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九州壇氏のレビューコレクション

  • アンドロイドは小説家になる夢を見るか?
    アンドロイドは小説家になる夢を見るか?
    僕は20分ほどで3つのエンドを見ることが出来ました。短編ではありますが完成度が高い作品で、満足感も大きかったです。 @ネタバレ開始 比較的明るい雰囲気で語られている本作品ですが、扱われているテーマはなかなか重たいものだったと思います。 今日のAIの発展に対して、期待と不安の両方を感じている人は少なくないだろうと思います。僕もそんな1人だったので、シャーリーに対して複雑な感情を抱く幸治には強く共感できました。シャーリーは本当に良いキャラクターなんですけどね……。 エンドとしては「明日への扉」が好きです。我々もAIとうまく共存できると信じたい……(笑) なお、本エンドにたどり着くまでには何度か試行錯誤をしました。奈々葉さんのコメントを参考に何を読んでもらうかを考えていくのは、なかなか楽しかったです。「リア充鬼ごっこ」を読んだ時のシャーリーの反応には少し笑ってしまいました。 @ネタバレ終了 普段から考えていることがテーマになっていることもあり、大変面白い作品でした。素敵な作品をありがとうございました。

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  • 夏の亡霊、刹那の雪と透羽の空
    夏の亡霊、刹那の雪と透羽の空
    いつも一緒にいるセナツとホタル。そんな2人に小さな奇跡が起こる物語。僕は50分ほどで読了できました。 @ネタバレ開始 本作品は雰囲気が非常に良かったです。うまく言葉にできなくて申し訳ないのですが……。僕はこの物語のいたるところで、静かな温かさを感じました。 「強い日差しが注ぐ中、2人の人間が木陰で寄り添っている」 なんとなくそんな情景が浮かんでくるような心地よさがありました。 この素晴らしい雰囲気が生まれたのは、主要人物らの交流に絞って描写していることも関係していると思います。 この作品の特徴の1つとして、主要キャラ3人(透羽含めると4人)以外の人物がほとんど出てこないことがあげられます(これは、セナツが他者に対してほとんど興味を持っていないためなのかなと思いました)。他の人物の存在を徹底的に排し、ホタル、ヒジリとのやり取りを丁寧に描いていたからこそ、彼らの絆の強さや、その在り方の危うさがより強く感じられたように思いました。 明るい未来を感じさせてくれるラストも良かったです。セナツに対してはずっと危うさを感じていたので、彼の「死なないよ。ホタルと一緒に生き続けるんだ」という台詞が特に印象に残りました。 キャラクターとしては特にヒジリが好きです。どこかひっそりとした雰囲気を持つこの物語において、彼女の言動はひときわ輝いて見えました。彼女の立ち絵の動きは面白くて、何度か声に出して笑ってしまいました。あの後ヒジリはどうなったのか、とても気になるところです。 @ネタバレ終了 総じて、心地よい温かさを感じる素敵な作品でした。ありがとうございました。

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  • 人間らしく
    人間らしく
    死を目前にした男が、最期の過ごし方を考える物語。僕は10分足らずで読了できました。 @ネタバレ開始 短編ながら、心に残る物語でした。 男の置かれた状況は、普段の我々の生活とは大きく異なったものです。しかしその一方、男の持つ悩みは死を目前とした多くの人が経験しそうなもので、それこそ人間らしいものだったと思います。 個人的に、男の行動にはかなり共感できました。自分も同じような思いで創作をしているところがあると思います。 @ネタバレ終了 印象的な作品をありがとうございました。

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  • ラヴ・シルエットシンドローム
    ラヴ・シルエットシンドローム
    恋愛影絵症候群になってしまった主人公が憧れの人と初デートをするお話。僕は15分ほどで読了できました。 @ネタバレ開始 冒頭から勢いを感じるお話で、最初から最後まで楽しく読むことが出来ました。個人的には、???エンド(+その後)がすごく良かったと感じました。ハッピーエンド後で油断していたのもあってか、アイちゃんの豹変ぶりにはびっくりしてしまいました(笑) アイちゃんも魅力的ですが、主人公も良い奴ですね……! アイちゃんをどこまでも受け入れるその姿がカッコ良かったです。 @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございました。

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  • キョウナリmini
    キョウナリmini
    将棋のモデルにしたミニゲームを楽しめる作品。僕はルールを学ぶところも含めて20分ほどでクリアできました。もっともっと対局したいと思えるくらい楽しかったです。 @ネタバレ開始 将棋は少し打ったことがある程度の僕ですが、将棋についての知識がなくても楽しめるゲームだと思いました。本物の将棋を彷彿とさせるところが結構あって、面白かったです。歩兵をさばいて大駒をうまく使えば勝てるのはこのゲームも同じだな、なんて感じました。 対戦相手によって相手の動きが違う点も素晴らしいと思いました。自分は一時期、ずっと居飛車棒銀ばかり指していた時期があったので、ミヅトラ君には妙に共感してしまいました(笑) 良くできているゲームですので、欲を言えばもっと色々な相手とやってみたいとも思いました。素敵な作品をありがとうございました!

