御子柴のレビューコレクション
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イマジナリー・バッドフレンドシンプルで可愛らしい中に、独特な魅力のあるイラスト。 ちょっと不穏な雰囲気の、半分お顔を隠すフード。 そしてイマジナリー"バッド"フレンドというタイトル。 どんなお話か全く想像できない…そんなワクワクな気持ちでプレイさせていただきました! @ネタバレ開始 エンドは1→2の順に達成。 お話が進むにつれて「シオミくん、ただのイマジナリーフレンドじゃないな?」と思い始め…エンド1ではシオミくんの涙に謎が残る幕切れでした。 そして迎えたエンド2。 すごく…すごく切なくて、どうしようもないやるせなさがあって、それでも生と死の狭間の世界でこれまでのように二人で・悪友として一緒に遊び続けることを選んだ私ちゃんとシオミくんの関係が尊すぎました……。 @ネタバレ終了 独自のタッチのイラストはシンプルな中に表現力があって、ストーリー終盤ではいくつもスチルが切り替わり、アニメを見ているような感覚でした! しっとりと心に残る作品。素敵なプレイ時間を、ありがとうございました!
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赤ずきんは何も知らないイラストの可愛さ、童話モチーフ、メルヘンで懐かしいBGM…わぁぁ可愛いなぁ〜と見ていたら、サムネの一枚だけやけに真っ赤ではありませんか…??? ダークな雰囲気を期待しつつ、糸目可愛い赤ずきんちゃんを見守りに行きました…。 @ネタバレ開始 赤ずきんは、何も知らない! 知らないままでいられたら幸せ、そんなダークさが予想以上に(期待以上に)詰まっていましたごちそうさまです…!! 調査員さんと赤ずきんちゃんの平和に見えて不穏さ溢れる会話から、 一方の(バッドな……)エンドではこれほどの血みどろ展開が待っているなんて!となかなかヘビーな幕切れ。 もう一方のエンドでは、タイトル通り何も知らないからこそ幸せ…。赤ずきんちゃんがこの先も何も知らない・わからないまま安全に過ごせるように、と思うばかりでした。 調査員さんは敵対する組織から派遣された人なのかな…だとすれば今後も波乱含みの人生なのか……でも赤ずきんちゃんはなんとかお薬飲まされながら何も知らずにいて欲しいですね…?(すでに調査員さんの思考回路になっています。) 画面全体が絵本のようなデザインで、メルヘンなBGMと相まって、ダークな可愛さを引き立てているのが素敵でした! @ネタバレ終了 楽しいプレイ時間を、ありがとうございました!
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デスゲームは始まらない目を引くオシャレなタイトル画面に、スタートからテンション高め・セリフセンス高めで展開していく軽快なコメディ。 エンドがいっぱい…!?と感じるのは最初だけで、テンポの良さに引っ張られてあっという間にコンプしました! エンドへ至る分岐ポイントに、既読的なマークも出てくれる親切設計が、ありがたかったです! @ネタバレ開始 タイトルの通り、始まらないデスゲーム。 見ているこっちが心配になる可愛い司会者。 抜群のセリフ回しが読んでいて本当に楽しかったです!! 伊代ちゃん登場からはとにかく「なんだこの可愛い子は。なんとかしてこの子に美味しいもの食べさせてあげたいな?」の気持ちで生温かく見守るばかりでした。 キラーン!のお顔でオナシャス‼︎って言ってくれるのがとにかく可愛い〜! 何も言わず俺に永久就職して欲しいです。 そしてエンドを進めていくうちに明かされる、主人公さんの高スペックぶり…!? 全エンド回収!……からの、まさかのifルート。 どうしよう本当にデスゲームが始まってる…!?と急展開にあわあわして、完全に気持ちを持っていかれました。 そしてデスゲームの演出がまた巧妙でゾワっとする描写も多く、真相が明かされるまでは本気でドキドキしました。 ハイテンションコメディ→シリアスサスペンス→ラストはやっぱりハイテンションコメディ!の切り替えが絶妙…くっ、してやられた!と膝を叩きました。 やっぱりつよつよな主人公さんと、無事晴れやかなスタートを切った伊代ちゃん。最後まで、本当に楽しませていただきました! @ネタバレ終了 素敵な作品を、ありがとうございました!
