SHIAのレビューコレクション
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Idiot Savant人間という存在の持つすべての細胞を一つ一つ取り出して顕微鏡で見てみるような、99%の人間ではなく残りの1%に焦点を当てて一つ一つのピースを光にかざして見ているような、そんな面白い作品でした。 開始1分から哲学的な思考を含んだお話と人が脈々と継いできた知性の煌めきを感じる文章に、最後まで楽しく読ませていただきました。 文学と哲学の融合的な文章で進む物語、一人一人のセリフ回したがとても巧みでした。 作者様の作品は昨年のフェスで触れたのが初めてで、昨年の作品ももちろん好きなのですが、今作が一番好みで大好きです。 @ネタバレ開始 恋愛のとてもよい雰囲気のシーンでも「脳が」とか「座標が」とか、およそ通常の恋愛シーンでは絶対に出てこないであろうセリフがポンポン出てきて、とても味がありました。 本作は文章を読む上で流し読みしていけるゲームと異なり、文章の意味合いを自分の中に解釈・浸透をこなして読んでいくタイプでしたので大変読みごたえがありました。 難しめのお話が好きな方には刺さりまくる内容だと思います。 そして、本作は一通り読んだ後からが本番!?でしたね! せいらさんの「納得いかない!」をハッピーエンドにするため、せいらさんと二人で色々と介入させていただきました。 最後は無事にAll Happy Endとなり、せいらさんのとてもかわいい笑顔も見られて大満足でした。 こちらのハッピーエンド世界線だと、某御方の流血沙汰もなくて平和でよかったです。 HappyEndの定義って難しいなと、ゲームをクリア後に思いました。 誰かにとってのハッピーエンドは誰かにとってのバッドエンドになるかもしれない…という両面性を感じる物語でしたので、ハッピーエンドが大好きな身としては、ハッピーエンドというものがそもそもどの視点に立ってそう判断されているものなのかを深く考えるきっかけになりました。 「今の世の中を見るに、人間はゲームの中でくらい幸せなものを見ていたい(幸せになりたい)」という言葉を以前どなたかが書かれていましたが、なにをもって幸せとするかという認識も多くの人々が「これが幸せである」という認知のすり合わせを行って各々が考える幸せが重なる部分によって「幸せとはこう」と定義づけられている部分も多いなぁと感じました。 こうやって深く考えることができるのも本作のおかげです。ありがとうございます! 最後に。 個人的に《神》さんが好きだったので、またどこかでお会いできたら嬉しいです。 @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございました!
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藹々鬼譚荘厳な絵巻物を読んでいるような素晴らしい作品でした。 圧倒的な画力で生み出された美麗な絵の数々が織り上げた世界に、たおやかさとしなやかさを感じる文章、神秘的な雰囲気の中に自然と生命そのものが持つ力強さと儚さも感じました。 @ネタバレ開始 エンドは1がより心に残りました。 お武家様の詳しいお家事情や葛藤も垣間見られるこちらのエンドでは、人間の人間たる所以とも言える深い業などを感じました。 また最後が壮絶で「御後が宜しいようで」には震えました。 物語全体にエンド二つと、すべてを読み終えた後に感じたことですが、この物語は「はぁ~、終わった、よかった!にっこり!」と笑顔で手放しで終えられるハッピーエンドではありませんが、まだ鬼と人がともにあった頃から脈々と築いてきた歴史と大きな刻の流れのように、心の中に一本の大きな樹が静かに根を下ろすような余韻のある作品でした。 大変個人的な所感ではございますが、本作を制作されるにあたって、作者様は相当な量の文献などを読み込まれたのではないかと感じました。 ふんわりとした「たぶんこうだろう」というものではなく、人智が紡ぎ繋いだ確かな知識を根幹において自らの物語の世界を構築された作品に現れる空気を感じました。 @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございました!
