御子柴のレビューコレクション
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薔薇園に骸を埋める淡い色合いのイラスト、薔薇園という素敵なワードと「骸」の不穏な取り合わせにぐっと引き付けられ、プレイしました。 何度も「続きから」を選択して物語を進めていく感覚が、自分から不思議で居心地のいい悪夢に入っていくようでした。 @ネタバレ開始 少女が骸を埋めながら「みてて」とプレイヤーに話し掛けくる笑顔の不穏さ。絶対になにか悪い事が起こっているのに抜け出せない、何度も彼女の埋葬を見に行ってしまう、夢の中のような世界観が好きです。 最後にわかる死体の正体は衝撃的であり、でも、だからこそ彼女は「みていて」欲しかったんだろうなぁ…と思うと、歪んでいるけど真っ直ぐな少女の感情が、胸に苦しかったです。 @ネタバレ終了 画面全体がふわりとした色とモチーフで、乙女はぜったい好きなやつ…! 細部まで可愛くしつらえられたデザイン、何度も眺めたくなります。 素敵な作品を、ありがとうございました!
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アンティーク・ワンダーランド【2024/09/13更新】プレイさせていただきました! アリスモチーフ、大好きです! ロンドンの街で繰り広げられるミステリー、大好きです! そして可愛いイラストにどのキャラクターも凝ったデザイン…大好きです!! 好き要素盛りだくさんの作品で、終始イラストの可愛らしさ、そしてその中でこそ際立つダークな魅力に引き込まれ、一気にエンディングまでプレイしました。 謎解き要素や戦闘ミニゲームが物語のアクセントになっていて、序盤から楽しい要素がたくさん…中盤以降はキャラクターの内面や相関関係がしっかり見えてきて、本当に面白かったです。 男女ともに魅力的なキャラクターばかりなので、「この子(人)、好き!!」の推しが見つかりそう……。 @ネタバレ開始 それぞれのキャラクターに好きポイントがあって、挙げるときりがないのですが……。 まず、アーリィがすごく可愛いです。 心の中にもう一人の自分「アリス」がいて、彼女を受け入れて前に進む姿は本当にヒロインという感じがして、好き…。 はじめ飄々としてなんでもできそうに見えたラビ先生、過去を紐解くとコンプレックスやトラウマを抱えていて、その人間らしさが胸に迫りました。 ルイスさんとラビ先生はたぶん根本的に境遇など似通った部分があって、ルイスさんにはフランシスさんという「神」になり得る大事な存在がいたから、こういう顛末になったんだなぁ…と思いました。だからアーリィちゃんはフランシスさんに似ているし、ルイスさんもアーリィちゃんの事を大切に思っている。 ルイスさんのその思いがこの結末に辿り着くのは悲しい事ではあるけど、それでもアーリィちゃんの父と思う心に救われた気がしました。 そして…めちゃくちゃカッコいい見せ場をたくさんもっていく、チェシャくん!初登場でゆる~っとしたところを見せておきながら、実はこんなできるリーダーなんて、ずるくないですか?? お仕事モードのサイバーパンクなお洋服が、さらにカッコいいです。 掴みどころがないけど、組織ひいては正義にちゃんと忠実な部分も惹かれました…めちゃくちゃ好きなタイプです! @ネタバレ終了 ということで、私の最推しはチェシャくんです。 見た目も内面もすごく好き……! アリスモチーフ、ミステリー、魔法具に始まるファンタジー…それらの要素が好きな人に、是非お勧めしたい作品。 細部まで作り込まれた画面のデザインもまさにアンティークで可愛い! 楽しいプレイ時間を、ありがとうございました!
