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九州壇氏のレビューコレクション

  • 蒼白のマジックシールエメラルド
    蒼白のマジックシールエメラルド
    バージョンアップされていたので再プレイ致しました! ビジュアル面が更に強化されていて、良いですね。 リーフィが活躍するシーンでのイラストは、彼女の魅了を更に高めていたと思います。 OPムービーも素晴らしい出来映えだと思います。1度読んで内容は知っているはずなのに、ワクワクしてしまいました(笑)

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  • たとえ明日が晴れなくても。
    たとえ明日が晴れなくても。
    普通の高校生であるはずの一輝が、「あなたは凶悪犯罪を犯す」と告げられるところから始まる物語。僕は1時間ほどで読了できました。 @ネタバレ開始 本作品のクライマックスには、完全にやられてしまいました……。特に、明日晴が感情を爆発させた時は、こちらもウルッときました。 本作品は冒頭から不吉な雰囲気があり、一輝と共に不安になってしまうシーンが繰り返されます。そんな中、明日晴の優しさと温かさはひときわ輝いていて、プレイヤーとしての自分も彼女に支えられ、救われていたと感じます。だからこそ、彼女との別れは自分もつらかったし、一輝には大いに感情移入してしまいました。 前に進む決意をした一輝は立派だと思います。エンディングは切なくも晴れやかな気分になれました。 ラストの展開が素晴らしい本作ですが、そこにいたるまでの構成も見事だと思いました。衝撃的な冒頭。その後の明日晴との楽しいデート。そして、再び現れたティアナとのやり取り……。まるでジェットコースターに乗っているかのように揺さぶられ続け、1時間があっという間でした。「感動系」のエッセンスを凝縮したようなシナリオで、プレイ時間に比して満足感が大きかったです。 音楽で言いますと、クライマックスで流れる歌『想い出のオルゴール』が大変良かったです。 @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございました。

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  • とある惑星の記録(No.S-01)
    とある惑星の記録(No.S-01)
    「私」が見聞きしてきた記録を読んでいくという作品。僕は10分くらいで読了できました。 @ネタバレ開始 「今、ここ」ではない、どこか遠くに思いを馳せずにはいられなくなる。そんな作品でした。 記録は断片的ではありますが、だからこそ、多くのことを想像することができます。個人的には、修道服の女性とのやり取りが1番印象に残りました。 また、「私」が時折見せる人間(?)らしさが良かったです。 タイトル画面もお洒落ですね……! しばらく見入ってしまいました。

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  • 夏の想いは星影に
    夏の想いは星影に
    ペルセウス座流星群が極大を迎える日。実家に帰省した「私」と、「部長」の交流を描いた物語。僕は15分ほどで読了できました。 @ネタバレ開始 少しビターな雰囲気が大変良かったです。「私」はけっこうドラマチックな体験をしているのですが、本作品はそれも含めて淡々とした調子で語っています。2人の内面には高ぶりもあったと思うんですけどね……。それをあえて見せないところを粋に感じました。 背景写真はどれも美しく、大変印象的でした。BGMをあまり用いず、主に効果音を流すという手法も、この物語にぴったりだったと思います。 ごちそうさまでした。

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  • シリウスの揺り籠
    シリウスの揺り籠
    ペルセウス座流星群が極大を迎えた日、主人公である立花優が夜空に向けてシャッターを切るところから始まる物語。僕は20分ほどで全エンドを見ることが出来ました。 @ネタバレ開始 程よいリアルさが心地よい物語でした。他の方もおっしゃっておられますが、どこかで現実にあってもおかしくない物語だと感じます。好きなものに没頭する優たちの姿には羨ましいという思いを抱きました。天文サークルSiriusの由来も素敵で、「こういうサークルに入ってみたかったなあ……」と思いました。 途中でおこるイベントもまたリアルで、個人的には結構ズシンときました。が、その後で無理やりハッピーエンドに持っていかなかった点が特に好きです。優たちの静かで温かな対応は、暗闇で光る星空のようだとも感じました。また、様々なドラマを経た上で冒頭のシーンに戻ってくるという構成も素敵でした。 なお、作者様がおっしゃる通り、バッドエンドは確かに理不尽なものもありました。が、それが良いアクセントになっているようにも感じます。妹の電話に出ないだけでバッドエンドになった時は、吹き出してしまいました(笑)

