かおりのレビューコレクション
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ひなちゃんのおつかい!お母さんから頼まれたおつかいという名のミッションをこなし、おいしいカレーを食べられるか… 小学二年生のひなちゃんのおつかい冒険譚でした。 ひとりでおつかいならではの、買い忘れやお菓子コーナーの誘惑! あるあるだよね~なんて思いながら、にんじんを忘れてみたり、ルーを忘れてみたり、 お菓子を買ってみたりして色々なエンディングを見ることができました。 @ネタバレ開始 おつかい大成功のED1はもうひなちゃんが美味しそうに食べてる姿が微笑ましくてほっこりし、 具材が足りないED2はきっとお母さんが水を野菜ジュースに変えて作るとかラードを使って野菜炒めるとか工夫したんでしょう!と勝手に納得し、 ルーのないED3はむしろ私お父さんのお土産のほうがいいんだけど!と思ったり、 お菓子だけのED4は怒られたことよりその後の夜ごはんがどうなったのか心配したり…。(作者さまのTwitterを拝見したら、お母さんは無からカレーを生み出したそうです。神!) そして何も買わずに迎えたED5…うん、これ最後に見ちゃダメなやつでした。凹む・苦笑。お母さんの瞳から光が消えたのが怖かったです…。一体どうしてこうなった。でもひなちゃんのせいじゃないよ、きっと!!と言ってあげたかったです。 @ネタバレ終了 私が小学二年生のころは、ひとりでおつかいなんてとても無理! だったのでひなちゃん、偉いなぁ…などと思いながらプレイしました。 でもやっぱり、おつかいに行くならメモ必須だよ! じゃないとたいていミスするからね…!とも思ったのでした。 おつかいだけの掌編ながら、ほっこりからシリアスまで 様々なタイプのエンディングが楽しめる素敵な作品でした。ありがとうございました!
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ヌコの特等席行きつけの喫茶店の看板娘「朱里ちゃん」と、看板猫?のヨシミを探しに行くお話でした。 主人公の樋口さんが喫茶店に通う理由や、現状に対する思いなど、 その心模様にとても共感しました。 変わり映えのしない毎日に変化をという気持ちもわかる気がしますし、 中でも「会社は監獄、退社は仮釈放」というワードはグサグサきました。 私以外にも刺さる方が多いのではないかと思います。 そんな変化を求める樋口さんとバディを組むことになった朱里ちゃんは、 とても可愛いのですが意外としっかり者でちょっぴり毒舌。 マスターがもうすぐいなくなるかも…というブラックユーモアには一瞬「ん?」と思いましたが、きっとマスターと心が通い合っているからこそ言える言葉なんでしょうね。そもそも祖父であるマスターのお店で働いているのも、マスターのことを本当は心配しているからなのかもしれないなと思いました。 @ネタバレ開始 そして肝心のヨシミの居場所ですが…これは本当にびっくりしました。 ええええ、よく食べる猫なのに、そんなに小さいの?! それとも一見普通に見えるけど、朱里ちゃんの頭が人より大きいとか?! …なんて思ったりしました・笑。 色々な衝撃作を遊ばせていただいてますが、驚き度合いで言うと今年一かもしれません。 そんな衝撃からの最後のオチもまた見事でした。うん、確かに特等席だ・笑。 あんないい場所誰しもが飛び込みたくなりますよね。絶妙なタイトル回収で面白かったです。 @ネタバレ終了 衝撃でもあり、笑撃でもある面白い作品でした。ありがとうございました!
