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かおりのレビューコレクション

  • 桜の森の魔界の下 第壱集
    桜の森の魔界の下 第壱集
    大正時代を舞台に、妖怪と闘う少年少女たちの葛藤を描いた和風ファンタジーノベルです。 開始早々からの演出に引き込まれ、そのまま最後まで画面に釘付けでした。 レトロ調に描かれた巧みなイラストが、コマ送りのように展開していく演出や、 (その一コマ一コマが、枠線の雰囲気からなんとなく花札っぽく見えて素敵でした) 途中に挟まれる美しいアニメーションシーンなど本当に素晴らしかったです! アニメーション技術自体もすごいですが、 その見せ方(ポージングや、描く視点など)や、 展開のさせ方(光源を背景にしたり)などにも高いセンスを感じました。 とにかくハイクオリティです!! @ネタバレ開始 また、アニメーション以外でも、 咲夜ちゃんが初めて妖を倒した場面や 女郎蜘蛛と夕焼けをバックに闘う場面のイラストもとても印象的でした。 あと、灯魔くんが目をキラキラさせるシーンも可愛かったです。 @ネタバレ終了 ストーリーはまだ謎めいた部分が多いものの、コミカルとシリアスのバランスが丁度良く、 演出の上手さも相まってクリックする手が止まりませんでした。 短いながらも満足感のあるお話だったと思います。 更にキャラクターがとても魅力的で、メインの咲夜ちゃん・灯魔くんはもちろんのこと、 脇を支える少佐も天音ちゃんも愛着のわく素敵キャラでした。彼らの活躍も楽しみです。 @ネタバレ開始 ただひとつだけ、気になったことがありまして追記させていただきます。 灯魔くん編なのですが、 一部背景の白と文字の白がかぶって読みづらい部分がありました。 せっかくのお話が読めなくて残念に思いましたので、 もし今後改良などしていただけたら嬉しく思います。 我儘を言って申し訳ありません。よろしくご検討ください。 @ネタバレ終了 今回は連続物の第壱集とのことですが、序盤からこの面白さ! 今後どのように展開していくか期待しかありません…!続きを楽しみにお待ちしています。 全てにおいてハイセンス・ハイクオリティの、 一瞬たりとも目が離せない素晴らしい作品でした。 夢中になれる時間をありがとうございました!

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  • つちのこ
    つちのこ
    滞納している家賃支払いのため、賞金のかかった「つちのこ」を探しに行くお話です。 まず「つちのこ」が題材な時点で、これは何やら一捻りありそう?という予感がひしひし。 その予想通り「つちのこ」の存在のように怪しげで、シュールなタッチの面白いお話でした。 @ネタバレ開始 一周目でトゥルーエンドに辿り着くことができたのですが、 真実を知ってそういうことか!と上手いオチに膝を打ちました。 一見関係なさそうなアイテムが重要だったり、 細かな小ネタがあったり、遊び心満載な所も面白かったです。 ただ二週目以降バッドエンド回収し始めたのですが、これが難しい…! 特にエンド4と5は難しかったですね。 トゥルーエンド攻略よりもだいぶ難航しました。 私の場合クリアまで一時間くらいかかったかと思います…。 つちのこを見つけるよりもハードなED攻略でした・笑。 @ネタバレ終了 散りばめられた伏線回収と結び方が上手く、 どのエンドにも面白味があり楽しかったです。 また個性あふれる独特の世界観が、他にはない魅力を放っていると感じました。 作者さまのアイデア力に脱帽です。 独創性に富んだとても楽しい作品でした。ありがとうございました!

