浦田一香のレビューコレクション
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Seek a country ~彼の地を夢見て~魔法やモンスターなどが登場する ファンタジー作品です。 主人公が見知らぬ土地に流されるところから 物語は始まります。 @ネタバレ開始 グラフィックはクオリティが高いです。 背景CGも魅力的です。 声優も沢山の方を起用しており、力の入った作品です。 上の説明文に開発期間三年と書いてあるとおり、 強い熱意で作られたことがわかります。 シナリオですが、気になった点を三つほど。 まず、恋愛描写が薄いように感じました。 また、地の文が少なく淡々と進んでいるように思いました。 最後に、見せ場に至るまでの仕込みが足りないように思いました。 キャラクターは全員個性的で良かったと思います。 一番好きなキャラはアーノルド先生です。 ファンタジー作品はあまり読まないので 新鮮な気持ちで読めました。 制作お疲れ様でした。 @ネタバレ終了
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飛びたいの様々なエンディングに分岐する、少し不思議なお話です。 @ネタバレ開始 エンディングは可愛いものから 感動するもの、残酷なものまで様々です。 二人の過去や設定などは 明示されませんが、もっと読みたいと思わせるような 魅力的なお話でした。 絵(スチル)も力が入っていて良かったです。 @ネタバレ終了
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散華奇譚少女が不思議なホテルで妖怪たちに出会う お話です。 @ネタバレ開始 大切な人との突然の死別に どう向き合うか。 これがこの作品において一番のテーマだと思いました。 小夜子は個性豊かな妖怪たちとの交流を通して 様々な感情を抱きます。 そして0号室では兄と再会することができます。 その後END1では、兄と別れホテルを出る決断をします。 妖怪が現実ではあり得ない存在であるように、 生きている間に、死んだ人に会うことはできません。 残された人には長い人生があります。 死んでしまった大切な人を想うなら、 残りの人生を同じように大切に生きるべきと この作品やEND1の小夜子の決断が伝えているように思いました。 この決断に至れたのも、妖怪たちとの 交流があったからなのかな、とも思います。 @ネタバレ終了 絵は全体的に可愛らしく、作品の不思議な雰囲気に 合っていたと思います。
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しようよ七海君!女の子が彼氏を誘惑する話です。 @ネタバレ開始 コメディに大きく振り切っており、 かなり笑えました。 特に効果的なボイスの使い方は とても良かったです。 コメディですが、過去の回想場面では シリアスなところもあり 短い時間で様々な感情にさせてくれる とても起伏のある作品でした。 二人の幸せがいつまでも続くといいですね。 @ネタバレ終了
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ハコノナカノコ出会いと別れのお話です。 登場するキャラクターのセリフや、他の文章など はっきりとした物言いではないので、 考えながら読むタイプの作品だと思いました。 春は一般的に、進学や就職、卒業など 出会いや別れが多い季節です。 そんな出会いや別れを繰り返しながら この先も人生が続いていきます。 ときに迷うかもしれない、ときに大切なことを 忘れてしまうかもしれない。 ですが、そんな自分も肯定しながら歩んでいきたいですね。
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さよならチョコミント夏に女の子とアイスを食べる話です。 文章や情景描写が優れていて、とても良かったです。 @ネタバレ開始 千文字という限られた文字数の中で いろいろな想像を膨らませられるようなお話でした。 現実の世界の話なのか、あるいはファンタジーなのかは わかりません。 しかし、女の子が「さよなら」と言っているのが 印象的で、主人公と女の子はもう会えないのかもしれませんね。 悲しげなBGMも相まって、切ない気持ちになりました。 @ネタバレ終了
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新しい日常といつもの場所三人の日常の風景を描いた作品です。 @ネタバレ開始 いわゆるコロナ禍(明言はされず)で奪われた日常 変わってしまった日常を描いています。 しかし、後半は希望を見つけています。 目に映る景色や、起こる事柄が 明るいか暗いかは、その人の心の持ちようである。 そんな風に思いました。 日常が変わっていきますが、希望を強く 持って生きていきたいですね。 @ネタバレ終了
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君が見た景色ファンタジー要素のある、少女の成長物語です。 @ネタバレ開始 子供のとき、年上の先輩や大人を見ると なんだかすごくしっかりしていて、 「大人」に見えます。 ですが、自分がいざその歳になってみると 全然成長した気がしませんし、 追いついているとも思えません。 なんであんなに「大人」に見えたのだろう? と不思議に思うと同時に 自分がなんだか情けなくなります。 大人と子供に明確な境界線はありません。 成人年齢も国や時代で異なります。 ですが、どこかで大人になります。 森の中の魔女の家で楽しく会話したり お菓子を焼いて食べたり、 綺麗な宝石に目を輝かせたり、 洞窟に行ってみたり、 ベッドで夜更かしして話をしてみたり、 全て子供の行動なのかな、と思いました。 そんな子供時代と別れて、自分を殺して 大人になる。 ですが、子供の自分も自分の中で生きています。 自分は連続しているからです。 子供時代、「大人」に見えた大人や先輩にも 子供時代があったわけです。 大人と子供は別人のように見えて、一緒です。 森にいる間は、大人と子供の狭間だと思いました。 この作品からは、人間の成長への愛を感じました。 @ネタバレ終了 演出や文章、選曲も良かったです! これから読む方は、じっくりと腰を据えて 読んでみてください。
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生真面目な後輩ちゃんのゲーム
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君と二人で歩くことが青年と少女が家族になるお話です。 @ネタバレ開始 すごく良かったです。 上の説明文にあるとおり、二人とも すごく不器用で、優しいんですよね。 自分の気持ちを上手く伝えられないし 相手のことを思いすぎて空回りしてしまったり。 見ていてもどかしい気持ちになると同時に 温かい気持ちになりました。 凜の両親は虐待という決して許されない 行いをしました。 しかし、単なる悪役ではなく 彼らもまた弱く苦しんでいた人間である という多面的な描き方をしていたのが良かったです。 また、美穂はほんの一言だけの出番でしたが、 凜の両親の件を想起させるような言動で 印象的でした。 最終的に二人は並んで歩けるような関係になりました。 お互いの気持ちを伝え合ったり、ときには ぶつけ合ったりしながら家族として成長していくと 思います。 飛行機の事故は滅多に起こらないとか 独身の若い男性が女の子を引き取れるかどうか など、細かい粗はありますが、 それ以上に二人の気持ちの動きに 感動しました。 @ネタバレ終了