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かおりのレビューコレクション

  • とっ散らかってます。
    とっ散らかってます。
    ある日目覚めたら、言葉を話す「れもんという名前のスイカと書いてあるサクランボ」が眼前にいる、カオスな世界だった― それっぽく書いてみましたが・笑。 名前の一致しない野菜・果物たちとの一日を描いたお話でした。 とにかくとっ散らかってます。そしてひたすら面白いです! 名前を覚えるのが大変すぎて、推理や謎解きでないのに思わずメモを取ってしまいました。 でないと、誰が誰だかめっちゃ混乱します。でも混乱しながら読むのもまた一興かもです・笑。 @ネタバレ開始 3種類のEDを見ることができましたが、ED2はちょっとホラー展開でビビりました。 部屋がああなるまでやっておいて平然としている主人公に、闇属性を垣間見た気がします。主人公、怖! 一方ED3は、楽しそうに遊ぶ姿がED2とは真逆で印象的です。帰宅後の片づけを思うと気の毒ですが、頑張れ主人公。 ED1では、冷蔵庫でのやり取りに笑いました。君らレタス食べるんかい! ただ食卓にも冷蔵庫にも、れもんがいないような気がするんですが、どこ行ったんでしょう。 炒め物に入っている緑が柄だったり…?いやでも柄って食べられないよね? などとひとしきり考えてしまいました。誰か教えて…!(勘違いだったらすみません!) @ネタバレ終了 かつてこんなにもタイトル通りの作品があっただろうか… そう思えるほど、タイトルに見合った見事な散らかりっぷりでした。 突き抜けたカオスさがたまらなく面白かったです。 思い切り笑えるのでストレス発散にもなるし、 ちょっと落ち込んでる時などには元気をもらえる気がします。 クソゲーの皮をかぶった、シュールな楽しさが光る素敵な作品でした。 楽しい時間をありがとうございました!

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  • ウソからはじまる物語
    ウソからはじまる物語
    ウソをテーマにした3つの短編からなる「ひとつの物語」でした。 4月1日の公園を舞台にした3つのお話はそれぞれ主人公もサブキャラも違うのですが、 発生する出来事が共通していたり、出てくるキャラが共通していたりと連鎖していて、 2話3話と読み進めていくことでひとつの物語が出来上がる…そんな感じのする構成でした。 色々な出来事が入り乱れるけれど、 推理もの並みに時系列がしっかりしていて矛盾が感じられないところもすごかったです。 よく練られたシナリオだと思いました。 また、タイトルバックのイラストやUI、BGMなど全体的に非常にお洒落です。 シティポップという言葉が思い浮かぶようなセンスのある仕様でした。 そんな印象的な部分が多い中でも、最大の特徴は「あいはらまひろ」さんの文章ではないかと思います。 透明感があり、淀みなく流れるように読みやすいのですが、 随所にグッと心をつかまれるポイントがある…何とも味わいがあり癖になる文体です。 少し読み始めた段階で、ああ好きな文章だな、とすっかりファンになってしまいました。 @ネタバレ開始 ウソつきは夢の始まり 相手を想う優しいウソが描かれたお話ですが、 ウソをつかれた側のしずくちゃんのセリフがとても印象的でした。 どうしてもウソを吐かれると「ウソを吐いたこと自体」に不誠実さを感じてしまうものですが、 しずくちゃんは比奈子さんの気持ちをきちんと理解してくれている…! そう思える展開がとても良かったです。 奇跡のような出会いをした二人だからこその絆が感じられる結末、感動でした。 真っ赤なウソ とても甘酸っぱく、そして少しセンチメンタルなお話でした。 七生ちゃんが背伸びすることなく現状を受け入れ、でもそこから前向きに歩き出す結末が良かったです。 若いころは年齢差が気になるだろうけど、 年齢を重ねていけば7歳差なんて全然気にならなくなるから大丈夫よ、七生ちゃん! と伝えたかったです・笑。 でもエピローグでは愛美ちゃんにも本音を打ち明けられたし、 自分を磨く時間を大切にできる七生ちゃんは素敵な女性になりそうですね。 恋の行方は明確ではないけれど、不思議と良い兆しを感じられる爽やかな終幕でした。 ウソからでた誠 こころさんに惚れました!!逆プロポーズかっこいい…! 一緒に生きていく覚悟とは言い得て妙。深い言葉です。 彼女になら誠さんも安心して背中を預けられそうですね。 共闘する覚悟を決めた二人にもうウソはいらないだろうと思える清々しい結末でした。 @ネタバレ終了 3編ともとても素敵なお話でした。 私は上から順に読んでいったのですが、違う順番で読んでいたらまた違った印象だったのかもしれませんね。 ただこの順番が時系列が一番わかりやすい気がしたので、 個人的には上から順に読んでよかったなと思います。 でもできることなら脳内リセットして、 順番を変えて一から読むことができたらななんて思ったりもしました・笑。 特別な大事件が起きるわけではないけれど、 全てのお話で「心の中で大切な事件が起きていた」ように思います。 そんな日常の中の大事が、心地よい文章で丁寧に描かれた秀作でした。 瑞々しく素敵な作品をありがとうございました!