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回顧、来ぬ物語の持つ圧倒的な力をひしひしと感じるとても面白い作品でした。 本作はすべての伏線が少しずつ絹を織るように紡がれていき、最後に一つの形となる様子が秀逸でした。 村の因習や民俗学が好きな方はドハマりすること間違いなし、またどんでん返しが大好きな方にもオススメしたいです。 プレイ開始当初、とても個性的なキャラクターたち(特に一部の方の立ち絵がすごすぎた!)の言動に驚かされることもしばしばでしたが、これらもすべて伏線で、これは後々伏線回収のときに「ああ、それで!」となることが多かったです。 本作はかわいくデフォルメ率の高いキャラクターと画面のどことなく鬱々としたダークさが素晴らしいマッチング具合で、BGMなどと相まって素晴らしい世界観を築いていました。 開始15分ほど読み進めただけでも不自然さや不穏さをひしひしと感じる本作は、ミステリーもさることながらオカルトやホラーといった親近感のあるジャンルもふんだんに入っていて、味わい深くて面白かったです。 序章の賢治郎さんからお祭りのお話を聞いている頃から「あ、これノンストップで読みたいやつ!」と一日ですべて読むことを決意したわけですが、5章はずっと「え!?」とか「あー!」とかしか言ってない人になっていました(笑) どんでん返しの震えるような面白さを、久々に脳髄の奥にまで味わうような瞬間をいただきました。ありがとうございました。 本作はセリフ回しも秀逸で、シリアスなシーンでも「J POPの化身?」など微妙にツボるセリフが来て、その後に意味深なセリフが来て…と、作品に引き込む力が桁違いでした。 すべて読了後、爽やかな気持ちとともに一番初めはお人形さんのようだった紗羅紗さんの成長がとても胸に残りました。 (紗羅紗さんは驚いたときに髪の毛がピョンとなっている姿や落ち込んだときにショボーンと垂れている姿もとてもかわいかったです!) とても素晴らしい作品をありがとうございました!
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牛天寺恋志穂の告白以前に1話、2話が公開されていたときにプレイさせていただきました。 今回、全話収録して完成形としてのリリースということで、どんな結末を迎えるのかなと楽しみにプレイさせていただきました。 @ネタバレ開始 恋志穂さんがとてもかわいいのはもちろん、菖蒲さんたち個性的なキャラたちがとても面白かったです。 白目になるキャラがいたり、刀を振り下ろされて真剣白刃取りしたり(カットインがよかったです!)と、皆さんの個性豊かな姿を見ながらテンポよく最後まで読ませていただきました。 攻略がないとちょっと自力でのトゥルーは難しかったので、途中からは攻略を頼らせていただきました。 1話目では初登場時からずっと笑顔がなかった恋志穂さんが、話を重ねるごとに笑顔が増えてよかったです。 5話は「告白」ということで、絶対にトゥルーににするぞ~と意気込みました。 トゥルーエンドを見続けて辿り着ける5話のトゥルーエンドでは、確かに最高のハッピーエンドとは言えないかもしれなかったのですが、私はこれはこれでアリ!と思いました。 本編は各話15分ほどですが、おまけも大ボリュームで面白かったです! 2話目までは出てきていなかったキャラクターたちも加わり、恋志穂さんたち以外のキャラクターのストーリーも盛りだくさんで大満足でした。 @ネタバレ終了 これからプレイされる方でまだ初めてという方は、一話からトゥルーエンドを追ってほしいです。 素敵な作品をありがとうございました!
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まじなう乙女はオモイゴトに焦がれるIFサクサクと15分ほどで終えられる短編モードもある本作ですが、長編モードこそが本作を味わい尽くす面白さたっぷりの作品でした。 魅力的なキャラクターたちの掛け合いが素晴らしかったです。 本作は何周もしたくなるゲームでした。 ゲームシステムを駆使して新たなるストーリーへと進んだりするので、タイミングを見極めてポチッとした時にそこが正解だったときは嬉しかったです。 謎解きが苦手な方用にも選択肢1つで次へ進めるようにという配慮もなされていて物語だけを追いたい人もプレイできるとても親切な設計なのもプレイしやすいなーと思いました。 短編モードだと王子様が超王子様していますが、これからプレイされる方にはぜひぜひ長編モードをプレイしてほしいと思います! 素敵な作品をありがとうございました!
