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浦田一香のレビューコレクション

  • BLOOD SUGAR
    BLOOD SUGAR
    視点変更を繰り返しながら、 それぞれの視点で、凄惨な事件を追っていく というストーリーです。 事件が起こってから、一気に引き込まれました。 全ての謎を上手く理解できたかどうかは わかりませんが、考えながら何度も読むと 味が出るお話だと思います。 信じ合っていた友達同士の 関係が壊れていく様は、なんとももの悲しいですね。

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  • 指先で世界を見る
    指先で世界を見る
    学校内の噂やいじめにまつわるお話です。 @ネタバレ開始 あとがきで詳しく解説されるので、 お話がわからない、ということはないでしょう。 この作品はネット社会のメタファーです。 エンディング(転校)後も、Aは根も葉もない噂に 悩まされ続け、逃げ場がないという 救いのないエンディングです。 登場人物をアルファベットにしたのも、 おそらくネットの匿名性とかけたのでしょう。 また、Aの視点がなかったのも 当事者の意見や考えは無視される、 ということだと思います。 最後の演出はもはやホラーだと思いましたね。 転校しても、AとBは良い友達でいて欲しいですね。 実際の社会でも、好きなことや得意なことを しているだけなのに叩かれる、ということはよくあります。 それは単なる嫉妬だけでは片付けられず、複雑です。 しかも、見ず知らずの人から叩かれます。 こういう社会で生きて行くには AとBのように、本当に信頼できる人と 深い関係を築くのがいいのかな、と思いました。 @ネタバレ終了 この作品について難点を挙げるとしたら、 わかりやすすぎる、ということだと思います。 あとがきも含め、説明しすぎな感じがしました。 もうちょっと、わかりにくくしてもいい気がしました。 とはいえ、あんまり難しくすると 投げっぱなしだと思われてしまうので、 さじ加減が難しいですね。 ロゴや本文のフォント(おそらくデフォルトではない)など 細かい点もこだわりが感じられました。 お話を楽しむというより、考えさせられるタイプの ノベルゲームです。 勉強になりました。

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  • ショート・ショート・ショート100
    ショート・ショート・ショート100
    17人の作者が集まって 1500字程度の短編を 100本作るという企画から 誕生したノベルゲームです。 まず初めに、制作お疲れ様でした。 二年掛けて制作されたということで、 とても大変だったと思います。 理想は全部読んでもらう、ということだと思いますが 好きな作者だけ、とか あらすじやタイトルで気になったものだけ とかでもいいと思います。 (私はあとがきなども含め、全て読みましたが) 物語の楽しみ方は人それぞれです。 気軽に読んでみてください。 特に気に入った話は とある患者の診療録 アールグレイ 錯覚の懸け橋 あやかしのきみ 鬼はここにいます 私信 君だけの物語 もう逃げない 聖キャラ学園 時を止める力 いるだけでいいんだよ この11本です。 100本読めば、いろんな感情が刺激されると思います。 あなたのお気に入りの一本がきっと見つかるはずです!

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  • 美少女の初恋
    美少女の初恋
    女の子が意中の男の子に告白する、という内容です。 高校生くらいかな? 五分以内で読み終ります。 @ネタバレ開始 やっぱり、思ったのは 振るときのメールの文言に違和感を覚えました。 「もっと胸が大きい人が好き」 「匂いが違う」 相手のことが大切だけど、恋人として 付き合えないから振る、という感じではないですね。 「貴方」は主人公のことをあんまり 好きじゃなかったのかな、と思いました。 そして、振ってから「貴方」は転校してしまうわけですが 多分転校は急に決まった、決めたのだと思います。 もし前々から決まっていたのなら、 「転校するから付き合えない」と 転校を振る理由として使うかな……多分。 もう一つ気になったのは、ホラーのタグ。 作者的にはホラー作品、ホラー要素がある ということだと思います。 どこがホラーかいろいろ考えてみたのですが、 暗いBGMと、恋愛が人を大きく変えてしまう恐怖だと思いました。 「もっと胸が大きい人が好き」 という振られ方で 露出の多い服を着るようになるという変化をしますが、 それは違うんじゃ……と思いました。 しかし、恋は盲目なので、ときに突飛な行動を取ってしまいます。 @ネタバレ終了 主人公は意志が強いので、新しい恋を見つけるなり きっと前進できるでしょう。 この経験を糧にしてほしいですね。

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  • マサユメテンシ
    マサユメテンシ
    記憶喪失のアイドルと、恋愛するお話です。 ちょっと短く感じましたが、王道の恋愛モノでした。 タイトルや「天使」「アイドル」といったワードが 本編にリンクしていて、上手だなと思いましたね。 お話の中で起こる、イベント(夏祭りや自転車)も 楽しく描かれています。 UIも見やすく、バックログでボイス再生ができるのは すごいと思いました。 スクリプターの方の技術が高いと思いましたね。 背景もカメラで良く動きますし。 また、声が付いたことで、より魅力的な作品に なったように思います。 以下、気になった点 @ネタバレ開始 正体がバレないように地位原家で(隠れて)過ごすわけですが 普段とアイドルの姿が大きく違う という描写があります。 町中や夏祭りに普通に 行くので、地位原家を選んだ理由が 「樹里が事務所の事務である」という理由以外に 何かあるはずだ……と思っていましたが 何もなくて、肩すかしをくらいました。 あと、地の文をもうちょっと増やしてもいいと思います。 説明的なセリフがありました。 選択肢のところで、セーブなどのメニューコマンドが 消えてしまうので、消さない方がよかったと思います。 @ネタバレ終了 この作品に関しては タイトルの上手さを推したいと思います。 また、話の途中で起こるイベントも 上手く作用していたように思います。

