鈴乃屋のレビューコレクション
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バス停の彼女愛の挨拶からはじまる爽やかな朝だったのに、徐々に不穏と重たい空気に包みこまれていく。女学生という言葉選びであったり、町に描かれる案内版のような文字書きであったり、短いながらも世界観に惹きこまれました。 同じピアノBGMでも、不気味な減衰音が空間に居残って、薄ら寒いホラー感が増してくる心地でした。 @ネタバレ開始 妖怪というかおばけさんのデザインが好きです。もっといろんな種類を見たいなと思いました。 スカート丈に見合った女学生という呼称が素敵だなと思いましたし、折れた傘は、彼女の戦歴を物語っているのかな、とか色々と思いめぐらせました。 @ネタバレ終了 ほんのり怖くて楽しい時間をありがとうございました。 -
不幸体質と護衛メイド一瞬でエンディング(のひとつ)を迎えたことに驚いたのも束の間、夢中で遊んでいるあいだに100%になってしまいました。 メイドさんのビジュアルもすごく素敵で、表情がくるくる変わるのも可愛い。全体的にデザインがセンス抜群なのにも加えて、本当に細かな箇所までこだわりを感じました。 @ネタバレ開始 PCのエンディングのアイコン、こけたり滑ったりしているデザインなのがすごいと思ったり、おかしいと笑ったり。BGMのピコピコ音も愉快、かつ耳に馴染むもので、ひたすら感心していました。 最初は主人公がアンドロイドなのかな? と思っていました。充電が切れたときに、警告が二度出てくるのがなんかリアル。慌てて、二階に充電しに行くのも面白かったです。 すごく面白くて、また遊びたい、そんな気持ちでいっぱいです。 @ネタバレ終了 追加要素も楽しみにお待ちしています! 楽しいゲームをありがとうございます。 -
ネコとトモに以前にもプレイさせていただいたのですが、新たにバッジが追加されたことに気づいて、改めて猫と時間を共に過ごしに参りました。 テープビズを感じる素敵なlofi音楽に癒されつつ、ゆったりと猫のお世話をしながら過ごす日常に癒されました。 @ネタバレ開始 猫ちゃんの耳がピコピコ動いたり、ゴロゴロ音や床を歩く足音もぜんぶ愛おしいです。猫の立てる音もまた日常ですもんね。 BGMもさることながら、夜の雰囲気の世界観が落ち着いていてさみしくて……。再度のプレイにも関わらず、やはり真相という名の現実を見るのが少し切なかったです。 けれど、真相を知ったあとも、当たり前の日常として猫のお世話をして終わる。これがリアルでありながら、ひどく儚く優しくて心を打たれましたし、救われた気にもなりました。 @ネタバレ終了 儚く美しい物語のなか、素敵な時間を過ごさせていただきました。ありがとうございます。 -
子想少しずつ読み進めていたつもりが、気づけばあっという間に読了していました。 重いテーマを扱いながらも、登場人物たちの甘やかさや瑞々しさに緩急を感じ、読後の余韻に浸っています。 @ネタバレ開始 表示文字の大きさや空行の配置も心地よく、とてもありがたかったです。 時折重い表現に息を整えつつ、それでも読み進めたくなるのは、キャラクターたちの魅力ゆえでしょう。 BGMも美しく、物語の重みと調和しながら耳に深く残りました。 パパさんの子どもへの想いには、どうしても涙をこらえられませんでした。 彼自身もすでにこの世を去っているのだと考えると、その切なさはいっそう深まります。 また、犯罪者・時田の心情はおぞましさを感じて良きでした。彼の視点があることで、裁判時の真偽がわかり、オチの切り口も際立って思えました。 「シソウ」と読んだとき、死相とかぶせているのかと予想をつけていたのですが、よりホラーらしい結びで印象的でした。 @ネタバレ終了 惹きこまれるお話をありがとうございました。 -
ティラノフェス10オープニング -