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  • じごくのインターネッツ
    じごくのインターネッツ
    謎の占い師「奈落ちゃん」とインターネットの呪いを解いていくお話です。 日常に潜む怪奇的な事象を扱ったオカルト作品ですが、 怖さよりもコメディ色が強めで、楽しく遊ぶことができました。 オカルトの中でも話題が身近でタイムリーなので、あるあるが多く共感度も高かったです。 @ネタバレ開始 一章ではホラーな配達員たちにビビり、二章ではミニゲームに苦戦し、 三章では自分のキャラメイクのセンスのなさにがっくりしながら、 迎えた四章…からのエンディングは胸アツでした。 それぞれ面白いENDでしたが、 Bは美しいけれど奈落ちゃんはいないし記憶もないしで切なく、 Cは奈落ちゃんとの再会を推察できる結末でしたが人間やめてしまったのがやはり辛く…。 なので、自分で蒔いてしまった悪の種を回収・対処することでほんの少し成長した主人公が、 奈落ちゃんと再会できるEND-Aが特に好きでした。奈落ちゃんを発見した時はめちゃくちゃ嬉しかったです…! あまり変わり映えしない日常に見えるけれど、 インターネットって最低だな!と言えるくらい「悪くない日常」を過ごせているのかな?と思える爽快な結末でした。 @ネタバレ終了 奈落ちゃんと主人公のやり取りの面白さや、 上手く時世を取り込んだストーリーの面白味だけでなく、 美麗イラストやデザイン性の高いUI・演出で、目でも楽しむことができました。 全体的にクオリティが高く、これがフリーなのか…と感嘆するばかりです。 また、奈落ちゃんは毒のある可愛さでキャラクターとしてとても魅力的でした。大好きキャラです! 今回限りでは寂しく…いつかどこかで再び出会えたら嬉しいな、と思いました。 とても面白く、素敵な作品でした。ありがとうございました!

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  • げきやくをつくろう!
    げきやくをつくろう!
    目覚めたら実験室だった―。記憶がないまま、天才少女の助手として劇薬作りを手助けするお話です。 周回必須、記憶力も試されるゲームなので、本当にメモ必須でした。 最初はメモを取らずにプレイしていたので水ばかり作っていましたが・笑 メモをとれば比較的簡単にED攻略できる、ストレスなく遊べる難易度だったのが良かったです。 @ネタバレ開始 劇薬作りでは、色や名称から陰と陽を予測しても予想外の結果になる所が面白かったです。 明るい色なのに陰だったり、暗い色なのに陽だったり、 かと思えば同じ色でも液体や軟膏など物によって結果が違ったり、 一筋縄ではいかないのがリアルだなと思いました。 そして無事劇薬を作れてからの、αEDとタイトル画面! オマケを読んで彼女がなぜ劇薬を作ろうとしていたのかを知ると、 白い彼岸花の中でほほ笑む彼女がめちゃくちゃ切なかったです。 そうか…劇薬使ってしまったんだな。 でも笑顔だから無事に再会できたと推察できるし、 ある意味幸せなEDの形だとは思うのですが…。 個人的には、劇薬を作れるほど少女が天才だったが故… の切ない結末に、物悲しさを感じました。心に刺さる結末でした。 @ネタバレ終了 劇薬を作る楽しい実験的なパートから、 ストーリー性のあるオマケとの緩急の差が素晴らしかったです。 特にオマケは短いながらも「物語」としての面白味があり、 結末も考察しがいのある印象的なものでした。 心に残る素敵な作品をありがとうございました!

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  • 常夜の品さがし
    常夜の品さがし
    迷い込んでしまった常夜での不思議な体験を描いた作品です。 どうして自分はここにいるのか、自分は一体何なのか。 そういった自分を構築する記憶が欠け「曖昧な存在」になってしまった主人公と、 なぜか親身に手助けしてくれる幽霊のうれんさん、ふたりの関係性がとても微笑ましく愛おしかったです。 また、うれんさんだけでなく、登場キャラクター皆個性あふれていて魅力的! ちょっといけずだったり捻くれていたり、一筋縄ではいかないところがまた幽霊らしくて?いいなと思いました。 あ、すねこすりちゃんは可愛かったです…癒し! そして全体的にほの暗いトーンかつ重厚なタッチで描かれた背景のイラストは、 懐かしさがありながら屋台の匂いが香ってくるようなリアルさで、夏祭りの夜の高揚感を思い出しました。 雰囲気のある世界観に引き込まれ、 主人公とうれんさんとの楽しいやり取りに突っ込んだり笑ったりしながら、 一緒に常夜巡りをしている気分になれた気がします。とても楽しかったです。 @ネタバレ開始 そして、うれんさんの正体がわかるTRUEエンド!切なかったです…。 ですが、常夜での巡り会いによって二人の絆が深まった気がしましたし、 一緒に過ごした時間が今後の主人公の「たからもの」になったのかな、とも思いました。 うれんさんの存在のように優しく、心温まる結末でした。 @ネタバレ終了 ノスタルジックで温かなお話に心和みました。素敵な作品をありがとうございました!

