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九州壇氏のレビューコレクション

  • ラヴ・シルエットシンドローム
    ラヴ・シルエットシンドローム
    恋愛影絵症候群になってしまった主人公が憧れの人と初デートをするお話。僕は15分ほどで読了できました。 @ネタバレ開始 冒頭から勢いを感じるお話で、最初から最後まで楽しく読むことが出来ました。個人的には、???エンド(+その後)がすごく良かったと感じました。ハッピーエンド後で油断していたのもあってか、アイちゃんの豹変ぶりにはびっくりしてしまいました(笑) アイちゃんも魅力的ですが、主人公も良い奴ですね……! アイちゃんをどこまでも受け入れるその姿がカッコ良かったです。 @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございました。

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  • キョウナリmini
    キョウナリmini
    将棋のモデルにしたミニゲームを楽しめる作品。僕はルールを学ぶところも含めて20分ほどでクリアできました。もっともっと対局したいと思えるくらい楽しかったです。 @ネタバレ開始 将棋は少し打ったことがある程度の僕ですが、将棋についての知識がなくても楽しめるゲームだと思いました。本物の将棋を彷彿とさせるところが結構あって、面白かったです。歩兵をさばいて大駒をうまく使えば勝てるのはこのゲームも同じだな、なんて感じました。 対戦相手によって相手の動きが違う点も素晴らしいと思いました。自分は一時期、ずっと居飛車棒銀ばかり指していた時期があったので、ミヅトラ君には妙に共感してしまいました(笑) 良くできているゲームですので、欲を言えばもっと色々な相手とやってみたいとも思いました。素敵な作品をありがとうございました!

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  • ぶれいんぼむ
    ぶれいんぼむ
    好きな子への思いを封印されてしまった主人公紺助が、想い人を見つけるべく奮闘する物語。僕は20分ほどで読了できました。魅力的なキャラクター達とのやり取りが楽しい、素晴らしい作品でした。 @ネタバレ開始 いやー、めちゃくちゃ面白かったです……! 僕は幼馴染という関係性が好きなんですが、祈赤と紺助の2人のやり取りはメチャクチャ心に刺さりました。祈赤がかわいらしいのはもちろんですが、彼女の前でめっちゃ笑顔になる紺助もとても良かったです。紫乃先輩も素敵で、彼女のエンドを見ると先輩にも感情移入してしまったのですが……。それでも僕は、トゥルーエンドが1番好きです。お前ら、末永く爆発しろ。 個人的には、フィクションっぽい設定がありつつも、キャラクター達が等身大の人物として描かれている点が大変良かったと思います。4人の人物らとのやり取りは、時間で見れば長くないのですが、「その人らしさ」を感じられる印象的なものが多かったと感じます。ホント、全員が魅力的でした。 プレイ後はほっこりした気持ちになれる素晴らしい作品でした。本当にありがとうございました!

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  • 還る
    還る
    「早く家に帰らなければ」という思いでひたすら歩き続ける男の物語。僕は10分ほどで読了できました。短編ではありますが、感情を揺さぶられた作品でした。 @ネタバレ開始 読了してまず強く思ったのは「奥さんと娘さんがかわいそうだ」ということでした。自分も妻と娘がいるので、彼女らにはかなり感情移入してしまいました。彼女らがあの後どうなったのか、とても気になりますね……。 男については、正直、自業自得だと思います。しかしそれに加えて、「どこでなら引き返せたんだろうな」なんてことにも思いを馳せずにはいられませんでした。 男が道を踏み外した直接の原因は、会社を解雇されたことのように見えます。しかしそこに至るまでに「準備段階」ともいえる期間が結構あったのかもな、なんて思いました。少年時代の男も少し尊大なところがあったようには思われますが、あの段階ならまだ引き返せたんじゃないかな……。 短い作品ではありましたが、「道を踏み外した人」がどのように形成されていくのかという点についても個人的に考えさせられました。 強く印象に残る作品でした。ありがとうございました。

