鈴乃屋のレビューコレクション
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3MEN6P!自分の作品を良くするための努力は、状況や環境、そのときの己の状態によって誰しもするだろうと思うのですが、そのために(たぶん、胎蔵界?)曼荼羅を描く製作者さんがいるという事実にまず驚きました。 ゲーム開始一分で笑わせてくる雨宿印の熱量はそのままに、一昨年、去年、そして今年と段々とパワーアップしていて、“奇才留まることなし”と膝を打ちたくなります。 最初から最後まで、ゲームの端から隅まで一画面すべて、見所、笑いどころがぎゅうぎゅうに詰まっていました。侵略図に見立てた『ゲームの進行度』は、途中も、終わってからも、何度も見返しました。 @ネタバレ開始 思いつく順に書きますので、まとまりがなかったらすみません。 文章量も多いかもしれません。適宜、つまんで読んでくださったら幸いです。 曼荼羅はtwitterでお見かけしたときも、「え? どうゆうこと?」と二度見しました。 ゲーム全体を通しても、どれだけ手をかけたものか、少し考えただけで眩暈がします。バックログ、セーブ諸々、手をかけないところがないくらいですよね。 プレイ中は「面子ちゃんかわいい」「奥様せくしー」「どうゆーこと?」などなど、笑いつつ遊んでいるのですが、振り返ってみると、少々ぼうっとするくらい圧倒的だったなと思い至ります。 コミカルさもそうですが、見(魅)せかたがうまい。それがシーンの面白さを作っている気がします。 そして、まさかの展開。仏敵調伏すべし! アニメーションもコマ割りにしたそれぞれを動かすという細やかさ。 各種ENDだけではなく、それからのルートがあるとは。 そこへたどり着くためのヒントもありがたくて、おかげさまで全部見ることができて嬉しかったです。 遊びつくしました! ありがとうございます。 それから余談ですが、いかなごの歌……実は懐かしくて。 歌詞というか、元になった超ショートショートを知っていたもので。 もう何年も前のことなので記憶がぼんやりしていますが、巡り廻ってまた出会える不思議。仏様でもお釈迦様でも知らぬこと、ですね。 なぜか日本人に多いというイグノーベル賞。 才能と技術を人を笑わせることに使うエンターテイナー性の片鱗を見た気がします。 @ネタバレ終了 圧倒的。 楽しい作品をありがとうございます。
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猫ノ目のような世界で夢のような世界と住人たち。羽ネコちゃんをはじめとして、世界の美しさや住人たちのデザインが好きです。BGMも幻想的で耳にやさしいですね。 喜怒哀楽すべて、生まれくる感情のうつくしさを謳ったお話だと感じました。 @ネタバレ開始 初回にも涙が我慢できなかったのですが、今回また改めてプレイして、やっぱり泣きました。 複雑なように思えて、ひとつずつ丁寧に紐解いていくと、感情は素直なものだと、そんなことを思い出させてくれます。 改めて、共感とは何だろうと考えさせられます。共感疲労……人の想いが見えやすくなった昨今、専門の方ほどではなくても、疲労感を感じやすい人はいるかもしれませんね。 クジラさんはどこに住んでいるのだろう。何もかも飲み込んでくれる存在がいるとしたら。淡雪のように消えて行くキラサカもそうですが、クジラさんのシーンが、もう、本当に、涙が止まりませんでした。 おまけのあとがきで、住人たちの持ち主である本人が幸せで過ごしていると知ることができて良かったです。 @ネタバレ終了 喜怒哀楽をふたつに分け、良いもの、悪いもののように思えることもあるけれど、それに拠ってしか癒されない心もあるのだと考えています。すべての想いに赦しと癒しがありますように。 素敵なお話をありがとうございます。
