07(朱華なな)のレビューコレクション
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菊花と雨以前から気になっていた作品を、この度拝読させて頂きました。 本っ当に月並みな表現になってしまいますが、そこに描かれている何もかもが美しい作品でした。 @ネタバレ開始 繊細で巧みな文章とそれを彩る音楽、静かに石畳を叩く雨の音。 全ての要素が噛み合いすんなりと心に沁みこんで来て、情景や動作がイメージしやすかったです。 文章から“香り”を感じたような気さえしたのは、本当に生まれて初めての体験でした。一生読んでいたい。 綺麗な文章に感動しつつ読み進め、まだ中盤にもいかないような、なんでもないシーンでふと涙が出て来てしまった時は自分でも驚きました。 正確には覚えておりませんが、多分体験のお会計してる時にはもう泣いてました。 なんと言いますか、この一つ一つのやり取りが最終的に辿り着く場所の「予感」みたいなものを、おそらくこの時点で感じ取っていたんだと思います。 浅葱さんという非日常との出会いに浮き立ち始めていた碧衣さんと同じように。 普段ならエモエモのエモ~~!!とか言いながら床に突っ伏して泣いてるところなんですけど、この感動を正確に表現出来る語彙を持ち合わせていないのが、さすがに今回ばかりは残念でなりませんでしたね。 最初は凛とした雰囲気が目立ち厳しめな先生なのかな……?と思っていた浅葱さんは、話せば話すほどとっつきやすく行動的な「若者」であることが分かって、併せ持った古風な生い立ちゆえの品の良さとのバランスがなんとも不思議な魅力を醸し出す男性でした。 少しでも碧衣さんの中に何かを残したくて贈ったはずの「傘」を、彼女を抱き締める為に容易く地面に投げ出してしまったり……。 一度は傘に託して“思い出”で満足しようとした密やかな想いを、手が届くかもしれないと思った瞬間に自ら奪い返しに行くような浅葱さんの行動の変化がとても格好良くてよかったです。 改めて噛み砕いてみると、浅葱さんはわりと始めから単純明快な動機で行動しているのに(※褒めてます)、言い回しが洒落ていて穏やかだからなのかあまり強引さを感じないんですよね。不思議。 欄干に身体を預けながらの「俺、結構ぎりぎりのところにいますよ。」は、彼の為人とこの作品が持つ美しさが最もよく表れている台詞(個人的な意見)だと思いました。 名前や職業、生きる場所、性格、趣味嗜好。 この二人が悉く「僅かな接点でのみ繋がる正反対の人間」であることの比喩や対比が作中のあちこちで描かれていて、彼らが惹かれ合う理由と、もしも「そうなった」後の不安が同時進行で描かれていたのが本当にもう、超絶技巧というかなんというか……!!! 客観的な立場にいる読み手としてはどちらもすごく理解出来てしまうので、心の底から応援したいけど、ちょっぴり出来なくもある……という絶妙に悩ましい気持ちを抱えながら読み進めるのが大変でした。 結局のところね、お互いが“非日常”だっただけなんですよね。まだ今の時点では。 今後の二人の行く末は気になりますが、反面、どこか結末を知るのが怖いような気持ちも微かにあります。でもやっぱり……知りたいな。 覚悟が出来ましたら(?)この続きを読ませて頂きたいと思います。 蛇足ですが、世間がコロナ禍になる直前、最後に旅行に行った場所が京都でまさに今作の舞台となっていた場所の周辺だったので、そういった意味でも共感と臨場感がありとても懐かしくなりました。 @ネタバレ終了 心にほんのりと雨の香りを残す素敵な作品を、ありがとうございました。
