜もよかったです。花鳥と風月がひとつになって花鳥風月。もともとこの四文字熟語が先にあるのですが、ある意味当然といえば当然ですが、実に据わりのいいタイトルで、翡翠の語源に初めて触れた時のようなしっくり感がありました。二人はさながら比翼連理の鳥ですね。どうか終局4の後の世界でも、仲睦まじく。 @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございます。

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  • ウソと宝と姪、探偵!?
    ウソと宝と姪、探偵!?
    プレイさせていただきました。 全体画面に、文頭一字下げ…由緒正しき正統派サウンドノベルだ!と勝手に興奮してしまいました。 作中いくつかの謎解きをすることになりますが、どれも難易度的にちょうどよく、つまらず回答することができました。わからない時は、ヒントやギブアップもできる点も親切です。 @ネタバレ開始 しっかりとミステリの体裁を守りつつ、最後はハートウォーミングな結末で、非常に読後感がよかったです。 なんとなく、たとえば猫丸先輩シリーズを読んでいるような、書籍化されていてもおかしくない完成度を感じました。作品全体がかなりこなれて、洗練されている印象だったので、過去作のリメイクであること、他にもシリーズ展開がある旨、なるほどと納得いたしました。 他シリーズも気になりつつ、今後リメイクしてパワーアップされる可能性も考えると、今すぐプレイするか悩ましくなってしまいますね。まったく贅沢な悩みです。 @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございます。

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  • You Make a Space Cat
    You Make a Space Cat
    プレイさせていただきました。 ねこをたくさん飛ばした。bluetoothマウス2個使いという禁断の技を使ったのですが、56mまでしかいきませんでした。もっと飛ばせるような気がするのですが。 @ネタバレ開始 「宇宙のカタコンベより。」のあのシーンで、こんなほのぼのした光景が繰り広げられていたのか!?と思うと、なんだか感覚がバグります笑。この二つが違和感なく同居するのが、この作中の世界なのでしょうね。 世界観を共通させつつ、他作を知らなくても全く無理なく遊べる作品作りに脱帽です。なんだか「宇宙のカタコンベより。」で揺らがされた感覚のバランスをゆっくり戻してくれるような感覚がいたしました。これは、どちらを先にプレイするかで、だいぶ印象が変わりそうですね。 @ネタバレ終了 素敵な作品ありがとうございます。

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  • ひつじさんへっどふぉん ふしぎな島のなかまたち
    ひつじさんへっどふぉん ふしぎな島のなかまたち
    プレイさせていただきました。 まるで絵本を読み聞かせていただいているみたいで、素敵な世界観にとっぷり浸からせていただいた30分でした。 普段、ゲーム、特にフリゲをする時は、正直フルボイスをわずらわしく感じてしまう瞬間もあるのですが、この作品はボイスがあって初めて十全な魅力を発揮するなと思いました。終始達者な朗読で、声優さんはどなたなのだろうと思ってクレジットを見ていたら、作者様ご本人でびっくりいたしました。絵が描けて、シナリオが書けて、曲がつくれて、ゲーム制作できて、ボイスまでこなされるなんて。しかも、どれも驚くべき高品質で。なんて多彩な。 @ネタバレ開始 角のあるひつじさんが置かれていた状況が、ねこさんの登場によって対比構造になるところが素晴らしかったです。自然と、他のひつじさん側の気持ちに角のあるひつじさんが共感するというステップを踏むからこそ、最後のひつじさん達と仲直りをする際に、説得力が生まれるのだと思います。困っている動物たちを三度助けるのは、童話の王道パターン。彼らが最後に集結する展開も、薄々気付きつつも、やはり胸がじんとあたたかくなります。 ひつじさんへっどふぉんとなったこの子のもとに、たくさんのお仲間が集まり、楽しく健やかに過ごされますように。 @ネタバレ終了 ちなみに、一番のお気に入りはねこさんです。ふくふくしいお姿にのんびりした口調。いるだけでなごむ。ささくれだった心を溶かしてくれる。全世界にねこさん成分が足りない。ほっこりさせていただきました。 素敵な作品をありがとうございます。

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  • パラドクス研究部の解けない謎のナゾとき
    パラドクス研究部の解けない謎のナゾとき
    プレイさせていただきました。 すごい作品に出会ってしまったかもしれない…。先程クリアし、まだその衝撃の余韻の中にいます。 本作はパラドクスをテーマに、七不思議ならぬ『七大パラドクス』にアプローチしていく物語です。 まず素材数がすごい。いったい何枚あるんだ。OPがあり、カットインがあり、まるで連続ドラマを見ているかのようです。かつ、それぞれの一枚絵にはそれぞれのレイアウト意図があり、カメラワークの妙があります。アニメ監督の庵野秀明さんは、シン・エヴァを作る際、「カメラワークが決まれば、大体名作になる」と発言したという話を聞いたことがありますが、まさにだなと思います。 ノベコレの区分的には、一時間超作品にあたりますが、実際は各パラドクスごとに章立てされており、そのため、長さを感じさせず、さくさくプレイできます。冗長さがなくテンポよく展開していくので、いつの間にかするする読み進めてしまうかと思います。 @ネタバレ開始 登場人物はみんなキャラが立っていて、大変魅力的でした。作中に登場するLINEスタンプがすごくかわいかったです。 「お使いのスマホは異常です」「お住まいの世界は異常です」の言い回しには、とても感銘を受けました。韻文的な美しさもありますし、印象的で、かつ、すごく文字数効率がいい。これだけで全てが伝わる名文だと思いました。 後半は、とにかく演出がすごくて、廊下をくるっと回転するシーンは、ここまでやるのか~!とひたすら感嘆です。どうしたら、こんな画面作りができるのでしょう。多分、作者様は、頭の中に表現したい映像が常に見えてらっしゃるのでしょうね。でもなければ、切れないようなナイス構図の連続でした。 後半のレトリック的というか、パラドクスを利用した超常的な展開は、どことなく昔見た映画「ホラ吹き男爵の冒険」を思い出しました。作中で、編んだ髪を伝って月へ行くシーンがあるのですが、髪の長さが足りないので、既に伝いきった髪束を切って、行く先に継ぎ足すというナンセンスなシーンがあって、思えばこれもパラドクスといえなくもないかもしれません。 ある意味能力バトル的な雰囲気もあって、熱い展開でした。無限宇宙を彷徨って、背中合わせに再会するシーンもとてもエモい。ちょっと感想がまとまりきってなくて申し訳ないのですが、印象的なシーンがありすぎました。 @ネタバレ終了 一言でまとめると、めちゃめちゃ面白かったです。 素敵な作品をありがとうございます。

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