事件現場は『空っぽの部屋』いつ尽きるとも知れない謎解きの泉に浸かりに来ました。 メモを片手に今度こそは探偵バッジをできるだけ見ないように、見ないように……と唱えながら。 @ネタバレ開始 自分なりに謎解きの答えを導き、それからヒントと解答を見て答え合わせ。それが合っていたときの嬉しさは格別です。 それはやっぱり、かなり歯ごたえのある難易度だからというのもあるのだろうなと感じます。 最初、真っ白で四角い部屋に投げ込まれ、ずっとぐるぐる回っていくうちにすごく不安になりました。そのせいかわかりませんが、何度も天井をクリックで突くという。我ながら謎行動……。たぶん、脱出したい気持ちがあふれたのでしょうね。 そういえば、懐中時計もどこで使うんだろう、今か今か、と繰り返し開閉しましたっけ。謎とお話とギミックと、複雑ながらも見事にかみ合った美しい作品だと感じます。 しかし、ギミックを解こうとしていたのがまさかの人物で、そこが一番驚いたかも。そうか、脱出を手伝ったんじゃない、裁きの場に出すための手伝いだったんだ、と。骨の部屋が本当に孤独で、ピリオドがつけられたとき、かなりほっとしました。 PCを買い替えたので、また最初からはじめたのですが、すんなり解ける……はずもなく。ただ二度目でしたので、探偵バッジのヒントや解答を見ながら遊ばせていただきました。 少し進捗があると、ヒントも変わる。これ……本当に細やかですごいですね。 それにどういった導きを探偵へ提示してくれるのか。少しずつ確認しながらシーンごとに見ていくプレイが楽しかったです。そのおかげで3日間くらい、少しずつ遊ぶという、かなり贅沢な体験をしたと思います。 そして、麗しの探偵嬢が登場。「おお……!」と言ったまま、ちょっと固まって見惚れてしまいました!笑 3Dの動きや、Sherlock嬢の言動を見ながら受けたイメージを私なりにイラストにしましたが、ほんとに衣装の意匠は許してください。難しいです。 @ネタバレ終了 仄暗さとうっすら湿り気のある雰囲気で、緊張しながら謎を解く。謎解きゲームとしても素晴らしいのですが、サスペンスなお話にもとても引き込まれました。 いっとき探偵にしてくれる魔法が解けるのが惜しいですが、ここに完了報告をお送りします。素晴らしい体験をありがとうございます! -
夜梟伝先日、ノベコレさんの名作コレクションで『夜梟伝』をお見かけしまして、またプレイしてみたくなりDLしました。 PCを変えたので、また最初からでしたが、ゲーム画面を開いてBGMが流れたとき、懐かしさでいっぱいになりました。 もう二年前になりますか! なんという……。 @ネタバレ開始 オリジナルのBGMっていいですね。唯一無二かつゲームのプレイ体験に深く結びついているんだなぁ、と改めて思いました。鳥肌が止まりませんでした。 ただいま!ただいま! 夜梟伝! noteで眞さんが綴られていたあれこれを拝読しつつ、再び、お話を読みました。 パズルや戦闘ももちろん面白いのですが、やっぱり、お話が面白い。 一人ひとりの思惑があって、機を織るように物語が綴られていく。以前の『Bar Flor』も大好きなのですが、『夜梟伝』も全体を通して……表現が難しいけれど、“舞台感”がある気がしています。 愛余って描かせていただいたファンアートのため、登場人物の差分等を確認していたのですが、ほんとに差分が細かいですな! アニメーションなり、非常に細やかな作りのゲームだなと感心しています。 それで……バッジをひとつ取り逃したままでして。 48まで行ったあと、49まで行ったのですが、ちょっと心が折れたままになってます笑 いつかまた思い出したときにでも遊ばせていただきますね! @ネタバレ終了 一度、感想をお送りしたと思いますので、あとは繰り返しにならないようこの辺りで。 “ただのファン”イラストを受け取っていただけましたら幸いです。 改めまして、素晴らしいゲームをありがとうございます! -