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タバコ屋乙女と小話でもちょうど眠れなかった夜更けにお見かけしてプレイさせて頂きました! 画面に移る何もかもがレトロオシャレで、朝ドラ!?と思いました(ボキャ貧) あちこちの物体がぴこぴこと動いていて、アカヨさんも喋りながら口パクが動いているので完全に目が足りない状態でしたね!すごい……! @ネタバレ開始 タバコ屋の看板娘、アカヨさんとほんの立ち話にちょうどいい雑談をさせて頂きました。 どれも短いお話ではあるのですが、毎回「そうなんだ~」と思う部分があり楽しかったです。 もっと長尺のお話も聞いてみたかったな~……!な~~!!!!(チラ見) こんなに美人で面白い女性なのに、何故誰も気付いていないのか……!?!?!?!? と、この世界の男性陣の目の節穴っぷりを疑ってしまうところでしたが、おまけでなんと……! あらあら~(満面の笑み) 全てはこの瞬間の為だったのかな!とほっこり納得致しました。 虎太郎かわいいね。キューピッドありがとね。 途中のお話で「お客さん」はもしかしたら猫的な妖怪なのかな……?と思っていましたが、化けていないタイプの普通に可愛らしい猫ちゃんでした。 後で気付きましたが、よく見たらあちこちに猫の足跡がありましたね。作り込みが細かい! システムや所要時間の説明等、プレイヤーにとってとても分かり易く親切な設計になっていたのは、さすがノベコレの第一線で活躍する制作者さんだなあと思いました。 実は以前他の作品もプレイしたことがあるのですが、毎回全然違うことをやっているのにどれも上手くまとめられているのは本当に尊敬しかないです。 @ネタバレ終了 今度夜更かしした時はおでかけして、知らない店を探してみたくなりました。 素敵な作品をありがとうございました!
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savonこの度ついにミズキくんに会いに行かせて頂きました。 何一つ上手く言葉に出来ないのですが、本当に本当に切なくて胸がいっぱいになりました。 お話やキャラの心情を丁寧に描く文章力と、やりたいことを最大限に表現し得る演出力、発想力には毎回本当に驚かされます。 @ネタバレ開始 今まで数々の柘榴雨さん作品をプレイして来た私は、柘榴雨さんがストーリー上必要のない演出をするはずがないことをよく知っていたので、正直起動した瞬間にかなり察するものがありました。 結果的にその予想は大正解だったものの、いざ全ての違和感を拾われて種明かしされてしまうと……もうどうしたらいいのか分からなくて、茫然としてしまいました。 全てを聞いてから私は、最初に彼が自分のことを好きか「分からない」と答えてしまったことが申し訳なく、それを訂正する手段すらもないことが悔しかったです。 変に勘ぐったりせず、もっと素直にミズキくんとの時間を享受しておけばよかったなあ。 自分とミズキくんとの間に何が起きても、どれだけ“シナリオ”が進んでも。 お互いの気持ちとは裏腹に、変わらずただ静かに進行し続けるピアノの音が、もどかしくて涙が止まりませんでした。 本来ならばゲームは余すところなく完璧にフルコンプしたい性質の人間の私ですが、この作品に関してはそこにこだわる必要はないだろうと判断して、最初に出会ったあのエンディングのみに留めました。 結局彼も私も「決められた言葉」の範疇からは出られなかったとしても、その時一番伝えたいと願った言葉を彼に伝えられ、理解してもらえただけで、満足ではなくとも、悔いはありません。 余談ですが、回想の途中でミズキくん達が観た映画のお話で、どこかで聞いたような男女のお話を見かけて嬉しく……いや、かなりしんどくなりました(鮮やかなトラウマ) 私が気付いたのはこの部分だけでしたが、もしかすると他の作品の小ネタもあったんでしょうか? ウィンドウを閉じてからも、しばしば彼との時間を白昼夢のように思い出します。 この瞬間がきっとそれぞれのエピローグになるのだと、私は「信じて」います。 @ネタバレ終了 極上の癒しとしっとり切ない時間を堪能出来ました。 今度ベルガモットのアロマオイル買ってこようかな!!!(空元気) 本当に素敵な作品を、ありがとうございました。