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  • ぶれいんぼむ
    ぶれいんぼむ
    好きな子への思いを封印されてしまった主人公紺助が、想い人を見つけるべく奮闘する物語。僕は20分ほどで読了できました。魅力的なキャラクター達とのやり取りが楽しい、素晴らしい作品でした。 @ネタバレ開始 いやー、めちゃくちゃ面白かったです……! 僕は幼馴染という関係性が好きなんですが、祈赤と紺助の2人のやり取りはメチャクチャ心に刺さりました。祈赤がかわいらしいのはもちろんですが、彼女の前でめっちゃ笑顔になる紺助もとても良かったです。紫乃先輩も素敵で、彼女のエンドを見ると先輩にも感情移入してしまったのですが……。それでも僕は、トゥルーエンドが1番好きです。お前ら、末永く爆発しろ。 個人的には、フィクションっぽい設定がありつつも、キャラクター達が等身大の人物として描かれている点が大変良かったと思います。4人の人物らとのやり取りは、時間で見れば長くないのですが、「その人らしさ」を感じられる印象的なものが多かったと感じます。ホント、全員が魅力的でした。 プレイ後はほっこりした気持ちになれる素晴らしい作品でした。本当にありがとうございました!

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  • 還る
    還る
    「早く家に帰らなければ」という思いでひたすら歩き続ける男の物語。僕は10分ほどで読了できました。短編ではありますが、感情を揺さぶられた作品でした。 @ネタバレ開始 読了してまず強く思ったのは「奥さんと娘さんがかわいそうだ」ということでした。自分も妻と娘がいるので、彼女らにはかなり感情移入してしまいました。彼女らがあの後どうなったのか、とても気になりますね……。 男については、正直、自業自得だと思います。しかしそれに加えて、「どこでなら引き返せたんだろうな」なんてことにも思いを馳せずにはいられませんでした。 男が道を踏み外した直接の原因は、会社を解雇されたことのように見えます。しかしそこに至るまでに「準備段階」ともいえる期間が結構あったのかもな、なんて思いました。少年時代の男も少し尊大なところがあったようには思われますが、あの段階ならまだ引き返せたんじゃないかな……。 短い作品ではありましたが、「道を踏み外した人」がどのように形成されていくのかという点についても個人的に考えさせられました。 強く印象に残る作品でした。ありがとうございました。

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  • Diamond Engine
    Diamond Engine
    難易度は少し高めのADVゲーム。僕は1時間ほどでクリアできました。作者様が「死にゲー」と述べている通り、何度死んだか分かりません(笑) が、体で(?)覚えながらなんとか攻略できました。トゥルーエンドに辿り着いた時の達成感はかなりのものでした。 @ネタバレ開始 本作品はバッジ機能をうまく活かしているゲームの1つだと思います。初めはソーデュオを倒すエンドがトゥルーエンドかと思ったのですが、バッジが全然入手できずに悔しい思いをしました。そこからは、なんとかバッジをゲットしたい気持ちで頑張りました。自分の場合、オゾン君の存在に気づくまでに少し時間がかかってしまいました(笑) エンドとしては、やはりトゥルーエンドが良かったと感じます。テンポが良く、笑える箇所もあって面白かったです。

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  • Music Note
    Music Note
    音楽における基本的なルールを学べる作品。僕は10分ほどで読むことができました。 昔少しピアノを弾いていたことも関係するかもしれませんが、大変分かりやすかったと感じました。 コードの骨組みの話は特に興味深くて、もっと実例を交えて勉強してみたいなと思いました。もし続編が出るなら是非プレイさせて頂きたいです。ありがとうございました。