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  • イロハニホヘト
    イロハニホヘト
    見目麗しい男性陣との交流、そして恋を描いた乙女ゲームです。 美男子を紹介するという設定のため、攻略対象キャラ皆さん本当に美しく眼福でした…! 声優さん方の演技も素晴らしく、作品に花を添えていたように思います。 また全体的に落ち着いた雰囲気で、乙女ゲームながら甘すぎない微糖テイストだったところもとても好みでした。 @ネタバレ開始 私の攻略順は以下の通りです。 平塚さん ギャップ萌えでした。意外な一面が見えてからは可愛くて仕方なかったです。 主人公といる時だけ緊張が解けるという、主人公に特別感を感じてくれている部分もツボでした。 芥川さん すごく誠実で安心感のあるお方ですね。 いつでも主人公を守ろうとしてくれるところが好きでした。 結婚するなら芥川さんかなぁ…幸せにしてくれそうな気がします。 洋装も素敵でした! 森先生 ドSな本性を発揮し始めた時はびっくりでしたが、 意外とデレも多く、Sなだけでないところが良かったです。 優しく少しナイーブなところを、Sっぽい態度や毒舌で固めて守っているような… そんな繊細さも感じました。谷崎くんとのエピソードもとても良かったです。 谷崎くん 予想外に男らしかった…! 下手したら攻略キャラ一の男らしさの持ち主だったかもしれません。 傷つきやすい面もあるけれど、芯のしっかりした素敵な男性でした。 中原さん なんだか不穏だし恐いし…と思ったら、倉田家での急なキャラ変に何事?となりました。が、職業が判明して納得。 そしてその職業ゆえのハラハラ展開、最高でした! 安否を心配する間に募っていく恋心というのがツボ過ぎて、 物語的には一番好きなルートとなりました。 尾崎さん ビジュアル、声、キャラが一番好みでした! 本心を見せず飄々としているところがとてもツボ。 こっそり主人公を守ってくれているところもニクイです。 段々心を開いてくれて、本名を教えてくれるまでに至る過程の描き方も好きでした。 何気に初心なのも可愛いなぁ…。とにかく好みなキャラでした! @ネタバレ終了 1人1人のキャラクターに魅力があり、 また個別ルートに入ってからのストーリーも面白く、 後日談もボリュームたっぷりです! 更に美麗イラストやムービーに加えフルボイスという魅力もあり、 ものすごく充実した時間を過ごさせていただきました。 とてもフリーとは思えない贅沢な作品をありがとうございました!

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  • 愛しのリョーくん
    愛しのリョーくん
    究極の理想形男子といっても過言ではない「リョーくん」に看病されるお話です。 とにかくリョーくんが外見だけでなく中身もイケメンで、 こんな彼氏に看病されるなんて主人公ってば幸せ! 看病スチルやリョーくんの甘い言葉の数々には見ているこちらが照れてしまうほど、 スイートな展開でした。リア充カップルよ、末永くお幸せにね! @ネタバレ開始 などと微笑ましく思っていたら…突きつけられた現実に衝撃です。 個人的には題材となっているもの(彼女の正体)に耐性がないのですが、 あまりに本編が幸せそうだったからか、少しだけ彼女に同情してしまいました。 体調不良で、しかも一人で…という心もとない状況が、 主人公の後押しとなってしまったのかな? バッジの主人公の絵もまた意味深で… プレイ後に見ると何とも言えない気持ちにさせられますね。 とても切なく、ほろ苦い結末でした。 @ネタバレ終了 また、ストーリーだけでなくイラストもとてもキレイでしたし、 おまけを見て完結するという演出や、全体的なUIの仕様なども凝っていて素晴らしかったです。 インパクトのある面白い作品をありがとうございました!

