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浦田一香のレビューコレクション

  • さよならチョコミント
    さよならチョコミント
    夏に女の子とアイスを食べる話です。 文章や情景描写が優れていて、とても良かったです。 @ネタバレ開始 千文字という限られた文字数の中で いろいろな想像を膨らませられるようなお話でした。 現実の世界の話なのか、あるいはファンタジーなのかは わかりません。 しかし、女の子が「さよなら」と言っているのが 印象的で、主人公と女の子はもう会えないのかもしれませんね。 悲しげなBGMも相まって、切ない気持ちになりました。 @ネタバレ終了

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  • 新しい日常といつもの場所
    新しい日常といつもの場所
    三人の日常の風景を描いた作品です。 @ネタバレ開始 いわゆるコロナ禍(明言はされず)で奪われた日常 変わってしまった日常を描いています。 しかし、後半は希望を見つけています。 目に映る景色や、起こる事柄が 明るいか暗いかは、その人の心の持ちようである。 そんな風に思いました。 日常が変わっていきますが、希望を強く 持って生きていきたいですね。 @ネタバレ終了

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  • 君が見た景色
    君が見た景色
    ファンタジー要素のある、少女の成長物語です。 @ネタバレ開始 子供のとき、年上の先輩や大人を見ると なんだかすごくしっかりしていて、 「大人」に見えます。 ですが、自分がいざその歳になってみると 全然成長した気がしませんし、 追いついているとも思えません。 なんであんなに「大人」に見えたのだろう? と不思議に思うと同時に 自分がなんだか情けなくなります。 大人と子供に明確な境界線はありません。 成人年齢も国や時代で異なります。 ですが、どこかで大人になります。 森の中の魔女の家で楽しく会話したり お菓子を焼いて食べたり、 綺麗な宝石に目を輝かせたり、 洞窟に行ってみたり、 ベッドで夜更かしして話をしてみたり、 全て子供の行動なのかな、と思いました。 そんな子供時代と別れて、自分を殺して 大人になる。 ですが、子供の自分も自分の中で生きています。 自分は連続しているからです。 子供時代、「大人」に見えた大人や先輩にも 子供時代があったわけです。 大人と子供は別人のように見えて、一緒です。 森にいる間は、大人と子供の狭間だと思いました。 この作品からは、人間の成長への愛を感じました。 @ネタバレ終了 演出や文章、選曲も良かったです! これから読む方は、じっくりと腰を据えて 読んでみてください。

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  • 生真面目な後輩ちゃんのゲーム
    生真面目な後輩ちゃんのゲーム
    後輩ちゃんがとても可愛かったです。 オチも捻りが効いていて、良かったと思います。 いつまでも忘れずに覚えていたいですね。

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  • 君と二人で歩くことが
    君と二人で歩くことが
    青年と少女が家族になるお話です。 @ネタバレ開始 すごく良かったです。 上の説明文にあるとおり、二人とも すごく不器用で、優しいんですよね。 自分の気持ちを上手く伝えられないし 相手のことを思いすぎて空回りしてしまったり。 見ていてもどかしい気持ちになると同時に 温かい気持ちになりました。 凜の両親は虐待という決して許されない 行いをしました。 しかし、単なる悪役ではなく 彼らもまた弱く苦しんでいた人間である という多面的な描き方をしていたのが良かったです。 また、美穂はほんの一言だけの出番でしたが、 凜の両親の件を想起させるような言動で 印象的でした。 最終的に二人は並んで歩けるような関係になりました。 お互いの気持ちを伝え合ったり、ときには ぶつけ合ったりしながら家族として成長していくと 思います。 飛行機の事故は滅多に起こらないとか 独身の若い男性が女の子を引き取れるかどうか など、細かい粗はありますが、 それ以上に二人の気持ちの動きに 感動しました。 @ネタバレ終了

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  • 初恋の後悔
    初恋の後悔
    主人公が自分の内面や恋愛感情、その他様々なことに ついて悩み、成長していくお話です。 @ネタバレ開始 読み終わって、「こんな良い友達に恵まれたいなあ」 なんて思いました。 私自身、人間関係から逃げ続けたり、 どこか冷めた目線で一歩踏み出せないことが たくさんあります。 主人公である玉木悠太には 共感するところがあり、 そんな彼が人間的に成長していく姿を見て 温かい気持ちになりました。 玉木は沢山の良い友人たちに囲まれています。 そのきっかけは、たまたまクラスが 一緒だったとか、たまたま転校してきた とかかもしれません。 ですが、そんな偶然一緒になった人と 関わることを決めたのは玉木自身です。 そういった意味で、この友人達も 玉木の選択だと思います。 自分らしい生き方が叫ばれる昨今、 自分らしさに悩む人が増えているように感じます。 自分らしさは環境が作り上げる面も大きいように思います。 だからこそ、自分に目を向けるだけでなく、 周りの人に目を向けることも 大切だと思いました。 小学校からの友達も、 中学からの友達も、 高校からの友達も。 高校の三人の先生や家族、 大学で知り合った人たちも、 全てが繋がって、この物語や玉木悠太を 作り上げています。 そう思うと、舞台は大きく動きませんが とても壮大な話に思えました。 とある本で「後悔とは言い換えると時間の無駄である」 と書いてありました。 「人は数ある選択肢から一つしか選択できないから、  選択しなかった方をいつまでも悩んでも時間は  戻らないし、違う方を選択することもできない」 と続いていました。 読んだときは腑に落ちたように感じました。 ですが、後悔もまた人生の一部だと思います。 後悔が役に立つとか立たないとかではなく、 自分の気持ちを整理したり、 他人や自分の行動、思いを深く考える為にも 後悔は人間にとって必要だと思いました。 全体を通して、派手な展開はありません。 ですが、そういった派手さのない人生でも 多くの人の感情が動いている。 そのように思いました。 教師陣もみんな、人間らしさがあって良かったです。 @ネタバレ終了 noteのあとがきも読みました。 魂のこもった作品をありがとうございました!