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僕と彼女の人生バラ色最悪な状況から目の前がパッと明るく色を変えていくストーリー…… めくるめく恋愛物語を始め想像したのですが、決してそれだけでは無くて。 物語の中で過去と現在が行き来して、「僕」と「彼女」の人生をしっかり見せてくれる…そんな説得力のあるストーリーでした! @ネタバレ開始 はじめちょっと世間知らずで破天荒に見えた千絵さんの背後にあるものが、中学時代のコンプレックスであり同級生・瑞希さんへの憧れであり、そして幸助くんへの恋心であり……。 千絵さんが病気と向き合いながら幸助くんへの想いを貫いて努力をし続けたストイックと純真に、心を打たれました。 そして幸助くんも重いものを背負って、やさぐれそうになりながらそれでもまっとうに生きて、人の痛みをわかってあげられる人で。 辛い場面を乗り越えてきた二人だからこそ、想いが通じた時はその結びつきもまた強かったんだろうな……と涙腺が熱くなりました。 千絵さんの素性を知るまでの過程はミステリーのような精巧さでとても面白かったです! どのエンドも大団円ハッピー!ではないけれど、それゆえの説得力がありました。 トゥルーエンドでは半年間とは言え二人はきっと幸せな時を過ごせたわけで。 ラスト、壮年の幸助くんの横顔が見える一枚絵はとても重みがあって、美しかったです。 悲しくはあるけど、それゆえに美しくて心に響く物語でした! @ネタバレ終了 素敵な作品を、ありがとうございました!
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ファミレス・ミステリーファミレスを舞台に繰り広げられるミステリー。 どんな話だろう?とプレイし始め、じわじわと疑問が大きくなっていく展開に続きが気になり、一気に最終日まで駆け抜けました! 心理学研究のため、ファミレスで見ず知らずの相手と3日間会話を交わすというアルバイト。 会話を続けた先にやって来る驚きの展開に、思わず面白い…!と膝を打ちました。 @ネタバレ開始 浅見くんの抱える障害や「罪」に対する認識が、坂田君が追う真実に絡んで来る様子。 それらが物語を読み解くうちにくっきり見えてきて、「なるほどそう言うことか…!」と強く納得しました。 大学時代・4人の犯した罪を暴く浅見くんは確かに善人に他ならないけど、ラストシーンまで辿り着いた時…善人であることと、優しいことはまた別の問題なのかな、と感じました。 善人で、その分等しく罪に向き合うことは厳しくもある。深く考えさせられるラストでした。 @ネタバレ終了 物語の構成が本当によく練られたミステリー。 複雑な気持ちになる読後感と、考えされられるテーマ。 とても満足度の高い作品を、ありがとうございました!
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オーダーメイド(15)召しませ人生! 概要欄からグッと惹かれるキャッチコピーと、心理テスト風味という言葉に惹かれプレイしました。 選択肢の多い料理店…かの有名な宮沢賢治を思い浮かべてしまうシチュエーション。 モノクロな夢の世界で不穏な展開が来てしまうのか? このゆるくてクスリと笑える会話が続いていくのか? ウィットの利いたセリフ選びに「ほう…!おもしろい!」とにんまり笑いながら、選択肢を選びきりました! @ネタバレ開始 選択によって自分だけのお部屋・料理が作られていくのがすごく新鮮で面白かったです! そしてそのたびにウェイターさんと交わす会話がどれもシュールで面白い。 ちょっと懐かしいTVのネタとか「あ、これは♪」と思う物もあり、そのあたりも楽しませていただきました! ウェイターさんのどこかひょうきんで憎めないキャラクターが可愛いです。 「えいっ!」とか「そいっ!」とか言いながら、マスクの下ではきっとイケメンなお顔でニッコリ笑ってたんだろうな……とクリア後に想像しました。 みえないけど……たぶん(笑) 最後は素敵なケーキに素敵なお祈りの言葉を添えてもらい、なんだかほっこりした気持ちで目を覚ます事ができそうです。 セーブ&ロードができないからこそ、人生! でもゲームだから何週もしていろんなお部屋やお料理にしたいと思います♪ @ネタバレ終了 素敵な作品を、ありがとうございました!