おねがいやめてフェスに入ってから遊ばせていただこうと思っていましたが、やめてって言われると止められないのは何故でしょう。 迫力満点のタイトルに血文字。ホラー? いやぁ、雨宿さんだし、何かあるぞ……と身構えながら。 @ネタバレ開始 一度、同意却下の罠(?)に引っかかり、最初に戻ってしまったときに、ここまでにしてフェスになってからまた遊ばせていただこうと思ったんですよね。 けっきょく気になりすぎて、放置されるまでボタンを押し続けました。 おそらく、思いついた発想を勢いでまとめた力業もあるんじゃないか、と思ってはいます。いますが、それができるのが本当にすごいんですよね。技量を感じます。やはり天才か。 ハッピーエンド多数にゲームオーバーひとつ。というのも、私的には新しいもののように感じました。 noteの記事も読ませていただきました。 アニメ頑張ったのに……くぅ……(涙) そういったかなしみの過程、製作者あるあるのような気がします。お疲れさまです。 最後に浦島さんと置き去りにされたのは、あくまでも私の感覚では、私プレイヤーと「あなたのせいでこうなった浦島さん」と一緒に放置された感覚でした。それまでに読んでいた文言から。 そして、少しのあいだ、横たわる浦島さんを、何かあるじゃろ? とクリックし続けていました。筋肉すごいよ、浦島さんと思いながら…笑 @ネタバレ終了 癖になる雨宿さん印のゲーム、今回もたくさん楽しませていただきました。ありがとうございます! -
変な意味怖雨宿さん印のエンターテインメント、堪能いたしました。相変らず、隅々まで手が込んでいるなあと。本編はもちろん、コンフィグまでしばらく眺めておりました。 @ネタバレ開始 深夜に遊ばせていただいたんですが、もう、可笑しくて。吹き出してしまいました。ユニークなキャラクターのおかげもありますし、演出というかタイミングですよね、出し方の妙で思わず笑ってしまう。 最初のねね子ちゃんのお買い物は、某番組を思い出していて、これは子どもの目線からみたら隠れているフリをした大人が怖いという話かな? と当たりをつけていたのですが、そうでもあるし、それだけじゃなかった。 お見事な意味怖の三段活用(?) おまわりさんにつれて行かれたときには、少ししょんぼりした気持ちになったのですが、設定を拝見して、無闇にあちら側に引き込んだわけではないと知ってホッとしました。 (おまわりさんが泣いちゃったときには、わー、泣かせちゃったどうしよーと思ったものですが笑) 蛇足ですので、読み流してほしい話をひとつ。雨宿さんの描く人妻がとても色っぽくて好きです。 キャラクターひとり一人が活き活きとしていますよね。俺氏は人形ちゃんと祝言をあげたようで、そのまま添い遂げていただきたい。うん。 おかしくて怖い、怖くて少し切ない。感情のジェットコースターに乗った気分です。システム的にもやり直しや戻ってほしい箇所にすっと誘導してもらえる親切さが、ありがたかったです。 すっかり雨宿さんワールドのファンです。おまけのイラストも今回もあって嬉しかったです。市松さんと旅館の女将とお揃いの着物がステキ。 @ネタバレ終了 すべて見終わったあとには、きっと「ねぇ、どうして?」が耳に残り続けている方が多そうですよね。おかしくて怖いゲーム体験をありがとうございました。とても楽しく遊ばせていただきました。 -
COVERUP全12話のうち、ひとつひとつは短いのですが、ピリッとゾワっとくるお話ばかり。紳士な風体の鹿頭氏もどことなく不穏です。 「何か気づきましたか?」「えっ?」を繰り返すこと12回。警戒して読んでいるつもりでも、なかなか発想が湧かないものですね。 @ネタバレ開始 『手紙』のお話だけヒントなしに解けましたが、その他はてんでダメでした笑 ヒントがありがたかったです。 オチの追加のお話を読んで、そういうことかーと腑に落ちるのが面白くて、話数は少なくはないはずなのに、もっと読みたい気がします。 特に、『鍵』のお話がヒントがあってもなかなかピンと来ず、鍵を拾った誰かが部屋に返しに来たのですよね。……わざわざ? あら、怖い。 @ネタバレ終了 何より、鹿頭氏の圧迫面接が怖かったです。キガツケナイノダモノ。 ピリリと怖い小話をありがとうございました。楽しく読ませていただきました。