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もぐってつかめ!Babyハート!生まれたばかりの待望の赤ちゃんを寝かしつけるため、新米パパが特殊能力を駆使して奮闘するお話でした。 とにかく新米パパの主人公がめちゃくちゃ面白いです! 焦って噛んだり、テンションおかしかったり・笑。 感情豊かに赤ちゃんへの愛情や奥さんへの感謝を表現してくれる、とってもいい人でした。好感度マックス! そして赤ちゃんがまたひたすらに可愛いんです! くりくりした円らな瞳に見つめられると思わずにこにこ顔になってしまいました。 そんなエンジェルですが、やはりそこは赤ちゃん。激泣きで主人公を困らせるのですが、 主人公も「深層心理にもぐって心を理解する」という特殊能力を発動! 赤ちゃんvs新米パパの耐久バトルが始まったのでした。 @ネタバレ開始 まず、もぐる能力のもぐり方が個性的!ふわっと、ぐいっと、すいっと…というもぐり方に加え、「ぺりっともぐる」が面白くて笑ってしまいました。なんだろう、ぺりっとって・笑。 ふわっと、ぺりっと、様々なもぐり方を組み合わせて探っていくと、今度は3つの心に出合うことができたのですが、この3つの心もかわいらしい名前でほっこり。ネーミングセンス抜群です! 結末自体はひとつでしたが、寝かしつけの結果は3パターン見ることができました。 寝かしつけが成功するか否かは「もぐる」がキーになっているようで、 心の探索が不十分だったり選択ミスすると完全勝利できず…。 完全勝利するには、3つの心を見る&その後の選択肢で正解を選ぶ必要があるようですね。 でも攻略は難しくないのですぐに辿り着けるかなと思います。 ただ、赤ちゃんの心をちゃんとつかまないと寝かしつけられない…というところはリアリティがあって、育児という過酷な戦いの一端を垣間見た気がしました。本当に大変そう…!! でも、奥さんと戦友になれるくらい旦那さんが育児に協力してくれている笛吹家(デフォルト名)の未来は明るいと思えました。とても素敵な家族でした。 @ネタバレ終了 寝かしつけというほんの一部分とはいえ、育児を疑似体験できる部分がとても興味深かったです。 面白いコメディで読んでいる間はとにかく楽しかったんですが、 読後は育児の大変さが身に沁み「育ててくれた親への感謝」で胸がいっぱいに…。 母の育児の時の話や自分自身の思い出などもよみがえり、ほろりとしてしまいました。 私のように育児経験のない方には育児について考えるきっかけとなる気がしますし、 子育て真っ最中の方や子育て経験された方にはまた違った響き方をするのではないかと思います。 改めて親の存在に感謝する機会を与えてくれた、素敵な作品でした。ありがとうございました!
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各務家〜食卓物語〜ボク(睦祈くん)の誕生日を祝う家族の1日を、それぞれの視点から描いたお話でした。 最初は誕生日の主役である睦祈くん視点のお話から始まり、 読み終えると次の家族のお話が読めるようになるシステムです。 一見よくある普通の家族のささやかなお祝い事なのですが、 徐々に解放される家族の視点を読み進める毎にそれぞれが抱える問題が明らかになっていき… そんな一筋縄ではいかない家族というモノが丁寧に描かれていました。 @ネタバレ開始 空気を読む…ということを知らない無垢さが時に爆弾となる睦祈くんや、 家族のためを思う気持ちが強すぎて距離感を見誤りがちなお母さん、 本当はきちんと向き合ってほしいだけなのに悪びれることしかできない祈跡ちゃん、 心が忙殺されて家族を大切にできなくなっているお父さん、 気後れしていまだに本当の家族の一員になれないままでいる歩さん。 いびつな形になってしまっても、本人たちはどこをどう正したらいいのかわからない。 そんなすれ違ってしまった家族の元に舞い降りた笑楽ちゃんは、まさに天使!でした。 祈跡ちゃん編を見た時には笑楽ちゃん怪しい…などと疑ってかかっていたんですが、 のちのち全くの誤解だとわかった時には土下座したくなりました・笑。 (ていうか祈跡ちゃん、なんでそんなに笑楽ちゃんを嫌ってるの…。いつかちゃんとわかりあえるといいなぁと思います。) あくまで自然に、そして優しい心遣いで家族一人一人の心を溶かしていった笑楽ちゃんに感動でした。 歩さんに渡したケーキがまた素敵すぎて泣けます…なんていい子なの。正真正銘の天使でした。 ぜひとも歩さんと幸せになってほしい。そしてこれからも天使のスマイルで各務家を支えていってほしいです。 家族の問題に限らず、往々にして何かあった時に当事者は間違いに気付けないもの。 そういう時一歩引いて見られる第三者の存在やその意見って大切だな…と改めて感じたお話でした。 ストーリーに関係ないことなのですが… 各務の読み方は「かがみ」なんですね。ずっと「かくむ」と読んでました…汗。 ブラウザ版に表示されたスクリプト名が「Kagami」だったのでもしや?と思いググってみたら、 岐阜に各務という地名があったり、各務元正という戦国武将がいたりと「各務=かがみ」という名前は一般的のようですね。 恥ずかしながら知らないことだらけで驚きました。 @ネタバレ終了 家族って本当に難しい、けれど大切で愛おしいものなのだと改めて感じさせてくれるような、温かな結末でした。 読後とても幸せな気持ちになれる素敵な作品をありがとうございました!