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  • ロストフレンド
    ロストフレンド
    過去に友人を捨ててしまった碧人と、双子の姉である翠が、ある計画を実行する物語。僕は45分ほどで2エンドとも見ることが出来ました。シナリオの完成度が高く、読後の満足感が大変大きな作品でした。なお、『ダークネス・ボーイフレンド』はまだ読んでおりませんが、1つの作品として問題なく楽しむことが出来たと思います。 @ネタバレ開始 本作品の大きな魅力のひとつに、完成度が非常に高いシナリオがあげられると思います。 冒頭は碧人の夢の描写で始まりますが、これがかなり生々しく、いきなり強烈に引き付けられます。そこから、双子の姉である翠が急にサポートしてくれることになるのですが、「なぜ彼女はそんなことを言い出したのか」が気になり、先を読み進めずにはいられなくなりました。 迎えた後半の展開には、心揺さぶられました。というのも、僕もいじめ問題で悩んでいたことがあるんですよね……。「過去の自分に、この作品を読ませてやりたいなあ」なんてことまで思いました(笑) エンドは分岐しますが、どちらも良かったです。「NORMAL END」も、決して間違った展開ではないと思います。が、個人的により心に響いたのは「TRUE END」でした。 碧人は汐音との和解を通じて、「もっとお互いを頼って良かったのだ」と気がつきます。この気づきが、碧人と翠の関係においても当てはまるという点が、素晴らしいと思いました。読んでいる最中は碧人と汐音の関係にばかり目が行きましたが、思い返してみれば、「ロストフレンド」とは碧人と翠の物語でもあったんですよね……! 実在する問題をリアルに描きつつ、明るい未来を予感させてくれる。素晴らしいシナリオだったと思います。 イラストについては碧人と汐音が抱き合う絵が1番好きです。この時は目頭が熱くなりました……。 立ち絵も、表情豊かで大変良かったです。特に、碧人君が薄い本を見つかりそうになって慌てている絵が好きです(笑) @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございました!

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  • TGIF
    TGIF
    何でもない日を記念日にしてくれるゲーム。僕は計15分くらいで全エンド見ることができました。 @ネタバレ開始 以前もプレイしたのですが、今日ついにスウィ・ザ・フライデーと会えました。仕事終わりということもあって、なんだかちょっと幸せな気分です。今すぐTGIFと叫びたい。ちなみに僕は明日から四連休です。マジTGIF。 少しだけ真面目に語らせて頂くと、こういうちょっとしたアイデアでプレイヤーを幸せにできるのは素敵なことだと思います。 「TGIF」、ありがとう。

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  • ほしにねがいをかけたなら
    ほしにねがいをかけたなら
    人形を愛する男を描いた少し不思議なお話。僕は10分ほどで読了できました。 @ネタバレ開始 いやー、笑わせて頂きました……! 人形を愛する者の性が、面白おかしく描かれていたと感じます。この、際どくもおいしいギリギリのラインを狙って描けるのは、制作者さんご自身も人形を愛しているからかな、なんてことも思いました。 お話の構成も良かったです。期待をさせ、その斜め上をいく展開を見せ、最後に落とす。まるでテレビの「世にも〇〇な物語」を見ているようでした(笑) テンポ良く、グラフィックも次々と変わっていくのも良かったです。まるでアニメでも見ているかのようでした。 楽しい時間をありがとうございました!