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相反のイデアリズモ闇が深めなイケメンたちとのセクシーでスリリングな恋愛が楽しめる素敵な作品でした。 タイトル画面の二人との恋を楽しむゲームだと思っていたらまさかの隠しキャラがいて、さらにオマケなどのボリュームも素晴らしく、トータルで10時間くらいは遊んでいたと思います! ヒロインが行きずりの恋で自分を慰めるちょっぴりワケありな感じで、キラキラした正統派ヒロインとはまた少し違った雰囲気や考え方を持っているのも面白かったです。 分岐する重要な選択肢から始められる機能が本当に素晴らしく、スキップボタンを押して選択肢までボーッとしている時間を過ごさなくてよかったのも最高でした。 @ネタバレ開始 初回でレフェデさんにこれからずっと愛され飼われるバッドエンドに突き進み、攻略されているのかしているのか最後は分からない様相でしたが、バッドエンド直前まで王様オーラを出しながらやさしくしてくれるところが好きでした(粛々と人を始末していくような怖さもありましたが) HAPPYENDももちろん素敵ですが、BADENDもいいなとレフェデさん攻略の時点で感じました。 オーディメントさんは一番初めに元居た世界から飛んできた時にかなりグイグイ来ていたので「この人、初対面なのに怖すぎでは! すごくグイグイ来るんだけれど!?」と彼的には感動の再会(?)でありつつも滲み出ていた執着オーラにビビっていましたが、蓋を開けてみたらかわいいところも多い人で好きになりました。 隠れキャラさんは、ずっとやさしい人だと思っていたのでギャップが「あー!!」でした。 基本的に目をそっと閉じていて開眼するキャラ大好きですので、きちんとルートがあったのには全世界の私がスタンディングオベーションして歓喜しました(笑) BADENDもHAPPYENDもそれぞれ情緒が迷子になりましたが、とても面白かったです! @ネタバレ終了 物語(ヤンデレ)の重厚さもさることながら、スチルの豊富さと美しさ、そして不安を駆り立てる音楽など、ヤンデレ好きさんにはどこを見てもたまらない素晴らしい完成度の作品でした。 素敵な作品をありがとうございました!
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キツネ耳つくも神に何故か付きっきりで看病される話キツネ耳のとてもかわいい神様に看病してもらえるだけでもご褒美だー!と意気揚々とプレイし始めた本作、着地が大好きなところへ向かってとても感動しました! @ネタバレ開始 月だけがそっとやさしく見守り続けた幾歳月、誰の記憶からも忘れられた山の奥でゆるやかな時間の流れとともに終わりの朝を迎えた愛の物語…すべての話を読み終えた後はそんな言葉がふっと浮かんでくるやさしいやさしい愛のお話でした。大好きです。 狐の嫁入りエンドが一番好きなエンドです。 ただただ一途に最期の瞬間までただ一人の信仰を望み愛に殉じた風月さんが、存在の違いや定命の差など様々なしがらみから自分では絶対に口にできなかっただろう結末を迎えて、思わず涙が出ました。 後にも先にもただ一人の愛する人と一緒になれて、本当によかったです。 二人には末永く、それこそ本当に末永く幸せになってほしいです。 前日譚も合わせると本編のディティールがよりくっきりと彩られ、セリフの一つ一つ、風月さんの態度の一つ一つや表情にプレイ前とは違った愛情の端々を感じ取ることができました。 タイトルからスチル、立ち絵まですべてご自身でこなされたグラフィックは、どれもとても美しく、そして可愛かったです。 しっぽやお耳もふもふしているときの照れ顔は特に可愛かったのですが、もふりすぎてごめんなさい…一度は選んでみたい選択肢でした! @ネタバレ終了 かわいいキツネ耳つくも神さんに看病される嬉しいお話!と思っていたので、いやいや全然違う!むしろ感動系!と自分の大好きなシリアス方面に収束していく様子はもうご褒美でした。心が潤いました。 手を合わせて、つつつ…と目から涙を流したいくらい「尊い…尊い…」と二人の物語に尊いbotになりました。 一つ一つの生命が織りなす交わり、その機微に心震わせるような素敵な作品でした。 ありがとうございました!