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Bar Flor実際にこんな素敵なバーがあったら行ってみたいですよね。 花と色と、落ち着いたお洒落な旋律が迎えてくれて、お客さんを見守りながらその人に合ったカクテルを出してくれる。最初はすっかりお客さん気分でいました。 @ネタバレ開始 バッジを取ったあとにまたアップデートがあったみたいでしたので、改めてDLして遊ばせていただきました。攻略情報もありがたく。 初回は、フォロワー様のバッジ情報を見て、お洒落な雰囲気に一目惚れしまして遊びに来ました。表紙のバーの扉がいいですよね。ノックしたくなる。開いたら何があるのだろうと好奇心をそそられます。 ひととおりクリアしてからの、『裏』と書かれた箇所を何気なく開いたときの衝撃が忘れられません。 マスターの話しぶりなどから、一癖ありそうだなとは感じながらも、新人を心配してくれているのだから……と呑気に構えていまして。 レシピブックには載っていない、お店がはじまる前のチュートリアル的なカクテルも何か意味がありそうだなと思っていました。(攻略ページを見させていただいて、うんうん、と頷きました) 如何なできごとがあったのかは想像するしかありませんし、マスターも新人バーテンダーくんも表には出さずに色と花にメッセージを添えるだけ。たとえ、『こうだろう』と追及したところで、そういう解釈もあるかもしれませんね、と言われたらそれまでのこと。平安貴族の腹芸模様を垣間見ているようです。 そうした水面下のドラマも含め、何から何まで好みの作品です。本当に本当に楽しかった。 @ネタバレ終了 ちょっとカクカクしていると思いますが……笑 FA、お納めいただけましたら幸いです。素敵な作品をありがとうございます!
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王様と僕の夏夏の日はかくもあれかし。やわらかいタッチのイラストとお話に癒されました。 @ネタバレ開始 END2がなかなか出なくて、4つの選択をあれやこれやと試行錯誤するのも楽しかったです。 なんとなくの感触なのですが…… “ちょっとだけ”疲れたとしても特別な人と過ごす夏は休みたくなくて、限界の限界、どうしても眠くなるまで遊んじゃうよね、という夏休みの記憶をよびおこすような造りになっている気がします。 ぽよんと王様のおなかが出ちゃったり、夏限りの大切なお友達と別れなくてはならなかったり。エンディングと思い出がそのまま結びつく、甘酸いやさしい物語だと感じます。 お母さんがお布団をかけてくれるイベント、見ることができて良かったです。童話のようなたくさんのイラストも眼福でした。 @ネタバレ終了 目にも心にもやさしい物語をありがとうございました。
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猫の館かわいい猫ちゃんズに出会えるクイズゲーム作品でした。出題者(猫)も、それぞれに個性があって、クイズの合間にその背景や性格が垣間見えるのがいいですね。 猫好きならば10分でクリアとは……ならず、何度か魔法をかけられてしまいましたが、ゲームオーバー画面のびっくり顔もまた可愛い。 名前をつけることができるのも、思い入れが嵩ます仕掛けですね。 たくさん猫についての知識に触れることができ、お話も読み終わったあとには幸福感いっぱいになりました。素敵な作品をありがとうございます。
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筋筋肉肉CMから来ました(かなり前ですが) 考えるなのタグの通り、筋肉の画面占有率に笑い、ストーリーの爽やかさに癒され……感情が失踪事件をおこしたとか。 @ネタバレ開始 ちらっと横目で見たみなさまのコメントも筋肉マシマシで楽しいですね。 お話は淡い恋心の爽やかさがあり、終わったあとも余韻があって、ほんのり幸せな気持ちになります。 なんとなく先があるんじゃないか、と思わせるような。もしかしたら、二人はこのままなのかも、とも。 あ、……考えてしまった。 @ネタバレ終了 あまり筋肉マシマシではないFAですが、お納めいただけましたら幸いです。 楽しいお話をありがとうございました。
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ID27再度のコメント失礼します。 27ちゃん描きたかったので、お納めいただければ幸いです。お友達も一緒に連れてきました。 初回はショートと一人称ぼくではじめたのですが、ロングもやっぱり可愛い。 今後のアップデートものんびり楽しみにお待ちしております。