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  • Diamond Engine
    Diamond Engine
    難易度は少し高めのADVゲーム。僕は1時間ほどでクリアできました。作者様が「死にゲー」と述べている通り、何度死んだか分かりません(笑) が、体で(?)覚えながらなんとか攻略できました。トゥルーエンドに辿り着いた時の達成感はかなりのものでした。 @ネタバレ開始 本作品はバッジ機能をうまく活かしているゲームの1つだと思います。初めはソーデュオを倒すエンドがトゥルーエンドかと思ったのですが、バッジが全然入手できずに悔しい思いをしました。そこからは、なんとかバッジをゲットしたい気持ちで頑張りました。自分の場合、オゾン君の存在に気づくまでに少し時間がかかってしまいました(笑) エンドとしては、やはりトゥルーエンドが良かったと感じます。テンポが良く、笑える箇所もあって面白かったです。

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  • Music Note
    Music Note
    音楽における基本的なルールを学べる作品。僕は10分ほどで読むことができました。 昔少しピアノを弾いていたことも関係するかもしれませんが、大変分かりやすかったと感じました。 コードの骨組みの話は特に興味深くて、もっと実例を交えて勉強してみたいなと思いました。もし続編が出るなら是非プレイさせて頂きたいです。ありがとうございました。

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  • voice ~私たちの選択~
    voice ~私たちの選択~
    声優科の専門学校で過ごすかけがえのない2年間を描いた物語。僕は8時間ほどで読了することが出来ました。「恋」だけでなく、「夢」についての描写にも心動かされる素敵な作品でした。 @ネタバレ開始 プレイしてすぐに面白いと感じたのは、声優科に通う彼らの学生生活の描写です。自分は芸術系の学校のことを良く知らなかったので、終始興味深く読ませて頂きました。 序盤は、彼らがどんな生活をしているのかが丁寧に描かれています。滑舌のこと、イントネーションのこと等を学ぶのはイメージ通りでしたが、演劇やダンスの練習もあるなんて知りませんでした。途中に出てくる「声優科あるある」は「あー、確かにありそうだ……!」と妙に納得できました。また、「外郎売」についてはプレイ後にYou Tubeで検索したのですが……。そこで、プロの声優さんの凄さを見せつけられました(笑) 卒業公演に向けて皆で頑張る様子は、読んでいて特に楽しかったものの1つです。皆でこうして1つのものを作り上げるのって良いですよね……! (少し話がそれますが、「noeru」は作者様が別のゲームとして作られたお話だと知って驚きました。そちらも後ほど読んでみたいと思います) そうした「声優科ならでは」の描写に新鮮さを感じた一方で、勉強をしつつバイトをしたり、放課後に遊びに行く様子は自分の大学生活とよく似ているなと思いました。そういうところはどこも一緒なのかもしれませんね(笑) 学生生活の楽しい部分が丁寧に描かれている本作品ですが、それと同じくらい惹きつけられたところがあります。それは、「夢」が持つ綺麗ごとだけでは語れない側面の描写でした。 主人公を含めた多くの学生は成瀬君に尊敬と嫉妬の念を覚えるのですが、このあたりの展開は実に読みごたえがありました。自分の実力の限界を知って授業へのやる気もなくしていく人って本当にいるんでしょうね……。演劇の役を決める先生側も相当大変だろうなあ、なんてことも思いました。 自分は特に、 「皆自分で選んでやっていることだ、やらされているんじゃない。それは同時に競い合うことを、避けられない立場になったということなんだ……」 という主人公の独白にしびれました。ここから主人公は「進学するか、就職するか」のどちらかを選ぶのですが、ここあたりが本作品における大きな山場の1つだったと僕は感じています。夢と現実の間で葛藤する彼らには、強く感情移入することができました。この作品のおかげで、今まで知らなかった世界のことを少し学べた気がします。 本作品のもう1つの大きな魅力は、成瀬君とミオ先生との恋愛の描写だと思います。どちらのルートにも甘い展開が沢山あって、ニヤニヤしてしまうのを止められませんでした。いや、自分は恋愛対象として男性を見たことはないんですが……。それにしても、「イケメンに愛される」って良いものなんですね……! どちらのルートでも「卒業までは正式に交際できない」という制約がつくのは同じで、イケメン達はその制約と「好き」との間で苦しんでいます。彼らが必死で自分を律しようとする様子をみていると、口角が上がるのをおさえられなくなりました(笑) キャラクターとしては、特に成瀬君が好きです。とても魅力的なのに天狗になっていない様子が良いなと感じました。なお、そんな彼のことを「かわいい年下の男の子だなあ」と思いながら見ていたのですが……。それだけに、終盤でいきなり「壁ドン」された時はびっくりしました。いや、自分は本当に恋愛対象として男性を見たことはないんですが……。それにしても、「壁ドン」って良いものなんですね……! ミオ先生も素敵でした。大人の余裕があるところ、しかし、時折可愛らしい一面を見せてくれるところが魅力的でした。イベントスチルの先生は特に妖艶で、ちょっとドキッとしてしまいました。いや、自分は本当にマジで恋愛対象として男性を見たことはないんですが……。それにしても、「イケメンとの朝」って以下略 他の登場人物も魅力的だったと思います。しおりん、ともちん、良雄はみんな仲間思いの良い奴らで、彼らとの学生生活は本当に楽しかったです。また、バイト先の店長も良い味出していたと思います。ミオ先生を見てドキドキしてしまい、そんな自分に戸惑う様子は、妙に共感してしまいました(笑) 主人公にも好感が持てました。皆より年上ではあるけれど、すごく付き合いやすい人柄ですよね。ちょっと突っ走っちゃうところはありましたが(笑) まっすぐで擦れたところがないのがとても良いなあ、なんて思いました。 演出面で言うと、成瀬君とミオ先生の表情が細やかに変わる点が実に素晴らしかったです……! ほんの一瞬だけ違う表情を見せてくれたりするんですが、そこに隠された思いを見たように感じることもありました。 @ネタバレ終了 総じて、自分もその世界で学生をしている気分を味わえる素敵な作品でした。ありがとうございました。

