SHIAのレビューコレクション
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絶対零夜ノ殺人冒頭のシーンからいきなり大ピンチになり、生き延びたもののそのまま命の危険にさらされようやく一息付けたと思ったのも束の間、クローズド・サークルと化した中で起きる殺人…と、冒頭から息つく暇もなく次から次に渦中へと巻き込まれてしまう主人公にハラハラしつつプレイさせていただきました。 スタンダードなサウンドノベルで、読むことに注力して最後まで楽しく読ませていただきました。 @ネタバレ開始 ストーリーを読んでいると「あれ?」と思う箇所がないわけではなかったのですが、定番やお約束を挟みつつ、作者様のオリジナリティが綺麗に入っていて面白かったです。 リビングでの入力画面は、「きんぞくばっと」などありもしないものを含め「すとーぶ、もっぷ、くるまいす」などを入れて間違え続けて、綺麗に9に辿り着きました。 その後、くっそー!まだママンのヒントは見んぞ!と奮闘しましたが、撃沈。 いざヒントをいただいたときに、なぜか手に持って戦うものではなくいきなり燃料となるものを入力し「犯人め、燃やしてやる!」とゼッタイコロスバーサーカーモードに転身、生き残るためならどーにでもなれという自分がサイコパスでシリアルキラー状態になりました…もう何が正解か分からず「いっそすべて滅殺!」の方向へ動いてしまいましたが、正解が分かると主人公もとても思い切りが良かったですね、その発想はなかったよ! ただ、このエンドは真相などが分からずにただ生存なので…ここへ来るまでも結構大変でしたが、エンド11と12を見ようと再度奮起することにしました。 無事にエンド10を見た後は攻略情報に頼らせていただきました…が、攻略情報も少し分かりづらいかなと思いました。 本作は元々攻略情報がないとエンド11や12は辿り着けないくらい難易度が激ムズと感じます。 攻略情報を見てでもクリアしたいと思う方は「クリアしたい、最後まで読みたい」という切実な気持ちで来訪されると思うので、一番下にでもいいので「完全攻略(入力する単語などまで網羅されている)」を書いておいた方が親切かな…と思いました。 エンド11、エンド12とも見るのは難しかったですが、それぞれ物語のここを見るためにたくさんバッドエンドも見たし、ママンとも話しまくったぜ!という予想できないエンドでした。 エンド12は本当に特殊なので、特殊エンドとついている意味が「なるほど!」でした。 この二つのエンドに関しては何を書いてもネタバレになっちゃいそうなので、もどかしいですが…難しかったですが、無事に辿り着けてよかったです! @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございました!
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プレアデスをさがしてどこかノスタルジックでじんわりと心が癒される絵本のような物語でした。 ドットで描かれている世界が素敵で、それぞれの背景を細かいところまで見たくなりました。 「プレアデスってなに?」というところから、郵便屋さんとして人々と交流するうちにキャラクターたちの抱えているものなどが徐々に明らかにされて世界がどんどん輪郭を持っていくのが素敵でした。 @ネタバレ開始 毎晩の「かあさま」への語りが好きでした。 初めはシステムを理解しておらず、初回はみんなにちまちま会いに行っていましたが色々と途中で終了。 「君のお母さんの主治医だった」というお医者様のお話あたりで終わって「お、終わってしまったー!」と軽いショックを受けました(笑) 2周目から一人にずっと話を聞いたり、夜にも会話があることに気付いて夜もきちんと調べたり…とプレアデスを探して本格的に色々と頑張り始めてからはノンストップで面白かったです! 貴婦人さんだけは探していても会えず、どうやったのかはまったく分かりませんが諦めかけていたら、ふと会えました…。 貴婦人さんの話し方がとても好きなので、お会いできて本当によかったです! 墓守さんと魔女さんにお会いしたときは「いよいよ核心だ!」ととても嬉しくなりました。 貴婦人さん探しが大変だっただけに、物語の核心に辿り着いたときはガッツポーズでした。 @ネタバレ終了 すべてが終わった後も、ふと住人の方々に会いに行きたくなる、もう少しこの世界に浸っていたくなる、そんな余韻を持つ作品でした。 素敵な作品をありがとうございました!