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  • 寺帰りのKさんと犠牲になった僕のスマホ
    寺帰りのKさんと犠牲になった僕のスマホ
    化け猫の祟りから逃れる方法を探す7日間…を描いたお話でした。 ポップなグラフィックと、キレイなイラスト、UIやバッジなども含め全てがお洒落! まず視覚的な部分からがっつり心奪われました。 (特にサカワの背景のデザインと、Kさんのスチル、ED5後のスチル?がお気に入りです。) ストーリーも、内容自体は重めながら、 暗くなりすぎないように工夫がされていて読みやすく、読後感もとても良かったです。 また、ドキッとするような演出が少しありるものの、 ホラー的な怖さはほとんど感じなかったのでホラー苦手でも楽しめると思います。 @ネタバレ開始 怖さという意味では怪奇的なものというより、むしろ人間の心の恐ろしさが描かれていたように思いました。 特にアミちゃんの闇深さが明らかになるED3やED4はひえぇぇ!となりました笑。 怖い、怖いよアミちゃん! 更に主人公も業を背負っていて…それを知った時は切なくなりました。胸が痛い…。 なのでヤマトの愛情と赦しを感じられるED2も、ベストではないものの好きなEDでした。 そして皆に救いがあったED5! ここまでやってきてよかったと思える結末に感動でした! 菜々子ちゃんとアミちゃんの和解はもちろん、 何気にKさんとラウソンさんが対面できてるのも嬉しかったです。 あ、あとサカワと菜々子ちゃんの再会も!(最後のスチル)幸せでした。 @ネタバレ終了 キャラクターがとても魅力的なので、一緒に探索したり、色々会話したりするのが楽しかったです。 何度も駄菓子屋とコンビニに通ってしまいました。 また、随所にパロディネタが込められているのでそれを発見する楽しみもあるかと思います。 名前の由来に気付くと面白いです笑 Kさんについてだけはわからなくて調べてみたところ、元ネタがあるんですね。 それを知ってから再プレイしたところ、なるほどー!これパロディだったんだ! と気付けて更に楽しめました。 知らない方は「寺生まれのTさん」を調べてからプレイするのをオススメします。 寺帰りってスゴイと最後に言いたくなる、とても楽しい作品でした。ありがとうございました!

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  • 終わりから
    終わりから
    誰しもが一度は考えたことがあるであろう「終わり」を丁寧に描いたお話でした。 とにかくすごい発想力と、それを実現させた文章力に脱帽です。 @ネタバレ開始 そもそもの構想自体も素晴らしいのですが、 それをここまで違和感なく作り上げられたことに、更に感心しました。 「終わりから」では感動のストーリーに思えた結末が、 「初めから」では物悲しく見えるのが切なかったです。 自分が迎えるなら「終わりから」のような結末が望ましいですが、 思い通りにいかない人生…「初めから」のような終焉のほうが可能性高いのかな、 なんてちょっとブルーになったりもしました苦笑。 @ネタバレ終了 演出面でもドキッとさせられる仕掛けがあったり、 掌編ながらたくさんの驚きが詰まっていました。 素晴らしい試みに感嘆する素敵な作品でした。ありがとうございました。