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ことはらのあに制作者様の感情の描き方が以前からとても好きで、今作も楽しみにしておりました!1ルート30分ほど、全てのエンドに1時間弱で辿り着いた本作ですが、時間以上に密度の高い物語に触れられた気がします。 腹違いの兄と、夏のひと時を過ごす…舞台は主人公の住まう古く歴史のある名家。周囲に広がる自然の深さ・美しさが垣間見える中、人々の腹底にある思惑や感情が澱のようにわだかまっている…そんな対照的ともとれるコントラストが、物語にある種皮肉な(もちろん、良い意味で)魅力を加えているように感じられました。 お兄さんの見た目が好きです。どタイプです。(直球勝負) 涼やかで少し憂いを帯びた青年…という様子なのに、伏せた目元から感じる艶めかしさはなんでしょう…とても胸をかき乱され、くっっっ!良い!!と呻かずにはいられません。 @ネタバレ開始 初めに湖沼エンドへ到達しました! 主人公・繭ちゃんの「欲」の部分がお兄さんを母と同じ道に向かわせる…業が深いですね。業が深くて、それがまた似合う二人……。 次に到達した清涼エンドは、きっと物語としては一番美しく、それぞれの道を歩む二人を、そっと見守りたい清らかな心持になりました。 …からの、泥沼エンド。 白状すると作品紹介を見た時から、こういう温度感のエンドを…!求めていましたありがとうございます!! 母と同じように扱われることを憤りながら、母と同じ行為を自虐するお兄さんの表情。この描き方が得も言われぬ妖艶さで、緊迫したシーンなのにどこかうっとりとしてしまう。そんな背徳的な魅力が詰まっていました。 @ネタバレ終了 古めかしさの残るお家の状況や相関関係から、なんとなく昭和初期~中期あたりの日本文学の気配が漂っていて、その温度とじっとりとした空気感が、とても好きです! 素敵な作品を、ありがとうございました!
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ソーダポップ・トーク制作者様の作品にいつも登場するネコチャン、今回もほのぼの可愛らしいイラストに癒されました♪ 短い中で「こんな画面の作り方できるんだ〜!?」と引き込まれるポイントがしっかり盛り込まれていました! @ネタバレ開始 次作「牢獄の謎かけ姫」の前日譚とのことで、この先に何がある…?と考えながら読むと、何気ない会話も意味深に感じ…本編のお話がとても気になりました! @ネタバレ終了 可愛くて次なる展開が待ち遠しくなる作品でした!素敵なプレイ時間をありがとうございます♪
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ヒトコロシティビビットカラーと、かわいい&カッコいいがスタイリッシュに表現されたイラストに一目ぼれして、プレイしました! 人殺しが日常茶飯事になっている街…そして主人公も当たり前のようにヒトコロしている殺人犯。 なんと…なんとも物騒な雰囲気。これがタイトル三人のキャラクターとどんな命のやり取りをすることになるのか…!? ハラハラしながら、一気に全エンド駆け抜けました! @ネタバレ開始 主人公の本日の獲物…かと思いきや、三人ともコロす・コロされるエンドあり…!? ヤクザのおっさんに至っては、コロすエンドも「コロさせられた(意味不明日本語)」感じがあるし…。 三人とも、どこかで繋がっていそうな気配にどんどん先が気になりました。 可愛いギャルがやばやばカルト宗教の重要人物、というのも気になるし…真エンドではガチ怪異さんに追いかけられてしまうし……!謎の深まる展開にホラー要素まで味あわせていただきました! 本編クリア後の設定資料では三人のお名前やキャラ同士の繋がりがハッキリわかって、見応えたっぷりでした。 個人的にヤクザさんの過去や入れ墨の細かい設定資料が見られて、楽しかったです(ヤクザさん、好きです) @ネタバレ終了 謎めいていながらテンポと切れが良くて、最後まで楽しくプレイさせていただきました!素敵な作品を、ありがとうございました♪