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悪役令嬢はワンマップで婚約破棄を回避したい夏お嬢様ごきげんよう~!またとんでもねえ作品を作ってくださいましたわね!! ティラノ製って……一体なんでしたかしら……??????????? 貴女の作品をプレイする度に毎回思うことですけれど、今回はまた一段と狂気のレベルが上がっていることをひしひしと実感致しましたわ! 釣り合いのとれた狂気と技術が噛み合うと、こんなにも素晴らしい作品が生まれるんですのね……! とても勉強になりますわ。真似しようとは一切思いませんけれど。 RPGはプレイ経験が乏しく、様子見がてらほんの少しだけ覗いてみるつもりでしたのに、面白すぎて気が付けばフルコンプまで一気にプレイしておりましたの!! メモを取りながらガチで臨んでいたら、秒で3時間が過ぎ去っていて(矛盾)心底驚きましたわ!! @ネタバレ開始 この作品は単純に19種類のエンディングを達成すればいいわけではなくて、ループすることやあちらこちらに散りばめられた罠と思い出の数々にもきちんと意味があり、ゲームの構成自体も一つのパズルゲームのようになっていたことに気が付いた時は、ただただ嘆声が漏れる思いでしたわ。貴女の頭の中どうなっていらっしゃるの? ダン王子(達)はどうしてこんなにも一方的なことをなさるのかしら……と序盤はハラハラしながらプレイしておりましたが、少しずつ進めていくにつれてそうしなければならなかった理由(主に政治的な意味)と、そうされても仕方なかった理由(レイ様の過去の悪行の数々)が明らかになっていき、最終的に「もしかしてこれただの壮大なノロケじゃね?」という真理へと辿り着いてしまった時にはしばし宇宙猫顔になりましたわ。 本人達は至って真面目にやっているのが、より一層トンチキな面白さを引き立てますわね(褒めてます) 主軸のストーリーもシステムの端々から感じる夏お嬢様の自我(と几帳面さ)も基本的には全てコメディ調でまとまっていて笑えるものであるのに、クリア後にキャラクター解説を読みに行ったら一転、クソ重い設定が多々あってあまりの温度差に恐れ戦きましたわ。 ダン王子も今まで多少命が狙われることはあっても(それは多少ではない)基本ぽやぽやヘタレで泣き虫な王子様でいられたのは、ある意味この国の現状が平和であることの象徴でもあったかもしれませんわね。 それだけレイ様が彼の為に強くなって、国が安定したということでもあるのかもしれませんけれど。 はあ~~~やってられませんわねこのバカップル。どうぞ末永く爆発なさってくださいまし! 個人的にボウ様が大~~変ドストライクで、逃避行END(HAPPYの方)があることに手を叩いて大喜びしておりましたのに、その続きのTrueENDで泥棒猫(パープル嬢)に奪われてしまい突然のNTRに脳が破壊されてしまいましたわ。 夢ならばどれほどよかったでしょう……いやまあ、夢なんですけれども。 最後まで想いを遂げられた執事ENDが、妬ましくってよ……!!!!(もっと悲惨な魔王様からは目を逸らしつつ) @ネタバレ終了 最初から最後まで丁寧に作り込まれていたおかげで、ストレスなくたっぷりと楽しませて頂きました。 貴重な経験をさせて頂けてましたこと、心より感謝を申し上げますわ! 次の作品も楽しみにしております!!!!!