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宇宙のカタコンベより。ナーヴァシアンさんと過ごす残りの五日間、どうせ墜落して死ぬし~と割り切りつつも、その五日間を有意義に過ごそうとする主人公とのゆっくりとした時間の流れが心地良い物語でした。 @ネタバレ開始 ナーヴァシアンさんとちょっとワケありな感じのするいるかさんの物語、一筋縄ではいかないところが面白かったです。 それにしてもブラックな会社で、次から次に人が死んでいることに、主人公のいるステーションを墜落させるのも「ちょうどいいからここで始末しておこう」くらいの認識なんだろうな…と感じました。 ナーヴァシアンさんが実は暴走して主人公を傷つけたことがあってというエピソード、最後に妹さんの棺が送られてきて星巡りの歌は思い出の歌であるエピソードなど、終わりに近づくにつれて明かされていく物語の輪郭に引き込まれました。 @ネタバレ終了 宇宙の中を漂う小さな小さな命とポンコツと言われたAIの絆、しっとりとした気持ちで読ませていただきました。 ありがとうございました!
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あの時、君の先生でしたぱちばれ!でも登場したクラッシャー藍川くんが引き続き登場する本作、藍川くんが気になって仕方ないのですがまずは元倉さんからプレイさせていただきました。 @ネタバレ開始 なにやらワケアリな美少女の凛さん、先生、いくらなんでも高校生に手を出してはいけなiyo―――中学生!? 中学生って言いました!? 先生、ダメ、ゼッタイ!!と、冒頭から既に諸々アウトな二人にドキドキしながらのプレイでした。 凛さんがピュアで癒される…中学生って色恋に興味を持ち始めて、誰が誰と付き合っているとか、○○さんは○○先輩と付き合っているとか…恋への解像度が一気に高くなるお年頃ですよね。 同時に、自分の身近な男の子より大学生くらいの男がとても大人で素敵に見える時期でもあるという…。 凛さんが元倉さんのことをとても想っていて「受験までのゴッコでいいから」という言葉に胸が痛くなりました。 直後に淫行で逮捕~のニュースが流れてきた時は「ほあーっ!」なんて変な声が出そうになりました(笑) 浴衣姿の黒髪な凛さん、すごく素敵でした。 あまりの美人ぶりにドキーッ!!としました。 そして、そんな凛さんとの思い出も…ビルからのシーンでは、一瞬思考がすべて停止しました…。 「え…」という声が出ました。 彼女の寂寥は、そこまで深かったのかと―――元倉さん、選択肢なかったからこれプレイヤーのチキンのせいじゃないけれど、あなた選択を間違えたっぽいよ…と0.02秒くらいで高速で思考した後に凛さんのお部屋が出てきた時は「ヘイヘイ、元倉の兄さん!ここから未来を変えるぜ!! チキンが選ぶお手伝いするね!」と意気揚々となりました。 そして、玉砕。 元倉さんも私も、玉砕。 End1→2のコースで見事に玉砕。 「おい、チキン!! 少しはまともな未来を選べないのか!」とお叱りを受けてもおかしくないくらい私のチョイスがアレでした。 「ま、待て待て、元倉の兄貴っ…つ、次こそ!」と祈るような気持ちで最後にEnd3を見たので、一瞬ハッピーエンドかと錯覚を引き起こすくらいでした(笑) End1は、凛さんが立派な女王様然とした凛様になっていて「あ、救われたけれど…そういう…」と展開に驚愕でした。 すべてを管理する妻になっていて、これはこれで幸せそうだけれど元倉くんは息苦しそうだなーとちょっと怖いエンドでした。 End2は、凛さんが闇沼に落ちてしまったエンドで、これはもうただただ悲しかったです。いわゆる貧国女子として居場所がない、ホストに入れ込んで自転車操業で人生を回している様子がありありと書かれていて、享楽的に生きるしかない、心の傷を見ないようにして自分の幸せを考えないようにしている様が悲しかったです。 