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  • うさことちゃん
    うさことちゃん
    小学校のうさぎ小屋にいる「うさまる」と、 なぜかうさまるくんの言葉がわかる「ことちゃん」との交流を描いたお話でした。 ドット絵で描かれたミニマムでかわいらしいグラフィックと、 それとは裏腹に少しシュールな地の文章、そのギャップがとても印象的でした。 特にうさまるとことちゃんは、 かわいい見た目に反してちょっと口が悪かったり、言いたい放題だったり・笑。 でもその会話がウィットに富んでいてめちゃくちゃ面白い…! 作者さまの笑いのセンスが最高でした。ツボです! @ネタバレ開始 徐々に「ひとり」でいる寂しさを感じ始めたうさまると、 いつも「ひとり」で苦しみに耐えてきたことちゃん。 ふたりの出会いはきっと必然だったんだなと思える展開に感動しました。 おまけでわかるその後が、明るいものだったのも嬉しかったです。 果たして彼が人間になれる日がくるのか?だけが気がかりですが…笑。 気がかりと言えば、バッジなのですが… こちらは搭載されていないのでしょうか?獲得できず少し残念に思いました。 @ネタバレ終了 右下のうさちゃんマークや、作中のキャラの表情など、 たくさん詰まった可愛いにも心癒されました。特に笑顔のことちゃん可愛かったな…! 途中少しドキッとする展開があったり、テーマ性も重めではありますが、 読了時にはほっこりできたのも良かったです。優しい結末でした。 何よりうさまるとことちゃんのキャラが大好きです! もっとずっと彼らのやり取りを見ていたい、そう思える素敵なキャラクターたちでした。 とても温かみのある素敵な作品でした。ありがとうございました!

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  • RiddleRoom
    RiddleRoom
    閉じ込められた部屋から脱出するため、 アンドロイドのムノーちゃんが出題する水平思考クイズを解いていくお話でした。 ムノーちゃんは、名前のイントネーションを間違えるとスリッパで攻撃してきたり、 正解すると笑顔を見せてくれたり、主人公の体調を気遣ってくれたり、 アンドロイドにないはずの感情がありありと感じられるとても魅力的なキャラクターでした。 そんなムノーちゃんが出題する問題は、現代社会でも通じる切ない内容のものばかり。 解答に悩むというより内容の重さに思い悩んでしまいました…。 @ネタバレ開始 特に3問目は2問目までとは少し毛色が違い、物語の核心に迫るような面もあり印象深かったです。 自死してしまった少女と、その遺志を継いだ男性の関係にはどこか親子愛のような側面が見受けられ、そこが4問目に「精神的に」繋がっているようにも感じました。 その3問目をあちら側から見た後で迎えた4問目では、明らかになった真実に驚きました。 食い止められなかった悲劇に胸が痛みます。 ただ、なぜ悪用した側でなく、作っただけの人が責められなければならないのか。 また、真実を知らずに作った彼らのほうを恨む人々がいること、 そしてそのせいで逃げ隠れしなくてはならない主人公達、どちらもとても哀しく見えました。 投げかけられたメッセージに心をグサリと刺されたような…痛みを感じる深い問題でした。 と、心にずっしりと重みを抱えましたが、 主人公にはムノーちゃんがいてくれて本当に良かったと思います。 そんなムノーちゃんと脱出すべく、二つ目のエンディング探しに勤しみました…が! これが思いのほか難しく、なかなか見つからない…! かなり苦戦しましたが、ようやくムノーちゃんを連れ出せた時は本当に嬉しかったです。 1周目を踏まえた仕組みがまた素敵ですね。スチルもとても美しく感動しました。 @ネタバレ終了 水平思考クイズを解く楽しさだけでなく、考えつくされた展開や演出の面白味、 深く考えさせられるストーリーなど、全てにおいて優れた秀逸作と思います。 素晴らしい作品でした。ありがとうございました!

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  • がんばれ!ヤマトくん
    がんばれ!ヤマトくん
    ご主人のミスをカバーするため文房具たちが奮闘するお話でした。 いわゆるストップモーションアニメなのですが、 120枚もの写真を使われているからかとても動きが滑らかでしたし、 動きの変化や表情の変化など細かな部分まで丁寧に描かれていて驚きました。 幼いころテレビで見た番組と遜色ないクオリティの高さです!すごい! それにキャラクターが可愛いし、何よりお話がとても好きでした。ほっこりしました。 @ネタバレ開始 個々の特性を生かしつつ、長老の指示のもと無事ミッション達成できた時は やったー!と嬉しくなりました。からのどんでん返しのオチも可愛らしいもので、 終始温かみのあるストーリーだったのが良かったです。 みんな、もう一度頑張って…! あまりにキャラクターにハマってしまったので最後に個別感想を… おめめが可愛いネイルちゃん、 シャープくんに熱をあげてるようでしたが、最後はヤマトくんとちょっといい感じになってましたね。二人の今後が気になりました。 そして空中戦三銃士。 ネーミングがツボで笑ってしまいました…がクーゲルくんが様態変化した時は、おお~っ!と感動。成功はしなかったものの、意外にかっこよかったです。 そして長老! いい味出してました。なのにまさかの新人さん…!嘘でしょー!と大笑いさせてもらいました。 ヤマトくんは癒しの存在! キャップが外れた時は糊が出ちゃったんじゃないかと心配しましたが、無事でよかったです。ネイルちゃんと上手くいくといいなと思いました。 @ネタバレ終了 読み終えた後には、モノ萌えという新たなジャンルが心の中に生まれていました…。 それくらい愛おしいキャラクター達でした。 とても楽しく心温まる作品をありがとうございました!

