富井サカナ/DIGITALLのレビューコレクション
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紅のアタランタと炎に消える残影ローレライシリーズが2年ぶりに外伝で帰ってきた! ということで超非情な世界観設定とロボ×美少女の組み合わせがクセになる大作のシリーズ外伝です。よそではなかなかお目に掛かれない重厚な人間ドラマが拝めるシリーズとなっています。ご興味を持たれたら、決して損はしないと思うので過去2作から先に履修した方がよろしいかと思われます! 異形やロボとの戦闘シーンは常に命がけなので手に汗握ります。軽快なBGMとアクション演出が相まって迫力満点ですが、今作は純粋な動画も加わり臨場感がパワーアップしてました。 制作は非常に大変だと思いますが、できることならぜひ完結まで見守りたいです!
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放課後アムネジアとても面白かったです!! 何が面白いってまず通常の会話テキストが素晴らしいです。ボケとツッコミの応酬が気持ち良くてだいぶクセになりました(一部元ネタが分からないものもあって悔しい思いもしましたが)。展開としては主人公の記憶喪失の謎を追うようなお話ですが、思いもよらぬゲームの構造を目の当たりにして驚きました。ここは是非プレイをして確かめてほしいところです。 @ネタバレ開始 作者様、金持ち×ヘリの組み合わせが好きなのかしら?なんて思いました。 @ネタバレ終了
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八ツ神のかみかくしのめりこむようにフルコンプまで一気にプレイしました!とても面白かったです!オススメです!! プレイ序盤はいきなり美男美女の転校生が7人もバーゲンセールのように現れて主人公同様に「これは誰が誰だか分からねぇヤツだ!」となりましたが、各キャラクターの造形が見た目も中身もしっかり描き分けられているために驚くほどすぐに1人1人を認識できるようになりました。この「個別のキャラクターの書き分け」についてはメインキャラだけでなくサブキャラまで含めて特に素晴らしいと感じました。こんなにも血が通っているように感じるのはかなり珍しいです。これは本編の各章において、順番にメインでスポットを当てている構成の妙もあるように思いました。 世界観も非常に緻密で、神の子や独自の掟、親の代からの背景などの設定がしっかりしているからこそ葛藤がよりリアルに感じられました。本作のストーリーが素晴らしく感じられる大きな要因の1つがナチュラルボーン人たらしの主人公冬の性格だったように思います。彼が信頼できる巻き込み型善良人間なので、7人の神々もそれぞれに精神的な成長が成し遂げられたように感じますし、ストレスなく楽しくお話を追えた気がします。 EDは3つですがそれぞれとても印象的でした。冬の人生に最も大きな影響を与える神が〇〇だったとは!確かにとても納得です。神々はみな個性的で個別の魅力がありますが、個人的には美布が好きです!可愛い!! あまりまとまらないシナリオ面の感想が続きましたが、最後に1つお伝えしたいのは絵が凄くお上手!そして凄く好みの絵柄(塗り)です!!立ち絵の線画と塗りが非常に素晴らしく、サムネにもなっているキャラクター一覧ページのグラフィック、惚れ惚れします!!
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もんすたらすパーク!〜ジェザと夢のタロット・デイズ〜標題シリーズの番外編作品です。「タロット占い」が遊べる短編ゲームですので、本編未プレイでも楽しめます!先にこちらをプレイして雰囲気を掴む、なんてスタイルも良いかもしれません。 有難いことにコンプリートまではカードの重複が起こらない(と思われる)親切設計のため、縦にめくったり横にめくったりの変化は付けつつも全タロットカードの絵柄と内容を拝見できました。一旦一気にコンプまで進めた後、タスクバーに常駐させて、時折運勢を占わせてもらっています!
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destroy_societyシンプルな選択肢を複数回選ぶだけのゲームですが、簡潔なテキストの味わいもあってか奇ゲーのタグの通り不思議なプレイ感覚が楽しめました。有り余るカネ!なにそれ欲しい!と思いながらの初回プレイは人助けに生きる人生でした。善人とは私のことです! マルチエンドで迷子になりそうなところでしたが、攻略情報同梱の安心仕様のおかげでサクサク全EDを拝見できました。
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赤ずきんは何も知らない赤ずきんちゃんのお話をアレンジしたオリジナル作ですが、アレンジ具合がとても秀逸で世界観と状況設定が素晴らしかったです。人間の業の深さはやはりとんでもねぇ。そして確かに赤ずきんは何も知らない。。。 EDは2つです。テイストは異なりますがどちらもインパクト抜群で、それぞれ読後感が異なる完璧な着地だと感じ入りました。
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君を見たのは庭が最後だった。
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ピーマン泥棒を捕まえろ!-迷探偵アキラの事件簿-単純な選択肢型ADVではなく、視覚化されたマップや調査場所や手がかりを選ぶ仕様が嬉しいミステリゲーでした。やはりこういった一工夫でゲームを遊んでいる感覚が格段に上がると改めて実感しました。終盤で明かされる意外性も素直にドキッとしました。面白かったです!
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黒き竜と黄昏の書[Failed]とても壮大な骨太本格ファンタジーでストーリーもグラフィック面での演出も素晴らしかったです!! まず非常に感動したのが細部までこだわられた演出面の素晴らしさです。シーンによって画面レイアウトやフォントを巧みに使い分け、動画演出もテンポを損なわない&テンポを作り出すために効果的に使われていました。特にストーリーが盛り上がる山場のシーンでの演出力は息をのみました。そしてプレイを進めていくととんでもないのが圧巻のグラフィック量で、目まぐるしく変わる各シーンの背景からゲームブック風画面のグラフィックからイベントスチルまで、長編作にも関わらず常にストーリーと対応した形でグラフィックが表示されるのには驚きを禁じ得ませんでした。 シナリオも大変素晴らしく、人類の平和を脅かす竜を討伐する勇者の話だと思いきや、何ともスケールの大きい物語でした。ストーリーを進めるうちに登場人物の過去や因縁、世界が見えていくのも圧巻でした。製作お疲れさまでした!ようやくプレイできて良かったです!
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世界で一番不幸せな子ども一般作品で取り上げられにくいシリアスなテーマに正面から取り組む作家性の強い作者さんの作品ですが、今回もテーマは「特別養子縁組」と非常に骨太な内容となっておりました。ストーリーは夫婦が養子をもらうまで、およびもらってからその子が育つまでのかなり長い期間をしっかりと描写しており、様々な制度を丹念に調べられたと感じました。登場人物それぞれの心情描写や展開にもとてもリアリティを感じました。心優しい主人公の人間性が素晴らしいと感じました。