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  • Seek a country ~彼の地を夢見て~
    Seek a country ~彼の地を夢見て~
    見知らぬ場所にたどり着いてしまった主人公ゼノが、故郷を目指して旅をする物語。僕は3時間ほどで読了できました。 @ネタバレ開始 まず、本作品の大きな魅力の1つに、臨場感あふれる戦闘シーンがあげられると思います。 当初のゼノ達はとんでもない強さを持っているわけではなく、様々な敵に苦戦します。特に、クラーケンやドラゴンが出現した時は、「こんなの、どうするんだ?」と思いました(笑) しかしゼノは、仲間と協力し知恵を出し合うことで状況を打開していきます。予想できなかった展開も多く、戦闘はいずれも読みごたえがありました。 また、ゼノの能力も良かったと思います。「強化」は地味なように見えて、なかなか応用が利く能力ですよね。「次はどんなふうに能力を使うのだろう」と楽しみにしながら読むことが出来ました。 戦闘シーンは演出にも気合いが入っていたと感じます。特に、魔術のエフェクトや効果音は格好良かったです。 また、本作品は次々と舞台が移り変わっていくのですが、地域ごとの雰囲気の違いが感じられたのも良い点だったと思います。個人的には、エルフの島とジパングの雰囲気が好きですね。余談ですが、これだけ色々な舞台を作るのは大変だったろうと思いました。同じ制作者としては、作中には出さなかった設定も多々あるのでは、なんてことも想像致しました。 物語終盤はかなり絶望的な状況に追い詰められ、「この旅はどんな風に終わりを迎えるのだろう」とドキドキしていました。しかし、ラストは想像していたよりもずっと綺麗な終わり方をしてくれて、個人的には嬉しかったです。 また、丁寧に作られたシステムも本作品の素晴らしい点だと思います。メッセージはかなり読みやすかったですし、自作のセーブ画面等もこだわりを感じました。 マップ機能については、ちょっと感動してしまいました……! 個人的には、これを見るのが毎回楽しくて、場所が変わるたびに開いていました。 本作品はフルボイスですが、どの声優さんも良い仕事をされていたと感じます。個人的には、クラリスとソフィアの声が好きです。この2人は特にキャラクターに合っていたと感じました。 豪華なイベントスチルも、物語を大いに盛り上げていました。特に好きな1枚は、ゼノとクラリスが雨の中で傘をさしているイラストです。2人の表情がとても良かったです……! 音楽についてはOP曲「彼の地を夢見て」がもっとも印象に残りました。壮大な冒険を予感させるメロディで、OPムービーの時には見入ってしまいました。 @ネタバレ終了 総じて、シナリオ、演出、ボイス、イラストといった全ての要素に熱量を感じる力作だったと思います。素敵な作品をありがとうございました!