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八ツ神のかみかくし美しくすべてが丁寧に描写された作品……プレイさせていただきました! 綺麗なイラストと和風な雰囲気・かみかくしというワード。 惹かれる要素がたっぷりで、スタートしたらもう一気に駆け抜けていました! 片田舎の高校に、突然7人の転校生たちがやって来る。 美男美女たちの登場に学校全体がざわついて…学園ものとしてわくわくとするスタート。そして冬くんの優しく温かい人柄に、すっと物語に入り込んでいきました。 主要キャラのみならず、サブキャラまでしっかり描写・描き分けがされていて、それぞれがちゃんと「生きているんだな」と感じられるのが印象的でした。本当にこんな街があって、こんな商店街があって、こんな人たちが生きている。 設定や世界が作り込まれているからこそあるリアリティが、物語全体に厚みを生んでいるのだと感じました。 @ネタバレ開始 神の子として生きる彼らと、お山のしきたりや定め。 人柱を必要とするシステムは恐ろしいはずなのに、「御霊を注ぎ」「お山で生き続ける」その後の人生がちゃんと用意されているのが、斬新に感じられました。 このシステムだからこそ、神の子に選ばれることが悲壮な未来ではなくなっている。でも、選ばれたが故にその後抱き続ける不自由や葛藤を、神の 子である7人が見せてくれる。その物語の構成がすっと頭に入って来て、素晴らしかったです。 それぞれのキャラクターが本当にリアリティがあって。 悩みを抱えていて、みんな手を取って「大丈夫だよ……!」と言ってあげたくなるキャラクターたちでした。 中でも美布ちゃんの「人間になりたい」「こんな力なんて欲しくなかった」という葛藤は胸に迫るものがありました。 そして間違った方向へ行こうとした美布ちゃんと、冬くんの決断。 胸が痛むけれど、でも、やっぱりこれでよかったのかな……と感じてしまう。 どれが絶対の正解かはわからないよなぁ、でもそれがリアルだよなぁ……などと思いを馳せました。 主軸となるのはやはり、冬くんと黒鷹くんの関係で。 寿奈ちゃんの過去から人間を嫌って(憎んで)いた黒鷹くんの、感情をより強く持ってしまう神の子としての能力が、見ていて苦しい。 きっとその分優しい人柄である黒鷹くんが、冬くんと触れ合う事で人間という存在に歩み寄る過程……とにかくそっと応援したくなる光景でした! 両エンドとも「ハッピーエンド!」という大団円ではなく切ない後味の残るもので、プレイ後もしばらく二人のその後に思いを馳せました。 桜エンドは、きっと冬くんにとっては「当たり前の日常」へと帰っていく平穏な未来だけど、黒鷹くんのことを思うと、切ない……! 帰郷エンドも、幸せを感じるのはもちろんそうなんだけど、全く同じ冬くんではなくなっているわけで……黒鷹くんのことを思うとやっぱり、切ない! 二人でいっしょにいられるのに、片方が全てを覚えていて、もう片方はこれまでと違った存在になってしまっているって…切ないですね。 切なくて苦しくて、傷口に塩を塗り込み続けているみたいでちょっと耽美…ゲホゲホッ!!!なんでもありません……(ヘキです) いろいろと想像を巡らせてしまいましたが、一番すき!になったのは天真くんです……!! 穏やかでちょっと天然入ってて人懐っこくて、そして関西弁…! ピアノに一生懸命取り組んでいたり、恋愛についてとっても純粋に考えている姿が、あぁぁ可愛い可愛いです…可愛い、かわいぃぃ(大事なことなのでたくさん言いました。) 関西弁のルーツが、天真くんの器となった人の言葉だったというお話も、素敵……。 神の子としてずっと禄華ちゃんの隣で、あったかくて柔らかい笑顔を見せてくれるといいな、と思うばかりです。尊い。 @ネタバレ終了 本当に面白くて、いろいろと考えを巡らせながらプレイしました! また、現在アプデ作業中とのこと…本当にお疲れさまです、心から応援しております! 素敵な作品を、ありがとうございました♪
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怪奇!開けてはいけない扉卍可愛いイラストとテンション高め?明るいホラー!?の紹介文がとても興味を惹かれる作品。 ずっと気になっていて、ようやくコンプさせていただきました! メンタルつよつよな二人が、どう考えてもホラーてんこ盛りな空間で探索をして謎を解き、脱出を目指すお話。 ストーリーもシステムも完成度が高くて、「これ本当にフリーゲームかな!?」と驚くばかり。 千羽ちゃんも鮫口くんも、まずキャラデザがすごく可愛い&独自のセンスが光っていて素敵。目玉焼きと派手シャツの二人組は、見ていて終始会話も可愛いビジュアルも楽しかったです! @ネタバレ開始 探索パートや推理パートの画面作りも、ポップで作品に合っていて素敵……。 なかなかのボリュームですが、作中に攻略情報が載っているので安心♪ 2週目以降はそちらも参考にしつつ、無事エンディング&バッジを回収する事ができました。 ホラーな雰囲気の中でも、軽快に会話を進める二人。 でもこの家で起こった悲劇や、過去の出来事に触れて心を痛める様子はすごく親身で二人がめちゃくちゃ良い子…なんて良い子……!と思いながら見守りました。 この二人じゃなかったら全然違うお話になっていただろうし、この二人だからこそかえちゃんと一緒におままごとができて、かえちゃんもようやく浮かばれたんだなぁ…とじんわりしてしまいました。 END1では見事脱出ののち、鮫口くんと千羽ちゃんが無事再会を果たすことができ……!これから二人で締めのラーメンを食べにいく流れはもう「名コンビ誕生!」という感じでほっこりします。美味しいラーメンを食べておいで…。 各所に仕込まれたコメディ要素が本当に面白くて。 例えばEND10はわりと悲惨な展開なはずなのに、さっくり「このあと普通に殺された」とでてきたり。(それなのに全く悲惨さが無い。不思議。) ドアスコープで恐怖の限りを尽くしたはずなのにまさかの回転寿司に発想が飛んでいったり。 この作品の空気感と言うか、全体のセンスがめちゃくちゃツボでした。 強キャラの二人ならでは!な会話センス、ずっと眺めていたくなります! @ネタバレ終了 回収要素がたっぷりありつつ、親切なヘルプに救われて思う存分楽しませていただきました。素敵な作品を、ありがとうございました!