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パラドクス研究部の解けない謎のナゾとき学校の七不思議ならぬ七つのパラドクス。まったく展開が読めず、気になるままに読み進めました。章ごとに異なったミニゲームが用意されていて、お話だけではなく、パズル的な面白さもあり、楽しく遊ばせていただきました。 そして、知識の海。このゲームでいうのなら宇宙でしょうか。 易しく簡潔にまとめられている用語集など、ゲームを進めていくうちに増えて行く解説などを読むのも楽しい。 先輩たちとユウイチくんとの部室でのノートのやり取りもコミカルで、くすりと笑ったりしました。 @ネタバレ開始 何人のユウイチくんが犠牲になったことでしょう。リトライのしやすさがありがたかったです。 第五パラドクスはぞっとして鳥肌が立ちました。ホラーというわけではないはずですが、怖かった。 アイキャッチのお洒落さ、ムービーの演出、それからパラドクスの謎について。最初から最後まで時間を忘れて没頭しました。 参考文献まできちんと掲載されている作品は、はじめてかもしれません。 用語集に衒学の項目があるのがいいですね。にやりとしてしまった。 用語集、また見返したいです。この作品にめぐりあえて幸運でした。(さすがに全部のゲームに出会えるわけではないので) @ネタバレ終了 おそらく、提示されているプレイ時間のとおり、一時間以上は遊んでいるはずなのですが、あっという間に感じました。 楽しい作品をありがとうございます。
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Silent Film_シリーズと書いていらっしゃったので、「idiot savant」と合わせてプレイいたしました。 @ネタバレ開始 猫が出てくると睦目さんを思い出して、また泣きそうになりました。 どう書けば良いものか悩んだ末ではあるのですが…… 特徴的な内的体験は、理解と共感から遠い場所にあるような気がしてしまうけれど、物語を通して何かしら汲みとったような気になります。 白と黒、猫と人間。あちらとこちら。 橋渡しができなかった切なさを思い出します。 希築先生が出てきたときには、「でたな!」と思ってしまったのは、最後のインパクトが強かったせいみたいです笑 すこぶる美人なのに。 伝染するとしたら……この先を考えるのがちょっぴり怖い。 @ネタバレ終了 シリーズ2作品、どちらも楽しかったです。素敵な作品たちをありがとうございます。
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Idiot Savant誰かの生み出した物語が気にいらない、だから……と、一種、背徳的に思えるような展開からの転換点の面白さ。認識をどうとらえるか。視点、認識の大きく異なる愛はうまくいくものだろうか。 もしかしたら、5~10年先になるかもしれないテーマ、Neurodiversityを織り込んだ興味深い作品でした。 @ネタバレ開始 文系VS理系の闘争ですとか、哲学→心理学、心理学→哲学の流れが、不謹慎かもしれませんが、思い出して可笑しくなってしまいました。 いわく『哲学は四肢がばらばらになり、心理学へという学問につながった』 ところどころ、今まで考えたようなことが文章化されている気持ち良さがあり、読み進めていくのが楽しかったです。頭がすっきりしたような。 一方、考えこむ部分も多くて。特に、Re:Dementiaの章など。 言及するのが難しいところもありますが、認知を多次元と置くのが斬新に思えました。認知のずれは次元のずれ。脳=心とすると、それが一緒の次元にはいない、別次元の届かない人。 このお話だとADが未来になっていますよね。その頃には、脳と脳が繋がる研究も進むのでしょうか。 道中、様々なルートからのエンディングを見ましたが、せいらちゃんと共に書き換えた幸福な結末が良いものだったと観測者の一人として思いたい気持ちでいます。せいらちゃんが可愛かったから、というエゴも、このお話を読んだあとでは許される気がする。 イラストも色の組み合わせがお洒落で素敵です。ココさんの笑顔が印象的でした。好きです。 まとまらず、長くなりましたので、掻い摘んでお読みくださったら幸いです。 @ネタバレ終了 攻略サイトもありがたく。おまけ部分で見逃していたところがあったので、見ることができて良かったです。