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IDOLA(イドラ)パズルのピースを一つ一つはめていったらどうやら一枚の絵になったらしい…遠くから見てみたら、それがどんな絵であったのかに気付く―――そんな瞬間に似た感覚を味わえました。 そして、邦画を見ているような気持ちになれる作品でした。 @ネタバレ開始 これは感想を書くにも多くの言葉を連ねてはいけないタイプの作品だなぁ…というのが率直な感想です。 ゲームをプレイした方の数だけ解釈や見方がある、正しく「これはどんな絵に見える?」というタイプのストーリーが秀逸でした。 愛も真実も見ている本人のフィルターを通しているものがそうであり、またそうでもない。 自分と他者の真実が複雑に絡み合って、愛も真実も人の命さえも煙に巻くようにどこにあるのか分からなくなる…とても表現が難しいですが、本作は「受け取り手が感じたことがすべて」とも言える作品でした。 「愛」と名付けられているものでさえも私たちは「自分がそうだと思うものを愛としたい」、そのように名前を付けて自分の手元に抱き留めているだけであって、実際はなにが「愛」だなんていうのは誰にも分からない…本作は様々な視点を通じて一つの結末には結びつくものの、実際にはなにが「真実」というのは誰にも分からない、そして私が感じたことが「真実」の一つでありまたそうではないという…非常に複雑な気持ちになりました。 このゲームは何度もプレイすることで人間関係などが理解できますが、それさえもあくまで断片的に見たその人の人生を私というフィルターを通して解釈したものにすぎないというところが肝でした。 逆説的に「私たちはいかなる手段を用いても、登場人物たちの本心や考えには迫ることはできても本当の意味で知ることはできない」というジレンマ、これさえもが作品全体の味として溢れており、深いなぁ…と感じます。 最後のあの判決を見ていて、人の歴史というものは「大衆の真実」が寄り集められた不格好なパッチワークなのかもしれないなと感じました。 @ネタバレ終了 初めは何がどうなっているのかが分からずに混乱するところから始まった本作ですが、少しずつ物語の輪郭が浮かび上がってくると一気に思考回路が回りだす面白い作品でした。 素敵な作品をありがとうございました!
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FILE6目が覚めたら知らない人が目の前に…というだけでも困惑するのに、あの食事はもっと困惑してしまう…! そんな状況から始まる物語、最後まで次がどうなるのかと気になってノンストップでした。 閉鎖された施設の空気や物語の雰囲気がとても素晴らしかったです。 @ネタバレ開始 最後の終わり方ァ!と思う終わりかたで、やはり先生は善良なお人ではなかったのですね…。 四年間費やしたということでしたが、四年間もエワさんたちはあんな感じで壊れたり、直したりを繰り返していたのでしょうか。 皆さんのエラーなどの類を直さずにそのままいたのも、すべては実験のためと思うとやるせないものがあります。 各お話(本)の中に挟まっていたお手紙の内容も真相が見えると、より重たく感じました。 @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございました!
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メモリーガール【12/12更新】開始1分、いい感じの雰囲気に突如として入るノイズとエラーにガッツリと心を持っていかれました。 グラフィックから演出まですべてがとてもハイクオリティで、また世界観やキャラクターが緻密で美しかわいく、とても素敵な時間を過ごせました。 @ネタバレ開始 メシアさんがどこまでもいい子で、メシアさん~~好き~~!!!となりました。 とてもかわいい御声とビジュアルに一目惚れして「好き!」となりましたが、最後に猛ダッシュして抱きついていくところなど、かわいさ大爆発でこんな大親友を持っためもりさんは、大切なメモリーとともに明日からまた自分の足で現実を歩いていけたらいいなと思いました。 演出がとても素晴らしく、ブラウン管テレビのように切り替わる場所移動やメトロに乗っているときのちょっとレトロな感じでドットっぽい絵がゆったり動く感じなど、視覚的にも見ていてとても面白かったです! @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございました!