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  • 未完の後悔
    未完の後悔
    後悔に向き合って前に進む、というお話です。 誰にでも、後悔していることってあると思います。 その向き合い方を教えてくれる作品です。 嫌なことや、嫌な自分と向き合ったとき 自暴自棄になってしまったり 周りに当たってしまうことも 時にはあると思います。 ですが、周りの人が全て敵になることなんてないですし きっと、自分が塞ぎ込まずに周りを見渡せば 優しい人や後押ししてくれる人がいます。 宥君には写真部の仲間や竹中君など とても頼りになる人がいます。 だから、きっとこれか後悔することがあっても きちんと向き合えます。 もちろん、宥君以外の登場人物も、なんならこの作品をプレイした人も。 作品全体を通して感じたのは 「優しさ」ですね。 優しい人が多く登場します。 そして、時にその優しさが空回りしてしまうことも あるけれど、諦めない。 諦めないことも含めて、優しさなのかな と思いました。 後悔してる人、何かから逃げた人。 そんな人に刺さる物語だと思います。 あとがきも含めこの作品が好きです。

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  • Please call me…?
    Please call me…?
    高校生同士の会話劇がメインの内容です。 その会話が面白く、さらにとても上手だと思いました。 英語のジョークがあるのですが、 私のような英語が苦手な人のために、和訳解説も 付いているので安心です。 さらに、冒頭のジョークが最後の展開に生きてくる。 短い話ですが、よく考えられていると思いました。 物語が終った後の展開も気になりますね。 田中と櫛田がどのような関係になっていくのか 妄想が膨らみます。 田中が夜空を見上げて感想を言うシーンがあるのですが、 それが田中の言うとおり嘘の感想なのか 実は本当の感想なのか、思春期の 不安定な心を表しているように思いました。 受験目前にあのようなことになっても 前向きに考え、ジョークを交える田中は 本当に良いキャラしてますね。 良い作品でした。

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  • 初恋は年齢天秤の中で
    初恋は年齢天秤の中で
    とてもよくできた、すごいシナリオだと思いました。 そして、シナリオの構成力だけでなく シナリオから伝わるメッセージも素晴らしいと思います。 肉体だけ成長しても、心や中身が伴わなければ意味がない。 そのようなメッセージを受け取りました。 また、一人一人のキャラクターが とても丁寧に描かれており 自分の中の嫌な部分にもしっかり向き合って 成長していく様子は読んでいて とても良かったです。 二人の天秤は対等になりました。 そんな二人の幸せを願っています。

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  • 超朝が弱い僕を起こしてください
    超朝が弱い僕を起こしてください
    まず、アイディアがとても良かったと思います。 思いついてもなかなかできることではありません。 賞賛を贈りたいと思います。 登場するキャラクターは全員、優真のことが好きで 羨ましくなりますね。 UIなども凝っていて、見やすく使いやすかったです。

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  • Candy Box
    Candy Box
    絵に惹かれてプレイしました。 ネックレス、ネイル、ピアスと ノベルゲームではあまり見ないヒロインに驚きつつ、 読み進めていきました。 ヒロイン(名前不明)はあけすけというか性や恋愛に関して とても手慣れている感じで、主人公である徹を振り回します。 その関係は恋人というより、友達に近い不思議な関係です。 とはいえ、恋人ではないのにセックスをします。 その関係性も魅力的でした。 歳を重ねた人からすれば、ふしだらな関係と言えるかもしれません。 ですが、この一種の危うい関係も 若い内にしかできないのかな、とも思いました。 終始明るい彼女ですが、過去に暗いものを抱えており 彼女自身も人間関係で悩み、苦しんでいたのかなと思いましたね。 だからこそ、徹を手助けしたり導いてくれたのかもしれません。 いずれにせよ、徹は彼女と出会うことで変りました。 もっと深く知り合っていれば、違う未来もあったのかも、 と思いました。 読み終わったあとに、いろいろ考えさせられました。 深い物語だと思います。 文章が上手だと思いましたね。 小説を読むような感じで読めました。 落ち着いた文章だと思います。 BGMはさわかやなものと、シリアスなピアノ曲がありました。 どちらも好きです。 最後に気になった点として、 漢字とそれ以外でフォントが違うみたいですね。 おそらく、明朝とゴシックが混ざっているので、 読みにくいと感じる方もいるかもしれません。 (win版をDLしてプレイしました) サムネイルではそうなっていないので、 私の環境のせいかもしれません。 いろいろ書きましたがおすすめです。 砂糖菓子のように甘く、そしてほろ苦い 人間模様を読みたい方はぜひプレイしてみてください。

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