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  • 奈良公園物語 前編
    奈良公園物語 前編
    奈良の名所や名物が沢山の写真・ムービーで紹介され、 地元の方はあるあるを、行ったことのある方は懐かしさを、 未訪の方は旅行気分を…味わえるお話でした。 @ネタバレ開始 個人的には大阪と奈良とのバチバチのバトル?に一番驚きました。 よく大阪と京都の話は耳にするんですが、奈良とのことは知らなかったです。 現実でもバトっているのでしょうか…? 後編で御堂筋ちゃんとの関係がどうなるのかも楽しみです。 三人が仲良くなれたらいいなと願いながら、いつか後編が読めるのをお待ちしています。 @ネタバレ終了 こういった旅行気分が味わえる地域特化型の作品が大好きなので、 とても楽しませていただきました。 また、随所に作者さまの奈良愛を感じ、私も奈良の魅力を改めて発見できた気がします。 奈良リスペクトに溢れた素敵作品でした。ありがとうございました!

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  • オレの推しの命が危ない!?
    オレの推しの命が危ない!?
    脅迫状が届いた推しアイドルを護るため、スナイパーとなり不審者を排除していくお話でした。 護るために銃を取り出す…という極端な発想の主人公に、えっ?!となりつつ、 そのシュールさに笑ってしまいました。 全体的にブラックコメディ感が漂い、 倫理観から外れた行為をしているのに面白いという、とても癖になるお話でした。 @ネタバレ開始 そして主人公もピムちゃんもとにかくキャラが濃い…! ふたりとも個性的でインパクト強かったです。 特にピムちゃんは強烈キャラですね。写真会での露骨な態度には笑いました。 いや…わからんでもないけどね、アイドルも色々大変だろうし…とは思ったものの、 あそこまで差をつけてしまうのはさすがにダメでしょ~! 主人公をはじめ差別された人たちが気の毒でした。 そしてサイン会での顔の豹変!からの結末。 なんて腹黒い子なんだピムちゃん!あのしたり顔…!! と思っていたら、もうひとつのEDでは更なる衝撃があり、開いた口がふさがりませんでした。 一枚も二枚も上手の最恐ピムちゃんに主人公が勝てるわけがなかった…。 サスペンスのタグに納得の結末でした。 @ネタバレ終了 途中のミニゲームは噂通り難易度高く、私も何度もやり直しました。 タイミング合わせ難しい…! 軽いシューティングとのことですが、結構なスキルが求められるように思います。 そこだけが少し大変でした。 コメディの中にゾッとするような怖さも含んだ展開でとても面白かったです。 笑いのセンスが最高な、素敵な作品でした。ありがとうございました!

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  • 暗い森のダンジョン
    暗い森のダンジョン
    森の奥地に眠る財宝を目指して、暗いダンジョンを攻略するお話でした。 最初に選んだアイテム次第で結末が決まるマルチエンディングで、 一触即発の死にゲーでもあり、 前回のミスを踏まえた行動をとらねばならない覚えゲーでもあるかなと思います。 何が必要なのか、何を手放すのかなどの分岐がたくさんあるため、 思っていた以上に難しい…!システムに慣れるまでは相当死にました笑。 ただBADエンドに至るまでの文章にヒントがあり、 そこで推察して次に活かしていけるシステムだったのでストレスフリーです。サクサク楽しめました。 また、結末はTRUEとBADが1~3まであるようなのですが、大半がBAD1だった気がします。 そのかわりその「BADエンドに至るまでの文章」に、差分(バリエーション)がめちゃくちゃ用意されていました! ミス=BADエンドなのですが、ミスの数だけその差分が発生しているようなので多分相当数ありそうです。 (私も全部は回収しきれていないかも…ですが) その差分のシナリオだけでもかなりボリュームがあり、 もしその部分まで回収しようとすると少し時間がかかるかもですね。 ただ文章がシュールで面白く、 時間をかけてでも差分を回収したくなるような魅力がありました。 主人公のキャラもいい具合にゆるくて大好きでした笑 とにかくアイデアが素晴らしく、こういうゲームもあるのか!と驚きました。 @ネタバレ開始 TRUEの手記で明かされる真実…という最後のオチにまで意外性があり、 @ネタバレ終了 とても面白かったです。 試行錯誤する時間も楽しい、素敵な作品をありがとうございました!

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