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コイサクカガミ見かける度にず~~~~っと気になっていた作品を、ついにプレイさせて頂きました♡♡♡ @ネタバレ開始 「ずっとへいわなこいものがたり。」のキャッチコピー通りの甘酸っぱくて幸せな青春ストーリーでした!!! どっちを選んでもハッピーエンドなの本当~~~~に安心で最高過ぎる……;; 鏡水ちゃんも桜月くんも最初からお互いを想っていたのに、長い間遠回りしてもだもだしていたのかと思うとモブ生徒Aとしては誠にもどかしいですが、出会って好きになった時と同じ「ふと廊下ですれ違う」という出来事がきっかけで二人の恋が花開き、無事に成就したのがエモの塊過ぎて見事に爆発四散しました!!!!!!!! 鏡水ちゃんは自分の感情を表に出すことに対し控えめなタイプですが、桜月くんは恋をしたことで積極的に他人の恋バナを聞いて周ったり、香りそのものに興味を持ったり。視点と行動力がとにかく面白くて、見ていてとても微笑ましかったです。あ、あと髪をピンクに染めたこともそうですね!笑 桜月くんのイメージ香水ほしい~!!!!!!(妄言) 「お猫様に会いたい」というのが、単に家に行く口実では無く本当に猫が好きだからという部分がしっかり垣間見えるのが、また更に推しポイントでした。かわいいね。 さむいさんの作品は以前にもプレイしたことがあったのですが、UIやイラスト、ストーリー、演出、システム構成等全てをひっくるめて圧倒的にクオリティが高いので毎回ぽかんと口を開けたまま見惚れてしまいます……!!! やってることを考えたらさむいさんが実は3人ぐらいいても別に驚かない(褒め言葉) もちろんいつも素敵ですが、今回は特にイラストやお色味などがゆめ可愛くて好きでした。 プレイ後に改めてタイトルを反芻してみると、キャラクターの名前も含めてすごく秀逸で美しいネーミングの数々になっていたんだなあ……と気付きました。すごい(小並感) @ネタバレ終了 本作が去年のバレンタインに公開された作品だということは知らなかったのですが、偶然にも配信開始・作中の季節と同じぐらいの時期にプレイすることが出来てよかったです!末永くお幸せに~♡ 素敵な作品をありがとうございました!
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【新番組】あかちゃんとあそぼ!【放送開始】小さいサムネイルの状態だとほのぼのゲームっぽく見えたのですが、いざクリックして全貌を見てみたら、なんだか全体的に……様子がおかしい……? アッ!これもしかして……!とダラダラ冷や汗をかきながらプレイさせて頂きました!!!!! @ネタバレ開始 結果!!!!!!!めッッッッッちゃめちゃ怖かったですねぇ!!!!!!!!!!!!(主に幽霊よりもお兄さんの所業が) 序盤は平和な教育番組かな?懐かしいな~と思いながら進めていたら、突如マスコットから挟まれる不穏なワード。 ここでタイトルを二度見する私。全てを察して怯えだす私。あとは分かるな? 多分私、プレイ中ほぼほぼずっとお兄さんと同じ顔してたと思う。 彼がやらかしたことを今までのやり取りでなんとな~く察しつつバッドエンドらしき方を迎え、このまま永遠に終わらない悪夢を見せられ続けるのもまあしょうがないよね~~頑張れ!と思っていたらおい待てトゥルー!!!!!!!(なのか?) こっちのが地獄じゃねーーーか!!!!!!!!w 自分の罪を認め、我が子を抱き締めるという一見感動的な選択肢が存在することで、もしかしてハッピーなエンディングを迎えてしまうのか……?この男が……? と何故か逆の意味で心配になっていたのですが、そ~~~んなことは全くなくて安心致しました!!!!!!ありがとうございます!!!!^^^^^^ その場しのぎの嘘や愛情は、当たり前ですが長期間その被害を受けて来た我が子にも彼女にもとうの昔に見透かされており、今更通用するはずがありません。 それにも関わらず最低な常套句を使い続け、何一つ過ちから学ばない彼に対しあの親子はいよいよ本当の意味で「見限った」んだなと思いました。 自らは死ぬことを選んでしまうほど追い詰められ、その元凶に呪い殺そうと思えば出来たかもしれないところまで近付いたあの状況でのあの判断は…………逆にものすっっっごい憎悪を感じてしまいました。 どうか来世では変な男に引っかからず、幸せになって欲しいですね……あと不倫はシンプルにやめといた方がいい。 お話のインパクトも相当なものだったのですが、それ以上に物語を彩る演出が凝っていて最高でした!どうやったら思い付くんだろうあんなの……!! プレイ中終始めちゃくちゃ怖がってはいたものの、演出が良すぎてずっと見ていたいような気分にもなったのが実に不思議ですね。 @ネタバレ終了 とてもこの短時間で摂取して良い濃度の闇ではなかった気がしますが、その分めちゃめちゃ楽しかったです!!!!(満面の笑み) 素敵な作品をありがとうございました~!
