九州壇氏のレビューコレクション
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赤から青へ恋人から電話で突然別れを告げられるお話。5分程度で読了できました。 短いお話ですが、だからこそ、多くのことを想像させてくれます。恋人は、主人公には最後まで打ち明けられなかった訳ですが、だからといって、主人公を信頼していなかったとも言えないと思います。実際、こういう方々は、家族に打ち明けるのが一番大変だと聞きますし。双方が幸せになってほしいと願わずにはいられませんでした。BGMは作品の雰囲気に良くあっていたと思います。
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私と兄学校に行こうと考えた私が、兄と話をする物語。全部で10分ほどでした。選択肢も出ましたが、どれを押しても……。私が外に出てみようと思えるのは、兄という安全基地があるからだと思います。いざという時の居場所があると、人は強くなれるのかもな、なんて考えました。選択肢を作ったことは、読み手を物語に引き込む上で大変有効だったと思います。苦しみを見つめつつ、その上で希望を提示してくれる素晴らしい作品でした。
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リトルブルー・フォレルスケットシスコンの兄との日常の一場面を描いた作品。10分ほどで読了できました。おっしゃる通り、ほのぼのとした作品でした。大学生と高校生という年齢のふたりを描いたところが本作の魅力を高めていたと思います。高校生になったむーちゃんは、自分の力で歩けるようになってきている。兄の力を借りなくても大丈夫になってきた。でも、兄も妹も、昔からのあり方を大事にしたいとも思っている。そのことが、会話の端々から感じられました。イラストも柔らかいタッチで、本作品に良く合っていたと思います。小さい頃のお兄ちゃん、かわいいですね。こんな兄なら、ブラコンになっても仕方がない(笑) あとは、タイトルが素晴らしいと思いました。不勉強で「フォレルスケット」という単語を知らなかったのですが、これ翻訳できない言葉なんですね。「語れないほど幸福な恋におちている」といった意味だと知って、これに「little blue」という言葉を合わせるセンスの良さに感動しました。短編ではありますが、心に残る物語でした。
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水面に映るシェイクスピア淡水魚、マスジロウの命をかけた冒険の物語。プレイ時間は15分ほど。true endを読了致しました。シュールな笑いを誘われるのですが、一方で展開は妙に熱い。出生の秘密が判明するあたりは、親父もマスジロウも格好良かったです。ラストは、笑っていいのか感動していいのか分からないような、不思議な感覚に陥りました(笑) 余談ですが、ニジマスとサーモンの交配って本当にあるみたいですね。勉強にもなりました。
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Giggle。ひそひそホラーのお話が4つ収録された作品。全部で15分ほどでした。驚かす系の演出はありませんでしたが、結構怖かったです。特に3番目のお話は、夢に出てきそう……(笑) また、お話としては2番目が好きです。理解できてからゾワッとくる怖さ。もちろん怖かったんですけど、面白さも感じました。声優さんの声も良かったです。
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ティラノフェス2019オープニングティラノゲームフェス2019開催おめでとうございます! こうしたフェスをして頂けるのは、制作者としては大きな励みになります。今年は作品を出せませんでしたので、プレイヤーとして陰ながら応援させて頂きたいと思います。 余談ですが、クイズはめちゃくちゃ難しかったです(笑)
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ビデオレター亡き母のビデオレターを父と娘でみるという物語。10分ほどで読了できました。登場人物がいずれも素敵で、とても良い家族だと思いました。個人的には、特にお母さんが好きでした。 感動的なお話ですが、ラストで過剰に演出せず、静かに幕を引いたところも好みです。読後感が非常に良いお話でした。
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.神様を名乗る男が家にやってくる物語。プレイ時間は20分ほどでした。おまけまでやると大分印象が変わる作品です。個人的にはアマゾンエンドが好きで、特に叔父さんのフラグ回収には妙に感動してしまいました(笑) しかし、おまけを含めたもうひとつの物語も、読みごたえがありました。世の中には運の要素を強く感じることも良くありますが、今後はそのたびに本作品を思い出しそうです(笑) しかし、神様たちの「強者」感はすごいですね。イラストも作風に良く合っていたと感じました。
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バレンタインの次の日バレンタインの次の日の生徒らを描いた作品。4つのエンドがありますが、全部で15分ほどでした。全体的に微笑ましいお話でした。 END1には最初たどり着けず、どうすれば良いか少し悩みました。しかし、他のENDでみられる「足りないもの」を補うことでちゃんとEND1にたどり着けました。この部分も、やっぱりユーモアがあって好きでした。
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インプリントオブメモリー神社部という聞きなれない部活が目を引く、学園青春ノベル。1時間半ほどで読了できました。 シナリオですが、主人公、綾、零香の軽快なやり取りがとても良かったです。それぞれの個性がきちんとシナリオでも生かされていたこともあり、どのキャラも好きになりました。 また、あることが発覚してからの主人公らの行動の描写はかなり具体的で、そこにも個性を感じました。知らないことも多く、興味深く読めました。作者さんは建築や土木等にお詳しい方なんでしょうか……。 ラストを含め、程よくリアルに展開していったことも良かったと思います。ありがとうございました。