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  • too late but
    too late but
    創作に関わるお話です。 私自身、創作について悩んでいたので とても心に響きました。 作品への温かい感想はいつもらっても嬉しいですね。 @ネタバレ開始 最後の伏線回収(お守りの中の紙片)は かなり驚きましたし、創作の原点はここにある と思い出させてくれました。 私も一つ一つの感想をもっと、大事にしたいと思いました。 作品が死後に評価されることは、作者に 届かないかもしれません。 ですが、作品を通して伝えたものは 読者の心の中でずっと生きていくと思いました。 @ネタバレ終了 創作に悩んでいる方はぜひ、プレイしてほしいです。 創作や物語は食料や水、空気のように 生きていくのに必須ではないかもしれません。 ですが、生きていく道を示す指針になってくれる。 そのように思いました。

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  • Crescendo Moon
    Crescendo Moon
    青年と少女が夜の砂浜で語り合うという内容です。 場面は一切変わらず、砂浜のみで進んでいきます。 二人は事情を抱えているものの、会話の内容は 面白く、そして優しくお互いに癒されるものです。 少し暗い場面もありますが、 全体を通して一貫した暖かい雰囲気を 感じ取ってみてください。 絵やBGMも好きです。

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  • パーソナル・スペース
    パーソナル・スペース
    宇宙を題材にした、人が織りなす 星のように輝くお話です。 @ネタバレ開始 とても期待して読み始めました。 そして、その期待を上回ってくれました。 シロエが再会できたのは、 クロハ本人ではありませんでした。 しかし、クロハの想いは 受け継がれていたと思います。 戦争を始めて、略奪や殺戮を 行ってしまうことは愚かだと思います。 多くの人々がそのことを理解しているにも 関わらず、やめられないのは やはり想像力を上手く使えていないからだと思います。 シロエとクロハがお互いの気持ちを想像して 相手のために感情を表したり行動するように、 多くの人々が他者の気持ちを想像できたなら と思いました。 シロエとクロハはいわば、織姫と彦星のように 簡単に会うことはできません。 しかし、こうして待ち続けられたのは ひとえに人の想いの強さゆえだと思いました。 人の頭の中は宇宙より広いと、作中にありました。 想像力はもちろんのこと、心も無限の可能性を 秘めているように感じました。 シロエがクロハの優しさに触れて 人間の心を獲得したことが 星座のようにつながって 一つの物語になりました。 この物語はきっと、いつまでも 受け継がれていくでしょう。 シナリオ以外に言及しますと、 UIや背景CGも凝っていて 作品を盛り上げてくれました。 @ネタバレ終了 noteのあとがきも読みました。 とても苦労、葛藤されたようで 私も頑張らないとなあ、と思いました。 宇宙だけでなく、様々なことを 考えさせられる素晴らしい作品でした!

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  • 僕らのノベルゲーム
    僕らのノベルゲーム
    文芸部の高校生達が文化祭に向けて 協力してノベルゲームを作る、というお話です。 @ネタバレ開始 クリアして思ったのは 創作の暗さやつらさが予想以上に描かれていた と感じました。 創作は良いことばかりではありません。 公開する以上、嫌な感想なども時折目にします。 それでも最初に抱いた思いを 忘れなければ、創作はきっと自分に微笑んでくれる。 そう思いました。 私が好きなライトノベルに 「創作が人に馬鹿にされて恥ずかしいのは、自分らしいからだ。 自分らしくないものは馬鹿にされても恥ずかしくない」 というようなセリフがあります。 創作は自己表現だと思います。 新平は木下達に小学生時代、創作を馬鹿にされて とてもつらい思いをしました。 ですが、最終的に自分の作品を守る為に立ち向かいました。 自分の作品を守ることは自分らしさを守ることだと思います。 そういった意味で、つらいことも苦しいことも経験して、 新平は創作者として成長できたのではないかと思います。 創作の魅力を一度知ったら、創作はきっと長い間 形のない友達になってくれるはずです。 友達なので、いつも仲良しというわけにも行きません。 時に喧嘩したり、口も聞きたくないこともあるかもしれません。 ですが、こちらから歩み寄れば きっとさらに深い仲になれます。 そんな素敵な友達と一生付き合っていきたいですね。 制作お疲れ様でした! ありがとうございました! @ネタバレ終了

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