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  • voice ~私たちの選択~
    voice ~私たちの選択~
    声優科の専門学校で過ごすかけがえのない2年間を描いた物語。僕は8時間ほどで読了することが出来ました。「恋」だけでなく、「夢」についての描写にも心動かされる素敵な作品でした。 @ネタバレ開始 プレイしてすぐに面白いと感じたのは、声優科に通う彼らの学生生活の描写です。自分は芸術系の学校のことを良く知らなかったので、終始興味深く読ませて頂きました。 序盤は、彼らがどんな生活をしているのかが丁寧に描かれています。滑舌のこと、イントネーションのこと等を学ぶのはイメージ通りでしたが、演劇やダンスの練習もあるなんて知りませんでした。途中に出てくる「声優科あるある」は「あー、確かにありそうだ……!」と妙に納得できました。また、「外郎売」についてはプレイ後にYou Tubeで検索したのですが……。そこで、プロの声優さんの凄さを見せつけられました(笑) 卒業公演に向けて皆で頑張る様子は、読んでいて特に楽しかったものの1つです。皆でこうして1つのものを作り上げるのって良いですよね……! (少し話がそれますが、「noeru」は作者様が別のゲームとして作られたお話だと知って驚きました。そちらも後ほど読んでみたいと思います) そうした「声優科ならでは」の描写に新鮮さを感じた一方で、勉強をしつつバイトをしたり、放課後に遊びに行く様子は自分の大学生活とよく似ているなと思いました。そういうところはどこも一緒なのかもしれませんね(笑) 学生生活の楽しい部分が丁寧に描かれている本作品ですが、それと同じくらい惹きつけられたところがあります。それは、「夢」が持つ綺麗ごとだけでは語れない側面の描写でした。 主人公を含めた多くの学生は成瀬君に尊敬と嫉妬の念を覚えるのですが、このあたりの展開は実に読みごたえがありました。自分の実力の限界を知って授業へのやる気もなくしていく人って本当にいるんでしょうね……。演劇の役を決める先生側も相当大変だろうなあ、なんてことも思いました。 自分は特に、 「皆自分で選んでやっていることだ、やらされているんじゃない。それは同時に競い合うことを、避けられない立場になったということなんだ……」 という主人公の独白にしびれました。ここから主人公は「進学するか、就職するか」のどちらかを選ぶのですが、ここあたりが本作品における大きな山場の1つだったと僕は感じています。夢と現実の間で葛藤する彼らには、強く感情移入することができました。この作品のおかげで、今まで知らなかった世界のことを少し学べた気がします。 本作品のもう1つの大きな魅力は、成瀬君とミオ先生との恋愛の描写だと思います。どちらのルートにも甘い展開が沢山あって、ニヤニヤしてしまうのを止められませんでした。いや、自分は恋愛対象として男性を見たことはないんですが……。それにしても、「イケメンに愛される」って良いものなんですね……! どちらのルートでも「卒業までは正式に交際できない」という制約がつくのは同じで、イケメン達はその制約と「好き」との間で苦しんでいます。彼らが必死で自分を律しようとする様子をみていると、口角が上がるのをおさえられなくなりました(笑) キャラクターとしては、特に成瀬君が好きです。とても魅力的なのに天狗になっていない様子が良いなと感じました。なお、そんな彼のことを「かわいい年下の男の子だなあ」と思いながら見ていたのですが……。それだけに、終盤でいきなり「壁ドン」された時はびっくりしました。いや、自分は本当に恋愛対象として男性を見たことはないんですが……。それにしても、「壁ドン」って良いものなんですね……! ミオ先生も素敵でした。大人の余裕があるところ、しかし、時折可愛らしい一面を見せてくれるところが魅力的でした。イベントスチルの先生は特に妖艶で、ちょっとドキッとしてしまいました。いや、自分は本当にマジで恋愛対象として男性を見たことはないんですが……。それにしても、「イケメンとの朝」って以下略 他の登場人物も魅力的だったと思います。しおりん、ともちん、良雄はみんな仲間思いの良い奴らで、彼らとの学生生活は本当に楽しかったです。また、バイト先の店長も良い味出していたと思います。ミオ先生を見てドキドキしてしまい、そんな自分に戸惑う様子は、妙に共感してしまいました(笑) 主人公にも好感が持てました。皆より年上ではあるけれど、すごく付き合いやすい人柄ですよね。ちょっと突っ走っちゃうところはありましたが(笑) まっすぐで擦れたところがないのがとても良いなあ、なんて思いました。 演出面で言うと、成瀬君とミオ先生の表情が細やかに変わる点が実に素晴らしかったです……! ほんの一瞬だけ違う表情を見せてくれたりするんですが、そこに隠された思いを見たように感じることもありました。 @ネタバレ終了 総じて、自分もその世界で学生をしている気分を味わえる素敵な作品でした。ありがとうございました。

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