End3は、一瞬錯覚しそうな幸せを匂わせていて大人のズルさみたいなものが感じられるエンドでした。そして、女ってしたたかで美しいなと思うエンドでもありました。 告白シーンの「これ以上、私に何を言わせたいの?」というセリフ、凛さんルートの中でダントツで好きなセリフです。 このセリフ、リアルでもなかなか言えないと思います…!大好き!! しかしながら、確かに「追いかけてくれているうちは生きる」と誰かの行動に依存しきったこのエンドは、本当の意味で凛さんが幸せになれるエンドではない…花凛さんの指摘に、元倉さん同様、ハッとなりました。 そして、花凛さんのおかげで真のエンドを迎えました。 落ち着くべきところへ落ち着いて、憑き物もすべて落ちて、とてもとてもよかったです。 ハッピーエンド大好き至上主義者としては、このハッピーエンドが一番大好きです! 最後の2人で手をつないだスチル、控えめに言って最の高でした。 元倉さんにとっては、好きになった人の突然の死、そして決して幸せとは言えない様々な未来を見てのこのエンドなので感情大爆発の人生最高の瞬間だったのではないかなと感じました。 ここから先はリセットなしの世界、その世界で最高の笑顔を咲かせる凛さんと今度こそ凛さんを離さないとしっかりと手をつないだ元倉さんに、とても幸せな気持ちになりました。 2人とも、お幸せに! ほわほわと幸せな気持ちになったところで「クラッシャー藍川くん」がいることを思い出しました…。 大丈夫なのか、君は…!(成績とかも含めて)と、いざ藍川くんルートを開始しました! 由 香 さ ん が 強 い … !! 色々な意味で都合の良い女である由香さん、この恋のシーソー感がヒリヒリと焦げついて、このルートはピュア藍川を弄んでいる感もドキドキでした。 ピュア藍川くん、大人しく引き下がったな…と思っていたら、そんなわけなかった!!!!(教祖じゃん!!) あ、心の声が先行して出てしまいました…「教祖じゃん!!」と藍川くんの人生があまりにも劇的に異界化していたので、ぱちばれの藍川くんと同一人物なのか一瞬目が霞みました…。 そして、無事にトリカゴの中に入れられる鳥のような展開を迎えての、再起(選択肢)―――も、由香さんにお叱りを受けそうなチョイスでした。 「このチキンは、バッドエンド方向へ走らないと気が済まないの!?」と言われても「はい、すみません…」と謝罪するしかないエンド具合でした。 エンドを見た順に以下、感想をつらつらと。 End4は、15年どころか今ももう逃げられなかったエンドで、藍川くんが素直に引き下がることさえなくて「由香さん、これがあなたが一時の寂しさを埋めた後の代償や!」なんてメガホンで叫びながら思わず自分だけ裸足で逃げたくなるエンドでした。 End3は、彼氏がとにかく懐が広くて驚きました…え、これさっき四つん這いになって男泣きしてた人?と、色々な意味で彼氏の変わり具合にビックリ(笑) あそこまで見せられても「それでも彼女のほうが好きな気持ちが勝っている」と言ってのける漢なのに、あの本筋では四つん這いで『先生』相手に随喜の涙を流してしまうのだから、人間って本当に不思議です(そこか) End1は、由香さんがナイス調教師由香さんのまま終わるエンドで、この後も由香さんの調教が続くし、好きとは言ってもらえないのかと思うと、一番危険な香りのするエンドでした。エンド4がヤンデレエンドだとすると、このエンドは恋のシーソーゲームがまだ続く感じで、スリリングな香りがします。何より大人の女である由香さんの「女」が前面に出ていて、艶があるエンドでした。 End2で、ぱちばれ!の藍川くんが出てきて「よかったーー! 君が教祖先生にならずに済みそうで!」とこのエンドは少し安心しました(…あ、お姉さん曰くちょっと拗らせているけれど…) 今までのエンドの中では一番安定感がありました。 End5は、まさかの大地さんの影がとても色濃くて、スチルも「大地さん!?」と一瞬勘違いしてしまうくらい頭が混乱しかけました。 