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  • 対象She-11に関する記録
    対象She-11に関する記録
    人類がほとんど滅びかけた世界を舞台とした物語。僕は1時間ほどで読了できました。 @ネタバレ開始 本作品はシナリオの構成が特に良かったと思います。いきなり制作者よりの目線での感想となり恐縮ですが、個人的には緩急がよくきいていた点が素晴らしかったと思いました。死と隣り合わせの戦闘シーンでは緊張の糸がピンと張り、その後のシャルとの微笑ましいやり取りではまた糸が緩んで……、というように、良いテンポで緊張と緩和が繰り返されていました。その巧みな構成のおかげもあって、本作品は読むのが実に楽しかったです。 また、主人公に迫られる選択が大変シビアであったことも印象的でした。こうした問題に彼が悩んでいる様子を通して、彼らの世界で生きる厳しさがひしひしと感じられたようにも思います。本作品の中では、「舞台設定について長々と説明されている」と感じたシーンはありませんでした。にもかかわらず、あの世界をリアルなものとして感じられたのは、主人公の葛藤が真に迫るものであったからかな、と思いました。 厳しい選択を迫られた主人公とシェルでしたが、だからこそ、ひとつを選びとった彼らに強く感情移入できました。ノエーシスが1人で起動するシーンはめっちゃ熱かったです……! その後の展開は、ちょっとウルッときてしまいました。2人で生きて夢をかなえてほしかったという思いはもちろんありますが、あのような形であれ夢が叶ったことに救いを感じました。最後のイベントスチルも印象的で、特に、ノエーシスもそこにいることが素晴らしいと思いました。 @ネタバレ終了 総じて、プレイ時間に比して強い感動と満足感を味わえる作品だったと思います。 素晴らしい作品をありがとうございました!

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  • 和泉くんと三姉妹。~夏の夜奇譚~
    和泉くんと三姉妹。~夏の夜奇譚~
    「和泉くんと三姉妹。」、「和泉くんと三姉妹。~Summer memory~」に続いてプレイさせて頂きました。自分も「和泉くんと三姉妹。」シリーズの攻略に少し慣れてきたようで、今回はスムーズに6エンドとも回収することが出来ました(笑) 本作品もキャラクターのかわいらしさを堪能させて頂きました! 個人的には、今回は特にあまねさんのお話が素晴らしかったと感じました。過去作でもそうでしたが、自分はあまねさんの意外な一面を見るとクラッときてしまう体質のようです(笑) しずくさんのお話は笑ってしまいました。しずくさん、霊感が強いんですね……! 彼女がニコニコしているイベントスチル、大変良かったです(笑) くるみちゃんは相変わらずで、何だかホッとしました。 素敵な作品をありがとうございました!