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メドゥーサと目を合わせると死ぬゲーム。目を合わせようとしてくるメドゥーサの彼女との7日間、どう過ごすのかを選択していくお話でした。 メドゥーサの彼女と相対する自分(主人公)は一体何者なのか、 色々な想像をしながら読み進めていたのですが、 @ネタバレ開始 まさか人間でないとは…!! しかも彼女の子供だったなんて…予想だにしない展開に心底驚きました。 メドゥーサの力を持つ者同士の対峙という設定、 これを予想できる方はなかなかいないのではないかと思います。 素晴らしい発想だと思いました。 また、目を合わせようとしてくる彼女の意図も、 利己的なモノではなく主人公のためだったという思いもよらない展開。 こちらも予想外でした。 そんな驚きの真相がわかってからの結末ですが、 トゥルーエンドはお互いの気持ちがすれ違い、 無理やり…という展開で一番悲しい結末だったように感じます。 母である彼女の、断腸の思いが伝わってくる涙ながらのスチルが泣けました。 そして唯一目を合わせられるハッピーエンドも、ひたすらに涙を誘う展開でした。 最後にしてようやく見つめ合うことができた…だなんて、なんて切ないの! しかも残された時間はもうわずかという、哀しい現実がまた泣けます。 更にその後、二人が穏やかに最期を迎えるシーンがなんとも美しく涙、涙。 切ないけれど、最期は幸せだったのかな…と思える温かな終幕でした。 最後にバッドエンド。 個人的にはこのエンドが一番印象的でした。 彼女も主人公も目を合わせられなかったことで迎えた、切なすぎる別れ。 どうか二人の行きつく先が同じ場所であってほしい、晴れ渡る青空に願わずにはいられない哀しい最期でした。 @ネタバレ終了 驚きと、感動とが押し寄せてくる、切なくも美しい物語でした。 素敵な作品をありがとうございました!
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GrayWorld閉ざされた灰色の先の見えない世界から脱出するお話でした。 謎解き脱出ゲームではありますが、謎解きはお話に色を添える要素の一つであり、 メインは考察しがいのあるストーリーだったように思います。 @ネタバレ開始 謎解きの問題が、色にまつわる内容だったところに、意味深さとお洒落さを感じました。 概要蘭にある「彩りを」という言葉にも繋がるように思いますし、 虹の色とも関連性があるのかなと思ったりもします。 また、灰色の世界からどう抜け出すか、そしてどう彩っていくか… 狭い世界に閉じこもりがちな自分にも刺さるものがありました。 「世界は無限に広がっている…すべては自分次第」というメッセージは、 閉鎖的な世界で生きているすべての現代人に響くものがあるように思います。深みのあるメッセージでした。 @ネタバレ終了 タイトルの意味や、タイトルに隠された仕掛け、プレイヤーに考える余地を与えるストーリーなど、 掌編ながら奥行きのある物語だと思いました。 灰色一色で創り上げられた雰囲気のある世界観や、使用されている音楽、 タイトルに隠された仕掛けやクリア後の変化など演出面も素晴らしかったです。 気付きを与えてくれるメッセージに心を動かされる、素敵な作品でした。 ありがとうございました!