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1=1×1タイトルに惹かれてプレイさせていただきました。 これはプレイされた方の数だけ感じ方や受け取り方があるタイプの面白い作品でした。 プレイ後は原作の漫画も拝読しました。 @ネタバレ開始 起動後すぐに目に入ってくるコンフィグやガイドラインなどの案内で既に「ああ、丁寧に作られているゲームの予感」と感じたのですが、細部の演出などとても細やかなところまで作り込まれていて、特に一度クリアした後のゲームだけで公式サイトなどへの案内などもすべて完結している仕様はすごいと感じました。 原作漫画とゲーム両方を見てから感想を書いているので、少し漫画を読んで感じた部分も入っている感想になります。 「1」である「自分」は確かに存在しているけれど他の「自分」も「1」であるならば「自分」も多くの「1」の中の「1」に過ぎないのか、それとも自分こそが唯一の「1」なのか、あるいは自分以外の「1」があれば自分が成り立つのであればまさに自分という「1」は消えても「1」である自分は存在するのか…考えれば考えるほど面白いですね! 「我思う、ゆえに我あり」ではないですが、まず「自分」が「1である」という思考から開始する試みはどの時点で「自分」が「1」となるのかというところから考えたくなります。 母の胎内にいるときは「1」なのか、それともこの世に生まれた時からが「1」なのか、それまでは「0」なのか…いや、存在しているという意味では「妊娠が発覚した瞬間=この世にあらたな自分たりえる存在が立証された瞬間」に「1」として成り立つのか。 「元気な時の自分」など様々な自分が各々「1」であることが認識できることや「あなたも私も同じ1」というのであれば、自我が確立できない(例えば生まれたばかりの頃の思考的回路の形成がまだほとんどなされない時点)では、あの数式はどこまで成立の証明ができるのか。 また、例えば自分が不慮の交通事故で死んだときなどは「-1」なのか、それとも「交通事故で死んだ自分」として「1」として成立するのか、ゲーム中ではピストルで背後から撃つという一見すると「死=-1」のカウントとなっている気がするが、生存していれば「1」であり、死亡した場合は「-1」となるのであれば、存在自体のカウントを生存していることが「1」の条件とするのか。 その場合、死亡した自分を「-1」カウントとし「1」としてカウントされないことを「元気な時の自分」や「落ち込んでいるときの自分」などの自分と対比してどう証明するのか…と、「-1」とするときの自分もどのような自分なのか考えたくなります。 いや、そもそもあの数式を成り立たせる条件は…と、そんなことをもちゃもちゃ考えて、とても楽しい時間を過ごさせていただきました。 @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございました!
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マジで桐生はイケメンだから!桐生くんを守るためならば高速残像を使ってでも皆の視線から反復横跳びセ●ム!セ●ム!したりする俺くんによる、桐生くんはマジでイケメンの中のイケメン、キング・オブ・イケメンを堪能する(基本)爆笑ゲームでした。 私もイケメン育みタイムほしいですー! この世のすべての光を集めたようなイケメンの寝顔から溢れ出てくるオーラを吸いながら、癒されて浄化されたい…! @ネタバレ開始 最初から最後まで、一切ブレない主人公…あなたもハートイケメンでした。 桐生くんをひたすらに崇め、讃え、全力で追いかける姿、さすがイケメンウォッチングを極めし者…! 桐生くんはもう言葉も不要なイケメンでした。 イケメンがいれば落ちてきた隕石も宇宙に帰り飛ぶし、オゾン層も勝手に分厚く蘇るし、伐採された木々は生い茂るし、汚れた河川は澄み渡るし、台風は逸れるし、見るだけでダイエット効果も美肌効果も含めて万病完治、地球と全人類健康になる…! それくらいの威力と癒しをお持ちであろう現代に降臨したもうイケメン桐生くん、毎日「俺」くんのために登校時間を一定にしているとか、実は頼んでくれたらいつでも腹筋くらい見せるとか、主人公の突然始まる舞台劇にノッてくれたりとか…心身ともにイケメンすぎて心臓がつらかったです…(主に幸せ的な意味で) たまに「ふっ」と笑う、この「ふっ」大丈夫ですか、イケメンが「ふっ」と少し目元を緩めて笑うこの微笑み、これ一息で校舎が塵に還りますよ…街中でやったらそこに見えるビル群が塵に還りますよ…もちろん、画面の前にいる私も塵に還ってますが、イケメンに対する熱意でウルトラ高速再生して塵に還りながら蘇りを同時に行っているので、なんとか生きてます(くわっ!!) 