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  • シリアルキラーの名前
    シリアルキラーの名前
    主人公環樹と、そのバイト先の常連客である「ジョン」の心の交流を描いた物語。ボリュームのあるシナリオ、約100枚もあるイラスト、主要キャラ2人のボイス、主題歌、ムービー。それら全てを作者様おひとりで自作されたという凄まじい力作です。僕は4時間30分ほどで読了しました。 短くはない作品でしたが、最初から最後まで一気に読ませて頂きました。本作品は「読ませる力」がある作品だと終始感じていました。それはどこから来るのだろうと考えてみると、ジョンというキャラクターが魅力的で、「もっと彼のことを知りたい!」と思わせてくれたからだと思います。 @ネタバレ開始 第1章は環樹視点でジョンとの交流を見ていくわけですが、ジョンの個性的な言動を楽しみながら読むことが出来ました。個人的に、2人でクラゲ館に行ったくだりが特に良かったと感じます。ジョンの色々な顔が見えてくる過程や、正反対のようにも見える2人が惹かれ合っていく過程は読みごたえがあり、面白かったです。 第2章では、ジョン目線で物語をもう一度見ていくことになります。この構成の場合、同じ出来事を2度読むことになるため、読者に退屈を感じさせてしまうリスクもあると思います。しかし、本作品ではそんなことはありませんでした。ジョンの内面がコミカルなイラストで描かれる点が大変ユニークで、素晴らしかったです。「次は何を見られるんだろう」と楽しみにしながら読むことが出来ました。特に印象的だったのは、かわいらしい空想と殺風景なジョンの部屋があわさった光景でした。これは彼の精神世界を色濃く象徴したものじゃないかな、なんて思いました。 総じて、「ジョンの内面にはどんな世界が広がっているのだろう」と興味を持たずにはいられない構造になっていたと思います。 ジョンの内面については、自分の力不足もあって、正直あまりよく理解できなかったと感じています。彼がつらい境遇で生きてきたこと。子供時代のある時期に固着しているためなのか、大人らしい冷めた思想と子供らしい内面世界の両方を併せ持っていたこと。そうしたところはある程度理解できましたが……。個人的には、悦びすら覚えながらあの凶行を行うようになるまでの過程がうまく了解できませんでした。竹内をぶん殴ったあのシーンなら理解できたんですけどね(笑) 人を人と思えず、まるでモノのように認識するその冷たい一面はどこからきたのか。先天的なものだったのか、それとも後天的に身に着けたものなのか……。それは今でもよく分かっていません。 理解できないのは多分、自分が環樹寄りの人間だからなんだろうなと思います。そして、そもそも彼の内面をうまく言葉で説明しようという試み自体がおこがましいことかもしれないという気もします。 自分の力ではどれだけ考えても分からないところがあったのですが、彼の理解できない部分にこそ僕は強く惹かれたのだとも感じています。また、彼の心の中には確かに人間らしくて温かいものもあったと感じましたし、その温かいものを愛しく思いました。僕はジョンに対して様々な感情を覚えたのですが、いずれにせよ、実に不思議な魅力を持つキャラクターだったと思います。 なお、ジョンにばかり言及してしまいましたが、環樹も良いキャラクターだったと感じました。彼の実直さは本作品において清涼剤の役割を果たしていたように思います。彼みたいな友達がほしいな、なんてことも思いながら読んでいました(笑) 少しダークな雰囲気のある本作品ですが、ユーモアが効いているところも多々あり、そこも本作品の魅力の1つだと思いました。とりあえず、ジョンのクラゲダンスは大きな見どころですよね(笑) 駅名は不意打ち過ぎて吹き出してしまいました。「良く笑わずにアナウンスできるなあ……」なんて、変なところに感動してしまいました(笑) 他にも、個性的すぎる店名にも笑わせて頂きました。 ボイスも素晴らしいクオリティだったと感じます。特に、環樹とジョンのどちらも作者様が担当していると知って驚きました。声の高さだけでなく、声の調子の温かさも違っていたので、全く気が付きませんでした。 @ネタバレ終了 総じて、作者様のこめた思いがいたるところから伝わってくる力作だったと思います。素敵な作品をありがとうございました。

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