どれだけ頑張っても、どれだけ想っても、「自分」ではなく「あの人」なんだなという思いに色々なものが蝕まれているエンドで、幸せなはずなのに幸せな気持ちの後ろに常に影が落とされている雰囲気でした。 のどの奥に小骨が引っかかっているような、ちょっとモゴモゴとしたしこりが心に残るエンドでした。もどかしい…! 真エンドでは、仄暗い終わりかたであったものの、落ち着くところへ落ち着いたなぁと思いました。 何もかもかを注いで、尽くして、人生を懸けて女神のように焦がれる由香さんを手に入れたのに、心も愛もカケラも手に入らない藍川くんがクラッシャー藍川くんだけれど、同時にやっぱりピュア藍川くんなんだなと思いました。 同情くらいはあげるわよと言って残り少ない自由の中からまだ抵抗を見せる強い由香さんが、美しいなと感じました。 愛を乞う獣を抱きしめながら笑う由香さんの愛は、獣が生涯かけて手に入れられるかどうかあやしいもの…その人生の終わりに愛の端のカケラくらいもらえるといいですね!と藍川くんにはエールを送ります(小声) 愛する人をようやく手に入れたつもりで、自分が人生丸ごと雁字搦めになってもうどこにも行けなくなっている藍川くんがちょっぴり可哀想ですが、どんな状況でも凛と立ち続けようとする不屈の由香さんがとにかくカッコ良くて好きです。 与えられたものから常に最良を選び続け抗い続ける強い女の人、とっても好きです! 挿入歌もとてもよかったです。 3曲とも素晴らしくて、この感想を書いている今もゲームを起動したまま流しています。 一番好きなのは「心音」です。 2ルートともカラーがまったく異なっていて面白かったです! おまけのイラストも、どちらもルートカラーを出していてすごく好きです。 藍川くんのルートがズシーンと響いたので、凛さんたちの幸せそうなイラストには大いに浄化されました! 由香さんの話は、後ろから抱きついていくスチルと最後の抱きしめているスチルが大好きです。 元倉さんの話は、凛さんの浴衣姿の登場シーンと5年ぶりに出会ったスチル、最後の手繋ぎスチルが大好きです。 本作はスチルがとても多くて、次から次に出てくるのでずっと眼が幸せでした! @ネタバレ終了 大きく分けて2つの物語が詰まった本作は、主人公によってカラーがまったく異なっていてどちらもとても面白かったです! 素敵な作品をありがとうございました!
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Losers' Heaven昨年の旧ver.も遊ばせていただきましたが、今回の装いも新たに新規のシナリオまで追加された完全版ともいえる本作、とても面白かったです! パワーアップした立ち絵なども美しく、なにより歌が入っている音楽とムービーがとてもいいです! スマホなどで外出先にミュートでプレイするのはもったいない、自宅で音を出しながらじっくり見てほしい作品でした。 @ネタバレ開始 旧版からさらにパワーアップしてゲーム性も高くなっていた本作は、探索なども歯ごたえが増していました。 どちらへ進むかと決めたあとでトナカイまみれが何回か続いたりして「トナカイよ、お退き!」となったり「またトカゲに戻ったわ!」となったりと、途中から自分でアナログ地図を作りました(笑) そしてトカゲやら蛇やらをアイテムと組み合わせて無事にkeyを入手できました。 この辺りの要素、かなり面白かったです。 レインさんが相変わらずかわいく、ウバイドさんはブルーの見た目が大変好みでした。 作者様の描かれるキャラクターはとても個性的かつ幻想的で、新しいキャラが出る度に目を引かれました。 お話はダークなのですが、それを覆すような陽気さが入っているためか重たすぎずにテンポよく進められました。 もしかしてまだ続くのかも…と期待を込めて、もし次回作があるのなら楽しみです! @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございました!