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m某のレビューコレクション

  • 五月の妖丁
    五月の妖丁
    タイトル絵にもあるように、ゾクリとするほど切れそうな柳葉包丁。 見た目だけではなくて、実際切れ味も鋭く、苦も無く肉を切り分けていたのだが…… BGMやSEなど一切ないが、数分で読み終えられるために気になることはなく、逆に静寂が途中で感じられる「なぜ?」な感覚を邪魔していない。これがもう少し長いお話だと間が持たないのかもしれないが。 ちょっと不思議で「なるほど」と感嘆させる、少し救われるようなお話。 五月……、なるほど五月と言うキーワードをタイトルに仕込んだのは、意図があってのことだったのかもと、この感想を打ち込みながら気が付いた。

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  • 盗まれた冬
    盗まれた冬
    晩秋から冬にかけての、どことなくもの悲しい季節のお話。 序盤から何か引っかかる所を感じて読み進めるも、それが何なのか決め手がない。 そこに現れた「クラゲ」のような探偵によって、一気に謎物語の様を呈したあたりから面白くなりだした。一体どう話が転がるのだろうと。 クラゲのように飄々とはしていても、そこは探偵。綺麗に幕を閉じ、序盤から感じた「ひっかかり」を、まるで蜘蛛の巣を払うようにクリアにしてくれた。それが正しさゆえの悲しい結果であっても。 全てが明らかになったら、もう一度最初から読んでみるのもいいだろう。初見で20分強程の長さなので苦ではないと思う。見え方が違ってくるのではないだろうか。

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  • ただのぼっちと、くものまち
    ただのぼっちと、くものまち
    優しい感情に包まれるおはなし。 イケメンでも金持ちでもない、ぼっちでデブの主人公「ヒコ」の、終盤の語りが何ともかっこよい。 不思議の女性「くも」も、そんな「内面」に吸い寄せられるように現れたんじゃないかなと、そんなことを思った。

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  • 今宵サンタは街角で。
    今宵サンタは街角で。
    タイトルは随分前から知っていて、時節柄いいなとダウンロード。 改訂版でしたか。 4編のミニストーリーが、お互いにわずかにリンクしながらも独立していて、 次の「story 5」は自分のところかも、などと思わせてしまう程に何気ないお話。 でも、何故だろう、読んだ後には誰かに優しくしたくなってしまう。 文章は小難しい言い回しとか、アッと驚くトリックや伏線があるわけでもない、 音読してもつっかえて読みづらくないであろう、その文章は水のように スゥっと入ってくる。やはり、”ノベル”ゲームの肝は文章だなと。 深夜のショートドラマでありそうな、いい夢が見られそうなお話でした。

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  • 問
    @ネタバレ開始 背景の窓、鉄格子?のようなものが見えたことから、精神病院だろうかと思っていたら、まさかそっちとは。 縦長のゲーム画面も、彼女が見ていたアレを意識して設定したのだろうか。 @ネタバレ終了 ラストの一点のために、すべてを計算し凝縮して詰め込んだ感じのある、インパクトの強い掌編。設定画面などの本編に直接関係ないところも、時代設定を反映して綺麗に作られている。

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  • さよなら初恋
    さよなら初恋
    大きく花開き、煌めき、そして綺麗に消えていった打ち上げ花火に、束の間の再会によって頭をもたげた主人公の初恋への僅かな思い、それを重ね合わせて読んでいました。 「さよなら」なんだなと少し切なくて、でも綺麗(絵、文とも)に作られたお話でよかったです。

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  • 人形のコエを聞いた日
    人形のコエを聞いた日
    説明文にあるように、人形を笑わせるだけのノベルゲーム。 笑わせる手段によって、2つのエンドが見られた。 平和的な「ほのぼの系エンド」よりも、もう一つのエンドが引っかかった。 @ネタバレ開始 産まれる前から実家にあった人形は、 なぜ笑うようにしていなかった? その辺りのおはなしも読みたいと思った。 @ネタバレ終了

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  • 暗がりに咲く花
    暗がりに咲く花
    最初はタイトル画に惹かれてプレイしたが、すぐに文章の心地よさに気が付いた。 説明文にあるように、店員である彼女と出会って告白をすると決めた、その前夜にしたためた手記として進行するのだが、時間を費やして作られたであろう上質な文章で、じわじわと湧き上がる、主人公の抑えきれない感情が自分のことのように伝わってくる。 カクヨムに投稿された小説をもとに作られたということで納得。 プレイ時間こそ短いものの、”ノベル”ゲームとして味わい深い一作だった。

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  • 二次元からの赤色
    二次元からの赤色
    なまじっかヒロインが可愛い分、その落差が際立った作品。 スミレちぇんじ同様、鋭くエッジの効いた狂気の物語を堪能させてもらいました。

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  • 手紙の先には
    手紙の先には
    泥棒、その行為は決して肯定してはいけないし無論褒められた行為ではないのですが、心底腐った奴ではなさそう。説明文にあった通り、明るめの良い話でした。

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