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とっ散らかってます。ある日目覚めたら、言葉を話す「れもんという名前のスイカと書いてあるサクランボ」が眼前にいる、カオスな世界だった― それっぽく書いてみましたが・笑。 名前の一致しない野菜・果物たちとの一日を描いたお話でした。 とにかくとっ散らかってます。そしてひたすら面白いです! 名前を覚えるのが大変すぎて、推理や謎解きでないのに思わずメモを取ってしまいました。 でないと、誰が誰だかめっちゃ混乱します。でも混乱しながら読むのもまた一興かもです・笑。 @ネタバレ開始 3種類のEDを見ることができましたが、ED2はちょっとホラー展開でビビりました。 部屋がああなるまでやっておいて平然としている主人公に、闇属性を垣間見た気がします。主人公、怖! 一方ED3は、楽しそうに遊ぶ姿がED2とは真逆で印象的です。帰宅後の片づけを思うと気の毒ですが、頑張れ主人公。 ED1では、冷蔵庫でのやり取りに笑いました。君らレタス食べるんかい! ただ食卓にも冷蔵庫にも、れもんがいないような気がするんですが、どこ行ったんでしょう。 炒め物に入っている緑が柄だったり…?いやでも柄って食べられないよね? などとひとしきり考えてしまいました。誰か教えて…!(勘違いだったらすみません!) @ネタバレ終了 かつてこんなにもタイトル通りの作品があっただろうか… そう思えるほど、タイトルに見合った見事な散らかりっぷりでした。 突き抜けたカオスさがたまらなく面白かったです。 思い切り笑えるのでストレス発散にもなるし、 ちょっと落ち込んでる時などには元気をもらえる気がします。 クソゲーの皮をかぶった、シュールな楽しさが光る素敵な作品でした。 楽しい時間をありがとうございました!
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ウソからはじまる物語ウソをテーマにした3つの短編からなる「ひとつの物語」でした。 4月1日の公園を舞台にした3つのお話はそれぞれ主人公もサブキャラも違うのですが、 発生する出来事が共通していたり、出てくるキャラが共通していたりと連鎖していて、 2話3話と読み進めていくことでひとつの物語が出来上がる…そんな感じのする構成でした。 色々な出来事が入り乱れるけれど、 推理もの並みに時系列がしっかりしていて矛盾が感じられないところもすごかったです。 よく練られたシナリオだと思いました。 また、タイトルバックのイラストやUI、BGMなど全体的に非常にお洒落です。 シティポップという言葉が思い浮かぶようなセンスのある仕様でした。 そんな印象的な部分が多い中でも、最大の特徴は「あいはらまひろ」さんの文章ではないかと思います。 透明感があり、淀みなく流れるように読みやすいのですが、 随所にグッと心をつかまれるポイントがある…何とも味わいがあり癖になる文体です。 少し読み始めた段階で、ああ好きな文章だな、とすっかりファンになってしまいました。 @ネタバレ開始 ウソつきは夢の始まり 相手を想う優しいウソが描かれたお話ですが、 ウソをつかれた側のしずくちゃんのセリフがとても印象的でした。 どうしてもウソを吐かれると「ウソを吐いたこと自体」に不誠実さを感じてしまうものですが、 しずくちゃんは比奈子さんの気持ちをきちんと理解してくれている…! そう思える展開がとても良かったです。 奇跡のような出会いをした二人だからこその絆が感じられる結末、感動でした。 真っ赤なウソ とても甘酸っぱく、そして少しセンチメンタルなお話でした。 七生ちゃんが背伸びすることなく現状を受け入れ、でもそこから前向きに歩き出す結末が良かったです。 若いころは年齢差が気になるだろうけど、 年齢を重ねていけば7歳差なんて全然気にならなくなるから大丈夫よ、七生ちゃん! と伝えたかったです・笑。 でもエピローグでは愛美ちゃんにも本音を打ち明けられたし、 自分を磨く時間を大切にできる七生ちゃんは素敵な女性になりそうですね。 恋の行方は明確ではないけれど、不思議と良い兆しを感じられる爽やかな終幕でした。 ウソからでた誠 こころさんに惚れました!!逆プロポーズかっこいい…! 一緒に生きていく覚悟とは言い得て妙。深い言葉です。 彼女になら誠さんも安心して背中を預けられそうですね。 共闘する覚悟を決めた二人にもうウソはいらないだろうと思える清々しい結末でした。 @ネタバレ終了 3編ともとても素敵なお話でした。 私は上から順に読んでいったのですが、違う順番で読んでいたらまた違った印象だったのかもしれませんね。 ただこの順番が時系列が一番わかりやすい気がしたので、 個人的には上から順に読んでよかったなと思います。 でもできることなら脳内リセットして、 順番を変えて一から読むことができたらななんて思ったりもしました・笑。 特別な大事件が起きるわけではないけれど、 全てのお話で「心の中で大切な事件が起きていた」ように思います。 そんな日常の中の大事が、心地よい文章で丁寧に描かれた秀作でした。 瑞々しく素敵な作品をありがとうございました!