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美しい断首タイトルも、ビジュアルも、独特の世界に一目でぐっと引き込まれる作品。ミステリーホラーと言う事で時々ぞわりとするようなシーンや描写もありましたが、それも物語の必然として納得できるストーリーでした。 モノクロの色合いや唯一無二のイラスト、なにより「この世界だから、自然」という強い説得力にぐいぐい引っ張られて読み進めました。 @ネタバレ開始 学園を舞台に、三人の女学生視点から天使様を見つけるストーリー。誰を選ぶかによって学園とこの世界の在り方が別の角度から知る事ができて、どのルートも新しい発見がありました。 おっとりしているようで、どこか不気味な雰囲気のある清水さん。正義感が強い分、現実の世界が持つ残酷さとのギャップに苦しんでいるように見える平坂さん。 どこまでも真っ直ぐな幸竹さん……。 天使様=清水さんという真実に辿り着いた後、三人の行動が…それぞれの人格にしっかりと起因していると感じました。 以下は、いちプレイヤーとしての考察です。 普通の可愛い女学生でありたかった清水さんは、他の人を「守る側」から「守られる側」に作り替える。それは怪物を倒す存在を増やすと言うのもそうですが、天使様である自分が「普通の女学生」へ戻るための選択であるように見えました。 一方平坂さんは、自分の理想としていた「清く・美しく」がどこにも存在しないと知ってしまったが故に、清水さんが自分の側に着いた時、「平坂さんの思う正義」を実現する道を選んでしまったのか…その姿は、正義に「堕ちて」いくようで、胸に苦しいものがありました。 そして、幸竹さん。彼女のルートが一番好きで、納得できました。清水さんの考えを知ったうえで、自分の命を賭しても「友を救う」ことへ向かっていく姿。 世界に死が溢れていて、怪物の被害や学園長による断首が平然と存在している現実。その中で、彼女の意志の強さは暗闇の中で唯一純粋に光っているように見えました。 サブキャラクターもどこか癖があって人間くさくて、印象深かったです。特に学園の天使様・玉津さんは有能ではあるけれど疲弊してどこか小狡くて、良くも悪くも世界を知ってしまっている「大人」だなぁと…すこし、近しく感じました。 @ネタバレ終了 世紀末を思わせる退廃的な世界に、どっぷり浸らせていただきました!独特のタッチのイラストを「どうやって描いてるんだろう」と何度もまじまじと眺めました。 イラスト・テキスト・ストーリーにBGM…すべてが調和した作品。素敵なプレイ時間を、ありがとうございました。
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一夜おどりて和風で可愛らしいイラスト。前作から制作者様の作る物語が好きで、今回も楽しみながらプレイさせていただきました! 短いプレイ時間の中でキャラクターの魅力がすごく伝わってきて、さらにミニゲームがとても楽しかったです! @ネタバレ開始 ヒトヨさん・イグサさんの人柄&トヨマルくんの可愛さに癒されました♪ 過去を語るヒトヨさんと、それを聞いてなんだかんだ優しいイグサさんのシーンは、壁になってじっとりお二人を見守りたい気分でした。 どちらのエンドも二人&トヨマルくんが穏やかに過ごすその後を想像できて、幸せ気分になりました! 怖いはずの鬼さん達も、どこか人間味があって三者三様の魅力…特に初見で黄鬼さんが気になっていたのですが、案の定…どタイプでした。たくさんお話したくてミニゲームをあえて失敗してみましたが、バッドエンドのスチルが可愛すぎませんか…!?このまま食べてくれるんですか!!?食べられたい…絶対ヒトヨさんのこと好きですよね??(幻覚?) むしろ鬼派へのご褒美です…ありがとうございます。 クリア後特典で三人のお名前や過去についても知れて、嬉しかったです! @ネタバレ終了 可愛くてほっこりする…そんな素敵な作品を、ありがとうございました♪
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イマジナリー・バッドフレンドシンプルで可愛らしい中に、独特な魅力のあるイラスト。 ちょっと不穏な雰囲気の、半分お顔を隠すフード。 そしてイマジナリー"バッド"フレンドというタイトル。 どんなお話か全く想像できない…そんなワクワクな気持ちでプレイさせていただきました! @ネタバレ開始 エンドは1→2の順に達成。 お話が進むにつれて「シオミくん、ただのイマジナリーフレンドじゃないな?」と思い始め…エンド1ではシオミくんの涙に謎が残る幕切れでした。 そして迎えたエンド2。 すごく…すごく切なくて、どうしようもないやるせなさがあって、それでも生と死の狭間の世界でこれまでのように二人で・悪友として一緒に遊び続けることを選んだ私ちゃんとシオミくんの関係が尊すぎました……。 @ネタバレ終了 独自のタッチのイラストはシンプルな中に表現力があって、ストーリー終盤ではいくつもスチルが切り替わり、アニメを見ているような感覚でした! しっとりと心に残る作品。素敵なプレイ時間を、ありがとうございました!