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  • smile
    smile
    部屋にある謎を解いて脱出を図る、大好きなタイプのADVノベルでした。 問題数は少ないものの、全体的に難しめで苦戦しました…!! プレイ時間10分と記載されていますが、 謎解きに悩む時間を加味したら私の場合数時間に至ってしまうかも…。 と苦戦しましたが、とてもやり応えがあり、 解けた際非常に納得感のある質の良い問題だったと思います。 @ネタバレ開始 ストーリーとしてはドアを開けてからが本番ですね。 そこからの展開には部屋に閉じ込められていたとき以上の恐怖を感じました。 タイトルの意味も回収され、なるほど!と思いましたが、 結末はどれもBAD寄りで切なかったです…。 道具を使うエンドが一応ベストなエンドでしょうか? この後の彼女らにどうか救いがありますように…と祈らずにいられませんでした。 @ネタバレ終了 謎解きの面白さだけでなく、 最後の展開には物語としての面白味が凝縮されており、 ノベル作品としてもとても秀逸と思います。 素敵な作品をありがとうございました! 最後になりますが、攻略に詰まった際には作者さまにヒントをいただき感謝です! おかげでクリアすることができました。丁寧な対応をありがとうございました!

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  • おねがい! 悪魔ちゃん★★★
    おねがい! 悪魔ちゃん★★★
    自分の魂をかけて悪魔ちゃんと対話し、選択をすることで未来を掴み取るお話です。 魂と交換で叶えてくれる願いが「悪でなければならない」という設定がまず面白いと思いました。平凡な願いや、ぬるい「悪」の願いではダメというところが興味深かったです。 @ネタバレ開始 例えば復讐のような悪い願いを叶えようとしてくれるのは、 最後に後いの残らないよう悪魔ちゃんが配慮してくれたのかな? ED3での悪魔ちゃんの涙を見るとそう推察できる気がしました。 また、結末としてはBADよりなのかもしれないED4が個人的には好きです。 ひとりでなく二人で…というのが幸せだと思えたので。 (ただ悪魔ちゃんに死は訪れるのでしょうか?でないと主人公独り死になってしまう) でもED6の、「悪魔ちゃんというお迎えが来る日」に希望を見出せたエンドも素敵でした。 辛い日々でも、悪魔ちゃんという最後の砦ができたことで少し前向きになれた主人公を 応援したくなる、一番幸せなエンディングだったと思います。 @ネタバレ終了 内容自体も面白かったですが、 悪魔ちゃんのツンデレ気味なかわいらしさや、人の善い主人公など キャラメイクが非常にうまく、設定こそファンタジーですが身近に感じられるキャラ達だと思います。特に悪魔ちゃんは表情がコロコロ変わり、悪魔だけどとても人間味あふれる魅力的な存在でした。 悪魔ちゃんは悪魔か救世主か?色々な解釈のできる、 考察しがいのある素敵な作品でした。ありがとうございました!

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  • ラムネ瓶入り夏休み
    ラムネ瓶入り夏休み
    情緒あふれる絵と文章で「じいちゃんの家で過ごす短い夏休み」の思い出が描かれた作品でした。 タイトル画面の青のグラデーションの空、太陽にも似た向日葵、 そして傍らの懐かしいラムネ瓶。見た瞬間、その美しさに圧倒されました。 哀愁漂う味わい深い絵柄で描かれる世界に、懐かしさがこみあげてくるようです。 更にキャラクターの描写が繊細で、特に 物言わずとも雄弁に語りかけてくる「表情を感じる瞳」の描写には舌を巻きました。素晴らしい画力に感嘆です。 またお話の方も絵と同様、丁寧に心の機微が描かれていてとても心に沁みました。 @ネタバレ開始 いわゆる大きな事件が起きるわけではないのですが、 祖父と過ごす非日常や京香さんとの出会いは、 少年の心に大きく響く出来事だったのだろうと思います。 じいちゃんとのエンドでは、 じいちゃんの過去を少し知ったことで距離が縮まった気がしましたし、 京香さんエンドでは、 京香さんとの出会いで主人公の心に新たな風が吹いたのだろうと思える展開が良かったです。 不確かな約束ではあるけれど、きっと…と未来を感じさせる結末も素敵でした。 @ネタバレ終了 郷愁溢れるお話に、自分の夏の思い出も呼び起こされ懐かしさに浸ってしまいました。 今の時期に読んだことが却って、眩しく輝く夏を切なく思う気持ちに拍車をかけたのかも、とも思います。 ずっと浸っていたくなるような、懐かしく、そして優しいお話でした。 素敵な作品をありがとうございました!

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