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寺帰りのKさんと犠牲になった僕のスマホ化け猫の祟りから逃れる方法を探す7日間…を描いたお話でした。 ポップなグラフィックと、キレイなイラスト、UIやバッジなども含め全てがお洒落! まず視覚的な部分からがっつり心奪われました。 (特にサカワの背景のデザインと、Kさんのスチル、ED5後のスチル?がお気に入りです。) ストーリーも、内容自体は重めながら、 暗くなりすぎないように工夫がされていて読みやすく、読後感もとても良かったです。 また、ドキッとするような演出が少しありるものの、 ホラー的な怖さはほとんど感じなかったのでホラー苦手でも楽しめると思います。 @ネタバレ開始 怖さという意味では怪奇的なものというより、むしろ人間の心の恐ろしさが描かれていたように思いました。 特にアミちゃんの闇深さが明らかになるED3やED4はひえぇぇ!となりました笑。 怖い、怖いよアミちゃん! 更に主人公も業を背負っていて…それを知った時は切なくなりました。胸が痛い…。 なのでヤマトの愛情と赦しを感じられるED2も、ベストではないものの好きなEDでした。 そして皆に救いがあったED5! ここまでやってきてよかったと思える結末に感動でした! 菜々子ちゃんとアミちゃんの和解はもちろん、 何気にKさんとラウソンさんが対面できてるのも嬉しかったです。 あ、あとサカワと菜々子ちゃんの再会も!(最後のスチル)幸せでした。 @ネタバレ終了 キャラクターがとても魅力的なので、一緒に探索したり、色々会話したりするのが楽しかったです。 何度も駄菓子屋とコンビニに通ってしまいました。 また、随所にパロディネタが込められているのでそれを発見する楽しみもあるかと思います。 名前の由来に気付くと面白いです笑 Kさんについてだけはわからなくて調べてみたところ、元ネタがあるんですね。 それを知ってから再プレイしたところ、なるほどー!これパロディだったんだ! と気付けて更に楽しめました。 知らない方は「寺生まれのTさん」を調べてからプレイするのをオススメします。 寺帰りってスゴイと最後に言いたくなる、とても楽しい作品でした。ありがとうございました!
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終わりから誰しもが一度は考えたことがあるであろう「終わり」を丁寧に描いたお話でした。 とにかくすごい発想力と、それを実現させた文章力に脱帽です。 @ネタバレ開始 そもそもの構想自体も素晴らしいのですが、 それをここまで違和感なく作り上げられたことに、更に感心しました。 「終わりから」では感動のストーリーに思えた結末が、 「初めから」では物悲しく見えるのが切なかったです。 自分が迎えるなら「終わりから」のような結末が望ましいですが、 思い通りにいかない人生…「初めから」のような終焉のほうが可能性高いのかな、 なんてちょっとブルーになったりもしました苦笑。 @ネタバレ終了 演出面でもドキッとさせられる仕掛けがあったり、 掌編ながらたくさんの驚きが詰まっていました。 素晴らしい試みに感嘆する素敵な作品でした。ありがとうございました。