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ヤンデレ好きが推しに執着される、悪役令嬢に転生できたのに、プログラムに勝てません!!ついにお会い出来ましたわねアルベール様~~~~!!!!!(TLでFA等死ぬほど見かけてはいたので顔だけは知っている状態) @ネタバレ開始 しじみさんの作品は全てプレイさせて頂いておりますが、今回も安定の面白さでした!!!! 分かりやすいコンセプトなのに予想出来ない展開も多々あって、とっても楽しかったです。 主人公が現代の社畜乙女ゲーマーということもあり、ツッコミやオタクとしての反応等リアクションがいちいち真っ当かつ面白すぎて何度も笑いました。 今作から新しく導入されたミニゲームが思ったよりだいぶ難しくて、各パート4~5回ずつ(ちゃんと数えてないので多分もっと行ってる)は失敗しました!!!!!!! 大人しくスマホ版でやり直せばここまで苦労はしなかったのかもしれませんが、半ば意地でPC版のままクリアしましたとも!!!!!!指筋肉痛になるわ!!!!!!!!笑 でも素敵なエンドロールはPC版限定っぽかった?ので、頑張ってプレイしてよかったです。結果オーライ! 本作のストーリーが作中で登場する例の「乙女ゲーム」の存在しないその後のシーンを描いていた時点である程度推察は出来たのですが、あの世界は二人のメイちゃんとアルベール様にとって都合の良い、何かしらの改変が施されているような気配がしていたので、真相を知ってとても納得しました。 一番最初の「君が好きなのはあの男だもんね」も乙女ゲーム本編に存在するイベントを進行しているような描写にはなっておりましたが、ちょっと違和感があったんですよね。 後々考えると主人公の遺言(?)を聞いた彼が、君はアルベールというキャラクターが好きなんだもんね……と言っているようにも聞こえることに気が付いて、めちゃめちゃ怖くなりました。LOVEでしかない。 ミニゲームを頑張った末ハッピーエンドから見ることになりましたが、いちゃいちゃ幸せな雰囲気なのにアルベール様のモノローグがどこか不穏で、なんだか少し物足りないような気がする……さてはこれ、バッドエンドの方が本編だな?とそこで色々と察しました。その通りでした。 安心と信頼の砂ぬきあさり!!!やっぱそうこなくっちゃね~~~!!!!とバッドエンドを見ながら外人四コマになってました。 ああいうメタっぽい要素を含む乙女ゲーム大好きなので、本当に楽しかったです。 @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございました!次回作も楽しみにしております!!!
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Gabrielフェス等で度々お見かけして気になっていた作品で、この度ついにプレイさせて頂きました! @ネタバレ開始 糸目ロン毛の見目麗しい神父様なんて、そんなのいつか開眼して裏切るに決まっている!!! という明らかな偏見を小脇に携えプレイし始めたのですが、そんなことは全く……なかったね……。 序盤の質問に私は「名前は好きか→分からない」「夢はあるか→ない」等、悉く夢も希望も無い返答をしてしまっていたのですが、私がどんな内容を答えても否定せず、それもひとつの答えであることを受け入れて尊重して下さるガブリエル様に、疑う気持ちは早々に氷解して行きました。 全て終わってから改めて考えてみると、ガブリエル様が唯一外の世界のリアルを知り得る手段でもあった主人公との対話でなんつーデリカシーの無い反応をしてしまっていたんだろうと、ほんのり後悔してしまいますね。 何でもない話を楽しそうに聞いてくれる彼との交流を進める度に、少しずつ不穏な真実が明かされていきますが、不思議と彼に「何かされる(本当の意味で裏切られる)」ことはもう絶対に無いような気がしていたので、怖く思う気持ちはありませんでした。 それどころか、各ENDへと辿り着く度に「彼を救いたい!!」という気持ちが強くなっていきました。 彼が褒めてくれた名前を前よりも好きになったし、彼を救いたいという夢も出来た。 だってもう、こんなのヒロインじゃん!!お前(主人公)絶対助けろよ!!!!! と、おそらくあまり想定されていない方向性で、一人勝手に盛り上がっていました。 だって、ガブリエル様と一緒に旅行行きたかったからぁ……! 最初は動けないままやられてしまったあのシーンに選択肢が出現して、ようやく手を伸ばすことが出来たのは激熱展開でとっってもよかったです!!! 柵から解放されたガブリエル様にはたくさん旅行をして欲しいし、おいしいものを食べて欲しいな……とおまけや+αのシナリオを拝見しながら思いました。 @ネタバレ終了 最後までた~っぷりと楽しませて頂きました。素敵な作品をありがとうございました~!