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  • ティアマトの星影
    ティアマトの星影
    星の降るような夜、記憶喪失の少女と出会うところから始まる物語。僕は、前情報通り18時間で読了いたしました。まさに「規格外」という言葉がふさわしい作品であったと思います。 @ネタバレ開始 個人的には、本作品最大の魅力はシナリオだと思いました。かなり長い物語でしたので、シナリオについては「Starlight」、「Space」、「Stella」のそれぞれで感想を述べていきます。 まず、冒頭の「Starlight」について。このパートは、慧斗と眞都の心の交流が魅力だと感じました。優しい人に囲まれているのに、それでも孤独を感じ続ける2人。似たところのある彼らはお互いに影響を与え続け、2人の心情は変化していきます。その様子が、丁寧にかつ巧みに描かれていたと思います。慧斗が父や母との思い出を語るシーンでは、ジーンとしてしまいました。また個人的には、「距離が近づくことで、その相手がいかに遠い存在か思い知る」という感覚に、深く共感しました。 加えて、日常の中に挟まれる非日常の描写も良かったです。具体的には、2人で天体観測をしているところですね。かくいう僕も天体観測が好きなのですが、「星空を見ていると、癒される一方で寂しい気持ちにもなる」という心情が表現されていて、なんだか嬉しくなりました。プレイ中は「自分も星見平に行ってみたいなあ」なんてことも思いましたね……。 そんな「Starlight」ですが、ちょっとだけ気になる点もありました。個人的な感覚なのですが、「日常パートが少し長いかな」と感じたんですよね。ここは好みがわかれるところかもしれません。クリアしてしまえば、この日常パートの役割は分かります。しかし、プレイしている最中はどうしても「なかなか大きなイベントが起こらないな」と感じてしまいました。前情報で「クリアまで18時間」と聞いていたこと、なかなか話の行き先が見えてこないこともあり、「18時間、ずっとこんな風に進むのだろうか」と少し不安を覚えました(ここでプレイをやめなくて良かったと強く思っています)。 個人的に気になった点もあげてしまいましたが、「Starlight」の終盤は面白かったです。個人的には、詩織と共に演劇をすることになってからが特に良かった。詩織という異分子が入ってきたことでお馴染みのメンバーが新鮮な反応を見せてくれるのですが、それが楽しかったです。また、皆で力を合わせて何かに取り組む様子がいかにも青春らしくて、読みごたえがありました。 さて、そんな「Starlight」が終わった後に「Space」へと入っていくわけですが……。個人的にはここからが「ティアマトの星影」の真骨頂だと思いました。緊迫した状況で始まったこのパートでは、一気に物語に引き込まれていきました。 僕がもっとも好きだったのが、ヨナタンとティアの心の交流です。殺伐とした世界で生きてきたヨナタンが優しさを取り戻していく様子は、非常に感動的でした。ティアに撫でられながら涙を流すシーンは、お恥ずかしながら自分も泣いてしまいましたし。ティアの正体を知ったヨナタンが「一緒にいる」と告げるシーンでも、ティアと共に泣いてしまいました。 ラストも素晴らしかったです。別れなければならない2人の無念さは痛いほどに伝わってきましたし、その後の展開が気になって仕方がなかったです。この「Space」は風景描写やノアとの会話も素晴らしく、その完成度の高さに驚かされました。 そして、それを受けての「Stella」も大変良かったです。当初は、「眞都ってけっこう毒舌だったんだな……」という驚きから始まったのですが(笑) 数々の伏線を一気に回収していく後半では、何度も鳥肌が立ちました。特に素晴らしかったのは、叙名さんと眞都が「再会」するシーン。ここは、「ティアマトの星影」の中でも屈指の名シーンだと思います。叙名さんが最後に大判焼き(円盤焼き)を準備したところも、粋過ぎます……! 「光る猫」については、僕はその正体に全く気が付きませんでした。でも、「ずっと見守ってくれていたのか」と思うと、これまた泣けてきますね……。 ラストも、この壮大な物語にふさわしいものになっていたと思います。イラストや音楽との相乗効果もあってか、プレイ後はしばらくこの物語のことが頭から離れなくなりました。 冒頭にも申し上げた通り、まさに「規格外」という言葉がふさわしいシナリオだったと思います。本作品は宇宙や星をモチーフとしているのですが、そこに神話や伝承などもうまく絡めることで、壮大で奥深い世界が構築されていました。その中で、「各々が持つ孤独と、他者とのつながり」というテーマをブレることなく描き切り、最後は綺麗に幕が下ろされたと感じました。制作者さんのその手腕には感服いたしました。 シナリオが素晴らしい本作品ですが、文章表現でも楽しませて頂きました。シーンによっては美しい文章になったり、古めかしい表現になったり。必要に応じて柔軟に表現方法を変えるところが見事でした。ギャグのシーンでは何度も笑わせて頂きましたね。ティアや眞都とのほんわかした会話はなんだか癖になりましたし。地の文にもネタがたくさん仕込まれていて、何度も吹き出してしまいました(余談ですが、バイバ〇ンは僕もトラウマです)。また、詩織のおかげで様々な粋な言い回しについて勉強できました。今後は、彼女の言葉遣いを日常生活で真似てみたいと思います。 キャラクターは皆良いやつばかりですが、個人的には詩織がかなり好きです。なんだかんだ言って、ちゃんと演劇を頑張っちゃうあたりがかわいらしいと感じました。彼女がラーメンの器を持っている立ち絵がツボです。あとは、ノアも良いキャラだと思いました。「原初の星々の抽象経験情報」であるはずの彼女(彼?)がツンデレっぽいことを言い出した時は、不意打ちということもあってか、ちょっとトキめいてしまいました(笑) あとは、眞都ですけれども……。彼女については、好きにならずにはいられなかったという感じです(笑) 彼女が探し物を見つけて旅立っていくラストを、僕はしばらく忘れないと思います。 しかし、こうして考えてみると、嫌いなキャラクターが全然いなくて驚きました。これだけの超大作なのに「嫌なやつ」が全然いないというのも、すごいことだと思います。 イラストも、シナリオによく合っていたと思います。「Space」の背景画像なんかは準備するのも大変だったんじゃないかなと思うのですが、どれも良かった。また、イベントスチルも印象的で、「Space」と「Stella」については10枚とも心に刺さりました。特に好きなものを強いて挙げるとするならば、慧斗と宇宙クジラが触れ合っているイラストでしょうか。共に歩くことができないはずの2人が触れ合う、奇跡の瞬間だということもあるのでしょうけど……。優しそうで、どこか寂しそうなクジラの瞳は、しばらく忘れられそうにありません。 BGMについては、「七つの宇宙を照らす星」、「星影」、「ほわいと」が特に印象に残りました。これらは、聞いているだけで胸にこみあげてくるものがありますね……。 ED曲「星の海」も素晴らしかったです。歌詞が良いですし、「星の海inst.」で聞いていたメロディーがこのような形で出てきては、感動せずにはいられませんでした(笑) @ネタバレ終了 総じて、感動的なシナリオが大きな魅力の素晴らしい作品でした。プレイ時間は確かに長かったですが、途中でやめなくて本当に良かったです。個人的には中盤からが本作品の真骨頂であったと感じますので、これから読む方には最後までプレイすることを強くお勧めいたします。また、バックログがないとつらかったので、マウスを使ってのプレイがお勧めです。 素晴らしい作品を作って下さったスタッフの皆様には、感謝申し上げます。制作、本当にお疲れ様でした。

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