九州壇氏のレビューコレクション
-
一欠けらの優しさを新入社員の主人公のもとに、見知らぬ青年が訪れるお話。15分ほどで読了できました。社会生活を送るのが苦手な僕としては、彼らの言葉が胸にしみました。誰かがきっと分かってくれる。そんな優しいメッセージが本作にはこめられているように感じました。イラストは、派手さはありませんが、等身大の悩みを描いた本作品の雰囲気によくマッチしていたと思います。また、表情が素晴らしいですね。 心がじんわりと温かくなる物語でした。ありがとうございました。
-
ハロー、神様Workerダメ男の主人公が異世界で(金のために)奮闘する物語。主人公は序盤から大きな問題に巻き込まれていくのですが、終始勢いがあって楽しく読めました。大きな陰謀が少しずつ明らかになっていく過程の描き方がとても良かったです。また、中盤の「2人」の絆の描き方も素晴らしかった。「相手のために」という考えが時間をかけて硬直化してしまうこと。でも、ちょっとしたきっかけでまた分かりあえること。こうした心理描写にリアリティーがあったためか、シリアス部分は大いに感動できました。 キャラクターはどれも魅力的ですが、佳永(さん……)が特に好きです。彼女の声優さんも良い仕事をされていて、特に「心の声」のボイスは何度も笑ってしまいました。エミルもかなり好きだったのですが、もう少し彼女の見せ場もあると個人的には嬉しかったです(笑) あとは主人公の春人ですね。シーンを選ばずボケるところは賛否両論ありそうですが、相手の本心を察し、肝心なところでは行動できる格好良さがありました。遊園地のラストシーンは、なかなか痺れましたね……。 読後感も清々しくて、読んで良かったと強く思える作品でした。
-
墜恋「ヤンデレ」の登場人物との交流が楽しめる短編。15分程度て読了できました。 窒素の話にもありましたが、「混じっているものが何もない」のは儚げで美しいですが、実に危ういですよね……。ふたりには幸せになってほしいですが、そのためには、奏さんがどこかで不完全さを受け入れる強さを身に付ける必要もあるかもな、なんて思ったりもしました。
-
Are you ready?まるで少女漫画をノベルゲームにしたような、素敵な作品でした。グラフィックはみての通り大変綺麗ですし、また、アニメーション等の演出も本作品のお洒落でかわいらしい雰囲気を高めていたと思います。ストーリーについては、王道の少女漫画を思わせました。エンドは2つですが、どちらも幸せそうな終わり方で、癒されました。ごちそうさまでした。
-
むかしむかしあるところにボ
-
Please call me…?同級生との交流を描いた短編。僕も15分ほどで読了しました。タイトルの「P lease call me……?」が最後のオチまで絡んできて、構成がうまいなあと思いました。 また、田中さんとの交流の描き方がとても良かったです。ふたりは主に勉強に関連した話を展開していくのですが、これが田中さんと主人公のほど良い距離感をうまく表していたと思います。個人的には、この距離感にキュンキュンしっぱなしでした。田中さんみたいな同級生がいてくれたら学生生活も楽しかっただろうなあ、なんて思ったり(笑) 余談ですが、僕もぜひ田中さんのtaxiに以下略
-
瞳の奥で 断つ想い過去を振り返り、母との日々を再体験する物語。は素直に選びたい選択肢を押していると、いきなりBAD ENDになりました(笑) 良くなさそうな選択肢だなあとは理解していたんですけどね……。シチュエーションの選び方が秀逸だと思いました。過去は変えられなくても、それをどのように認識するかは変えることができる。主人公には、どうか前を向いて生きていってほしいと思いました。
-
彼が彼女で彼女が彼で。彼女と妖精が入れ替わってしまった1日を描いた作品。基本的にはコメディタッチで笑わせて頂きました。パロディネタが特に好きでした。……なんて言ったら、誰かに怒られそうでしょうか(笑) しかし、本作は単に笑える物語では終わりません。人それぞれの価値観というテーマを描いていて、オチにもきちんとテーマが絡んでくるところが素晴らしかったです。最後の彼女が選んだ選択について賛否両論ありそうですが、僕も「この主人公となら……」と思った派です。ただ、それこそこれは「彼女の価値観」の話ですもんね。否定するより理解することから始めようと思います(笑) 面白い作品をありがとうございました!
-
そんなことより2つの選択肢はありますが、5分程度で読み終われる作品。なかなかカオスな展開で、「なんだこれは」と驚くこと請け合いです(笑) エルバートが不憫……。 また、作者さんのプライベートにも興味を抱かざるを得ませんでした。余談ですが、ゴーヤチャンプルー、美味しいですよね。
-
Sleepy Snow Songユキとセツ、ふたりが「さよならの続き」について考えていく物語。true endではじめて登場するキャラが良い味だしていて、好きです(笑) でも、セツも良いですね。途方もない時間、儚い運命が彼をいかに苦しめていたか、想像するだけでつらくなりました。だからこそ、true endで得られた救いには、大いに感動できました。 「さよならの続きを、考えてみてほしい」というキャッチコピーも、本作品をより魅力的にしていたと思います。美しいお話を、ありがとうございました。