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標本箱の食卓アンティークで素敵な雰囲気に惹かれプレイさせて頂きました! @ネタバレ開始 何もかもが不思議な空間に誘われ、その中でも特に浮世離れした儚さんとのお食事のひとときはとても楽しかったです。 絵柄とキャラデザがあまりにも好みだったのですが、正体らしきものを知ってなるほどど~りで!と納得しました。 各エンディングにはそれぞれヒッ! となる場面もありましたが、白昼夢のような雰囲気も相まって「まあそういうこともあるか!(ない)」とすんなり受け入れている自分がおりました。 でももらったドールアイを毎回その辺に投げ捨てるのはやめてほしいな!!!儚ちゃんがかわいそうだから!!! エンディング分岐についてなのですが、3つ目のエンドだけ何度やっても辿り着けず試行錯誤した末作者様のTwitterで攻略情報を拝見しプレイし直したのですが、おそらく条件を満たしても? 辿り着けない仕様になっていた気がするので、アップデート等がされましたらまた改めてコンプしに伺いたいと思います! 私は「+1」「-1」の選択肢を交互に繰り返し、最後に合計0になるように調整しながらプレイ致しました。ご参考までに。 (後日追記) ゲームを再起動し最初からやり直したら無事に3つ目のエンドへ辿り着けました! おそらくエンドを迎えてからスタート画面に戻った際に、今までの周回の好感度がリセットされていない為に起こる現象かと思われます。 やっと出会えた御浦お兄様が大変美しかったです……/// 帰り際になんか物騒な言葉が聞こえたような気がするけど、多分気のせいですよね!!!!! @ネタバレ終了 時折出て来る、昔どこかで見た懐かしいフレーズにふふっとなりました。 素敵な作品をありがとうございました!
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ばいばい。私の初めての恋素敵なタイトルとサムネ画像に惹かれプレイさせて頂きました。 柔らかくて可愛らしい雰囲気の女の子、星歌ちゃんにとって二つの意味での「卒業の日」のお話です。 卒業の日に告白するという、甘酸っぱいイベントのはずなのに当事者二人共、どこか会話が落ち着いているというか、他人事というか……。 「これから恋が始まる」みたいな雰囲気が無いなあと思いながら読み進めていると、明かされた真実に「ああ……」と腑に落ちました。 @ネタバレ開始 最初から二人共、終わらせる為にここに来ていたのですね。 どういう結末になるかはタイトルから想像出来ていたはずなんですが、春という季節と美しい桜のマジックに掛かり、それでも何かが始まるような気がしていたので、このエンディングはとても切なかったです。 BGMとイラストがお話にマッチしていて、それがまた余計に涙を誘いました。 もう学校は卒業なのだから、未来に賭けるのもありなのでは?!と最低なことを思ったりもしたのですが、先生の方には既に素敵な彼女がいらっしゃって……! ウワ~~ダメだ!ハッピーエンドへの抜け道が塞がれている!!!!どうして!!! 優等生で賢い星歌ちゃんはこういう結末になることを、きっと先生を好きになった瞬間から分かっていたと思うので一年掛けてゆっくりゆっくり整理して、今日この日を迎えたんですよね。 だからあの告白は本当に区切りをつけるためのけじめで、彼女にとってはもう、過去に等しい……ああああ切ない。 とても切ないお話ですが、不思議と二人の未来は明るいものになるような予感がしました。 十数年後、それぞれの場所で幸せになった後に再会して、心から笑い合う。 そんな光景が当然のように見えて仕方がありません。どうかそうなって欲しいです。 @ネタバレ終了 桜の花が見たくなる素敵な作品を、ありがとうございました!