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赤ずきんは何も知らないイラストの可愛さ、童話モチーフ、メルヘンで懐かしいBGM…わぁぁ可愛いなぁ〜と見ていたら、サムネの一枚だけやけに真っ赤ではありませんか…??? ダークな雰囲気を期待しつつ、糸目可愛い赤ずきんちゃんを見守りに行きました…。 @ネタバレ開始 赤ずきんは、何も知らない! 知らないままでいられたら幸せ、そんなダークさが予想以上に(期待以上に)詰まっていましたごちそうさまです…!! 調査員さんと赤ずきんちゃんの平和に見えて不穏さ溢れる会話から、 一方の(バッドな……)エンドではこれほどの血みどろ展開が待っているなんて!となかなかヘビーな幕切れ。 もう一方のエンドでは、タイトル通り何も知らないからこそ幸せ…。赤ずきんちゃんがこの先も何も知らない・わからないまま安全に過ごせるように、と思うばかりでした。 調査員さんは敵対する組織から派遣された人なのかな…だとすれば今後も波乱含みの人生なのか……でも赤ずきんちゃんはなんとかお薬飲まされながら何も知らずにいて欲しいですね…?(すでに調査員さんの思考回路になっています。) 画面全体が絵本のようなデザインで、メルヘンなBGMと相まって、ダークな可愛さを引き立てているのが素敵でした! @ネタバレ終了 楽しいプレイ時間を、ありがとうございました!
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デスゲームは始まらない目を引くオシャレなタイトル画面に、スタートからテンション高め・セリフセンス高めで展開していく軽快なコメディ。 エンドがいっぱい…!?と感じるのは最初だけで、テンポの良さに引っ張られてあっという間にコンプしました! エンドへ至る分岐ポイントに、既読的なマークも出てくれる親切設計が、ありがたかったです! @ネタバレ開始 タイトルの通り、始まらないデスゲーム。 見ているこっちが心配になる可愛い司会者。 抜群のセリフ回しが読んでいて本当に楽しかったです!! 伊代ちゃん登場からはとにかく「なんだこの可愛い子は。なんとかしてこの子に美味しいもの食べさせてあげたいな?」の気持ちで生温かく見守るばかりでした。 キラーン!のお顔でオナシャス‼︎って言ってくれるのがとにかく可愛い〜! 何も言わず俺に永久就職して欲しいです。 そしてエンドを進めていくうちに明かされる、主人公さんの高スペックぶり…!? 全エンド回収!……からの、まさかのifルート。 どうしよう本当にデスゲームが始まってる…!?と急展開にあわあわして、完全に気持ちを持っていかれました。 そしてデスゲームの演出がまた巧妙でゾワっとする描写も多く、真相が明かされるまでは本気でドキドキしました。 ハイテンションコメディ→シリアスサスペンス→ラストはやっぱりハイテンションコメディ!の切り替えが絶妙…くっ、してやられた!と膝を叩きました。 やっぱりつよつよな主人公さんと、無事晴れやかなスタートを切った伊代ちゃん。最後まで、本当に楽しませていただきました! @ネタバレ終了 素敵な作品を、ありがとうございました!