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月明のノキエラ制作中から悪魔お兄さん・黒翼さんのキャラデザ&フルボイスという豪華仕様にワクワクしながら、公開楽しみにしていました! タイトル画面の黒翼さんが美しい。 バックに映る夜空もまた美しい。 そして謎めいた響きのタイトルも、美しい。 引き込まれるようにプレイして、30分ほどで両エンド到達いたしました! @ネタバレ開始 絵本のような一枚絵から物語が始まり、謎めいて不穏な主人公さんの状態に胸がざわっ…。 そしてそこに現れる黒翼さん、開口一番「月が綺麗ですね」はずるいですよ…! しかもこれが、体の自由を奪われた長年の宿敵に向けたものだなんて。秘められた感情に夏目漱石も舌を巻いていることでしょう。 主人公さんと黒翼さんの一触即発?の不穏な雰囲気にドキドキしているうちに、明かされていく天使としての過去。そして迫られる選択。 教会側の思惑と黒翼さんの過去を知った時には、心底黒翼さんが主人公さんを掬い上げてくれたことにほっとするばかりでした。 それにしても…くっ……神父め、主人公さんに繋がったけしからん機械や口枷(けしからん)は魔力を吸い取るためのものだったとは。まったくけしからん、見事な黒幕ぶり…。 実際の聖書の中で悪魔とは、元々天使で地獄に堕ちて悪魔となる(=堕天使)とありますが、黒翼さん改めノキエラさんもきっとそんな存在だったのかなと思うと。境遇の辛さを思いつつ、だからこそ生まれたであろう妖艶な魅力に、ついニヤリとしてしまいます……。 @ネタバレ終了 キャスト様もすごく素敵なお声で黒翼さんの雰囲気ぴったりで、とても豪華な時間を過ごさせていただきました! 素敵な作品を、ありがとうございました!
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北限のアルバ~冬の章~春、夏、秋……と展開してきた北限のアルバも、ついに冬の章。 そして今作のイケメンは年下男子、雪の精を思わせる美少年で制作中から楽しみにしておりました! シリーズ恒例の北海道に関する描写が、本当にしっくりくるものばかりで、冬の寒さとそのぶん室内で感じる温かさを想像しました。 どの季節も好きなのですが、やっぱり少年好きとしては本当に……刺さりました! @ネタバレ開始 温かみのある水彩画のような背景やUIまわりも全て制作者様が描いていらっしゃるとのことで。どれもしっくりマッチしていて、作品全部がアルバの世界を造り上げていて素敵です。冬の章ではメッセージウィンドウもクリスマスっぽくなっていて、とっても可愛かったです!(どの季節も特徴があって可愛い…) 春夏秋では、攻略対象のキャラクターたちが抱える物に主人公・真ちゃんが一緒に向き合っていくというものでしたが……今作は真ちゃんの過去や悩み、葛藤が描かれていて。 これまで深く知る事の無かった彼女の内面がハッキリ伝わって来て、すごく胸に迫るものがありました。 そこに寄り沿ってくれる透也くん。 常にスマートで優しくて、スパダリ少年過ぎる……。 本当に高校生!?16歳……!?と思っていたら……! まさか真ちゃんの弟くんの、生まれ変わりだったなんて。 奇跡のようなお話も、でも透也くんの態度やどこか浮世離れした魅力からしっくり胸に納まるものがあって。 そこに北海道のアイヌ伝承を交えてのお話の運びは、ストンと落ち着くものがありました。透也くんだからこその、説得感というか。 どちらのエンドも『弟』としての立場を残すものでしたが、美瑛に残るエンドでは少し今後を期待させるような……!? そして東京に戻るエンドでは透也くんとしては美しいながら失恋を描いているもので、でもそれが美しくて切なくて…どちらも好き。 どちらの結末も好き……!と情緒を乱されました。 @ネタバレ終了 シリーズ恒例のエナちゃんが今作も可愛くて、たっぷり癒されました♪ 四作に渡り素敵な北海道の物語を楽しませていただき、ありがとうございました!