桐生くんが「ふっ」と笑う度に校舎の建設と私の再生が必要になる…(黙りなさい) すみません、柘榴雨さんがその類稀なる筆力で描き出すあまりのイケメンっぷり、イケメンからしか摂取できない成分の多量摂取にオーバーヒート気味で感想が意味不明な分からない方向に行っています。 伝説級イケメン摂取後に100%現れる、あのハイの状態です、お察しお願いいたします。 最後の締めの信号機、柘榴雨様のこういう感性、本当に天才的すぎてもう言葉が出ません…柘榴雨様の感性がイケメンすぎる(尊きものすべてがイケメンになる世界) 桐生くんの置かれている立場が重ためでしたが、その重たさを重すぎないところに留めて真夏の青空のように再びとびきり明るい場所へ持っていく、この絶妙な空気の扱い、マジで柘榴雨様もイケメン(=今回もとても素晴らしい物語)でした! 2人がこれからも仲良く幸せにいてくれたらいいなと思います。 最後に一言。 マグロの目玉ソーダ…! 久しぶりだな、ロングセール商品よ! @ネタバレ終了 最初から最後まで基本ハイテンション、全文イケメンに捧げられたるイケメンの素晴らしいところを余すことなく摂取できる至高の物語、とっっても楽しませていただきました! 今回も素晴らしい作品をありがとうございました!
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花時モーメント制作発表時から気になっていた作品です。 キャラデザインやスチルなどグラフィックが超絶お上手で、TLで立ち絵などをお見かけしたときから「グラフィックが美しすぎる~~!!」と悶えていました。 @ネタバレ開始 ★朝陽くん 朝陽くんは元々のポジションもあって距離感が近いためか、会話などもサラッとフランクな感じで好感が持てました。 主人公の理玖さんが気を遣ったり緊張せず話せるがゆえの会話のテンポが心地良かったです。 朝陽くんは立ち絵のポーズがいいですね…こう、手を首にあてているポーズが良く似合っています。 照れているときはうなじまで熱くなっているのかなーとか妄想が捗り、ドキドキしました。 弟の晴くんと三人でゲームをするほのぼのとしたシーンが大好きです。 思春期真っただ中で素直になれない晴くんが「あっくん」とまた呼びながら久しぶりに遊ぶ姿に「いいねーいいねー」とお茶を片手に見守りたい気持ちになりました。 朝陽くんがベコボコにゲームで敗北させられるのがちょっぴり可哀想でした(哀) 告白を経て無事にお互いの気持ちを通わせた後の二人のイチャイチャは甘くてニヨニヨしながら見守りました。 二人きりの家だから…ということで、スキンシップもちょっと多めな御二人、ご馳走様でした。 ほっぺたくっつけているところが2人とも激カワでした! ★砂暉先輩 なにやら鉄壁の見えないエアガードを感じる先輩は、クールさに序盤から朝陽くんとの温度差を感じました。 理玖さんにカピカピとまで言われる先輩、クールすぎて先輩と無事に結ばれることができるのだろうか…と不安でしたが唐突なるキスに「唐突過ぎる突然のLOVE&KISS!! 私、寝てた!? 意識飛んでた!? 今どこかで告白シーン瞬間全スキップした!?」と思わず慌てました。 先輩、順番がっ…! いや、正解があるわけではないですけれど、夕陽に照らされて突然のキスとかビックリエモくて心臓破裂してしまうので、心の準備させて!と画面の前で挙動不審になりました(汗) この突然のキスシーンは本作一番のドキドキシーンでした。 ちょっとずつ匂わせてくださっていましたが、唐突なるキスに一気に先輩が一人の男に見えました…! 先輩とのデートで朝陽くんと出会ったときの先輩のガッチリハンドホールドはときめきました。 手を離さずに逆に強く握るというところに、普段はクールドライな先輩の強い意志を感じました。 最後はとても爽やかな終わりでしたが、先輩が会話からもグイグイくるCool男子でこれは理玖ちゃんの心臓がこれから大変だーとやはりニヨニヨして読了となりました。 さりげなく押しが強い男子、大好きです! 実は生徒会長が見た目的に一番好きで、現在はまだルートがないのが残念…。 一目見ただけで体調がちょっと悪いことさえ看破する会長にときめきました…高嶺の花に挑みたい所存です! 生徒会長はいつも颯爽と現れてはサッとまた消えてしまうため、何度その背を「行かないで…!」と切ない目で見送ったか分かりません(笑) 実装お待ちしております! @ネタバレ終了 サブキャラたちとの掛け合いも楽しいテンポよく進む日常、お付き合いすることになった後のあま~い二人の時間、すべてがとっても面白かったです! 素敵な作品をありがとうございました!
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暗く遠くの君に告ぐ ~限界拗らせ少女が高嶺の花に手を伸ばした(物理)結果~高嶺の花で「あの子は私たちとは違う」という境界線を引かれている菫さん。 そんな菫さんに憧憬する条美さんがふとしたきっかけで話すようになり、思い悩んで成長していく素晴らしい物語でした。 @ネタバレ開始 フェスのもっともっと後半で読みたかった! そう思ってしまうほど、胸にドッ!!!とくる大好きな物語でした。 (※感想は12月終わりに投稿していますが、プレイ&感想を書いたのは10月でした) 条美さんが自分とは全く違う世界にいると思っていた菫さんに対して、終盤で「菫はこんなところで終わる人じゃない、もっと上へ行ける」と自分の希望、そうであってほしいという期待と理想を押しつけてしまったところは読んでいて胸が苦しくなりました。 「そうじゃない」と少し菫さんの気持ちになっていました。 条美さんの母君とのやり取り、母君がもうさすがの人生の先輩で読んでいてとても気持ちが良かったです! 絶対に振り返って止まってはくれない輝く星にも似たあの人の背を目指して走り続け、滑って転んで膝をすりむきながらも立ち上がって、そしてまた足を前へ前へ動かす…菫さんのようにトップスピードで駆け抜けられない条美さんにはこれから先困難が多々あるだろうとは思いましたが、彼女なら成し遂げるだろうと強く感じました。 条美さんがいつか必ず勝手にその横に立つ日を、「ああ、来たの」「勝手に来たよ」と二人がそんなことを交わし合う日を、遠くから星々の観測者のように眺めていたいと思いました。 エンディングテーマのピアノ系の曲が美しすぎて心を揺さぶってきました。 @ネタバレ終了 二人がその後どうなったのかを想像するのも楽しいのですが、願わくば後日談のようなものが見てみたかった気持ちも強くあります…! とても素敵な作品でした、ありがとうございました!
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復讐の汚濁とても好きなお話でした。作品の雰囲気や設定、緻密で美しい文章、時折挿入され目を楽しませてくださるスチル、すべてが素晴らしく、最後まで楽しく読ませていただきました。 キリスト教や西欧の怪異などに博識な方や、そうしたものが大好きな方なら楽しさ倍増で読める作品でした。 アイゼン伯爵様の美麗なタイトルイラスト、本編で挿入されるエリックさんやフォカロルさんのスチルは、眼福でした。 @ネタバレ開始 エリックさんたちが推理をしているところなど、話に引き込まれていて思わず自分も「ふむふむ…」と探偵モードになっていたので、ロバートさんを含めた情報整理・推理はもちろん、ロバートさんと別れた後の食人文化のところなども切り口が非常に面白く、特に楽しく読ませていただきました。 ロバートさんをお呼びしての解決編にあたる部分では、もうワクワクが止まらない状態で読ませていただきました。 決して胸躍らせてはいけない終わりが待っていると分かっていながら、それでもやはりエリックさんの選択「シラフに戻した状態で、海の司教に本懐を遂げさせてやれ」は、エリックさんの共感からきたものだと感じ入り、感動とは少し違いますが胸にくるものがありました。 また、フォカロルさんの甘言睦言を振り払い、メンタル的にも復活を遂げた不屈のエリックさんがとてもクールでした。 フォカロルさんとロバートさんを使って必ず復讐を成し遂げると宣言した後、最後にドーナッツを美味しそうに食べるエリックさんがとても素敵でした。(食べられなくて残念そうにしていたので、最後に食べられてよかったです!) @ネタバレ終了 エリックさんたちのお話に触れるのは今作が初めてなのですが、(言葉が少し砕けすぎて恐縮ですが)「めちゃくちゃ好きになった!!」ので、また次回作が出たら絶対に遊びたいと思いました。 素敵な作品をありがとうございました!